説明

オフセットクレジット認証情報表示システムとこれを用いる画像形成装置及びオフセットクレジット認証情報表示方法並びにオフセットクレジット認証情報表示システムに用いる表示装置

【課題】正規の消耗品であることを確認できるオフセットクレジット認証情報表示システムとこれを用いる画像形成装置及びオフセットクレジット認証情報表示方法並びにオフセットクレジット認証情報表示システムに用いる表示装置を提供する。
【解決手段】管理カードを用いる画像形成装置1のオフセットクレジット認証情報表示システムあって、管理カードは管理者識別情報が記憶され、トナーカートリッジ90は第1の認証情報が記憶され、画像形成装置1は正規のトナーカートリッジの第2の認証情報が記憶され、入力部505、カードリーダ506a、トナーカートリッジ90の情報を読み取る検出部509a、第1、第2の認証情報とを照合する照合部503を備え、制御部501には管理カードの管理者識別情報と入力された管理者識別情報とが一致した場合に、第2の認証情報を表示する機能を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフセットクレジット認証情報表示システムとこれを用いる画像形成装置及びオフセットクレジット認証情報表示方法並びにオフセットクレジット認証情報表示システムに用いる表示装置に係り、特に、画像形成装置の使用を許可する管理カードを使用する画像形成装置に用いられる温室効果ガス排出枠(温室効果ガス排出権)が付与された消耗品の認証情報(オフセットクレジット認証情報)を表示手段に表示するオフセットクレジット認証情報表示システムとこれを用いる画像形成装置及びオフセットクレジット認証情報表示方法並びにオフセットクレジット認証情報表示システムに用いる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置において、地球環境への配慮から、画像形成装置に用いられる消耗品や交換部品などにおいても、地球環境への負荷を低減したものを使用することが促進されている。
また、CO排出量低減のため、ユーザに対して改善を推奨することも行われている。
【0003】
従来技術として、例えば、画像形成装置などの電子装置に着脱自在な消耗品ユニットとして、温室効果ガスに関する排出枠(排出権)が付与された形で販売される消耗品ユニットを使用するものであって、この消耗品ユニットの継続使用状態によって温室効果ガスの削減に対する評価を行い、オペレーションパネル等に評価結果を表示、または用紙に印刷するようにして、ユーザの温室効果ガス削減への認識を高めようとするものが提案されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−2442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術では、温室効果ガスに関する排出枠が付与された形で販売される消耗品ユニットを使用するので、ユーザの温室効果ガス削減への認識を高めることはできるが、購入した消耗品ユニットが正規のカーボンオフセットクレジットが登録されている消耗品であるか、否か、延いては、純正消耗品である確証は明らかにすることができず、ユーザは正当なカーボンオフセットクレジットを購入したか、否かは解らないといった問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、温室効果ガス排出枠付き消耗品を購入した際、その消耗品が正規の登録申請がなされて認証された消耗品であることを確認できるオフセットクレジット認証情報表示システムとこれを用いる画像形成装置及びオフセットクレジット認証情報表示方法並びにオフセットクレジット認証情報表示システムに用いる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するための本発明に係るオフセットクレジット認証情報表示システムとこれを用いる画像形成装置及びオフセットクレジット認証情報表示方法並びにオフセットクレジット認証情報表示システムに用いる表示装置は、次の通りである。
【0008】
本発明は、消耗品の情報を表示可能な表示手段を備えて、画像形成装置の使用を許可する管理カードを使用する画像形成装置に用いられる温室効果ガス排出枠付き(カーボンオフセットクレジット付き)消耗品の認証情報(オフセットクレジット認証情報)を前記表示手段に表示するオフセットクレジット認証情報表示システムであって、前記管理カードには、前記画像形成装置を管理する管理者を識別する管理者識別情報(例えば、部門識別情報でもよい)が記憶される記憶手段を備え、前記消耗品には、温室効果ガス排出枠付き消耗品であることを示す消耗品認証情報(第1の認証情報)が記憶された記憶手段を備え、前記画像形成装置の構成として、該画像形成装置に使用可能な温室効果ガス排出枠付き消耗品の消耗品認証情報(第2の認証情報)が記憶された記憶手段と、前記管理カードに記憶された管理者識別情報を読み取るカード情報読み取り手段と、前記消耗品の記憶手段に記憶された消耗品認証情報(第1の認証情報)を読み取る消耗品情報読み取り手段と、前記消耗品情報読み取り手段で読み取られた消耗品認証情報(第1の認証情報)と前記画像形成装置の記憶手段に記憶された消耗品認証情報(第2の認証情報)とを照合する消耗品認証情報照合手段と、前記画像形成装置を管理する管理者を識別する管理者識別情報を前記画像形成装置に入力する入力手段と、前記カード情報読み取り手段で読み取った管理者識別情報(カード情報)と前記入力手段に入力された管理者識別情報(入力情報)とが一致したと判断された場合に、前記画像形成装置に使用される消耗品の消耗品認証情報に対応する前記画像形成装置の記憶手段に記憶された消耗品認証情報(第2の認証情報)を前記表示手段に表示する消耗品認証情報表示手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明は、前記画像形成装置を、通信手段を介して該画像形成装置の管理サーバ、公的申請認証機関のサーバ、またはインターネットと接続可能とすることが好ましい。
【0010】
また、本発明は、前記消耗品認証情報照合手段を、前記カード情報読み取り手段で読み取ったカード情報と前記入力手段に入力された前記管理者識別情報とが一致した後、前記消耗品情報読み取り手段で読み取られた消耗品認証情報(第1の認証情報)と前記画像形成装置の記憶手段に記憶された消耗品認証情報(第2の認証情報)とを照合するように制御することが好ましい。
【0011】
また、本発明は、前記消耗品の記憶手段に記憶された消耗品認証情報(第1の認証情報)として、少なくとも、前記消耗品の製造番号、カーボンオフセットクレジット番号、カーボンオフセットの認証番号、の何れか一つ以上を含むことが好ましい。
【0012】
また、本発明は、前記画像形成装置の記憶手段に記憶された消耗品認証情報(第2の認証情報)として、少なくとも、カーボンオフセットクレジット番号、カーボンオフセット認証番号、オフセット認証申請者名、消耗品販売事業者名、オフセット算定排出量、カーボンオフセットプロジェクトの名称、オフセット購入費(寄付金)、クレジットの無効化方法、カーボンオフセットの帰属先、オフセット算定排出量、クレジット種別、カーボンオフセットの仕組みの説明、カーボンオフセットマーク(登録商標)、の何れか一つ以上を含むことが好ましい。
【0013】
また、本発明は、前記オフセット算定排出量を、前記消耗品のライフサイクルにおける温室効果ガス排出量を二酸化炭素に換算した値とすることが好ましい。
【0014】
また、本発明は、前記消耗品に、カーボンフットプリントマークが付与されていることが好ましい。
【0015】
また、本発明は、前記表示手段の構成として、タッチパネルまたは操作キーを略一体的に備えることが好ましい。
【0016】
なお、タッチパネルと操作キーとを別々に設けてもよいし、タッチパネルを用いた表示手段と表示のみを行う表示手段、即ち表示手段を複数設けてもよい。
【0017】
また、本発明は、前記消耗品の記憶手段として、ICチップ(例えば、無線ICタグ、接点式CRUMなどの不揮発性メモリ)、バーコード、QRコード(登録商標)等の2次元コードの何れかを用いることが好ましい。
【0018】
また、本発明は、画像形成装置の使用を許可する管理カードを使用する画像形成装置に用いられる温室効果ガス排出枠付き消耗品の認証情報を表示するオフセットクレジット認証情報表示システムに用いる表示装置であって、請求項1から9のうちの何れか一項に記載のオフセットクレジット認証情報表示システムを構成する表示手段として用いることを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明は、画像形成装置の使用を許可する管理カードを使用する画像形成装置であって、請求項1から9のうちの何れか一項に記載のオフセットクレジット認証情報表示システムを構成する画像形成装置として用いることを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明は、前記画像形成装置の構成として、情報を表示する表示部を備え、前記表示部として請求項10に記載の表示装置を用いることが好ましい。
