説明

エレベータ装置の改修方法、及びエレベータ装置

【課題】工事期間を短縮できるとともに、廃棄物を削減できるエレベータ装置の改修方法、及びエレベータ装置を提供する。
【解決手段】昇降路10内のスペースに巻上機26を設置するとともに、油圧ジャッキ1のプランジャ1bに第2返車27を取付けて、巻上機26の綱車26aに主ロープ28を巻き掛けるとともに、主ロープ28を第2返車27に巻き掛けることで、巻上機26をプランジャ1bに連結し、巻上機26の駆動力によってプランジャ1bが上下動されることでかご2が昇降されるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、既設の油圧式エレベータ装置をロープ式エレベータ装置にするためのエレベータ装置の改修方法、及びエレベータ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
既設の油圧式エレベータ装置をロープ式エレベータ装置に改修するための従来方法としては、例えば下記の特許文献1等に記載された方法を挙げることができる。すなわち、従来方法では、油圧ジャッキを含む油圧式駆動部を撤去することで、既設のかごの昇降経路と昇降路の壁との間に機器設置スペースを設け、この機器設置スペースに釣合おもり及び釣合おもりガイドレールを設置するとともに、釣合おもりのガイドレールの上部に巻上機を設置する。その後に、釣合おもりガイドレールの上部に主ロープの端部を固定するとともに、釣合おもり吊車、巻上機の綱車、及び既設のかごに取付けられたかご吊車に主ロープを巻き掛ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−39224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来のエレベータ装置の改修方法では、昇降路から油圧ジャッキを撤去するので、狭い空間内での煩雑な解体作業が必要となり、工事期間が長くなっている。また、撤去した油圧ジャッキを廃棄物として処理する必要があり、コストが増大する。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、工事期間を短縮できるとともに、廃棄物を削減できるエレベータ装置の改修方法、及びエレベータ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るエレベータ装置の改修方法は、昇降路内のスペースに巻上機を設置し、巻上機の綱車に主ロープを巻き掛けるとともに、主ロープを介して巻上機をプランジャに連結し、巻上機の駆動力によってプランジャが上下動されることでかごが昇降されるようにする。
【0007】
また、本発明に係るエレベータ装置は、かご、油圧ジャッキと、油圧ジャッキのプランジャに取付けられた返車と、返車に巻き掛けられるとともに一端がかごに固定された駆動用ロープとを含み、油圧ジャッキのプランジャの上下動に応じてかごを昇降させる油圧式駆動部、綱車を有する巻上機、及び綱車に巻き掛けられた主ロープを備え、巻上機が主ロープを介してプランジャに連結されており、巻上機の駆動力によりプランジャが上下動されることでかごが昇降されるように構成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明のエレベータ装置の改修方法、及びエレベータ装置によれば、主ロープを介して巻上機がプランジャに連結され、巻上機の駆動力によりプランジャが上下動されることでかごが昇降されるので、既設の油圧ジャッキを流用して油圧式エレベータ装置をロープ式エレベータ装置に改修することができる。これにより、油圧ジャッキを撤去する必要性を無くすことができ、工事期間を短縮できるとともに、廃棄物を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1による油圧式エレベータ装置を示す構成図である。
【図2】図1のエレベータが改修された後のエレベータ装置を示す構成図である。
【図3】この発明の実施の形態2によるエレベータ装置を示す構成図である。
【図4】この発明の実施の形態3によるエレベータ装置を示す構成図である。
【図5】図4の代替返車を示す側面図である。
【図6】この発明の実施の形態4によるエレベータ装置を示す構成図である。
