説明

エンドカバーとこのエンドカバーを用いる四方切換弁

【課題】エンドカバーと弁体との間の組合せ関係を改善し、弁体の円柱度誤差がエンドカバーと弁体との間の組み立てや、溶接の精度に影響を及ぼす問題を克服する。
【解決手段】四方切換弁の主弁体の弁体と組み合わせることに用いるエンドカバー1’であって、エンドカバー1’は軸方向に沿って順次に設置されている大径段11’と小径段とを有し、そのうち、大径段エンドカバー11’の外周は弁体と封止接続するために用いられ、小径段のエンドカバーの端部は主弁体のピストンと組み合わせるために用いられることにより、ピストンの作動位置を限定するためのエンドカバーにおいて、大径段エンドカバー11’の端部は、弁体の端面に当接して組み合わせることに用いられる半径方向に伸出した止め口111’を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍サイクルに用いられる四方切換弁に関し、特に、エンドカバーとこのエンドカバーを用いる四方切換弁およびその組立方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の四方切換弁は、主に電磁コイルと、パイロット弁と、主弁体とからなる。制御において、電磁コイルとパイロット弁との共同作用により、主弁体の転向が実現され、冷媒の流通方向が切換されて、従って熱ポンプ式エアコンを冷房と暖房という二種類の作動状態の間で切換させ、夏に冷房でき、冬に暖房できる一機両用の目的が実現される。
【0003】
従来の四方切換弁の主弁体は、圧縮機の吸気端口に連通するS口と、室内の熱交換器に連通するE口と、室外の熱交換器に連通するC口という三つの端口を有する。二つのエンドカバーは、それぞれ筒状弁体の両側端部に封止して接続され、主弁体の内部密閉弁チャンバが形成され、かつ二つのピストンが主弁体の内部弁チャンバを左、中、右三つのチャンバに分けており、そのうち、左チャンバがパイロット弁のe口に連通し、右チャンバがパイロット弁のc口に連通する。このように、パイロット弁の制御で、主弁体内部のスライド弁はピストンと一緒に変位することにより、冷房と暖房という二種類の作動状態の間に切換えることが実現される。冷房の場合には、前記スライド弁を左側にスライドして、前記E口をS口に連通させ、D口をC口に連通させて、この状態で、左側のピストンは左側エンドカバーの内側への凸出部に当接する。暖房の場合には、前記スライド弁を右側にスライドして、前記S口をC口に連通させ、D口をE口に連通させて、この状態で、右側のピストンは右側エンドカバーの内側への凸出部に当接する。
【0004】
前記作動原理の分析により分かるように、二つのエンドカバーと弁体との間の組み立てや溶接工程の精度に要求が比較的に高い。図1を参照すると、この図は従来技術の四方切換弁のエンドカバー1aと弁体2aとの間の位置関係を示しており、エンドカバー1aが弁体2aの両側の内チャンバに介入された後に、アルゴン溶接で固定的に接続される。当該組合せ関係はエンドカバー1aの円柱状外周面を弁体2aの内壁と当接させることにより、エンドカバーの内側への凸出部の位置公差の要求を確保する。図2も参照すると、この図は図1におけるI部の拡大図である。しかしながら、従来の弁体はステンレス板を用いて引張りにより形成されてなり、完成品の弁体は円柱度の誤差が多く存在する。即ち、弁体の内径は一端が大きく、他端が小さい現状が存在している。従って、エンドカバーと弁体との組み合わせは一端の隙間が大きく、他端がきついという問題が存在する。このように、実際に組み立てる時に、エンドカバーを弁体の小径端に押し込むと、常に弁体が広げられて、エンドカバー後ろの部分と弁体との間に遊び嵌めを形成するようになり、エンドカバーと弁体の大径端との組合せ隙間が大きいため、両者間の位置精度及び溶接の品質に影響する。
【0005】
