説明

オペレータの必要人数を算出する方法、装置、およびプログラム

【課題】呼の放棄率を取り入れたコンタクトセンタの実際の運用環境に近いモデルにおいて、設定したサービス目標を充足するための、オペレータの必要人数を算出する方法を提供すること。
【解決手段】要員数算出装置10は、少なくとも、ある時間帯における呼量と、呼に対する前記オペレータの平均処理時間と、呼の待ち合わせを放棄するまでの最大待ち時間とを入力パラメータとして受け付け、前記オペレータの人数を初期設定し、少なくとも前記呼量と前記人数に基づき、アーランC式によって前記呼が待ち合わせをする確率を算出し、少なくとも前記呼が待ち合わせをする確率と、前記入力パラメータに基づいて、サービス目標としての前記呼の放棄率を算出し、前記呼が待ち合わせをする確率の算出と、前記呼の放棄率の算出とを、前記人数の増減に対して漸化的に繰り返し、所定のサービス目標を充足するための必要人数を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタクトセンタにおけるオペレータの必要人数を算出する方法、装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、顧客のサポート窓口としてのコンタクトセンタ(コールセンタ)は、企業の中で重要な位置を占めるようになっている。特に、コンタクトセンタへの繋がり易さは、サービス目標と、その結果としての顧客満足度の向上にとって極めて重要である。例えば、コンタクトセンタへ何度電話を掛けても繋がらなければ、顧客満足度の低下を招き、更には、多くの顧客やビジネスチャンスを失うことにもなりうる。
【0003】
このような状況の中で、コンタクトセンタへの繋がり易さを研究、改善しようとする試みがなされている。例えば、特許文献1では、トラフィック理論を適用してアプリケーション・プログラム毎のデータ量を統合し、IPネットワークの最適な設備量を算出するネットワーク設備量算出装置が開示されている。また、非特許文献1では、コンタクトセンタのトラフィック問題として、外線数、内線数、着席数を、呼量、呼損率、平均待ち合わせ時間等から算出する方法が示されている。
【特許文献1】特開2002−77250号公報
【非特許文献1】菱沼 千明、“コンタクトセンターの「つながり易さ」を理論的に解明する”、[online]、東京工科大学、[平成18年8月21日検索]、インターネット<URL:http://www.teu.ac.jp/hishi/erlang/kaisetsu2.pdf>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の装置では、エージェント(オペレータ、あるいはコミュニケータ)の要員数は最適化の対象とはされていない。また、非特許文献1では、理論的なM/M/cモデルによって内線数を求めているが、実際の運用環境下では、理論モデルの前提条件が成り立たない場合も多い。特に、顧客は一度待ちに入ったら途中で放棄せず何分でも待つという条件は、極めて成り立ち難い。
【0005】
また、非特許文献1において、サービス目標として平均待ち合わせ時間を用いているが、考慮が必要な指標はこの他にも多数存在し、これらの指標の実測値を用いた調整を行っている。この方法では、実運用を行いながら次第に最適化を行っていくので、運用開始時における適切な設計はできない。
【0006】
そこで、本発明は、呼の放棄率を取り入れた実際の運用環境に近いモデルにおいて、設定したサービス目標を充足するための、オペレータの必要人数を算出する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的のため、具体的には、以下のようなものを提供する。
【0008】
(1) コンタクトセンタにおけるオペレータの必要人数をコンピュータが算出する方法であって、
少なくとも、ある時間帯における呼量と、呼に対する前記オペレータの平均処理時間と、呼の待ち合わせを放棄するまでの最大待ち時間とを入力パラメータとして受け付けるステップと、
前記オペレータの人数を初期設定するステップと、
少なくとも前記呼量と前記人数に基づき、アーランC式によって前記呼が待ち合わせをする確率を算出するステップと、
少なくとも前記呼が待ち合わせをする確率と、前記入力パラメータに基づいて、サービス目標としての前記呼の放棄率を算出するステップと、
前記呼が待ち合わせをする確率を算出するステップと、前記呼の放棄率を算出するステップとを、前記人数の増減に対して漸化的に繰り返し、所定のサービス目標を充足するための必要人数を算出するステップと、を含む方法。
【0009】
このような構成によれば、前記コンピュータは、少なくとも、ある時間帯における呼量と、呼に対する前記オペレータの平均処理時間と、呼の待ち合わせを放棄するまでの最大待ち時間とを入力パラメータとして受け付け、前記オペレータの人数を初期設定し、少なくとも前記呼量と前記人数に基づき、アーランC式によって前記呼が待ち合わせをする確率を算出し、少なくとも前記呼が待ち合わせをする確率と、前記入力パラメータに基づいて、サービス目標としての前記呼の放棄率を算出し、前記呼が待ち合わせをする確率の算出と、前記呼の放棄率の算出とを、前記人数の増減に対して漸化的に繰り返し、所定のサービス目標を充足するための必要人数を算出する。
