説明

オレフィン重合のためのメソ多孔性触媒担持体、触媒組成物、及びその製造方法及び使用方法

オレフィン重合のプロセスで、一定温度及び圧力で触媒をオレフィンに接触させる場合、この接触から重合プロセスの開始が認識されるまでに誘発時間と呼ぶ遅延時間が発生することがある。クロムベースの触媒システムは転換率が比較的低く、誘発時間が比較的長いことが特徴であるとされる。したがって、重合条件下で比較的高い触媒活性を持ち、又特定のかさ密度、分子量分布等を持つ所望の特性を持つポリマーを作り出す、比較的誘発時間の短い、担持クロムをベースとする触媒が求められる。
本発明は、不飽和モノマーをオリゴマ−化及び/又は重合化するのに有用な新しい種類の触媒担持体、触媒担持体を含む触媒システム、触媒システムを生産する方法、及び触媒システムを用いる方法、又、これらにより作られたポリマーを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は触媒担持体、触媒システム、及びそれにより製造されるポリマー及び他の材料、並びに触媒システムの製造及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オレフィンの重合によるポリエチレン及び他のポリマーの利用は近代社会に革命をもたらした。そのような材料は革新を起こす主要要因であり、近代生活のあらゆる面に接し且つ関わりを持っている。そして、これらの材料を得るために用いられる重合用触媒は、市場に新しいプロセス及び製品を生み出す機会を提供する。特に、オレフィン重合のための担持触媒システムは重合製品を提供する点で大きな関心を集める。
【0003】
金属含有触媒は、エチレンのようなアルファオレフィンからポリオレフィンを製造する場合に用いられる。ポリオレフィンは重合条件下でオレフィンを「チーグラー」タイプ触媒で接触させることにより製造するが、この触媒は第4又は第5族遷移金属組成物を含むこともある。又共触媒も存在することもある;有機金属組成物で活性化されることのあるチタンを含む共触媒を対象とする。例えば、米国特許番号4,224,185, 4,220,555, 4,143,223, 3,623,846及び英国特許番号1,139,450を参照願いたい。
【0004】
クロム組成物及び錯体は又オレフィン重合の触媒に用いられることもある。米国特許番号3,324,095, 3,324,101, 3,642,749, 及び 3,704,287はクロム酸シリル(silyl chromate)及び多脂環式クロム酸(polyalicyclic chromate)エステルを含む触媒を対象とする。 米国特許番号3,704,287, 3,474,080, 及び 3,985,676はオレフィン重合触媒に用いられるリン含有クロム酸エステルを対象とする。 米国特許番号4,359,562は担持クロム炭化水素錯体を用いるエチレン重合プロセスを対象とし、W02000/61645は有機アルミニウム及び有機マグネシウム材料と組み合わされたクロムを含む重合触媒を対象とする。
【0005】
他のクロム触媒には、配位触媒システムでのクロム化合物触媒を対象とする米国特許番号3,324,101, 3,642,749, 3,704,287, 3,806,500, 及び 4,467,080;シリカ担持体上のクロム触媒を対象としている 米国特許番号6,300,272;アルキルアルミニウム又はアルキル亜鉛の共触媒と共にシリカ及びチタニア担持体を持つクロムベースの触媒を対象とする 米国特許番号6,245,869;及びシリカ、シリカチタニア及びシリカジルコニア触媒担持体を用いてポリエチレンを製造するためのクロムベース触媒を対象とする 米国特許番号6,096,679に記載のものを含む。
【0006】
触媒は又、担持体と関連していることもある。例えば、シリカ、アルミナ、又はシリカとアルミナの組合せを含み、そして還元雰囲気中で加熱することにより活性化される無機材料に担持されたCrO3の使用に関する米国特許番号2,852,721及び 2,951,816を参照願いたい。担持体上の異なる触媒の組合せは又ポリオレフィンを製造するために用いられることもあり、その例として次のものがある:チタンのアルキルエステルと組み合わせて担持体上で酸化クロムを用いて超巨大分子量のポリオレフィンを製造する触媒、及びその製造方法に関する米国特許番号3,882,096; 熱により活性化する前に担持酸化クロムにガリウムまたはスズのアルコキシドを加えることに関する米国特許番号3,622,522; 熱処理の前に担持される酸化クロムに第2族又は第3族金属化合物を加えることに関する米国特許番号3,715,321; チタン、バナジウム又はホウ素のアルキルエステルを加えることに関する米国特許番号3,780,011; 担持触媒にアルキルボランを追加することに関する米国特許番号3,484,428; 及びチタン、バナジウム又はクロム触媒と共にアルミニウムの有機金属化合物の使用に関する米国特許番号5,189,000等である。
【0007】
アルミノケイ酸塩及び他のケイ酸材料はオレフィン重合触媒の担持体として用いられることがある。米国特許番号5,057,296及び5,200,058は、少なくとも約13Åの均一なサイズの孔を持つ、活性型(active form)の官能基を持つ無機、多孔性の、非層状の結晶相及び第6族金属を含む触媒に関する。米国特許番号5,105,051及び 5,270,273は触媒を用いて、潤滑剤及び潤滑剤の添加物として有用な炭化水素オリゴマーを製造するためにアルファオレフィンをオリゴマー化することに関する。そこ触媒は、メソ多孔質の無機の結晶性固体上に,担持還元第6族金属,好ましくは、クロムの酸化物の形でその酸化物を含むのが良く、その固体はセル(cell)直径が13Åより大きな均一な孔を持ち、その特異な孔の幾何学配置が均一な六角形ハニカム(honeycomb)微細構造として表されるものである。国際出願WO2002/40551及び欧州特許公報827,969 A2はその孔の直径が2から10ナノメーターを持つメソ多孔質担持体の使用に関する。
【0008】
オレフィン重合のプロセスは、一定温度及び圧力で触媒をオレフィンに接触させることを含むこともある。しかしながら、この接触と同時に、本明細書において誘発時間(induction time)と呼ぶ遅延時間(lag time)が、重合プロセスの開始が認識されるまでに発生することがある。この誘発時間は、定圧反応器に流入するオレフィン供給原料の消費によりモニターすることができる。したがって、所望の特性を持つポリマーを望ましい転換率で提供することができ、また比較的短い誘発時間を持つ触媒システムを用いることは有益である。しかし、クロムベースの触媒システムは転換率が比較的低く、誘発時間が比較的長いことが特徴であるとされる。したがって、重合条件下で比較的高い触媒活性を持ち、又特定のかさ密度(bulk density)、分子量分布等を含む所望の特性を持つポリマーを作り出す、比較的誘発時間の短い、担持クロムをベースとする触媒が求められる。
【0009】
他の興味ある参考文献には以下のものが含まれる:
1.米国特許番号5,220,101; 修飾された合成メソ多孔質結晶材料の吸着分離
2.米国特許番号5,171,915; アルファオレフィン二量体を用いるアルキル芳香族潤滑剤
3.米国特許番号5,146,021 ; 組成物及びニュートン潤滑ブレンドの増強
4.米国特許番号5,145,816 ; 合成メソ多孔質結晶材料の機能化の方法
5.米国特許番号5,132,477; アルキル芳香族潤滑液の製造プロセス
6.米国特許番号5,105,051; オレフィンオリゴマー潤滑剤の製造
7.米国特許番号5,105,039; 安定性の向上した潤滑液の製造プロセス
8.米国特許番号5,087,782; ポリアルファ−オレフィン潤滑剤のデヒドロ環化反応
9.米国特許番号5,019,670; アルキル芳香族潤滑液の製造プロセス
10.米国特許番号5,015,795; 新しい合成潤滑剤組成物及びプロセス
11.米国特許番号4,996,384; 還元された酸化金属オリゴマー化触媒の再生
12.米国特許番号4,990,718; アルファオレフィン二量体による芳香族のアルキル化
13.米国特許番号4,967,030; 高粘着性合成潤滑剤の水素化分解
14.米国特許番号4,926,004; アルファオレフィンのオリゴマー化のための
還元担持酸化クロム触媒の再生
15.米国特許番号4,914,254; 高粘着性指標潤滑剤の固定床プロセス
16.米国特許番号4,711,710; 重原材料から改良された潤滑油を生成するプロセス
【発明の開示】
【0010】
本発明は触媒及び非層状無機多孔質結晶相材料を含む担持体を含む触媒システムに関し、その担持体は約13Å以上の平均の孔の直径を持つ均一なサイズの孔が六角形に配置されたものであり、X線回折パターンは約18Å以上のd100計算値を持ち、50トール及び25℃で担持体100グラム当たり約15グラムベンゼン以上の吸収容量を持ち、孔の壁の厚さが約25Å以下である。
【0011】
本発明は、不飽和モノマーをオリゴマ−化及び/又は重合化するのに有用な新しい種類の触媒担持体に関する。本発明は更に、触媒担持体を含む触媒システム、触媒システムを生産する方法、及び触媒システムを用いる方法に関する。本発明は又、これらにより作られたポリマーに関する。
【0012】
本発明の目的との関係及び本出願の請求の範囲において、ポリマーがオレフィンを含むという場合、ポリマー中に存在するオレフィンは重合化された形のオレフィンである。触媒として活性を持つ材料は、相互交換的に触媒材料、又は触媒と呼ばれることもある。触媒システムは触媒及び担持体を含む。反応器は、化学反応が起きる全ての容器をいう。更に、本明細書で用いる周期表の族番号はCHEMICAL AND ENGINEERING NEWS, 63(5), 27(1985)に記載の“New Notation”である。温度は断らない限り摂氏(℃)を示す。
【0013】
多孔質材料は、材料100g当たり少なくとも約1グラムの窒素、n−ヘキサン、シクロへキサン又はベンゼンを吸収する材料である。メソ多孔性の範囲の孔を持つ多孔性材料又は粒子は、その粒子の表面において約20Å以上及び約500Å以下の直径を持つ孔を含む。孔のサイズはその材料の垂直横断面の孔の最大サイズである。孔の壁厚は孔の壁表面に対して垂直に測定された孔同士の間の平均の厚さである。本発明の目的より、孔の壁厚はÅによるd100のピーク値を1.155倍し、そしてÅによる平均の孔直径を差し引くことにより決められる(窒素吸収によるBJH吸収プロットにより決定)。d100が不明瞭、又は測定不能の場合には、孔の壁厚はÅによるd200のピーク値を2.31倍し、そこからÅによる平均の孔の直径の数値を差し引くことで決める(窒素吸収によるBJH吸収プロットにより決定)。d100のピーク値及びd200のピーク値が不明瞭又は測定不能の場合は、孔の壁厚はÅによるd300のピーク値を3.465倍し、そこからÅによる平均の孔の直径の数値を差し引くことにより決める(窒素吸収によるBJH吸収プロットにより決定)。
【0014】
更に、本発明に於いて、Meはメチル、Phはフェニル、Etはエチル、Prはプロピル、iPrはイソプロピル、n-Prは通常のプロピル、 Buはブチル, iBuはイソブチル, tBuは第三ブチル, p-tBuはパラ第三ブチル, TMSはトリメチルシリル、パーフッ素官能基(per fluoro radical)は一以上の利用可能な水素がフッ素元素で置換されている有機官能基であり、EOはエチレンオキシド部分(例えば、CH2CH2-O-)及びPOは酸化プロピレン部分(例えば、- CH2CH3 CH2-O-)を言う。
【0015】
触媒担持体
触媒の担持体または単に担持体とも呼ばれる触媒担持体は、均一サイズの孔を正六角形に配置した形態を持つ、非層状無機質多孔性結晶相材料であるのが望ましい。本発明の使用に適する結晶材料は、その孔の窓のサイズを含む構造、及び吸着能によって特徴づけることができる。
【0016】
好ましい担持体材料は結晶相材料を含む無機材料である。
【0017】
結晶相材料は以下に表される組成を持つ:

