オゾナイザ
【課題】多孔質構造体に超親水性作用を付加することによって、簡単な製作方法で安定した大量のオゾンの生成を可能とするオゾナイザを提供する。
【解決手段】多孔質構造体の液相側の微細孔部表面が気液界面と平行にあるときを0度とした場合、前記多孔質構造体の液相側の微細孔部表面が気液界面に対して0度から135度であることを特徴とし、前記多孔質構造体が親水性化合物からなり、また前記多孔質構造体の少なくとも液相側に超親水性化合物が含有される。
【解決手段】多孔質構造体の液相側の微細孔部表面が気液界面と平行にあるときを0度とした場合、前記多孔質構造体の液相側の微細孔部表面が気液界面に対して0度から135度であることを特徴とし、前記多孔質構造体が親水性化合物からなり、また前記多孔質構造体の少なくとも液相側に超親水性化合物が含有される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質構造体を用いたオゾナイザに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、上下水処理施設、化学工場、薬品工場、食品工場等において、細菌類、カビ類および酵母などの殺菌、アルデヒド、イオウ化合物、窒素化合物等の臭気物質の脱臭、し尿や染料廃液の脱色、有機溶剤などの有害物質を無害化するためにオゾン発生装置が用いられている。この技術は一般に放電式オゾナイザでオゾンを生成して、バブラー、エジェクター、スタティックミキサーなどの気液混合部で処理が必要な水と混合して気液接触させるものである。
【0003】
しかしながら、オゾンは酸素の同素体であり、また非常に不安定な気体であるため常温で酸素に分解する。そのため保存が困難であり、オゾンを使用する現場で生成する必要があると同時に、塩素による処理と比較して処理コストが高価であるという問題があった。
【0004】
この問題に対して、多孔質セラミックスパイプの内部中央に高電圧電極を置いて多孔質セラミックスパイプと高電圧電極との間にガス通路を形成し、多孔質セラミックスパイプの外部に接地電極を置くとともに、この多孔質セラミックスパイプの外側面に直接、処理すべき水の通路を形成し、これら高電圧電極と接地電極間に高電圧高周波電源や高電圧パルス電源を接続することで該ガス通路においてオゾンを生成するオゾン水処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
さらに、近年、多孔質構造体の細孔径が均一に分布する多孔質構造体を用いて、この一側面部に電極を密着して配設し、この電極に交流電圧を印加することによって液相側沿面及び液相内の気泡中、多孔質の細孔内及び気相側沿面で放電を生起せしめオゾンの生成誘導を可能とする水中オゾナイザが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−126769号公報
【特許文献2】特開2009−234900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記のオゾン水処理装置の場合、多孔質セラミックスパイプの内部中央に高電圧電極を置いて、高電圧高周波電源や高電圧パルス電源による高電圧やパルス高電圧を印加するものであり、安定な放電を生起せしめるためには高電圧電極の精密な位置決め、および電極表面に稠密な誘電体による被覆処理、そして高価なパルス電源を必要とする。
【0008】
また、前記の水中オゾナイザについても、生成するオゾン量は必ずしも満足できるものではなかった。また、安定してオゾンを生成することも困難であった。
【0009】
上記の問題点に鑑み本発明者は鋭意研究の結果、多孔質構造体が親水性化合物であり、更に多孔質構造体に超親水性化合物が含有されることにより、多孔質構造体に超親水性作用を付与することによって、簡単な製作方法で安定した大量のオゾンの生成を可能とするオゾナイザを提供するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のオゾナイザは、接液する液相側と気体と接する気相側を有する多孔質構造体と、前記多孔質構造体の気相側に密接される電極と、前記多孔質構造体の気相側から任意のガスを供給する圧入手段を備え、前記電極に交流電圧を印加することによって、前記多孔質構造体の少なくとも微細孔内で生じる微細気泡内で放電を生起せしめオゾンを生成させるオゾナイザにおいて、前記多孔質構造体の液相側の微細孔部表面が気液界面と平行にあるときを0度とした場合、前記多孔質構造体の液相側の微細孔部表面が気液界面に対して0度から135度であることを第1の特徴とする。
【0011】
前記多孔質構造体が親水性化合物からなることを第2の特徴とし、前記親水性化合物が、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素から選ばれる少なくとも1種であることを第3の特徴とする。
【0012】
さらに、前記多孔質構造体の少なくとも前記液相側に超親水性化合物が含有されることを第4の特徴とし、前記超親水性化合物が酸化チタンであることを第5の特徴とする。
【0013】
また、前記酸化チタンがアナターゼ型、ルチル型、ブルカイト型のうち少なくともいずれか1つであることを第6の特徴とし、前記超親水性化合物の含有量が前記多孔質構造体の体積に対して0.020mg/cm3〜0.720mg/cm3であることを第7の特徴とする。
【0014】
そして、前記多孔質構造体が平板状であることを第8の特徴とする。
【0015】
更に、前記多孔質構造体の微細孔部表面の近傍に気泡せん断機または攪拌機の少なくとも一方が設置されることを第9の特徴とし、前記気泡せん断機または前記攪拌機の少なくとも一方が多孔質構造体の微細孔部表面より上方に設置されることを第10の特徴とする。
【0016】
また、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂製のタンク内に内蔵されることを第11の特徴とし、泡沫分離装置に内蔵されることを第12の特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るオゾナイザによれば、以下の優れた効果が得られる。
(1)本発明に係るオゾナイザを用いることにより、多量のオゾンを発生させることが可能であり、水中に直接多量のオゾンを供給することも可能になる。
(2)多孔質構造体の液相側の微細孔部表面の角度を調整することで、安定した高濃度のオゾンを生成することができる。
(3)多孔質構造体が親水性化合物であり、更に液相側に超親水性化合物が含有されることで、背部電極となる水の浸潤をうながすことができ、放電箇所が増え、生成するオゾンの量が増加する。
(4)多孔質構造体の微細孔部表面より上方に気泡せん断機または攪拌機を設置することにより、更に高濃度のオゾンを生成することができる。
(5)オゾナイザを泡沫分離装置に内蔵することにより、液中の溶質の分離と分解を同時に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第一の実施形態のオゾナイザを示した図である。
【図2】図1の多孔質構造体の構造を表した図である。
【図3】本発明の第一の実施形態の多孔質構造体の角度を表した図である。
【図4】本発明の第二の実施形態の多孔質構造体の構造を表した図である。
【図5】本発明の第三の実施形態のオゾナイザを示した図である。
【図6】本発明の実施例1から実施例4及び比較例1から比較例2における経過時間毎の排オゾン濃度の推移を示したグラフである。
【図7】本発明の実施例5から実施例7及び比較例3における経過時間毎の排オゾン濃度の推移を示したグラフである。
