説明

オリジナルカレンダー作製材料

【課題】本発明によれば、オリジナルカレンダーの作製材料は、好みの写真や絵柄を用いて自由にデザインすることができ、良好なオリジナルカレンダーの作製材料を提供することができる。
【解決手段】オリジナルカレンダー作製材料は、印刷可能または印刷済みの暦部(5)と、画像貼着部(6)とを備えてなり、画像貼着部(6)は、基材(2)上に粘着層(3)、セパレータ(4)をこの順に有し、セパレータ(4)は任意の形状にスリットされてなる。これにより、画像貼着部(6)に画像を貼る場合には、配置する画像の配置を定めた後、配置する画像と重なる区画のセパレータの内、全て重なる部分を剥離して一部重なる部分を剥離しないようにする。このようにして、好みの画像を用いて自由にデザインすることができ、良好なオリジナルカレンダーを作製することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着シートのカレンダーに写真やはがきなどの好みの画像を貼着することができるオリジナル画像のカレンダー作製に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に市販されたカレンダーには、暦を表示する部分や、写真や絵柄などを表示する部分などが印刷されている。このようなカレンダーは利用者の好みに応じて購入することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−287478号公報(従来の技術)
【特許文献2】特開2003−094859号公報(従来の技術)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、カレンダーの利用者の中には、従来のカレンダーだけでは十分に満足できず、好みの写真や好みの絵柄などをカレンダーに用いて個人用カレンダーを作製して楽しみたいという要求があった。このような要求に対し、一般的に市販されたカレンダーでは対応できないため、もし個人用のカレンダーを新たに作製するとなると、その作製に費やす時間と手間が大変かかるという問題があった。
【0005】
これに対し、特許文献1は、個人用のカレンダーが製作できるように好みの写真や絵柄を選択することができ、それらをカレンダーに取り付け可能にしたカレンダーに関するものである。当該技術によれば、カレンダーに好みの写真や絵柄を選択して用い個人用のカレンダーが作製できるという課題が達成可能ではあるが、写真や絵柄を指し込んで装着するための切れ込みが固定した位置に設けられているため、用いる写真や絵柄の大きさや形状がこの切れ込みに適合しない場合には、その写真や絵柄を用いることができないという問題があった。
【0006】
また、特許文献2は、カレンダーの台紙に暦を表示した欄と写真や絵柄などのプリントを貼り付けるスペースとを備え、このスペースに好みの写真や絵柄を選択して用いることができ、個人用のカレンダーが作製できるという課題は達成可能ではある。しかし、このスペースに写真や絵柄を貼り付ける際に、スペース全面を覆ったセパレータを剥がして用いるため、たとえばこのスペース部分の内、セパレータの一部分に文字や装飾などを印刷して剥離しない部分として残し、他方の印刷しなかったセパレータの部分には写真や絵柄などを貼り付ける部分として使用するといった使い方ができず、必ずしもデザインを自由に行えるものとはいえなかった。
【0007】
そこで、本発明は、好みの写真や絵柄を用いて自由にデザインすることができるオリジナルカレンダー作製材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明者は鋭意研究した結果、暦部又は暦形成部と、画像粘着部に任意の形状にスリットされるセパレータとを有することにより、好みの写真や絵柄を用いてカレンダーのデザインを自由にすることができることを見出し、これを解決するに至った。
【0009】
