説明

オブジェクト管理システム及びオブジェクト表示端末並びにオブジェクトの表示制御方法

【課題】自省的アイデア発想作業及び触発的アイデア発想作業の双方を行い易くする。
【解決手段】オブジェクト表示端末は、オブジェクトのデータとオブジェクトの配置情報と自端末の識別情報とを制御装置に送信し、制御装置からの指示情報に従ってオブジェクトの表示形態を変更し、制御装置は、オブジェクト表示端末から受信したオブジェクトに類似するオブジェクトを特定し、類似元のオブジェクトと類似するオブジェクトと当該類似するオブジェクトを有するオブジェクト表示端末とを記述したリストを作成し、リストを参照して、所定のオブジェクト表示端末に表示されているオブジェクトに類似するオブジェクトが他のオブジェクト表示端末にあるかを判断し、類似するオブジェクトがある場合は、所定のオブジェクト表示端末に対して、類似元のオブジェクトの表示形態の変更を指示する指示情報を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オブジェクト管理システム及びオブジェクト表示端末並びにオブジェクトの表示制御方法に関し、特に、端末間のオブジェクトを関連付けるオブジェクト管理システム及びオブジェクト表示端末並びにオブジェクトの表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、PDA(Personal Digital Assistants)や携帯電話機、電子ペーパーなどの端末が普及しており、様々な用途に利用されている。例えば、これらの端末は表示部と操作部を備えていることから、会議等で浮かんだアイデアを文字や図形、絵などのオブジェクトとして端末に書き込み、会議等の参加者同士で見せ合うことにより、アイデアの完成度を高めることができる。
【0003】
ここで、アイデア出しを行う場合、複数の参加者が同じようなアイデアを提案することが多く、アイデアの完成度を高めるためには、類似するアイデアを特定する必要がある。このような背景から、アイデアを具現化した文字や図形、絵などのオブジェクトの処理に関して様々な提案がなされている。
【0004】
例えば、下記特許文献1には、自分が興味をもつ興味分野の名称を予め蓄積しておき、興味分野に該当する実例を対応させて蓄積し、蓄積された興味分野と実例に対して各々類似度を算出し、算出された類似度を用いて、興味と情報を2次元平面上に配置し、平面上に他者の興味を取り入れ、取り入れられた他者の興味と自分が持つ興味や情報との類似度を算出し、算出した類似度に基づいて、該他者の興味を自分の興味を表す平面上に配置し、配置した他者の興味の中から自分の目的とする情報を抽出する情報共助システムが開示されており、利用者の興味の近さを2次元距離平面上に視覚化して表示することで、利用者に具体的にどの程度近いかということを明瞭にさせている。
【0005】
また、下記特許文献2には、オブジェクトを二次元平面上の座標と共に記憶する記憶手段と、二次元平面上の座標がディスプレイ画面の表示範囲内にあるオブジェクトのアイコンをディスプレイ画面の該当位置に表示する制御手段と、ユーザから指定された検索方向を指し示す検索アイコンを生成してディスプレイ画面に表示する検索アイコン生成手段と、二次元平面において検索アイコンが指し示す検索方向に配置されたオブジェクトを検索して、検索結果をディスプレイ画面に表示する検索手段とを有するオブジェクト検索装置が開示されており、画面をスクロールさせることなく、二次元平面上の所望の検索方向についてオブジェクトを効率的に検索できるようにしている。
【0006】
また、下記特許文献3には、オブジェクトのメタデータ情報を管理するメタデータ管理部と、ユーザから条件情報を受信し、この条件情報に対応するメタデータ情報を分析してオブジェクトを選別する条件分析部と、マルチプロジェクションウィンドウ上におけるオブジェクトのムーブメントモードおよび/または基準者のムーブメント経路を管理するディスプレイ管理部とを含むオブジェクト管理システムが開示されており、基準者の位置から所定の条件情報および選択情報に対応してオブジェクトを移動したり整列したりすることで、オブジェクトを選別的に収集、整列して管理できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−3356号公報
【特許文献2】特開2007−157023号公報
【特許文献3】特開2009−093613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、特許文献1の技術では、オブジェクトの意味の類似を自動で分析し、一画面上に類似関係がわかるようにオブジェクトを配置することが可能であり、特許文献2や3の技術では、オブジェクトを画面上で効果的に配置することができる。しかしながら、これらの従来技術は、会議で創出されたアイデアを整理する場面で利用することを想定しており、アイデアを創出する場面で利用することを想定していない。
【0009】
すなわち、アイデアを整理する場面では、参加者全員が意思統一を図れる状態を実現することが求められるため、各参加者の端末の画面にオブジェクトを効果的に配置することが重要である。しかしながら、アイデアを創出する場面では、各参加者が発想を自在に展開させやすい状態を実現することが求められるため、各参加者の端末の画面に自由にオブジェクトを配置できるようにして発想を膨らませ、行き詰まった時に他の参加者のアイデアを知り得るようにすることが重要である。
【0010】
