オブジェクト統合管理システムの生成方法
【課題】オブジェクト統合管理システムが、管理対象の変更に対する柔軟性を実現し、統合管理処理の効率化と、システムの管理、構築、保守のコストの低減を実現する。
【解決手段】データ管理システムによって管理される実データを統合管理するシステムにおいて、リポジトリに、実データのそれぞれに対応して作成されている仮想オブジェクトと、仮想オブジェクトを定義する仮想オブジェクトメタモデルと、データ管理システムの構成情報とデータ管理システムが格納している実データに対するアクセス処理の機能を持つアダプタオブジェクトと、アダプタオブジェクトを定義するアダプタオブジェクトメタモデルとを格納し、リポジトリ内の仮想オブジェクトメタモデルとアダプタオブジェクトメタモデルを管理するメタモデル管理部と、仮想オブジェクトとアダプタオブジェクトを管理しアダプタオブジェクトを利用して実データにアクセスするオブジェクト管理部とを備える。
【解決手段】データ管理システムによって管理される実データを統合管理するシステムにおいて、リポジトリに、実データのそれぞれに対応して作成されている仮想オブジェクトと、仮想オブジェクトを定義する仮想オブジェクトメタモデルと、データ管理システムの構成情報とデータ管理システムが格納している実データに対するアクセス処理の機能を持つアダプタオブジェクトと、アダプタオブジェクトを定義するアダプタオブジェクトメタモデルとを格納し、リポジトリ内の仮想オブジェクトメタモデルとアダプタオブジェクトメタモデルを管理するメタモデル管理部と、仮想オブジェクトとアダプタオブジェクトを管理しアダプタオブジェクトを利用して実データにアクセスするオブジェクト管理部とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データベースやサーバなどネットワーク環境に分散して存在する形式の異なるデータを統合管理するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来ある企業内でもさまざまな種類のデータベースが導入されているのが普通である。これらのデータベース間には通常互換性はない。また、このようなネットワーク環境に分散しているデータベースやサーバなどの形式の異なるデータを管理するデータ管理システムを追加または削除する必要も出てくる。
【0003】
特許文献1には、「オブジェクトの格納位置を意識せずに等価的に扱う方法に関し、オブジェクトを論理層であらわした論理オブジェクトと、オブジェクトへのアクセスを実装したコネクタオブジェクトを作成し、両者の対応関係を変換テーブルを用いて管理するデータベース統合アプリケーション構築システム」が記載されている。ここで、オブジェクトの統合管理を行なう場合、そのオブジェクトへアクセスする処理を実装したコネクタオブジェクトと変換テーブルを修正する必要があり、統合管理対象の構成の管理が分散しているため、その管理方法を工夫する必要があった。
【0004】
【特許文献1】特開平11−96054号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
分散して存在する異なるデータに対して統一的にアクセスするために、特許文献1では、論理オブジェクトとコネクタオブジェクトを用意し、変換テーブルを使用して両者の対応関係を管理している。このとき、データの統合管理システムとして新規のデータを管理対象として追加する際、論理オブジェクトとコネクタオブジェクトの追加と変換テーブルの修正が必要である。この方法は、システムの拡張や変更に対する柔軟性を欠き、システムの管理、保守コストが悪いという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、オブジェクト統合管理システムとして、分散して存在する様々なデータの構成とアクセス処理の管理を、メタモデル管理部で一元管理することを可能とし、そのメタモデルに従ってオブジェクトを管理する事で、データの統合管理処理の効率化とシステムの構成管理に必要な保守コストの低減を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、メタモデル部というクラス定義と、オブジェクト部というそのクラスのインスタンスとをオブジェクト指向に従って永続化オブジェクトとして保存するリポジトリを使用する。このリポジトリのメタモデル部には仮想オブジェクトメタモデルと、アダプタオブジェクトメタモデルが格納され、オブジェクト部には実データに対応する仮想オブジェクトと、仮想オブジェクトから実データにアクセスする機能を有するアダプタオブジェクトが格納されている。これらをそれぞれ管理するメタモデル管理部(メタモデルの情報を作成、削除、変更する)とオブジェクト管理部(オブジェクトの作成、削除、変更をする)を設けることによりオブジェクト統合管理システムを構築する。更に、メタモデル管理部では、実データおよびそれを管理するデータ管理システムをモデル化し、メタモデルとして管理する。オブジェクト管理部では、メタモデル管理部で管理されているメタモデルのインスタンスとしてのオブジェクトを管理する。メタモデル管理部は、オブジェクト統合管理システムの管理対象となるデータ管理システムの構成を集中的に管理する。オブジェクト管理部はメタモデルから仮想オブジェクトとアダプタオブジェクトのインスタンスを生成する。これらのメタモデル情報の管理はオブジェクト統合管理システムが提供するインタフェースを使用することで実行される。
【0008】
ここで、データ管理システムをモデル化するとは、例えばデータ管理システムがリレーショナルデータベースであればデータベースの名称、形式、テーブルの構成、カラム名などでデータベースを表わすことを意味する。メタモデルとはモデルを定義する定義情報である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、様々なデータ管理システムが保持する実データを統合管理するオブジェクト統合管理システムにおいて、データ管理システムの追加、削除を容易にし、システム管理、構築、保守に要するコストを削減することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施例を図面により説明する。図1は本発明のオブジェクト統合管理システムの実施例を含む全体の図を示している。オブジェクト統合管理部(102)は、メタモデル管理部(104)とオブジェクト管理部(105)を備え、それぞれが管理する情報をリポジトリ(106)に格納する。統合管理対象となる実データは、ネットワーク環境に分散して存在し、その実データの種類によって、様々なデータ管理システムが存在する。リレーショナルデータベースを利用しているデータ管理システム1(113)や、文書データなどを格納する文書データベースを利用しているデータ管理システム2(114)、またその他のデータベースを利用しているものや、データベースに限らず実データを管理し、その実データに対するアクセス手段を提供するデータ管理システム3(115)などが存在する。
【0011】
オブジェクト統合管理部(102)はこれら様々な形態のデータ管理システム1〜3(113,114,115)で管理されている実データに対して、統合管理を実現する。オブジェクト統合管理部(102)は、メタモデル管理部(104)とオブジェクト管理部(105)によって、データ管理システム1〜3(113,114,115)とそこで管理されている実データに対してシステムやデータの構成情報を管理し、実データへのアクセス処理を実行する。オブジェクト管理部(105)はメタモデル管理部(104)で定義されたメタモデル(109,110)というクラスのインスタンスとしてオブジェクト(111,112)を管理する。また、オブジェクト管理部(105)は、データ管理システム1〜3(113,114,115)が保持している実データを管理するために、データ管理システム1〜3の所在や種類などの構成情報と、そのデータ管理システムが格納している実データに対するアクセス処理の機能を備えたアダプタオブジェクト(112)を使用してその実データにアクセスする。