Mn/q (Wa Xb Yc Zd Oh)
ここでMは、アンモニアの様な一以上のイオン、第1族、第2族、及び第17族イオン、好ましくは、水素、ナトリウム及び/又はフッ化物イオンであり;
nは酸化物としてのMを除き組成物の電荷であり;
qはMの加重分子平均原子価(weighted molar average valence)であり;
n/qはMのモル数またはモル分数であり;
Wは、例えば、マンガン、コバルト、鉄、及び/又は、マグネシウム(本発明においては、Wはタングステン元素を意味するものではない)の様な、二価の第一遷移金属の様な一以上の二価の元素であり;
Xは、アルミニウム、ホウ素、鉄及び/又はガリウムの様な一以上の三価の元素であるが、アルミニウムが望ましい;
Yはシリコン、及び/又はゲルマニウムの様な一以上の4価の元素であるが、シリコンが望ましい;
Zは、リンの様な一以上の5価の元素であり;
Oは酸素であり;
a,b,c, 及びdは W, X, Y及び Z の夫々のモル分数であり;
hは1から2.5の数字であり;そして
a+b+c+d=1 である。
【0018】
上記の担持体の好ましい実施の形態では、(a+b+c)がdより大きく、及びh=2である。また、他の実施の形態は、a=0, d=0及び h=2であり、この場合アルミノケイ酸塩(alumino silicate)を含むこともある。
【0019】
好ましいアルミノケイ酸塩は、シリカとアルミの分子比率が約5:1から、約1000:1までの場合である。好ましくは、担持体は、担持体の総重量に基づくアルミナの重量%が(Al2O3 重量%)約0.1%から約20 Al2O3 重量%を含むことを特徴とするアルミノケイ酸塩であるのが良い。この範囲において、アルミナの重量%が約15以下,好ましくは、約10 Al2O3重量%以下のものを用いるのが良い。又、好ましくは、この範囲に於いて約1重量%以上、より好ましくは、約4Al2O3重量%以上であるのが良い。好ましい実施の形態においては、a及びdは 0, h=2、Xはアルミニウムを、Yはシリコンを含むのが良い。
【0020】
焼成(calcination)の前に(合成されたままの形で)、好ましい担持体材料は無水ベースで、経験的に以下の式で表される組成を持つ;
rRMn/q (Wa Xb Yc Zd Oh);
ここでRはMにイオンとして含まれていない全無機材料であり、rはRの係数、すなわち、Rのモル数又はモル分数であり、W, X, Y, Z, O, n, q, a, b, c, d及び hは上で定義した通りである。M及びRの構成物はそれらが結晶化する間存在するため、その材料と関連し、そして容易に除去され、又はMの場合は、以下でより詳細に検討する様にポスト結晶方法により置換される。望む範囲において、元のM陽イオン、例えば、合成されたままの材料のナトリウム、又は塩素イオンは、少なくとも部分的にイオン交換により他のイオンによって置換することができる。置換する好ましいイオンは金属イオン、水素イオン、アンモニアイオンを含む水素の前駆体及びイオンの混合体を含む。
【0021】
好ましくは、担持体材料は、焼成に続くX線、電子又は中性子回折により少なくとも一つのピークを持つ回折パターンを示す結晶構造を持つ結晶であるのが良い。触媒担持体は、好ましくは、極めて低角度の領域において幾つかの明確な最大値を持つX線回折パターンを示すものが良い。これらのピークの位置は、六角形格子からのhkO反射の位置におおよそ合致しているのが好ましい。しかしながら、X線回折パターンは、常にこれらの材料が存在していることの十分な指標となるとは限らない。何故なら、微小構造における規則性の程度、及び個々の粒子内での構造の繰り返しの範囲の程度は観察されるピークの数に影響するからである。事実、X線回折パターンの低角度領域に、唯一つのはっきりしたピークを持つ試料の場合において、本発明の担持体材料に該当するものを含むことがあった。
【0022】
ばい焼された(calcined)形において、非層状無機多孔性結晶相材料は、約18オングストローム単位(Å)d間隔(d-spacing)(Cu K-α線照射で4.909度 2シータ(θ))より大きい位置で少なくとも一つのピークを持つX線回折パターンの特徴を持つことがある。より詳しくは、本発明のばい焼された結晶材料は約10Åd-間隔(Cu K-α線照射で8.842度, 2 シータ(θ))より大きい位置で少なくとも二つのピークを持つX線回折パターンの特徴を持ち、少なくともその一つは約18Åd間隔より大きい位置にあり、最強のピークの約20%より大きい相対強度を持つピークの位置が、約10Åd間隔(d-spacing)より小さい位置にはないのである。更に詳しく言うと、ばい焼された担持体材料の、X線回折パターンは最強のピークの約10%より大きい相対強度を持つピークの位置が約10Åd間隔(d-spacing)より小さい処にはないであろう。
【0023】
ばい焼された非層状無機多孔性結晶相材料は、本明細書により詳細に規定する生理吸着測定法(physio-sorption)により測定される約13Å以上の孔サイズを持つものとして特徴づけることが出来るかもしれない。
【0024】
担持体は又、その吸着特性に基づき特徴付けることもできる。好ましくは、非層状無機質多孔性結晶相材料は、良くありがちな汚染物質が存在した場合、孔がブロックされることがないことを確実にするために処理された、無水結晶材料をべースとし、50トール、25℃で、担持体100グラム当たり約15グラムベンゼンより大きい平衡ベンゼン吸収容量を持つのが良い。したがって、吸着試験は、あらゆる孔ブロック汚染物質及び水が除去された結晶相材料でも行うことができる。水は、例えば、熱処理等の乾燥技術を用いて除去しても良い。孔をブロックする無機のアモルフォス材、例えば、シリカ及び有機物は、酸又は塩基、又は他の化学試薬に接触させることにより除去しても良く、これらの破片(detrital material)は非層状無機質多孔性結晶相材料に不利な影響をもたらすことなく除去されるであろう。
【0025】
好ましくは、平衡ベンゼンの吸収容量は本発明の無水材料を、450℃−700℃で少なくとも1時間酸化焼成(oxidative calcination)し、もし必要なら孔をブロックする汚染物質を除去するために他の処理を行って後に、25℃、50トールベンゼンで、平衡に達するまで接触させることによって決定する。そして、吸着された(sorbed)(すなわち、吸収された(absorbed))ベンゼンの重量が決められる。
【0026】
良く有りがちな汚染物質による孔のブロックが生じない様に処理された無水結晶材料に基づき、50トール、25℃での平衡ベンゼン吸収容量は、好ましくは、担持体100グラム当たりに対して約20グラムベンゼン以上、より好ましくは、担持体100グラム当たりに対して約25グラムベンゼン以上であるのが良い。
【0027】
良く有りがちな汚染物質による孔のブロックが生じない様に処理された無水結晶材料に基づき、50トール、25℃での平衡シクロへキサン吸収容量は、好ましくは、担持体100グラム当たりに対して約15グラムシクロへキサン以上、より好ましくは、担持体100グラム当たりに対して約20グラムシクロへキサン以上、更に好ましくは、担持体100グラム当たりに対して約25グラムシクロへキサン以上であるのが良い。
【0028】
非層状無機多孔性結晶相材料は、ケイ酸塩の枠組み内で、Al, Ga, B, 又はFeの様な四面体共役3価元素を組み入れることで、Bronsted 酸活性部位により合成されるであろう。このタイプのアルミノケイ酸塩材料は、熱及び化学反応に対して安定しており、この特性は酸触媒作用にとって有利な点である。更に、この担持体のメソ多孔性構造は、異なるレベルの活性を持つ一以上の四面体種を持つ高度にケイ酸質の材料、又は結晶性金属ケイ酸塩を用いることにより利用されることもある。アルミノケイ酸塩、ガリウムケイ酸塩(gallosilicate)、鉄ケイ酸塩(ferrosilicate)、及びボロンケイ酸塩(boronsilicate)材料も又用いることができる。
【0029】
非層状無機多孔性結晶相材料は以下のソースを含む反応混合物から作ることができる。例えば、ナトリウム又はカリウム陽イオンの様なアルカリ金属、又はアルカリ土類金属(M)、以下の一の酸化物又は二以上の酸化物を含む組合せ、例えば、コバルトのような二価元素 W;アルミニウムの様な三価元素X;シリコンの様な四価元素Y;リンの様な五価元素Z;有機(R)指向剤(directing agent)、及び溶媒、又は水を加えた溶媒混合液が好ましい。反応混合物は、酸化物のモル比換算で、以下の範囲の組成を持つことが好ましい:
【数1】

