説明

オゾンガス処理方法

【課題】分解処理対象のオゾンガスの濃度や湿度が比較的高い場合でも、処理コストを低減させた効果的な分解処理を実現する。
【解決手段】オゾンガス処理装置10は、分解処理対象の排オゾンガスとともに水を活性炭に通過させることが可能なものであって、粒状の活性炭が充填された活性炭タンク15と、活性炭タンク15内にオゾンガスを供給するオゾンガス給気管14と、オゾンガスとの気液混合状態となるように水を活性炭タンク15内に供給する給水管12と、活性炭タンク15内のオゾン分解処理後の排液を排出する排液管16と、から構成されるオゾン分解機構を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排オゾンガスを分解して処理するためのオゾンガス処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、排オゾンガスを分解処理するための方法として、オゾン含有ガスを活性炭に通気させることによって、ガス中のオゾンを分解する活性炭接触法が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、この他の排オゾンガスの処理方法としては、紫外線殺菌灯を照射してオゾンを分解する方法や、オゾン分解触媒にオゾンガスを通気させて分解処理を行う触媒接触法なども利用されている。
【0004】
しかしながら、上述した各処理方法のうち、触媒接触法以外の方法は、含有率が例えば1%を超える高濃度のオゾンガスの処理には反応熱が大きいため、不向きとされている。特に、活性炭接触法は、高濃度のオゾンを活性炭に通気させたときの反応熱により発火のおそれがある。さらに、活性炭接触法は、特に、反応により高温になるとオゾンの分解反応に加えて分解した酸素による活性炭の酸化反応も促進されて、活性炭自体が消耗するためランニングコストの面でも課題を抱えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−28336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
なお、触媒接触法を適用する場合でも、高濃度のオゾンガスを分解するには、高温環境下での処理が必要になり、設備コストの面での課題が新たに生じることになる。そこで、比較的低温の環境下でも、オゾンの分解処理が可能なMn系触媒を適用することなどが考えられるが、この場合、高湿度のオゾンガスを処理する際の分解作用が大きく低下するという問題がある。
【0007】
さらに、この触媒接触法は、分解処理対象のオゾンガス中に耐オゾン性の高い炭酸アルキレンなどの雰囲気が含有されている場合、オゾンガス分解触媒を劣化させないようにするために、オゾンガス中の上記炭酸アルキレンなどを例えばセパレータを用いて先に除去し、さらにその後、オゾンガス自体の分解処理を行う必要があるという問題もある。
【0008】
そこで、本発明は、このような事情に対処してなされたものであり、分解処理対象のオゾンガスの濃度や湿度が比較的高い場合でも、処理コストを低減させた効果的な分解処理を実現できるオゾンガス処理方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係るオゾンガス処理方法は、分解処理対象のオゾンガスを活性炭に通過させて処理するオゾンガス処理方法において、前記オゾンガスが気泡として存在する状態で水を前記活性炭にさらに通過させることを特徴とする。
【0010】
すなわち、本発明では、水、及び気泡の状態のオゾンガスを活性炭に通過させることにより活性炭を冷却できるので、活性炭とオゾン(及び酸素)との酸化反応が抑制され、これにより、活性炭自体の消耗を抑えることができる。
【0011】
さらに、本発明では、上記のように、水による冷却作用によって、活性炭に生じる反応熱が除かれるので、活性炭周辺での発火などを防止することができる。ここで、活性炭に通過させる水は、例えば常温以下の温度に冷却した冷却水などを例示でき、また、市水、工水、純水、オゾン水、炭酸塩存在下のオゾン水などを適用することが可能である。
【0012】
オゾン水を用いた場合、オゾンガスとオゾン水の同時処理も可能である。さらに、オゾン水や市水などをオゾンガスと混合することで、オゾンガスと水との反応でオゾンの分解を促進する効果もある。
【0013】