【0021】
また、本発明は、前記画像形成装置を、画像形成装置の記憶手段に記憶された消耗品認証情報(第2の認証情報)を前記表示部にプレビュー表示した後に、印刷出力可能とすることが好ましい。
【0022】
また、本発明は、画像形成装置の使用を許可する管理カードを使用する画像形成装置に用いられる温室効果ガス排出枠付き消耗品の認証情報を表示するオフセットクレジット認証情報表示方法であって、請求項10に記載の表示装置を用いて前記画像形成装置に用いられる温室効果ガス排出枠付き消耗品の認証情報を表示することを特徴とするものである。
【0023】
また、本発明は、画像形成装置の使用を許可する管理カードを使用する画像形成装置に用いられる温室効果ガス排出枠付き消耗品の認証情報を表示するオフセットクレジット認証情報表示方法であって、前記画像形成装置として請求項11から13のうちの何れか一項に記載の画像形成装置を用いて該画像形成装置に用いられる温室効果ガス排出枠付き消耗品の認証情報を表示することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明のオフセットクレジット認証情報表示システムによれば、消耗品の情報を表示可能な表示手段を備えて、画像形成装置の使用を許可する管理カードを使用する画像形成装置に用いられる温室効果ガス排出枠付き(カーボンオフセットクレジット付き)消耗品の認証情報(オフセットクレジット認証情報)を前記表示手段に表示するオフセットクレジット認証情報表示システムであって、前記管理カードには、前記画像形成装置を管理する管理者を識別する管理者識別情報(例えば、部門識別情報などでもよい。)が記憶される記憶手段を備え、前記消耗品には、温室効果ガス排出枠付き消耗品であることを示す消耗品認証情報(第1の認証情報)が記憶された記憶手段を備え、前記画像形成装置の構成として、該画像形成装置に使用可能な温室効果ガス排出枠付き消耗品の消耗品認証情報(第2の認証情報)が記憶された記憶手段と、前記管理カードに記憶された管理者識別情報を読み取るカード情報読み取り手段と、前記消耗品の記憶手段に記憶された消耗品認証情報(第1の認証情報)を読み取る消耗品情報読み取り手段と、前記消耗品情報読み取り手段で読み取られた消耗品認証情報(第1の認証情報)と前記画像形成装置の記憶手段に記憶された消耗品認証情報(第2の認証情報)とを照合する消耗品認証情報照合手段と、前記画像形成装置を管理する管理者を識別する管理者識別情報を前記画像形成装置に入力する入力手段と、前記カード情報読み取り手段で読み取った管理者識別情報(カード情報)と前記入力手段に入力された管理者識別情報(入力情報)とが一致したと判断された場合に、前記画像形成装置に使用される消耗品の消耗品認証情報に対応する前記画像形成装置の記憶手段に記憶された消耗品認証情報(第2の認証情報)を前記表示手段に表示する消耗品認証情報表示手段と、を備えることで、前記画像形成装置に使用されている消耗品が正規の温室効果ガス排出枠付き消耗品であることを容易に確認でき、非純正消耗品による画像形成装置の動作不良を未然に防止できる。
また、画像形成装置の管理者に対して地球環境に優しい活動に参画していることを訴求して、対環境意欲を満足させることができ、さらなる対環境意欲の向上を促進できる。
さらに、前記画像形成装置の管理者は、オフセットクレジット付き消耗品の購入時に入手したオフセットクレジット認証情報の記録紙を紛失した場合であっても、容易にオフセットクレジット認証情報を確認できる。
【0025】
また、本発明によれば、前記画像形成装置を、通信手段を介して該画像形成装置の管理サーバ、公的申請認証機関のサーバ、またはインターネットと接続可能とすることで、サーバやインターネット、公的申請認証機関のサーバと通信接続して、照合結果を入手できるので、画像形成装置に使用可能な温室効果ガス排出枠付き消耗品の消耗品認証情報(第2の認証情報)を記憶するための該画像形成装置の記憶手段の記憶容量を削減でき、安価な記憶手段の使用が可能となる。
【0026】
また、本発明によれば、前記消耗品認証情報照合手段を、前記カード情報読み取り手段で読み取ったカード情報と前記入力手段に入力された前記管理者識別情報とが一致した後、前記消耗品情報読み取り手段で読み取られた消耗品認証情報(第1の認証情報)と前記画像形成装置の記憶手段に記憶された消耗品認証情報(第2の認証情報)とを照合するように制御することで、画像形成装置の管理者は、管理カードの管理をして、画像形成装置に管理カードを挿入して(または、かざして)画像形成装置が使えるように管理することができる。すなわち、管理者であることの識別情報(例えば、パスワードなど)を入力することで、初めて専門的な第2の認証情報(カーボンオフセットクレジット認証情報)を照合して表示することができる。
【0027】
なお、管理者は、一般的な機器管理の管理者であってもよいが、COの排出を減らすための専門資格「カーボンマネジャー」であるとなおよい。専門資格「カーボンマネジャー」であることにより、地球温暖化対策についての専門知識やノウハウを客観的に評価できるので、よりいっそう本発明のオフセットクレジット認証情報表示システムを理解して有効活用でき、確実にカーボンオフセットの取り組みが遂行できる。
【0028】
また、本発明によれば、前記消耗品の記憶手段に記憶された消耗品認証情報(第1の認証情報)として、少なくとも、前記消耗品の製造番号、カーボンオフセットクレジット番号、カーボンオフセットの認証番号、の何れか一つ以上を含む消耗品固有の情報を不揮発メモリに記憶させておくことで、オフセットクレジット認証情報の確認を確実に且つ迅速に行うことができる。
【0029】
また、本発明によれば、前記画像形成装置の記憶手段に記憶された消耗品認証情報(第2の認証情報)として、少なくとも、カーボンオフセットクレジット番号、カーボンオフセット認証番号、オフセット認証申請者名、消耗品販売事業者名、オフセット算定排出量、カーボンオフセットプロジェクトの名称、オフセット購入費(寄付金)、クレジットの無効化方法、カーボンオフセットの帰属先、オフセット算定排出量、クレジット種別、カーボンオフセットの仕組みの説明、カーボンオフセットマーク(登録商標)、の何れか一つ以上を含むことで、オフセットクレジット認証情報の確認を確実に且つ迅速に行うことができる。
【0030】
例えば、非純正消耗品を販売する事業者は、一般的に消耗品の中身(例えば、トナー)のみを詰め替え、純正消耗品を販売する事業者には無許可で販売している。非純正消耗品を販売する事業者はカーボンオフセット申請をすると、自ら無許可販売していることを公表してしまうことになり、純正消耗品のようにカーボンオフセット認証を申請しないケースが想定される。従って、上記照合結果は、純正消耗品であることの証明となり、非純正消耗品を使用することによる画像形成装置の不具合(例えば、画像品質の悪化、トナー飛散、消耗品の印刷寿命低下など)を未然に防止できる。
また、カーボンオフセット認証情報全文を取得することができ、より詳細なカーボンオフセット認証情報をユーザに提供できる。
【0031】
また、本発明によれば、前記オフセット算定排出量を、前記消耗品のライフサイクルにおける温室効果ガス排出量を二酸化炭素に換算した値とすることで、よりいっそう正確な温室効果ガス排出量を算出できる。
【0032】
また、本発明によれば、前記消耗品に、カーボンフットプリントマークが付与されていることで、特に対環境意識の高いユーザにとっては、消耗品のライフサイクルにおける温室効果ガスの発生量を確認できるとともに、温室効果ガス削減に取り組んでいる消耗品メーカーであることを容易に視認でき、安心感を与えることができる。
【0033】
また、本発明によれば、前記表示手段の構成として、タッチパネルまたは操作キーを略一体的に備えることで、表示された選択内容を迅速に選択できるので、入力時間を短縮できる。
【0034】
また、本発明によれば、前記消耗品の記憶手段として、ICチップ(例えば、無線ICタグ、接点式CRUMなどの不揮発性メモリ)、バーコード、QRコード(登録商標)等の2次元コードの何れかを用いることで、安価な構成で、多くの情報を記憶できる。
【0035】
また、本発明の表示装置によれば、画像形成装置の使用を許可する管理カードを使用する画像形成装置に用いられる温室効果ガス排出枠付き消耗品の認証情報を表示するオフセットクレジット認証情報表示システムに用いる表示装置であって、請求項1から9のうちの何れか一項に記載のオフセットクレジット認証情報表示システムを構成する表示手段として用いることで、前記画像形成装置に使用されている消耗品が正規の温室効果ガス排出枠付き消耗品であることを容易に確認でき、非純正消耗品による画像形成装置の動作不良を未然に防止できる。