【0030】
ここでe 及びf は、それぞれM及びRの加重平均原子価である。
【0031】
好ましい実施の形態においては、上記の表中でXはアルミニウムであり、Yはシリコンである。
【0032】
Z及び/又はW酸化物が反応混合物に加えられない場合、好ましくは、pHは約10から約14に維持されるのが良い。Z及び/又はW酸化物が反応混合物に存在する場合は、pHは非層状無機多孔性結晶相材料が結晶化する場合、約1から約14の間で変わりうる。
【0033】
結晶性担持体材料は幾つかある方法の内の一つにより製造することができる。一つの好ましい方法は、モル比が0から約0.5のX2O3/YO2、及びモル比が0から0.01のAl2O3/SiO2である反応混合物、結晶化温度が約25℃から約250℃、好ましくは約50℃から約175℃であり、そして有機指向剤又は、好ましくは追加有機指向剤と、ある有機指向剤と組合せた反応混合物を含む。この好ましい方法は、以下のソースを含む反応混合物を作ることを含む。例えば、ナトリウム又はカリウム陽イオンの様な,例えば、アルカリ金属、又はアルカリ土類金属(M)、以下の一の酸化物又は二以上の酸化物を含む組合せ、例えば、コバルトのような二価元素 W;アルミニウムの様な三価元素 X;シリコンの様な四価元素 Y;リンの様な五価元素 Z;有機(R)指向剤(directing agent);及び、例えば、C1-C6アルコール、C1-C6ジオール及び/又は水の様な溶媒又は溶媒混合液であるが、水が好ましい。反応混合物は、酸化物のモル比換算で、以下の範囲の組成を持つことが好ましい:
【数2】