すなわち、本発明のオリジナルカレンダー作製材料は、暦部又は暦形成部と、画像貼着部とを備えてなり、前記画像貼着部は、基材上に粘着層、セパレータをこの順に有し、前記セパレータは任意の形状にスリットされてなることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明のオリジナルカレンダー作製材料は、粘着層が再貼着再剥離性を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明のオリジナルカレンダー作製材料は、セパレータを任意形状に分割して剥離可能とすることにより、好みの画像を好みのレイアウトに合わせて画像貼着部に画像を貼着することができ、カレンダーのデザインを自由に行うことができる。また、本発明のオリジナルカレンダー作製材料は、粘着層に再貼着再剥離性を備えさせることにより、画像の再貼着再剥離時により生じる弊害、即ち、画像が破れて損傷することなく良好に剥離することができつつ、希望する最良の位置に画像を貼着することができるといった使い方ができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図
【図2】本発明の一実施形態を説明する概略図
【図3】本発明の他の実施形態を示す断面図
【図4】本発明の他の実施形態を示す断面図
【図5】本発明の他の実施形態を示す断面図
【図6】本発明の他の実施形態を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のオリジナルカレンダー作製材料は、暦部又は暦形成部と、画像貼着部とを備えてなり、前記画像貼着部は、基材上に粘着層、セパレータをこの順に有し、前記セパレータは任意の形状にスリットされてなることを特徴とするものである。以下、各構成要素の実施の形態を説明する。
【0014】
本発明のオリジナルカレンダー作製材料(1)は、たとえば、図1のように、暦部(5)又は暦形成部(5−1)と、画像貼着部(6)を備えてなり、画像貼着部(6)は、基材(2)上に粘着層(3)、セパレータ(4)をこの順に有し、セパレータ(4)は任意の形状にスリットされてなる。
【0015】
画像貼着部(6)は、基材(2)上に粘着層(3)、セパレータ(4)をこの順に有する構成である。
【0016】
セパレータは、刃物を使用した従来技術によりスリットする。また、スリットの形状や大きさは、特には限定されずどのような形状や大きさのものを用いてもよい。こうしてセパレータはスリットされて、区画ごとに分割され、区画ごとに剥離可能となる。
【0017】
こうしてセパレータは、スリットされることにより次の効果が得られる。
【0018】
スリットの効果の1として、貼りたいものの下のセパレータを剥がして貼着することができる。たとえば、図2のように、画像貼着部(6)に縦長の画像(8)を貼る場合には、縦長の画像(8)の配置する位置を定めた後、配置する画像(9)と重なる区画のセパレータの内、全て重なる部分を剥離して一部重なる部分を剥離しないのが好適である。このような条件で剥離された区画は、露出した粘着層(10)に配置する画像(9)を貼着することができる。
【0019】
また、横位置に画像を配置したいといった場合や、斜めに画像を配置したいといった場合には、縦位置の場合と同様にして画像を貼着することができる。さらに、複数の画像を貼着したいといった場合にも、複数の画像の配置を定め、配置された複数の画像と重なる区画のセパレータについて上記の条件に従ってセパレータを剥離して画像を貼着することができる。このようにして、本発明のオリジナルカレンダーは、貼りたいものの下のセパレータを剥がして貼着することができる。
【0020】
一方、セパレータがスリットされない形態(本発明と異なる)とした場合には、セパレータの全体が一体になって剥離除去されてしまう。このため、画像を貼らない部分も粘着層が露出してしまい、このままではカレンダーとして扱いにくいという不具合が生ずる。たとえば、セパレータを剥離して露出した粘着層に対して貼着する画像が小さい場合には、画像を貼らなかった領域の粘着層は、貼着した画像の範囲に対して粘着層が広い領域で露出した状態となる。このようにカレンダーの粘着層がむき出しになると、カレンダーを使用中に、もし意図せずに紙等が接触した場合には、紙等が接着してしまうという事態が生ずる。また、このようにして接触した紙等をきれいに剥離できなかった場合には、紙等の一部が粘着層に接着したままとなりカレンダーの美観を損ねてしまうという問題がある。
