説明

エンティティ監視方法、プロセス制御システムおよび表示システム

【課題】プロセスプラント内の一つの機能エリアで生成もしくは収集されるステータス情報、重要度情報および修正措置に関する情報を、他の機能領域でも利用できるようにする。
【解決手段】プロセスプラント10内のエンティティを監視するための方法およびシステムは、プロセスプラント内のエンティティのステータスに関するステータスデータを収集することと、プロセスプラント内のエンティティの重要度に関す重篤度データを収集することと、上記のエンティティのステータスデータおよび重篤度データを用いてプロセスプラント内の機能を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にプロセスプラント内のプロセス制御システムに関するものであり、さらに詳細にはプロセスプラント内の資産を監視することに関するものである。
【背景技術】
【0002】
化学プロセス、石油プロセスまたは他のプロセスにおいて利用されるプロセス制御システムは、アナログバス、デジタルバス、または、アナログバス/デジタルバスを組み合わせたバスを介して、少なくとも一つのホストワークステーションもしくはオペレータワークステーションと、フィールドデバイスの如き一または複数のプロセス制御・計測デバイスとに通信可能に結合された一または複数の集中型プロセス制御装置もしくは非集中型プロセス制御装置を備えているのが一般的である。これらのフィールドデバイスは、たとえばバルブ、バルブポジショナ、スイッチ、トランスミッタ、センサ(たとえば、温度センサ、圧力センサおよび流量センサ)等であり、バルブの開閉およびプロセスパラメータの測定の如きプロセス内の機能を実行するようになっている。プロセスコントローラは、フィールドデバイスにより作成されるまたはそれに関連するプロセス測定値もしくはプロセス変数および/またはそれらのフィールドデバイスに関する他の情報を表す信号を受信し、この情報を用いて制御ルーチンを実行し、そして制御信号を生成するようになっている。これらの制御信号は、プロセスの動作を制御するために、一または複数のバスを通じてフィールドデバイスに送信される。通常、これらのフィールドデバイスおよびコントローラからの情報は、オペレータワークステーションにより実行される一または複数のアプリケーションによる利用が可能となされており、これにより、オペレータは、プロセスの現在の状況の閲覧、プロセスの動作の変更などの如きプロセスに関する所望の操作を実行することが可能となる。
【0003】
典型的なプロセス制御システムは、一または複数のプロセスコントローラに接続された弁、トランスミッタ、センサなどの如き複数のプロセス制御・計測デバイスを備えており、プロセスコントローラがプロセスの動作中にこれらのデバイスを制御するソフトウェアを実行するようになっているが、プロセスの運転に必要なまたはそれに関連する支援デバイスは他にも多く存在する。たとえば、これらの追加のデバイスには、電力供給装置、電力発生・分配装置、タービンの如き回転装置などが含まれており、これらは、典型的なプラント内の複数の場所に設置されている。この追加の装置は、プロセス変数を必ずしも作成もしくは使用するわけでなく、ほとんどの場合には、プロセス動作に影響を与える目的では、制御されることもなければプロセス制御装置に結合されることもないが、この装置は、プロセスの適切な動作にとって重要であり、終局的には必要なものである。
【0004】
さらに、プロセスプラントには、ビジネス機能または保守機能に関連するアプリケーションを実行するためにプロセスプラントに結合された他のコンピュータを有しているものが多い。たとえば、プラントによっては、原料、交換部品、またはプラント用デバイスの注文に関連するアプリケーション、販売および生産要求の予測に関連するアプリケーションなどを実行するコンピュータを備えている場合もある。同様に、ほとんどのプロセスプラント、とくにスマートフィールドデバイスを利用するプロセスプラントでは、これらのデバイスがプロセス制御・計測デバイスであるかまたは他のタイプのデバイスであるかに関係なく、プラント内でこれらのデバイスの監視・保守を補助するために利用されるアプリケーションを備えている。たとえば、フィッシャーローズマウント社により販売されている資産管理ソルーション(AMS)用アプリケーションを使用することにより、フィールドデバイスの動作状態を確認・追跡すべくフィールドデバイスと通信が可能になり、このフィールドデバイスに関連するデータを格納することが可能になる。このようなシステムの一例が、「フィールドデバイス管理システムにおいて利用される統合通信ネットワーク」という表題の米国特許第5,960,214号に開示されている。場合によっては、AMCアプリケーションが、デバイスと通信して、そのデバイス内のパラメータを変更するため、そのデバイスにそれ自体に対してたとえば自己校正ルーチンまたは自己診断ルーチンの如きアプリケーションを実行させるため、および、デバイスのステータスまたは健全性についての情報を取得するために利用されることもある。この情報が、格納されて、これらのデバイスの監視および保守を行うために保守作業員により用いられてもよい。たとえば、フィッシャーローズマウントシステムズ社により販売されているAMSデバイスマネージャ(AMS Device Manager)は、プロセスプラント内のさまざまな資産のオンライン状態での監視データ、診断、アラートなどを提供するために、プロセスプラント内の弁、トランスミッタなどの如き装置のオンライン状態での監視を管理および実行するようになっている。同様に、回転装置、電力発生および供給デバイスの如き他のタイプのデバイスを監視すべく利用される他のタイプのアプリケーションがある。たとえば、フィッシャーローズマウントシステムズ社により販売されているAMS機械マネージャ(AMS Machinery Manager)は、プロセスプラント内のポンプ、モータおよび他の装置に加えて回転装置を解析および管理するようになっている。これらの他のアプリケーションは、保守作業員が利用することができるのが一般的であり、プロセスプラント内のデバイスを監視および保守すべく利用される。
【0005】
典型的なプロセスプラントが何百何千という数の相互に連結された資産を容易に備えうることから判断すると、一部の資産は、プラント内のプロセスにとってまたはプラント自体にとってより重要である。たとえば、戦略的に利用される弁またはトランスミッタは、回転装置と同じくらいまたはそれ以上に、プロセスプラント内のプロセス全体の動作に対して影響を与えうる。プラント内のさまざまな資産を評価し、プラント中の他の動作に対するそれらの影響を判断するために、テネシー州のノックスビルにあるCSiシステムズにより提供されている故障防止計画の如き重要度評価サービスが提供されている。これにより得られる評価は、プラント内の各資産の重要度に関する情報を提供する。具体的にいえば、その資産が属するループ、サブユニット、ユニット、エリアまたはプラントに対するその資産の重要度を定量的に計るための保守優先性指標が提供されている。そのような情報は、個々の資産の故障に対処するための手続きの如きプラント運用を計画する上で非常に役に立つ。
【0006】
また、典型的なプロセスプラントでは、コンピュータ保守管理システム(Computer Maintenance Managementsystems)作業/部品発注書作成ルーチンおよび他の保守アプリケーションの如き保守システムおよび保守アプリケーションが提供されている。これらは、プラントの資産の問題の検出に応じて作業および部品発注書を作成するために用いられうる。これらの発注書は、保守アクティビティの実行および完了を監視するために追跡されうる。このような保守システムおよび保守アプリケーションは、資産を維持および修理するための手続きを含むプラント内の資産に関するデータをさらに有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,960,214号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、典型的なプラントまたはプロセスにおいては、プロセス制御アクティビティ、デバイス・装置保守アクティビティ、監視アクティビティ、重要度評価アクティビティおよびビジネスアクティビティの役割は、これらのアクティビティが行われる場所およびこれらのアクティビティを通常実行する作業員により分けられている。さらに、これらの異なる役割に関与する異なる人達は、これら異なる役割を果たすべく異なるコンピュータで実行される異なるアプリケーションの如き異なるツールを利用することが一般的である。
【0009】
プラント自体においてまたは外部のサービス会社もしくはコンサルタントを通じて、プロセス制御環境において利用できるデータ解析ツールおよび他の検出ツールおよび診断ツールが数多くあるので、保守作業員が入手可能であり、プロセスオペレータおよびビジネスパーソンに役立ちうる、デバイスの調子および性能に関連する数多くの情報がある。同様に、プロセスオペレータが入手可能であり、保守作業員またはビジネスパーソンに役立ちうる、プロセス制御ループおよび他のルーチンの現在の動作ステータスに関する数多くの情報がある。さらに、重要度情報はプラント内のすべての人に役立ちうる。たとえば、保守作業員は、個々の資産の重要性に関する情報が作業発注書および部品発注書の作成、指示および優先順位付けするに当たって非常に役立つと考えている。しかしながら、従来は、これらの機能が分離されていたので、一つの機能エリアで生成もしくは収集されるステータス情報、重要度情報および修正措置に関する情報は、まったく利用されないかまたは他の機能領域において十分には利用されず、プロセスプラント内の資産を全体として最適とはいえない状態で使用する結果となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0010】
プロセス制御システムは、さまざまなデータ供給源からデータを収集し格納するデータ収集および分配システムを備えており、各データ供給源は、最初に、データを取得または作成する所有権主張可能な独自の方法を用いている。次いで、データ収集および分配システムは、格納されているデータをプロセス制御システムに関連するもしくはそこに設けられた他のアプリケーションまたはデータ供給源自体に関連するアプリケーションが任意の所望の方法で利用できるようにする。このように、アプリケーションは、プラントの現在の動作ステータスに関する理解または見識を向上させるため、プランに関する保守に関する決定をより完全なものとするために、非常にさまざまなデータ供給源からのデータを用いることが可能である。したがって、プロセス制御プラントのより優れた全体像または状態を探求するためまたはプラント内でより優れた修正措置を行うために、ステータス情報、重要度情報および修正措置の如き前とは異なる収集システムからのデータを組み合わせるまたは用いるアプリケーションが提供されうる。たとえば、プラント内のさまざまな装置または他のエンティティのステータスに関する情報またはデータが収集されうる。同様に、装置またはエンティティの重要性に関する重要度情報が収集されてもよいし、また、装置またはエンティティに関連する修正措置のステータスに関する情報が収集されてもよい。
【0011】
開示されたデータ収集および分配システムを用いて、たとえば監視機能、診断機能、保守機能、意志決定、解析、制御および最適化を含むプラント内の機能を改良および実行するために、ステータスデータおよび重要度データが組み合わせられてもよい。さらに、開示されたデータ収集および分配システムを用いて、プラント内の修正措置を改良および実行するために、ステータスデータおよび修正措置ステータスデータが組み合わせられてもよい。さらに、プラント内の修正措置を改良および実行するために、ステータスデータおよび修正措置データを重要度データと組み合わせてもよい。同様に、問題を検出すると、かかるシステムおよび方法が、交換部品の発注、作業の発注または他の修正措置を自動的に行ってもよいしまたは変更してもよい。もちろん、ステータスデータ、重要度データおよび/または修正措置データの組み合わせが、プロセスプラントのすべてのエリアに対してプロセス制御プラント内の資産のステータスについてのさまざまなかつより完成度の高い情報を供給することにより助けになりうるようなアプリケーションのタイプは他にも多くある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】プロセスプラント内に導入される装置およびインストラクションの階層構造の一例を表示するプロセスプラントの概略図である。