【0036】
なお、消耗品の認証情報の表示は、表示装置として機能する画像形成装置の操作パネルのみならず、画像形成装置と通信接続された画像形成装置の管理者の携帯端末やパーソナルコンピュータの表示部に表示するようにしてもよい。これによれば、前記画像形成装置を複数のユーザが使用している環境であっても、管理者は他のユーザのコピー操作やメール操作、FAX操作の邪魔になることなく消耗品の認証情報を表示することができる。
【0037】
また、本発明の画像形成装置によれば、画像形成装置の使用を許可する管理カードを使用する画像形成装置であって、請求項1から9のうちの何れか一項に記載のオフセットクレジット認証情報表示システムを構成する画像形成装置として用いることで、前記画像形成装置に使用されている消耗品が正規の温室効果ガス排出枠付き消耗品であることを容易に確認でき、非純正消耗品による画像形成装置の動作不良を未然に防止できる。
【0038】
また、本発明によれば、前記画像形成装置の構成として、情報を表示する表示部を備え、前記表示部として請求項10に記載の表示装置を用いることで、消耗品の認証情報を容易に表示することができる。
【0039】
また、本発明によれば、前記画像形成装置を、画像形成装置の記憶手段に記憶された消耗品認証情報(第2の認証情報)を前記表示部にプレビュー表示した後に、印刷出力可能とすることで、不要な印刷を防止できるとともに、印刷記録紙を紙ファイルで保管したいユーザにとっては消耗品の認証情報を画像形成装置を使用せずとも簡便に閲覧することができる。また、例えば、消耗品費用等の支出経費の会計監査があった場合には、迅速に消耗品の認証情報を会計監査員に提示できる。
【0040】
また、本発明によれば、画像形成装置の使用を許可する管理カードを使用する画像形成装置に用いられる温室効果ガス排出枠付き消耗品の認証情報を表示するオフセットクレジット認証情報表示方法であって、請求項10に記載の表示装置を用いて前記画像形成装置に用いられる温室効果ガス排出枠付き消耗品の認証情報を表示することで、前記画像形成装置に使用されている消耗品が正規の温室効果ガス排出枠付き消耗品であることを容易に確認でき、非純正消耗品による画像形成装置の動作不良を未然に防止できる。
【0041】
また、本発明によれば、画像形成装置の使用を許可する管理カードを使用する画像形成装置に用いられる温室効果ガス排出枠付き消耗品の認証情報を表示するオフセットクレジット認証情報表示方法であって、前記画像形成装置として請求項11から13のうちの何れか一項に記載の画像形成装置を用いて該画像形成装置に用いられる温室効果ガス排出枠付き消耗品の認証情報を表示することで、前記画像形成装置に使用されている消耗品が正規の温室効果ガス排出枠付き消耗品であることを容易に確認でき、非純正消耗品による画像形成装置の動作不良を未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。
【図2】前記画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】前記画像形成装置に用いられるオフセットクレジット認証情報表示システムを構成する通信ネットワークの一例を示す説明図である。
【図4】(a)は前記画像形成装置に搭載されるトナーカートリッジの構成を示す説明図、(b)は(a)のA矢視図である。
【図5】前記オフセットクレジット認証情報表示システムを構成する操作パネルの構成を示す説明図である。
【図6】前記操作パネルを構成する表示部に表示された消耗品の認証情報に係るメッセージ表示の一例を示す説明図である。
【図7】前記表示部に表示される消耗品の認証情報のプレビュー表示画面の一例を示す説明図である。
【図8】前記オフセットクレジット認証情報表示システムによりトナーカートリッジの認証情報を画像形成装置の表示部に表示する手順を示すフローチャートである。
【図9】前記オフセットクレジット認証情報表示システムによりトナーカートリッジの認証情報を表示するその他の例の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図1は発明を実施する形態の一例であって、本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。
【0044】
本実施形態は、図1に示すように、装着されたトナーカートリッジ(消耗品)90の製品情報を表示可能な操作パネル(表示手段)100を備えた画像形成装置1であって、画像形成装置1の使用を許可する管理カードを使用するもので、画像形成装置1に用いられる温室効果ガス排出枠付き(カーボンオフセットクレジット付き)トナーカートリッジの認証情報(オフセットクレジット認証情報)を操作パネル100に表示するオフセットクレジット認証情報表示システムとして、本発明に係る特徴的なオフセットクレジット認証情報表示システムの構成を採用したものである。
【0045】
まず、画像形成装置1の全体構成について説明する。
画像形成装置1は、外部から伝達される画像データに応じて所定のシート(記録用紙,記録媒体)に画像を形成するものである。画像形成装置1は、図1に示すように、主に、本体装置である電子写真プロセス部(図示省略)を備えた画像形成部3と、操作パネル100とスキャナユニット(図示省略)を備えた画像読取部2とを備えて構成されている。
【0046】
原稿画像をスキャナユニットで読み取ることにより得られた画像データは、各種処理が施された後、メモリに一旦記憶され、出力指示に応じてメモリから画像データを画像形成部3に出力して、感光体ドラム(図示省略)上に可視画像として再現した後、用紙上に画像を転写してトナー像を形成する。
【0047】
画像形成部3に隣接して用紙を供給する給紙部4が構成されている。
給紙部4は、第1〜3カセット31,32,33、さらにオプションとして大容量カセット34を有している。大容量カセット34は、最も使用頻度の高い、例えばA4サイズの標準紙を大量に収容することができる。
【0048】
画像読取部2と画像形成部3の間には排紙トレイ51が形成されている。
画像形成部3に隣接して後処理装置5が構成されている。
後処理装置5には、第1排紙卜レイ52,第2排紙トレイ53が設けられている。
【0049】
そして、画像形成装置1は、図示しないネットワーク回線(LAN、電話回線等)を介してPC、FAX、およびメーカー、販売先またはリース先等のデータ管理サーバに接続されている。
【0050】
ここで、画像形成装置1の構成についてブロック図を参照して説明する。
図2は本実施形態の画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【0051】
画像形成装置1は、図2に示すように、電気的構成として、画像形成装置1の動作を制御する制御部501、記憶部(記憶手段)502、照合部503、表示部101、入力部505、カードリーダ506a、USB接続部506b、ネットワーク回線を介してPC等とLAN接続等を行う通信部506c、画像処理を行う画像処理部508、画像形成を行う画像形成部509、トナー像の定着処理を行う定着部510、スキャナにおいて画像の読み取りを行う読取部507、後処理装置5(図2の周辺機器を指す)の動作を制御する制御部511などを備えている。
【0052】
そして、画像形成装置1は、このトナーカートリッジ90の記憶手段または記録手段に格納された情報を検出する検出部(消耗品情報読み取り手段)509aを備えている。
検出部509aは、ユーザが画像形成装置1で使用しているトナーカートリッジ90の情報を検出する。
【0053】
記憶部502は、消耗品情報記憶手段として、画像形成装置1に用いられる温室効果ガス排出枠付きトナーカートリッジの情報が格納されている。
【0054】
照合部503は、検出部509aにより検出された検出結果(トナーカートリッジ90の情報)と記憶部502に格納されているトナーカートリッジの情報とを照合する。
なお、トナーカートリッジ90の情報は、個々のトナーカートリッジ固有の情報であって、画像形成装置1の検出部509aにより読み取られた後に、制御部501からの指示により照合部503に送られて、照合部503に一旦格納されるようになっている。
【0055】
制御部501は、検出部509aにより検出された検出結果(トナーカートリッジ90の情報)と記憶部502に格納されているトナーカートリッジの情報とを照合した結果に基づき、トナーカートリッジ90が温室効果ガス排出枠付きトナーカートリッジであるか否かを判断する機能を備えている。
【0056】