e及び fは、各々M及びRの加重平均原子価である。
【0034】
この方法において、Z及び/又はW酸化物が反応混合物に加えられない場合は、pHは好ましくは約9から約14に維持されるのが良い。好ましい実施の形態においては、上記の表でXはアルミニウムであり、Yはシリコンである。
【0035】
結晶材料合成の第二の方法は、モル比率約0から約0.5であるX2O3/YO2を持つ反応混合物を含み、結晶温度は約25℃から約250℃、好ましくは、約50℃から約175℃であり、好ましくは、二つの別々の有機指向剤、すなわち、有機指向剤及び追加的な有機指向剤を含むのが良い。この好ましい方法は、以下のソースを含む反応混合物を作ることを含む。例えば、ナトリウム又はカリウム陽イオンの様なアルカリ金属、又はアルカリ土類金属(M)、次の一の酸化物又は二以上の酸化物を含む組合せ、例えば、コバルトのような二価元素 W;アルミニウムの様な三価元素 X;シリコンの様な四価元素 Y;リンの様な五価元素 Z;有機(R)指向剤(directing agent)及び、追加指向剤;及び例えば、C1-C6アルコール、C1-C6ジオール及び/又は水の様な溶媒又は溶媒混合液であるが、水が好ましい。反応混合物は、酸化物のモル比換算で、以下の範囲の組成を持つことが好ましい:
【数3】

【0036】
ここでe及び fは、各々M及びRの加重平均原子価である。好ましい実施の形態においては、上記の表でXはアルミニウムであり、Yはシリコンである。
【0037】
この第二の方法においては、Z及び/又はW酸化物が反応混合物に加えられない場合は、pHは好ましくは、約9から約14に維持されるのが良い。
【0038】
結晶材料の合成の第三の方法は、Xはアルミニウムを含み、Yはシリコンを含み、結晶温度は約25℃から約175℃、好ましくは、約50℃から約150℃であり、有機指向剤、好ましくは有機指向剤プラス追加的な有機指向剤の組合せが用いられるのが良い。この方法は、以下のソースを含む反応混合物を作ることを含む。例えば、ナトリウム、又はもし望むならばカリウム陽イオンの様なアルカリ金属、又はアルカリ土類金属(M)、一以上のアルミニウム及び/又はシリコンのソース、有機(R)指向剤(directing agent)、及び、例えば、C1-C6アルコール、C1-C6ジオール及び/又は水の様な溶媒又は溶媒混合液であるが、水が好ましい。反応混合物は、酸化物のモル比換算で、以下の範囲の組成を持つ:
【数4】

【0039】
e及び fは、各々M及びRの加重平均原子価である。
【0040】
pHは好ましくは、約9から約14に維持されるのが良い。
【0041】
1−3の方法は以下のステップを含む:
(1)有機(R)指向剤を溶媒又は溶媒混合物と混合し、溶媒/R2/fOのモル比が約50から約800の範囲になる様、好ましくは、約50から500になる様にする。この混合物は合成法の「第一のテンプレート」となる。
【0042】
(2)ステップ(1)の第一のテンプレート混合物に酸化物のソース、例えば、シリカ、及び/又はアルミナを加え、R2/fO/(SiO2+Al2O3)の比率が約0.01から約2.0の範囲になる様にする。
【0043】
(3)ステップ2で得られた混合物を約20℃から約40℃の温度で、好ましくは、約5分から約3時間かき混ぜる。
【0044】
(4)混合物を攪拌し、又は攪拌せずに,好ましくは、約20℃から約100℃で、好ましくは、約10分から約24時間置く。
【0045】
(5)ステップ(4)の製品を、約50℃から約175℃で、好ましくは、約1時間から約72時間結晶化させる。結晶化温度はある与えられた範囲内でより高い方が好ましい。
【0046】
非層状無機多孔性結晶相材料の合成の第4の方法は、第3の方法に用いた反応混合物を含み、又酸化ケイ素のソースとしてテトラエチルオルトケイ酸塩(tetraethylorthosilicate)を用いる以下の特有の手続きを含む:
(1)有機(R)指向剤を溶媒又は溶媒混合物と混合し、溶媒/R2/fOのモル比率が約50から約800の範囲になる様、好ましくは、約50から500になる様にする。この混合物は合成法の「第一のテンプレート」となる。
【0047】
(2)ステップ(1)の第一のテンプレート混合物にテトラエチルオルトケイ酸塩、及びもし望むなら、酸化アルミニウムのソースを混ぜ、R2/fO/SiO2の比率が約0.5から約2.0の範囲になる様にする。
【0048】
(3)ステップ2で得られた混合物を約0℃から約25℃の温度、pH12未満で、約10分から約6時間、好ましくは、約30分から約2時間かき混ぜる。このステップにより加水分解/重合が起こり、その結果の混合物は濁って見える。
【0049】
(4)ステップ(3)の製品を約25℃から約150℃の温度、好ましくは、約95℃から約110℃の温度で、約4時間から約72時間、好ましくは、約16時間から約48時間結晶化させる。担持体の結晶化は、例えば、ポリプロピレンの瓶、テフロン加工又はステンレス鋼のオートクレーブの様な、適当な反応容器内で静かに、又は例えば、掻き回すような攪拌状態で実施することができる。結晶化の温度の範囲は、好ましくは、約50℃から約250℃の範囲であり、時間はその温度で結晶化が起きるに十分な時間である。好ましい結晶化の時間の範囲は約5分から約14日である。その後は結晶は液から分離され回収される。
【0050】
非層状無機多孔性結晶相材料のW, X, Y 及びZの種々の組合せの例として想定されている実施例を、これに限定するものではないが、表1に示す。
【表1】

【0051】
これらの組成物は又、Mg、又はMn, Co 及びFeを含む二価の第一遷移金属から選択される元素を含むW;B, Ga又は Feを含むX;及びGeを含むYの組合せを含むこともある。
【0052】
反応混合物から非層状無機多孔性結晶相材料を合成するのに用いられる好ましい有機指示剤は、以下の化学式の四級アンモニア又はフォスフォニウムイオンである。
【数5】