【図7】この発明の実施の形態5によるエレベータ装置を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による油圧式エレベータ装置を示す構成図であり、改修前のエレベータを示している。図において、油圧式エレベータ装置は、油圧ジャッキ1を含む油圧式駆動部の動作により、かご2を昇降させるものである。油圧ジャッキ1には、シリンダ1a及びプランジャ1bが設けられている。シリンダ1aには、油圧を発生させる油圧パワーユニット(図示せず)が油圧配管(図示せず)を介して接続されている。油圧パワーユニットは、油圧制御盤(図示せず)によって制御される。プランジャ1bは、油圧パワーユニットからの油圧によって上下方向に駆動される。
【0011】
プランジャ1bの上部には、支持枠3aを介して返車3が取り付けられている。返車3は、油圧ジャッキ1の駆動力によって昇降される。油圧ジャッキ1の両側には、支持枠3aを介して返車3の昇降を案内する一対の返車ガイドレール4が設置されている。返車3には、複数本の駆動用ロープ5が巻き掛けられている。
【0012】
かご2の下部には、かご2の後部からかご2の後方へ突出する後部かご吊部2aが取り付けられている。後部かご吊部2aには、駆動用ロープ5の一端が接続されている。駆動用ロープ5の他端は、昇降路10の下部に固定されている。かご2は、返車3の昇降、すなわちプランジャ1bの上下動に連動して昇降される。なお、この実施の形態では、油圧式エレベータ装置用駆動部は、油圧ジャッキ1、油圧パワーユニット、油圧制御盤、返車3、返車ガイドレール4、及び駆動用ロープ5を含む。
【0013】
また、かご2には、大きな荷重を支えるガイドシュー(図示せず)が取り付けられている。さらに、かご2の両側には、ガイドシューを介してかご2の昇降を案内する一対のかごガイドレール(図示せず)が設置されている。さらにまた、かご2の下方のピットには、かご2の昇降路10下部への衝突の衝撃を緩和するかご緩衝器6が設置されている。
【0014】
次に、図2は、図1のエレベータが改修された後のエレベータ装置を示す構成図である。図2のエレベータ装置は、図1の油圧式エレベータ装置に対して、釣合おもり20、一対の釣合おもりガイドレール21、釣合おもり吊車22、釣合おもり緩衝器23、支持柱24、梁25、巻上機26、第2返車27、及び主ロープ28を追加する改修工事が施されたものである。
【0015】
釣合おもりガイドレール21は、昇降路10の底部から上部まで延在された柱状の部材であり、昇降路10内での釣合おもり20の昇降を案内するものである。釣合おもり吊車22は、釣合おもり20の上部に取付けられている。釣合おもり緩衝器23は、釣合おもり20の昇降路10底部への衝突の衝撃を緩和するためのものであり、釣合おもり20の下方に設置されている。これら釣合おもり20、釣合おもりガイドレール21、釣合おもり吊車22、及び釣合おもり緩衝器23は、昇降路10内のスペース、具体的には図中左側の第1昇降路側壁10aと既存の油圧ジャッキ1との間のスペースに配置されている。
【0016】
支持柱24は、第1昇降路側壁10aに対向する第2昇降路側壁10bに沿って昇降路10の底部から上部まで延在された断面コ字状の柱状の部材である。すなわち、支持柱24は、釣合おもりガイドレール21との間に所定間隔を置いた状態で、その釣合おもりガイドレール21と平行に配置されている。釣合おもりガイドレール21の上部と支持柱24の上部との間には、梁25が渡されている。梁25の上部には、綱車26aを有する巻上機26が設置されている。すなわち、巻上機26は、昇降路10の上部のスペースに配置されている。
【0017】
第2返車27は、既設の返車3の上方に配置された滑車であり、第2支持枠27aを介して返車3と一体にプランジャ1bの上部に取付けられている。第2返車27の昇降は、返車3とともに返車ガイドレール4によって案内される。
【0018】
主ロープ28は、釣合おもり吊車22、綱車26a、及び第2返車27に巻き掛けられている。すなわち、本実施の形態では主ロープ28が第2返車27に巻き掛けられることで、主ロープ28が油圧ジャッキ1のプランジャ1bに連結されている。主ロープ28の両側の端部28a,28bは、梁25に固定されている。これらの追加された機器は、水平投影面において、油圧ジャッキ1やかご2等の既設の機器と重ならないように配置されている。
【0019】
次に、図2の改修後のエレベータ装置の動作について説明する。綱車26aは、巻上機26の駆動力により回転駆動される。このとき、巻上機26の駆動力は、主ロープ28を介して釣合おもり吊車22及び第2返車27に伝えられる。
【0020】