【図8】実施例5における放電前の酸化チタンの含有の様子を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図9】本発明の実施例8から実施例13及び比較例4から比較例5における経過時間毎の排オゾン濃度の推移を示したグラフである。
【図10】比較例5における放電前の酸化チタンの含有の様子を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図11】酸化チタンを含有していないときの多孔質構造体内の様子を示す模式図である。
【図12】酸化チタンの含有による多孔質構造体内の様子を示す模式図である。
【図13】酸化チタンの含有による多孔質構造体内の様子を示す模式図である。
【図14】酸化チタンの含有による多孔質構造体内の様子を示す模式図である。
【図15】酸化チタンの含有による多孔質構造体内の様子を示す模式図である。
【図16】本発明の実施例14及び比較例6から比較例8における経過時間毎の溶存オゾン濃度の推移を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施形態1)
以下、本発明における第一の実施形態について図1から図3を基に説明するが、本発明が本実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0020】
図1において、本発明のオゾナイザ1は、多孔質構造体2、台座6、メッシュ状電極7、高電圧配線管8からなり、水槽9の内部に設置されている。
【0021】
多孔質構造体2は、酸化アルミニウムを用いた親水性化合物からなり、接液する液相側4と気体と接する気相側5を有している。多孔質構造体2は、中空筒状の塩化ビニル樹脂製の高電圧配線管8の先端に、中心に孔加工を施した略矩形のアクリル製の台座6を介して密着設置されている。高電圧配線管8の筒内上部に位置する多孔質構造体2の気相側5には、メッシュ状電極7が密接されている。多孔質構造体2は接着剤等で台座6に固定される。
【0022】
さらに、図2に示すように、多孔質構造体2は内部に微細孔3を有し、その径は、1μm〜50μmである。多孔質構造体2の材質は、酸化アルミニウム系、二酸化ケイ素系、シラス多孔質ガラス、セラミックス、樹脂、などが好ましく、特に、酸化アルミニウム系が優れている。
【0023】
また、多孔質構造体2の形状は平板状である。平板状であることにより多孔質構造体2の製作が容易である。さらに、酸化チタンを塗布する場合も多孔質構造体2の形状が平板状であると均一な酸化チタン層を形成することができる。多孔質構造体2の形状は筒状または膜状でもよい。
【0024】
台座6は、略矩形で、厚みは1mm〜50mmである。台座6は厚みがあり中心に孔加工を施したものであれば良く、形状は円盤状、多角形等でもかまわない。材質は、アクリル製が好ましいが、ガラスなどでも良く、耐オゾン性で耐熱性の高い絶縁体であれば特に限定されるものではない。
【0025】
台座6に密接されているメッシュ状電極7は、高電圧配線管8内の配線を通して高電圧電源13と接続されている。メッシュ状電極7に用いられるメッシュの材質は、銅、SUSなどがあり、特に銅が望ましい。メッシュの形状は、平織りや綾織りがあるが、曲げ強度が優れている綾織りが好ましい。また、メッシュは目開き及び線径が1mm以下であることが好ましい。
【0026】
高電圧配線管8は、外部の原料ガス15と連結されている。本実施形態で供給される原料ガス15は、酸素ガスである。他に用いられるガスとしては、空気、不活性ガスなどがあるが、特に酸素ガスが好ましい。高電圧配線管8は筒状であれば良く、材質は、塩化ビニル樹脂などの樹脂が好ましいがガラスなどでもよく、耐オゾン性で耐熱性の高い絶縁体であれば特に限定されるものではない。
【0027】
塩化ビニル樹脂製の水槽9は、上部に被処理液を導入する被処理液導入口10、下部に処理後の処理液を排出させる処理液排出口11が設けられ、さらにオゾン濃度計12が装備されている。また水槽9には、接地電極14が接続されている。材質は、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂などの樹脂が好ましいが、ガラスなどのような耐オゾン性のものであればよく特に限定されるものではない。
【0028】
この構成において、高電圧電源13からメッシュ状電極7を通じて、多孔質構造体2に電圧が印加され、一方で、外部から原料ガス15が送り込まれる。電圧を印加することによって、多孔質構造体2とメッシュ状電極7との微小間隔、多孔質構造体2の微細孔3内、および液相側4の多孔質構造体2の微細孔3部表面に生じる微細気泡内での放電を行うことによってオゾンが生成される。
【0029】
図1、図3に示すように、多孔質構造体2の液相側4の微細孔3部表面が気液界面と平行で上向きであるときを0度とし、多孔質構造体2の液相側4の微細孔3部表面が気液界面に垂直であるときを90度とし、さらに多孔質構造体2の液相側4の微細孔3部表面が気液界面と平行で下向きであるときを180度とした。多孔質構造体2の角度は、気液界面に対して0度から135度であることが良く、より好ましくは、気泡が結泡しにくい0度から90度である。
【0030】
(実施形態2)
次に、本発明における第二の実施形態について図1、図4を基に説明するが、本発明が本実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0031】
オゾナイザ1の構成は、第一の実施形態と同じであるため説明を省略する。本実施形態の多孔質構造体2は酸化アルミニウムを用いた親水性化合物である。
【0032】
多孔質構造体2の液相側4に超親水性化合物を含有させる。多孔質構造体2に含有される超親水性化合物は酸化チタンであり、酸化チタンはアナターゼ型、ルチル型、ブルカイト型があり、特にアナターゼ型が優れている。また、含有される酸化チタンは1種類でもよく、2種類以上を複数層にしてもかまわない。
【0033】
酸化チタンを含有させる側は液相側4が好ましいが気相側5でもよく、液相側4と気相側5の両方に含有させてもかまわない。また、液相側4、気相側5だけでなく、多孔質構造体2の液相側4、気相側5以外の側面叉は多孔質構造体2の内部に含有させてもかまわない。含有させる方法としては特に限定されないが、スプレー塗り、はけ塗り、浸漬塗り等がある。多孔質構造体2がセラミックスの場合は、予め焼成前の多孔質構造体2に酸化チタンを含有させ焼成し、これを多孔質構造体2として用いてもよい。また、酸化チタンがルチル型、ブルカイト型の場合も、予め焼成前の多孔質構造体2に酸化チタンを含有させ焼成し、これを多孔質構造体2としてもよい。
【0034】
多孔質構造体2が含有する酸化チタンの量は、多孔質構造体2の体積に対し0.020mg/cm3〜0.720mg/cm3であることが望ましい。多孔質構造体2に水が浸潤しやすくなり、これが背部電極となって放電箇所が増加し生成オゾン量が増加するには0.020mg/cm3以上がよく、また、0.720mg/cm3を越えると多孔質構造体2内部に目詰まりが生じガスが通過しなくなるのでオゾンが生成されず、たとえガスが通過したとしても超親水性効果により水が浸潤し過ぎることによりメッシュ状電極7に水が到達してしまい、放電が生じないのでオゾンが生成されない。酸化チタンの量は多孔質構造体2に対し0.020mg/cm3〜0.720mg/cm3であるが、多孔質構造体2の厚みと微細孔3の径によっては、目詰まりしない且つメッシュ状電極7に水が到達しない量に適宜調整される。
【0035】