本実施形態では、制御部501は、画像形成装置1に装着されたトナーカートリッジ90が温室効果ガス排出枠付きトナーカートリッジであると判断された場合に、画像形成装置1をReady状態に起動するようにされている。
【0057】
次に、本実施形態の画像形成装置1に用いられる特徴的なオフセットクレジット認証情報表示システムについて図面を参照して説明する。
図3は本実施形態の画像形成装置に用いられるオフセットクレジット認証情報表示システムを構成する通信ネットワークの一例を示す説明図、図4の(a)は前記画像形成装置に搭載されるトナーカートリッジの構成を示す説明図、(b)は(a)のA矢視図、図5は本実施形態に係る画像形成装置に用いられるオフセットクレジット認証情報表示システムを構成する操作パネルの構成を示す説明図、図6は前記操作パネルを構成する表示部に表示された消耗品の認証情報に係るメッセージ表示の一例を示す説明図、図7は前記表示部に表示される消耗品の認証情報のプレビュー表示画面の一例を示す説明図である。
【0058】
本実施形態に係る画像形成装置1に用いるオフセットクレジット認証情報表示システムは、図3に示すように、通信部506cによりLAN(ローカルエリアネットワーク)700を介してメーカー、販売先またはリース先等のデータ管理サーバ701に接続された画像形成装置1に用いる温室効果ガス排出枠付きトナーカートリッジの認証情報(オフセットクレジット認証情報)を表示手段に表示するオフセットクレジット認証情報表示システムであって、画像形成装置1に使用されるトナーカートリッジ90が正規の温室効果ガス排出枠付きトナーカートリッジであることを画像形成装置1の表示部101に表示して確認できるようにすることを特徴とするものである。
【0059】
このオフセットクレジット認証情報表示システムは、画像形成装置1と画像形成装置1の販売先のデータ管理サーバ701とが通信接続としてLAN(ローカルエリアネットワーク(通信手段))700を介して接続されて、販売先により画像形成装置1の消耗品であるトナーカートリッジ90の使用状況が監視可能に構成されている。
【0060】
また、オフセットクレジット認証情報表示システムは、画像形成装置の使用を許可する管理カード(図示省略)により使用可能に構成されている。
【0061】
管理カードには、画像形成装置1を管理する管理者を識別する管理者識別情報(例えば、部門識別情報でもよい)が記憶される記憶手段(図示省略)が具備されている。
【0062】
トナーカートリッジ90には、温室効果ガス排出枠付きトナーカートリッジであることを示す消耗品認証情報(以下、「第1の認証情報」と称する。)が記憶された記憶部(記憶手段)91が具備されている。このトナーカートリッジ90には、カーボンフットプリントマークが付与されている。
【0063】
以下に、トナーカートリッジ90について図面を参照して説明する。
トナーカートリッジ90は、図4(a),(b)に示すように、補給トナーが収容されているトナー収容部92と廃トナーが回収される廃トナー回収部93とを備えている。また、トナーカートリッジ90の画像形成装置1本体に向けて装着される一端部90aに記憶部91が設けられている。図中の符号93aは廃トナー回収口を示す。
【0064】
記憶部91は、ICチップ(例えば、無線ICタグ、接点式CRUMなどの不揮発性メモリ)、バーコード、QRコード(登録商標)等の2次元コードの何れかを用いて構成されている。本実施形態では、記憶部91として、トナーカートリッジに関する情報を格納するEEPROM等を内蔵したデバイス等で構成されるCRUMを用いている。
【0065】
記憶部91には、記憶部位置決めボス94が設けられている。この記憶部位置決めボス94は、トナーカートリッジ90を画像形成装置1に装着する際に、記憶部91を画像形成装置1本体側の記憶部用コネクタ(図示省略)に対して位置決めするための位置決め部材である。図中の符号95は接続端子、96は記憶部91をトナーカートリッジ90に取付けるための取付け穴を示す。
【0066】
また、記憶部91には、第1の認証情報として、トナーカートリッジの製造番号、カーボンオフセットクレジット番号、カーボンオフセットの認証番号、が記憶されている。
【0067】
なお、カーボンフットプリントマークは、トナーカートリッジ90自体に付与されていてもよいし、トナーカートリッジ90の梱包材に付与されていてもよい。また、カーボンフットプリントマークに加えてカーボンフットプリントマークを説明する説明文とを同時に付与していてもよい。
【0068】
これにより、特に対環境意識の高いユーザは、温室効果ガス削減に取り組んでいる消耗品メーカーであることを容易に視認でき、安心感を得ることができる。
また、対環境意識の低いユーザにとっては、温室効果ガス削減を訴求して喚起できると伴に、延いては地球温暖化防止に貢献できる。
【0069】
画像形成装置1は、該画像形成装置1に使用可能な温室効果ガス排出枠付きトナーカートリッジの消耗品認証情報(以下、「第2の認証情報」と称する。)が記憶された記憶部(記憶手段)502と、管理カードに記憶された管理者識別情報を読み取るカードリーダ(カード情報読み取り手段)506aと、トナーカートリッジ90の記憶手段に記憶された第1の認証情報を読み取る検出部(消耗品情報読み取り手段)509aと、検出部509aで読み取られた第1の認証情報と画像形成装置1の記憶部502に記憶された第2の認証情報とを照合する照合部(消耗品認証情報照合手段)503と、画像形成装置1を管理する管理者を識別する管理者識別情報を画像形成装置1に入力する入力部(入力手段)505とを備えるとともに、画像形成装置1を構成する制御部501には、カードリーダ506aで読み取った管理者識別情報(カード情報)と入力部505に入力された管理者識別情報(入力情報)とが一致したと判断された場合に、画像形成装置1に使用されるトナーカートリッジ90の第1の認証情報に対応する画像形成装置1の記憶部502に記憶された第2の認証情報を表示部101に表示する機能(消耗品認証情報表示手段)とを備えている。
【0070】
トナーカートリッジ90の記憶部91に収納されている第1の認証情報は、個々のトナーカートリッジ固有の情報であって、画像形成装置1の検出部509aが記憶部91の情報を読み取って、読み取った情報を照合部503に送るよう制御部501が検出部509aに指示し、読み取った情報を照合部503は一旦保持する。
【0071】
画像形成装置1の記憶部502には、第2の認証情報として、カーボンオフセットクレジット番号、カーボンオフセット認証番号、オフセット認証申請者名、消耗品販売事業者名、オフセット算定排出量、カーボンオフセットプロジェクトの名称、オフセット購入費(寄付金)、クレジットの無効化方法、カーボンオフセットの帰属先、オフセット算定排出量、クレジット種別、カーボンオフセットの仕組みの説明、カーボンオフセットマーク(登録商標)、が記憶されている。
【0072】
オフセット算定排出量は、トナーカートリッジ90のライフサイクルにおける温室効果ガス排出量を二酸化炭素に換算した値として表示される。
【0073】
制御部501は、照合部503において、カードリーダ506aで読み取ったカード情報と入力部505に入力された管理者識別情報とが一致した後、カードリーダ506aで読み取られた第1の認証情報と画像形成装置1の記憶部502に記憶された第2の認証情報とを照合して、第1の認証情報と合致する第2の認証情報を抽出するように構成されている。
【0074】
また、制御部501は、トナーカートリッジ90の第1の認証情報に対応する画像形成装置1の記憶部502に記憶された第2の認証情報を表示部101に表示する消耗品認証情報表示手段として機能するように構成されている。
【0075】
本実施形態では、操作パネル100の表示部101が、オフセットクレジット認証情報表示システムの表示部として機能するように構成されている。
【0076】
操作パネル100は、図5に示すように、操作面(入力部)100aが略平面状に構成されて、その略中央部に表示部101が構成されている。
なお、表示部101は、操作面(入力部)100aと同一平面でなくとも、操作面(入力部)100aに対して開閉移動式であってもよいし、操作面(入力部)100aとは別に設けてもよい。また、それらを組み合わせてもよい。
【0077】
また、表示部101は、タッチパネルまたは操作キーを略一体的に備え、表示部101でタッチパネルまたは操作キーを操作することで、表示部101を入力部505として機能するように構成されている。
【0078】
表示部101には、図6に示すように、画像形成装置1による処理モードを選択する操作キー110が表示されている。操作キー110には、DOCUMENT FILING モード用のアイコン111a、IMAGE SEND モード用のアイコン111b、COPY モード用のアイコン111cが設けられている。そして、オフセット情報が取得された時に表示されるオフセット情報取得アイコン112が設けられている。