【図2】図1のプラント内の資産監視および保守システムに関するデータおよび情報フロー図である。
【図3】ユーザに高優先度資産のステータス情報、重要度情報および修正措置情報を閲覧させることを可能とするためにグラフィカルユーザインターフェイスにより提供されうるグラフィック表示画面の一例である。
【図4】ユーザに下位レベルエンティティのステータス情報、重要度情報および修正措置情報を閲覧させることを可能とするためにグラフィカルユーザインターフェイスにより提供されうるグラフィック表示画面の一例である。
【図5】ユーザに下位レベルエンティティのステータス情報、重要度情報および修正措置情報を閲覧させることを可能とするためにグラフィカルユーザインターフェイスにより提供されうるグラフィック表示画面の一例である。
【図6】ユーザに下位レベルエンティティのステータス情報、重要度情報および修正措置情報を閲覧させることを可能とするためにグラフィカルユーザインターフェイスにより提供されうるグラフィック表示画面の一例である。
【図7】ユーザに下位レベルエンティティのステータス情報、重要度情報および修正措置情報を閲覧させることを可能とするためにグラフィカルユーザインターフェイスにより提供されうるグラフィック表示画面の一例である。
【図8】ユーザに上位レベルエンティティのステータス情報を閲覧させることを可能とするためにグラフィカルユーザインターフェイスにより提供されうるグラフィック表示画面の一例である。
【図9】ユーザにより上位レベルエンティティのステータス情報を閲覧させることを可能とするためにグラフィカルユーザインターフェイスにより提供されうるグラフィック表示画面の一例である。
【図10】ユーザに上位レベルエンティティ内の下位レベルエンティティのステータス情報、重要度情報および修正措置情報を閲覧させることを可能とするためにグラフィカルユーザインターフェイスにより提供されうるグラフィック表示画面の一例である。
【図11】ユーザにアラート情報を閲覧させることを可能とするためにグラフィカルユーザインターフェイスにより提供されうるグラフィック表示画面の一例である。
【図12】ユーザに履歴事項の監査証跡情報を閲覧させることを可能とするためにグラフィカルユーザインターフェイスにより提供されうるグラフィック表示画面の一例である。
【図13】ユーザにプラント内のさまざまなレベルのステータス情報を閲覧させることを可能とするためにグラフィカルユーザインターフェイスにより提供されうるグラフィック表示画面の一例である。
【図14】ユーザにプラント内のさまざまなレベルのステータス情報を閲覧させることを可能とするためにグラフィカルユーザインターフェイスにより提供されうるグラフィック表示画面の一例である。
【図15】ユーザにプラント内のさまざまなデータ供給源を閲覧させることを可能とするためにグラフィカルユーザインターフェイスにより提供されうるグラフィック表示画面の一例である。
【図16】ユーザにプラント内のさまざまなデータ供給源を閲覧させることを可能とするためにグラフィカルユーザインターフェイスにより提供されうるグラフィック表示画面の一例である。
【図17】ユーザにプラント内のさまざまなデータ供給源を閲覧させることを可能とするためにグラフィカルユーザインターフェイスにより提供されうるグラフィック表示画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照すると、プロセスプラント10は、一または複数の通信ネットワークにより複数の制御システムおよび保守システムに相互接続される複数のビジネスコンピュータシステムと他のコンピュータシステムとを備えている。プロセスプラント10は、一または複数のプロセス制御システム12、14を備えている。プロセス制御システム12は、PROVOXシステムまたはRS3システムの如き従来のプロセス制御システムまたはその他のDCSであってもよい。ここでいうその他のDCSは、オペレータインターフェイス12Aを備えており、このオペレータインターフェイス12Aはコントローラ12Bに結合され、次いで、コントローラ12Bは入力/出力(I/O)カード12Cに結合され、次いで、この入力/出力(I/O)カード12Cはアナログ型フィールドデバイスおよび高速アドレス可能遠隔トランスミッタ(HART)フィールドデバイス15の如きさまざまなフィールドデバイスに結合される。プロセス制御システム14は、分散型プロセス制御システムであってもよいが、イーサネット(登録商標)バスの如きバスを介して一または複数の分散したコントローラ14Bに結合する一または複数のオペレータインターフェイス14Aを備えている。たとえば、コントローラ14Bは、テキサス州オースティンにあるフィッシャーローズマウントシステムズ社(Fischer−Rosemount Systems、Inc.)により販売されているDeltaV(登録商標)コントローラであってもよいし、または、他のいかなる所望のタイプのコントローラであってもよい。
【0014】
制御装置14Bは、たとえばHARTフィールドデバイス、Fieldbusフィルールドデバイスの如きまたはPROFIBUS(登録商標)プロトコル、WORLDFIPR(登録商標)プロトコル、Device−Net(登録商標)プロトコル,AS−InterfaceプロトコルおよびCANプロトコルのうちのいずれかを用いるフィールドデバイスを含むその他のスマートフィールドデバイスもしくは非スマートフィールドデバイスの如き一または複数のフィールドデバイスに、I/Oデバイスを介して接続される。公知のように、フィールドデバイス16は、プロセス変数および他のデバイス情報に関連するアナログ情報またはデジタル情報をコントローラ14Bに提供しうる。オペレータインターフェイス14Aは、たとえば制御オプチマイザ、診断エキスパート、ニューラルネットワーク、チューナなどを含む、プロセスの動作を制御するためのプロセス制御オペレータに利用することができるツールを格納し、実行しうる。
【0015】
さらに、フィッシャーローズマウントシステムズ社により販売されているAMSデバイスマネージャの如きAMSアプリケーションまたはその他のデバイス監視・通信アプリケーションを実行するコンピュータの如きメンテナンスシステムは、メンテナンスアクティビティおよび監視アクティビティを実行すべく、プロセス制御システム12、14またはプロセス制御システム内の個々のデバイスに接続されうる。たとえば、保守コンピュータ18は、デバイス15と通信すべく、場合によっては、デバイス15を再設定すべく、またはデバイス15に他の保守アクティビティを実行すべく、任意の所望の通信回線またはネットワーク(無線ネットワークまたは携帯デバイスネットワークを含む)を介してコントローラ12Bおよび/またはデバイス15に接続されうる。同様に、AMSアプリケーションの如き保守アプリケーションは、デバイス16の動作状況に関連するデータ収集を含む保守・監視機能を実行すべく、分散型プロセス制御システム14に関連するユーザインターフェイス14Aの一または複数に実装され、これらにより実行されうる。
【0016】
また、プロセス制御プラント10は、特定の恒久的通信リンクまたは一時的通信リンク(たとえば、バス、無線通信システム、または回転装置20に接続され、読み取りを行い、そして取り外される携帯デバイス)を介して、メンテナンスコンピュータ22に接続されるタービン、モータなどの如きさまざまな回転装置20も備えている。保守コンピュータ22は、たとえばテネシー州のノックスビルにあるCSIシステムにより販売されているRBMウェア(RBMware、登録商標)、フィッシャーローズマウントシステムズ社により販売されているAMSマシンナリマネージャまたはその他の公知のアプリケーションのような公知の監視・診断アプリケーション23を実行して、回転装置20の動作状態を診断、監視および最適化することが可能である。保守作業員は、プラント10内の回転装置20の性能を維持・監視すべく、回転装置20の問題を判断すべく、および回転装置20の修理または交換する必要がある時期または必要性を判断すべく、アプリケーション23を利用することが多い。
【0017】
同様に、プラント10に関連する電力発生・分配装置25を有する電力発生・分配システム24は、たとえばバスを介して、プラント10内の電力発生・分配装置25を実行してその動作を監視する他のコンピュータに接続されている。コンピュータ26は、電力発生・分配装置25を制御・維持すべく、たとえばLiebertおよびASCOまたは他の会社により提供されるような公知の電力制御・診断アプリケーション27を実行しうる。
【0018】
プラント10内のさまざまな機能システムと関連するコンピュータまたはインターフェイスに通信可能に結合されるコンピュータシステム30が提供されている。これらの機能システムには、プロセス制御機能12、14、コンピュータ18、14A、22、26に実装される保守機能、およびビジネス機能が含まれる。具体的にいえば、コンピュータシステム30は、従来のプロセス制御システム12およびこの制御システムに関連する保守インターフェイス18に通信可能に接続され、分散型プロセス制御システム14のプロセス制御および/または保守インターフェイス14Aに接続され、回転装置保守コンピュータ22および電力発生・分配コンピュータ26に接続される。これらの接続にはすべてバス32を利用している。バス32は、通信をするために、所望または適切なローカルエリアネットワーク(LAN)プロトコルまたはワイドエリアネットワーク(WAN)プロトコルを利用してもよい。これに代えてまたはこれに加えて、コンピュータシステム30プロセス制御システム12、分散型プロセス制御システム14、保守インターフェイス18、プロセス制御および/もしくは保守インターフェイス14A、回転装置保守コンピュータ22ならびに/または電力生成および分配コンピュータ26は、インターネットを介して相互に結合され、インターネット互換のプロトコルに従って通信するようにしてもよい。したがって、プラント10には、プラント10内のさまざまなシステム、コンピュータおよびルーチンを閲覧および制御するための一または複数の遠隔施設により、閲覧機能および制御機能が備えられうる。
【0019】
以上に加えて、解析リソースおよび診断リソースにさらにアクセスするために、遠隔監視施設は、インターネットを通じてプラント10へ通信可能に結合されていてもよい。一つの実施例では、プラント10が故障防止計画システムへ結合されてもよい。この故障防止計画システムは、さまざまなプラントの資産の分析を含み、重要度データを提供するためにプラントまたはプラント内のシステムに対するそれらの重要性に応じて資産の優先性を決める。
【0020】
図1に例示するように、コンピュータ30は、同一のまたは異なるネットワークバス32を介して、ビジネスシステムコンピュータと保守計画コンピュータ35、36とにも接続されており、これらのコンピュータは、たとえば統合基幹業務計画(ERP)、資材調達計画(MRP)、フィッシャーローズマウントシステムズ社により販売されているSAPおよびMaximoの如き作業発注書の作成・追跡ツールを含むコンピュータ保守・管理システム(CMMS)、会計報告・生産・顧客注文システム、保守計画システム、または、部品・補充品・原材料注文アプリケーション、生産計画アプリケーションなどの如きその他の所望のビジネスアプリケーションを実行することが可能である。作業発注書および部品発注書作成・追跡ツールの一例については、2002年2月28日に出願され、「自動的な作業発注書/部品発注書の作成および追跡」という表題が付された米国特許出願番号第10/086,159号において開示されている。この文献は、本明細書において参照することによってここに明確に援用するものとする。
【0021】
また、コンピュータ30は、たとえばバス32を介して、プラントワイドLAN37、コーポレートWAN38に加えて、遠隔地からプラント10の遠隔監視またはプラント10との通信を可能にするコンピュータシステム40にも接続されている。
【0022】