ここで放電の作用を説明する。オゾナイザ1における放電では、電圧は多孔質構造体2に密接して配置されるメッシュ状電極7に印加され、多孔質構造体2が誘電体の働きをし、多孔質構造体2内部及び表面で放電が生じるが、多孔質構造体2が親水性であるので、多孔質構造体2内部に水が浸潤しやすくなり、これが背部電極となって多孔質構造体2の内部及び表面で発生する放電箇所が増加するのである。従って、放電箇所の増加により生成されるオゾン量も増加する。
【0036】
しかし、オゾナイザ1は多孔質構造体2の気相側5から液相側4に向けて原料ガス15を圧入するので、水の浸潤が妨げられる。つまり、親水性の多孔質構造体2を用いても圧入する原料ガス15の圧力の度合いによっては水の浸潤が十分でない場合がある。そこで、原料ガス15の圧力によって水の浸潤が十分でないときは、多孔質構造体2の液相側4に超親水性化合物を含有させることによって、多孔質構造体2に水を更に浸潤させることができる。ここでいう超親水性とは多孔質構造体2に対して液滴を垂らした時に液滴の接触角が限りなくゼロに近くなる現象のことであり、例えば超親水性作用を示す化合物として酸化チタンがあるが、これは酸化チタンに紫外線が照射され超親水性作用を発現することが知られており、本発明においては、多孔質構造体2内部及び表面で発する放電に伴って生じる紫外線が、多孔質構造体2に含有された酸化チタンに照射され、超親水性効果が発現するものと考えられる。
【0037】
(実施形態3)
次に、本発明における第三の実施形態について図5を基に説明するが、本発明が本実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0038】
本実施形態においては、第二の実施形態の多孔質構造体2の近傍に気泡せん断機16を設置する。多孔質構造体2の近傍であればよいが、特に多孔質構造体2の微細孔3部表面より上部に設置することが好ましい。また、本実施形態においては、気泡せん断機16を用いるが、攪拌機を用いてもよい。さらに、気泡せん断機16と攪拌機の両方用いてもよい。気泡せん断機16を設置し、水槽9を樹脂製タンク17に変えたこと以外は、第二の実施形態と同じであるため説明を省略する。
【0039】
この構成において、多孔質構造体2の微細孔3部表面より発生する気泡18は、多孔質構造体2の微細孔3部表面の近傍に設置された気泡せん断機16によりせん断され、微細化され、液体に大量に溶解される。本実施形態において、オゾナイザ1は熱可塑性樹脂製または熱硬化性樹脂製タンク17内に内蔵される。
【0040】
さらに、水中の起泡成分を微細気泡によって除去する泡沫分離装置(図示せず)に内蔵する。泡沫分離装置に内蔵することにより、水中の起泡成分を微細気泡によって除去するので、液中の溶質の分離と分解を同時に行なうことができる。
【0041】
本発明において前記の実施形態を用いて排オゾン濃度及び溶存オゾン濃度の試験を行った。試験の測定方法を以下に示す。
(1)排オゾン濃度の測定
気相オゾン濃度計:東亜ディーケーケー社製 OZ−30
密閉型水槽上部にオゾン濃度センサーを差込み、気相オゾン濃度計を用いて測定した。
(2)溶存オゾン濃度の測定
溶存オゾン濃度計:東亜ディーケーケー社製 OZ−20
密閉型水槽とサンプリングタンクを循環させ、サンプリングタンク内に溶存オゾン濃度センサーを投入し測定した。
【0042】
本発明における排オゾン濃度及び溶存オゾン濃度の試験は実施例1から実施例14及び比較例1から比較例8のそれぞれについて試験を行い、経過時間毎の処理水の排オゾン濃度及び溶存オゾン濃度の測定を行った。その試験結果を図6、図7、図9、図16に示す。
【0043】
(実施例1)
図1のように、オゾナイザ1を水道水8Lが入った水槽9に入れ、高電圧配線管8に酸素ガスを風量3L/minで送り込みながら、電圧を印加(6kV、6kHz)し放電を行った。多孔質構造体2として、多孔質酸化アルミニウム誘電体を用いる。図3に示すように、多孔質構造体2の液相側4の微細孔3部の表面が気液界面に対して0度(多孔質構造体2の表面が上向き)となるように配置した。そのときに生成されるオゾンを排オゾン濃度として測定した。
その結果を図6に示す。排オゾン濃度は105volppmであった。
【0044】
(実施例2)
多孔質構造体2の液相側4の微細孔3部の表面が気液界面に対して45度の位置となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして行い、そのときに生成されるオゾンを排オゾン濃度として測定した。
その結果を図6に示す。排オゾン濃度は102volppmであった。
【0045】
(実施例3)
多孔質構造体2の液相側4の微細孔3部の表面が気液界面に対して90度(多孔質構造体2の表面が水面に対して直角)の位置となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして行い、そのときに生成されるオゾンを排オゾン濃度として測定した。
その結果を図6に示す。排オゾン濃度は107volppmであった。
【0046】
(実施例4)
多孔質構造体2の液相側4の微細孔3部の表面が気液界面に対して135度の位置となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして行い、そのときに生成されるオゾンを排オゾン濃度として測定した。
その結果を図6に示す。排オゾン濃度は90volppmであった。
【0047】
(比較例1)
実施例1と同様にして、多孔質構造体2の液相側4の微細孔3部の表面が気液界面に対して140度となるように設置して放電を行い、その時に生成されるオゾンを排オゾン濃度として測定した。
その結果を図6に示す。排オゾン濃度は28volppmであった。
【0048】
(比較例2)
実施例1と同様にして、多孔質構造体2の液相側4の微細孔3部の表面が気液界面に対して180度(多孔質構造体2の表面が下向き)となるように設置して放電を行い、その時に生成されるオゾンを排オゾン濃度として測定した。
その結果を図6に示す。排オゾン濃度は13volppmであった。
【0049】
(実施例5)
多孔質構造体2の液相側4の微細孔3部の表面が気液界面に対して0度(多孔質構造体2の表面が上向き)となるように配置し、図4に示すように多孔質構造体2の液相側4に、多孔質構造体2(15mm×15mm×厚み2mm)に対して、ゾル状のアナターゼ型酸化チタンを酸化チタンの含有量が0.158mgとなるようにスプレー塗布し、そのときに生成されるオゾンを排オゾン濃度として測定した。
その結果を図7に示す。排オゾン濃度は250volppmであった。
図8に、この条件下での放電前の酸化チタンの含有の様子を走査型電子顕微鏡で観察した写真を示す。
【0050】
(実施例6)
次に、ルチル型酸化チタン0.158mgを焼成前の多孔質構造体2に含有させた後、焼成を行って得た多孔質構造体2(15mm×15mm×厚み2mm)を用いたこと以外は実施例5と同様に行い、生成されるオゾンを排オゾン濃度として測定した。
その結果を図7に示す。排オゾン濃度は230volppmであった。
【0051】
(実施例7)
さらに、ブルカイト型酸化チタン0.158mgを焼成前の多孔質構造体2に含有させた後、焼成を行って得た多孔質構造体2(15mm×15mm×厚み2mm)を用いたこと以外は実施例5と同様に行い、生成されるオゾンを排オゾン濃度として測定した。
その結果を図7に示す。排オゾン濃度は240volppmであった。
【0052】
(比較例3)
酸化チタンが含有されていない多孔質構造体2を用いて、実施例5と同様にして放電を行い、その時に生成されるオゾンを排オゾン濃度として測定した。