また、本発明では、例えば比較的湿度の高いオゾンガスを処理する場合であっても、Mn系オゾン分解触媒などを用いる分解処理のように触媒を濡らさないようする配慮などが不要となり、オゾンガスの分解処理を容易に行うことができる。さらに、本発明では、上記のようにオゾン分解触媒などを用いずに分解処理を行うので、オゾンガス中に炭酸アルキレンなどの耐オゾン性物質が含まれる場合でも、これをオゾンガス中から事前に除去する必要などがなく、これにより、簡易的な装置構成にてオゾンガスの分解処理を実現できる。
【0014】
また、本発明のオゾンガス処理方法は、オゾンガスと水とを気液共存状態で混合した後、この気液共存状態の混合物を前記活性炭に通過させる方法を採用することも可能である。この方法では、予め混合されたオゾンガスと水との混合物を活性炭に通過させることができるので、水と混合されたオゾンの活性炭との接触が密になり、オゾンの分解処理のさらなる効率化を図ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、分解処理対象のオゾンガスの濃度や湿度が比較的高い場合でも、処理コストを低減させた効果的な分解処理を実現することの可能なオゾンガス処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るオゾンガス処理装置の構成を概略的に示す図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係るオゾンガス処理装置の構成を概略的に示す図。
【図3】図1のオゾンガス処理装置に一部変更を加えた装置構成を示す図。
【図4】本発明の実施例1に係るオゾンガス処理装置の構成を概略的に示す図。
【図5】本発明の実施例2に係るオゾンガス処理装置の構成を概略的に示す図。
【図6】本発明の実施例3に係るオゾンガス処理装置の構成を概略的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づき説明する。
[第1の実施の形態]
図1に示すように、この実施形態に係るオゾンガス処理装置10は、分解処理対象のオゾンガス(排オゾンガス)が気泡として存在する状態で水を活性炭に通過させることが可能なものであって、給水管12、オゾンガス給気管14、活性炭タンク15及び排液管16から主に実現されるオゾン分解機構を備えている。さらに、オゾンガス処理装置10には、気液分離塔17や、排気管18及び排水管19などを設けてもよい。
【0018】
活性炭収容体として機能する活性炭タンク15は、粒状の活性炭がカラム内に充填されている。オゾンガス給気管14は、給気ポンプなどを介して活性炭タンク15内に上方からオゾンガスを供給する。給水管12は、給水ポンプなどを介し、活性炭タンク15内に上方から水を供給する。活性炭を通過させる水は、オゾンガス(O3)1g当たり、0.6L以上、50L以下であることが好ましい。活性炭タンク15内では、オゾンガスと水とが混合して気液共存(気液混合)状態となり、この混合物が粒子状の活性炭表面を通過する。給水管12及び吸気管14は、活性炭との接触時間を増加させるために、活性炭タンク15内でインナーパイプ構造とすることが望ましい。水との気液混合状態で活性炭を通過した後のオゾンは、例えば二酸化炭素などの炭素ガスや酸素に分解処理される。
【0019】
なお、活性炭タンク15内に供給される分解処理対象のオゾンガス中には、炭酸アルキレンなど、オゾンに対する耐性が極めて高い耐オゾン性物質が含まれている場合もある。オゾンガスの濃度(オゾン含有ガス中のオゾンの濃度)は、例えば22g/m3(約1%強)〜400g/m3といった比較的高濃度のものが分解処理対象となる場合もある。
【0020】
ここで、オゾンガス処理装置10では、水がオゾンガスを活性炭表面へと導くキャリアとして機能し、これによりオゾンガスを活性炭表面に好適に接触させることができる。また、この際、水の冷却作用によって、活性炭とオゾンとの反応が実質的に抑制され、活性炭自体の消耗を抑えることができる。
【0021】
さらに例えば、濃度が1%を超える高濃度のオゾンガスは、活性炭の発熱量が非常に大きくなり、発火の危険性が懸念されるが、活性炭タンク15内にオゾンガスとともに水を通水することで、活性炭との反応後の気液混合物の温度を例えば50℃以下に抑えることが可能となる。さらにこの場合、活性炭タンク15内に供給する水として冷却水を適用することで、より高い冷却効果を期待できる。