一つの実施形態では、バス32を介した通信はXML/XSLプロトコルを利用して行われる。ここで、コンピュータ12A、18、14A、22、26、35、36などの個々のコンピュータからのデータは、XML/XSLラッパーにラッピングされ、たとえばコンピュータ30に搭載されうるXML/XSLデータサーバに送信される。XML/XSLは記述言語なので、このサーバはどのようなタイプのデータでも処理することができる。サーバでは、必要ならば、このデータは新しいXML/XSLラッパーにカプセル化される。すなわち、このデータは一方のXML/XSLスキーマから他方の一または複数のXML/XSLスキーマにマッピングされる。これら他方のスキーマは受信側アプリケーションのそれぞれに対して作成される。したがって、データ発信者は、それぞれ、該発信者のデバイスまたはアプリケーションが理解しやすいまたは利用しやすいスキーマを利用してデータをラッピングすることができ、受信側のアプリケーションは、それぞれ、該受信側のアプリケーションに用いられるまたは該受信側のアプリケーションが理解しやすい別のスキーマでこのデータを受信することができる。サーバは、データの送信元と送信先に応じて一方のスキーマから他方のスキーマにマッピングするように構成されている。所望の場合には、サーバは、データの受信に基づいてあるデータ処理機能または他の機能も実行してもよい。本明細書に記載するシステムが動作する前に、マッピング機能および処理機能のルールが設定されてサーバ内に格納される。このようにして、任意の一方のアプリケーションから一または複数の他方のアプリケーションまでデータを送信しうる。
【0023】
一般的にいえば、コンピュータ30は、資産活用エキスパート50を格納し、実行する。資産活用エキスパート50は、プロセス制御システム12、14、保守システム18、22、26、およびビジネスシステム35、36により生成されるデータおよび他の情報ならびにこれらのシステムのそれぞれにおいて実行されるデータ解析ツールにより生成される情報を収集する。資産活用エキスパート50は、たとえば、NEXUSにより現在提供されているOZエキスパートシステムに基づいたものでよい。しかしながら、資産活用エキスパート50は、たとえば任意のタイプのデータマイニングシステムを含む他のいかなる所望のタイプのエキスパートシステムであってもかまわない。資産活用エキスパートの一例については、本明細書において参照することによりここに明確に援用する、エリュレックら(Eryurek et al.)に付与された米国特許第6,813,532号(2004年11月2日に発行)に開示されている。
【0024】
資産活用エキスパート50が、プロセスプラント10においてデータ・情報交換所として働き、保守エリアの如き一方の機能エリアからプロセス制御エリアまたはビジネス機能エリアの如き他方の機能エリアまでデータまたは情報の分配を調整することができるということである。また、資産活用エキスパート50は、新しい情報またはデータを生成すべく収集済データを使用しうる。プラント10内のさまざまな機能に関連するコンピュータシステムのうちの一または複数にこれらの新しい情報またはデータを分配することができる。さらに、資産活用エキスパート50は、プロセス制御プラント10内で用いられる新しいタイプのデータを生成すべく収集済データを利用する他のアプリケーションを実行するかまたはこの実行を監視しうる。
【0025】
具体的にいえば、資産活用エキスパート50は、指標生成ソフトウェア51を備えうるかまたは実行しうる。この指標生成ソフトウェア51は、プロセス制御・計測デバイス、電力発生デバイス、回転装置、ユニット、エリアなどのようなデバイスに関連する指標、または、プラント10内のループなどのようなプロセス制御エンティティに関連する指標を作成する。
【0026】
次いで、これらの指標を、プロセス制御の最適化を補助すべくプロセス制御アプリケーションに送信することができ、また、プラント10の運転に関するより完全な情報またはより理解し易い情報をビジネスパーソンに提供するためにビジネスソフトウェアまたはビジネスアプリケーションに送信することができる。また、資産活用エキスパート50は、制御の最適化の如き制御アクティビティをオペレータが実行することを補助すべく、たとえばプロセス制御システム14に関連する制御エキスパート52に保守データ(たとえば、デバイスステータス情報)およびビジネスデータ(たとえば、注文スケジュール、タイムフレームなど)も送信することができる。制御エキスパート52は、たとえばユーザインターフェイス14Aに搭載されてもよいし、または、所望ならば、制御システム14に関連するもしくはコンピュータ30内にあるその他のコンピュータに搭載されてもよい。
【0027】
1つの実施形態では、制御エキスパート52は、たとえばシュライスら(Schleiss et al.)に発行された(2001年10月2日)米国特許第6,298,454号およびシュライスら(Schleiss et al.)に発行された(2003年10月14日)米国特許第6.633,782号に記載されている制御エキスパートであってもよい。これらの文献は、本明細書において参照することによりここに明確に援用するものとする。しかしながら、これらの制御エキスパートは、当該制御エキスパートにより行なわれる意思決定において、プロセスプラント10内のデバイスまたは他のハードウェアのステータスに関するデータをさらに組込み入れ、用いてもよい。具体的にいえば、従来、ソフトウェア制御エキスパートは、意志決定またはプロセスオペレータへの推薦を行うために、プロセス変数データおよびある限られた装置ステータスデータのみを通常用いていた。コンピュータシステム18、14A、22、26およびそこで実行されるデータ解析ツールにより提供されるようなデバイスステータス情報に関する通信が資産活用エキスパート50により提供されるため、制御エキスパート52は、その意思決定において、プロセス変数情報と共に健全性情報、性能情報、利用率情報および変動性情報の如きデバイスステータス情報を受信および組込むことができる。
【0028】
以上に加えて、資産活用エキスパート50は、プラント10内におけるデバイス状態および制御アクティビティの実施状態に関連する情報をビジネスシステム35、36に提供することができる。ここでは、たとえば、コンピュータ保守管理システムの如き作業発注書作成アプリケーションまたはプログラム54は、プラント10内で検出された問題に基づいて、自動的に、作業発注書を作成し、部品を依頼することができ、または、ここでは、実行されている作業に基づいて補充品を依頼することができる。同様に、資産活用エキスパート50が制御システムの変化を検出すると、ビジネスシステム35、36は、たとえばプログラム54を用いて計画立案と補充品依頼とを実行するアプリケーションを実行しうる。同様に、ビジネスシステム35、36に顧客注文などの変更を入力することができる。このデータは、資産活用エキスパート50へ送信され、制御ルーチンまたは制御エキスパート52に送信されることにより、制御に変更がもたらされ、たとえば新しく注文された製品を作り始めたりまたはビジネスシステム35、36内になされた変更を実施したりすることができる。もちろん所望ならば、バス32に接続されている各コンピュータシステムは、コンピュータ内のその他のアプリケーションから適切なデータを取得し、このデータをたとえば資産活用エキスパート50へ送信するように機能するアプリケーションをその内部に有してもよい。
【0029】
さらに、資産活用エキスパート50は、情報をプラント10内の一または複数のオプチマイザ55に送信することができる。たとえば、コンピュータ14Aに制御オプチマイザ55を実装することができ、この制御オプチマイザは、一または複数の制御最適化ルーチン55A、55Bなどを実行することができる。これに加えてまたはこれに代えて、コンピュータ30またはその他のコンピュータがオプチマイザルーチン55を格納・実行し、資産活用エキスパート50が必要なデータを送信することもできる。資産オプチマイザの一例はフィッシャー=Rosemountシステムズ社によって売られたAMSオプチマイザである。所望の場合には、プラント10は、該プラント10の特定の特徴をモデル化するモデル56を有してもよい。これらのモデル56は、モデル化機能を実行するために、資産活用エキスパート50または制御エキスパート52の如き制御エキスパートもしくは他のエキスパートにより実行されてもよい。モデル化の目的は本明細書においてさらに詳細に説明する。しかしながら、一般的にいって、デバイスパラメータ、エリアパラメータ、ユニットパラメータ、ループパラメータなどを決定するため、オプチマイザルーチン55の一部として不良センサまたは他の不良装置を検出するため、プラント10内で使用される性能指標および利用率指標の如き指標を生成するため、性能監視または状態監視を実行するため、および、他の多くの用途のためにモデル56を用いることができる。モデル56は、イギリスのティーサイド(MDC Technology located in Teeside, England)にあるMDCテクノロジにより作成・販売されているようなモデルであってもよいし、または、その他の所望のタイプのモデルであってもかまわない。もちろん、プラント10内に設けることができ、資産活用エキスパート50からのデータを用いることができるアプリケーションは他にも多くあり、本明細書に記載のシステムは、本明細書でとくに言及したアプリケーションに限定されるものではない。しかしながら、全体的に見れば、資産活用エキスパート50は、プラント10のすべての機能エリア間でのデータの共有および資産の協調を可能とすることによって、プラント10内のすべての資産の利用を最適化するための補助をしている。
【0030】
資産活用エキスパート50は、バス32またはプロセス制御プラント10内の他のいずれかの通信ネットワークを通じて、データが生成されると同時にまたは特定の定期的な時間にデータを受信する。その後、定期的にまたは必要に応じて、資産活用エキスパート50は、他のアプリケーションにこのデータを再分配するか、またはこのデータを用いてプロセスプラント10のさまざまな制御状況または運転状況に有益である他の情報を生成してプラント10内の他の機能システムに提供する。具体的にいえば、資産活用エキスパート50は、プロセスプラント10内のデバイス、ユニット、ループ、エリア、または、他のエンティティのうちの一または複数に関連する、性能指標、利用率指標、健全性指標および変動性指標の如き一連の総合指標を指標生成ルーチン51に作成させるべくデータを供給しうる。本明細書では、これらの指標をさらに詳細に説明する。
【0031】
モデルを利用することにより、ビジネスアプリケーション、プロセス制御アプリケーションおよび資産保守および監視アプリケーションに対して多くの新しいタイプのデータまたは情報が提供されるようになる。具体的にいえば、性能監視を実行してプラント内のデバイス、ユニット、エリアなどの相対的な性能を示す性能指標を生成するために、モデルを利用することができる。この性能指標は、エンティティの潜在的性能に対するエンティティの性能の尺度でありうる。デバイスモデルおよびユニットモデルを作成および実行することが可能であるものの、ループ、ユニットなどの如きプロセス制御エンティティに対して同様のモデルを作成および実行してこれらのタイプのエンティティの性能評価および最適化基準を提供してもよい。また、場合によっては、特定のデバイスの健全性または他のエンティティの健全性を測定または示すべくおよびこれらのエンティティを表す健全性指標を提供すべくモデルを利用することもある。たとえば、あるモデルに用いられる回帰分析により求められたある入力センサおよび出力センサの誤差の測定値は、これらのデバイスの健全性指標として利用されうるし、またはこれらのデバイスの健全性指標に変換されうる。また、モデルパラメータおよびこれらのモデルに基づく仮想センサの測定値の如きプロセス制御装置が通常利用できないような情報をプロセス制御装置またはビジネスパーソンに提供して複数の方法で利用しうる。
【0032】
性能指標および健全性指標以外に、資産活用エキスパート50は、利用率指標および変動性指標の如き他のタイプの指標を作成するのに指標作成ルーチン51を補助することができる。変動性指標は、デバイス、ループ、ユニットなどに送信されるなんらかの信号、これらから配信されるなんらかの信号、またはこれらに関連する他のなんらかのパラメータが変動する程度をこの信号またはパラメータの予想される変動の程度と比較して示す。この変動性指標を作成するために必要なデータは、資産活用エキスパート50により収集され、任意の所望の時間もしくは都合よい時間に指標生成ルーチン51に供与されうる。もちろん、信号またはパラメータの正常変動量は、そのエンティティに詳しい製造業者、技術者、オペレータ、または保守作業員により設定されうるか、またはプラント内のそのエンティティもしくは他の同様のエンティティに関連する統計的尺度(たとえば、平均、標準偏差)に基づきうる。この正常なもしくは予測される偏差は、指標生成ルーチン51もしくは指標総計ルーチン60により格納されるかまたは指標生成ルーチン51内で更新されうる。
【0033】