これに鑑みて、従来のエンドカバーに対して最適化の設計が要望され、構造形式の改良により、エンドカバーと弁体との間の組み立てや、溶接の精度を確保する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記の欠点に対して、本発明が解決しようとする技術課題は、エンドカバーを提供し、構造の改良により、エンドカバーと弁体との間の組合せ関係を改善し、弁体の円柱度誤差がエンドカバーと弁体との間の組み立てや、溶接の精度に影響を及ぼす問題を克服する。これに基づき、本発明はこのエンドカバーを用いる四方切換弁およびその組立方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は四方切換弁の主弁体の弁体と組み合わせることに用いられるエンドカバーを提供し、当該エンドカバーは軸方向に沿って順次に設置されている大径段と小径段とを有し、そのうち、大径段エンドカバーの外周は弁体と封止接続するために用いられ、小径段のエンドカバーの端部は主弁体のピストンと組み合わせるために用いられることにより、ピストンの作動位置を限定するためのエンドカバーにおいて、前記大径段エンドカバーの端部は、弁体の端面に当接して組み合わせることに用いられる半径方向に伸出した止め口を有することを特徴とする。
【0008】
同時に、本発明は四方切換弁の主弁体の弁体と組み合わせることに用いられるエンドカバーを提供し、当該エンドカバーは軸方向に沿って順次に設置されている大径段と小径段とを有し、そのうち、大径段エンドカバーの外周は弁体と封止接続するために用いられ、小径段のエンドカバーの端部は主弁体のピストンと組み合わせるために用いられることにより、ピストンの作動位置を限定するためのエンドカバーにおいて、前記大径段エンドカバーは、外端が大きく、内端が小さい台形状に形成され、前記大径段エンドカバーの端部は、弁体の端面に当接して組み合わせることに用いられる半径方向に伸出した止め口を有することを特徴とする。
【0009】
同時に、本発明は四方切換弁を提供し、主弁体と、パイロット弁とを備え、主弁体がエンドカバーと弁体とを含む四方切換弁において、前記エンドカバーと弁体はステンレス材料を採用し、前記エンドカバーは上記エンドカバーを採用することを特徴とする。
【0010】
同時に、本発明は四方切換弁の組立方法を提供し、パイロット弁と弁体とを溶接して固着するステップと、スライド弁、ブラケット、ピストン部品を組み立てるステップと、エンドカバーと弁体とを溶接して固着するステップなどを含み、前記エンドカバーは軸方向に沿って順次に設置されている大径段と小径段とを有し、そのうち、大径段エンドカバーの外周は弁体と封止接続するために用いられ、小径段のエンドカバーの端部は主弁体のピストンと組み合わせるために用いられることにより、ピストンの作動位置を限定するための四方切換弁の組立方法において、前記エンドカバーと前記弁体端部との間は、アルゴン溶接、レーザー溶接或いは高エネルギー密度ビーム溶接により接続することを特徴とする。
【0011】
さらに、前記のような四方切換弁の組立方法において、前記大径段エンドカバーは、外端が大きく、内端が小さい台形状に形成されて、前記大径段エンドカバーの外端と前記弁体の内壁との間が締まり嵌め接合されて、さらに、前記のような四方切換弁の組立方法は、溶接接続する前に、予め加圧方式により前記エンドカバーを前記弁体の両端に押し込む。
【0012】
さらに、前記のような四方切換弁の組立方法において、前記大径段エンドカバーの端部は半径方向に伸出した止め口を有し、溶接接続する前に、予めエンドカバーの止め口と前記弁体の端面に当接して組み合わされる。
【0013】
前記のような四方切換弁の組立方法において、前記エンドカバーと弁体がステンレス材料を用いて製造されることは好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に提出されたエンドカバーは、大径段が半径方向に伸出した止め口を有し、この止め口が弁体の端面に当接して組み合わせることにより、エンドカバーと弁体との溶接部位が弁体端面の外側に移転するため、このように、両者の間に半径方向の隙間が大きくても、溶接工程の実現に影響を与えない。本発明に提供したエンドカバーは筒体に組み合わせる構造関係に適用でき、特に四方切換弁に適用できる。
【0015】
本発明に提供された四方切換弁は、主弁体と、パイロットバルブとを含み、主弁体は弁体とこの弁体の両側の端部に封止接続するエンドカバーとを含み、前記エンドカバーは上記のようなエンドカバー構造を採用する。
【0016】
本発明に提供された四方切換弁の組立方法は、エンドカバーと弁体端部との間にアルゴン溶接、レーザー溶接或いは高エネルギー密度ビーム溶接により接続され、前記のようなエンドカバー構造を採用したため、エンドカバーを板材を用いてプレス加工により製造でき、溶接工程が信頼でき、製品の組み立てに便利である。
【0017】