【0079】
表示部101において、カードリーダ506aで読み取ったカード情報と入力部505に入力された管理者識別情報(例えば、パスワード)とが一致して、カードリーダ506aで読み取られた第1の認証情報と画像形成装置1の記憶部502に記憶された第2の認証情報とを照合して、第1の認証情報と合致する第2の認証情報を抽出可能であった場合(トナーカートリッジ90の第1の認証情報が正規のオフセットクレジット認証情報であった場合)は、図6に示すように、管理者識別情報が一致して、オフセット情報が表示可能な旨を通知するメッセージ110aが表示される。
【0080】
なお、照合部503において、記憶部502に記憶された記憶情報を検索して、カードリーダ506aで読み取られた第1の認証情報と合致する認証情報がない場合は、制御部501は、使用されているトナーカートリッジ90が非純正のトナーカートリッジであると判断して、表示部101に使用されているトナーカートリッジ90が非純正消耗品である旨のメッセージを表示するように制御する。
【0081】
そして、オフセット情報取得アイコン112を選択(タッチ)すると、表示部101には、図7に示すように、画像形成装置1に使用されるトナーカートリッジの第2の認証情報のプレビュー表示画面120aが表示される。図中の符号121はカーボンオフセットマーク(登録商標)を示す。
【0082】
第2の認証情報には、図7に示すように、案件名、申請者、案件の概要、認証区分・タイミング、カーボンオフセットの帰属、算定範囲、オフセット量/算定排出量、クレジット種類、プロジェクト名、無効化日、情報公開、カーボンオフセットマーク121が含まれている。
【0083】
なお、プロジェクト名の「ブラジル植林プロジェクト(マングローブの植林)」は、特に森林吸収に限定せず、温室効果ガス吸収事業(海洋吸収、土壌吸収)、再生可能エネルギーの発電事業(太陽光発電、太陽熱発電、水力発電(農業用水や砂防ダムの利用も含む)、風力発電(洋上風力発電も含む)、海流発電、放射冷却発電、海洋温度差発電、波力発電、空気熱発電、地熱発電、雷発電、バイオマス発電)、地中隔離、海洋隔離、なども利用することができる。
【0084】
また、第2の認証情報には、図7に示す情報の他に、ユーザの温室効果ガス削減努力の促進に関する情報、オフセット量/算定排出量の根拠としたガイドラインの説明、プロジェクトの概要、オフセットの対象期間などの情報も含まれる。
【0085】
なお、第2の認証情報は、画像形成装置1の記憶部502に記憶されていてもよいし、図3に示すように、通信部506cよりLAN700を介してデータ管理サーバ701の図示しない制御手段と交信してデータ管理サーバ701の図示しない記憶手段から取得して画像形成装置1の表示部101に表示するようにしてもよい。
【0086】
また、第2の認証情報は、図3に示すように、公的認証機関(認証公共機関(例えば、環境省))のサーバ702から取得するようにしてもよい。
【0087】
また、図7に示す第2の認証情報は、表示部101にプレビュー表示されるので、ユーザは、操作パネル100における操作ボタン(図示省略)から印刷を選択して印刷出力することもできる。
【0088】
さらに、図3に示すように、複数のユーザA,B,Cがそれぞれ画像形成装置の管理者である場合、例えば、ユーザAの携帯端末600A、ユーザBのPC600B、ユーザCの携帯電話600C等に図7に示す第2の認証情報を転送するよう画像形成装置1を設定し、ユーザA,B,Cのそれぞれの携帯端末600A、ユーザBのPC600B、ユーザCの携帯電話600C等などに表示させるようにしてもよい。
これにより、例えば、画像形成装置1を複数のユーザが使用している環境であっても、管理者は他のユーザのコピー操作やメール操作、FAX操作の邪魔になることなく消耗品の認証情報を表示することができる。
【0089】
このように、本実施形態によれば、管理カードを使用するユーザの情報が照合されて、管理者識別情報が一致した場合に、使用されているトナーカートリッジ90が正規の温室効果ガス排出枠付き消耗品であることを容易に確認することができる。これにより、非純正消耗品による画像形成装置の動作不良を未然に防止できる。そして、ユーザは、表示部101に表示されるプレビュー表示画面120aによりトナーカートリッジ90の第2の認証情報を確認することができる。
【0090】
なお、トナーカートリッジ90、または図示しないトナーカートリッジ90の梱包材には、消耗品であるトナーカートリッジ90のライフサイクルにおける温室効果ガス排出量をCO排出量に換算した値と、その値を説明する説明文とを表示するようにしてもよい。
【0091】
消耗品のライフサイクルにおける温室効果ガス排出量をCO排出量に換算した値とは、消耗品の原材料調達段階に始まり、生産段階、流通段階、使用・維持管理段階、廃棄・リサイクル段階の間に排出する温室効果ガスの種類と排出量の値である。
【0092】
温室効果ガスの種類には、京都議定書で対象となったCO、CH、NO、HFCs、PFCs、SFの6種類があるが、COに換算した値が表示される。
CO排出量は、LCA(ライフサイクルアセスメント)手法を活用して、下記一般式(I)で算定される。
【0093】
CO排出量=Σ(活動量i×CO排出原単位)・・・(I)
iは上述した原材料調達から廃棄・リサイクルまでの活動量(プロセス)である。
ライフサイクルの各段階と活動量(プロセス)の例とを(1)から(5)に示す。
(1)原材料調達段階の活動量は、素材使用量である。
(2)生産段階の活動量は、組立て重量および生産時の電力消費量である。
(3)流通段階の活動量は、輸送量(輸送距離と積載率とトラックの積載量との積)である。
(4)使用・維持管理段階の活動量は、使用時の電力消費量である。
(5)廃棄・リサイクル段階の活動量は、埋立重量とリサイクル重量である。
本実施形態では、消耗品のライフサイクルにおける温室効果ガス排出量として、(1)から(5)の合計を表示する。
なお、CO排出量の単位は、(kg)、(g)、(t)といった重量を表す単位で表される。
【0094】
本実施形態では、図7に示すように、オフセット量/算定排出量、すなわち上記(1)から(5)の合計を7.0ton−COとしている。この値は、1実施例を説明するものであって、LCA手法を用いて算出した値ではない。
但し、7.0ton−COとした内訳は、(1)原材料調達0.5ton、(2)生産1.0ton、(3)流通2.0ton、(4)使用・維持管理3.0ton、(5)廃棄・リサイクル0.5ton、とした。
【0095】
次に、本実施形態の画像形成装置1に用いられるオフセットクレジット認証情報表示システムを構成する画像形成装置1とデータ管理サーバ701との接続について説明する。
【0096】
本実施形態において、画像形成装置1の全体制御は、図2に示すように、制御部501により行われる。また、画像形成装置1に用いられるトナーカートリッジ90の製品情報や認証情報(オフセットクレジット認証情報)は、データ管理サーバ701の図示しない記憶部に記憶されている。
【0097】
本実施形態では、画像形成装置1とデータ管理サーバ701とが通信手段を介してそれぞれ接続されている。
例えば、図3に示すように、複数のユーザA,B,Cは、それぞれの端末機である画像形成装置1の通信部506cや、それぞれの携帯端末600A、ユーザBのPC600B、ユーザCの携帯電話600CによりLAN(ローカルエリアネットワーク)700を介して画像形成装置や消耗品の販売店やリース会社などのデータ管理サーバ701に接続されたり、通信衛星711を利用した衛星通信インフラ710を介して通信接続することが可能である。
【0098】
LAN(ローカルエリアネットワーク)700としては、有線の場合は、イーサネット(登録商標)IEEE規格の10BASE−T、100BASE−TX、10GBASE−T等や、それらの光マルチモードの10BASE−F、100BASE−F、1000BASE−X、10GBASE−R、10GBASE−W、10GBASE−X、無線の場合は、WiMAXのIEEE 802.16(ブロードバンド無線規格)、IEEE 802.16a(固定無線通信の標準規格、IEEE 802.16規格の使用周波数帯を変更したもの)、IEEE 802.16-2004(固定区間に用いられる方式、別名IEEE 802.16a/REVd)、WAN、そして、クラウドコンピューティングサービス(専用事業者:クラウドプロバイダー)も利用できる。
【0099】
なお、画像形成装置1とデータ管理サーバ701との通信接続の方式は、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網等が利用可能である。