いかなる形態であれ、利用率指標は、個々のデバイス、ユニット、ループ、または他のエンティティの利用率を追跡または反映し、以前に決めたベンチマークまたは運転目標に基づいてこれらのエンティティが使用過多かまたは使用不足かに関するなんらかの指標を提供しうる。実際のデバイスの測定された使用率に基づいて利用率指標を生成することができる。たとえば、デバイスは、プロセス内でどの程度の頻度で使用されるかまたはどの程度の頻度でアイドリング状態のまま放置されているのかに関して測定され、この指標がそのエンティティの所望の使用頻度と比較され、そのエンティティが使用過多かまたは使用不足かを判定しうる。利用率指標は、使用しうる頻度または使用すべき頻度で使用されていない、換言すれば、使用のしすぎ、したがって使用過多のデバイス、ユニット、ループなどを特定しうる。場合によっては、利用率指標は、あるデバイスの適切な使用または所望の使用に関して下された事業意思決定に基づいて決定されることがある。
【0034】
また、一般的にいって、プラント10内のコンピュータのうちの一または複数が一または複数のユーザインターフェイスルーチン58を格納・実行することができる。たとえば、コンピュータ30、ユーザインターフェイス14A、ビジネスシステムコンピュータ35、またはその他のコンピュータはユーザインターフェイスルーチン58を実行しうる。各ユーザインターフェイスルーチン58は、資産活用エキスパート50、AMSアプリケーション、保守コンピュータ18,20、ビジネスコンピュータ35,36、故障防止計画評価などからの情報を受信または購読でき、同一セットまたは異なるセットのデータが各ユーザインターフェイスルーチン58に送信されうる。ユーザインターフェイスルーチン58のうちのいずれの一つでも、異なるタイプの情報を異なるスクリーンを用いて異なるユーザに提供することができる。たとえば、ユーザインターフェイスルーチン58のうちの一つは、制御オペレータまたはビジネスパーソンに一つのスクリーンまたは一組のスクリーンを提供することにより、標準制御ルーチンまたは制御最適化ルーチンにおいて利用する制約の設定または最適化変数の選択を制御オペレータまたはビジネスパーソンができるようにしうる。また、ユーザインターフェイスルーチン58は、ステータスおよび重要度の如きデバイス状態、制御ループ状態、ユニット状態などについての情報がプロセスプラント10内の他のソフトウェアにより検出されているときに、ユーザに、この情報を取得させ、これらのエンティティの問題に関する情報を容易に閲覧させることを可能とする制御ガイダンスツールを提供することが可能である。加えて、制御ガイダンスツールにより、オペレータまたはその他の人が、作業指示、部品注文または他の修正措置の如きCMMSにより提供される保守処置および修正措置を含むプラント資産の検出されたまたは予測された問題を解決することに関する保守処置のステータスを閲覧およびその変更することが可能となる。
【0035】
また、ユーザインターフェイスルーチン58は、ツール23、27、AMSアプリケーションの如き保守プログラム、もしくは、その他の保守プログラムにより提供もしくは生成される性能監視データまたは資産活用エキスパート50と協同してモデルが生成する性能監視データを利用して性能監視スクリーンを提供しうる。もちろん、ユーザインターフェイスルーチン58は、プラント10の一部の機能エリアまたは全部の機能エリアへのアクセスをいかなるユーザに対しても提供し、これらのエリアおける選択肢または他の変数をユーザが変更できるようにしうる。
【0036】
ここで図2を参照すると、資産監視および保守システム60と他のデータツールまたはデータ供給源との間のデータの流れの一部を示すデータフロー図が示されている。具体的にいえば、資産監視および保守システム60は、マルチプレクサ、トランスミッタ、センサ、携帯デバイス、制御システム、無線周波数(RF)トランシーバ、オンライン制御システム、ウェブサーバ、ヒストリアン、制御モジュールまたはプロセス制御プラント10内の他の制御アプリケーション、ユーザインターフェイスおよびI/Oインターフェイスの如きインターフェイス、バス(たとえば、Fieldbusバス、HARTバスおよびイーサネット(登録商標)バス)、バルブ、トランシーバ、センサ、サーバおよびコントローラの如きデータサーバ、プロセス計器、回転装置、電気機器、電力発生装置、可変速度ドライバなどの如き他のプラント資産のような複数のデータ収集装置またはデータ供給源から監視情報を受信しうる。このデータは、他の機能システムがデータをどのように生成するまたは用いるかに基づいて、いかなる所望の形態を有することができる。さらに、このデータは、上述のXMLプロトコルの如き所望のまたは適切な通信プロトコルおよび通信ハードウェアのうちのいずれかを利用して資産活用エキスパート50に送信しうる。しかしながら、一般的にいえば、プラント10は、資産監視および保守システム60が一または複数のデータ供給源から自動的に特定の種類のデータを受信するように構成されている。
【0037】
さらに、資産監視および保守システム60は、今日備えられている典型的な保守データ解析ツール、デバイスに付属しているもののような性能追跡ツール、上述の米国特許第6,298,454号および同第6,633,782号に記述されているもののようなプロセス制御システム用の性能追跡ツールの如きデータ解析ツールから、情報を受信するようになっている。さらに、これらのデータ解析ツールには、たとえば、あるタイプの問題の根本的原因を検出する根本的原因アプリケーション、米国特許第6,017,143号に記載されているもののようなイベント検出アプリケーション、本明細書において参照することによりここで明確に援用するものとする、エリュレックらに発行された米国特許第6,387、114号(2002年3月28日発行)に記載されているもののような調節ループ診断アプリケーション、本明細書において参照することによりここで明確に援用するものとする、エリュレックらに発行された米国特許第6,654,697号(2003年11月25日発行)に開示されているようなもののインパルス配管詰まり検出アプリケーション、他の配管詰まり検出アプリケーション、デバイスステータスアプリケーション、オンラインデバイス監視アプリケーション、デバイス設定アプリケーション、デバイス格納、ヒストリアンおよび情報表示ツール、AMSデバイスマネージャおよびAMSマシンナリマネージャの如きオンライン監視ツール、エクスプローラアプリケーション、監査証跡アプリケーションが含まれうる。上述のユース指標を含む監視データおよび解析データは、資産活用エキスパート50からさらに受信されうる。
【0038】
さらに、資産監視および保守システム60は、CMMSおよび他の作業発注書作成ルーチン54を含む保守アプリケーション66から、プロセスプラント10内の保守アクティビティに関する保守データを受信することができる。たとえば、資産監視および保守システム60は、作業発注書の願書、発注書のステータス、人員、部品、資産の保守手順、発注書が作成された日時などの如き発注書に関する詳細事項を含む保守アプリケーション66により作成された作業発注書および部品発注書に関連するデータ受信しうる。資産監視および保守システム60により受信されるさらなる情報には、発注書を促すことになった資産の問題および予測される問題、アラートまたはアラームに関する詳細事項が含まれうる。
【0039】
さらに、資産監視および保守システム60は、アドバンスツ制御エキスパート52の如きプロセス制御データ解析ツール、本明細書において参照することによりここで明確に援用するものとする、ウォジニスら(Wojsznis et al.)に発行された米国特許第6,721,609号(2004年4月13日発行)に記載されているもののような、および、本明細書において参照することによりここで明確に援用するものとする、ブレビンズら(Blevins et al.)に発行された米国特許第6,445,963号(2002年9月3日発行)に記載されているもののようなモデル予測制御プロセスルーチン、チューニングルーチン、ファジイ論理制御ルーチンならびにニューラルネットワーク制御ルーチンに加えて、本明細書において参照することによりここで明確に援用するものとし、プラント10内に設けられうる、クインら(Qin et al.)に発行された米国特許第5,680,409号に記載されているもののような仮想センサからデータおよびいかなる情報も受信することができる。
【0040】
さらに、資産監視および保守システム60は、すべてがプロセスプラント10内の回転装置の問題またはステータスの検出に関連しうる、オンライン振動装置、RF無線センサ、携帯型データ収集ユニット、回転装置に付随するオイル分析装置、サーモグラフィ、超音波システムおよびレーザアラインメント・バランシングシステムの如き回転装置に関連するデータ解析ツールから情報を受信しうる。これらのツールは、当該技術分野において現在公知となっているので、これらのツールについて本明細書ではさらに記載しない。
【0041】
さらに、資産監視および保守システム60は、いかなる所望の電力管理および電力装置を監視および解析するツールを含みうる図1のアプリケーション23、27の如き電力管理および電力装置 補給品などに関連するデータを受信しうる。資産監視および保守システム60がデータを受信しうるさらなるデータ供給源には、プロセスコントローラもしくはこれらのコントローラに関連するインターフェイスに設置され上述のデータに加えてプロセス制御データを提供しうる制御ルーチン、最適化データを提供しうるオプチマイザ55、上述の指標およびプロセス性能データを提供しうるモデル56、ビジネスアプリケーション64などが含まれる。
【0042】
加えて、資産監視および保守システム60は、プラント10内のまたはリモートサービスとしてのデータベースを通じて提供されうる故障防止計画評価68から重要度データを受信しうる。一般的に、故障防止計画評価は、資産が他の資産から構成された階層構造を有するようになっている。たとえば、プロセスプラント内のさまざまな装置またはデバイスを物理的グループおよび/または論理的グループに分けて、相互に接続して制御ループの如き論理プロセスを作成してもよい。同様に、コントロールループを他のコントロールループおよび/またはデバイスと相互接続してサブユニットを形成してもよい。サブユニットを他のサブユニットと相互接続してユニットを形成してもよいし、このユニットを他のユニットと相互接続してエリアを形成してもよい。一般的にプロセスプラントは相互接続されたエリアを含んでおり、また、一般的にビジネスエンティティは、相互接続しうるプロセスプラントを含んでいる。したがって、プロセスプラントは、資産が相互接続されている複数のレベルの階層を含んでおり、また、ビジネスエンタープライズは相互接続されているプロセスプラントを含みうる。このように構成すると、ユーザがプラント10ならびに当該プラント10内のシステムおよび資産の保守アクティビティを閲覧および管理することができる。対応する重要度データは、プラント10内の資産の重要性に関連し、ステータス情報を閲覧して保守の意志決定を行うときに有用でありうる。
【0043】
重要度データは、テネシー州のノックスビルにあるCSiシステムにより提供される不良防止計画サービスの如きサービス人によるオンサイト評価の結果として提供されてもよい。これは、プラント内のさまざまな資産を評価し、プロセス制御オペレーション、ビジネス機能、保守機能などを含むプラント内の他の動作に対する影響を判断することを含んでいる。たとえば、ある装置(たとえば、戦略的に配置された弁)は、その装置が一部分であるさらに大きなループ、サブユニット、ユニット、エリアなどにとってより重要であると考えられている。この装置が故障した場合、他の装置(たとえば、回転装置)が故障した場合と比べて、ループ、サブユニット、ユニット、エリアなどに対してより大きな衝撃を与えることになる。したがって、このような装置は、その他の装置よりも優先されるべきである。そして、その他の装置は、ループ、サブユニット、ユニットまたはエリア内においてさまざまな程度の重要度を有しうる。オンサイト評価は、このような装置がプラント内において大きな影響を有しているので、大きな重要性を有していると結論づける。装置に対する重要度データは、その装置が他の装置よりも大きな重要性を有しているという事実を反映し、保守優先性指標の如き定量的解釈として表現されうる。
【0044】