【0022】
また、本実施形態のオゾンガス処理装置10では、比較的湿度の高いオゾンガスを分解処理する場合であっても、例えば二酸化マンガン(MnO2)触媒といった高価なMn系オゾン分解触媒などを用いる必要がなく、コストの低減を図ることができる。また、このことから、上記オゾン分解触媒を濡らさないようする構成なども不要となり、オゾンガスの分解処理を容易に行うことができる。これに加えて、オゾンガス処理装置10では、分解処理対象のオゾンガス中に炭酸アルキレンなどが含まれる場合でも、この耐オゾン性物質をセパレータなどを用いて先に除去する必要などがなくなり、これにより、簡単な装置構成にてオゾンガスの分解処理を行うことができる。
【0023】
このように、本実施形態に係るオゾンガス処理装置10によれば、分解処理対象の排オゾンガスの濃度や湿度が比較的高い場合でも、処理コストを低減させた効果的な分解処理を実現することができる。
【0024】
[第2の実施の形態]
図2に示すように、この実施形態に係るオゾンガス処理装置30は、給水管32、オゾンガス給気管34、混合機構を構成するエゼクタ33及び混合液供給管35、活性炭フィルタ36、並びに排液管37から主に実現されたオゾン分解機構を備えている。さらに、オゾンガス処理装置30には、第1の実施形態のオゾンガス処理装置10と同様に気液分離塔17や、排気管18及び排水管19が設けられている。
【0025】
活性炭収容体として機能する活性炭フィルタ36は、例えば活性炭繊維などで構成されるものであってもよい。オゾンガス給気管34は、オゾンガス(排オゾンガス)をエゼクタ33内に供給するために設けられている。一方、給水管32は、エゼクタ33内に水を供給するために設けられている。
【0026】
エゼクタ33は、給水管32より供給される水を駆動水として、そのエネルギーでオゾンガス給気管34を介して、オゾンガス及び水をエゼクタ本体内に引き込んで互いを気液共存状態で混合させる。このとき、オゾンガス(O3)1g当たり、0.6L以上、50L以下の水が混合されることが好ましい。オゾンガス及び水の混合物は、混合液供給管35を介して活性炭フィルタ36内に供給され、酸素ガス又は炭酸ガスと水との混合物として排液管37に排出される。さらに、活性炭フィルタ36内での分解処理後の排液は、排液管37を介して気液分離塔17内に供給してもよい。
【0027】
このように構成された本実施形態のオゾンガス処理装置30によれば、予めオゾンガスと水とを気液混合状態で混合させた混合物を活性炭フィルタ36に通過させることができるので、水と混合されたオゾンの活性炭との接触が密になり、これにより、オゾンの分解処理のさらなる効率化を図ることができる。
【0028】
以上、本発明を第1、第2の実施の形態により具体的に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、第1、第2の実施形態のオゾンガス処理装置10、30及び後述する実施例1〜3のオゾンガス処理装置の個々の構成要素を適宜組み合わせて、他のオゾンガス処理装置を構成してもよい。具体的には、図3に示すように、例えば、第1の実施形態のオゾンガス処理装置10の活性炭タンク15内に仕切り部材15aを設け、オゾンガスと水との混合物の流路15fを構成するようにしてもよい。この場合、水と、比重の軽いオゾンガスとを活性炭タンク15内の深部へと導くことができ、これにより、分解処理が確実に行われた後、その排液を活性炭タンク15の上方から取り出すことができるので、オゾンの分解処理を効果的に行うことができる。
【0029】
さらに、上記の第1、第2の実施形態では、具体的には例示しなかったが、粒子状又は繊維状の活性炭が充填された活性炭収容体を通過させる水の通水量をF[m3/h]とし、前記活性炭収容体の水が通過する断面の面積をA[m2]としたとき、F/Aとして表される通水の線速度LV(Linear Velocity)[m/h]は、1以上、30以下であることが好ましい。また、上述した活性炭収容体の容積をC[m3]としたとき、F/Cとして表される通水の空間速度SV(Space Velocity)[h-1]は、1以上、30以下であることが望ましい。
【0030】
[実施例]
次に本発明を実施例により説明する。
<実施例1>