【0010】
このことにより、理論モデルに基づいて、呼の放棄率という指標における所定のサービス目標を充足するためのオペレータの必要人数を算出することができる。
【0011】
(2) 前記コンピュータが、前記オペレータの処理時間のばらつきが指数分布すると仮定して算出する前記処理時間が前記最大待ち時間以上である確率に、前記呼が待ち合わせをする確率を乗じて、前記呼の放棄率を算出する(1)に記載の方法。
【0012】
このような構成によれば、前記コンピュータは、サービス目標として呼の放棄率を具体的に定義して、オペレータの必要人数を算出するための基準とすることができる。このことにより、予め設定したサービス目標が必要人数に反映され、その結果、顧客満足度を向上させるための必要人数を求めることができる。
【0013】
(3) 前記コンピュータが、前記呼が待ち合わせをする確率に基づいて、第2のサービス目標としての設定時間内応答率を算出するステップと、
前記呼が待ち合わせをする確率を算出するステップと、前記設定時間内応答率を算出するステップとを、オペレータ人数の増減に対して漸化的に繰り返し、所定のサービス目標を充足するための必要人数を算出するステップと、を更に含む(1)または(2)に記載の方法。
【0014】
このような構成によれば、前記コンピュータは、前記呼が待ち合わせをする確率に基づいて、第2のサービス目標としての設定時間内応答率を算出し、前記呼が待ち合わせをする確率の算出と、前記設定時間内応答率の算出とを、オペレータ人数の増減に対して漸化的に繰り返し、所定のサービス目標を充足するための必要人数を算出する。
【0015】
このことにより、サービス目標として設定時間内応答率という指標を加えるので、顧客満足度を向上させるために、(1)、(2)よりも更に細かな設定が可能となる。
【0016】
(4) 前記コンピュータが、曜日毎、および所定の時間帯毎に、前記オペレータの稼働率の入力を受け付けるステップと、
前記必要人数を、前記稼働率に応じて調節するステップと、を更に含む(1)から(3)のいずれかに記載の方法。
【0017】
このような構成によれば、前記コンピュータは、曜日毎、および所定の時間帯毎に、前記オペレータの稼働率の入力を受け付け、前記必要人数を、前記稼働率に応じて調節する。
【0018】
このことにより、必要人数の算出に、曜日毎や勤務時間帯(勤務形態)毎の稼働率を加味することができるため、例えば休憩や会議等によりオペレータとしての業務を行えない時間を考慮した、より現実に近い効果的な結果を得ることができる。
【0019】
(5) 前記コンピュータが、曜日毎、および所定の時間帯毎に、前記オペレータの欠席率の入力を受け付けるステップと、
前記必要人数を、前記欠席率に応じて調節するステップと、を更に含む(1)から(4)のいずれかに記載の方法。
【0020】
このような構成によれば、前記コンピュータは、曜日毎、および所定の時間帯毎に、前記オペレータの欠席率の入力を受け付け、前記必要人数を、前記欠席率に応じて調節する。
【0021】
このことにより、必要人数の算出に、曜日毎や勤務時間帯(勤務形態)毎のオペレータの欠席率を加味することができる。その結果、例えば時間帯や時期により欠席率が高くなる等、常に一定とはならない欠席率を考慮した、より現実に近い効果的な結果を得ることができる。
【0022】
(6) コンタクトセンタにおけるオペレータの必要人数を算出する装置であって、
少なくとも、ある時間帯における呼量と、呼に対する前記オペレータの平均処理時間と、呼の待ち合わせを放棄するまでの最大待ち時間とを入力パラメータとして受け付ける手段と、
前記オペレータの人数を初期設定する手段と、
少なくとも前記呼量と前記人数に基づき、アーランC式によって前記呼が待ち合わせをする確率を算出する手段と、
少なくとも前記呼が待ち合わせをする確率と、前記入力パラメータに基づいて、サービス目標としての前記呼の放棄率を算出する手段と、
前記呼が待ち合わせをする確率の算出と、前記呼の放棄率の算出とを、前記人数の増減に対して漸化的に繰り返し、所定のサービス目標を充足するための必要人数を算出する手段と、を備える装置。
【0023】
このような構成によれば、当該装置を運用することにより、(1)と同様の効果が期待できる。
【0024】
(7) 前記オペレータの処理時間のばらつきが指数分布すると仮定して算出する前記処理時間が前記最大待ち時間以上である確率に、前記呼が待ち合わせをする確率を乗じて、前記呼の放棄率を算出する(6)に記載の装置。
【0025】
このような構成によれば、当該装置を運用することにより、(2)と同様の効果が期待できる。
【0026】
(8) 前記呼が待ち合わせをする確率に基づいて、第2のサービス目標としての設定時間内応答率を算出する手段と、
前記呼が待ち合わせをする確率の算出と、前記設定時間内応答率の算出とを、オペレータ人数の増減に対して漸化的に繰り返し、所定のサービス目標を充足するための必要人数を算出する手段と、を更に備える(6)または(7)に記載の装置。
【0027】
このような構成によれば、当該装置を運用することにより、(3)と同様の効果が期待できる。
【0028】
(9) 曜日毎、および所定の時間帯毎に、前記オペレータの稼働率の入力を受け付ける手段と、
前記必要人数を、前記稼働率に応じて調節する手段と、を更に備える(6)から(8)のいずれかに記載の装置。