【0012】
データ利用者(101)はオブジェクト統合管理部(102)が提供するオブジェクトアクセスインタフェース(103)を使用することで、実データの存在位置や格納形式を意識することなく、複数のデータ管理システム1〜3(113,114,115)が保持する実データを統一的にアクセスすることが出来る。このときオブジェクト統合管理部(102)は、アダプタオブジェクトを追加することで、様々なデータ管理システム1〜3(113,114,115)に対して統合管理の機能拡張性を提供する。
【0013】
図2では、リポジトリ(106)に格納されるデータ形式を示している。リポジトリ(106)に格納されるデータはメタモデル部(107)とオブジェクト部(108)に分類される。データ管理システムA(201)がデータベース(202)にデータ1(203)、データ2(204)を保持している場合、仮想オブジェクトのメタモデル(109)としてDATAというクラス(205)があり、その属性値として「名前」が文字列型であることが定義される。アダプタオブジェクトのメタモデル(110)としてデータ管理システムというクラス(206)があり、その属性値として「システム名」が文字列型であり、その操作として実データの取得と格納を行う処理の実装を定義する。この処理はデータベース(202)が提供するアクセス言語を使用した処理となる。換言すれば、アダプタオブジェクトメタモデル(110)はデータ操作をするメソッドの定義を持っている。また、DATAクラスとデータ管理システムクラス間には関連を定義(207)する。
【0014】
オブジェクト部ではメタモデル部で定義されたクラスのインスタンスとして、仮想オブジェクト(111)とアダプタオブジェクト(112)を格納する。仮想オブジェクト(111)として、実データであるデータベース(202)に格納されたデータ1(203)、データ2(204)に対応してdata1(208)とdata2(209)のオブジェクトが存在する。このようにデータの数だけ仮想オブジェクトが存在する。
【0015】
アダプタオブジェクト(112)としてsystem1(210)のオブジェクトが存在する。アダプタオブジェクトはデータ管理システム毎に1つずつ存在する。アダプタオブジェクトは先にも定義したが、仮想オブジェクトをもとに実データを取り出す又は書き込む機能を備えている。具体的にはコンパイルされたプログラムモジュールからなるメソッドを持っている。仮想オブジェクトとアダプタオブジェクトはそれぞれのメタモデルのインスタンスである。そのインスタンスを生成する際に、メタモデルに定義されている関連定義(207)に従って、data1(208)、data2(209)とsystem1(219)のオブジェクト間にも関連情報(211)が設定される。この関連情報(211)は、オブジェクト指向に従って内部的にそれぞれのオブジェクトが関連するオブジェクトの参照を保持する(具体的にはポインタを設ける)ことで設定される。
【0016】
図3では、リポジトリ(106)に格納されるデータ形式について、データ管理システムB(301)のデータベース(302)がリレーショナルデータベースの場合における具体的な例を示している。メタモデル部(107)のアダプタオブジェクトのメタモデル(110)はリレーショナルデータベースをモデル化したRDB(304)、TABLE(305)、COLUMN(306)のクラスとそれらの関連定義(307,308)から構成される。
【0017】
オブジェクト部(108)ではアダプタオブジェクト(112)としてrdb1(312)、table1(313)、col 1(314)、col 2(315)、col 3(316)のオブジェクトとそれらの関連情報(317,318)が存在する。これらの関連情報は、オブジェクト指向に従って内部的にそれぞれのオブジェクトが関連するオブジェクトの参照を保持することで設定される。これらアダプタオブジェクト(112)を構成するオブジェクト(312〜316)はデータベース(302)に存在するテーブルの構成に従い作成されるものである。仮想オブジェクト(111)はデータベース(302)のテーブル内に存在するレコードに対応して生成される。そして、各レコードのコラム値が仮想オブジェクト(111)の属性値として格納される。
【0018】
図4は、オブジェクト統合管理システムにおけるリポジトリ(106)内のメタモデルとオブジェクト、およびデータ管理システムが保持する実データとの関係を示したものであり、図5のフローチャートと共に説明する。オブジェクト統合管理システム(102)はオブジェクトアクセスインタフェース(103)によってメタモデル管理部(104)に対してのアダプタオブジェクト(406)の生成要求を受け取る(501)。
【0019】
要求を受け取ったメタモデル管理部(104)はリポジトリ(106)にアダプタオブジェクト(406)の生成要求を行い(502)、リポジトリ(106)がアダプタオブジェクトメタモデル(402)のインスタンスを生成し、アダプタオブジェクト(406)として格納する(503,504)。メタモデル管理部(104)は、アダプタオブジェクト(406)を使用してデータ管理システムA(201)のデータベース(202)を参照し、実データを取得する(505)。実データが存在する場合(506)、その実データ1(203)に対応(408)して、リポジトリ(106)が仮想オブジェクトメタモデル(401)のインスタンスとして仮想オブジェクト1(404)を生成する(507,508)。このとき、仮想オブジェクト1(404)は、メタモデル定義部で定義されている関連(403)に従って、アダプタオブジェクト(406)との関連(407)を設定する(509)。この処理はインスタンスを生成するときに呼ばれるコンストラクタに実装することで、自動的に行われる。
【0020】
リポジトリ(106)は生成された仮想オブジェクト1(404)を格納し(510)、同様に残っている実データ2(204)に対しても対応(409)する仮想オブジェクト2(405)を生成、格納する(511)。このような関係でオブジェクト管理部(105)がリポジトリ(106)に格納された仮想オブジェクトを管理する事で、オブジェクト統合管理システム(102)は、様々な種類のデータ管理システムが保持する実データを統合管理する。
【0021】
ここでは、データベース(202)に実データ(203,204)が格納されている場合に付いて説明したが、データベースに限らずアクセス手段が存在する実データとして、記憶装置に保存されているファイルや、分散オブジェクト、プロトコルによって参照可能なメモリ上の動的なデータなども、それらの実データに対するアクセス処理をアダプタオブジェクトに実装することで、仮想オブジェクトとして統合管理の対象とする事が可能である。
【0022】
図6では、データ管理システムを新たに追加する場合の処理について示したものであり、図7のフローチャートと共に説明する。既にデータ管理システムA(201)との連携が定義されていて、リポジトリ(106)内には、仮想オブジェクトAのメタモデル(604)とアダプタオブジェクトAのメタモデル(606)、それらのインスタンスである仮想オブジェクト1(612)、仮想オブジェクト2(613)とアダプタオブジェクトA(615)が存在している。このとき、新たにデータ管理システムC(601)を連携させる場合について説明する。
【0023】
まず、データ利用者(101)がオブジェクト統合管理部(102)にデータ管理システムC(601)の追加要求を行なうことで、メタモデル管理部(104)がオブジェクトアクセスインタフェース(103)よりアダプタオブジェクトCのメタモデル(607)と仮想オブジェクトCのメタモデル(605)の追加要求を受け取る(701)。
【0024】
次に、メタモデル管理部(104)は要求されたメタモデル(605,607)をリポジトリ(106)に格納する処理を実行し(702)、リポジトリ(106)は要求されたメタモデル(605,607)を格納する(703)。