一つの実施例では、資産監視および保守システム60は、上述のデータ供給源から受信したデータを用いて、さまざまな階層レベルにおけるプラント10またはビジネスエンティティ内のさまざまな資産のステータスを監視するようになっている。具体的にいえば、バラバラの供給源から共通の供給源へ資産のステータス情報および重要度データを収集することによって、資産監視および保守システム60は、さまざまなユーザにループ、サブユニット、ユニット、エリア、プラントなど対する装置の重要性についての理解を向上させるために、装置のステータス情報および重要度データを閲覧させることを可能とする。資産監視および保守システム60によりユーザがさまざまな階層レベルで資産を閲覧することができるようになるので、ユーザは、ループのステータスおよびその重要性の閲覧、サブユニットのステータおよびその重要性の閲覧などを行いうる。このことにより、ユーザは、さまざまな資産のステータスに応答して、より情報に基づいた決定を行うことができる。
【0045】
さらに、資産監視および保守システム60は、ビジネスソリューションまたはビジネスコンピュータ35、36において通常用いられるツールの如き統合基幹業務計画ツールへデータを提供しうる。これらのアプリケーションには、生産計画、材料資源計画を制御する生産計画ツール、ビジネスアプリケーションで用いられる部品発注書、作業発注書または補充品発注書を自動的に作成する作業発注書作成ツール54などが含まれうる。もちろん、部品発注書、作業発注書および補充品発注書の作成は、以下に記載するように資産監視および保守システム60により自動的に完了されてもよいし、これにより、ある資産を修理する必要があり、保守問題に関する修正措置を行うのに必要な部品を入手するのに時間がかかるということを認識するために必要とされる時間が減少されることになる。
【0046】
また、資産監視および保守システム60は、保守システムアプリケーション66へ情報も提供しうる。この保守システムアプリケーション66は、保守作業員に迅速に問題を警告するだけではなく、問題を解決するために必要となる部品の注文などの如き修正措置も行う。さらに、以前は単一システムには利用することができなかったものの資産監視および保守システム60には利用できるようになったタイプの情報を用いて新しいモデル56を生成しうる。もちろん、図2から明らかなように、資産監視および保守システム60は、データモデルおよび解析ツールから情報またはデータを受信するだけでなく、総合業務ツール、保守ツールおよびプロセス制御ツールからも情報を受信し、また、それらのツールに対しても情報を提供するようになっている。たとえば、資産監視および保守システム60は、プロセスプラント10内の任意の階層レベルに対する診断、解析、最適化、保守に関する意志決定、ビジネスに関する意思決定、プロセス制御に関する意志決定などを向上させるために、プラント10内の制御エキスパート52、資産活用エキスパート50、ビジネスアプリケーション64、オプチマイザ55、保守システム66、制御ルーチン62、モデル56および他のシステムへデータを戻しうる。たとえば、資産活用エキスパート50、オプチマイザ55、制御エキスパート52、制御ルーチン62およびプロセス制御オペレータは、重要性に関してのプラントの資産のステータスについての理解を向上させることによってプラント10内の最適化に関する決定を向上しうる。同様に、保守システム66、作業発注書作成ルーチン54および保守作業員は、資産を修理または保守する順番の如き保守に関する決定、作業発注書または部品発注書の作成および賢明さに関する決定などを向上しうる。ビジネスアプリケーション64およびビジネスパーソネルは、生産、補充品の注文などに関するビジネス意思決定を向上させるために、資産監視および保守システム60からのデータを用いうる。
【0047】
以上に加えて、資産監視および保守システム60は、CMMS、作業発注書作成ルーチン54、保守システムアプリケーション66などにより提供される修正措置を含むプラント10内の修正措置を監視する(および、実際に実行しうる)。上述のように、保守作業員は、ある資産の問題を修理するために作業発注書および部品発注書の優先性を含むいずれの資産を修理するかに関する決定を向上しうる。加えて、保守作業員または他のユーザは、CMMS、作業発注書作成ルーチン54、保守システムアプリケーション66などにより作成される作業発注書および部品発注書のステータスを閲覧し、このような発注書のステータスに基づいて意志決定を行いうる。作成されたもののまだ署名されていない作業発注書または部品発注書が、資産の重要度に基づいて、劣悪なステータスを有する重要な資産の順番を早めるまたは依頼のスケジュールを対応する資産の重要性に基づいて立て直すような新しい優先性を与えられてもよい。さらに、部品の追加もしくは異なる部品の注文、作業の追加、保守アクティビティの頻度の変更、資産の修理に対する追加のもしくは異なる保守作業員の割当などを含む発注書の詳細事項は、資産のステータスおよび重要性に基づいてユーザにより変更されうる。したがってユーザは、プラント10内の保守アクティビティを追跡するだけでなくプラント10内の保守アクティビティをより良く最適化しうるし、また、資産のステータスのみに基づくのではなくループ、サブユニット、ユニット、エリアまたはプラントに対する資産の重要性にも基づいて保守アクティビティを方向付けうる。
【0048】
一つの実施例では、既存の発注書または他の保守アクティビティを監視し、既存の保守アクティビティを修正し、新しい保守アクティビティを開始し、保守アクティビティの優先性を決め直すことなどを含む上記のアクティビティを実行するために、ステータスデータ、保守データおよび/または重要度データを用いる一組の規則を有しうるエキスパートエンジンを備えうる。一つの実施例では、資産監視および保守システム60は、作業発注書作成ルーチン54に類似しうる。したがって、劣悪なステータスを示す重要な資産は、自動的に、その問題の分析がなされ、原因が究明され、解決策が提供されることになる。この解決策は、CMMSまたは他の保守アプリケーション66により前に作成されおよびそれによりから受信される保守手続に基づきうる。したがって、資産監視および保守システム60は、問題に対して個々の保守作業員を割り当て、その問題を解決するために個々の部品などを注文し、適切な人、サプライヤなどに注文を伝達することなどを含む、問題の詳細事項に向けて適切な作業発注書および/または部品発注書を自動的に生成しうる。あるいは、CMMSまたは作業発注書作成ルーチン54によって前に作成された作業発注書または部品発注書は、プラント10内の問題に対して最適な応答を提供し保守リソースをより良好に活用するため、資産監視および保守システム60により自動的に変更されてもよい。
【0049】
さらに、一または複数の協調されたユーザインターフェイスルーチン58は、オペレータ、保守作業員、ビジネスパーソンなどに対して補助および視覚化を提供するために、プラント10内の資産監視および保守システム60ならびにその他のアプリケーションと通信してもよい。オペレータおよび他のユーザは、予測制御を実行または実施するために、プラント10の設定を変更するために、プラント10内のヘルプを閲覧するためにまたは資産監視および保守システム60により提供される情報に関連するその他のアクティビティを実行するために、協調されたユーザインターフェイスルーチン58を用いうる。上述のように、ユーザインターフェイスルーチン58は資産監視および保守システム60から情報を受信するオペレータ案内ツールを備えており、この情報は、プロセス内のプロセスまたはデバイスのステータスの閲覧、修正措置のステータスの閲覧、新しい修正措置の開始、既存の修正措置の修正などの多くの機能を実行するのを補助するためにオペレータまたは他のユーザにより用いられうる。さらに、ユーザインターフェイスルーチン58は、たとえば資産活用エキスパート50および故障防止計画評価68を通じて、プロセスプラント10のその他の部分内のツールのうちのいずれかからのデータを閲覧するためにまたはそこからデータを取得するために用いられうる。たとえば、マネージャは、プロセスにおいて何が起きているのかを知りたい場合もあれば、または、戦略な計画をするためにプロセスプラント10に関連する上位レベルの情報を必要とする場合もある。
【0050】
ユーザインターフェイスルーチン58はグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)を提供しており、このGUIは、本明細書で記述される資産監視および保守システム60と一体化され、資産監視および保守システム60により提供されるさまざまな監視機能および保守機能とユーザとが相互に作用することを容易にしている。しかしながら、より詳細にGUIを説明する前に、GUIが任意の適切なプログラム言語およびプログラム技術を利用して実施される一または複数のソフトウェアルーチンを有しうることを認識する必要がある。さらに、GUIを構成するソフトウェアルーチンは、プラント10内のワークステーション、制御装置などの如き単一処理ステーションまたはユニット内に格納・処理されてもよく、またはGUIのソフトウェアルーチンは、複数の処理ユニットを利用して分散する方法で格納・実行されてもかまわない。これらの処理ユニットは、資産監視および保守システム60内において互いに通信可能に結合されている。たとえば、ユーザインターフェイスルーチン58およびGUIは、ウェブベースのソフトウェアルーチンの一部として組込まれてもよい。このウェブベースのソフトウェアルーチンは、ユーザにプラントワイドLAN37、インターネットまたは他の通信システムの如きネットワーク接続を通じてステータス、重要度および保守データの閲覧を許可することにより、ユーザにデバイス、ループ、ユニット、エリア、などに対するステータス、重要度および任意の関連する修正措置をこのデバイス、ループ、ユニット、エリア、などが設置されている位置から遠く離れてまたはプロセスプラント10から遠く離れて閲覧させることを可能とする。たとえば、これらの報告書または要約書を電話器、ページャ、電子メールなどへ送ることが可能である。このことは、報告書のスピードが重視される場合(たとえば、デバイス不良アラート)の場合にとくに有用な場合がある。ページャ、携帯電話、携帯情報端末、電子メールアドレス、ラップトップコンピューター、デスクトップコンピュータ、その他のタイプのデバイスまたはハードウェアプラットフォームへのデータを通信システムを通じてユーザに閲覧させることを可能としうる方法およびシステムの一例が、2002年4月15日に出願され、「プロセス制御システムに用いられるウェブサービスベースの通信」という表題が付与された米国特許出願第10/123,445号に開示されている。この文献は、本明細書において参照することによりここで明確に援用するものとする。
【0051】
好ましいが必要というわけではないが、GUIは良く知られたグラフィカルウインドウ式構造および外見を用いて実現しうる。ここでは、相互リンクした複数のグラフィカルビューまたはページが一または複数のプルダウンメニューを有しており、これにより、ユーザは所望の方法でそれらのページ全体を通してナビゲートされ、特定の種類の情報を閲覧および/または検索することができる。上述された資産監視および保守システム60の特徴および/または機能は、そのGUIの一または複数の対応するページ、ビューまたは表示画面を介して、表示、アクセス、呼び出しを行いうる。さらに、GUIを構成する多種の表示画面は、論理的な方法で相互にリンクされており、ユーザは迅速にかつ直感的にすべての表示画面を通してナビゲートされ特定の種類の情報の検索または資産監視および保守システム60の特定の機能へのアクセスおよび/もしくはその呼び出しを行うことができる。
【0052】
一般的にいえば、本明細書で記載されるGUIは、ビジネスエンティティ、プロセスプラント10、プロセス制御エリア、ユニット、ループ、デバイスなどの直感的なグラフィカル描画または表示画面を提供する。これらのグラフィカル表示画面の各々は、GUIにより表示されるあるビューに関連する数的および記述的なステータス情報および重要度情報を有しうる。たとえば、プロセス制御エリアを描画する表示画面は、そのエリア(すなわち、装置階層のあるレベルにおけるプロセス制御システムのある部分)のステータスを反映する一組の指標ならびにそのエリアの保守優先性指標または重要度の量的表現を提供することが可能である。これに対して、デバイスを描画する表示画面は、その特定のデバイスに関する一組のステータス指標および性能指標を提供しうる。いずれにしろ、ユーザは、任意のビュー、ページまたは表示画面内に示されるステータス情報および重要度情報を用いて、その表示画面内に描画されるデバイス、ループなどのうちのいずれかに問題が存在するか否かを迅速に評価し、その問題に対する最適な応答を評価することが可能である。
【0053】