例えば、綱車26aが図中反時計回りに回転駆動されると、釣合おもり吊車22が降下駆動されるとともに、第2返車27が上昇駆動される。このとき、第2返車27が第2支持枠27aを介してプランジャ1bの上部に取付けられているので、第2返車27の上昇駆動に伴い、返車3及びプランジャ1bも上昇駆動される。返車3及びプランジャ1bが上昇駆動されると、その駆動力が駆動用ロープ5を介してかご2に伝えられて、かご2も上昇駆動される。
【0021】
逆に、綱車26aが図中時計回りに回転駆動されると、釣合おもり吊車22が上昇駆動されるとともに、第2返車27が下降駆動される。このとき、第2返車27が第2支持枠27aを介してプランジャ1bの上部に取付けられているので、第2返車27の下降駆動に伴い、返車3及びプランジャ1bも下降駆動される。返車3及びプランジャ1bが下降駆動されると、その駆動力が駆動用ロープ5を介してかご2に伝えられて、かご2も下降駆動される。
【0022】
すなわち、本実施の形態では、昇降路10内のスペースに巻上機26を設置するとともに、油圧ジャッキ1のプランジャ1bに第2返車27を取付けて、巻上機26の綱車26aに主ロープ28を巻き掛けるとともに、主ロープ28を第2返車27に巻き掛けることで、巻上機26をプランジャ1bに連結し、巻上機26の駆動力によってプランジャ1bが上下動されることでかご2が昇降されるようにするエレベータ装置の改修方法が実施されている。
【0023】
なお図2では示していないが、改修前から油圧ジャッキ1のシリンダ1aに接続されていた油圧パワーユニットや油圧配管は、そのままシリンダ1aに接続されている。これは、巻上機26の駆動力によってプランジャ1bが上下動される場合に、油圧ジャッキ1内の作動油の変位を油圧パワーユニットで吸収するためである。但し、油圧パワーユニットは、油圧を発生させるように稼働はされない。
【0024】
このようなエレベータ装置のエレベータ装置の改修方法、及びエレベータ装置によれば、主ロープ28を介して巻上機26がプランジャ1bに連結され、巻上機26の駆動力によりプランジャ1bが上下動されることでかご2が昇降されるので、既設の油圧ジャッキ1を流用して油圧式エレベータ装置をロープ式エレベータ装置に改修することができる。これにより、油圧ジャッキ1を撤去する必要性を無くすことができ、工事期間を短縮できるとともに、廃棄物を削減できる。特に、工事期間を短縮できることで、エレベータが使用できない期間を短くでき、利用者の利便性を向上できる。また、工事期間の短縮により改修費用も抑えることができる。
また、従来方法のように油圧駆動部を撤去してロープ式エレベータ装置へと改修する場合には、油圧式エレベータ装置の非常止めを流用することもできなかったが、本実施の形態のように既設の油圧駆動部を流用する場合には、油圧式エレベータ装置の非常止めも流用でき、部品コストを抑えることもできる。
【0025】
また、プランジャ1bに第2返車27を取付けて、第2返車27に主ロープ28を巻き掛けることで、巻上機26をプランジャ1bに連結するので、2:1ローピングとすることができ、小型の巻上機26を採用できる。
【0026】
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2によるエレベータ装置を示す構成図である。実施の形態1では、油圧ジャッキ1のプランジャ1bに第2返車27を取付けて、主ロープ28を第2返車27に巻き掛けることで巻上機26をプランジャ1bに連結していた。しかしながら、図3に示すように第2返車27を省略して、例えば返車3の支持枠3a等に主ロープ28の一端28bを取付けて、主ロープ28の一端28bをプランジャ1bに対して固定することで巻上機26をプランジャ1bに連結してもよい。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0027】
このように、主ロープ28の一端28bをプランジャ1bに対して固定することで巻上機26をプランジャ1bに連結しても、既設の油圧ジャッキ1を流用して、油圧式エレベータ装置をロープ式エレベータ装置に改修することができる。すなわち、実施の形態1の構成と同様に、油圧ジャッキ1を撤去する必要性を無くすことができ、工事期間を短縮できるとともに、廃棄物を削減できる。また、返車3の上方に第2返車27を追加せずに済むので、改修前の状態で、プランジャ1bが最も高い位置まで上昇されたときに昇降路10の天井と返車3との間に余裕が無い場合には、本実施の形態の構成が特に有利となる。
【0028】
実施の形態3.