【0025】
このとき、データ管理システムC(601)のデータベース(602)がデータ管理システムA(201)のデータベース(202)と類似したアクセス手段であった場合は、アダプタオブジェクトCのメタモデル(607)をアダプタオブジェクトAのメタモデル(606)と継承関係(608)であることを定義する。図6において関係の定義608の矢印はアダプタオブジェクトCのメタモデルがアダプタオブジェクトAのメタモデルを継承していることを示す。これにより、アダプタオブジェクトAのメタモデル(606)に実装されているアクセス処理をアダプタオブジェクトCのメタモデル(607)が再利用可能となる。また、同種のデータ管理システムを追加する場合は、既存のアダプタオブジェクトAのメタモデル(606)から複数のインスタンスを生成してアダプタオブジェクトC(616)とすることも可能である。仮想オブジェクトのメタモデル間には関連(611)を定義する事により、異なるデータ管理システム間の実データの関連を扱うことが可能となる。具体的には、メタモデル間の関連を定義するとは互いに相手のオブジェクトへのポインタを1対多の関係で持っていることを意味している。
【0026】
次に、ここで追加したメタモデル定義のインスタンスとして,図5と同様にアダプタオブジェクトC(616)と仮想オブジェクト3(614)を生成する(704〜714)。このとき仮想オブジェクト間の関連(619)が仮想オブジェクト3(614)のインスタンス化処理の中で設定される(712)。これらの処理は、オブジェクト統合管理部(102)が提供するオブジェクトアクセスインタフェース(103)によって要求され、このようにアダプタオブジェクトと仮想オブジェクトをそれぞれのメタモデルのインスタンスとしてリポジトリ(106)に格納する事で、オブジェクト統合管理部(102)は、新たにデータ管理システムC(601)を追加する事が可能となる。
【0027】
同様に連携するデータ管理システムの削除や修正も可能であり、オブジェクトアクセスインタフェース(103)を使用する事で、オブジェクト統合管理部(102)は柔軟で効率の良い構成管理の機能を提供する。
【0028】
図8では、データ利用者がオブジェクト統合管理システムを使用してオブジェクトを参照する処理について、実データがリレーショナルデータベースに格納されている場合を例に示したものであり、図9のフローチャートと共に説明する。データ利用者(101)はオブジェクト統合管理部(102)が提供するオブジェクトアクセスインタフェース(103)を使用して統合管理されている様々なオブジェクトに対して統一された方法でアクセスする事が可能である。オブジェクトアクセスインタフェース(103)が仮想オブジェクトA(309)の参照要求を受け取ると、その要求をオブジェクト管理部(105)に渡す(901)。
【0029】
オブジェクト管理部(105)はリポジトリ(106)の機能を利用して仮想オブジェクトA(309)を検索し取得する(902,903)。仮想オブジェクトA(309)は、データ管理システムD(801)のデータベース(802)が保持するlistテーブルのIDが1のレコード(実デーータ)に対応している。そのため実際に名前や日付の値を取得するためにオブジェクト管理部(105)は仮想オブジェクトA(309)と関連付けられているアダプタオブジェクトD(112)を取得し(906)、それを使用して実データの値を参照する(907)。
【0030】
このときアダプタオブジェクトD(112)はデータ管理システムD(801)のデータベース(802)にアクセスするために、rdb1オブジェクト(311)からデータベース名(910)、table1オブジェクト(312)からテーブル名(911)、col 1オブジェクト(312)、col 2オブジェクト(313)、col 3オブジェクト(314)からカラム名(912)をそれぞれ取得することで、データベース(802)が提供するアクセス言語を使用してデータ取得メソッド(803)が実データの値を取得する(913)。取得した値はオブジェクトアクセスインタフェース(103)の戻り値としてデータ利用者(101)に返す(915,917)。このとき、一度取得した実データの値は、仮想オブジェクトの属性値として保存する(915)。これにより、2回目以降の参照要求の場合は実データへのアクセスをすることなく、仮想オブジェクトが保持する属性値をそのまま返すことによって(916)、オブジェクト参照のアクセス処理効率を向上させることが可能となる。ただし、データ管理システムが保持する実データが頻繁に更新される場合は、毎回実データの値を参照する。
【0031】
また、リポジトリ(106)のオブジェクト部に格納される仮想オブジェクトには、アダプタオブジェクトの関連を設定しない場合もある。これは実データとしてリポジトリ(106)に直接オブジェクトを管理させる場合であり、オブジェクト管理部(105)はこのような仮想オブジェクトの場合、(904)の条件判定により仮想オブジェクトの属性値を参照してその値を返す。
【0032】
図10では、オブジェクト統合管理システムの応用例の1つとして、仮想オブジェクトにおける関連情報を利用してデータ利用者(101)が効率良く目的のオブジェクトを操作するための処理を実装する方法について示したものであり、図11のフローチャートと共に説明する。オブジェクト統合管理を行う処理では、異なるオブジェクト間の関連をたどって、必要とするオブジェクトの集合を取得するという処理を必要とする場合がある。このとき、データ利用者は取得したいオブジェクトを1つずつ取得していると、オブジェクトの参照処理の効率が悪く、またデータ利用者とオブジェクト統合管理システムとの間のネットワークを流れるデータ量が増え、必要とするオブジェクトを全部取得するのに時間を要してしまう。
【0033】
そこで、本発明のオブジェクト統合管理システムでは、アダプタオブジェクトにデータ取得メソッドを実装するのと同様に、仮想オブジェクトにユーザカスタマイズ処理を実行するメソッドを実装することが可能である。例えば仮想オブジェクト4(1001)に関連した仮想オブジェクト2(613)を取得する処理を考える。単にオブジェクトの関連を辿って1つずつ取得する場合は、まず仮想オブジェクト4(1001)に関連(1004)する仮想オブジェクト3(614)を取得し、さらにその仮想オブジェクト3(614)に関連(619)する仮想オブジェクト2(613)を取得する。
【0034】
このときデータ利用者とオブジェクト統合管理システム間で仮想オブジェクト3(614)を受け渡すという無駄な処理が行われてしまう。そこで、仮想オブジェクト4(1001)のメタモデル定義に仮想オブジェクト2取得メソッド(1005)を実装する。仮想オブジェクト4(1001)に関連する仮想オブジェクト2(613)を取得する場合、まず仮想オブジェクト4(1001)の仮想オブジェクト2取得メソッド(1005)を実行する(1101,1102)。仮想オブジェクト2取得メソッド(1005)は、オブジェクト部(108)の内部で関連(1004)する仮想オブジェクト3(614)を取得し(1103)、さらに関連(619)する仮想オブジェクト2(613)を取得する(1104)。仮想オブジェクト2取得メソッド(1105)は、得られた仮想オブジェクト2(613)をデータ利用者に返す(1105)。
【0035】
これによって、データ利用者とオブジェクト統合管理システム間の無駄なデータの受け渡しがなくなり、複数のオブジェクトを使用した複雑なオブジェクト操作をオブジェクト部(108)内で実行し、その結果のみを返すという効率的な処理を追加することが可能となる。このようなユーザカスタマイズ処理は仮想オブジェクトのメタモデル定義に実装する事で、そのインスタンスである仮想オブジェクトすべてにおいて使用することが可能である。
【0036】