さらに、本明細書で記述されるGUIは、自動的にまたはユーザの要求に応答して、保守情報をそのユーザに提供しうる。この保守情報は、資産監視および保守システム60のいかなる部分により提供されてもよい。同様に、GUIは、アラーム情報およびプロセス制御情報などを表示することが可能であり、この情報は、資産監視および保守システム60によりも提供されてもよい。さらに、GUIは、プラント10内で発生した問題または発生しうる問題に関するメッセージをユーザに提供しうる。これらのメッセージは、問題の記述、現在の問題を回避するために実施しうる有望な変更または潜在的な問題の回避のために実施しうる有望な変更の提案、問題の解決または回避のために遂行されうる行動計画の記述などを行うグラフィカル情報、および/またはテキスト情報を有しうる。
【0054】
図3は、ユーザにステータスデータ、重要度データおよび修正措置データを提供して、保守アクティビティに対して高い優先性を有すると判断されたビジネスエンティティまたはプラント10内の資産を迅速に分析するためにGUIによって提供されうるグラフィック表示画面の描写の一例である。図3に示されているように、GUIは、保守アクティビティの高い優先性を備えた資産をグラフィックを用いて示している。具体的にいえば、GUIは、プラント内の資産を一意的に識別する英数字識別子(たとえば、CR−2000)を含む資産に関する詳細事項100を提供している。各資産については、それに対応する資産の説明、資産のタイプ、製造会社およびモデルが表示画面内に提供されうる。
【0055】
各資産について、故障防止計画評価により提供される通りの資産の重要度が表示される。図3に示されているように、重要度は定量的な数値102として提供されているが、いうまでもなく、さまざまな程度の重要度を表わす文字数字表現、さまざまな色もしくは形状、または、その他の視覚的な表現方法の如きさまざまな重要度の表現が用いられてもよい。ユーザに直ぐに資産の重要度を確認させることを可能とする表現が提供されことが理想的である。
【0056】
同様に、各資産のステータスは、直ぐにデバイスのステータスを確認するための色および陰影を備えた定量的な値104として表示される。例示として、高優先性を有する資産の健全性指標値が表示されている。しかしながら、所望の場合には、任意の資産に対して異なるステータス情報が表示されてもよく、その具体例が本明細書全体にわたって提供されている。図3に示されている表示画面から明らかなように、ユーザは、プラント10内のどの資産がなんらかの問題を引き起こす可能性がありおよび/または修正措置の促進を必要としている、すなわち急手当を必要としているかを迅速に確定することができる。なお、すべての資産が劣悪な健全性を有しているとは限らないが、クリティカリティ値102は、劣悪であることを示している健全性が、比較的に小さい場合であっても、それが一部を構成しているループ、サブユニット、ユニット、エリアまたはプラントに対して重要な影響を及ぼす場合があるので、このループ、サブユニット、ユニット、エリアまたはプラントを最適化するために資産が保守を必要とすることを示唆する場合がある。
【0057】
資産に対して実行されたさまざまな診断または解析(たとえば、油解析、超音波解析、振動解析、赤外線サーモグラフィ解析、校正など)を示す情報を含む資産に関するさらなるステータス情報106の要約が表示されている。さまざまな他のグラフィカル描画が用いられてもよいことはいうまでもないが、各解析のステータスまたは結果が英数字および/または色/陰影に対応づけされた表記を用いて描かれてもよい。上述のように、作業発注書および部品発注書の如き発注書は、CMMSまたは作業発注書作成ルーチン54により作成されてもよい。存在する場合には、各資産に対する発注書のステータス108が表示される。
【0058】
図3のGUIを閲覧することにより明らかになるように、ユーザは、資産に関するプラント全体ビューが与えられ、プラント内の下位レベルのエンティティを順次閲覧し、これらの異なるエンティティまたはビューの各々についてのステータス情報が与えられる。したがって、たとえば、ユーザは、プラントのビューを閲覧し、そのプラントのステータス情報を閲覧することができる。次いで、ユーザは、プラントビュー内の資産のうちの1つの選択することにより1つの資産に対し注目し、その資産に関するステータス情報、たとえばその資産がデバイス、ループ、サブユニット、ユニット、エリアなどであるか否かを閲覧することができる。ユーザは、その資産のステータス情報を表示する次のウィンドウまたはポップアップウインドウを要求するために、マウスを用いてその資産もしくはそれに関する英数字式識別子をクリックしてもよいし、または、キーボードを介してその英数字式識別子を入力してもよい。たとえば、ユーザは、マウスを用いてあるエリア上をクリックすることによりそのエリアのステータス情報を表示することができる。同様に、表示されたエリア内のユニットをクリックすることにより、さまざまなユニットのステータス情報を閲覧することができる。同様に、これらの下位レベルエンティティが設置されている1つのエンティティのビューからこれらのさまざまなエンティティに焦点を当てることによって、ループ、サブユニット、デバイスなどのステータス情報を閲覧することができる。このように、ユーザは、プラントの任意のポイントまたはレベルにおける問題または潜在的な問題の原因を迅速に見出し、任意のレベルのプラントにおける保守アクティビティを見出し、任意のレベルのプラントにおける高い優先性を有する資産を識別することができる。
【0059】
表示画面にリストされたそれぞれの資産、ステータス情報、説明、重要度情報および修正措置は、ユーザにそのステータス情報および/またはエンティティに関するさらに詳細な情報を要求させることを可能とするように配置されうる。たとえば、これらのリストされた資産、ステータス情報、説明、重要度情報および関連する修正措置は、ウェブページにおけるハイパーリンクに類似するユーザが選択可能なアイコンであってもよい。このアイコンは、選択されたエンティティまたはステータス情報に関連するさらに詳細な情報をさらに扱う他のレポートにリンクされている。ユーザの処置または要求(たとえば、リンクをクリックする)に応答して、図3の表示画面が、さらに詳細な情報と変更されてもよいし、またはこれに代えて、選択された資産かビューに関するさらに詳細なステータス情報について報告する新しいウィンドウが現われてもよい。たとえば、ユーザは、プラント10内の優先性の高い問題を閲覧するために高い優先性を有する資産のうちの1つを選択してもよいし、または、ユーザは、プラントワイドビュー(「ダッシュボード」というラベルが付与されている)を選択してもよい。さらなる選択肢には、プラント内のイベントの監査証跡、プラント10内のすべてのアクティブアラート、プラント10内のすべての資産のリストおよび、特定の資産を見つけるためのブラウズ/サーチ機能が含まれる
図4〜図8は、ユーザに図3の表示画面でリストされている高い優先性を有する資産(たとえばCR−2000)に関するさらなる情報を閲覧させることを可能とするためにGUIにより提供されうるグラフィック表示画面の描画の具体例である。明らかなように、このGUIにより、ユーザは、プロセスプラント10内のさまざまな資産の間を移動して、このプラントに関するおよびこのプラントの資産に関するさまざまなステータス情報、重要度情報および保守情報を閲覧することにより、プロセスプラント10内のすべての資産に関する統合された報告を提供することができる。図4〜図8に示されているように、ユーザには、プロセスプラント10内のさまざまな資産のツリーレベルビュー200が提供されている。ツリーレベルビュー200により、ユーザは、プロセスプラント10内のさまざまな資産に関するステータス情報、重要度情報および保守情報を見るために容易に移動することができる。この具体例では、ツリーレベルビュー200は、プラント10内の資産、ビジネスエンティティ内のさまざまなプラント、および、選択された資産に関するさまざまなステータス情報(たとえば、コンプレッサの結果)に応じて配置されている。しかしながら、ツリーレベルビュー200は、ユーザの好みに合わせていかなる所望の方法で配置されてもよい。したがって、ツリーレベルビュー200は、プロセスプラント10内のさまざまなレベル、プラント10内の資産、GUIにより表示される情報を提供するために用いられるデータ供給源、または、他のいかなる所望の構造に配置されてもよい。
【0060】
ツリーレベルビュー200の横に並んで、選択された資産に関するさらなる詳細事項を表したものがある。たとえば、図4では、コンプレッサCR−2000の要約が動作期間およびその動作期間中の効率に関する詳細事項と共に示されている。ツリーレベルビュー200と同様に、要約は、選択された資産に関するさまざまなステータス情報、重要度情報または保守情報をリストするためにユーザにより設定可能であってもよい。たとえば、図4の表示画面により、ユーザは、コンプレッサCR−2000に関連する動作期間およびこの動作期間中の効率データの要約を閲覧することができる。ユーザの処置または要求(たとえば、リンクをクリックすること)に応じて、図4の表示画面が、示されたレポート期間中の効率(図5)またはポリトロープ効率(図6)の図的表示と交換されてもよい。
【0061】
リストされた資産またはステータス情報の各々は、ユーザの要求(たとえば、英数字識別子をクリックすること)に応答して、それぞれリストされた資産、データ供給源などに関連付けされているたとえば動的リンクを用いてその資産に関するさらなる詳細情報を呈示させるべくユーザによる選択が可能となっていてもよく、また、コンプレッサCR−2000に関連する詳細事項に関するステータス情報が、図7に示されているような要約に表示されてもよい。次いで、識別情報(たとえば、名称、場所、製造業者、モデル)、校正ステータス、解析、動作期間、効率などを含むコンプレッサCR−2000に関する詳細事項のうちのいずれかまたはすべてが、同一のウィンドウまたは別個のウィンドウに表示されてもよい。さらに、物理的デバイスの写真210またはその図的表示が問題の資産の明瞭な視覚的な表示を提供するために与えられてもよい。物理的デバイスは、ユーザに資産に関連するステータス(たとえば、健全性)を迅速に判断させることを可能とグラフィカルメータまたはゲイジ212(たとえば、円グラフ)の横に並べて表示されている。さらに、重要度情報、保守ステータスおよびデータ供給源が提供されている。いうまでもなく、表示されているステータス情報、重要度情報または修正措置情報は、いかなるタイプ、量またはレベルの詳細事項に制限されるものではない。それどころか、以下でさらに詳細に記載するように、表示されうる情報は、ユーザの必要性および/または好みにしたがって変更されてもよい。
【0062】
図8に示されているように、ツリーレベルビュー200から対応するエンタープライズビューを選択することにより、ビジネスエンタープライズ内のプラントを要約する情報を、ユーザが要求し、GUIが表示してもよい。したがって、プラント10の各々の要約は、対応する動作期間、資産、資産の詳細事項などを含む表示画面でありうる。
【0063】
図9〜図17は、プロセスプラント10さまざまなレベルにおけるさまざまな資産に対するステータス情報、重要度情報および保守情報をさらに閲覧するというユーザの要求に応じてGUIにより提供されうるグラフィック表示画面の描画のさらなる具体例である。たとえば、図3の表示画面からプラントワイドビュー(「ダッシュボード」)を表示するユーザの要求に応答する場合、明らかなように、ツリーレベルビュー300は、プラント10内のさまざまなレベルに従って、また、さまざまなデータ供給源に従って表示され、配置されている。したがって、メニュー300により、ユーザは、プラント10に関するステータス情報を含むさまざまなデバイス、ループ、ユニット、エリアなどの如きプラント10内のさまざまなレベルおよびエンティティに関するステータス情報を閲覧するために容易に移動することができる。メニュー300は、閲覧されうる情報のタイプに従って配置されてもよいし、また、他のいかなる所望の構造に従って配置されてもよい。
【0064】
図9は、ユーザにプラント資産、アクティブアラート、重篤度に基づくアクティブアラート、最近のイベントに関する情報および総合指標を含むプラント10の要約を閲覧させることを可能とするようにGUIにより提供されうる表示画面の描画の一例である。これらの表示画面の各々は、指標以外は、プラントワイドアラート、資産、イベントなどの異なるビューを選択すべく、ユーザ設定が可能となっている。ユーザは、ある与えられた資産、イベント、アラートなどをマウスを用いてクリックして、それに対応する情報を要求しうる。このように、ユーザは、プラント10の任意の側面についての追加の詳細情報を閲覧することができる。