図4に示すように、実施例1のオゾンガス処理装置は、図1に示した第1の実施形態の活性炭タンク15とほぼ同様の構造の活性炭タンク15bと、活性炭タンク15bの前段に配置される図2に示した第2の実施形態のエゼクタ33と、エゼクタ33に対してオゾンガス及び水をそれぞれ供給するオゾンガス供給管及び給水管と、が適用されている。
【0031】
活性炭タンク15b内には、54Lの粒状の活性炭が充填されている。オゾンガス供給管は、130g/m3(6.07%)の濃度のオゾンガス(主に酸素中に含有されるオゾン含有ガス)を供給量14LPM(L/min)でエゼクタ33内に供給する。実施例1では、エゼクタ33内に供給すべき水としてオゾン水を適用している。エゼクタ33内で混合されたオゾンガスとオゾン水との気液混合状態の混合物は、活性炭タンク15b内を通過する際にオゾンの分解処理が行われる。
【0032】
ここで、上記のオゾン水は、反応抑制剤として機能する重炭酸塩又は炭酸塩とともに150ppmのオゾンを含んでおり、上記給水管を介して供給量5LPM(L/min)で、エゼクタ33及び活性炭タンク15b側へ供給される。この実施例1では、活性炭にオゾンガス(O3)1g当たり約2.75Lの水(オゾン水)を通過させることになる。
【0033】
より具体的には、実施例1では、活性炭タンク15b内を通過させる水の通水量は0.3[m3/h]、活性炭タンク15b内(内径259mm)の水が通過する断面の面積は0.053[m2]、活性炭が充填された活性炭タンク15bの容積は0.054[m3]である。したがって、活性炭タンク15b内を通過する水の線速度LVは、5.7[m/h]であり、空間速度SVは、5.6[h-1]である。
【0034】
<実施例2>
図5に示すように、実施例2のオゾンガス処理装置は、図1に示した第1の実施形態の活性炭タンク15と容量がそれぞれ異なる活性炭タンク15c及び活性炭タンク15dと、活性炭タンク15cの前段に配置される第1実施例で用いたエゼクタ33と、エゼクタ33に対してオゾンガス及び水をそれぞれ供給するオゾンガス供給管及び給水管と、が適用されている。
【0035】
活性炭タンク15c内には、7Lの粒状の活性炭が充填され、一方、活性炭タンク15d内には、28Lの粒状の活性炭が充填されている。オゾンガス供給管は、120g/m3(5.60%)の濃度のオゾンガス(オゾン含有ガス)を供給量12LPM(L/min)でエゼクタ33内に供給する。一方、給水管は、活性炭に通過させるべき水となる市水を、供給量1LPM(L/min)で、エゼクタ33及び活性炭タンク15c、15d側へ供給する。
【0036】
ここで、実施例2では、エゼクタ33内で混合されたオゾンガスと市水との気液混合状態の混合物は、まず活性炭タンク15d内を通してその後、さらに活性炭タンク15e内を通過させてオゾンの分解処理が行われる。また、この実施例2では、活性炭タンク15d、15e内の活性炭にオゾンガス(O3)1g当たり約0.69Lの水(市水)を通過させることになる。
【0037】
詳細には、実施例2では、活性炭タンク15c、15d内を通過させる水の通水量は0.06[m3/h]、活性炭タンク15c内(内径226mm)の断面積は0.040[m2]、活性炭タンク15d内(内径215mm)の水が通過する断面の面積は0.036[m2]、活性炭が充填された活性炭タンク15c、活性炭タンク15dの各容積は、それぞれ、0.007[m3]、0.028[m3]である。したがって、活性炭タンク15c、15d内を通過する水の各線速度LVは、それぞれ、1.5[m/h]、1.7[m/h]であり、活性炭タンク15c、15d内を通過する水の合計の空間速度SVは、1.71[h-1]である。
【0038】
<実施例3>
図6に示すように、実施例3のオゾンガス処理装置は、図1に示した第1の実施形態の活性炭タンク15と容量が異なる活性炭タンク15eと、オゾンガスを活性炭タンク15e側に供給するためのオゾンガス供給管と、このオゾンガス供給管の供給経路の途中に合流して活性炭タンク15e側に水を供給するための給水管と、が適用されている。実施例3では、実質的に、オゾンガス供給管における給水管との合流部分の後段側は、オゾンガスと水との混合物を活性炭タンク15e内に供給する。
【0039】