【0029】
このような構成によれば、当該装置を運用することにより、(4)と同様の効果が期待できる。
【0030】
(10) 曜日毎、および所定の時間帯毎に、前記オペレータの欠席率の入力を受け付ける手段と、
前記必要人数を、前記欠席率に応じて調節する手段と、を更に備える(6)から(9)のいずれかに記載の装置。
【0031】
このような構成によれば、当該装置を運用することにより、(5)と同様の効果が期待できる。
【0032】
(11) コンタクトセンタにおけるオペレータの必要人数をコンピュータに算出させるコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータに、
少なくとも、ある時間帯における呼量と、呼に対する前記オペレータの平均処理時間と、呼の待ち合わせを放棄するまでの最大待ち時間とを入力パラメータとして受け付けるステップと、
前記オペレータの人数を初期設定するステップと、
少なくとも前記呼量と前記人数に基づき、アーランC式によって前記呼が待ち合わせをする確率を算出するステップと、
少なくとも前記呼が待ち合わせをする確率と、前記入力パラメータに基づいて、サービス目標としての前記呼の放棄率を算出するステップと、
前記呼が待ち合わせをする確率を算出するステップと、前記呼の放棄率を算出するステップとを、前記人数の増減に対して漸化的に繰り返し、所定のサービス目標を充足するための必要人数を算出するステップと、を実行させるコンピュータ・プログラム。
【0033】
このような構成によれば、当該コンピュータ・プログラムをコンピュータに実行させることにより、(1)と同様の効果が期待できる。
【0034】
(12) 前記コンピュータに、前記オペレータの処理時間のばらつきが指数分布すると仮定して算出する前記処理時間が前記最大待ち時間以上である確率に、前記呼が待ち合わせをする確率を乗じて、前記呼の放棄率を算出させる(11)に記載のコンピュータ・プログラム。
【0035】
このような構成によれば、当該コンピュータ・プログラムをコンピュータに実行させることにより、(2)と同様の効果が期待できる。
【0036】
(13) 前記コンピュータに、前記呼が待ち合わせをする確率に基づいて、第2のサービス目標としての設定時間内応答率を算出するステップと、
前記呼が待ち合わせをする確率を算出するステップと、前記設定時間内応答率を算出するステップとを、オペレータ人数の増減に対して漸化的に繰り返し、所定のサービス目標を充足するための必要人数を算出するステップと、を更に実行させる(11)または(12)に記載のコンピュータ・プログラム。
【0037】
このような構成によれば、当該コンピュータ・プログラムをコンピュータに実行させることにより、(3)と同様の効果が期待できる。
【0038】
(14) 前記コンピュータに、曜日毎、および所定の時間帯毎に、前記オペレータの稼働率の入力を受け付けるステップと、
前記必要人数を、前記稼働率に応じて調節するステップと、を更に実行させる(11)から(13)のいずれかに記載のコンピュータ・プログラム。
【0039】
このような構成によれば、当該コンピュータ・プログラムをコンピュータに実行させることにより、(4)と同様の効果が期待できる。
【0040】
(15) 前記コンピュータに、曜日毎、および所定の時間帯毎に、前記オペレータの欠席率の入力を受け付けるステップと、
前記必要人数を、前記欠席率に応じて調節するステップと、を更に実行させる(11)から(14)のいずれかに記載のコンピュータ・プログラム。
【0041】
このような構成によれば、当該コンピュータ・プログラムをコンピュータに実行させることにより、(5)と同様の効果が期待できる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、呼の放棄率を取り入れた実際の運用環境に近いモデルにおいて、設定したサービス目標を充足するための、オペレータの必要人数を算出する方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
本発明に係る好適な実施形態の一例について、図面に基づいて以下に説明する。
【0044】
[機能構成]
図1は、本発明の好適な実施形態の一例に係る要員数算出装置10の機能構成を示すブロック図である。
【0045】
要員数算出装置10は、制御手段11、記憶手段12、入力手段13、出力手段14、必要人数算出手段15、待ち合わせ確率算出手段16、放棄率算出手段17、稼働率調整手段18から構成される。制御手段11は、入力手段13を介してユーザからの入力を受け付け、必要人数算出手段15により必要人数を算出して、出力手段14に表示する。
【0046】
制御手段11は、情報の演算、処理を行う情報演算処理装置(CPU)であり、要員数算出装置10全体の制御を行う。制御手段11は、記憶手段12に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述のハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0047】