本発明に提供された四方切換弁およびその組立方法は、組み立て後の高精度を確保できるので、ステンレスとするエンドカバーと弁体との間にアルゴン溶接、レーザー溶接或いは高エネルギ密度ビーム溶接によって接続する工程要求を満足できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】従来技術のエンドカバーと弁体との間の位置関係を示す図
【図2】図1におけるI部の拡大図
【図3】四方切換弁の全体構造模式図
【図4】本発明の第1の実施形態に記載されたエンドカバーの全体構造模式図
【図5】図4におけるII部の拡大図
【図6】本発明の第2の実施形態に記載されたエンドカバーの全体構造模式図
【図7】第2の実施形態に記載されたエンドカバーと弁体との組み立て模式図
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、明細書と図面とを参照しながら、具体的に本実施の形態を説明する。
【0020】
本文に係る上、下、左、右、外及び内など方位用語は、図面における四方切換弁の図示位置を基準として定義されたもので、本文に採用された方位用語は本特許の請求の保護範囲を制限するものと理解してはいけない。
【0021】
図3を参照すると、図3は本実施の形態に記載された四方切換弁の全体構造模式図である。
【0022】
図3に示すように、四方切換弁は主に主弁体10と、パイロットバルブ20と、電磁コイル30とからなる。
【0023】
四方切換弁の主弁体10は、主に弁体2と、この弁体の両側端部に封止して接続されるエンドカバー1と、弁体2の内チャンバに固定的に設置される弁座5と、それぞれ前記弁座5の両側に設置される二つのピストン3(図に一つのみを示す)と、二つのピストン3に接続するブラケット6と、前記ブラケット6の中部に固定的に設置されるスライド弁4とからなる。二つのピストン3が主弁体を左、中、右三つのチャンバに分けており、スライド弁4が前記中チャンバを二つの部分に分け、ピストン3に伴って左右移動し、スライド弁4の下表面が前記弁座5の上表面に沿ってスライドしながら密接する。その左右限界位置はそれぞれ冷房状態と暖房状態であり、図3は冷房状態を示す。図に示すように、弁座5の対向側の弁体1に圧縮機の排気口を接続するための取付け管Dが挿入され、前記弁座5の三つの弁口は、それぞれ順次に室内の熱交換器を接続する取付け管Eと、圧縮機の吸気口に連通する取付け管Sと、室外の熱交換器を接続する取付け管Cとに連通する。
【0024】
パイロット弁20の主な機能部品は従来技術と完全に同様であり、例えば、弁座に順次に毛細管eと、毛細管sと、毛細管cとが溶接され、かつそれぞれ前記主弁体の左チャンバと、取付け管Sと、主弁体の右チャンバとに連通し、弁座の傍らのスリーブに主弁体の取付け管Dに連通する毛細管dが溶接される。
【0025】
電磁コイル30はコイル部品とマグネタイザとからなり、パイロット弁20の外部に固定的に被せて取り付けられている。
【0026】
説明する必要があるのは、当業者が従来技術に基づき実現できるため、本文において、パイロット弁20、電磁コイル30など部品の技術的細部をさらに詳しく述べない。
【0027】
本文は従来の主弁体のエンドカバーと弁体との組合せ関係に基づき、以下のような改善方案を提供した。以下、二種類の代表的な実施形態を参照して、詳しく説明する。
【0028】
図4を参照すると、この図はエンドカバーの第1の実施形態の全体構造模式図である。
【0029】
図4に示すように、エンドカバー1は軸方向に沿って順次に設置されている大径段と小径段とを有し、そのうち、大径段エンドカバー11の外周は弁体と封止接続するために用いられ、小径段エンドカバー12の端部121は主弁体のピストンと組合せるために用いられることにより、ピストンの作動位置を限定するようになる点は、従来のエンドカバーの構造と同様である。大径段エンドカバー11は外端が大きく、内端が小さい台形状に形成される。
【0030】
大径段エンドカバー11の外端の半径方向の寸法は弁体1の内径より大きく、大径段エンドカバー11の内端の半径方向の寸法は弁体2より小さいため、エンドカバー1と弁体2との組み立てにおいて、大径段エンドカバー11は半径方向の内側への押圧力を受ける。同時に、大径段エンドカバー本体は薄肉構造であるため、この半径方向の押圧力の作用で、全体を小径端の周りに回して内側へ折り曲げ変形が生じ、大径段エンドカバー11は完全に弁体内に置くと、その大径端が弁体の内壁に当接するため、エンドカバー1と弁体2との間の位置精度を確保する。本出願の発明点を分かりやすく示すために、図5も参照する。この図は図4におけるII部の拡大図である。