図12では、オブジェクト統合管理システムの応用例の1つとして、大規模システムにおけるオブジェクト統合管理システムの階層化について示している。オブジェクト統合管理部A(1201)は、オブジェクト統合管理部B(1202)とオブジェクト統合管理部C(1203)をそれぞれ1つのデータ管理システムとみなして扱う。これはオブジェクト統合管理システムのオブジェクトアクセスインタフェースによってオブジェクトを参照する処理を実装したアダプタオブジェクトを用意する事で可能である。
【0037】
2つのオブジェクト統合管理部(1202,1203)がそれぞれ複数のデータ管理システム(113〜115)を管理しているとき、データ利用者(101)はオブジェクト統合管理部A(1201)にアクセスすることによって、すべてのデータ管理システム(1202,1203,113〜115)が保持する実データを、その階層を意識することなく統一的にアクセスすることが可能となる。このような仕組みは、様々な形態のオブジェクトを統合管理する大規模な統合運用管理システムにおいて、拠点分散型のシステムを構築する場合に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】オブジェクト統合管理システムを含む全体の構成図である。
【図2】オブジェクト統合管理システムがリポジトリに格納するデータ形式の図である。
【図3】図2の例として、管理対象システムがリレーショナルデータベースの場合のデータ形式の図である。
【図4】オブジェクト統合管理システムで管理しているメタモデル定義とオブジェクトの構成の関係図である。
【図5】オブジェクト統合管理システムで管理しているメタモデル定義からオブジェクトを構成する処理のフローチャート図である。
【図6】オブジェクト統合管理システムの管理対象を追加する際の、メタモデル定義およびオブジェクトの構成図である。
【図7】オブジェクト統合管理システムの管理対象を追加する際の処理のフローチャート図である。
【図8】データ利用者がオブジェクト統合管理システムで管理されているオブジェクトを参照するときのオブジェクトの構成図である。
【図9】データ利用者がオブジェクト統合管理システムで管理されているオブジェクトを参照するときの処理のフローチャート図である。
【図10】仮想オブジェクトにおけるユーザカスタマイズ処理を実装実装した場合のオブジェクトの構成図である。
【図11】仮想オブジェクトにおけるユーザカスタマイズ処理のフローチャート図である。
【図12】オブジェクト統合管理システムを階層化したときの構成図である。
【符号の説明】
【0039】
101:データ利用者、クライアント、102,1201,1202,1203:オブジェクト統合管理部、103:オブジェクトアクセスインタフェース、104:メタモデル管理部、105:オブジェクト管理部、106:リポジトリ、107:メタモデル部、108:オブジェクト部、109,401,604,605:仮想オブジェクトメタモデル、110,402,606,607:アダプタオブジェクトメタモデル、111,404,405,612,613,614,1001:仮想オブジェクト、112,406,615,616,1002:アダプタオブジェクト、113〜115,201,301,601,801,1204〜1206:データ管理システム、202,302,602,802:データベース、203,204,603:実データ
【技術分野】
【0001】
本発明は、データベースやサーバなどネットワーク環境に分散して存在する形式の異なるデータを統合管理するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来ある企業内でもさまざまな種類のデータベースが導入されているのが普通である。これらのデータベース間には通常互換性はない。また、このようなネットワーク環境に分散しているデータベースやサーバなどの形式の異なるデータを管理するデータ管理システムを追加または削除する必要も出てくる。
【0003】
特許文献1には、「オブジェクトの格納位置を意識せずに等価的に扱う方法に関し、オブジェクトを論理層であらわした論理オブジェクトと、オブジェクトへのアクセスを実装したコネクタオブジェクトを作成し、両者の対応関係を変換テーブルを用いて管理するデータベース統合アプリケーション構築システム」が記載されている。ここで、オブジェクトの統合管理を行なう場合、そのオブジェクトへアクセスする処理を実装したコネクタオブジェクトと変換テーブルを修正する必要があり、統合管理対象の構成の管理が分散しているため、その管理方法を工夫する必要があった。
【0004】
【特許文献1】特開平11−96054号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
分散して存在する異なるデータに対して統一的にアクセスするために、特許文献1では、論理オブジェクトとコネクタオブジェクトを用意し、変換テーブルを使用して両者の対応関係を管理している。このとき、データの統合管理システムとして新規のデータを管理対象として追加する際、論理オブジェクトとコネクタオブジェクトの追加と変換テーブルの修正が必要である。この方法は、システムの拡張や変更に対する柔軟性を欠き、システムの管理、保守コストが悪いという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、オブジェクト統合管理システムとして、分散して存在する様々なデータの構成とアクセス処理の管理を、メタモデル管理部で一元管理することを可能とし、そのメタモデルに従ってオブジェクトを管理する事で、データの統合管理処理の効率化とシステムの構成管理に必要な保守コストの低減を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、メタモデル部というクラス定義と、オブジェクト部というそのクラスのインスタンスとをオブジェクト指向に従って永続化オブジェクトとして保存するリポジトリを使用する。このリポジトリのメタモデル部には仮想オブジェクトメタモデルと、アダプタオブジェクトメタモデルが格納され、オブジェクト部には実データに対応する仮想オブジェクトと、仮想オブジェクトから実データにアクセスする機能を有するアダプタオブジェクトが格納されている。これらをそれぞれ管理するメタモデル管理部(メタモデルの情報を作成、削除、変更する)とオブジェクト管理部(オブジェクトの作成、削除、変更をする)を設けることによりオブジェクト統合管理システムを構築する。更に、メタモデル管理部では、実データおよびそれを管理するデータ管理システムをモデル化し、メタモデルとして管理する。オブジェクト管理部では、メタモデル管理部で管理されているメタモデルのインスタンスとしてのオブジェクトを管理する。メタモデル管理部は、オブジェクト統合管理システムの管理対象となるデータ管理システムの構成を集中的に管理する。オブジェクト管理部はメタモデルから仮想オブジェクトとアダプタオブジェクトのインスタンスを生成する。これらのメタモデル情報の管理はオブジェクト統合管理システムが提供するインタフェースを使用することで実行される。
【0008】
ここで、データ管理システムをモデル化するとは、例えばデータ管理システムがリレーショナルデータベースであればデータベースの名称、形式、テーブルの構成、カラム名などでデータベースを表わすことを意味する。メタモデルとはモデルを定義する定義情報である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、様々なデータ管理システムが保持する実データを統合管理するオブジェクト統合管理システムにおいて、データ管理システムの追加、削除を容易にし、システム管理、構築、保守に要するコストを削減することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施例を図面により説明する。図1は本発明のオブジェクト統合管理システムの実施例を含む全体の図を示している。オブジェクト統合管理部(102)は、メタモデル管理部(104)とオブジェクト管理部(105)を備え、それぞれが管理する情報をリポジトリ(106)に格納する。統合管理対象となる実データは、ネットワーク環境に分散して存在し、その実データの種類によって、様々なデータ管理システムが存在する。リレーショナルデータベースを利用しているデータ管理システム1(113)や、文書データなどを格納する文書データベースを利用しているデータ管理システム2(114)、またその他のデータベースを利用しているものや、データベースに限らず実データを管理し、その実データに対するアクセス手段を提供するデータ管理システム3(115)などが存在する。