記憶手段12は、制御手段11と組み合わせてプログラムの実行に使用するローカルメモリ、大容量のバルクメモリ、および当該バルクメモリの検索を効率的に行うために使用するキャッシュメモリを含んでよい。そして、制御手段11が実行する各種プログラム等を記憶する。記憶手段12を実現するコンピュータ可読媒体(記憶媒体)としては、電気的、磁気的、光学的、電磁的に実現するものを含んでよい。より具体的には、半導体記憶装置、磁気テープ、磁気ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リードオンリー・メモリ(ROM)、CD−ROMとCD−R/WとDVDとを含む光ディスクが含まれる。
【0048】
入力手段13は、更に、パラメータ入力手段131と稼働率入力手段132を含む。パラメータ入力手段131は、要員数算出装置10に必要人数を算出させるためのパラメータの入力を、ユーザから受け付ける手段であり、稼働率入力手段132は、算出された必要人数を調整するための稼働率の入力を、ユーザから受け付ける手段である。入力手段13は、具体的には、キーボード、ポインティング・デバイス等であり、直接または介在I/Oコントローラを介して要員数算出装置10と接続することができる。
【0049】
出力手段14は、ユーザにデータの入力を受け付ける画面を表示したり、制御手段11による演算処理結果の画面を表示したりするものであり、ブラウン管表示装置(CRT)、液晶表示装置(LCD)等のディスプレイ装置を含む。出力手段14は、直接または介在I/Oコントローラを介して要員数算出装置10と接続することができる。
【0050】
必要人数算出手段15は、待ち合わせ確率算出手段16、放棄率算出手段17、および稼働率調整手段18と協働して、コンタクトセンタにおけるオペレータの必要人数を算出する。その際、必要人数算出手段15は、必要に応じて、入力手段13を介して必要人数の算出に必要なパラメータ等を受け付け、待ち合わせ確率算出手段16、放棄率算出手段17、および稼働率調整手段18に当該パラメータ等の値を受け渡す。
【0051】
待ち合わせ確率算出手段16は、呼損率および呼が待ち合わせをする確率を算出する。放棄率算出手段17は、呼が待ち合わせをする確率に基づいて、待ち合わせ時間がパラメータの最大待ち時間を超える確率、すなわち呼の放棄率を算出する。その際、要員数算出装置10は、ユーザから、サービス目標として、この放棄率を所定の値に設定するための入力を受け付ける。
【0052】
必要人数算出手段15は、放棄率がサービス目標となるように、待ち合わせ確率算出手段16および放棄率算出手段17を利用して必要人数を算出した後、稼働率調整手段18により、稼働率を考慮した必要人数を算出する。なお、必要人数の算出処理は図2〜図4にて後述する。
【0053】
[必要人数算出処理(A)]
図2は、本発明の好適な実施形態の一例に係る必要人数算出処理(A)の流れを示す図である。
【0054】
ステップS105では、制御手段11は、パラメータ入力手段131を介して、必要なパラメータの入力を受け付け、必要人数算出手段15に受け渡す。パラメータとしては、少なくとも、コンタクトセンタで想定される呼量、オペレータの平均処理時間、最大待ち時間およびサービス目標としての放棄率を含む。
【0055】
呼量は、ユーザによる入力を受け付けてもよいし、例えば、過去の統計データを記憶手段12に記憶しておき、ユーザから日にちや時刻の入力を受け付けることにより、記憶手段12から読み出して算出に使用してもよい。なお、呼量は、単位時間(1秒)当たりの呼数に平均処理時間を乗ずることにより求めることができる。
【0056】
過去の統計データを使用する場合には、例えば、カレンダー情報(日にち、週、月等)やキャンペーン(業務)の区分等と関連付けて、呼量データ(呼量、あるいは呼数と平均処理時間)を記憶しておき、ユーザから選択入力を受け付けることにより、該当データを読み出すことにより実現できる。
【0057】
呼量データは、1日平均の値としてもよいが、例えば1時間等の所定時間当たりの値を用いれば、1日の中での呼量の増減に合わせた必要人数の推移を求めることができる。なお、過去の統計データを読み出した後、ユーザからの入力を受け付けて値の調整をすることが望ましい。
【0058】
このことにより、ユーザの入力操作を簡素化し、かつ、過去の統計データを用いるので、信頼性の高い入力パラメータとなることが期待できる。
【0059】
ステップS110では、必要人数算出手段15は、オペレータ数を初期設定する。具体的には、例えば、パラメータの呼量を代入してよく、あるいは単純には1人と設定してもよい。
【0060】
ステップS115では、稼働率調整手段18は、ステップS110にて設定したオペレータ数の稼働率による調整を行う。ここで、稼働率とは、アサインしたオペレータ全体に対する、所定の業務を実際に行うことのできる割合である。オペレータをアサインしたとしても、必ずしも担当の業務が常時行われているとは限らず、会議への出席や、教育、休憩等、担当の業務以外の時間が発生する場合があるため、稼働率による調整が必要となる。しかも、担当の業務以外の時間は、予定されているものばかりではなく、来客対応や障害対応等、突発的に発生するものもあり、オペレータによりその発生率も変化する。
【0061】
このように、常時変化する可能性のある稼働率について、ユーザの経験則や過去の統計データに基づいて必要人数を調整することにより、理論値を補正した、より精度の高いオペレータの必要人数を算出することができる。