【0021】
また、カレンダーの粘着層がむき出しになると、空気中に浮遊する埃が粘着層に付着しやすいものとなる。このように、粘着層に付着した埃が多くなると、粘着力低下の原因となったり、付着した埃が汚く見えて美観を損ねたりといったことが発生する。また、このように粘着層に付着した埃は、容易には除去することができず、強引に埃を除去しようとすると、粘着層の一部が剥がれてしまい、画像を貼着させることができない。
【0022】
しかし、この点で本発明のセパレータは、スリットされた形態とすることで、画像貼着時には貼着する画像と重なる区画のセパレータのみを剥離することができ、画像貼着後に生ずる粘着層の露出を防止することができる。こうして、本発明のオリジナルカレンダーは、不用意に紙等が接触して付着するという事故や、埃の付着による汚染を防止することができる。
【0023】
以上のように、セパレータはスリットされて種々の効果を有し、好みの画像を好みのレイアウトに合わせて貼着することができ、個性豊かなオリジナルカレンダーを作製することができる。
【0024】
セパレータは、上質紙、アート紙、コート紙等の各種紙類や、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム等の合成樹脂フィルムが用いられる。また、セパレータは、これらの材料を適宜加工したものを用いることができる。また、セパレータの厚みは、特に限定されないが通常10〜250μm程度のものを用いる。
【0025】
また、セパレータはインク受容性を有したものを用いることができる。このようなインク受容性を有したセパレータは、前記紙類をそのまま使用しても得られるが、好ましくは前記紙類にインク受容層を形成させて得る。また、前記合成樹脂フィルムを使用した場合には、前記合成樹脂フィルムにインク受容層を設けて、インク受容性を付与する。また、インク受容性は従来公知のものを用いることができる。このようにして、セパレータはインク受容性を有して、印刷可能とすることができる。
【0026】
また、セパレータは筆記適正を有したものを用いることができる。このような加筆適正を有したセパレータは、上述の各種紙類を用いることができる。また、セパレータが合成樹脂フィルムの場合には、合成樹脂フィルム表面に処理を行い筆記適正付与する。
【0027】
また、セパレータは着色して用いてもよい。このようにセパレータを着色すると、余白部分を演出してデザインすることができる。たとえば、めくる区画、めくらなかった区画を作ると、めくる区画、めくらなかった区画との色の違い、濃度の違いが生じて余白を演出したデザインとすることができる。
【0028】
セパレータは、必要に応じて粘着層との剥離性を向上させるために、粘着層と接する面に離型処理を施してもよい。たとえば、上記紙類を使用した場合には天然ワックスや合成ワックス、シリコン等を浸み込ませてもよい。また、上記合成フィルムを使用した場合には、上記合成フィルムの表面をシリコン等で適宜離型処理を施したものを用いる。
【0029】
このようにして、セパレータは離型処理を施されて接着層から容易に剥離することができ、セパレータが破損されることなく容易に剥離できる。
【0030】
基材上の粘着層は、主として既に常温で粘着性を帯びている粘着剤を使用する。このような粘着剤は、一般に使用されるアルカリ系粘着剤、ゴム系粘着剤等が使用できる。また、接着剤は、美観上透明な粘着剤が好ましい。また、厚みは特に限定されないが1μm〜10μmの範囲が好ましい。
【0031】
なお、粘着層の塗工方法としては、グラビアコーター、ロールコーター、ワイヤーバー等の慣用の塗工方法を用いる。
【0032】
本発明のオリジナルカレンダー作製材料は、粘着層が再貼着再剥離性を有することが好ましい。
【0033】
粘着層を再貼着再剥離性とすることにより、画像を粘着層に貼着した場合には容易に画像を剥離することができ、しかも、再び画像を粘着層に貼着する力を有して画像を貼着することができる。また、粘着層に貼着した画像を再び剥離するといったことが繰り返し可能になる。こうして粘着層が再貼着再剥離性を備えることで、貼着した画像の配置変更を自由に行うことが可能となり、画像を好みの位置に貼着してオリジナルカレンダーを作成することができる。