また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE 1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、およびHDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
【0100】
次に、画像形成装置1のオフセットクレジット認証情報表示システムにより、画像形成装置1に用いられる温室効果ガス排出枠付きのトナーカートリッジ90の認証情報を画像形成装置1の表示部101に表示する手順をフローチャートに沿って説明する。
図8は本実施形態の画像形成装置のオフセットクレジット認証情報表示システムによりトナーカートリッジの認証情報を画像形成装置の表示部に表示する手順を示すフローチャートである。
【0101】
図8に示すように、画像形成装置1にユーザの管理カードを挿入すると、カードリーダ506aにより管理カードの情報が読み取られる(ステップS1)。
そして、画像形成装置1に消耗品であるトナーカートリッジ90を装着すると、検出部509aにより、トナーカートリッジ90の情報が検出される(ステップS2)。
【0102】
そして、画像形成装置1の操作パネル100の入力部505よりユーザのパスワード(管理者識別情報)を入力されると(ステップS3)、照合部503において、カードリーダ506aで読み取ったカード情報と入力部505に入力されたパスワードとが一致するか否かが判断される(ステップS4)。
【0103】
ステップS4において、照合部503により、カードリーダ506aで読み取ったカード情報と入力部505に入力されたパスワードとが一致していないと判断された場合は、再びパスワードが入力されたか否かが判断される(ステップS5)。
【0104】
ステップS5において、再びパスワードが入力されていないと判断された場合は、オフセットクレジット認証情報表示システムによる処理は終了する。一方、再びパスワードが入力されたと判断された場合は、ステップS4に戻る。
【0105】
ステップS4において、照合部503により、カードリーダ506aで読み取ったカード情報と入力部505に入力されたパスワードとが一致していると判断された場合は、検出部509aによりトナーカートリッジ90の第1の認証情報が読み取られて(ステップS6)、照合部503において、トナーカートリッジ90の第1の認証情報と画像形成装置1の記憶部502に格納されている正規のトナーカートリッジの第2の認証情報とが照合される(ステップS7)。
【0106】
そして、照合部503において、トナーカートリッジ90の第1の認証情報と画像形成装置1の記憶部502に格納されている正規のトナーカートリッジの第2の認証情報とが照合された結果に基づいて、画像形成装置1に装着されたトナーカートリッジ90が正規の温室効果ガス排出枠付きトナーカートリッジであるか否かが判断される(ステップS8)。
【0107】
ステップS8において、画像形成装置1に装着されたトナーカートリッジ90が正規の温室効果ガス排出枠付きトナーカートリッジではないと判断された場合は、画像形成装置1に装着されたトナーカートリッジ90は非純正消耗品である旨、画像形成装置に支障をきたす虞がある旨のメッセージを画像形成装置1の表示部101に表示する(ステップS9)。
【0108】
一方、ステップS8において、画像形成装置1に装着されたトナーカートリッジ90が正規の温室効果ガス排出枠付きトナーカートリッジであると判断された場合は、正規のトナーカートリッジの第2の認証情報を表示するか否かが判断される(ステップS10)。
【0109】
ステップS10において、例えば、画像形成装置1の表示部101に表示されるオフセット情報取得アイコン112が選択されて、正規のトナーカートリッジの第2の認証情報を表示すると判断された場合は、画像形成装置1の記憶部502に記憶された正規のトナーカートリッジの第2の認証情報を画像形成装置1の表示部101にプレビュー表示する処理が行われる(ステップS11)。
【0110】
このようにして、画像形成装置1に装着されたトナーカートリッジ90が正規の消耗品である場合は、画像形成装置1の表示部101において、画像形成装置1の記憶部502に記憶された正規のトナーカートリッジの第2の認証情報を確認することができる。
【0111】
フローチャートに戻って、ステップS4において、照合部503により、カードリーダ506aで読み取ったカード情報と入力部505に入力されたパスワードとが一致していると判断された場合は、検出部509aによりトナーカートリッジ90の第1の認証情報を読み取る処理が行われるとともに(ステップS6)、キャリブレーションが開始される(ステップS12)。
【0112】
ここで、キャリブレーションとは、例えば、画像形成装置に新品の消耗品を装着して画像形成装置の扉(または、カバー)を閉める動作を行うと、画像形成装置の消耗品検出や各装置(例えば、ドキュメントフィーダー、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、定着装置などの装置)の動作確認や設定値を補正したりすることを示す。
また、画像形成装置がインクジェット方式による記録装置の場合は、インクカートリッジの残量リセット、インクヘッドのクリーニングや各プロセスの動作確認などが含まれる。
【0113】
そして、画像形成装置1に異常が無いか否かが判断される(ステップS13)。
画像形成装置1に異常が無いと判断された場合は、画像形成装置1の記憶部502に記憶された正規のトナーカートリッジの第2の認証情報を画像形成装置1の表示部101にプレビュー表示する処理が行われる(ステップS14)。一方、画像形成装置1に異常があると判断された場合は、画像形成装置1の表示部101にサービスマンに連絡するサービスマンコールが表示される(ステップS15)。そして、オフセットクレジット認証情報表示システムによる処理は終了する。
【0114】
以上のように、オフセットクレジット認証情報表示システムにより、画像形成装置1に装着されたトナーカートリッジ90が正規の消耗品である場合は、画像形成装置1の表示部101において、画像形成装置1の記憶部502に記憶された正規のトナーカートリッジの第2の認証情報が表示されるので、ユーザは、使用されているトナーカートリッジ90のオフセットクレジット認証情報を含む詳細な情報を確認することができる。
【0115】
次に、本実施形態に係るオフセットクレジット認証情報表示システムにより温室効果ガス排出枠付きのトナーカートリッジの認証情報を表示するその他の例についてフローチャートに沿って説明する。
図9は本実施形態の画像形成装置のオフセットクレジット認証情報表示システムによりトナーカートリッジの認証情報を表示するその他の例の一例を示すフローチャートである。
【0116】
図9に示すように、画像形成装置1にトナーカートリッジ90が装着されて検出部509aにより検出されたトナーカートリッジ90の第1の認証情報と画像形成装置1の記憶部502に格納されている正規のトナーカートリッジの第2の認証情報とが照合部503において照合される(ステップS101)。
【0117】
照合部503において、トナーカートリッジ90の第1の認証情報と画像形成装置1の記憶部502に格納されている正規のトナーカートリッジの第2の認証情報とが照合された結果に基づいて、画像形成装置1に装着されたトナーカートリッジ90が正規の温室効果ガス排出枠付きトナーカートリッジであるか否かが判断される(ステップS102)。
【0118】
ステップS102において、画像形成装置1に装着されたトナーカートリッジ90が正規の温室効果ガス排出枠付きトナーカートリッジではないと判断された場合は、画像形成装置1に装着されたトナーカートリッジ90は非純正消耗品である旨、画像形成装置に支障をきたす虞がある旨のメッセージを画像形成装置1の表示部101に表示する(ステップS103)。そして、オフセットクレジット認証情報表示システムを終了する処理が行われる。
【0119】
一方、ステップS102において、画像形成装置1に装着されたトナーカートリッジ90が正規の温室効果ガス排出枠付きトナーカートリッジであると判断された場合は、画像形成装置1の表示部101に表示されるオフセット情報取得アイコン112が選択されたか否かが判断される(ステップS104)。
【0120】
そして、ステップS104において、オフセット情報取得アイコン112が選択されたと判断された場合は、画像形成装置1の制御部501よりデータ管理サーバ701に対して、ユーザが正規のトナーカートリッジ(消耗品)のオフセット情報を取得することが通知される(ステップS105)。
【0121】