【0062】
具体的には、オペレータ数を、所定の稼働率で除することにより求め、端数を切り捨てて整数化する。ここで、稼働率は、制御手段11が稼働率入力手段132を介して、ユーザから入力を受け付けたものである。これは、必要人数の算出に先立って、予め受け付けることとしてよい。
【0063】
なお、稼働率の入力は、一定値であってもよいし、例えば、曜日毎、時間毎等、様々な入力形態をとってよい。このように設定単位を細かくすれば、より精度の高い結果が得られる可能性がある。
【0064】
必要人数算出手段15は、その後、後続の処理(ステップS120〜ステップS130)を繰り返すことにより、オペレータ数を、稼働率を考慮した必要人数まで増加させる。
【0065】
ステップS120では、必要人数算出手段15は、待ち合わせ確率算出手段16および放棄率算出手段17と協働し、呼の放棄率を算出する。ここで、放棄率は、稼働率を考慮した実働(オペレータ数に稼働率を乗じた値)に対して算出することとする。なお、処理の詳細は図3にて後述する。
【0066】
ステップS125では、必要人数算出手段15は、ステップS120にて算出した放棄率がサービス目標を充足しているか否か(目標値以下であるか否か)を判別する。目標値以下の(サービス目標を充足している)場合には、処理をステップS135に移し、目標値を超えている(サービス目標を充足していない)場合には、処理をステップS130に移す。
【0067】
ステップS130では、必要人数算出手段15は、オペレータ数を1人増加させ、ステップS120に処理を戻す。オペレータ数が増加すれば放棄率は低くなるので(図3にて後述)、ステップS120〜ステップS130を繰り返すことにより、放棄率が目標値に達し、サービス目標を充足するためのオペレータ数の下限値が算出される。
【0068】
ステップS135では、制御手段11は、必要人数算出手段15から、ステップS110〜S130における必要人数の算出結果を受け取り、出力手段14を介して、当該算出結果を表示する。
【0069】
なお、本実施形態において、稼働率による調整は、ステップS110〜S115にて行っているが、稼働率を考慮しないオペレータの必要人数を出力手段14により表示した後に、ユーザから稼働率の入力を受け付けて調整することとしてもよい。
【0070】
[放棄率算出処理]
図3は、本発明の好適な実施形態の一例に係る放棄率算出処理の流れを示す図である。
【0071】
ステップS205では、待ち合わせ確率算出手段16は、呼損率を算出する。ここで、呼損率とは、入力呼量に対する損失呼量の割合である。すなわち、接続を試みた呼が、回線が使用中であるために接続できない割合であり、顧客にとっての電話の繋がり易さを表す数値である。
【0072】
呼損率は、以下の漸化式(式1)により算出する。
【数1】

【0073】
ここで、cはオペレータ数である。aは呼量であり、単位時間(1秒)当たりの呼数に平均処理時間を乗じた値である。
【0074】
ステップS210では、待ち合わせ確率算出手段16は、呼損率に基づき、呼が待ち合わせをする確率を算出する。ここでは、M/M/cモデルを適用し、ステップS205で求めた呼損率を以下の式2に代入して、呼が待ち合わせをする確率(M)を算出する。
【数2】

【0075】
ステップS215では、放棄率算出手段は、ステップS210にて算出した呼が待ち合わせをする確率を受け取り、呼の放棄率を算出する。具体的には、M/M/cモデルに基づき、オペレータの処理時間が指数分布でばらついていることを前提に、式3によって待ち合わせ時間が最大待ち時間以上である確率として、呼の放棄率(S)を算出する。
【数3】

【0076】
ここで、hは最大待ち時間、AHT(Average Handle Time)は平均処理時間であり、どちらも、パラメータとしてステップS105(図2)にて受け取ったものである。なお、平均処理時間には後処理(ACW、After Call Work)も含むものとする。
【0077】
[必要人数算出処理(B)]
図4は、本発明の好適な実施形態の一例に係る必要人数算出処理(B)の流れを示す図である。図2の必要人数算出処理(A)では、オペレータ数を1ずつ増加させて漸化的に処理を行ったが、算出方法はこれに限られず、その他の方法により処理効率の改善を図ることができる。本処理では、その一例として2分法を用いている。
【0078】
ステップS305では、制御手段11は、ステップS105(図2)と同様に、必要なパラメータの入力を受け付ける。
【0079】
ステップS310では、必要人数算出手段15は、初期値として、最少オペレータ数(α)を設定する。具体的には、例えば、呼量を稼働率で除した値を、小数点以下の端数を切り捨てて代入してよく、あるいは単純には1人と設定してもよい。
【0080】
ステップS315では、必要人数算出手段15は、オペレータ数がαの場合の放棄率を放棄率算出処理(図3)により算出する。このとき、オペレータ数には稼働率を乗じた値を用いて算出する。
【0081】
ステップS320では、必要人数算出手段15は、ステップS315にて算出した放棄率が、目標値以下であるか否かを判別する。目標値以下の場合(サービス目標を充足している場合)には、ステップS325に処理を移し、目標値を超えている場合(サービス目標を充足していない場合)には、ステップS330に処理を移す。