【0034】
このように粘着層の再貼着再剥離性を付与する技術は、従来の公知の技術を用い接着剤自体の接着力を軽減させたり、接着剤を部分的に接着させたり(たとえば、接着剤をマトリックス状に形成したマトリックス接着層など)して得ることができる。
【0035】
粘着層に貼られる画像は、写真、図柄、印刷物など好みのものを使用することができる。また画像は、カッターやはさみ等で好みの大きさ、好みの形状に加工して用いてオリジナルカレンダーを作製してもよい。
【0036】
基材は、上述したセパレータで例示した材料と同様のものを用いることができる。
【0037】
暦部(5)は、カレンダーが印刷されたものを使用することができる。このようにカレンダーが印刷された暦部として次のものがある。その1として、暦部(5)の層構成が、図1のように基材(2)、粘着層(3)、セパレータ(4)の順に形成された場合には、暦部(5)はカレンダー(7)がセパレータ(4)に印刷されたものを用いることができる。また、その2として、図3のように暦部(5)の層構成が、基材(2)のみからなる場合には、暦部(5)の基材(2)にカレンダー(7)が印刷されたものを用いることができる。
【0038】
このような基材(2)としては、上述した画像貼着部(6)のセパレータ(4)と同様のものを用いることができる。また、基材(2)として透明のフィルムを用いた場合には、暦部(5)又は後述する暦形成部(5−1)に施したカレンダー(7)や、あるいは画像貼着部(6)などに施した画像の発色を良好にするために、白色または黒色の層を基材(2)の片面または両面の一部あるいは全面に施してもよい。このようにすると、複数のカレンダーが重なったときに生ずる下写りを防止することができる。
【0039】
また、カレンダーが印刷された暦部(5)のその3として、図6のように画像貼着部(6)とは分離した形態の印刷されたカレンダー(7)を用いることができる。このように、印刷されたカレンダー(7)を用いる場合には、画像貼着部(6)に印刷されたカレンダー(7)を取り付けて用いる。
【0040】
このようなカレンダーの取り付け方法としては、図6のような留具(12)を用いることができる。このように留具(12)を用いると、日めくりカレンダーや、月めくりカレンダー等の印刷されたカレンダーを取り付けて使用することができる。また、このようにすると、日や月が替わる毎に古いカレンダーをめくって新しいカレンダーとすることができる。あるいは、画像貼着部(6)に、カレンダーを視認可能としたカレンダーの収容ケースを取り付けてもよい。この場合は、日めくりや、月めくりのカード状のカレンダーを用いて好適に使用することができる。
【0041】
一方、暦形成部(5−1)は、カレンダーが印刷されていないものを使用することができる。このようにカレンダーが印刷されていない暦形成部(5−1)としては、次のものがある。その1として、図1のように暦形成部(5−1)が、基材(2)、粘着層(3)、セパレータ(4)の順に形成された場合には、暦形成部(5−1)のセパレータ(4)にカレンダー(7)を印刷して用いることができる。また、その2として、図3のように暦形成部(5−1)の層構成が、基材(2)のみからなる場合には、暦形成部(5−1) の基材(2)にカレンダー(7)を印刷して用いることができる。このようなカレンダーの印刷手段として、インクジェットプリンタやPPC複写機等を用いることができる。また、基材(2)に印刷するため、従来公知の技術を用いて基材(2)に印刷可能なインク受容層等を設けるのが好ましい。
【0042】
また、暦形成部(5−1)の別の形態としては、図4〜図5のように暦形成部(5−1)に、市販のカレンダー等の印刷済のカレンダー(11)を貼って用いる形態のものが使用できる。このように暦形成部(5−1)に、カレンダーを貼って用いる形態としては、次のものがある。その1として、図4のように暦形成部(5−1)の基材(2)に、印刷済のカレンダー(11)をテープやのりで貼って用いてもよい。また、その2として、図5のように暦形成部(5−1)の層構成が、基材(2)、粘着層(3)、セパレータ(4)からなる場合には、暦形成部(5−1)のセパレータ(4)を剥離して現われた粘着層(3)に、印刷可能な基材に印刷したカレンダー(11)を貼って用いてもよい。