【0053】
ここでQは窒素又はリンであり、又R1, R2, R3, 及び/又はR4は6から約36の炭素原子を持つアリル、又はアルキルであり、好ましくは、R1, R2, R3, 及び/又はR4,の少なくとも一つは、--C6H13, --C10H21, --C16H33, --C18H37, 又はこれらの少なくとも一つを含む組合せであるのが良い。残りの R1, R2, R3, 及び/又はR4は、好ましくは、水素、1から5の炭素原子のアルキル、及びこれらの少なくとも一つを含む組合せであるのが良い。好ましくは、四級アンモニア又はホスホニウムイオンは対応する水酸化物、ハロゲン化物又はケイ酸塩の誘導体であるのが良い。
【0054】
追加の有機物も上記の四級アンモニア又はホスホニウムと共に、反応混合物に存在することもある。ある実施の形態においては、追加の有機物は上の指向剤の化学式の四級アンモニア又はホスホニウムイオンであることもあり、ここでR1, R2, R3, 及び/又はR4,は、水素、及び1から5の炭素原子のアルキルからそれぞれ独立に選択される。
【0055】
好ましい指向剤は、セチルトリメチルアンモニア(cetyltrimethylammonium)、セチルトリメチルフォスフォニウム(cetyltrimethylphosphonium)、オクタデシルトリメチルアンモニア(octadecyltrimethylammonium)、オクタデシルトリメチルフォスフォニウム(octadecyltrimethylphosphonium)、ベンジルトリメチルアンモニア(benzyltrimethylammonium)、セチルピリジニウム(cetyl- pyridinium)、デシルトリメチルアンモニア(decyltrimethylammonium)、ジメチルジドデシルアンモニア(dimethyldidodecyl ammonium)、及びこれらの少なくとも一つを含む組合せを含む。
【0056】
担持体は又膨張剤を用いて製造することができるが、その膨張剤は高程度の多孔材料を提供するために柱で支えられることを含む。膨張剤の例には、水で膨張する粘土を含み、その粘土の層は層の間が水分子により間隔が空けられる。他の材料には、米国特許番号5,057,296等に記載されている有機膨張剤により膨張する材料を含む。有機膨張剤はアミン、第四級アンモニア化合物、アルキル及び芳香族膨張剤を含むこともある。好ましい膨張剤には、1,3,5-トリメチルべンゼンの様なアルキル置換芳香族を含む。水なしで膨張可能な層状材料の例は米国特許番号4,859,648に記載されており、ケイ酸塩(silicates)、マガダイト(magadiite)、ケニアイト(kenyaite)、トリチタン酸塩(trititanates)及び灰チタン石(perovskites)を含む。有機膨張剤で膨張することが可能な、他の水を使わずに膨張可能な層状材料の例には、米国特許番号4,831,006に記載の様に、空間(vacancy containing) 含有チタノメタレート(titanometallate material)材料を含む。
【0057】
材料が膨張したら、その材料はシリカの様な熱安定物質を間に置くことにより、層の間が間隔を持つように支えられることもある。前記の米国特許番号4,831,006 及び 4,859,648は、柱で支える非水膨張性層状材料による方法について記載しているが、柱で支えること及び柱で支えられる材料の定義についての本引用により、これらの特許は本明細書に組み入れられる。
【0058】
材料を柱により支え及び柱により支えられる材料について教示する他の特許には、米国特許番号4,216,188; 4,248,739; 4,176,090; 及び 4,367,163; 及び欧州特許出願205,711を含む。
【0059】
柱で支えられた材料のX線回折パターンは、そうでなければ通常、非常に良く整然とした微細構造が、膨張及び柱をつけることにより中断されている程度によって、大きく変わってくる。柱を持つ材料の微細構造の幾つかでは、その規則性が大きく乱されているため、X線回折パターンの低角度領域におけるピークは、柱を持つ材料の繰り返し距離に対応するd間隔として、一つのみ観測される。規則性の中断の程度がより低い材料では、この領域でいくつかのピークを示すが、これはこの基本的な繰り返しがなされる通常の状態である。時には層の結晶構造からのX線反射が観察される場合がある。柱を持つ材料における孔のサイズ分布は、アモルフォス及び準結晶(paracrystalline)材料の場合よりも狭いが、結晶フレームワーク材料の場合のそれよりも広いことがある。
【0060】
担持体材料を製造する場合、反応混合物の構成物は一を越えるソースより供給しても良く、反応混合物はバッチ様、又は連続方式により生産することができる。更に、非層状無機多孔性結晶相材料担持体は広い種類の粒子サイズに成形することができ、粉末、顆粒、又は押出し成形物(extrudate)のような成型製品を含む。触媒が押出しに依る場合の様に成形される場合は、結晶は乾燥される前に押出しされ、又は部分的に乾燥された後に押出されても良い。
【0061】
担持体の粒子サイズは好ましくは、約0.1ミクロメーター以上であるのが良い。この範囲内で、約100ミクロメーター以下のサイズの粒子を用いることができるが、約50以下のものが好ましく、約10以下のものがより好ましい。又この範囲において、約0.5ミクロメーター以上の粒子サイズが好ましく、より好ましくは、約0.75以上、特に好ましくは、約1ミクロメーター以上のものが良い。
【0062】
非層状無機多孔性結晶相材料は又、透過型電子顕微鏡法、及び電子回折を含む,この材料の微小構造を描く技術を用いて特徴的に表すことができる。X線回折パターンを決定する場合、X線回折データは、エネルギー分散型X線検出器の使用により、入射、又は回折ビームモノクロメーターを使う必要がなくなるため、シータ・シータ幾何学、Cu K−アルファ照射、及び、エネルギー分散型X線検出器を用いるX線回折システムを使って集めるのが好ましい。入射及びX線回折ビームは両方とも、二重スリット入射及び回折並行システムにより照準を合わせるのが好ましい。用いられる好ましいスリットサイズは、X線管源からそれぞれ0.5, 1.0, 0.3 及び0.2 mmのものを含む。しかし、異なるスリットシステムでは、X線回折パターンにおけるピークの強度が異なるかもしれない。
【0063】
回折データはステップスキャンを用いて、2θが0.04度で記録することができ、ここでθはブラッグ角であり、各ステップに付き10秒の測定時間をとる。格子面間隔、dはÅ単位で計算し、ラインの相対強度I/I0は好ましくは輪郭適合手順(profile fitting routine)を用いて導くのが良い。なお、ここでI0は上記の背景に対して最も強く表れている線の強度の百分の一である。更に、強度は、ローレンツ及び分裂効果(polarization effects)について修正しないのが望ましい。回折データで、一本の線として見えるものが複数の重なる線より成っていることがあり、それらは、例えば、非常に高い実験的解像、結晶的変化の様なある条件の下では、分離され、又は部分的に分離された線として現れることもあることを理解する必要がある。したがって、結晶的変化は構造の本質的な変化を含まず、単位セルパラメータでの小さな変化、及び/又は結晶対照性での変化を含みうる。これらの小さい効果は、相対的強度の変化を含み、陽イオンの内容の違い、フレームワーク組成物、孔充填の性質及び程度、熱及び/又は熱水履歴、粒子サイズ/形状効果によるピークの幅/形状の種類、構造的混乱、及び/又はX線回折技術分野の当業者に知られている他の要因によっても生じうる。
【0064】
適正な方向性を持つ材料見本は、大きな溝の六角形配置を示し、それに対応する電子回折パターンはおおよそ最大回折の六角形配置を示す。本明細書で用いる電子回折パターンのd100間隔は六角格子のhkO投影上の隣接する点間の距離であり、それは、d100=a0(3/2)1/2の式により電子顕微鏡写真に観察される溝間の繰り返し距離a0に関連するものである。したがって、この電子回折パターンで観察されるd100間隔は、その材料のX線回折パターンでの低角度ピークのd間隔(d-spacing)に対応する。材料の生産には、電子回折パターンで観察されうる20以上から約40の明確な点を含むこともある。これらのパターンは、100, 110, 200,210 等のユニークな反射の六角hkOサブセット及びその対称関係の反射(symmetry related reflection)により指標付けすることができる。
【0065】
d100は、測定されたXRDスペクトルから直接計算(すなわち、決定)しても良く、及び/又はXRDスペクトルにおける一以上のピークに基づいて計算しても良い。例えば、d100線の数値は以下の式に基づきd200線から計算しても良い:
d100=2(d200) = 2(a0 (3/2)1/2).
したがって、d100の計算値はd100値がXRDスペクトルから直接判別することが出来ない場合に使用することができる。それゆえ、好ましい担持体は、米国特許番号5,098,684にその詳細な記載のあるMCM-41と呼ばれる化合物と多くの点で一致する基本の構成を持つ。
【0066】
非層状無機多孔性結晶相材料担持体は又、米国特許番号5,198,203 及び 5,211,934に記載のメソ多孔性結晶材料のグループの構造的特長及び属性をもっていることもある。これらの材料、その生産及び特性の詳細については上記文献を参照願いたい。これらの材料は焼成された材料の特徴のあるX線回折パターンにより他と区別することができる。X線回折パターン(相対強度=100)において最強ピークのd間隔を示すd1を用いることで、焼成材料のX線回折パターンは約18Åのd間隔より大きな位置でd1を示し、少なくともd間隔、d2持つ追加のより弱いピークを示すため、これらのd間隔のd1に対する比率は(すなわち、dn/d1)は以下の範囲と対応する:
【数6】