図4は、この発明の実施の形態3によるエレベータ装置を示す構成図であり、図5は図4の代替返車30を示す側面図である。図4に示すように、本実施の形態では、油圧ジャッキ1のプランジャ1bから返車3(図1参照)が取り外されて、返車3の代わりに代替返車30がプランジャ1bに取付けられている。図5に示すように、代替返車30には、駆動用ロープ5が巻き掛けられる第1溝30aと主ロープ28が巻き掛けられる第2溝30bとが設けられている。換言すると、代替返車30は、実施の形態1で説明した第2返車27(図2参照)と既設の返車3が一体化されたものである。すなわち、本実施の形態では、代替返車30の第2溝30bに主ロープ28が巻き掛けられることで、主ロープ28及び代替返車30を介して巻上機26がプランジャ1bに連結されている。
【0029】
次に、図4のエレベータ装置の動作について説明する。綱車26aは、巻上機26の駆動力により回転駆動される。このとき、巻上機26の駆動力は、主ロープ28を介して釣合おもり吊車22及び代替返車30に伝えられる。
【0030】
例えば、綱車26aが図中反時計回りに回転駆動されると、代替返車30が時計回りに回転駆動されて、プランジャ1bを下方に変位させつつ、駆動用ロープ5を介してかご2を下方へと変位させる。逆に、綱車26aが図中時計回りに回転駆動されると、代替返車30が反時計回りに回転駆動されて、プランジャ1bを上方に変位させつつ、駆動用ロープ5を介してかご2を上方へと変位させる。このような動作となるため、実施の形態1の構成と異なり、巻上機26及び釣合おもり20を図4における油圧ジャッキ1の右側に配置する必要が生じる。仮に、巻上機26及び釣合おもり20を油圧ジャッキ1の左側に配置すると、釣合おもり20の上昇及び下降がかご2と同期してしまい、釣合おもり20としての機能が失われてしまう。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0031】
このように、返車3の代わりに代替返車30がプランジャ1bに取付けられて、代替返車30の第2溝30bに主ロープ28が巻き掛けられることで巻上機26をプランジャ1bに連結しても、既設の油圧ジャッキ1を流用して、油圧式エレベータ装置をロープ式エレベータ装置に改修することができる。すなわち、実施の形態1の構成と同様に、油圧ジャッキ1を撤去する必要性を無くすことができ、工事期間を短縮できるとともに、廃棄物を削減できる。また、実施の形態2の構成と同様に返車3の上方に第2返車27を追加せずに済むため、改修前の状態で、プランジャ1bが最も高い位置まで上昇されたときに昇降路10の天井と返車3との間に余裕が無い場合には、本実施の形態の構成が有用となる。
【0032】
実施の形態4.
図6は、この発明の実施の形態4によるエレベータ装置を示す構成図である。実施の形態1では、改修前から油圧ジャッキ1のシリンダ1aに接続されていた油圧パワーユニットや油圧配管を、油圧ジャッキ1の作動油の変位を吸収するためにそのまま利用するように説明したが、油圧パワーユニットの代わりに、図6に示すように第2油圧ジャッキ40を油圧ジャッキ1のシリンダ1aに接続し、この第2油圧ジャッキ40により油圧ジャッキ1の作動油の変位を吸収するようにしてもよい。
【0033】
すなわち、本実施の形態の構成では、巻上機26の駆動力により油圧ジャッキ1のプランジャ1bが引き下げられたとき、油圧ジャッキ1内の余分な作動油が第2油圧ジャッキ40へと移動して、第2油圧ジャッキ40のプランジャを押し上げる。また、巻上機26の駆動力により油圧ジャッキ1のプランジャ1bが引き下げられたとき、油圧ジャッキ1内で不足する作動油が第2油圧ジャッキ40から送られて、第2油圧ジャッキ40のプランジャが引き下げられる。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0034】
このようなエレベータ装置では、新たに追加した第2油圧ジャッキ40により油圧ジャッキ1の作動油の変位を吸収するようにしているので、既設の油圧パワーユニットをそのまま利用する場合に比べて構成を簡易にすることができ、不具合が発生する可能性を低減できる。
【0035】
なお、実施の形態4では実施の形態1の構成に第2油圧ジャッキ40を追加するように説明したが、その他の実施の形態の構成に第2油圧ジャッキを追加することもできる。
【0036】
実施の形態5.