【0043】
以上のように、本発明のオリジナルカレンダー作製材料によれば、セパレータは任意の形状にスリットされてなり、貼りたいものの下のセパレータを剥がして貼りたいものを貼着することができる。また、他の画像に変更してデザインしなおしたいといった場合には、変更に必要な箇所の画像を貼り直してデザインすることができる。さらに、本発明は粘着層に再貼着再剥離性を備えさせることにより、画像を貼着したり画像を剥離したりといったことを繰り返し行うことができ、画像を好みの位置に貼着することができる。このように本発明のオリジナルカレンダー作製材料は、好みの画像を用いて自由にデザインしてオリジナルカレンダーを作製することができる。
【実施例】
【0044】
以下、実施例により本発明を説明する。尚、「部」「%」は特記しない限り、重量基準である。
[実施例1]
【0045】
基材、粘着層、セパレータの順に形成されて成るA4サイズ(縦210×横297mm)の再貼着再剥離性を有するインクジェット用ラベル用紙(JCF4A−1A:松本用紙店社)の下部領域(縦210×横127mm)にインクジェットプリンタでカレンダーを印刷して暦部を形成した。さらに、この上部領域(縦210×横170mm)のセパレータにカッターでスリットを入れ、縦横1cmの正方形の区画を、縦7(列)×横10(行)の合計70個を形成して画像貼着部を形成して実施例1のオリジナルカレンダー作製材料を得た。
【0046】
[比較例1]
実施例1と同様にA4サイズのインクジェット用ラベル用紙を用い、実施例1と同様に暦部にカレンダーを印刷した。次に、暦部と画像貼着部との境に、カッターでセパレータに切れこみを入れ、画像貼着部となる領域(縦170x横210mm)の全てのセパレータを剥離した。次ぎに、セパレータを剥離して粘着層がむき出しとなった画像貼着部に、実施例1の絵葉書を貼着した。こうして画像貼着部は、絵葉書を貼った部分と、絵葉書を貼らなかった部分(粘着層が露出した部分)とが共存する状態になった比較例1のオリジナルカレンダー作製材料を得た。
【0047】
[比較例2]
A4サイズの画用紙の下部領域(縦210×横127mm)にインクジェットプリンタでカレンダーを印刷して暦部を形成した。さらに、この上部領域(縦210×横170mm)に、絵葉書の裏面全体に液状のり(アラビックヤマトNA-150:ヤマト社)で貼って比較例2のオリジナルカレンダー作製材料を得た。
【0048】
[比較例3]
A4サイズの画用紙の下部領域(縦210×横127mm)にインクジェットプリンタでカレンダーを印刷して暦部を形成した。さらに、この上部領域(縦210×横170mm)に、絵葉書の裏面全体に両面テープ(ナイスタックNW-15:ニチバン社)を貼って比較例3のオリジナルカレンダー作製材料を得た。
【0049】
以上のように実施例1は、画像貼着部はセパレータにスリットを有し、粘着層は再貼着再剥離性を有するものである。また、絵葉書を貼る場合には、貼りたい絵葉書の配置を定め、配置された絵葉書と重なる区画のセパレータの内、全て重なる部分を剥離して一部重なる部分を剥離しないようにして貼着してオリジナルカレンダー作製した。次に、貼った画像を剥がして、露出した粘着層に、前に剥がしたセパレータを戻して貼って、画像貼着部を初期の使用前の状態に復旧した。その後、同じ絵葉書を同様に画像貼着部に貼着してオリジナルカレンダーを作製した。
【0050】
また、比較例1〜3は、いずれも画像貼着部はセパレータにスリットを有しないものに絵葉書を貼ったものである。
【0051】
以上のように、実施例1および比較例1〜3で作製したオリジナルカレンダーについて、下記項目の評価を行った。結果を表1に示す。
【0052】
(1)汚れの付着
実施例1および比較例1〜3で作製した作成したオリジナルカレンダーの画像貼着部に、ティッシュ・ペーパー(200 2PLY:坪野谷紙業社)を1枚用いて密着させた後剥離した。その結果、画像貼着部にティッシュ・ペーパーが破れずに剥離できたものを「○」、画像貼着部にティッシュ・ペーパーの一部が破れて付着したものを「×」とした。
【0053】
(2)再貼着