【0082】
ステップS325では、必要人数算出手段15は、ステップS310にて設定した最少オペレータ数(α)でサービス目標を充足すると判別できるので、必要人数にαを設定し、ステップS380に処理を移す。
【0083】
ステップS330では、必要人数算出手段15は、初期値として、最多オペレータ数(β)を設定する。具体的には、例えば、実務上可能な最大人数や、その他の十分に大きい数を設定する。
【0084】
ステップS335では、必要人数算出手段15は、オペレータ数がβの場合の放棄率を放棄率算出処理(図3)により算出する。このとき、オペレータ数には稼働率を乗じた値を用いて算出する。
【0085】
ステップS340では、必要人数算出手段15は、ステップS335にて算出した放棄率が、目標値以下であるか否かを判別する。目標値以下の場合(サービス目標を充足している場合)には、ステップS345に処理を移し、目標値を超えている場合(サービス目標を充足していない場合)には、サービス目標を充足するオペレータ数を算出できないため、本処理を終了する。その際、目標値が実現可能な限界を超えているので、算出に失敗した旨を示すメッセージを出力手段14により表示することとしてもよい。
【0086】
ステップS345では、必要人数算出手段15は、αとβの中間値としてγを求める。γもαやβと同様に整数とし、例えば、小数点以下を切り捨てて整数化する。
【0087】
ステップS350では、必要人数算出手段15は、オペレータ数がγの場合の放棄率を放棄率算出処理(図3)により算出する。このとき、オペレータ数には稼働率を乗じた値を用いて算出する。
【0088】
ステップS355では、必要人数算出手段15は、ステップS350にて算出した放棄率が、目標値以下であるか否かを判別する。目標値以下の場合(サービス目標を充足している場合)には、ステップS360に処理を移し、目標値を超えている場合(サービス目標を充足していない場合)には、ステップS365に処理を移す。
【0089】
ステップS360では、必要人数算出手段15は、最多オペレータ数(β)にγを代入し、ステップS365では、最少オペレータ数(α)にγを代入する。このことにより、オペレータ数がαの場合はサービス目標を充足せず、βの場合には充足するという条件を満たしつつ、αとβの差を狭めることになる。
【0090】
ステップS370では、必要人数算出手段15は、αとβの差が1以下(0または1)であるか否かを判別する。1以下となった場合には、ステップS375に処理を移し、2以上の場合には、ステップS345〜ステップS370の処理を繰り返す。
【0091】
以上のステップにより、サービス目標を充足するか否かの境界となるオペレータ数が求まる。したがって、ステップS375では、必要人数算出手段15は、βがサービス目標を充足する最小値と判別し、必要人数にβを設定する。
【0092】
ステップS380では、出力手段14は、必要人数算出処理(A)のステップS135(図2)と同様に、以上のステップで算出した結果を表示する。
【0093】
以上のように、必要人数算出処理(A)または(B)により、呼の放棄率がサービス目標を充足するためのオペレータの必要人数が算出される。ここで、サービス目標としては、呼の放棄率の他にも、例えば、設定時間内応答率を設定することもできる。これは、設定時間内にオペレータが応答する割合を示し、上記の式3において、hを設定時間に置き換えたときに、1−Sで算出できる。
【0094】
これらを同時に設定することによれば、サービス目標を、きめ細かく設定することができ、条件がより厳しい方を充足するための、必要人数を算出することができる。
【0095】
また、式2の呼が待ち合わせをする確率(M)に基づき、1−Mで算出する応答率(待ち合わせが発生せずに、オペレータが応答する割合)をサービス目標としてもよい。
【0096】
また、以下の式4にて算出される平均待ち合わせ時間(W)をサービス目標としてもよい。
【数4】

【0097】
[表示例]
図5は、本発明の好適な実施形態の一例に係る入力受け付け画面、およびオペレータの必要人数を算出した結果の表示例を示す図である。
【0098】
サービス目標入力欄22により、ユーザから、サービス目標としての指標の選択と、当該選択に応じたパラメータの入力を受け付ける。例えば、設定時間内応答率を選択された場合には、設定時間および設定時間内応答率、あるいは最大待ち時間および放棄率の入力を受け付ける。
【0099】
稼働率入力欄23は、前述の稼働率の入力を受け付けるフィールドである。ここでは、曜日単位での稼働率の入力を受け付ける。なお、入力態様はこれに限られず、例えば1日の中でも細分化し、勤務時間帯(例えば、早番、遅番等)毎等、様々な態様をとることができる。
【0100】
図6は、図5の詳細設定指示欄25の押下により表示される稼働率の詳細入力受け付け画面の例である。図6の例では、例えば、「月曜日、AM:80%、PM:85%、Night:80%、Midnight:75%」等と稼働率が入力され、曜日および時間帯毎に設定されることを示している。
【0101】
更には、稼働率と同種のパラメータとして、欠席率の入力を、欠席率入力欄24から受け付けてもよい。これは、有給や欠勤等のために計画した人数から減少する割合を示している。ここで、欠席率については、例えば、曜日毎の入力を可能とし、更には、1日の中で、勤務時間帯(例えば、早番、遅番等)に応じた値を設定することとしてもよい。