図7は、この発明の実施の形態5によるエレベータ装置を示す構成図である。実施の形態1では、改修を施す際に、釣合おもり20、釣合おもりガイドレール21、釣合おもり吊車22、及び釣合おもり緩衝器23を追加するように説明していたが、昇降路10内のスペースによってはこれらの追加が困難な場合もある。このように、昇降路10内のスペースの余裕が少ない場合には、図7に示すように、余分な主ロープ28を巻き取る巻胴式の巻上機50を用いれば、釣合おもり20等を省略することができる。巻胴式の巻上機50を用いる場合、梁25の上部には第3返車51が設置される。巻上機50は昇降路10の底部に配置され、主ロープ28は、巻上機50の綱車50a、第3返車51、及び第2返車27に巻き掛けられる。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0037】
このように、巻胴式の巻上機50を用いるようにすることで釣合おもり20等を省略することもできる。これにより、昇降路10内のスペースの余裕が少ない場合でも、既設の油圧ジャッキ1を流用して、油圧式エレベータ装置をロープ式エレベータ装置に改修することができる。
【0038】
なお、実施の形態5では実施の形態1の構成に巻胴式の巻上機50を適用するように説明しているが、その他の実施の形態の構成に巻胴式の巻上機を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0039】
1b プランジャ、1 油圧ジャッキ、2 かご、3 返車、5 駆動用ロープ、10 昇降路、26,50 巻上機、26a,50a 綱車、27 第2返車、28 主ロープ、30 代替返車、30a 第1溝、30b 第2溝、40 第2油圧ジャッキ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧ジャッキと、前記油圧ジャッキのプランジャに取付けられた返車と、前記返車に巻き掛けられるとともに一端がかごに固定された駆動用ロープとを含む油圧式駆動部により前記かごが昇降される既設の油圧式エレベータ装置を、巻上機の駆動力によって前記かごが昇降されるロープ式エレベータ装置にするエレベータ装置の改修方法であって、
昇降路内のスペースに前記巻上機を設置し、前記巻上機の綱車に主ロープを巻き掛けるとともに、前記主ロープを介して前記巻上機を前記プランジャに連結し、前記巻上機の駆動力によって前記プランジャが上下動されることで前記かごが昇降されるようにすることを特徴とするエレベータ装置の改修方法。
【請求項2】
前記プランジャに第2返車を取付けて、前記第2返車に前記主ロープを巻き掛けることで、前記巻上機を前記プランジャに連結することを特徴とする請求項1記載のエレベータ装置の改修方法。
【請求項3】
前記主ロープの一端を前記プランジャに対して固定することで、前記巻上機を前記プランジャに連結することを特徴とする請求項1記載のエレベータ装置の改修方法。
【請求項4】
前記駆動用ロープが巻き掛けられる第1溝と前記主ロープが巻き掛けられる第2溝とが設けられた代替返車を前記返車の代わりに前記油圧ジャッキのプランジャに取付けて、前記第2溝に前記主ロープを巻き掛けることで、前記巻上機を前記プランジャに連結することを特徴とする請求項1記載のエレベータ装置の改修方法。
【請求項5】
前記油圧ジャッキの油圧配管に第2油圧ジャッキを接続することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のエレベータ装置の改修方法。
【請求項6】
前記巻上機は、余分な前記主ロープを巻き取る巻胴式であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のエレベータ装置の改修方法。
【請求項7】
かご、
油圧ジャッキと、前記油圧ジャッキのプランジャに取付けられた返車と、前記返車に巻き掛けられるとともに一端がかごに固定された駆動用ロープとを含み、前記油圧ジャッキのプランジャの上下動に応じて前記かごを昇降させる油圧式駆動部、
綱車を有する巻上機、及び
前記綱車に巻き掛けられた主ロープ
を備え、
前記巻上機が前記主ロープを介して前記プランジャに連結されており、前記巻上機の駆動力により前記プランジャが上下動されることで前記かごが昇降されるように構成されていることを特徴とするエレベータ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−116644(P2012−116644A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269771(P2010−269771)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】