【0031】
説明する必要があるのは、大径段エンドカバー11の半径方向の寸法は、弁体の規格と寸法に応じて決めるべきである。例えば、大径段エンドカバー11の大径端の半径方向の寸法Dを決めるときに使用できるもの全ては本出願の保護範囲に属する。
【0032】
従来のエンドカバーの円柱状の大径段に比べて、本実施の形態に係る前記エンドカバーは、両端の内径寸法の許容公差範囲が決められた弁体に適用し、その大径端に対して、製品を設計する時に、台形状弁蓋の大径端の寸法公差が効果的にコントロールできれば、両者の間に隙間が大き過ぎる問題を効果的に避けることができる。その小径端に対して、この折り曲げ変形の発生により、エンドカバーの押込みにおいて比較的に大きい半径方向の押圧力が生じることを避け、従ってこの半径方向の押圧力が大き過ぎるため、弁体が広げられてしまう問題を効果的に解決することができた。組み立てが完成した後に、大径段エンドカバーの大径端、又は大径端に近い外周面と弁体の内壁に当接して組み合わせることによって、両者の間の位置精度の要求を満足でき、両者の間の溶接精度をさらに高めることができる。
【0033】
前記構造の改善により、四方切換弁の製品が新材料と新工程を採用させ、具体的には、エンドカバーと弁体はステンレス材料、例えばSUS304材料を採用してもよく、組み立ててから、アルゴン溶接、レーザー溶接或いは高エネルギー密度ビーム溶接により接続される。
【0034】
力を受ける角度から分析すると、この台形状の大径段エンドカバーの円錐角Aが大き過ぎると、相応的に、エンドカバー1を弁体2に押し込む時、比較的に大きい力を与える必要であるが、エンドカバー1は薄肉構造であるため、当該付勢力が比較的に大きいと、エンドカバー1の変形を招く。
【0035】
エンドカバー1の前記のような変形を避けるために、台形状の大径段エンドカバーの円錐角Aは4°〜32°の間にあり、好ましいパラメータは4°〜20°である。
【0036】
また、図5に示すように、台形状の大径段の母線の長さLは具体的に1mm〜5mmであり、プレス加工の工程性能及び組み立てる時のガイド作用が高められて、エンドカバーが押し込まれた後の垂直度を確保できる。
【0037】
さらに、図5に示すように、エンドカバー1と弁体2との間の溶接工程性を高めるために、エンドカバー1の端面の厚さは弁体2の端面の厚さに相当することが好ましい。エンドカバー1の端面の厚さは弁体2の端面の厚さの0.8〜1.2倍の間に制限するべきである。
【0038】
図6はエンドカバーの第2の実施形態に記載された全体構造模式図である。
【0039】
図6に示すように、第1の実施形態に記載されたエンドカバーと比べると、本実施形態に記載されたエンドカバー1’の大径段エンドカバー11’の端部に半径方向に伸出した止め口111’が増設される。当該止め口111’は弁体2’の端面に当接して組合せることに用いられる。他の構成と接続関係は第1の実施形態と同様である。同様に、本実施形態に記載されたエンドカバー1’もステンレスを用いてプレス加工により製造されることができる。
【0040】
このように、エンドカバー1’と弁体2’とを組み立てた後に、エンドカバー1’と弁体2’との間の垂直度の要求を確保できる。図7を参照すると、この図は本実施形態に記載されたエンドカバーと弁体との組み立て模式図であり、前記構造の改善により、四方切換弁の製品が新材料と新工程を採用することができる。具体的には、エンドカバーと弁体はステンレス材料、例えばSUS304材料を採用してもよく、組み立ててから、アルゴン溶接、レーザー溶接或いは高エネルギ密度ビーム溶接により接続される。
【0041】
本発明に提供された四方切換弁は、主弁体とパイロットバルブとを含む。主弁体はエンドカバーと弁体とを含む。前記エンドカバーと弁体はステンレス材料を用い、前記エンドカバーは上記エンドカバーの構造を採用する。この四方切換弁の構造方法と効果は前記にエンドカバーと共に詳しく述べたので、ここでは贅言しない。
【0042】
本発明に提供された四方切換弁の組立方法は、主に以下のようなステップを含む。
【0043】
ステップ1:エンドカバーと弁体とを成形する