そのため、アイデアを整理する場面で利用される従来技術を、そのままアイデアを創出する場面で利用しようとすると、発想の展開を阻害してしまい、自省的なアイデア発想作業が困難になる。また、必要な時に他の参加者のアイデアを知り得るようにしなければ、アイデアを合わせて新しいアイデアを発想するという触発的なアイデア発想作業が困難になる。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、自省的アイデア発想作業及び触発的アイデア発想作業の双方を行い易くすることができるオブジェクト管理システム及びオブジェクト表示端末並びにオブジェクトの表示制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明は、オブジェクトを入力する操作部と前記オブジェクトを表示する表示部とを備えた複数のオブジェクト表示端末と、前記複数のオブジェクト表示端末を制御する制御装置と、が通信可能に接続されたオブジェクト管理システムにおいて、前記オブジェクト表示端末は、入力されたオブジェクトのデータと、前記オブジェクトの前記表示部上の配置情報と、自端末の識別情報と、を前記制御装置に送信すると共に、前記制御装置からの指示情報に従って、オブジェクトの表示形態を変更する制御部と、を備え、前記制御装置は、前記オブジェクト表示端末から受信したオブジェクトのデータを解析し、当該オブジェクトに類似するオブジェクトを特定する解析部と、類似元のオブジェクトと当該類似元のオブジェクトに類似するオブジェクトと当該類似するオブジェクトを有するオブジェクト表示端末を特定する情報とを記述したリストを作成するリスト作成部と、前記リストを参照して、所定のオブジェクト表示端末に表示されているオブジェクトに類似するオブジェクトが他のオブジェクト表示端末にあるかを判断し、前記類似するオブジェクトがある場合は、前記所定のオブジェクト表示端末に対して、類似元のオブジェクトの表示形態の変更を指示する指示情報を送信する制御部と、を備えるものである。
【0013】
また、本発明は、オブジェクトを入力する操作部と前記オブジェクトを表示する表示部とを備えた複数のオブジェクト表示端末と、前記複数のオブジェクト表示端末を制御する制御装置と、が通信可能に接続されたシステムにおけるオブジェクトの表示制御方法であって、前記制御装置が、前記オブジェクト表示端末から当該オブジェクト表示端末に入力されたオブジェクトのデータを受信して解析し、当該オブジェクトに類似するオブジェクトを特定し、類似元のオブジェクトと前記類似するオブジェクトと前記類似するオブジェクトを有するオブジェクト表示端末を特定する情報とを記述したリストを作成する第1ステップと、前記リストを参照して、所定のオブジェクト表示端末に表示されているオブジェクトに類似するオブジェクトが他のオブジェクト表示端末にあるかを判断し、前記類似するオブジェクトがある場合は、前記所定のオブジェクト表示端末に対して、類似元のオブジェクトの表示形態の変更を指示する指示情報を送信する第2ステップと、前記所定のオブジェクト表示端末が、前記制御装置からの前記指示情報に従って、前記類似元のオブジェクトの表示形態を変更する第3ステップと、を有するものである。
【0014】
また、本発明は、オブジェクトを入力する操作部と前記オブジェクトを表示する表示部とを備えたオブジェクト表示端末において、他のオブジェクト表示端末から、当該他のオブジェクト表示端末に入力されたオブジェクトのデータを受信して解析し、自端末に表示しているオブジェクトに類似するオブジェクトが前記他のオブジェクト表示端末にあるかを判断し、前記類似するオブジェクトがある場合は、類似元のオブジェクトの表示形態を変更する制御部を備えるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明のオブジェクト管理システム及びオブジェクト表示端末並びにオブジェクトの表示制御方法によれば、自省的アイデア発想作業及び触発的アイデア発想作業の双方を行い易くすることができることができる。
【0016】
その理由は、所定のオブジェクト表示端末の近くに他のオブジェクト表示端末があり、かつ、所定のオブジェクト表示端末に表示されているオブジェクトに類似するオブジェクトが他のオブジェクト表示端末にある場合に、所定のオブジェクト表示端末では、オブジェクトが類似していることが分かるようにオブジェクトの表示形態を変更するからである。また、所定のオブジェクト表示端末が他のオブジェクト表示端末に接触した場合には、他のオブジェクト表示端末でも、オブジェクトが類似していることが分かるようにオブジェクトの表示形態を変更するからである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例に係るオブジェクト管理システムの構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の一実施例に係る中央制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施例に係るオブジェクト表示端末の構成を示すブロック図である。
【図4】類似オブジェクトリストの一例を示す図である。
【図5】本発明の一実施例に係るオブジェクト管理システム(中央制御装置)の動作を示すフローチャート図である。
【図6】オブジェクトの表示形態を変更する例を示す図である。
【図7】オブジェクトの表示形態を変更する他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