その結果を図7に示す。酸化チタンが含有されていない多孔質構造体2を用いたときの排オゾン濃度は105volppmであった。
【0053】
(実施例8)
多孔質構造体2の液相側4の微細孔3部の表面が気液界面に対して0度(多孔質構造体2の表面が上向き)となるように配置し、図4に示すように多孔質構造体2の液相側4に、多孔質構造体2(15mm×15mm×厚み2mm)に対してゾル状のアナターゼ型酸化チタンを酸化チタンの含有量が0.026mg/cm3となるようにスプレー塗布し、そのときに生成されるオゾンを排オゾン濃度として測定した。
その結果を図9に示す。排オゾン濃度は140volppmであった。
【0054】
(実施例9)
多孔質構造体2(15mm×15mm×厚み2mm)に対するアナターゼ型酸化チタンの含有量を0.160mg/cm3としたこと以外は実施例8と同様に行った。
その結果を図9に示す。排オゾン濃度は175volppmであった。
【0055】
(実施例10)
多孔質構造体2(15mm×15mm×厚み2mm)に対するアナターゼ型酸化チタンの含有量を0. 300mg/cm3としたこと以外は実施例8と同様に行った。
その結果を図9に示す。排オゾン濃度は210volppmであった。
【0056】
(実施例11)
多孔質構造体2(15mm×15mm×厚み2mm)に対するアナターゼ型酸化チタンの含有量を0.440mg/cm3としたこと以外は実施例8と同様に行った。
その結果を図9に示す。排オゾン濃度は260volppmであった。
【0057】
(実施例12)
多孔質構造体2(15mm×15mm×厚み2mm)に対するアナターゼ型酸化チタンの含有量を0.580mg/cm3としたこと以外は実施例8と同様に行った。
その結果を図9に示す。排オゾン濃度は240volppmであった。
【0058】
(実施例13)
多孔質構造体2(15mm×15mm×厚み2mm)に対するアナターゼ型酸化チタンの含有量を0.720mg/cm3としたこと以外は実施例8と同様に行った。
その結果を図9に示す。排オゾン濃度は230volppmであった。
【0059】
(比較例4)
多孔質構造体2(15mm×15mm×厚み2mm)に対するアナターゼ型酸化チタンの含有量を0.010mg/cm3としたこと以外は実施例8と同様にして行った。
その結果を図9に示す。排オゾン濃度は105volppmであった。
【0060】
(比較例5)
多孔質構造体2(15mm×15mm×厚み2mm)に対するアナターゼ型酸化チタンの含有量を0.750mg/cm3としたこと以外は実施例8と同様にして行った。
その結果を図9に示す。排オゾン濃度は0volppmであった。
【0061】
排オゾン濃度がゼロになった原因は、酸化チタンの含有により多孔質構造体2に目詰まりが生じガスが通過しにくくなると共に、多孔質構造体2内部に水が浸潤しやすくなり、メッシュ状電極7が水と接触してしまい電圧がかからなくなったためである。図10にこの条件下での放電前の酸化チタンの含有の様子を走査型電子顕微鏡で観察した写真を示す。
【0062】
また、酸化チタンを含有していない多孔質構造体2内の様子を図11の模式図で示し、酸化チタンの含有による多孔質構造体2内の様子を図12から図15に模式図で示す。
【0063】
(実施例14)
図5に示すように、オゾナイザ1を水道水8Lが入った樹脂製タンク17に入れ、気泡18を発生する多孔質構造体2の表面の上方に気泡せん断機16を設置し、高電圧配線管8に酸素ガスを風量3L/minで送り込みながら、電圧を印加(6kV、6kHz)し放電を行った。
その結果を図16に示す。溶存オゾン濃度は最大で45.1μg/Lであった。
【0064】
(比較例6)
気泡せん断機16を設置しないこと以外は実施例14と同様に行い、溶存オゾン濃度を測定した。
その結果を図16に示す。溶存オゾン濃度は最大で1.7μg/Lであった。
【0065】
(比較例7)
気泡18が発生する多孔質構造体2と水平方向ほぼ同一線上に気泡せん断機16を設置し、その他は実施例14と同様に行い、溶存オゾン濃度を測定した。
その結果を図16に示す。溶存オゾン濃度は最大で30.5μg/Lであった。
【0066】
(比較例8)
気泡18が発生する多孔質構造体2の下方に気泡せん断機16を設置し、その他は実施例14と同様に行い、溶存オゾン濃度を測定した。
その結果を図16に示す。溶存オゾン濃度は最大で17.8μg/Lであった。
【符号の説明】
【0067】
1 オゾナイザ
2 多孔質構造体
3 微細孔
4 液相側
5 気相側
6 台座
7 メッシュ状電極
8 高電圧配線管
9 水槽
10 被処理液導入口
11 処理液排出口
12 オゾン濃度計
13 高電圧電源
14 接地電極
15 原料ガス
16 気泡せん断機
17 樹脂製タンク
18 気泡
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質構造体を用いたオゾナイザに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、上下水処理施設、化学工場、薬品工場、食品工場等において、細菌類、カビ類および酵母などの殺菌、アルデヒド、イオウ化合物、窒素化合物等の臭気物質の脱臭、し尿や染料廃液の脱色、有機溶剤などの有害物質を無害化するためにオゾン発生装置が用いられている。この技術は一般に放電式オゾナイザでオゾンを生成して、バブラー、エジェクター、スタティックミキサーなどの気液混合部で処理が必要な水と混合して気液接触させるものである。
【0003】
しかしながら、オゾンは酸素の同素体であり、また非常に不安定な気体であるため常温で酸素に分解する。そのため保存が困難であり、オゾンを使用する現場で生成する必要があると同時に、塩素による処理と比較して処理コストが高価であるという問題があった。
【0004】
この問題に対して、多孔質セラミックスパイプの内部中央に高電圧電極を置いて多孔質セラミックスパイプと高電圧電極との間にガス通路を形成し、多孔質セラミックスパイプの外部に接地電極を置くとともに、この多孔質セラミックスパイプの外側面に直接、処理すべき水の通路を形成し、これら高電圧電極と接地電極間に高電圧高周波電源や高電圧パルス電源を接続することで該ガス通路においてオゾンを生成するオゾン水処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
さらに、近年、多孔質構造体の細孔径が均一に分布する多孔質構造体を用いて、この一側面部に電極を密着して配設し、この電極に交流電圧を印加することによって液相側沿面及び液相内の気泡中、多孔質の細孔内及び気相側沿面で放電を生起せしめオゾンの生成誘導を可能とする水中オゾナイザが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−126769号公報
【特許文献2】特開2009−234900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記のオゾン水処理装置の場合、多孔質セラミックスパイプの内部中央に高電圧電極を置いて、高電圧高周波電源や高電圧パルス電源による高電圧やパルス高電圧を印加するものであり、安定な放電を生起せしめるためには高電圧電極の精密な位置決め、および電極表面に稠密な誘電体による被覆処理、そして高価なパルス電源を必要とする。
【0008】
また、前記の水中オゾナイザについても、生成するオゾン量は必ずしも満足できるものではなかった。また、安定してオゾンを生成することも困難であった。
【0009】