データ管理サーバ701は、制御部(図示省略)により記憶部(図示省略)から正規のトナーカートリッジの第2の認証情報を取得して、画像形成装置1に対して正規のトナーカートリッジの第2の認証情報を通知する(ステップS106)。
【0122】
画像形成装置1において、データ管理サーバ701から通知された正規のトナーカートリッジの第2の認証情報を表示するか否かが判断される(ステップS107)。
【0123】
ステップS107において、例えば、画像形成装置1の表示部101に表示されるオフセット情報取得アイコン112が選択されて、データ管理サーバ701から通知された正規のトナーカートリッジの第2の認証情報を表示すると判断された場合は、データ管理サーバ701から通知された正規のトナーカートリッジの第2の認証情報を画像形成装置1の表示部101にプレビュー表示する(ステップS108)。
【0124】
そして、印刷指示があるか否かが判断される(ステップS109)。
ステップS109において、印刷指示があると判断された場合は、表示部101にプレビュー表示された正規のトナーカートリッジの第2の認証情報の印刷が実行される(ステップS110)。
【0125】
そして、表示部101にプレビュー表示された正規のトナーカートリッジの第2の認証情報の表示画面を解除するか否かが判断される(ステップS111)。
【0126】
一方、ステップS109において、印刷指示がないと判断された場合は、印刷は実行されずに、ステップS111に進む。
【0127】
ステップS111において、表示部101にプレビュー表示された正規のトナーカートリッジの第2の認証情報の表示画面を解除すると判断された場合は、表示部101には初期画面が表示される(ステップS112)。
そして、オフセットクレジット認証情報表示システムによる処理は終了する。
【0128】
ステップS111において、表示部101にプレビュー表示された正規のトナーカートリッジの第2の認証情報の表示画面を解除しないと判断された場合は、ステップS109に戻り、再び印刷の指示があるか否かが判断される。
【0129】
一方、ステップS104において、画像形成装置1の表示部101に表示されるオフセット情報取得アイコン112が選択されていない判断された場合は、ステップS111に進む。そして、上記と同様の手順で処理が実行される。
【0130】
また、ステップS107において、データ管理サーバ701から通知された正規のトナーカートリッジの第2の認証情報を表示しないと判断された場合は、ステップS111に進む。そして、上記と同様の手順で処理が実行される。
【0131】
以上のように、オフセットクレジット認証情報表示システムにより、画像形成装置1に装着されたトナーカートリッジ90が正規の消耗品である場合は、画像形成装置1の表示部101において、データ管理サーバ701から通知された正規のトナーカートリッジの第2の認証情報を表示することができるので、ユーザは、正規のトナーカートリッジの第2の認証情報を確認できるとともに、表示部101に表示された規のトナーカートリッジの第2の認証情報を印刷することができる。
【0132】
以上のように構成したので、本実施形態によれば、画像形成装置1のオフセットクレジット認証情報表示システムの構成として、画像形成装置1と消耗品の販売先のデータ管理サーバ701とがLAN700を介して接続して、販売先により画像形成装置1の消耗品であるトナーカートリッジ90の使用状況が監視可能に構成し、画像形成装置の使用を許可する管理カード(図示省略)により使用可能に構成され、管理カードには、画像形成装置1を管理する管理者を識別する管理者識別情報(例えば、部門識別情報でもよい)を記憶して、トナーカートリッジ90には、温室効果ガス排出枠付きトナーカートリッジであることを示す消耗品認証情報(第1の認証情報)が記憶された記憶部91を備え、画像形成装置1には、該画像形成装置1に使用可能な温室効果ガス排出枠付きトナーカートリッジの消耗品認証情報(第2の認証情報)が記憶された記憶部502と、管理カードに記憶された管理者識別情報を読み取るカードリーダ506aと、トナーカートリッジ90の記憶部91に記憶された第1の認証情報を読み取る検出部509aと、検出部509aで読み取られた第1の認証情報と画像形成装置1の記憶部502に記憶された第2の認証情報とを照合する照合部503と、画像形成装置1を管理する管理者を識別する管理者識別情報を画像形成装置1に入力する入力部505とを備え、さらに、画像形成装置1を構成する制御部501には、カードリーダ506aで読み取った管理者識別情報(カード情報)と入力部505に入力された管理者識別情報(入力情報)とが一致したと判断された場合に、画像形成装置1に使用されるトナーカートリッジ90の第1の認証情報に対応する画像形成装置1の記憶部502に記憶された第2の認証情報を表示部101に表示する機能を備えたことで、画像形成装置1に使用されているトナーカートリッジ90が正規の温室効果ガス排出枠付きのトナーカートリッジであることを容易に確認でき、非純正消耗品による画像形成装置1の動作不良を未然に防止できる。
【0133】
また、本実施形態によれば、正規のトナーカートリッジの第2の認証情報としてオフセットクレジット認証情報を含むことで、画像形成装置1の管理者に対して地球環境に優しい活動に参画していることを訴求して、対環境意欲を満足させることができ、さらなる対環境意欲の向上を促進できる。
【0134】
さらに、本実施形態によれば、画像形成装置1の管理者は、オフセットクレジット付き消耗品の購入時に入手したオフセットクレジット認証情報の記録紙を紛失した場合であっても、容易にオフセットクレジット認証情報を確認できる。
【0135】
なお、上述した実施形態において、データ管理サーバ701は、メーカー、販売先またはリース先等の事業部により管理されるものとしているが、例えば、画像形成装置メーカー、消耗品メーカー、クラウドコンピューティングサービスを提供するクラウドプロバイダーにより管理されるものであってもよい。
【0136】
また、データ管理サーバ701は、データ管理サーバ701の機能をバックアップするバックアップサーバが接続されていてもよい。これにより、データ管理サーバ701がシステムダウンしても本発明のシステムはスムースに運営される。
【0137】
また、画像形成装置の管理者は、一般的な機器管理を行う管理者であってもよいし、COの排出を減らすための専門資格「カーボンマネジャー」有資格者であることがより好ましい。専門資格「カーボンマネジャー」であることにより、地球温暖化対策についての専門知識やノウハウを客観的に評価できるので、よりいっそう本発明のシステムを理解して有効活用でき、ユーザに対して温室効果ガス削減に取り組む努力を促すことができる。
【0138】
また、画像形成装置1の記憶部502や図示しないデータ管理サーバ701の記憶部(記憶手段)は、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R/Blu−ray等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0139】
さらに、画像形成装置1の表示部101の構成として、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescence Display)、プラズマディスプレイ(Plasma Display Panel)、プラズマチューブアレイディスプレイ(Plasma Tubes Array Display)、電気泳動等を利用した電子ペーパーディスプレイ、電子放出素子を用いたディスプレイ(Field Emission Display、Surface-conduction Electron-emitter Display)を用いることができ、それらを組み合わせたマルチディスプレイなどの表示部を備えた表示装置を用いることができる。
【0140】
なお、上述した実施形態では、本発明に係るオフセットクレジット認証情報表示システムの構成を図1に示すような操作パネル100を有する画像形成装置1に適用した例について説明したが、メッセージ等を表示可能な表示部を備える装置であれば、上述したような構成の画像形成装置や複写機に限定されるものではなく、インクジェット記録装置、または、その他の装置、例えば家電製品、民生用機器(映像・音響・通信などに関連した電子機器や装置、または端末において、一般消費者による使用・一般家庭での使用を目的としているもの、または、そのことを前提に開発・設計された製品・規格を指す)、および業務用機器(法人(企業や学校、官公庁)など、一般家庭以外の用途を前提として開発された製品)等に展開が可能である。
【0141】
また、入力部505としてタッチパネルを用いたが、Ubi−Fingerデバイス等を用いたジェスチャー入力装置等を用いてもよい。
【0142】