背景技術で示したように、会議等におけるアイデア出しなどのシーンで端末が利用されることから、アイデアを具現化した文字や図形、絵などのオブジェクトの処理に関して様々な提案がなされている。しかしながら、従来技術は、会議で創出されたアイデアを整理する場面で利用することを想定しているため、この従来技術をアイデアを創出する場面で利用すると、発想の展開を阻害してしまい、自省的なアイデア発想作業が困難になり、また、必要なときに他の参加者のアイデアを知り得るようにしなければ、アイデアを合わせて新しいアイデアを発想するという触発的なアイデア発想作業が困難になる。
【0019】
そこで、本発明の一実施の形態では、複数のオブジェクト表示端末とその複数のオブジェクト表示端末を制御する中央制御装置とを備えるオブジェクト管理システムにおいて、中央制御装置は各オブジェクト表示端末でオブジェクトが作成されると、そのオブジェクトを解析して類似するオブジェクトを特定し、類似オブジェクトリストを作成して保存する。
【0020】
そして、複数のオブジェクト表示端末の位置関係を判定し、所定のオブジェクト表示端末の近くに他のオブジェクト表示端末があり、かつ、所定のオブジェクト表示端末に表示されているオブジェクトに類似するオブジェクトが他のオブジェクト表示端末にある場合に、所定のオブジェクト表示端末に対して、類似しているオブジェクトがあることが分かるようにオブジェクトの表示形態を変更する指示を行い、所定のオブジェクト表示端末は、その指示に従って、例えば、そのオブジェクトを他のオブジェクト表示端末の方向に移動させるなどの処理を行う。
【0021】
また、所定のオブジェクト表示端末が他のオブジェクト表示端末に接触した場合には、他のオブジェクト表示端末に対しても、類似しているオブジェクトがあることが分かるようにオブジェクトの表示形態を変更する指示を行い、他のオブジェクト表示端末は、その指示に従って、例えば、そのオブジェクトを所定のオブジェクト表示端末の方向に移動させるなどの処理を行う。
【0022】
これにより、一人で集中してアイデアを考えたい時は、他のオブジェクト表示端末に近づけなければ、邪魔な情報が自身のオブジェクト表示端末に入ってくることがなく、人に意見を聞きたい時は、他のオブジェクト表示端末に近づければ、同じようなアイデアを持った人(すなわち、類似するオブジェクトが表示されているオブジェクト表示端末)を探すことができる。
【0023】
また、類似するオブジェクトが表示されているオブジェクト表示端末の空間的位置方向に応じた関係性表示を行うため、アイデア全体の傾向を知ることができ、他の参加者の興味や未検討領域などをアイデア発想の進め方の指針にすることができる。
【0024】
更に、オブジェクト表示端末の位置情報をオブジェクトの関係性の表示/非表示のトリガーにしているため、ユーザの操作負荷を軽減することができる。
【実施例】
【0025】
上記した本発明の一実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の一実施例に係るオブジェクト管理システム及びオブジェクト表示端末並びにオブジェクトの表示制御方法について、図1乃至図7を参照して説明する。図1は、本実施例のオブジェクト管理システムの構成を模式的に示す図であり、図2は、中央制御装置の構成を示すブロック図、図3は、オブジェクト表示端末の構成を示すブロック図である。また、図4は、類似オブジェクトリストの一例を示す図であり、図5は、本実施例のオブジェクト管理システムの動作を示すフローチャート図である。また、図6及び図7は、オブジェクト表示端末におけるオブジェクトの表示形態の例を示す図である。
【0026】
図1に示すように、本実施例のオブジェクト管理システム10は、アイデアを具現化したオブジェクト40が表示される複数のオブジェクト表示端末20と、複数のオブジェクト表示端末20を制御する中央制御装置30などで構成され、これらは、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などの通信ネットワークで接続される。以下、各装置について説明する。
【0027】
[オブジェクト表示端末]
図2に示すように、オブジェクト表示端末20は、制御部21、通信部22、端末位置検出部23、端末角速度検出部24、操作部25、表示部26などを備える。
【0028】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)とRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリとで構成され、CPUは各部の動作を制御し、メモリはCPUの制御に必要な情報や表示部26に表示させるオブジェクトのデータなどを記憶する。また、制御部21は、自端末の位置や角度が変化したら、自端末の位置情報及び角度情報を中央制御装置30に送信する。また、文字や図形、絵などのオブジェクトが入力されたら、そのオブジェクトを特定の表示形態で表示部26上に配置すると共に、そのオブジェクトのデータ及びオブジェクトの配置情報を中央制御装置30に送信する。また、入力された中央制御装置30からの指示情報に従って、オブジェクトの表示形態(例えば、表示部26上のオブジェクトの位置や大きさなど)を変更する制御を行う。
【0029】
通信部22は、中央制御装置30や他のオブジェクト表示端末20と接続するためのインターフェースであり、有線通信や無線通信、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)などを利用して、中央制御装置30や他のオブジェクト表示端末20との通信を確立する。
【0030】