【0065】
リストされたプラント10のステータス情報の上方には、さらに詳細なステータス情報を提供するユーザアクションに応答するユーザ選択可能アイコンがある。これらのユーザ選択可能アイコン(または「タブ」)は、利用可能な情報の要約ビューを反映し、さらに利用可能なステータス情報の間を移動することを可能とするために、表示画面の頂部に沿って配置されている。たとえば、図10に示されているように、ユーザは「資産」タブを選択することによりプラント10内のすべての資産を閲覧することが可能となる。結果として得られる表示画面は、プラント10内のすべての資産のリストならびにそれに対応するステータス情報、重要度情報および関連する修正措置を有している。
【0066】
図11に示されているように、ユーザは、「アクティブアラート」タブを選択することにより、プラント10に関連するすべての現在のアラートまたはイベントを閲覧することが可能となる。結果として得られるアクティブアラート情報の表示画面は、現在問題を有している資産の各々に加えて、日付/時間、資産の識別子、アラートの重篤度、資産の重要度、場所などの如きアラートに関する詳細事項をリストすることが可能である。資産(たとえば、CR−2000)に関連するアクティブアラートに関する詳細事項のいずれかまたはすべてが、先の図7の表示画面に表示されてもよい。これらの詳細事項は、ステータス情報(たとえば、保守)、資産の現在のステータスの程度(たとえば、重篤度、緊急性など)および説明(たとえば、現在、定義された限界値の外側で動作中)が与えられた場合に取るべき推奨されるアクションをさらに有していてもよい。
【0067】
図12に示されているように、ユーザが「イベント履歴」を要求したことに応じて、履歴要約または監査証跡が表示されてもよい。この具体例では、ユーザに迅速に資産の各々のステータスの進行および対応する履歴を評価させることを可能とするために、プラント10内のすべての資産に関する履歴が表示される。履歴要約は、与えられた場所内のすべてのエンティティの履歴、個別のエンティティの履歴、あるタイプの故障の履歴などを表示するために用いられてもよい。履歴に各記入事項は、個々のイベントに関する詳細事項を表示するためにユーザによる選択がさらに可能となっていてもよい。リストされうる詳細事項のうちの一部の具体例には、イベントの日付および時間、イベントのタイプ、イベントの概要、イベントの場所などが含まれうる。
【0068】
ユーザは、ツリーレベルビュー300を用いて、プラント10内のさまざまなレベルおよびデータ供給源ならびに各レベルまたはデータ供給源に関する情報を閲覧することができる。たとえば、図14〜図17を参照すると、ユーザは、ツリーレベルビュー300を用いて、プラント10内のエリア(図14)、特定のデータ供給源(図15)、場所毎のデータ供給源(図16および図17)を閲覧することができる。対応する各ビューは、対応する資産、アラート、イベントなどの如き選択された各ビューに関するステータス情報の要約を有している。各表示画面から明らかなように、上述のタブが、ユーザにより所望されるような資産情報、アラート情報およびイベント履歴情報を表示するために設けられている。
【0069】
資産監視および保守システム60および他のプロセスエレメントがソフトウェアにより実現されることが好ましと記載されているが、ハードウェア、ファームウェアなどにより実現されてもよいし、また、プロセス制御システム10に関連したその他のプロセッサにより実施されてもよい。したがって、本明細書に記載のエレメントは、標準型多目的CPUによりまたは所望ならば特定用途向けIC(ASIC)もしくは他のハードワイヤードデバイスの如き特別に設計されたハードウェアもしくはファームウェアにより実現されてもよい。ソフトウェアにより実現された場合、ソフトウェアルーチンは、磁気ディスク、レーザディスク、または他の格納媒体の如き任意のコンピュータ読取り可能メモリ内、コンピュータのRAMまたはROM内、任意のデータベース内などに格納されうる。同様に、このソフトウェアは、たとえば、コンピュータ読み取り可能ディスクもしくは他の伝送可能なコンピュータ格納メカニズム、または電話回線、インターネット、無線通信などの如き通信チャネルを含む公知または所望の任意の伝送方法を介してユーザまたはプロセス制御プラントに伝送されうる(電話回線、インターネット、無線通信などの如き通信チャネルの利用は、伝送可能な格納媒体を介してこのソフトウェアを提供することと同一または互換性があると考えられている)。また、資産監視および保守システム60がルールベースエキスパートであるものとして記載されているが、他の公知のデータマイニング技術を用いたエキスパートエンジンを含む他のタイプのエキスパートエンジンを同様に用いてもよい。
【0070】
したがって、本発明は特定の実施例を参照して記載されているが、これらの実施例は例示のみを意図したものであって、本発明を限定することを意図したものではなく、本発明の技術思想および技術範囲から逸脱することなく、開示された実施例に対して変更、追加または削除を加えうることは当業者にとって明らかなことである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスプラント内のエンティティを監視する方法であって、
前記プロセスプラント内のエンティティのステータスに関するエンティティステータスデータを収集することと、
前記プロセスプラント内のエンティティの重要性に関する重篤度データを収集することと、
前記プロセスプラント内の機能を実行するために、前記エンティティステータスデータおよび前記重篤度データを用いることと
を含む、方法。
【請求項2】
前記重篤度データが前記プロセスプラント内の前記エンティティの重要性の評価を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記エンティティステータスデータを収集することが、前記プロセスプラント内の装置のステータスに関する装置データを収集することを含み、前記機能を実行するために前記エンティティステータスデータおよび前記重篤度データを用いることが、前記プロセスプラント内の機能を実行するために前記装置データおよび前記重篤度データを用いることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記エンティティステータスデータを収集することが、前記プロセスプラント内のプロセス制御アクティビティのステータスに関するプロセス制御データを収集することを含み、前記機能を実行するために前記エンティティステータスデータおよび前記重篤度データを用いることが、前記プロセスプラント内の機能を実行するために前記プロセス制御データおよび前記重篤度データを用いることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記エンティティステータスデータを収集することが、前記プロセスの性能に関するプロセス性能データを生成するためにプロセス性能監視を実行することを含み、前記機能を実行するために前記エンティティステータスデータおよび前記重篤度データを用いることが、前記プロセスプラント内の機能を実行するために前記プロセス性能データおよび前記重篤度データを用いることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記エンティティステータスデータが、前記エンティティが動作中における前記エンティティの動作に関するデータを含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記エンティティステータスデータが、前記エンティティに関する診断データを含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記エンティティステータスデータが、前記エンティティに関するオンライン監視データを含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記エンティティステータスデータが、前記エンティティの問題に関するアラートデータを含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記プロセスプラント内の機能が診断機能を含み、前記機能を実行するために前記エンティティステータスデータおよび前記重篤度データを用いることが、診断機能を実行するために前記エンティティステータスデータおよび前記重篤度データを組み合わせることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記診断機能が、装置監視診断機能、プロセス制御診断機能およびプロセス性能診断機能からなる群のうちの少なくとも1つを含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記プロセスプラント内の機能がプロセス制御機能を含み、前記機能を実行するために前記エンティティステータスデータおよび前記重篤度データを用いることが、プロセス制御パラメータを変更するために前記エンティティステータスデータおよび前記重篤度データを用いることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記プロセスプラント内の機能が閲覧機能を含み、前記機能を実行するために前記エンティティステータスデータおよび前記重篤度データを用いることが、表示端末を通じて、前記エンティティステータスデータおよび前記重篤度データを用いて表示スクリーンを作成、表示することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記エンティティの表現を格納することと、該表現の近くに前記エンティティステータスデータおよび前記重篤度データを表示することとをさらに含む、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記表示スクリーンを表示することが、ウェブインターフェイスを通じて前記表示スクリーンを表示することを含む、請求項13記載の方法。
【請求項16】
表示スクリーン上にエンティティアラームデータを表示することをさらに含む、請求項13記載の方法。
【請求項17】
前記機能が保守機能を含み、前記機能を実行するために前記エンティティステータスデータおよび前記重篤度データを用いることが、保守機能を実行するために前記エンティティステータスデータおよび前記重篤度データを用いることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項18】
前記機能が意志決定機能を含み、前記機能を実行するために前記エンティティステータスデータおよび前記重篤度データを用いることが、前記プロセスプラント内の決定を実行するために前記エンティティステータスデータおよび前記重篤度データを用いることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項19】
前記意志決定を実行するために前記エンティティステータスデータおよび前記重篤度データを用いることが、前記エンティティを解析するために前記エンティティステータスデータおよび前記重篤度データを用いることを含む、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記意志決定を実行するために前記エンティティステータスデータおよび前記重篤度データを用いることが、前記エンティティ以外に前記プロセスプラントの特徴を解析するために前記エンティティステータスデータおよび前記重篤度データを用いることを含む、請求項18記載の方法。
【請求項21】
前記意志決定を実行するために前記エンティティステータスデータおよび前記重篤度データを用いることが、自動化されたプロセスを開始させるために前記エンティティステータスデータおよび前記重篤度データを用いることを含む、請求項18記載の方法。
【請求項22】
前記意志決定を実行するために前記エンティティステータスデータおよび前記重篤度データを用いることが、前記エンティティの制御を最適化するために前記エンティティステータスデータおよび前記重篤度データを用いることを含む、請求項18記載の方法。
【請求項23】
前記意志決定を実行するために前記エンティティステータスデータおよび前記重篤度データを用いることが、前記エンティティのパラメータを調節するために前記エンティティステータスデータおよび前記重篤度データを用いることを含む、請求項18記載の方法。
【請求項24】
前記エンティティステータスデータが、前記エンティティのステータスに関するユース指標を含む、請求項1記載の方法。