上記の問題点に鑑み本発明者は鋭意研究の結果、多孔質構造体が親水性化合物であり、更に多孔質構造体に超親水性化合物が含有されることにより、多孔質構造体に超親水性作用を付与することによって、簡単な製作方法で安定した大量のオゾンの生成を可能とするオゾナイザを提供するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のオゾナイザは、接液する液相側と気体と接する気相側を有する多孔質構造体と、前記多孔質構造体の気相側に密接される電極と、前記多孔質構造体の気相側から任意のガスを供給する圧入手段を備え、前記電極に交流電圧を印加することによって、前記多孔質構造体の少なくとも微細孔内で生じる微細気泡内で放電を生起せしめオゾンを生成させるオゾナイザにおいて、前記多孔質構造体の液相側の微細孔部表面が気液界面と平行にあるときを0度とした場合、前記多孔質構造体の液相側の微細孔部表面が気液界面に対して0度から135度であることを第1の特徴とする。
【0011】
前記多孔質構造体が親水性化合物からなることを第2の特徴とし、前記親水性化合物が、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素から選ばれる少なくとも1種であることを第3の特徴とする。
【0012】
さらに、前記多孔質構造体の少なくとも前記液相側に超親水性化合物が含有されることを第4の特徴とし、前記超親水性化合物が酸化チタンであることを第5の特徴とする。
【0013】
また、前記酸化チタンがアナターゼ型、ルチル型、ブルカイト型のうち少なくともいずれか1つであることを第6の特徴とし、前記超親水性化合物の含有量が前記多孔質構造体の体積に対して0.020mg/cm3〜0.720mg/cm3であることを第7の特徴とする。
【0014】
そして、前記多孔質構造体が平板状であることを第8の特徴とする。
【0015】
更に、前記多孔質構造体の微細孔部表面の近傍に気泡せん断機または攪拌機の少なくとも一方が設置されることを第9の特徴とし、前記気泡せん断機または前記攪拌機の少なくとも一方が多孔質構造体の微細孔部表面より上方に設置されることを第10の特徴とする。
【0016】
また、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂製のタンク内に内蔵されることを第11の特徴とし、泡沫分離装置に内蔵されることを第12の特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るオゾナイザによれば、以下の優れた効果が得られる。
(1)本発明に係るオゾナイザを用いることにより、多量のオゾンを発生させることが可能であり、水中に直接多量のオゾンを供給することも可能になる。
(2)多孔質構造体の液相側の微細孔部表面の角度を調整することで、安定した高濃度のオゾンを生成することができる。
(3)多孔質構造体が親水性化合物であり、更に液相側に超親水性化合物が含有されることで、背部電極となる水の浸潤をうながすことができ、放電箇所が増え、生成するオゾンの量が増加する。
(4)多孔質構造体の微細孔部表面より上方に気泡せん断機または攪拌機を設置することにより、更に高濃度のオゾンを生成することができる。
(5)オゾナイザを泡沫分離装置に内蔵することにより、液中の溶質の分離と分解を同時に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第一の実施形態のオゾナイザを示した図である。
【図2】図1の多孔質構造体の構造を表した図である。
【図3】本発明の第一の実施形態の多孔質構造体の角度を表した図である。
【図4】本発明の第二の実施形態の多孔質構造体の構造を表した図である。
【図5】本発明の第三の実施形態のオゾナイザを示した図である。
【図6】本発明の実施例1から実施例4及び比較例1から比較例2における経過時間毎の排オゾン濃度の推移を示したグラフである。
【図7】本発明の実施例5から実施例7及び比較例3における経過時間毎の排オゾン濃度の推移を示したグラフである。
【図8】実施例5における放電前の酸化チタンの含有の様子を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図9】本発明の実施例8から実施例13及び比較例4から比較例5における経過時間毎の排オゾン濃度の推移を示したグラフである。
【図10】比較例5における放電前の酸化チタンの含有の様子を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図11】酸化チタンを含有していないときの多孔質構造体内の様子を示す模式図である。
【図12】酸化チタンの含有による多孔質構造体内の様子を示す模式図である。
【図13】酸化チタンの含有による多孔質構造体内の様子を示す模式図である。
【図14】酸化チタンの含有による多孔質構造体内の様子を示す模式図である。
【図15】酸化チタンの含有による多孔質構造体内の様子を示す模式図である。
【図16】本発明の実施例14及び比較例6から比較例8における経過時間毎の溶存オゾン濃度の推移を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施形態1)
以下、本発明における第一の実施形態について図1から図3を基に説明するが、本発明が本実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0020】
図1において、本発明のオゾナイザ1は、多孔質構造体2、台座6、メッシュ状電極7、高電圧配線管8からなり、水槽9の内部に設置されている。
【0021】
多孔質構造体2は、酸化アルミニウムを用いた親水性化合物からなり、接液する液相側4と気体と接する気相側5を有している。多孔質構造体2は、中空筒状の塩化ビニル樹脂製の高電圧配線管8の先端に、中心に孔加工を施した略矩形のアクリル製の台座6を介して密着設置されている。高電圧配線管8の筒内上部に位置する多孔質構造体2の気相側5には、メッシュ状電極7が密接されている。多孔質構造体2は接着剤等で台座6に固定される。
【0022】
さらに、図2に示すように、多孔質構造体2は内部に微細孔3を有し、その径は、1μm〜50μmである。多孔質構造体2の材質は、酸化アルミニウム系、二酸化ケイ素系、シラス多孔質ガラス、セラミックス、樹脂、などが好ましく、特に、酸化アルミニウム系が優れている。
【0023】
また、多孔質構造体2の形状は平板状である。平板状であることにより多孔質構造体2の製作が容易である。さらに、酸化チタンを塗布する場合も多孔質構造体2の形状が平板状であると均一な酸化チタン層を形成することができる。多孔質構造体2の形状は筒状または膜状でもよい。
【0024】
台座6は、略矩形で、厚みは1mm〜50mmである。台座6は厚みがあり中心に孔加工を施したものであれば良く、形状は円盤状、多角形等でもかまわない。材質は、アクリル製が好ましいが、ガラスなどでも良く、耐オゾン性で耐熱性の高い絶縁体であれば特に限定されるものではない。
【0025】
台座6に密接されているメッシュ状電極7は、高電圧配線管8内の配線を通して高電圧電源13と接続されている。メッシュ状電極7に用いられるメッシュの材質は、銅、SUSなどがあり、特に銅が望ましい。メッシュの形状は、平織りや綾織りがあるが、曲げ強度が優れている綾織りが好ましい。また、メッシュは目開き及び線径が1mm以下であることが好ましい。
【0026】
高電圧配線管8は、外部の原料ガス15と連結されている。本実施形態で供給される原料ガス15は、酸素ガスである。他に用いられるガスとしては、空気、不活性ガスなどがあるが、特に酸素ガスが好ましい。高電圧配線管8は筒状であれば良く、材質は、塩化ビニル樹脂などの樹脂が好ましいがガラスなどでもよく、耐オゾン性で耐熱性の高い絶縁体であれば特に限定されるものではない。