エンドカバーはSUS304材料のようなステンレス板を用いることができる。材料を入れてから絞り成形の方式により部品とする完成品を加工できる。その形状として、図4に示すような大径段エンドカバーは外端が大きく、内端が小さい台形状をなすことができる(以下、第1のエンドカバー構造と略称する)。または、図6に示すような大径段エンドカバーの端部に半径方向に伸出した止め口(以下、第2のエンドカバー構造と略称する)を有する。弁体はステンレス管状材料を用いて製造される。
【0044】
ステップ2:弁体部品を組み立てる
弁体、弁座、取付け管E、S、C、Dなど部品を組み立てた後に、さらに炉において鑞接やトーチ半田付けなどの方式で一体に溶接される。もしトーチ半田付けの方式であれば、溶接の後にまた表面処理によりスケールを除去する処理工程が必要である。
【0045】
ステップ3:パイロット弁と弁体とを組み合わせる
パイロットバルブと弁体部品を組み立ててから溶接して固着する。
【0046】
ステップ4:組み立て
スライド弁、ブラケット、ピストンなど部品を組み立てる。
【0047】
ステップ5:エンドカバーを取り付ける
第1のエンドカバー構造であれば、大径段エンドカバーの外端と前記弁体の内壁との間に締まり嵌めとなる。締め代量は具体的に材質と寸法に応じて、例えば0.1mm〜0.6mmの間に制限するのが好ましい。手動、油圧、空気圧などの圧力機を用いて、エンドカバーを弁体の両端に押し込んで、エンドカバーの外端を弁体の外端に平行或いはやや位置ずれさせ、そしてワークを治具に置いて締め付けて固定する。第2のエンドカバー構造であれば、両部品の組合せ寸法に応じて、締め代と圧力嵌めなどの方式を選択して、エンドカバーの止め口を弁体の端面に当接して組合せ、再び部品を治具に置いて締め付けて固定する。
【0048】
ステップ6:エンドカバーと弁体とを溶接して固着する
アルゴンアック溶接や、プラズマ溶接や、レーザー溶接などの方式により、両者を一体に溶接する。溶接する時に弁体内部の部品を弁体の中間部位に置き、溶接後直ちに濡れたタオルや、冷たい空気などで溶接部位を冷却することにより、溶接によるピストンへの熱影響を低減する。
【0049】
本発明に提供された四方切換弁の動作過程について、以下のように述べる。
【0050】
エアコンは冷房運転が必要な時に、電磁コイル30が停電し、パイロット弁20における二つの毛細管e、sと二つの毛細管c、dがそれぞれ連通する。この場合、主弁体の左チャンバは低圧・低温区域であり、主弁体の右チャンバは高圧・高温区域である。このように前記主弁体10内の左右チャンバの間に圧力差が形成され、この圧力差の作用で、前記スライド弁4とピストン3は左側に移動して、両管E、Sを連通させるとともに、両管D、Cを連通させる。この時、システム内部の冷媒の流通経路は、以下のようになる。即ち:圧縮機の排気口→取付け管D→主弁体→取付け管C→室外の熱交換器→絞り素子→室内の熱交換器→取付け管E→スライド弁4→取付け管S→圧縮機の吸気口。従って冷凍サイクルが実現されている。
【0051】
エアコンは暖房運転が必要な時に、電磁コイル30を通電し、パイロット弁20における二つの毛細管c、sと二つの毛細管e、dがそれぞれ連通する。この場合、主弁体の右チャンバは低圧・低温区域であり、主弁体の左チャンバは高圧・高温区域である。このように前記主弁体10内の左右チャンバの間に圧力差が形成され、この圧力差の作用で、前記スライド弁4とピストン3は右側に移動して、両管C、Sを連通させるとともに、両管D、Eを連通させる。この時、システム内部の冷媒の流通経路は、以下のようになる。即ち:圧縮機排気口→取付け管D→主弁体→取付け管E→室内の熱交換器→絞り素子→室外の熱交換器→取付け管C→スライド弁→取付け管S→圧縮機吸気口。従って暖房サイクルが実現されている。
【0052】
以上説明したのが、本発明の好ましい実施形態であり、当業者にとって、本発明の原理から逸脱しない前提で、本発明に対して若干改善と飾りをすることもでき、これらの改善や飾りも本発明の保護範囲に属することである。
【符号の説明】
【0053】
10:主弁体
20:パイロット弁
30:電磁コイル
1、1’:エンドカバー
11、11’:大径段エンドカバー
111’:止め口
12:小径段エンドカバー
121:端部
2、2’:弁体
3:ピストン
4:スライド弁
5:弁座
6:ブラケット


【特許請求の範囲】
【請求項1】