端末位置検出部23は、加速度センサなどを用いて加速度を検出し、基準位置からの移動距離を演算して、自端末の位置を特定し、その位置情報を制御部21に通知する。
【0031】
端末角速度検出部24は、ジャイロセンサなどを用いて角速度を検出し、基準方向からの回転角を演算して、自端末の角度(水平面に対する傾きや水平面上の向き)を特定し、その角度情報を制御部21に通知する。
【0032】
操作部25は、ボタンやスイッチ、表示部26上に透明電極が格子状に配置された感圧式のタッチパネルなどであり、タッチパネルでは、手指やタッチペン等で押下された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号として制御部21に出力する。そして、予め記憶されたオブジェクトをボタンやスイッチで選択したり、タッチパネル上でオブジェクトを描くなどの方法により、オブジェクトを入力可能にする。
【0033】
表示部26は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(electroluminescence)表示装置等からなり、制御部21の指示に従って、オブジェクトを特定の表示形態で表示する。例えば、図1に示すように、オブジェクト40をカードに描いたような形態(各オブジェクトの領域が分かるように枠で囲んだ形態)で表示すると共に、新しく入力されたオブジェクトや選択されたオブジェクトが前面になるように重ね合わせて表示する。
【0034】
[中央制御装置]
図3に示すように、中央制御装置30は、制御部31、通信部32、端末間位置関係判定部33、端末位置履歴記憶部34、オブジェクト配置履歴記憶部35、類似性解析部36、類似オブジェクトリスト作成部37、類似オブジェクトリスト記憶部38などで構成される。
【0035】
制御部31は、CPUとRAMやROMなどのメモリとで構成され、CPUは各部の動作を制御し、メモリはCPUの制御に必要な情報などを記憶する。また、制御部31は、複数のオブジェクト表示端末20が所定の距離内にあるかを判断し、ある場合は、後述する類似オブジェクトリストを参照して、その複数のオブジェクト表示端末20に、類似するオブジェクトがあるかを判断し、類似するオブジェクトがある場合に、近づいてきた方のオブジェクト表示端末20(又は複数のオブジェクト表示端末20)に対して、類似するオブジェクトの表示形態を変更する(例えば、そのオブジェクトを相手方のオブジェクト表示端末20の方向に移動させる)指示情報を送信する。
【0036】
通信部32は、オブジェクト表示端末20と接続するためのインターフェースであり、有線通信や無線通信、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)などを利用して、オブジェクト表示端末20との通信を確立する。
【0037】
端末間位置関係判定部33は、オブジェクト表示端末20から送信される位置情報及び角度情報に基づいて、複数のオブジェクト表示端末20の位置関係(互いの距離や向いている方向)を判定し、その位置関係情報を制御部31に通知する。
【0038】
端末位置履歴記憶部34は、端末間位置関係判定部33が判定した複数のオブジェクト表示端末20の位置関係の履歴として記憶する。
【0039】
オブジェクト配置履歴記憶部35は、各オブジェクト表示端末20から送信されたオブジェクト及びその配置の履歴として記憶する。
【0040】
類似性解析部36は、各オブジェクト表示端末20から送信されたオブジェクトの意味や形態を解析し、全てのオブジェクト表示端末20に入力された全てのオブジェクトとの意味や形態の類似性を判定する。
【0041】
例えば、オブジェクトが文字として入力された場合は、予め記憶した辞書テーブルを参照して、その文字に含まれる単語の類似語や同義語、類義語などを特定する。そして、その単語や類似語、同義語、類義語を含むオブジェクトを検索し、類似度を決定する(例えば、同じ単語や同義語は類似度を100、類似語は類似度を80、類義語は類似度を60にする)と共に、類似するオブジェクトが表示されているオブジェクト表示端末20を特定する。
【0042】
また、オブジェクトが図形や絵として入力された場合は、予め記憶した基準図形と比較して図形の構成を特定する。そして、図形の構成が同じ若しくは近いオブジェクトを検索し、類似度を決定する(例えば、同じ基準図形で構成される図形は類似度を100、異なる基準図形を含む場合は、類似度を共通する基準図形の割合に応じた値にする)と共に、類似するオブジェクトが表示されているオブジェクト表示端末20を特定する。
【0043】
なお、文字、図形、絵が混在している場合は、文字と図形及び絵とを分離して、各々に対して類似度を決定し、それらの平均値を演算するなどの処理を行えばよい。また、本実施例では類似度を決定しているが、類似しているか否かのみを判断する構成としてもよい。
【0044】
類似オブジェクトリスト作成部37は、類似性解析部36が判定した類似性の有無と類似性がある場合の類似度を元に、各オブジェクトに対して、類似オブジェクトリストを作成する。図4は、類似オブジェクトリストの一例であり、「パッケージ」という文字に対して、類似すると判定された文字と、その文字の類似度と、その文字を含むオブジェクトが表示されているオブジェクト表示端末20とが記述される。
【0045】
類似オブジェクトリスト記憶部38は、類似オブジェクトリスト作成部37が作成した類似オブジェクトリストを記憶する。
【0046】
なお、図1乃至図3は、本実施例のオブジェクト管理システム10の一例であり、その構成は適宜変更可能である。
【0047】