【0027】
塩化ビニル樹脂製の水槽9は、上部に被処理液を導入する被処理液導入口10、下部に処理後の処理液を排出させる処理液排出口11が設けられ、さらにオゾン濃度計12が装備されている。また水槽9には、接地電極14が接続されている。材質は、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂などの樹脂が好ましいが、ガラスなどのような耐オゾン性のものであればよく特に限定されるものではない。
【0028】
この構成において、高電圧電源13からメッシュ状電極7を通じて、多孔質構造体2に電圧が印加され、一方で、外部から原料ガス15が送り込まれる。電圧を印加することによって、多孔質構造体2とメッシュ状電極7との微小間隔、多孔質構造体2の微細孔3内、および液相側4の多孔質構造体2の微細孔3部表面に生じる微細気泡内での放電を行うことによってオゾンが生成される。
【0029】
図1、図3に示すように、多孔質構造体2の液相側4の微細孔3部表面が気液界面と平行で上向きであるときを0度とし、多孔質構造体2の液相側4の微細孔3部表面が気液界面に垂直であるときを90度とし、さらに多孔質構造体2の液相側4の微細孔3部表面が気液界面と平行で下向きであるときを180度とした。多孔質構造体2の角度は、気液界面に対して0度から135度であることが良く、より好ましくは、気泡が結泡しにくい0度から90度である。
【0030】
(実施形態2)
次に、本発明における第二の実施形態について図1、図4を基に説明するが、本発明が本実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0031】
オゾナイザ1の構成は、第一の実施形態と同じであるため説明を省略する。本実施形態の多孔質構造体2は酸化アルミニウムを用いた親水性化合物である。
【0032】
多孔質構造体2の液相側4に超親水性化合物を含有させる。多孔質構造体2に含有される超親水性化合物は酸化チタンであり、酸化チタンはアナターゼ型、ルチル型、ブルカイト型があり、特にアナターゼ型が優れている。また、含有される酸化チタンは1種類でもよく、2種類以上を複数層にしてもかまわない。
【0033】
酸化チタンを含有させる側は液相側4が好ましいが気相側5でもよく、液相側4と気相側5の両方に含有させてもかまわない。また、液相側4、気相側5だけでなく、多孔質構造体2の液相側4、気相側5以外の側面叉は多孔質構造体2の内部に含有させてもかまわない。含有させる方法としては特に限定されないが、スプレー塗り、はけ塗り、浸漬塗り等がある。多孔質構造体2がセラミックスの場合は、予め焼成前の多孔質構造体2に酸化チタンを含有させ焼成し、これを多孔質構造体2として用いてもよい。また、酸化チタンがルチル型、ブルカイト型の場合も、予め焼成前の多孔質構造体2に酸化チタンを含有させ焼成し、これを多孔質構造体2としてもよい。
【0034】
多孔質構造体2が含有する酸化チタンの量は、多孔質構造体2の体積に対し0.020mg/cm3〜0.720mg/cm3であることが望ましい。多孔質構造体2に水が浸潤しやすくなり、これが背部電極となって放電箇所が増加し生成オゾン量が増加するには0.020mg/cm3以上がよく、また、0.720mg/cm3を越えると多孔質構造体2内部に目詰まりが生じガスが通過しなくなるのでオゾンが生成されず、たとえガスが通過したとしても超親水性効果により水が浸潤し過ぎることによりメッシュ状電極7に水が到達してしまい、放電が生じないのでオゾンが生成されない。酸化チタンの量は多孔質構造体2に対し0.020mg/cm3〜0.720mg/cm3であるが、多孔質構造体2の厚みと微細孔3の径によっては、目詰まりしない且つメッシュ状電極7に水が到達しない量に適宜調整される。
【0035】
ここで放電の作用を説明する。オゾナイザ1における放電では、電圧は多孔質構造体2に密接して配置されるメッシュ状電極7に印加され、多孔質構造体2が誘電体の働きをし、多孔質構造体2内部及び表面で放電が生じるが、多孔質構造体2が親水性であるので、多孔質構造体2内部に水が浸潤しやすくなり、これが背部電極となって多孔質構造体2の内部及び表面で発生する放電箇所が増加するのである。従って、放電箇所の増加により生成されるオゾン量も増加する。
【0036】
しかし、オゾナイザ1は多孔質構造体2の気相側5から液相側4に向けて原料ガス15を圧入するので、水の浸潤が妨げられる。つまり、親水性の多孔質構造体2を用いても圧入する原料ガス15の圧力の度合いによっては水の浸潤が十分でない場合がある。そこで、原料ガス15の圧力によって水の浸潤が十分でないときは、多孔質構造体2の液相側4に超親水性化合物を含有させることによって、多孔質構造体2に水を更に浸潤させることができる。ここでいう超親水性とは多孔質構造体2に対して液滴を垂らした時に液滴の接触角が限りなくゼロに近くなる現象のことであり、例えば超親水性作用を示す化合物として酸化チタンがあるが、これは酸化チタンに紫外線が照射され超親水性作用を発現することが知られており、本発明においては、多孔質構造体2内部及び表面で発する放電に伴って生じる紫外線が、多孔質構造体2に含有された酸化チタンに照射され、超親水性効果が発現するものと考えられる。
【0037】
(実施形態3)
次に、本発明における第三の実施形態について図5を基に説明するが、本発明が本実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0038】
本実施形態においては、第二の実施形態の多孔質構造体2の近傍に気泡せん断機16を設置する。多孔質構造体2の近傍であればよいが、特に多孔質構造体2の微細孔3部表面より上部に設置することが好ましい。また、本実施形態においては、気泡せん断機16を用いるが、攪拌機を用いてもよい。さらに、気泡せん断機16と攪拌機の両方用いてもよい。気泡せん断機16を設置し、水槽9を樹脂製タンク17に変えたこと以外は、第二の実施形態と同じであるため説明を省略する。
【0039】
この構成において、多孔質構造体2の微細孔3部表面より発生する気泡18は、多孔質構造体2の微細孔3部表面の近傍に設置された気泡せん断機16によりせん断され、微細化され、液体に大量に溶解される。本実施形態において、オゾナイザ1は熱可塑性樹脂製または熱硬化性樹脂製タンク17内に内蔵される。
【0040】
さらに、水中の起泡成分を微細気泡によって除去する泡沫分離装置(図示せず)に内蔵する。泡沫分離装置に内蔵することにより、水中の起泡成分を微細気泡によって除去するので、液中の溶質の分離と分解を同時に行なうことができる。
【0041】
本発明において前記の実施形態を用いて排オゾン濃度及び溶存オゾン濃度の試験を行った。試験の測定方法を以下に示す。
(1)排オゾン濃度の測定
気相オゾン濃度計:東亜ディーケーケー社製 OZ−30
密閉型水槽上部にオゾン濃度センサーを差込み、気相オゾン濃度計を用いて測定した。
(2)溶存オゾン濃度の測定
溶存オゾン濃度計:東亜ディーケーケー社製 OZ−20
密閉型水槽とサンプリングタンクを循環させ、サンプリングタンク内に溶存オゾン濃度センサーを投入し測定した。
【0042】
本発明における排オゾン濃度及び溶存オゾン濃度の試験は実施例1から実施例14及び比較例1から比較例8のそれぞれについて試験を行い、経過時間毎の処理水の排オゾン濃度及び溶存オゾン濃度の測定を行った。その試験結果を図6、図7、図9、図16に示す。
【0043】
(実施例1)