より好ましくは、焼成材料のX線回折パターンは、d間隔、d2及びd3で少なくとも2つの追加的弱いピークを持つのが良く、そしてこれらのd間隔の(約18Å d間隔より大きな位置での)最強ピークd1に対する相対比率は以下の範囲と対応する:
【数7】

更により好ましくは、焼成材料のX線回折パターンは、d間隔、d2 d3、d4 及びd5で少なくとも4つの追加的弱いピークを持つのが良く、そして、これらのd間隔の、(約18Åのd間隔より大きな位置での)最強ピークd1に対する相対比率は以下の範囲と対応する:
【数8】

このグループの焼成材料は、以下の範囲に対応する位置で少なくとも二つのピークを含むX線回折パターンを示すのが良い;
【数9】

より好ましくは、本明細書に示す焼成例のX線回折パターンは、以下の範囲に対応する位置で少なくとも3つのピークを持つものとして特徴づけることができる;
【数10】

より好ましくは、X線回折パターンは、以下の範囲に対応する位置で少なくとも5つのピークを持つものとして特徴づけることができる;
【数11】

【0067】
非層状無機多孔性結晶相材料の蜂巣状微細構造は又た、触媒の超巨大な孔を形成する大きな六角形溝を持つ3次元マトリクス又は,格子で相互連結した幾つかの部分を含むこともある。格子の大きなリング構造を形成する繰り返し単位は孔のサイズにより異なる。更に、担持体は5から95重量%のシリカ、粘土及び/又はアルミナ結合剤を含む。