例えば、図3では、中央制御装置30に類似性解析部36を設けたが、類似性解析部36を通信ネットワークで接続される外部装置に設け、中央制御装置30から外部装置に問い合わせる構成としてもよい。また、各オブジェクト表示端末20に類似性解析部を設け、各端末で類似するオブジェクトを解析し、その結果を中央制御装置30に通知する構成としてもよい。
【0048】
また、図2では、各オブジェクト表示端末20が自端末の位置及び角度を取得する構成としたが、例えば、各オブジェクト表示端末20に、静電気や磁気の変化などにより、他のオブジェクト表示端末20が近づいてきたことを検出する手段を設け、オブジェクト表示端末20間の相対的な位置を取得したり、各オブジェクト表示端末20に赤外線の送信部と受信部を設け、オブジェクト表示端末20間の相対的な角度を取得する構成としてもよい。
【0049】
また、本実施例では、複数のオブジェクト表示端末20が所定の距離内に存在する場合に、複数のオブジェクト表示端末20に、類似するオブジェクトが表示されているかを判断したが、他のオブジェクト表示端末20との距離を問わずに、類似するオブジェクトが表示されているかを判断してもよい。
【0050】
また、本実施例では、中央制御装置30が各オブジェクト表示端末20の位置及びオブジェクトの類似関係を把握してオブジェクトの表示形態を制御する構成としたが、各オブジェクト表示端末20が、他のオブジェクト表示端末20の位置関係及びオブジェクトの類似関係を把握してオブジェクトの表示形態を制御することもでき、この場合は中央制御装置30を省略することができる。
【0051】
次に、上記構成のオブジェクト管理システム10(主に中央制御装置30)の動作について、図5のフローチャート図を参照して説明する。なお、以下のフローにおいて、各オブジェクト表示端末20は、端末位置検出部23及び端末角速度検出部24で検出した位置情報及び角度情報を定期的に中央制御装置30に送信し、中央制御装置30は全てのオブジェクト表示端末20の位置関係を把握しているものとする。また、各オブジェクト表示端末20は、オブジェクトの配置を変更した場合は、オブジェクトの配置情報を中央制御装置30に送信し、中央制御装置30は全てのオブジェクト表示端末20におけるオブジェクトの配置を把握しているものとする。
【0052】
まず、各ユーザがアイデアを創出する場面の動作について説明する。
【0053】
各ユーザはアイデアを考え、そのアイデアを具現化したオブジェクトをオブジェクト表示端末20に入力し、表示部26に表示させる。制御部21は、オブジェクトが入力されると、そのオブジェクトのデータと自端末を識別するID情報とオブジェクトの配置情報とを中央制御装置30に送信する。
【0054】
中央制御装置30は、オブジェクト表示端末20から上記情報を受信したら新しいオブジェクトが作られたと判断し(S101のY)、類似性解析部36は、受信したオブジェクトの解析を行い、他のオブジェクト表示端末20のオブジェクトと類似しているかを判断する(S102)。そして、類似しているオブジェクトがある場合は、類似オブジェクトリストを作成若しくは更新する(S103)。
【0055】
引き続き、複数のユーザ間でアイデアを関連付ける場面の動作について説明する。
【0056】
ユーザ(ここではユーザAとする。)が自身のオブジェクト表示端末20を動かすと、オブジェクト表示端末20の端末位置検出部23及び端末角速度検出部24は自端末の位置及び角度を検出し、制御部21は、位置情報及び角度情報と自端末を識別するID情報とを中央制御装置30に送信する。
【0057】
中央制御装置30は、位置情報及び角度情報を受信したら、オブジェクト表示端末20が動いたと判断し(S104のY)、端末間位置関係判定部33は、受信した位置情報及び角度情報と端末位置履歴記憶部34に記憶された履歴情報とに基づいて、端末間の位置関係を再計算し、その結果を端末位置履歴記憶部34に記憶する(S105)。
【0058】
次に、制御部31は、ユーザAのオブジェクト表示端末20を中心にして、予め定めた所定の距離内(例えば、半径1m以内)に他のユーザ(ここではユーザBとする。)の他のオブジェクト表示端末20があるかを判断する(S106)。他のオブジェクト表示端末20がない場合はステップS101に戻り、他のオブジェクト表示端末20がある場合は、類似オブジェクトリスト記憶部38に記憶された類似オブジェクトリストを参照して、ユーザAのオブジェクト表示端末20に表示されているオブジェクトに類似するオブジェクトがユーザBのオブジェクト表示端末20に記憶若しくは表示されているかを判断する(S107)。類似するオブジェクトがない場合はステップS101に戻り、類似するオブジェクトがある場合は、制御部31は、双方の端末が接触しているかを判断する(S108)。
【0059】
双方の端末が接触していない場合は、制御部31は、双方の端末の位置及び向きを判定し(S109)、動かした方のオブジェクト表示端末20(ここではユーザAのオブジェクト表示端末20)に対して、類似元のオブジェクトの表示形態を変更する指示情報を送信する(S110)。ユーザAのオブジェクト表示端末20の制御部21は、受信した指示情報に従って、類似元のオブジェクトの表示形態を変更する。ここで、ユーザAのオブジェクト表示端末20の表示形態のみを変更しているのは、オブジェクト表示端末20を動かさずにアイデアを考えているユーザ(ここではユーザB)の思考の邪魔をしないようにするためである。
【0060】