【0011】
オブジェクト統合管理部(102)はこれら様々な形態のデータ管理システム1〜3(113,114,115)で管理されている実データに対して、統合管理を実現する。オブジェクト統合管理部(102)は、メタモデル管理部(104)とオブジェクト管理部(105)によって、データ管理システム1〜3(113,114,115)とそこで管理されている実データに対してシステムやデータの構成情報を管理し、実データへのアクセス処理を実行する。オブジェクト管理部(105)はメタモデル管理部(104)で定義されたメタモデル(109,110)というクラスのインスタンスとしてオブジェクト(111,112)を管理する。また、オブジェクト管理部(105)は、データ管理システム1〜3(113,114,115)が保持している実データを管理するために、データ管理システム1〜3の所在や種類などの構成情報と、そのデータ管理システムが格納している実データに対するアクセス処理の機能を備えたアダプタオブジェクト(112)を使用してその実データにアクセスする。
【0012】
データ利用者(101)はオブジェクト統合管理部(102)が提供するオブジェクトアクセスインタフェース(103)を使用することで、実データの存在位置や格納形式を意識することなく、複数のデータ管理システム1〜3(113,114,115)が保持する実データを統一的にアクセスすることが出来る。このときオブジェクト統合管理部(102)は、アダプタオブジェクトを追加することで、様々なデータ管理システム1〜3(113,114,115)に対して統合管理の機能拡張性を提供する。
【0013】
図2では、リポジトリ(106)に格納されるデータ形式を示している。リポジトリ(106)に格納されるデータはメタモデル部(107)とオブジェクト部(108)に分類される。データ管理システムA(201)がデータベース(202)にデータ1(203)、データ2(204)を保持している場合、仮想オブジェクトのメタモデル(109)としてDATAというクラス(205)があり、その属性値として「名前」が文字列型であることが定義される。アダプタオブジェクトのメタモデル(110)としてデータ管理システムというクラス(206)があり、その属性値として「システム名」が文字列型であり、その操作として実データの取得と格納を行う処理の実装を定義する。この処理はデータベース(202)が提供するアクセス言語を使用した処理となる。換言すれば、アダプタオブジェクトメタモデル(110)はデータ操作をするメソッドの定義を持っている。また、DATAクラスとデータ管理システムクラス間には関連を定義(207)する。
【0014】
オブジェクト部ではメタモデル部で定義されたクラスのインスタンスとして、仮想オブジェクト(111)とアダプタオブジェクト(112)を格納する。仮想オブジェクト(111)として、実データであるデータベース(202)に格納されたデータ1(203)、データ2(204)に対応してdata1(208)とdata2(209)のオブジェクトが存在する。このようにデータの数だけ仮想オブジェクトが存在する。
【0015】
アダプタオブジェクト(112)としてsystem1(210)のオブジェクトが存在する。アダプタオブジェクトはデータ管理システム毎に1つずつ存在する。アダプタオブジェクトは先にも定義したが、仮想オブジェクトをもとに実データを取り出す又は書き込む機能を備えている。具体的にはコンパイルされたプログラムモジュールからなるメソッドを持っている。仮想オブジェクトとアダプタオブジェクトはそれぞれのメタモデルのインスタンスである。そのインスタンスを生成する際に、メタモデルに定義されている関連定義(207)に従って、data1(208)、data2(209)とsystem1(219)のオブジェクト間にも関連情報(211)が設定される。この関連情報(211)は、オブジェクト指向に従って内部的にそれぞれのオブジェクトが関連するオブジェクトの参照を保持する(具体的にはポインタを設ける)ことで設定される。
【0016】
図3では、リポジトリ(106)に格納されるデータ形式について、データ管理システムB(301)のデータベース(302)がリレーショナルデータベースの場合における具体的な例を示している。メタモデル部(107)のアダプタオブジェクトのメタモデル(110)はリレーショナルデータベースをモデル化したRDB(304)、TABLE(305)、COLUMN(306)のクラスとそれらの関連定義(307,308)から構成される。
【0017】
オブジェクト部(108)ではアダプタオブジェクト(112)としてrdb1(312)、table1(313)、col 1(314)、col 2(315)、col 3(316)のオブジェクトとそれらの関連情報(317,318)が存在する。これらの関連情報は、オブジェクト指向に従って内部的にそれぞれのオブジェクトが関連するオブジェクトの参照を保持することで設定される。これらアダプタオブジェクト(112)を構成するオブジェクト(312〜316)はデータベース(302)に存在するテーブルの構成に従い作成されるものである。仮想オブジェクト(111)はデータベース(302)のテーブル内に存在するレコードに対応して生成される。そして、各レコードのコラム値が仮想オブジェクト(111)の属性値として格納される。
【0018】
図4は、オブジェクト統合管理システムにおけるリポジトリ(106)内のメタモデルとオブジェクト、およびデータ管理システムが保持する実データとの関係を示したものであり、図5のフローチャートと共に説明する。オブジェクト統合管理システム(102)はオブジェクトアクセスインタフェース(103)によってメタモデル管理部(104)に対してのアダプタオブジェクト(406)の生成要求を受け取る(501)。
【0019】
要求を受け取ったメタモデル管理部(104)はリポジトリ(106)にアダプタオブジェクト(406)の生成要求を行い(502)、リポジトリ(106)がアダプタオブジェクトメタモデル(402)のインスタンスを生成し、アダプタオブジェクト(406)として格納する(503,504)。メタモデル管理部(104)は、アダプタオブジェクト(406)を使用してデータ管理システムA(201)のデータベース(202)を参照し、実データを取得する(505)。実データが存在する場合(506)、その実データ1(203)に対応(408)して、リポジトリ(106)が仮想オブジェクトメタモデル(401)のインスタンスとして仮想オブジェクト1(404)を生成する(507,508)。このとき、仮想オブジェクト1(404)は、メタモデル定義部で定義されている関連(403)に従って、アダプタオブジェクト(406)との関連(407)を設定する(509)。この処理はインスタンスを生成するときに呼ばれるコンストラクタに実装することで、自動的に行われる。
【0020】
リポジトリ(106)は生成された仮想オブジェクト1(404)を格納し(510)、同様に残っている実データ2(204)に対しても対応(409)する仮想オブジェクト2(405)を生成、格納する(511)。このような関係でオブジェクト管理部(105)がリポジトリ(106)に格納された仮想オブジェクトを管理する事で、オブジェクト統合管理システム(102)は、様々な種類のデータ管理システムが保持する実データを統合管理する。
【0021】
ここでは、データベース(202)に実データ(203,204)が格納されている場合に付いて説明したが、データベースに限らずアクセス手段が存在する実データとして、記憶装置に保存されているファイルや、分散オブジェクト、プロトコルによって参照可能なメモリ上の動的なデータなども、それらの実データに対するアクセス処理をアダプタオブジェクトに実装することで、仮想オブジェクトとして統合管理の対象とする事が可能である。