【0102】
図7は、図5の詳細設定指示欄26の押下により表示される詳細入力受け付け画面の例である。図7の例では、例えば、「月曜日、AM:5%、PM:3%、Night:5%、Midnight:7%」等と欠席率が入力され、曜日および時間帯毎に設定されることを示している。
【0103】
このように、オペレータの稼働率および欠席率の入力を受け付けることにより、要員数算出装置10は、日々、時間帯毎に変化する稼働状況(稼働率、欠席率)を加味した上で、要員配置計画を立てるための必要人数を算出することができる。
【0104】
再び図5を参照し、要員数算出装置10は、必要人数計算ボタン27の押下を受け付けることにより、前述のようにオペレータの必要人数を算出し、結果グラフ20や結果表21として、算出結果を表示する。
【0105】
結果グラフ20は、1時間毎の必要人数の算出結果を示しており、結果表21は、それぞれの具体的な数値を示している。なお、表示態様はこれに限られず、例えば1日毎の値を表示することとしてもよい。また、ユーザからの選択入力を受け付けて、それぞれの表示態様を切り替えてもよい。
【0106】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の好適な実施形態の一例に係る要員数算出装置10の機能構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の好適な実施形態の一例に係る必要人数算出処理(A)の流れを示す図である。
【図3】本発明の好適な実施形態の一例に係る放棄率算出処理の流れを示す図である。
【図4】本発明の好適な実施形態の一例に係る必要人数算出処理(B)の流れを示す図である。
【図5】本発明の好適な実施形態の一例に係る入力受け付け画面、およびオペレータの必要人数を算出した結果の表示例を示す図である。
【図6】本発明の好適な実施形態の一例に係る稼働率の詳細入力受け付け画面の表示例を示す図である。
【図7】本発明の好適な実施形態の一例に係る欠席率の詳細入力受け付け画面の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0108】
10 要員数算出装置
11 制御手段
12 記憶手段
13 入力手段
14 出力手段
15 必要人数算出手段
16 待ち合わせ確率算出手段
17 放棄率算出手段
18 稼働率調整手段
20 結果グラフ
21 結果表
22 サービス目標入力欄
23 稼働率入力欄
24 欠席率入力欄
25、26 詳細設定指示欄
27 必要人数計算ボタン
131 パラメータ入力手段
132 稼働率入力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクトセンタにおけるオペレータの必要人数をコンピュータが算出する方法であって、
少なくとも、ある時間帯における呼量と、呼に対する前記オペレータの平均処理時間と、呼の待ち合わせを放棄するまでの最大待ち時間とを入力パラメータとして受け付けるステップと、
前記オペレータの人数を初期設定するステップと、
少なくとも前記呼量と前記人数に基づき、アーランC式によって前記呼が待ち合わせをする確率を算出するステップと、
少なくとも前記呼が待ち合わせをする確率と、前記入力パラメータに基づいて、サービス目標としての前記呼の放棄率を算出するステップと、
前記呼が待ち合わせをする確率を算出するステップと、前記呼の放棄率を算出するステップとを、前記人数の増減に対して漸化的に繰り返し、所定のサービス目標を充足するための必要人数を算出するステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記コンピュータが、前記オペレータの処理時間のばらつきが指数分布すると仮定して算出する前記処理時間が前記最大待ち時間以上である確率に、前記呼が待ち合わせをする確率を乗じて、前記呼の放棄率を算出する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コンピュータが、前記呼が待ち合わせをする確率に基づいて、第2のサービス目標としての設定時間内応答率を算出するステップと、
前記呼が待ち合わせをする確率を算出するステップと、前記設定時間内応答率を算出するステップとを、オペレータ人数の増減に対して漸化的に繰り返し、所定のサービス目標を充足するための必要人数を算出するステップと、を更に含む請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記コンピュータが、曜日毎、および所定の時間帯毎に、前記オペレータの稼働率の入力を受け付けるステップと、
前記必要人数を、前記稼働率に応じて調節するステップと、を更に含む請求項1から請求項3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記コンピュータが、曜日毎、および所定の時間帯毎に、前記オペレータの欠席率の入力を受け付けるステップと、
前記必要人数を、前記欠席率に応じて調節するステップと、を更に含む請求項1から請求項4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