ユーザAのオブジェクト表示端末20の表示形態を具体的に説明する。例えば、図6(a)、(b)に示すように、ユーザAのオブジェクト表示端末20(端末A)をユーザBのオブジェクト表示端末20(端末B)に徐々に近づけたときは、端末Aの類似オブジェクトを端末Bの方向に徐々に動かす(例えば、端末間の距離や類似度、類似するオブジェクトの数量などに応じて距離を変えて動かす)制御を行い、ユーザBのオブジェクト表示端末20から徐々に遠ざけたときは、類似オブジェクトを徐々に元の位置に戻す制御を行う。
【0061】
また、ユーザAのオブジェクト表示端末20が複数のオブジェクト表示端末20に近づいた場合は、各々のオブジェクト表示端末20との位置関係に応じて表示形態を変更すればよい。例えば、図7に示すように、ユーザAのオブジェクト表示端末20(端末A)の周囲に、端末B、端末C、端末Dの3台のオブジェクト表示端末20がある場合、端末Aを端末Bに近づけると、端末Bのオブジェクトと類似関係にあるオブジェクトは端末Bの方向に動き、端末Aを端末Cに近づけると、端末Cのオブジェクトと類似関係にあるオブジェクトが端末Cの方向に動き、端末Aを端末Dに近づけると、端末Dのオブジェクトと類似関係にあるオブジェクトが端末Dの方向に動くことになる。
【0062】
なお、ここでは、1つのオブジェクト表示端末20のみを動かす場合について説明したが、複数のオブジェクト表示端末20を相互に動かした場合は、複数のオブジェクト表示端末20に対しても指示情報を送信し、各オブジェクト表示端末20の制御部21は、指示情報に従って類似関係にあるオブジェクトの表示形態を変更すればよい。
【0063】
一方、双方の端末が接触している場合は、ユーザBもユーザAのアイデアを参考にすることを望んでいると考えられることから、制御部31は、双方の端末の位置及び向きを判定し(S111)、双方の端末に対して、類似関係にあるオブジェクトの表示形態を変更する指示情報を送信する(S112)。双方のオブジェクト表示端末20の制御部21は、受信した指示情報に従って、類似関係にあるオブジェクトの表示形態を変更する。
【0064】
例えば、図6(c)に示すように、ユーザAのオブジェクト表示端末20(端末A)をユーザBのオブジェクト表示端末20(端末B)に接触させたときは、端末Aの類似オブジェクトを端末Bの方向に移動させると共に、端末Bの類似オブジェクトを端末Aの方向に移動させる制御を行う。
【0065】
その後、ステップS104に戻って同様の処理を繰り返し、ユーザAが再度アイデアを考えるためにオブジェクト表示端末20を他のオブジェクト表示端末20から離したら、ステップS101に戻る。
【0066】
なお、ここでは、表示形態を変更する手法として、類似関係にあるオブジェクトを相手方のオブジェクト表示端末20の方向に動かしたり戻したりしているが、類似関係にあるオブジェクトを識別可能に表示できればよく、例えば、類似関係にあるオブジェクトのサイズを変えたり、色を変えたり、点滅させたり、枠の線を太くしたりしてもよい。また、類似度に応じて表示形態を変更してもよく、例えば、類似度の大きいオブジェクトは移動させ、類似度の小さいオブジェクトは点滅させるなどの制御を行ってもよい。
【0067】
このように、本実施例のオブジェクト管理システム10では、中央制御装置30が、各オブジェクト表示端末20に表示されているオブジェクトの類似関係、及び、各オブジェクト表示端末20の位置関係を管理し、複数のオブジェクト表示端末20が所定の距離内に存在する場合に、類似関係にあるオブジェクトの表示形態を端末間の距離や方向に応じて変更させる指示を行うため、各オブジェクト表示端末20のユーザは、自省的アイデア発想作業及び触発的アイデア発想作業の双方を行い易くすることができる。
【0068】
例えば、アイデア創出会議においてオブジェクト表示端末20にアイデアを書く場面を想定すると、はじめは各人がアイデアを考えるが、アイデアに詰まると、他の人が何を書いているのか気になり、ヒントをもらいたくなる。
【0069】
そこで、ある参加者(Aさん)が他の参加者(Bさん)に端末を近づけてみると、自分の書いたアイデアのいくつかがBさんの方向に引き寄せられるので、類似アイデアがあることがわかる。その際、Bさんは集中しているので(端末に変化は無いので)、こちらに気づかない。
【0070】
そして、Bさんの集中が途切れた所で声をかけ、類似アイデアについての意見を聞いてみることにより、新しいアイデアが触発的に生まれる。従って、アイデアを創出する場面において、顕著な効果を発揮することができる。
【0071】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、その構成や制御は適宜変更可能である。
【0072】
例えば、上記実施例では、オブジェクトをカードに描いたような形態で表示したが、オブジェクト同士を識別することができ、かつ、個々のオブジェクトの動きを確認できれば、その表示形態は特に限定されない。また、上記実施例では、類似関係にあるオブジェクトの表示形態を変更したが、例えば、類似関係にあるオブジェクトを音声で通知してもよい。
【0073】
また、上記実施例では、アイデアを具現化したオブジェクトに関して説明したが、入力可能な任意のオブジェクトに対しても同様に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、複数のオブジェクト表示端末とそれらを制御する装置とを備えるシステムに利用可能である。
【符号の説明】
【0075】
10 オブジェクト管理システム
20 オブジェクト表示端末
21 制御部
22 通信部
23 端末位置検出部
24 端末角速度検出部
25 操作部
26 表示部
30 中央制御装置
31 制御部
32 通信部