【請求項25】
前記ユース指標が、前記エンティティの健全性を示す健全性指標を含む、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記ユース指標が、前記エンティティの相対的な性能を示す性能指標を含む、請求項24記載の方法。
【請求項27】
前記ユース指標が、前記エンティティのパラメータの偏差の量を示す変動性指標を含む、請求項24記載の方法。
【請求項28】
前記ユース指標が、前記エンティティの利用の程度を示す利用率指標である、請求項24記載の方法。
【請求項29】
プロセスプラント内のプロセス制御システムであって、
前記プロセスプラント内の装置のステータスに関する装置データを収集する装置監視デバイスと、
前記プロセスプラント内のエンティティの重要性に関する重篤度データを格納するように構成されたデータベースと、
前記重篤度データおよび前記装置データを受け取り、前記装置データおよび前記重篤度データを用いて前記プロセスプラント内の機能を実行するソフトウェアを実装する、前記データベースに作用可能に結合されたコンピュータシステムと
を備えてなる、システム。
【請求項30】
前記ステータスデータが、前記装置の動作中における前記装置の動作に関するデータを含んでなる、請求項29記載のシステム。
【請求項31】
前記ステータスデータが、前記装置に関する診断データを含んでなる、請求項29記載のシステム。
【請求項32】
前記ステータスデータが、前記装置に関するオンライン監視データを含んでなる、請求項29記載のシステム。
【請求項33】
前記ステータスデータが、前記装置の問題に関するアラートデータを含んでなる、請求項29記載のシステム。
【請求項34】
前記プロセスプラント内の機能が診断機能を含み、前記ソフトウェアルーチンが、診断機能を実行するために前記装置ステータスデータおよび前記重篤度データを組み合わせる診断ルーチンを含んでなる、請求項29記載のシステム。
【請求項35】
前記プロセスプラント内の機能がプロセス制御機能を含み、前記ソフトウェアルーチンが、プロセス制御パラメータを変更するために前記装置ステータスデータおよび前記重篤度データを用いるプロセス制御ルーチンを含んでなる、請求項29記載のシステム。
【請求項36】
前記プロセスプラント内の機能が閲覧機能を含み、前記ソフトウェアルーチンが、前記装置ステータスデータおよび前記重篤度データを用いて表示端末を通じて表示スクリーンを作成、表示するように構成されてなる、請求項29記載のシステム。
【請求項37】
前記ソフトウェアルーチンが、前記装置の表現を格納するように構成されているとともに、前記装置ステータスデータおよび前記重篤度データを対応する前記表現の近くに表示するようにさらに構成されてなる、請求項36記載のシステム。
【請求項38】
前記装置監視デバイス、前記データベースおよび前記コンピュータシステムがインターネットを通じて結合され、前記ソフトウェアルーチンがウェブインターフェイスを備えてなる、請求項36記載のシステム。
【請求項39】
前記ソフトウェアルーチンが、表示画面上にエンティティアラームデータを表示するように構成されてなる、請求項36記載のシステム。
【請求項40】
前記機能が保守機能を含み、前記ソフトウェアルーチンが、保守機能を実行するために前記装置ステータスデータおよび前記重篤度データを用いる保守ルーチンを含んでなる、請求項29記載のシステム。
【請求項41】
前記機能が意志決定機能を含み、前記ソフトウェアルーチンが、前記プロセスプラント内の意志決定を実行するために前記装置ステータスデータおよび前記重篤度データを用いる意志決定ルーチンを含んでなる、請求項29記載のシステム。
【請求項42】
前記意志決定ルーチンが、前記装置を解析するために前記装置ステータスデータおよび前記重篤度データを用いる解析ルーチンを含んでなる、請求項41記載のシステム。
【請求項43】
前記意志決定ルーチンが、前記装置以外に前記プロセスプラントの特徴を解析するために前記装置ステータスデータおよび前記重篤度データを用いる解析ルーチンを含んでなる、請求項41記載のシステム。
【請求項44】
前記意志決定ルーチンが、自動化されたプロセスを開始するために前記装置ステータスデータおよび前記重篤度データを用いるオートメーションルーチンを含んでなる、請求項41記載のシステム。
【請求項45】
前記意志決定ルーチンが、前記装置の制御を最適化するために前記装置ステータスデータおよび前記重篤度データを用いる最適化ルーチンを含んでなる、請求項41記載のシステム。
【請求項46】
前記意志決定ルーチンが、前記装置のパラメータを調節するために前記装置ステータスデータおよび前記重篤度データを用いる調節ルーチンを含んでなる、請求項41記載のシステム。
【請求項47】
前記ステータスデータが、前記装置のステータスに関するユース指標を含んでなる、請求項29記載のシステム。
【請求項48】
前記ユース指標が、前記装置の健全性に関する健全性指標、前記装置の相対的性能を示す性能指標、前記装置のパラメータの偏差の量を示す変動性指標および前記装置の利用の程度を示す利用率指標のうちの一または複数を含んでなる、請求項47記載のシステム。
【請求項49】
プロセスプラント内において複数の下位レベルエンティティを有するエンティティを監視する方法であって、
前記複数の下位レベルエンティティの各々のステータスに関するステータスデータを受信することと、
前記複数の下位レベルエンティティ間における各下位レベルエンティティの前記エンティティに対する重要性に関する重篤度データを受信することと、
前記プロセスプラント内の機能を実行するために、前記ステータスデータおよび前記重篤度データを用いることと
を含む方法。
【請求項50】
前記複数の下位レベルエンティティのステータスに関するステータスデータを受信することが、各下位レベルエンティティの動作中に、前記複数の下位レベルエンティティの各々動作に関するステータスデータを受信することを含む、請求項49記載の方法。
【請求項51】
前記重篤度データが、前記エンティティに対する前記複数の下位レベルエンティティの各々の重要性の評価を含む、請求項49記載の方法。
【請求項52】
前記機能が閲覧機能を含み、前記機能を実行するために前記ステータスデータおよび前記重篤度データを用いることが、前記エンティティの表現を表示すること、前記エンティティのステータスに関するステータスデータを前記エンティティの表現の近くに表示することを含む、請求項49記載の方法。
【請求項53】
前記下位レベルエンティティの各々の表現を表示することと、
前記下位レベルエンティティの各々のステータスに関するステータスデータを対応する各表現の近くに表示することと、
前記エンティティ内の前記下位レベルエンティティの各々の重要性に関する重篤度データを対応する各表現に表示することとをさらに含む、請求項52記載の方法。
【請求項54】
前記機能が診断機能を含み、前記機能を実行するために前記ステータスデータおよび前記重篤度データを用いることが、前記エンティティに関する診断機能を実行するために前記ステータスデータおよび前記重篤度データを用いることを含む、請求項49記載の方法。
【請求項55】
前記診断機能を実行するために前記ステータスデータおよび前記重篤度データを用いることが、前記複数の下位レベルエンティティのうちの少なくとも1つに関する診断機能を実行するために前記ステータスデータおよび前記重篤度データを用いることを含む、請求項54記載の方法。
【請求項56】
前記機能がプロセス制御機能を含み、前記機能を実行するために前記ステータスデータおよび前記重篤度データを用いることが、前記エンティティのプロセス制御パラメータを変更するために前記ステータスデータおよび前記重篤度データを用いることを含む、請求項49記載の方法。
【請求項57】
前記エンティティのプロセス制御パラメータを変更するために前記ステータスデータおよび前記重篤度データを用いることが、下位レベルエンティティのプロセス制御パラメータを変更するために前記ステータスデータおよび前記重篤度データを用いることを含む、請求項56記載の方法。
【請求項58】
前記機能が保守機能を含み、前記機能を実行するために前記ステータスデータおよび前記重篤度データを用いることが、下位レベルエンティティに関する保守機能を実行するために前記ステータスデータおよび前記重篤度データを用いることを含む、請求項49記載の方法。
【請求項59】
前記機能が意志決定機能を含み、前記機能を実行するために前記ステータスデータおよび前記重篤度データを用いることが、前記プロセスプラント内の意志決定を実行するために前記ステータスデータおよび前記重篤度データを用いることを含む、請求項49記載の方法。
【請求項60】
前記意志決定を実行するために前記ステータスデータおよび前記重篤度データを用いることが、下位レベルエンティティを解析するために前記ステータスデータおよび前記重篤度データを用いることを含む、請求項59記載の方法。
【請求項61】
前記意志決定を実行するために前記ステータスデータおよび前記重篤度データを用いることが、前記エンティティを解析するために前記ステータスデータおよび前記重篤度データを用いることを含む、請求項59記載の方法。
【請求項62】
前記意志決定を実行するために前記ステータスデータおよび前記重篤度データを用いることが、下位レベルエンティティの制御を最適化するために前記ステータスデータおよび前記重篤度データを用いることを含む、請求項59記載の方法。
【請求項63】
前記意志決定を実行するために前記ステータスデータおよび前記重篤度データを用いることが、前記エンティティの制御を最適化するために前記ステータスデータおよび前記重篤度データを用いることを含む、請求項59記載の方法。
【請求項64】
複数のエンティティを有するプロセスプラント内のエンティティのステータスを表示するためのシステムであって、
プロセッサと、
表示装置と、
前記複数のエンティティの各々のステータスデータを格納し、前記複数のエンティティ間の各エンティティの重要性に関する重篤度データを格納するように構成されたデータベースと、
前記プロセッサにより実行されるように構成され、前記複数のエンティティの各々の表現を格納するルーチンと、
前記プロセッサにより実行され、一組の表現を表示し、前記ステータスデータを前記一組の表現うちの対応する各表現の近くに表示し、前記一組の表現のうちの各対応する表現の近く各エンティティの前記重篤度データを表示する、前記プロセッサにより実行されように構成されたルーチンと
を備えてなる、システム。
【請求項65】
前記ステータスデータが、各エンティティの動作中に、前記複数のエンティティの各々の動作に関するデータを含んでなる、請求項64記載のシステム。
【請求項66】
前記重篤度データが、前記複数のエンティティ間における前記複数のエンティティの各々の重要性の評価を含んでなる、請求項64記載のシステム。
【請求項67】
前記複数のエンティティのうちの少なくとも1つに関する診断機能を実行するために前記ステータスデータおよび前記重篤度データを用いる、前記プロセッサにより実行されるように構成されたルーチンをさらに備えてなる、請求項64記載のシステム。
【請求項68】
プロセス制御パラメータを変更するために前記ステータスデータおよび前記重篤度データを用いる、前記プロセッサにより実行されるように構成されたルーチンをさらに備えてなる、請求項64記載のシステム。
【請求項69】
保守機能を実行するために前記ステータスデータおよび前記重篤度データを用いる、前記プロセッサにより実行されるように構成されたルーチンをさらに備えてなる、請求項64記載のシステム。
【請求項70】
前記プロセスプラント内の意志決定を実行するために前記ステータスデータおよび前記重篤度データを用いる、前記プロセッサにより実行されるように構成されたルーチンをさらに備えてなる、請求項64記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−58222(P2013−58222A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−231539(P2012−231539)
【出願日】平成24年10月19日(2012.10.19)
【分割の表示】特願2008−533341(P2008−533341)の分割
【原出願日】平成18年8月1日(2006.8.1)
【公序良俗違反の表示】
特許法第64条第2項第4号の規定により図面の一部または全部を不掲載とする。
【出願人】(597115727)ローズマウント インコーポレイテッド (240)
【Fターム(参考)】