四方切換弁の主弁体の弁体と組み合わせることに用いるエンドカバーであって、前記エンドカバーは軸方向に沿って順次に設置されている大径段と小径段とを有し、そのうち、大径段エンドカバーの外周は弁体と封止接続するために用いられ、小径段のエンドカバーの端部は主弁体のピストンと組み合わせるために用いられることにより、ピストンの作動位置を限定するためのエンドカバーにおいて、
前記大径段エンドカバーの端部は、弁体の端面に当接して組み合わせることに用いられる半径方向に伸出した止め口を有することを特徴とするエンドカバー。
【請求項2】
四方切換弁の主弁体の弁体と組み合わせることに用いられるエンドカバーであって、前記エンドカバーは軸方向に沿って順次に設置されている大径段と小径段とを有し、そのうち、大径段エンドカバーの外周は弁体と封止接続するために用いられ、小径段のエンドカバーの端部は主弁体のピストンと組み合わせるために用いられることにより、ピストンの作動位置を限定するためのエンドカバーにおいて、
前記大径段エンドカバーは、外端が大きく、内端が小さい台形状に形成され、前記大径段エンドカバーの端部は、弁体の端面に当接して組み合わせることに用いられる半径方向に伸出した止め口を有することを特徴とするエンドカバー。
【請求項3】
主弁体と、パイロット弁とを備え、前記主弁体がエンドカバーと弁体とを含む四方切換弁において、
前記エンドカバーと弁体はステンレス材料を採用し、前記エンドカバーは請求項1又2に記載のエンドカバーを採用することを特徴とする四方切換弁。
【請求項4】
パイロット弁と主弁体の弁体とを溶接して固着するステップと、スライド弁、ブラケット、ピストン部品を組み立てるステップと、エンドカバーと弁体とを溶接して固着するステップなどを含む四方切換弁の組立方法であって、前記エンドカバーは軸方向に沿って順次に設置されている大径段と小径段とを有し、そのうち、大径段エンドカバーの外周は弁体と封止接続するために用いられ、小径段のエンドカバーの端部は主弁体のピストンと組み合わせるために用いられることにより、ピストンの作動位置を限定するための四方切換弁の組立方法において、
前記エンドカバーと前記弁体端部との間は、アルゴン溶接、レーザー溶接或いは高エネルギー密度ビーム溶接により接続することを特徴とする四方切換弁の組立方法。
【請求項5】
前記大径段エンドカバーは、外端が大きく、内端が小さい台形状に形成され、前記大径段エンドカバーの外端と前記弁体の内壁との間が締まり嵌め接合されていることを特徴とする請求項4に記載の四方切換弁の組立方法。
【請求項6】
溶接接続する前に、予め加圧方式により前記エンドカバーを前記弁体の両端に押し込むことを特徴とする請求項5に記載の四方切換弁の組立方法。
【請求項7】
前記大径段エンドカバーの端部は、半径方向に伸出した止め口を有し、溶接接続する前に、予めエンドカバーの止め口と前記弁体の端面に当接して組み合わされることを特徴とする請求項4に記載の四方切換弁の組立方法。
【請求項8】
前記エンドカバーと弁体がステンレス材料を用いて製造されることを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれか一項に記載の四方切換弁の組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−11358(P2013−11358A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−220789(P2012−220789)
【出願日】平成24年10月2日(2012.10.2)
【分割の表示】特願2010−164902(P2010−164902)の分割
【原出願日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(510200705)ジェジアン サンホァ クライメート アンド アプライアンス コントロールズ グループ シーオーエルティーディー (5)
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang Sanhua Climate  & Appliance Controls Group Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】Chengguan Town,Xinchang County,Zhejiang Province 312500,P.R.China
【Fターム(参考)】