また、本実施形態では、表示部101にオフセット情報取得アイコン112を表示して第2の認証情報を表示する画面に切換える表示切換えスイッチとしているが、画面サイズが小さく、且つ操作部(メニューキー、テンキー、プリントキー等)が小さくオフセット情報取得アイコン112が設けられない場合には、表示部101以外の箇所にオフセット情報取得アイコン112を備えることもできる。
【0143】
また、本実施形態では、オフセット情報取得アイコン112を表示部101の上部に設けているが、特に限定せず、表示部101においての上部、下部、左側、右側の何れの箇所に設けてもよい。
【0144】
なお、記憶部502に格納される消耗品の製品情報や認証情報は、例えば、通信接続として通信部506cにおけるLAN接続によりネットワークを介して消耗品の製品情報や認証情報を持つメーカー、販売店、リース会社、認証公共機関(例えば、環境省)またはクラウドプロバイダーなどのウエブサイトにアクセスして入手することもできる。
【0145】
また、データ管理サーバ701は、上述したメーカー、販売店、リース会社、認証公共機関(例えば、環境省)のサーバ702等により管理されるものであってもよく、例えば、画像形成装置メーカー、消耗品メーカー、クラウドコンピューティングサービスを提供するクラウドプロバイダーにより管理されるものであってもよい。
【0146】
以上のように、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0147】
1 画像形成装置
90 トナーカートリッジ(消耗品)
91 記憶部(記憶手段)
100 操作パネル(表示装置)
101 表示部
110 操作キー
110a メッセージ
112 オフセット情報取得アイコン
120a プレビュー表示画面
121 カーボンオフセットマーク
501 制御部(消耗品認証情報表示手段)
502 記憶部(記憶手段)
503 照合部(消耗品認証情報照合手段)
505 入力部
506a カードリーダ(カード情報読み取り手段)
506b 接続部
506c 通信部
509a 検出部(消耗品情報読み取り手段)
600A 携帯端末
600B PC
600C 携帯電話
701 データ管理サーバ
702 サーバ
710 衛星通信インフラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消耗品の情報を表示可能な表示手段を備えて、画像形成装置の使用を許可する管理カードを使用する画像形成装置に用いられる温室効果ガス排出枠付き消耗品の認証情報を前記表示手段に表示するオフセットクレジット認証情報表示システムであって、
前記管理カードは、前記画像形成装置を管理する管理者を識別する管理者識別情報が記憶される記憶手段を備え、
前記消耗品は、温室効果ガス排出枠付き消耗品であることを示す消耗品認証情報が記憶された記憶手段を備え、
前記画像形成装置は、
該画像形成装置に使用可能な温室効果ガス排出枠付き消耗品の消耗品認証情報が記憶された記憶手段と、
前記管理カードに記憶された管理者識別情報を読み取るカード情報読み取り手段と、
前記消耗品の記憶手段に記憶された消耗品認証情報を読み取る消耗品情報読み取り手段と、
前記消耗品情報読み取り手段で読み取られた消耗品認証情報と前記画像形成装置の記憶手段に記憶された消耗品認証情報とを照合する消耗品認証情報照合手段と、
前記画像形成装置を管理する管理者を識別する管理者識別情報を前記画像形成装置に入力する入力手段と、
前記カード情報読み取り手段で読み取った管理者識別情報と前記入力手段に入力された管理者識別情報とが一致したと判断された場合に、前記画像形成装置に使用される消耗品の消耗品認証情報に対応する前記画像形成装置の記憶手段に記憶された消耗品認証情報を前記表示手段に表示する消耗品認証情報表示手段と、
を備えることを特徴とするオフセットクレジット認証情報表示システム。
【請求項2】
前記画像形成装置は、通信手段を介して該画像形成装置の管理サーバ、公的申請認証機関のサーバ、またはインターネットと接続可能であることを特徴とする請求項1に記載のオフセットクレジット認証情報表示システム。
【請求項3】
前記消耗品認証情報照合手段は、前記カード情報読み取り手段で読み取ったカード情報と前記入力手段に入力された前記管理者識別情報とが一致した後、前記消耗品情報読み取り手段で読み取られた消耗品認証情報と前記画像形成装置の記憶手段に記憶された消耗品認証情報とを照合するように制御されることを特徴とする請求項1または2に記載のオフセットクレジット認証情報表示システム。
【請求項4】
前記消耗品の記憶手段に記憶された消耗品認証情報は、少なくとも、前記消耗品の製造番号、カーボンオフセットクレジット番号、カーボンオフセットの認証番号、の何れか一つ以上を含むことを特徴とする請求項1から3のうちの何れか一項に記載のオフセットクレジット認証情報表示システム。
【請求項5】
前記画像形成装置の記憶手段に記憶された消耗品認証情報は、少なくとも、カーボンオフセットクレジット番号、カーボンオフセット認証番号、オフセット認証申請者名、消耗品販売事業者名、オフセット算定排出量、カーボンオフセットプロジェクトの名称、オフセット購入費、クレジットの無効化方法、カーボンオフセットの帰属先、オフセット算定排出量、クレジット種別、カーボンオフセットの仕組みの説明、カーボンオフセットマーク、の何れか一つ以上を含むことを特徴とする請求項1から4のうちの何れか一項に記載のオフセットクレジット認証情報表示システム。
【請求項6】
前記オフセット算定排出量は、前記消耗品のライフサイクルにおける温室効果ガス排出量を二酸化炭素に換算した値であることを特徴とする請求項5に記載のオフセットクレジット認証情報表示システム。
【請求項7】
前記消耗品には、カーボンフットプリントマークが付与されていることを特徴とする請求項1から6のうちの何れか一項に記載のオフセットクレジット認証情報表示システム。
【請求項8】
前記表示手段は、タッチパネルまたは操作キーを略一体的に備えていることを特徴とする請求項1から7のうちの何れか一項に記載のオフセットクレジット認証情報表示システム。
【請求項9】
前記消耗品の記憶手段は、ICチップ、バーコード、QRコードの何れかを用いることを特徴とする請求項1から8のうちの何れか一項に記載のオフセットクレジット認証情報表示システム。
【請求項10】
画像形成装置の使用を許可する管理カードを使用する画像形成装置に用いられる温室効果ガス排出枠付き消耗品の認証情報を表示するオフセットクレジット認証情報表示システムに用いる表示装置であって、
請求項1から9のうちの何れか一項に記載のオフセットクレジット認証情報表示システムを構成する表示手段として用いることを特徴とするオフセットクレジット認証情報表示システムに用いる表示装置。
【請求項11】
画像形成装置の使用を許可する管理カードを使用する画像形成装置であって、
請求項1から9のうちの何れか一項に記載のオフセットクレジット認証情報表示システムを構成する画像形成装置として用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
前記画像形成装置は、情報を表示する表示部を備え、
前記表示部として請求項10に記載の表示装置を用いることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記画像形成装置は、画像形成装置の記憶手段に記憶された消耗品認証情報を前記表示部にプレビュー表示した後に、印刷出力可能であることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
画像形成装置の使用を許可する管理カードを使用する画像形成装置に用いられる温室効果ガス排出枠付き消耗品の認証情報を表示するオフセットクレジット認証情報表示方法であって、
請求項10に記載の表示装置を用いて前記画像形成装置に用いられる温室効果ガス排出枠付き消耗品の認証情報を表示することを特徴とする温室効果ガス排出削減支援方法。
【請求項15】
画像形成装置の使用を許可する管理カードを使用する画像形成装置に用いられる温室効果ガス排出枠付き消耗品の認証情報を表示するオフセットクレジット認証情報表示方法であって、
前記画像形成装置として請求項11から13のうちの何れか一項に記載の画像形成装置を用いて該画像形成装置に用いられる温室効果ガス排出枠付き消耗品の認証情報を表示することを特徴とするオフセットクレジット認証情報表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−7897(P2013−7897A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140574(P2011−140574)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】