33 端末間位置関係判定部
34 端末位置履歴記憶部
35 オブジェクト配置履歴記憶部
36 類似性解析部
37 類似オブジェクトリスト作成部
38 類似オブジェクトリスト記憶部
40 オブジェクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクトを入力する操作部と前記オブジェクトを表示する表示部とを備えた複数のオブジェクト表示端末と、前記複数のオブジェクト表示端末を制御する制御装置と、が通信可能に接続されたオブジェクト管理システムにおいて、
前記オブジェクト表示端末は、
入力されたオブジェクトのデータと、前記オブジェクトの前記表示部上の配置情報と、自端末の識別情報と、を前記制御装置に送信すると共に、前記制御装置からの指示情報に従って、オブジェクトの表示形態を変更する制御部と、を備え、
前記制御装置は、
前記オブジェクト表示端末から受信したオブジェクトのデータを解析し、当該オブジェクトに類似するオブジェクトを特定する解析部と、
類似元のオブジェクトと当該類似元のオブジェクトに類似するオブジェクトと当該類似するオブジェクトを有するオブジェクト表示端末を特定する情報とを記述したリストを作成するリスト作成部と、
前記リストを参照して、所定のオブジェクト表示端末に表示されているオブジェクトに類似するオブジェクトが他のオブジェクト表示端末にあるかを判断し、前記類似するオブジェクトがある場合は、前記所定のオブジェクト表示端末に対して、類似元のオブジェクトの表示形態の変更を指示する指示情報を送信する制御部と、を備える、
ことを特徴とするオブジェクト管理システム。
【請求項2】
前記オブジェクト表示端末は、
自端末の位置及び角度を検出する検出部を更に備え、
前記制御部は、自端末の位置情報及び角度情報を前記制御装置に送信し、
前記制御装置は、
各々のオブジェクト表示端末から受信した前記位置情報及び前記角度情報に基づいて、複数のオブジェクト表示端末の位置関係を判別する判別部を更に備え、
前記制御部は、所定のオブジェクト表示端末の移動を検出した場合は、前記判別部で判別した位置関係に基づいて、前記所定のオブジェクト表示端末から所定の距離内に他のオブジェクト表示端末が存在するかを判断し、前記他のオブジェクト表示端末が存在する場合は、前記リストを参照して、前記他のオブジェクト表示端末に、前記所定のオブジェクト表示端末に表示されているオブジェクトに類似するオブジェクトがあるかを判断し、前記類似するオブジェクトがある場合は、前記所定のオブジェクト表示端末に対して、前記類似元のオブジェクトの表示形態の変更を指示する指示情報を送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載のオブジェクト管理システム。
【請求項3】
前記制御装置の前記制御部は、前記所定のオブジェクト表示端末と前記他のオブジェクト表示端末とが接触しているかを判断し、接触している場合は、前記他のオブジェクト表示端末に対して、前記類似するオブジェクトの表示形態の変更を指示する指示情報を送信する、ことを特徴とする請求項2に記載のオブジェクト管理システム。
【請求項4】
前記オブジェクトの表示形態は、前記オブジェクトの前記表示部上の位置、サイズ、色のいずれか一つを含む、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載のオブジェクト管理システム。
【請求項5】
前記制御装置の前記制御部は、前記所定のオブジェクト表示端末と前記他のオブジェクト表示端末との距離が小さくなっていく場合は、前記所定のオブジェクト表示端末に表示されている前記類似元のオブジェクトを前記他のオブジェクト表示端末の方向に移動させ、前記所定のオブジェクト表示端末と前記他のオブジェクト表示端末との距離が大きくなっていく場合は、前記所定のオブジェクト表示端末に表示されている前記類似元のオブジェクトを元の位置に移動させる指示を行う、ことを特徴とする請求項2に記載のオブジェクト管理システム。
【請求項6】
前記制御装置の前記制御部は、前記類似元のオブジェクトの移動距離を、オブジェクトの類似の程度及び/又は前記類似するオブジェクトの数量に応じて定める、ことを特徴とする請求項5に記載のオブジェクト管理システム。
【請求項7】
前記制御装置の前記制御部は、前記所定のオブジェクト表示端末と前記他のオブジェクト表示端末とが接触している場合は、前記所定のオブジェクト表示端末に表示されている前記類似元のオブジェクトを前記他のオブジェクト表示端末の方向に移動させ、前記他のオブジェクト表示端末に表示されている前記類似するオブジェクトを前記所定のオブジェクト表示端末の方向に移動させる指示を行う、ことを特徴とする請求項3に記載のオブジェクト管理システム。
【請求項8】
オブジェクトを入力する操作部と前記オブジェクトを表示する表示部とを備えた複数のオブジェクト表示端末と、前記複数のオブジェクト表示端末を制御する制御装置と、が通信可能に接続されたシステムにおけるオブジェクトの表示制御方法であって、
前記制御装置が、前記オブジェクト表示端末から当該オブジェクト表示端末に入力されたオブジェクトのデータを受信して解析し、当該オブジェクトに類似するオブジェクトを特定し、類似元のオブジェクトと前記類似するオブジェクトと前記類似するオブジェクトを有するオブジェクト表示端末を特定する情報とを記述したリストを作成する第1ステップと、
前記リストを参照して、所定のオブジェクト表示端末に表示されているオブジェクトに類似するオブジェクトが他のオブジェクト表示端末にあるかを判断し、前記類似するオブジェクトがある場合は、前記所定のオブジェクト表示端末に対して、類似元のオブジェクトの表示形態の変更を指示する指示情報を送信する第2ステップと、