活性炭タンク15e内には、10Lの粒状の活性炭が充填されている。オゾンガス供給管は、180g/m3(8.40%)の濃度のオゾンガス(オゾン含有ガス)を供給量1LPM(L/min)で活性炭タンク15e側に向けて供給する。一方、給水管は、活性炭タンク15内の活性炭に通過させるべき水となる純水を、供給量3LPM(0.18m3/h)で活性炭タンク15e側(オゾンガス供給管との合流部分)に向けて供給する。つまり、実施例3のオゾンガス処理装置では、比重の小さいオゾンガスを実質的に水の下側から供給することで、水とオゾンガスとの混合の効率を高めている。
【0040】
オゾンガス供給管と給水管との合流部分及びその後段側で混合されたオゾンガスと純水との気液混合状態の混合物は、活性炭タンク15e内を通過する際にオゾンの分解処理が行われる。また、この実施例3では、活性炭タンク15e内の活性炭にオゾンガス(O3)1gあたり約16.67Lの水(純水)を通過させることになる。
【0041】
詳述すると、実施例3では、活性炭タンク15e内を通過させる水の通水量は0.18[m3/h]、活性炭タンク15e内(内径226mm)の水が通過する断面の面積は0.040[m2]、活性炭が充填された活性炭タンク15eの容積は0.010[m3]である。したがって、活性炭タンク15b内を通過する水の線速度LVは、4.5[m/h]であり、空間速度SVは、18.0[h-1]である。
【0042】
<実施例1〜3による処理条件及び処理結果>
下記の表1は、実施例1〜3によるオゾン分解処理の処理条件を主に表している。
【0043】
【表1】

【0044】
上述した実施例1〜3では、いずれの構成においても、オゾンガスの分解処理を好適に行うことができ、図4〜図6に示す活性炭タンク15b、活性炭タンク15d及び活性炭タンク15eのそれぞれの後段(活性炭タンクの出口)では、排出される流体は、オゾンの含有量がほぼ0であることを確認することができた。また、活性炭タンク15b、15c、15eの前段(活性炭タンクの入口)で25℃であった水とオゾンガスとの気液混合状態の流体は、活性炭タンク15b、15d、15eの後段(活性炭タンクの出口)においても、いずれも50℃以下であり、発火などのおそれがないことが確認された。
【符号の説明】
【0045】
10,30…オゾンガス処理装置、12,32…給水管、14,34…オゾンガス給気管、15,15b,15c,15d,15e…活性炭タンク、16,37…排液管、33…エゼクタ、35…混合液供給管、36…活性炭フィルタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分解処理対象のオゾンガスを活性炭に通過させて処理するオゾンガス処理方法において、
前記オゾンガスを気泡として存在させる状態で水を前記活性炭に通過させることを特徴とするオゾンガス処理方法。
【請求項2】
オゾンガスと水とを気液共存状態で混合した後、この気液共存状態の混合物を前記活性炭に通過させることを特徴とする請求項1記載のオゾンガス処理方法。
【請求項3】
前記分解処理対象のオゾンガスは、当該オゾンガスを含む混合ガス全体に対する濃度が1%を超えるものであることを特徴とする請求項1又は2記載のオゾンガス処理方法。
【請求項4】
前記活性炭は、粒子状又は繊維状に構成されたものが活性炭収容体に充填されており、
さらに、前記活性炭収容体を通過させる水の通水量をF[m3/h]とし、前記活性炭収容体の水が通過する断面の面積をA[m2]としたとき、F/Aとして表される通水の線速度LV[m/h]は、30以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のオゾンガス処理方法。
【請求項5】
前記活性炭は、粒子状又は繊維状に構成されたものが活性炭収容体に充填されており、
さらに、前記活性炭収容体を通過させる水の通水量をF[m3/h]とし、前記活性炭収容体の容積をC[m3]としたとき、F/Cとして表される通水の空間速度SV[h-1]は、1以上、30以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のオゾンガス処理方法。
【請求項6】
前記オゾンガス(O3)1g当たり、0.6L以上、50L以下の水を前記活性炭に通過させることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のオゾンガス処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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