実施例1および比較例1〜3で作製した作成したオリジナルカレンダーの画像貼着部に貼った絵葉書を剥がし、絵葉書(インクジェット紙はがき:日本郵便)が良好に剥離して再貼着できたものを「○」、剥離時に絵葉書の一部が破れたり、または剥離時に絵葉書に折れが入ったり、あるいは剥がした絵葉書を再貼着できなかったりして良好に再貼着できなかったものを「×」とした。
【0054】
【表1】

【0055】
表1の結果から明らかなように実施例1のオリジナルカレンダー作製材料は、絵葉書と重なる区画のセパレータの内、全て重なる部分を剥離して一部重なる部分を剥離しないようにして貼着したため、粘着層が露出した部分を無くすることができ、画像貼着部に汚れが付着することが無く良好な結果であった。
【0056】
さらに、実施例1のオリジナルカレンダー作製材料は、再剥離再貼着性の粘着層を備えたため、絵葉書が破れずに剥がすことができ、再び、絵葉書を再貼着することができた。
【0057】
このように、セパレータにスリットを有することで、画像貼着後に粘着層が露出する部分をなくすことができるため、たとえば使用中にティッシュ・ペーパー等が誤って付着すること以外に、空気中に浮遊する埃などが露出した粘着層に付着して汚れるのを防止することができる。さらに再貼着再剥離性を有することで絵葉書を剥がすときに絵葉書が破れずに剥がすことができ、再び絵葉書を貼着することができる。このため、貼りたい画像を好みの位置に繰り返し貼り替えることができるという顕著な効果が得られる。
【0058】
一方、比較例1は、セパレータにスリットを有しないために、絵葉書を貼らなかった部分は粘着層が露出するものである。このため、画像貼着部に接触したティッシュ・ペーパーが破れて付着しやすいものであった。
【0059】
比較例2は、画像貼着部を基材側に設け絵葉書を液状のりで貼ったものである。このため、絵葉書を剥離すると絵葉書は容易に剥離できずに破れてしまい、破れた絵葉書は良好に使用できないものとなった。
【0060】
比較例3は、画像貼着部を基材側に設け絵葉書を両面テープで貼ったものである。このため、絵葉書を剥離すると容易には剥離できず、強引に引っ張ると絵葉書の紙繊維がむしり取られてしまった。また、絵葉書は剥がすときに絵葉書に折れ目が付いてしまい、良好に使用できないものとなった。
【0061】
以上の実施例からも明らかなように、本発明によれば、セパレータを任意形状に分割して剥離可能とすることにより、好みの写真や絵柄等の画像を好みのレイアウトに合わせて貼着することができる。さらに、粘着層に再貼着再剥離性を備えさせることにより、画像が破れずに良好に剥離することができ、希望する最良の位置に画像を再貼着することができる。このようにして、本発明のオリジナルカレンダー作製材料を用いると、画像を好みのレイアウトに合わせて貼着することができ、カレンダーのデザインを自由に行うことができるという特別な効果が得られる。
【符号の説明】
【0062】
1・・・・オリジナルカレンダー作製材料
2・・・・基材
3・・・・粘着層
4・・・・セパレータ
5・・・・暦部
5−1・・・・暦形成部
6・・・・画像貼着部
7・・・・カレンダー
8・・・・画像
9・・・・配置する画像
10・・・・露出した粘着層
11・・・・印刷可能な基材に印刷したカレンダー
12・・・・留具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
暦部又は暦形成部と、画像貼着部とを備えてなり、前記画像貼着部は、基材上に粘着層、セパレータをこの順に有し、前記セパレータは任意の形状にスリットされてなることを特徴とするオリジナルカレンダー作製材料。
【請求項2】
前記粘着層が再貼着再剥離性を有する請求項1記載のオリジナルカレンダー作製材料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−194783(P2010−194783A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−40347(P2009−40347)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000125978)株式会社きもと (167)