【0022】
図6では、データ管理システムを新たに追加する場合の処理について示したものであり、図7のフローチャートと共に説明する。既にデータ管理システムA(201)との連携が定義されていて、リポジトリ(106)内には、仮想オブジェクトAのメタモデル(604)とアダプタオブジェクトAのメタモデル(606)、それらのインスタンスである仮想オブジェクト1(612)、仮想オブジェクト2(613)とアダプタオブジェクトA(615)が存在している。このとき、新たにデータ管理システムC(601)を連携させる場合について説明する。
【0023】
まず、データ利用者(101)がオブジェクト統合管理部(102)にデータ管理システムC(601)の追加要求を行なうことで、メタモデル管理部(104)がオブジェクトアクセスインタフェース(103)よりアダプタオブジェクトCのメタモデル(607)と仮想オブジェクトCのメタモデル(605)の追加要求を受け取る(701)。
【0024】
次に、メタモデル管理部(104)は要求されたメタモデル(605,607)をリポジトリ(106)に格納する処理を実行し(702)、リポジトリ(106)は要求されたメタモデル(605,607)を格納する(703)。
【0025】
このとき、データ管理システムC(601)のデータベース(602)がデータ管理システムA(201)のデータベース(202)と類似したアクセス手段であった場合は、アダプタオブジェクトCのメタモデル(607)をアダプタオブジェクトAのメタモデル(606)と継承関係(608)であることを定義する。図6において関係の定義608の矢印はアダプタオブジェクトCのメタモデルがアダプタオブジェクトAのメタモデルを継承していることを示す。これにより、アダプタオブジェクトAのメタモデル(606)に実装されているアクセス処理をアダプタオブジェクトCのメタモデル(607)が再利用可能となる。また、同種のデータ管理システムを追加する場合は、既存のアダプタオブジェクトAのメタモデル(606)から複数のインスタンスを生成してアダプタオブジェクトC(616)とすることも可能である。仮想オブジェクトのメタモデル間には関連(611)を定義する事により、異なるデータ管理システム間の実データの関連を扱うことが可能となる。具体的には、メタモデル間の関連を定義するとは互いに相手のオブジェクトへのポインタを1対多の関係で持っていることを意味している。
【0026】
次に、ここで追加したメタモデル定義のインスタンスとして,図5と同様にアダプタオブジェクトC(616)と仮想オブジェクト3(614)を生成する(704〜714)。このとき仮想オブジェクト間の関連(619)が仮想オブジェクト3(614)のインスタンス化処理の中で設定される(712)。これらの処理は、オブジェクト統合管理部(102)が提供するオブジェクトアクセスインタフェース(103)によって要求され、このようにアダプタオブジェクトと仮想オブジェクトをそれぞれのメタモデルのインスタンスとしてリポジトリ(106)に格納する事で、オブジェクト統合管理部(102)は、新たにデータ管理システムC(601)を追加する事が可能となる。
【0027】
同様に連携するデータ管理システムの削除や修正も可能であり、オブジェクトアクセスインタフェース(103)を使用する事で、オブジェクト統合管理部(102)は柔軟で効率の良い構成管理の機能を提供する。
【0028】
図8では、データ利用者がオブジェクト統合管理システムを使用してオブジェクトを参照する処理について、実データがリレーショナルデータベースに格納されている場合を例に示したものであり、図9のフローチャートと共に説明する。データ利用者(101)はオブジェクト統合管理部(102)が提供するオブジェクトアクセスインタフェース(103)を使用して統合管理されている様々なオブジェクトに対して統一された方法でアクセスする事が可能である。オブジェクトアクセスインタフェース(103)が仮想オブジェクトA(309)の参照要求を受け取ると、その要求をオブジェクト管理部(105)に渡す(901)。
【0029】
オブジェクト管理部(105)はリポジトリ(106)の機能を利用して仮想オブジェクトA(309)を検索し取得する(902,903)。仮想オブジェクトA(309)は、データ管理システムD(801)のデータベース(802)が保持するlistテーブルのIDが1のレコード(実デーータ)に対応している。そのため実際に名前や日付の値を取得するためにオブジェクト管理部(105)は仮想オブジェクトA(309)と関連付けられているアダプタオブジェクトD(112)を取得し(906)、それを使用して実データの値を参照する(907)。
【0030】
このときアダプタオブジェクトD(112)はデータ管理システムD(801)のデータベース(802)にアクセスするために、rdb1オブジェクト(311)からデータベース名(910)、table1オブジェクト(312)からテーブル名(911)、col 1オブジェクト(312)、col 2オブジェクト(313)、col 3オブジェクト(314)からカラム名(912)をそれぞれ取得することで、データベース(802)が提供するアクセス言語を使用してデータ取得メソッド(803)が実データの値を取得する(913)。取得した値はオブジェクトアクセスインタフェース(103)の戻り値としてデータ利用者(101)に返す(915,917)。このとき、一度取得した実データの値は、仮想オブジェクトの属性値として保存する(915)。これにより、2回目以降の参照要求の場合は実データへのアクセスをすることなく、仮想オブジェクトが保持する属性値をそのまま返すことによって(916)、オブジェクト参照のアクセス処理効率を向上させることが可能となる。ただし、データ管理システムが保持する実データが頻繁に更新される場合は、毎回実データの値を参照する。
【0031】
また、リポジトリ(106)のオブジェクト部に格納される仮想オブジェクトには、アダプタオブジェクトの関連を設定しない場合もある。これは実データとしてリポジトリ(106)に直接オブジェクトを管理させる場合であり、オブジェクト管理部(105)はこのような仮想オブジェクトの場合、(904)の条件判定により仮想オブジェクトの属性値を参照してその値を返す。
【0032】
図10では、オブジェクト統合管理システムの応用例の1つとして、仮想オブジェクトにおける関連情報を利用してデータ利用者(101)が効率良く目的のオブジェクトを操作するための処理を実装する方法について示したものであり、図11のフローチャートと共に説明する。オブジェクト統合管理を行う処理では、異なるオブジェクト間の関連をたどって、必要とするオブジェクトの集合を取得するという処理を必要とする場合がある。このとき、データ利用者は取得したいオブジェクトを1つずつ取得していると、オブジェクトの参照処理の効率が悪く、またデータ利用者とオブジェクト統合管理システムとの間のネットワークを流れるデータ量が増え、必要とするオブジェクトを全部取得するのに時間を要してしまう。
【0033】
そこで、本発明のオブジェクト統合管理システムでは、アダプタオブジェクトにデータ取得メソッドを実装するのと同様に、仮想オブジェクトにユーザカスタマイズ処理を実行するメソッドを実装することが可能である。例えば仮想オブジェクト4(1001)に関連した仮想オブジェクト2(613)を取得する処理を考える。単にオブジェクトの関連を辿って1つずつ取得する場合は、まず仮想オブジェクト4(1001)に関連(1004)する仮想オブジェクト3(614)を取得し、さらにその仮想オブジェクト3(614)に関連(619)する仮想オブジェクト2(613)を取得する。
【0034】