図1のように、オゾナイザ1を水道水8Lが入った水槽9に入れ、高電圧配線管8に酸素ガスを風量3L/minで送り込みながら、電圧を印加(6kV、6kHz)し放電を行った。多孔質構造体2として、多孔質酸化アルミニウム誘電体を用いる。図3に示すように、多孔質構造体2の液相側4の微細孔3部の表面が気液界面に対して0度(多孔質構造体2の表面が上向き)となるように配置した。そのときに生成されるオゾンを排オゾン濃度として測定した。
その結果を図6に示す。排オゾン濃度は105volppmであった。
【0044】
(実施例2)
多孔質構造体2の液相側4の微細孔3部の表面が気液界面に対して45度の位置となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして行い、そのときに生成されるオゾンを排オゾン濃度として測定した。
その結果を図6に示す。排オゾン濃度は102volppmであった。
【0045】
(実施例3)
多孔質構造体2の液相側4の微細孔3部の表面が気液界面に対して90度(多孔質構造体2の表面が水面に対して直角)の位置となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして行い、そのときに生成されるオゾンを排オゾン濃度として測定した。
その結果を図6に示す。排オゾン濃度は107volppmであった。
【0046】
(実施例4)
多孔質構造体2の液相側4の微細孔3部の表面が気液界面に対して135度の位置となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして行い、そのときに生成されるオゾンを排オゾン濃度として測定した。
その結果を図6に示す。排オゾン濃度は90volppmであった。
【0047】
(比較例1)
実施例1と同様にして、多孔質構造体2の液相側4の微細孔3部の表面が気液界面に対して140度となるように設置して放電を行い、その時に生成されるオゾンを排オゾン濃度として測定した。
その結果を図6に示す。排オゾン濃度は28volppmであった。
【0048】
(比較例2)
実施例1と同様にして、多孔質構造体2の液相側4の微細孔3部の表面が気液界面に対して180度(多孔質構造体2の表面が下向き)となるように設置して放電を行い、その時に生成されるオゾンを排オゾン濃度として測定した。
その結果を図6に示す。排オゾン濃度は13volppmであった。
【0049】
(実施例5)
多孔質構造体2の液相側4の微細孔3部の表面が気液界面に対して0度(多孔質構造体2の表面が上向き)となるように配置し、図4に示すように多孔質構造体2の液相側4に、多孔質構造体2(15mm×15mm×厚み2mm)に対して、ゾル状のアナターゼ型酸化チタンを酸化チタンの含有量が0.158mgとなるようにスプレー塗布し、そのときに生成されるオゾンを排オゾン濃度として測定した。
その結果を図7に示す。排オゾン濃度は250volppmであった。
図8に、この条件下での放電前の酸化チタンの含有の様子を走査型電子顕微鏡で観察した写真を示す。
【0050】
(実施例6)
次に、ルチル型酸化チタン0.158mgを焼成前の多孔質構造体2に含有させた後、焼成を行って得た多孔質構造体2(15mm×15mm×厚み2mm)を用いたこと以外は実施例5と同様に行い、生成されるオゾンを排オゾン濃度として測定した。
その結果を図7に示す。排オゾン濃度は230volppmであった。
【0051】
(実施例7)
さらに、ブルカイト型酸化チタン0.158mgを焼成前の多孔質構造体2に含有させた後、焼成を行って得た多孔質構造体2(15mm×15mm×厚み2mm)を用いたこと以外は実施例5と同様に行い、生成されるオゾンを排オゾン濃度として測定した。
その結果を図7に示す。排オゾン濃度は240volppmであった。
【0052】
(比較例3)
酸化チタンが含有されていない多孔質構造体2を用いて、実施例5と同様にして放電を行い、その時に生成されるオゾンを排オゾン濃度として測定した。
その結果を図7に示す。酸化チタンが含有されていない多孔質構造体2を用いたときの排オゾン濃度は105volppmであった。
【0053】
(実施例8)
多孔質構造体2の液相側4の微細孔3部の表面が気液界面に対して0度(多孔質構造体2の表面が上向き)となるように配置し、図4に示すように多孔質構造体2の液相側4に、多孔質構造体2(15mm×15mm×厚み2mm)に対してゾル状のアナターゼ型酸化チタンを酸化チタンの含有量が0.026mg/cm3となるようにスプレー塗布し、そのときに生成されるオゾンを排オゾン濃度として測定した。
その結果を図9に示す。排オゾン濃度は140volppmであった。
【0054】
(実施例9)
多孔質構造体2(15mm×15mm×厚み2mm)に対するアナターゼ型酸化チタンの含有量を0.160mg/cm3としたこと以外は実施例8と同様に行った。
その結果を図9に示す。排オゾン濃度は175volppmであった。
【0055】
(実施例10)
多孔質構造体2(15mm×15mm×厚み2mm)に対するアナターゼ型酸化チタンの含有量を0. 300mg/cm3としたこと以外は実施例8と同様に行った。
その結果を図9に示す。排オゾン濃度は210volppmであった。
【0056】
(実施例11)
多孔質構造体2(15mm×15mm×厚み2mm)に対するアナターゼ型酸化チタンの含有量を0.440mg/cm3としたこと以外は実施例8と同様に行った。
その結果を図9に示す。排オゾン濃度は260volppmであった。
【0057】
(実施例12)
多孔質構造体2(15mm×15mm×厚み2mm)に対するアナターゼ型酸化チタンの含有量を0.580mg/cm3としたこと以外は実施例8と同様に行った。
その結果を図9に示す。排オゾン濃度は240volppmであった。
【0058】
(実施例13)
多孔質構造体2(15mm×15mm×厚み2mm)に対するアナターゼ型酸化チタンの含有量を0.720mg/cm3としたこと以外は実施例8と同様に行った。
その結果を図9に示す。排オゾン濃度は230volppmであった。
【0059】
(比較例4)
多孔質構造体2(15mm×15mm×厚み2mm)に対するアナターゼ型酸化チタンの含有量を0.010mg/cm3としたこと以外は実施例8と同様にして行った。
その結果を図9に示す。排オゾン濃度は105volppmであった。
【0060】
(比較例5)
多孔質構造体2(15mm×15mm×厚み2mm)に対するアナターゼ型酸化チタンの含有量を0.750mg/cm3としたこと以外は実施例8と同様にして行った。
その結果を図9に示す。排オゾン濃度は0volppmであった。
【0061】
排オゾン濃度がゼロになった原因は、酸化チタンの含有により多孔質構造体2に目詰まりが生じガスが通過しにくくなると共に、多孔質構造体2内部に水が浸潤しやすくなり、メッシュ状電極7が水と接触してしまい電圧がかからなくなったためである。図10にこの条件下での放電前の酸化チタンの含有の様子を走査型電子顕微鏡で観察した写真を示す。
【0062】
また、酸化チタンを含有していない多孔質構造体2内の様子を図11の模式図で示し、酸化チタンの含有による多孔質構造体2内の様子を図12から図15に模式図で示す。
【0063】
(実施例14)
図5に示すように、オゾナイザ1を水道水8Lが入った樹脂製タンク17に入れ、気泡18を発生する多孔質構造体2の表面の上方に気泡せん断機16を設置し、高電圧配線管8に酸素ガスを風量3L/minで送り込みながら、電圧を印加(6kV、6kHz)し放電を行った。
その結果を図16に示す。溶存オゾン濃度は最大で45.1μg/Lであった。
【0064】
(比較例6)
気泡せん断機16を設置しないこと以外は実施例14と同様に行い、溶存オゾン濃度を測定した。