前記所定のオブジェクト表示端末が、前記制御装置からの前記指示情報に従って、前記類似元のオブジェクトの表示形態を変更する第3ステップと、を有する、
ことを特徴とするオブジェクトの表示制御方法。
【請求項9】
前記制御装置が、各々のオブジェクト表示端末から当該オブジェクト表示端末の位置情報及び角度情報を受信し、前記位置情報及び前記角度情報に基づいて、複数のオブジェクト表示端末の位置関係を判別する判別ステップを更に備え、
前記第2ステップでは、所定のオブジェクト表示端末の移動を検出した場合は、前記判別ステップで判別した位置関係に基づいて、前記所定のオブジェクト表示端末から所定の距離内に他のオブジェクト表示端末が存在するかを判断し、前記他のオブジェクト表示端末が存在する場合は、前記リストを参照して、前記他のオブジェクト表示端末に、前記所定のオブジェクト表示端末に表示されているオブジェクトに類似するオブジェクトがあるかを判断し、前記類似するオブジェクトがある場合は、前記所定のオブジェクト表示端末に対して、前記類似元のオブジェクトの表示形態の変更を指示する指示情報を送信する、
ことを特徴とする請求項8に記載のオブジェクトの表示制御方法。
【請求項10】
前記第2ステップでは、前記所定のオブジェクト表示端末と前記他のオブジェクト表示端末とが接触しているかを判断し、接触している場合は、前記他のオブジェクト表示端末に対して、前記類似するオブジェクトの表示形態の変更を指示する指示情報を送信する、ことを特徴とする請求項9に記載のオブジェクトの表示制御方法。
【請求項11】
前記オブジェクトの表示形態は、前記オブジェクトの前記表示部上の位置、サイズ、色のいずれか一つを含む、ことを特徴とする請求項8乃至10のいずれか一に記載のオブジェクトの表示制御方法。
【請求項12】
前記第2ステップでは、前記所定のオブジェクト表示端末と前記他のオブジェクト表示端末との距離が小さくなっていく場合は、前記所定のオブジェクト表示端末に表示されている前記類似元のオブジェクトを前記他のオブジェクト表示端末の方向に移動させ、前記所定のオブジェクト表示端末と前記他のオブジェクト表示端末との距離が大きくなっていく場合は、前記所定のオブジェクト表示端末に表示されている前記類似元のオブジェクトを元の位置に移動させる指示を行う、ことを特徴とする請求項9に記載のオブジェクトの表示制御方法。
【請求項13】
前記第2ステップでは、前記類似元のオブジェクトの移動距離を、オブジェクトの類似の程度及び/又は前記類似するオブジェクトの数量に応じて定める、ことを特徴とする請求項12に記載のオブジェクトの表示制御方法。
【請求項14】
前記第2ステップでは、前記所定のオブジェクト表示端末と前記他のオブジェクト表示端末とが接触している場合は、前記所定のオブジェクト表示端末に表示されている前記類似元のオブジェクトを前記他のオブジェクト表示端末の方向に移動させ、前記他のオブジェクト表示端末に表示されている前記類似するオブジェクトを前記所定のオブジェクト表示端末の方向に移動させる指示を行う、ことを特徴とする請求項10に記載のオブジェクトの表示制御方法。
【請求項15】
オブジェクトを入力する操作部と前記オブジェクトを表示する表示部とを備えたオブジェクト表示端末において、
他のオブジェクト表示端末から、当該他のオブジェクト表示端末に入力されたオブジェクトのデータを受信して解析し、自端末に表示しているオブジェクトに類似するオブジェクトが前記他のオブジェクト表示端末にあるかを判断し、前記類似するオブジェクトがある場合は、類似元のオブジェクトの表示形態を変更する制御部を備える、
ことを特徴とするオブジェクト表示端末。
【請求項16】
前記他のオブジェクト表示端末との位置関係を判別する判別部を更に備え、
前記制御部は、前記他のオブジェクト表示端末が自端末から所定の距離内に存在するかを判断し、所定の距離内に存在する場合は、自端末に表示しているオブジェクトに類似するオブジェクトが前記他のオブジェクト表示端末にあるかを判断し、前記類似するオブジェクトがある場合は、前記類似元のオブジェクトの表示形態を変更する、
ことを特徴とする請求項15に記載のオブジェクト表示端末。
【請求項17】
前記オブジェクトの表示形態は、前記オブジェクトの前記表示部上の位置、サイズ、色のいずれか一つを含む、ことを特徴とする請求項15又は16に記載のオブジェクト表示端末。
【請求項18】
前記制御部は、自端末と前記他のオブジェクト表示端末との距離が小さくなっていく場合は、自端末に表示している前記類似元のオブジェクトを前記他のオブジェクト表示端末の方向に移動させ、自端末と前記他のオブジェクト表示端末との距離が大きくなっていく場合は、自端末に表示している前記類似元のオブジェクトを元の位置に移動させる、ことを特徴とする請求項16に記載のオブジェクト表示端末。
【請求項19】
前記制御部は、前記類似元のオブジェクトの移動距離を、オブジェクトの類似の程度及び/又は前記類似するオブジェクトの数量に応じて定める、ことを特徴とする請求項18に記載のオブジェクト表示端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−221908(P2011−221908A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92327(P2010−92327)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】