このときデータ利用者とオブジェクト統合管理システム間で仮想オブジェクト3(614)を受け渡すという無駄な処理が行われてしまう。そこで、仮想オブジェクト4(1001)のメタモデル定義に仮想オブジェクト2取得メソッド(1005)を実装する。仮想オブジェクト4(1001)に関連する仮想オブジェクト2(613)を取得する場合、まず仮想オブジェクト4(1001)の仮想オブジェクト2取得メソッド(1005)を実行する(1101,1102)。仮想オブジェクト2取得メソッド(1005)は、オブジェクト部(108)の内部で関連(1004)する仮想オブジェクト3(614)を取得し(1103)、さらに関連(619)する仮想オブジェクト2(613)を取得する(1104)。仮想オブジェクト2取得メソッド(1105)は、得られた仮想オブジェクト2(613)をデータ利用者に返す(1105)。
【0035】
これによって、データ利用者とオブジェクト統合管理システム間の無駄なデータの受け渡しがなくなり、複数のオブジェクトを使用した複雑なオブジェクト操作をオブジェクト部(108)内で実行し、その結果のみを返すという効率的な処理を追加することが可能となる。このようなユーザカスタマイズ処理は仮想オブジェクトのメタモデル定義に実装する事で、そのインスタンスである仮想オブジェクトすべてにおいて使用することが可能である。
【0036】
図12では、オブジェクト統合管理システムの応用例の1つとして、大規模システムにおけるオブジェクト統合管理システムの階層化について示している。オブジェクト統合管理部A(1201)は、オブジェクト統合管理部B(1202)とオブジェクト統合管理部C(1203)をそれぞれ1つのデータ管理システムとみなして扱う。これはオブジェクト統合管理システムのオブジェクトアクセスインタフェースによってオブジェクトを参照する処理を実装したアダプタオブジェクトを用意する事で可能である。
【0037】
2つのオブジェクト統合管理部(1202,1203)がそれぞれ複数のデータ管理システム(113〜115)を管理しているとき、データ利用者(101)はオブジェクト統合管理部A(1201)にアクセスすることによって、すべてのデータ管理システム(1202,1203,113〜115)が保持する実データを、その階層を意識することなく統一的にアクセスすることが可能となる。このような仕組みは、様々な形態のオブジェクトを統合管理する大規模な統合運用管理システムにおいて、拠点分散型のシステムを構築する場合に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】オブジェクト統合管理システムを含む全体の構成図である。
【図2】オブジェクト統合管理システムがリポジトリに格納するデータ形式の図である。
【図3】図2の例として、管理対象システムがリレーショナルデータベースの場合のデータ形式の図である。
【図4】オブジェクト統合管理システムで管理しているメタモデル定義とオブジェクトの構成の関係図である。
【図5】オブジェクト統合管理システムで管理しているメタモデル定義からオブジェクトを構成する処理のフローチャート図である。
【図6】オブジェクト統合管理システムの管理対象を追加する際の、メタモデル定義およびオブジェクトの構成図である。
【図7】オブジェクト統合管理システムの管理対象を追加する際の処理のフローチャート図である。
【図8】データ利用者がオブジェクト統合管理システムで管理されているオブジェクトを参照するときのオブジェクトの構成図である。
【図9】データ利用者がオブジェクト統合管理システムで管理されているオブジェクトを参照するときの処理のフローチャート図である。
【図10】仮想オブジェクトにおけるユーザカスタマイズ処理を実装実装した場合のオブジェクトの構成図である。
【図11】仮想オブジェクトにおけるユーザカスタマイズ処理のフローチャート図である。
【図12】オブジェクト統合管理システムを階層化したときの構成図である。
【符号の説明】
【0039】
101:データ利用者、クライアント、102,1201,1202,1203:オブジェクト統合管理部、103:オブジェクトアクセスインタフェース、104:メタモデル管理部、105:オブジェクト管理部、106:リポジトリ、107:メタモデル部、108:オブジェクト部、109,401,604,605:仮想オブジェクトメタモデル、110,402,606,607:アダプタオブジェクトメタモデル、111,404,405,612,613,614,1001:仮想オブジェクト、112,406,615,616,1002:アダプタオブジェクト、113〜115,201,301,601,801,1204〜1206:データ管理システム、202,302,602,802:データベース、203,204,603:実データ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ管理システムによって管理される実データを統合管理するシステムにおいて、実データのそれぞれに対応して作成されている仮想オブジェクトと仮想オブジェクトを定義する仮想オブジェクトメタモデルと前記データ管理システムの構成情報と前記データ管理システムが格納している実データに対するアクセス処理の機能を持つアダプタオブジェクトと前記アダプタオブジェクトを定義するアダプタオブジェクトメタモデルとを格納するリボジトリと、前記リポジトリ内の前記仮想オブジェクトメタモデルと前記アダプタオブジェクトメタモデルを管理するメタモデル管理部と、前記仮想オブジェクトと前記アダプタオブジェクトを管理し前記アダプタオブジェクトを利用して実データにアクセスするオブジェクト管理部とを備え、
前記仮想オブジェクトメタモデルおよびアダプタオブジェクトメタモデルはそれぞれクラスであり、前記仮想オブジェクトおよび前記アダプタオブジェクトはそれぞれ対応するクラスのインスタンスであり、前記仮想オブジェクトメタモデルと前記アダプタオブジェクトメタモデルとは互いに関連づけられており、前記仮想オブジェクトと前記アダプタオブジェクトは互いに関連づけられていることを特徴とするオブジェクト統合管理システム。
【請求項2】
前記アダプタオブジェクトメタモデルは前記データ管理システム毎に生成されることを特徴とする請求項1記載のオブジェクト統合管理システム。
【請求項3】
前記オブジェクト管理部は仮想オブジェクトの参照要求を受けるとその仮想オブジェクトを前記リボジトリから取得しその仮想オブジェクトに関連づけられているアダプタオブジェクトを取得しそれを利用して実データの値を参照することを特徴とする請求項1記載のオブジェクト統合管理システム。
【請求項4】
実データを管理する複数のデータ管理システムのそれぞれの実データを統合管理するシステムにおいて、あるデータ管理システムについて実データのそれぞれに対応して作成される仮想オブジェクトと仮想オブジェクトを定義する仮想オブジェクトメタモデルと前記データ管理システムの構成情報と前記データ管理システムが格納している実データに対するアクセス処理の機能を持つアダプタオブジェクトと前記アダプタオブジェクトを定義するアダプタオブジェクトメタモデルとを格納するリボジトリと、前記リポジトリ内の前記仮想オブジェクトメタモデルと前記アダプタオブジェクトメタモデルを管理するメタモデル管理部と、前記仮想オブジェクトと前記アダプタオブジェクトを管理し前記アダプタオブジェクトを利用して実データにアクセスするオブジェクト管理部とを備え、更に、前記メタモデル管理部は新たなデータ管理システムの統合管理の追加要求を受けて新たなデータ管理システムに対応する仮想オブジェクトメタモデルとアダプタオブジェクトメタモデルを前記リボジトリに格納し、前記リポジトリ内では仮想オブジェクトメタモデル間およびアダプタオブジェクトメタモデル間でそれぞれ関連が定義され、前記新たにリポジトリに格納された仮想オブジェクトメタモデルとアダプタオブジェクトメタモデルのそれぞれのインスタンスとして仮想オブジェクトとアダプタオブジェクトが形成されることを特徴とするオブジェクト統合管理システム。
【請求項5】
前記メタモデル管理部は、前記あるデータ管理システムの仮想オブジェクトメタモデルと前記新たなデータ管理システムの仮想オブジェクトメタモデルとの間に関連を定義することを特徴とする請求項4記載のオブジェクト統合管理システム。