その結果を図16に示す。溶存オゾン濃度は最大で1.7μg/Lであった。
【0065】
(比較例7)
気泡18が発生する多孔質構造体2と水平方向ほぼ同一線上に気泡せん断機16を設置し、その他は実施例14と同様に行い、溶存オゾン濃度を測定した。
その結果を図16に示す。溶存オゾン濃度は最大で30.5μg/Lであった。
【0066】
(比較例8)
気泡18が発生する多孔質構造体2の下方に気泡せん断機16を設置し、その他は実施例14と同様に行い、溶存オゾン濃度を測定した。
その結果を図16に示す。溶存オゾン濃度は最大で17.8μg/Lであった。
【符号の説明】
【0067】
1 オゾナイザ
2 多孔質構造体
3 微細孔
4 液相側
5 気相側
6 台座
7 メッシュ状電極
8 高電圧配線管
9 水槽
10 被処理液導入口
11 処理液排出口
12 オゾン濃度計
13 高電圧電源
14 接地電極
15 原料ガス
16 気泡せん断機
17 樹脂製タンク
18 気泡
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接液する液相側と気体と接する気相側を有する多孔質構造体と、前記多孔質構造体の気相側に密接される電極と、前記多孔質構造体の気相側から任意のガスを供給する圧入手段を備え、前記電極に交流電圧を印加することによって、前記多孔質構造体の少なくとも微細孔内で生じる微細気泡内で放電を生起せしめオゾンを生成させるオゾナイザにおいて、前記多孔質構造体の液相側の微細孔部表面が気液界面と平行にあるときを0度とした場合、前記多孔質構造体の液相側の微細孔部表面が気液界面に対して0度から135度であることを特徴とするオゾナイザ。
【請求項2】
前記多孔質構造体が親水性化合物からなることを特徴とする請求項1に記載のオゾナイザ。
【請求項3】
前記親水性化合物が、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載のオゾナイザ。
【請求項4】
前記多孔質構造体の少なくとも前記液相側に超親水性化合物が含有されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のオゾナイザ。
【請求項5】
前記超親水性化合物が酸化チタンであることを特徴とする請求項4に記載のオゾナイザ。
【請求項6】
前記酸化チタンがアナターゼ型、ルチル型、ブルカイト型のうち少なくともいずれか1つであることを特徴とする請求項5に記載のオゾナイザ。
【請求項7】
前記超親水性化合物の含有量が前記多孔質構造体の体積に対して0.020mg/cm3〜0.720mg/cm3であることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載のオゾナイザ。
【請求項8】
前記多孔質構造体が平板状であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のオゾナイザ。
【請求項9】
前記多孔質構造体の微細孔部表面の近傍に気泡せん断機または攪拌機の少なくとも一方が設置されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のオゾナイザ。
【請求項10】
前記気泡せん断機または前記攪拌機の少なくとも一方が多孔質構造体の微細孔部表面より上方に設置されることを特徴とする請求項9に記載のオゾナイザ。
【請求項11】
熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂製のタンク内に内蔵されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のオゾナイザ。
【請求項12】
泡沫分離装置に内蔵されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のオゾナイザ。
【請求項1】
接液する液相側と気体と接する気相側を有する多孔質構造体と、前記多孔質構造体の気相側に密接される電極と、前記多孔質構造体の気相側から任意のガスを供給する圧入手段を備え、前記電極に交流電圧を印加することによって、前記多孔質構造体の少なくとも微細孔内で生じる微細気泡内で放電を生起せしめオゾンを生成させるオゾナイザにおいて、前記多孔質構造体の液相側の微細孔部表面が気液界面と平行にあるときを0度とした場合、前記多孔質構造体の液相側の微細孔部表面が気液界面に対して0度から135度であることを特徴とするオゾナイザ。
【請求項2】
前記多孔質構造体が親水性化合物からなることを特徴とする請求項1に記載のオゾナイザ。
【請求項3】
前記親水性化合物が、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載のオゾナイザ。
【請求項4】
前記多孔質構造体の少なくとも前記液相側に超親水性化合物が含有されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のオゾナイザ。
【請求項5】
前記超親水性化合物が酸化チタンであることを特徴とする請求項4に記載のオゾナイザ。
【請求項6】
前記酸化チタンがアナターゼ型、ルチル型、ブルカイト型のうち少なくともいずれか1つであることを特徴とする請求項5に記載のオゾナイザ。
【請求項7】
前記超親水性化合物の含有量が前記多孔質構造体の体積に対して0.020mg/cm3〜0.720mg/cm3であることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載のオゾナイザ。
【請求項8】
前記多孔質構造体が平板状であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のオゾナイザ。
【請求項9】
前記多孔質構造体の微細孔部表面の近傍に気泡せん断機または攪拌機の少なくとも一方が設置されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のオゾナイザ。
【請求項10】
前記気泡せん断機または前記攪拌機の少なくとも一方が多孔質構造体の微細孔部表面より上方に設置されることを特徴とする請求項9に記載のオゾナイザ。
【請求項11】
熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂製のタンク内に内蔵されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のオゾナイザ。
【請求項12】
泡沫分離装置に内蔵されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のオゾナイザ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−96969(P2012−96969A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−247277(P2010−247277)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(000117102)旭有機材工業株式会社 (235)
【出願人】(504224153)国立大学法人 宮崎大学 (239)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(000117102)旭有機材工業株式会社 (235)
【出願人】(504224153)国立大学法人 宮崎大学 (239)
【Fターム(参考)】
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