コンタクトセンタにおけるオペレータの必要人数を算出する装置であって、
少なくとも、ある時間帯における呼量と、呼に対する前記オペレータの平均処理時間と、呼の待ち合わせを放棄するまでの最大待ち時間とを入力パラメータとして受け付ける手段と、
前記オペレータの人数を初期設定する手段と、
少なくとも前記呼量と前記人数に基づき、アーランC式によって前記呼が待ち合わせをする確率を算出する手段と、
少なくとも前記呼が待ち合わせをする確率と、前記入力パラメータに基づいて、サービス目標としての前記呼の放棄率を算出する手段と、
前記呼が待ち合わせをする確率の算出と、前記呼の放棄率の算出とを、前記人数の増減に対して漸化的に繰り返し、所定のサービス目標を充足するための必要人数を算出する手段と、を備える装置。
【請求項7】
前記オペレータの処理時間のばらつきが指数分布すると仮定して算出する前記処理時間が前記最大待ち時間以上である確率に、前記呼が待ち合わせをする確率を乗じて、前記呼の放棄率を算出する請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記呼が待ち合わせをする確率に基づいて、第2のサービス目標としての設定時間内応答率を算出する手段と、
前記呼が待ち合わせをする確率の算出と、前記設定時間内応答率の算出とを、オペレータ人数の増減に対して漸化的に繰り返し、所定のサービス目標を充足するための必要人数を算出する手段と、を更に備える請求項6または請求項7に記載の装置。
【請求項9】
曜日毎、および所定の時間帯毎に、前記オペレータの稼働率の入力を受け付ける手段と、
前記必要人数を、前記稼働率に応じて調節する手段と、を更に備える請求項6から請求項8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
曜日毎、および所定の時間帯毎に、前記オペレータの欠席率の入力を受け付ける手段と、
前記必要人数を、前記欠席率に応じて調節する手段と、を更に備える請求項6から請求項9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
コンタクトセンタにおけるオペレータの必要人数をコンピュータに算出させるコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータに、
少なくとも、ある時間帯における呼量と、呼に対する前記オペレータの平均処理時間と、呼の待ち合わせを放棄するまでの最大待ち時間とを入力パラメータとして受け付けるステップと、
前記オペレータの人数を初期設定するステップと、
少なくとも前記呼量と前記人数に基づき、アーランC式によって前記呼が待ち合わせをする確率を算出するステップと、
少なくとも前記呼が待ち合わせをする確率と、前記入力パラメータに基づいて、サービス目標としての前記呼の放棄率を算出するステップと、
前記呼が待ち合わせをする確率を算出するステップと、前記呼の放棄率を算出するステップとを、前記人数の増減に対して漸化的に繰り返し、所定のサービス目標を充足するための必要人数を算出するステップと、を実行させるコンピュータ・プログラム。
【請求項12】
前記コンピュータに、前記オペレータの処理時間のばらつきが指数分布すると仮定して算出する前記処理時間が前記最大待ち時間以上である確率に、前記呼が待ち合わせをする確率を乗じて、前記呼の放棄率を算出させる請求項11に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項13】
前記コンピュータに、前記呼が待ち合わせをする確率に基づいて、第2のサービス目標としての設定時間内応答率を算出するステップと、
前記呼が待ち合わせをする確率を算出するステップと、前記設定時間内応答率を算出するステップとを、オペレータ人数の増減に対して漸化的に繰り返し、所定のサービス目標を充足するための必要人数を算出するステップと、を更に実行させる請求項11または請求項12に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項14】
前記コンピュータに、曜日毎、および所定の時間帯毎に、前記オペレータの稼働率の入力を受け付けるステップと、
前記必要人数を、前記稼働率に応じて調節するステップと、を更に実行させる請求項11から請求項13のいずれかに記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項15】
前記コンピュータに、曜日毎、および所定の時間帯毎に、前記オペレータの欠席率の入力を受け付けるステップと、
前記必要人数を、前記欠席率に応じて調節するステップと、を更に実行させる請求項11から請求項14のいずれかに記載のコンピュータ・プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−187604(P2008−187604A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−20909(P2007−20909)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(505391285)ピーアンドダブリューソリューションズ株式会社 (17)
【Fターム(参考)】