【請求項6】
実データを管理する複数のデータ管理システムのそれぞれの実データを統合管理するシステムにおいて、あるデータ管理システムについて実データのそれぞれに対応して作成される複数の仮想オブジェクトと仮想オブジェクトを定義する仮想オブジェクトメタモデルと前記データ管理システムの構成情報と前記データ管理システムが格納している実データに対するアクセス処理の機能を持つアダプタオブジェクトと前記アダプタオブジェクトを定義するアダプタオブジェクトメタモデルとを格納するリボジトリと、前記リポジトリ内の前記仮想オブジェクトメタモデルと前記アダプタオブジェクトメタモデルを管理するメタモデル管理部と、前記仮想オブジェクトと前記アダプタオブジェクトを管理し前記アダプタオブジェクトを利用して実データにアクセスするオブジェクト管理部とを備え、
前記仮想オブジェクトメタモデルおよびアダプタオブジェクトメタモデルはそれぞれクラスであり、前記仮想オブジェクトおよび前記アダプタオブジェクトはそれぞれ対応するクラスのインスタンスであり、前記仮想オブジェクトメタモデルと前記アダプタオブジェクトメタモデルとは互いに関連づけられており、前記仮想オブジェクトと前記アダプタオブジェクトは互いに関連づけられており、更に前記仮想オブジェクトの少なくとも1つは他の仮想オブジェクトを取得するメソッドが実装されていることを特徴とするオブジェクト統合管理システム。
【請求項7】
複数のオブジェクト統合管理システムが階層化されるように接続されたシステムであって、上位階層のオブジェクト統合管理システムは、下位階層のオブジェクト統合管理システムを前記データ管理システムとみなすように前記アダプタオブジェクトを設定するよう構成されたことを特徴とする請求項1記載のオブジェクト統合管理システム。
【請求項1】
データ管理システムによって管理される実データを統合管理するシステムにおいて、実データのそれぞれに対応して作成されている仮想オブジェクトと仮想オブジェクトを定義する仮想オブジェクトメタモデルと前記データ管理システムの構成情報と前記データ管理システムが格納している実データに対するアクセス処理の機能を持つアダプタオブジェクトと前記アダプタオブジェクトを定義するアダプタオブジェクトメタモデルとを格納するリボジトリと、前記リポジトリ内の前記仮想オブジェクトメタモデルと前記アダプタオブジェクトメタモデルを管理するメタモデル管理部と、前記仮想オブジェクトと前記アダプタオブジェクトを管理し前記アダプタオブジェクトを利用して実データにアクセスするオブジェクト管理部とを備え、
前記仮想オブジェクトメタモデルおよびアダプタオブジェクトメタモデルはそれぞれクラスであり、前記仮想オブジェクトおよび前記アダプタオブジェクトはそれぞれ対応するクラスのインスタンスであり、前記仮想オブジェクトメタモデルと前記アダプタオブジェクトメタモデルとは互いに関連づけられており、前記仮想オブジェクトと前記アダプタオブジェクトは互いに関連づけられていることを特徴とするオブジェクト統合管理システム。
【請求項2】
前記アダプタオブジェクトメタモデルは前記データ管理システム毎に生成されることを特徴とする請求項1記載のオブジェクト統合管理システム。
【請求項3】
前記オブジェクト管理部は仮想オブジェクトの参照要求を受けるとその仮想オブジェクトを前記リボジトリから取得しその仮想オブジェクトに関連づけられているアダプタオブジェクトを取得しそれを利用して実データの値を参照することを特徴とする請求項1記載のオブジェクト統合管理システム。
【請求項4】
実データを管理する複数のデータ管理システムのそれぞれの実データを統合管理するシステムにおいて、あるデータ管理システムについて実データのそれぞれに対応して作成される仮想オブジェクトと仮想オブジェクトを定義する仮想オブジェクトメタモデルと前記データ管理システムの構成情報と前記データ管理システムが格納している実データに対するアクセス処理の機能を持つアダプタオブジェクトと前記アダプタオブジェクトを定義するアダプタオブジェクトメタモデルとを格納するリボジトリと、前記リポジトリ内の前記仮想オブジェクトメタモデルと前記アダプタオブジェクトメタモデルを管理するメタモデル管理部と、前記仮想オブジェクトと前記アダプタオブジェクトを管理し前記アダプタオブジェクトを利用して実データにアクセスするオブジェクト管理部とを備え、更に、前記メタモデル管理部は新たなデータ管理システムの統合管理の追加要求を受けて新たなデータ管理システムに対応する仮想オブジェクトメタモデルとアダプタオブジェクトメタモデルを前記リボジトリに格納し、前記リポジトリ内では仮想オブジェクトメタモデル間およびアダプタオブジェクトメタモデル間でそれぞれ関連が定義され、前記新たにリポジトリに格納された仮想オブジェクトメタモデルとアダプタオブジェクトメタモデルのそれぞれのインスタンスとして仮想オブジェクトとアダプタオブジェクトが形成されることを特徴とするオブジェクト統合管理システム。
【請求項5】
前記メタモデル管理部は、前記あるデータ管理システムの仮想オブジェクトメタモデルと前記新たなデータ管理システムの仮想オブジェクトメタモデルとの間に関連を定義することを特徴とする請求項4記載のオブジェクト統合管理システム。
【請求項6】
実データを管理する複数のデータ管理システムのそれぞれの実データを統合管理するシステムにおいて、あるデータ管理システムについて実データのそれぞれに対応して作成される複数の仮想オブジェクトと仮想オブジェクトを定義する仮想オブジェクトメタモデルと前記データ管理システムの構成情報と前記データ管理システムが格納している実データに対するアクセス処理の機能を持つアダプタオブジェクトと前記アダプタオブジェクトを定義するアダプタオブジェクトメタモデルとを格納するリボジトリと、前記リポジトリ内の前記仮想オブジェクトメタモデルと前記アダプタオブジェクトメタモデルを管理するメタモデル管理部と、前記仮想オブジェクトと前記アダプタオブジェクトを管理し前記アダプタオブジェクトを利用して実データにアクセスするオブジェクト管理部とを備え、
前記仮想オブジェクトメタモデルおよびアダプタオブジェクトメタモデルはそれぞれクラスであり、前記仮想オブジェクトおよび前記アダプタオブジェクトはそれぞれ対応するクラスのインスタンスであり、前記仮想オブジェクトメタモデルと前記アダプタオブジェクトメタモデルとは互いに関連づけられており、前記仮想オブジェクトと前記アダプタオブジェクトは互いに関連づけられており、更に前記仮想オブジェクトの少なくとも1つは他の仮想オブジェクトを取得するメソッドが実装されていることを特徴とするオブジェクト統合管理システム。
【請求項7】
複数のオブジェクト統合管理システムが階層化されるように接続されたシステムであって、上位階層のオブジェクト統合管理システムは、下位階層のオブジェクト統合管理システムを前記データ管理システムとみなすように前記アダプタオブジェクトを設定するよう構成されたことを特徴とする請求項1記載のオブジェクト統合管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−323677(P2007−323677A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−227879(P2007−227879)
【出願日】平成19年9月3日(2007.9.3)
【分割の表示】特願2000−385355(P2000−385355)の分割
【原出願日】平成12年12月19日(2000.12.19)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月3日(2007.9.3)
【分割の表示】特願2000−385355(P2000−385355)の分割
【原出願日】平成12年12月19日(2000.12.19)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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