「六角形」(hexagonal)は、実験的な測定範囲において数学的に完全な六角形対称を示すものに限らず、そのような理想的な状態から、大きく外れて見えるものをも含む。本発明の微細構造に適用される実際の定義としては、概略同じ距離にある最も近い6つの溝が材料中の殆んどの溝を取り囲んでいるという意味に解されるであろう。しかし、欠点と不完全さより可也の数の溝が、生産される材料の質により、程度は異なるがこの基準から逸脱するかも知れない。隣接する溝の間の平均繰り返し距離からランダムに逸脱しているサンプルが+−25%もあることは、本超巨大孔材料の現実に認められる像を明確に現している。これと比較されるばらつきは、電子回折パターンのd100の数値でも観測される。
【0068】
好ましくは、非層状無機多孔性結晶相材料担持体の平均の孔直径は約20Åから約500Åの範囲内であるのが良い。この範囲において約400Å以下の孔直径を用いることができるが、約300Å以下のものがより好ましい。又この範囲で約70Å以上の孔の直径のものも好ましく、約150Å以上のものがより好ましい。他の実施の形態においては、担持体の平均の孔の直径は約70Åから約90Åである。
【0069】
好ましい実施の形態においては、本発明の焼成された、無機非層状結晶質担持体材料は又、約70Åから約90Åの、より狭められた孔直径(他の形の担持体と比べて)を持っていることに特徴がある場合もある。この範囲内において、約85Å以下の孔直径のものを用いることができ、約82Å以下のものがより好ましい。又この範囲において、孔の直径が約75Å以上のものが好ましく、約80Å以上のものがより好ましい。
【0070】
更に、本発明の担持体材料で、好ましくは焼成されているものは孔の壁厚が約25Å以下であるのが好ましい。この範囲において、壁厚が約20Å以下のものを用いることができ、約15Å以下のものがより好ましい。又この範囲内で、孔の壁厚が約1Å以上のものが好ましく、約4Å以上のものがより好ましく、約6Å以上のものが特に好ましい。ある好ましい実施の形態においては、孔の壁厚は約1から25Åであるのが良く、好ましくは2から25Å、より好ましくは3から25Å、より好ましくは4から23Å、より好ましくは5から20Å、より好ましくは5から18Å、より好ましくは6から15Åのものが良い。
【0071】
非層状無機多孔性結晶相材料の焼成した担持体材料は、孔のサイズが均一であり、孔の約80%以上は担持体の平均の孔の直径の+−約20%の孔の直径を持っているのが好ましく、より好ましくは、存在する孔の約90%以上は、担持体の平均の孔の直径の+−約5%の孔の直径を持っているのが良い。
【0072】
好ましい実施の形態においては、現存する孔の全数の内の少なくとも約80%は、その平均の孔のサイズが70Å以上であり、及び約90Å以下である。更に、約70Å以上の平均の孔サイズを持ち、及び約90Å以下であるのが90%以上であるのが好ましく、そして約70Å以上の平均孔サイズを持ち、及び90Å以下であるものが95%以上あるのが特に好ましい。
【0073】
本明細書に記載の好ましい触媒システムは、通常、担持体g当り約300m2以上の表面積を持つ。本発明の、好ましい焼成された無機非層状結晶相担持体材料は、又担持体グラム当たり約300m2以上の全表面積持つ(m2/g担持体)ものとして特徴付けられる。
【0074】
したがって、担持体は、焼成後、本質的に均一サイズの孔の実質的に六角形の配置を含むものとして特徴づけることができる。この材料は六角形の電子回折パターンを示し、そのパターンは約18Åより大きいd100値により指標付けをすることができる。
【0075】
担持体材料、特にその金属、水素及びアンモニアとの結合した形のものは、熱処理(焼成)により他の形に有利に変えることができる。好ましい熱処理は、通常約200℃以上、及び約1000℃以下の温度で加熱して行う。この範囲において、約900℃の温度で行うことができるが、約800℃以下の温度が好ましく、約750℃以下がより好ましい。又、この範囲内で約300℃以上の温度が好ましく、約400℃以上がより好ましく、約500℃以上が特に好ましい。
【0076】
非層状無機多孔性結晶相材料は好ましくは、少なくとも一分、そして一般的には20時間より長くない時間焼成するのが良い。この範囲において、約15時間以下の焼成をすることができ、約10時間以下が好ましく、約5時間以下がより好ましい。又この範囲において、約30分以上が好ましく、約1時間以上がより好ましく、約2時間以上が特に好ましい。非層状無機多孔性結晶相材料は好ましくは、酸化気体の存在下で、最も好ましくは、酸素と空気中で焼成されるのが良い。
【0077】
重合化触媒
本発明の触媒システムは、触媒及び非層状無機多孔性結晶相材料を含む担持体を含み、好ましくは約200℃以上で、約1分以上、好ましくは5分以上、酸化気体の存在下で焼成するのが良く、ここで担持体は、平均の孔の直径が約13Å以上の均一なサイズの孔の六角形配置を持ち、X線回折パターンが約18Å以上のd100計算値を持ち、50トール、25℃で担持体100グラム当たり約15グラムベンゼン以上の吸収容量を持ち、孔の壁厚は約25Å以下である。好ましい実施の形態においては、触媒システムは、空気の存在下で約500℃から約900℃の温度で約0.5時間(30分)から約10時間焼成される。
【0078】
触媒は好ましくは、金属又は、担持体材料上で、及び/又は材料内部に存在する金属化合物を含むのが良い。金属化合物は好ましくは、第6族金属を含む触媒前駆体から誘導された酸化金属であるのが良く、より好ましくは、触媒はクロム(Cr)を含むのが良い。
【0079】
触媒システムは好ましくは、触媒システムの全重量に対し約0.01から約10重量%の触媒を含むのが良い。その結果、触媒システム中のCrの重量%は、触媒システムの全重量の約0.01から約10重量%(wt%)であっても良い。この範囲内で、約5wt%以下のwt%のCrを使用することができ、好ましくは約2wt%以下、より好ましくは約1.5wt%以下が良い。又この範囲において、約0.05wt%以上のCr wt%が好ましく、約0.1%wt%以上がより好ましく、約0.15wt%以上が特に好ましい。
【0080】
担持体の孔は担持体内で、担持体の外部側(outer)表面に対して内側に位置している担持体の内部側(inner)表面を、孔の表面が規定する様に配置されているのが好ましい。触媒は担持体を通して均一であるのが好ましい。より好ましくは、担持体の内部側(inner)表面に配置され、又は位置している触媒の濃度は、担持体の外部側(outer)表面上に配置されている触媒の濃度より大きいのが良い。言い換えると、触媒は、担持体粒子の外部側(outer)表面に比べて、担持体の孔内に配置及び/又は位置していることが好ましい。
【0081】
その結果、触媒は担持体の「外部」(outside)よりもその「内部」(inside)に同程度、又は相当に濃度が高い状態で存在するのが好ましい。担持体の内部とは、担持体顆粒の内部表面領域(internal surface area)を指す。担持体の外部とは、担持体顆粒の外部表面をいう。全表面領域とは、担持体の内側(internal)及び外側表面領域(external(surface area)の両方をいう。
【0082】
好ましい触媒システムでは、実質的にすべての触媒は担持体の全表面領域に亙り実質的に均一に拡がっている。ここで実質的にすべてとは、担持体を持つ触媒の少なくとも約75%、好ましくは、90%以上を指す。この意味で、実質的に均一とは、担持体の何れの25平方ミクロン以上の表面においても、存在する触媒の量が、同じサイズの他のどの表面領域に存在する触媒の量の10%以内であることをいう。
【0083】
その上に触媒が分散している焼成された非層状無機多孔性結晶相材料担持体の表面は、必然的に担持体の内側(internal)表面を含む、すなわち外側(external)表面のみならずオープンセル メソ孔(open-cell mesopores)を含む。外側表面は好ましくは、内側表面よりも小さいのが良い。分散状態は、触媒への負荷及び分散技術の適用可能なこれらの触媒表面に存在する。最も好ましい触媒システムは分散された触媒を含み、ここで全ての又は実質的に全ての触媒は担持体の外部(exterior)表面よりは担持体のメソ孔の内部(inside)に位置しているのが良い。そこで少なくとも75%、好ましくは、少なくとも90%の触媒が担持体のメソ孔の内部(inside)に存在する。更に、メソ孔内の触媒は実質的に担持体の全表面領域に亙り均一に分散する。粒子の位置は、二次イオン質量分光法(secondary Ion Mass Spectroscopy(SIMS))により直接測定するのみならず、X線光電子分光法(X-ray Electron Spectroscopy; XPS)、低電圧走査電子顕微鏡法(Low Voltage Scanning Electron Microscopy (LVSEM))、高分解能電子顕微鏡法(High Resolution Analytical Electron Microscopy (AEM))測定により推定することができ、これらはすべてその技術分野の当業者に良く知られている。
【0084】
担持体の外側(external)表面、及び内側(internal)表面に配置されている触媒の量を決める一つの方法は、担持体中のある元素(以下「担持体元素」(”support element”という)),例えば、シリカに対する触媒組成の比率を測定することである。
【0085】
例えば、担持体元素に対するクロムの比率は、水素及び金属に標準を合わせたX線光電子分光法(XPS)により決められる。例えば、シリカを含む担持体は、触媒システム(担持体触媒)及び、粉砕された、粉末状の、そうでなければ咀嚼された状態の触媒システムのサンプルについてのシリコンに対するクロムの比率をXPSにより測定することができる。(「粉砕された」の意味は、碾き臼及びぺスタル(pestal)により細かい粉末に挽かれた様な細かく挽かれた固体をいう)。
【0086】
粉砕されていない(Cr:Si)の粉砕されている(Cr:Si)の比率は、担持体粒子外部(outside)のシリコンに対する触媒比率の、担持体粒子の内部(inside)のシリコンに対する触媒比率に直接相関する例として、もしXPSデータがシリコンの濃度が16.37%であることを示し、粉砕されていない第一のサンプルにおいてクロムの濃度が8.04%であることを示している場合、そのサンプルでのクロムのシリコンに対する比率は、8.04%を16.37%で割った0.491である。サンプルが粉砕されている場合、XPSがシリコンの濃度が15.68%、クロムの濃度が10.29%であることを示している場合は、粉砕されたサンプルでの、シリコンに対するクロムの比率は、10.29を15.68で割った0.656となる。この例では、外部のクロムの内部のクロムに対する比率は、0.491を0.656で割って、最終比率が0.749と決められる。本発明の目的においては、粉砕したサンプル中に測定されたクロムは、担持体の「外側」(external)表面からのものであり、存在する全クロムを含んだ場合は無視することができる程の量である。同様なXPSデータは、シリカ以外の担持体材料についても公知の方法により得ることができ、上記のシリカの例と同様方法により分析されるべきである。
【0087】
好ましくは、触媒の外部担持体元素に対する比率の、触媒の内部担持体元素に対する比率の比は約2.0:1以下であり、より好ましくは、約1.5:1以下、更に好ましくは、約1.0:1.0、さらに好ましくは、0.85:1.0以下であるべきである。他の実施の形態においては、触媒の外部担持体元素に対する比率の、触媒の内部担持体元素に対する比率の比は約1.75:1以下であり、より好ましくは、約1.25:1以下、更に好ましくは、約0.95:1.0、それより好ましくは、0.85:1.0以下であり、更にそれ以上に好ましくは、約0.75:1.0 以下であるべきである。
【0088】
その結果、好ましい触媒システムでは、担持体の孔は担持体内で、担持体の外部側(outer)表面に対して内側(internal)に位置している担持体の内部側(inner)表面を、孔の表面が規定する様に、配置されており、そして、基本的に、触媒システムの表面での触媒濃度を、粉砕された触媒システムの量の触媒濃度と比べることにより決定される様に、担持体の内部側(inner)表面上の触媒の量は、担持体の外部側(outer)表面上の触媒の量より多い。
【0089】
担持体に適合するように、触媒システムの平均粒子サイズは,好ましくは約1ミクロメータ以上であるのが良い。この範囲内では、平均粒子サイズは,約0.5ミクロメータ以上であるのが好ましく、約1.0ミクロメータ以上であるのがより好ましい。
【0090】
触媒システムの生産
本発明の触媒システムの生産プロセスには、好ましくは触媒前駆体を含む液又はスラリーを生産し、前記触媒前駆体液をある量の担持体、好ましくは、非層状無機多孔性結晶相材料で接触させることを含むのが良い。溶媒は、その後担持体から除去されるのが好ましく、そして触媒前駆体は、前駆体と担持体の組合せたものを約200℃以上で、酸化気体の存在下で約1分以上焼成することにより、少なくとも部分的に触媒に転換され、触媒システムが生産される。
【0091】
触媒のシステムは好ましくは、触媒前駆体を酸化気体、好ましくは、空気の存在下で約500℃から約900℃の温度で加熱する(すなわち、焼成する)ことにより活性化されるのが良い。触媒はその後、金属を低原子価数の状態に還元するための温度と十分な時間、還元剤(すなわち、一酸化炭素)により処理され、及び/又は触媒は、重合プロセスの間重合されるモノマーと接触させることにより還元しても良い。
【0092】
担持された酸化金属塩触媒は好ましくは、触媒前駆体を、水及び/又は有機溶媒を用いて担持体に浸透させることにより生産するのが良い。担持体材料は好ましくは、触媒前駆体を堆積させる前に少なくとも部分的に、脱水及び/又は焼成するのが良い。これは温度200℃から900℃の範囲まで、例えば、空気、窒素、又はその両方の雰囲気中で、大気圧、大気圧より低い圧力、超大気圧(superatomospheric pressure)下で、約30分から約48時間加熱することにより行うことができる。脱水は組成物を単に真空中に置くことで、室温で実施することもできる。しかし、十分な脱水量を達成するまで、より長い時間が必要となる。
【0093】
触媒前駆体は、クロムを含むのが好ましい。クロムを含む好ましい触媒前駆体の例は以下のものを含む:
酢酸第二クロム(chromic acetate), 臭化クロム(chromic bromide), 炭酸クロム(chromic carbonate), 塩素クロム(chromic chloride), フッ化クロム(chromic fluoride), ギ酸クロム (chromic formate), 水酸化クロム(chromic hydroxide), 硝酸クロム(chromic nitrate), 酸化クロム(chromic oxide)、リン酸クロム (chromic phosphate), 硫酸クロムカリウム(chromic potassium sulfate), 硫酸第二クロム(chromic sulfate), 金属クロム(chromium metal), クロムカルボニル(chromium carbonyl), 二酸化クロム(chromium dioxide), クロミウムピコリネート(chromium picolinate), 四フッ化クロム (chromium tetrafluoride), 三酸化クロム(chromium trioxide), クロミウムアセチルアセトナート(chromium acetylacetonate), 酢酸第一クロム(chromous acetate), 臭化第一クロム(chromous bromide), 塩化第一クロム(chromous chloride), フッ化第一クロム(chromous fluoride), ギ酸第一クロム(chromous formate), シュウ酸第一クロム(chromous oxalate), 硫酸第一クロム(chromous sulfate), 塩化クロミル(chromyl chloride), フッ化クロミル(chromyl fluoride), 又はこれらの少なくとも一つを含む組合せである。適当な有機溶媒は使用される触媒前駆体により異なり、エタノール、メタノール及び/又は酢酸を含こともある。
【0094】
好ましい実施の形態においては、触媒は初期の湿潤技術を用いて接触させられ、ここで溶液又はスラリーは触媒前駆体、好ましくはクロムを含む触媒前駆体を含み、その前駆体は担持体の全部の孔容量の約2倍以下の溶媒の量を含む。好ましくは、溶媒の量は担持体の全部の孔の容量以下であるのが良く、担持体の全部の孔の容量未満であるのが更に良い。その後前駆体溶液はある量の担持体、好ましくは、非層状無機多孔性結晶相材料担持体に接触さられるのが良い。溶媒はそして好ましくは、担持体から除去されるのが良く、そして触媒前駆体は、前駆体と担持体の組合せたものを約200℃以上で、酸化気体の存在下で約1分以上焼成することにより、少なくとも部分的に触媒に転換され、触媒システムが生産される。
【0095】
モノマー
本発明の触媒システムは如何なる不飽和モノマーでも重合化及び/又はオリゴマー化するために用いることができる。好ましいモノマーはC2からC100のオレフィンを含み、より好ましくは、C2からC60のオレフィン、更に好ましくは、C2からC40のオレフィン、それより好ましくは、C2からC20のオレフィン、最も好ましくはC2からC12のオレフィンを含むのが良い。ある実施の形態においては、モノマーは直線状、枝分かれ、又は環状アルファ‐オレフィンを含み、好ましくはC2からC100のアルファ‐オレフィンを含み、より好ましくはC2からC60のアルファ‐オレフィン、更に好ましくはC2からC40のアルファ‐オレフィン、それより好ましくはC2からC20のアルファ‐オレフィン、最も好ましくはC2からC12のアルファ‐オレフィンを含むのが良い。好ましいオレフィン モノマーの例には、一以上のエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、4−メチル‐ペンテン−1、3−メチル ペンテンー1、3,5,5−トリメチル ヘキセン−1、及び5−エチル−1−ノネンを含む。
【0096】
本発明において生産されるポリマーは、一以上の直線又は枝分かれしたC3からC30のプロキラル(prochiral)アルファ‐オレフィンの共重合体、又はC5からC30の環を含むオレフィン共重合体、又はこれらの組合せであり、立体特異的(stereospecific)又は非立体特異的触媒(non- stereospecific)により重合されうるものである。ここで用いるプロキラルは、立体特異的触媒を用いて重合する場合にアイソタクチック(isotactic)、又はシンジオタクチック(syndiotactic)ポリマーを形成する傾向のあるモノマーを言う。
【0097】
好ましいモノマーは、又約30までの炭素原子を持つ芳香族を含むモノマーを含む。適当な芳香族を含むモノマーは少なくとも一つの芳香族構造、好ましくは、1から3の、より好ましくは、フェニル(phenyl)、インデニル(indenyl)、フルオレニル(fluorenyl)、ナフチル (naphthyl)部分を含むのが良い。芳香族を含むモノマーは更に少なくとも一つの重合可能な二重結合を含んでおり、その場合重合の後に芳香族構造がポリマー骨格から垂下しているであろう。芳香族を含むモノマーは更に、これに限定されるものではないが、C1からC10のアルキル基を含む、一以上のヒドロカルビル(hydrocarbyl)基により置換されるかもしれない。加えて、二つの隣接する置換基は合わさって、その環状構造を形成していることもある。好ましい芳香族を含むモノマーは、重合可能なオレフィン部分に付加された、少なくとも一つの芳香族構造を含んでいる。特に好ましい芳香族モノマーはスチレン(styrene), アルファメチルスチレン(alpha-methyl-styrene),パラ−アルキルスチレン(para-alkylstyrenes) ビニルトルエン (vinyltoluenes), ビニルナフタレン (vinylnaphthalene), アリルベンゼン(allyl benzene), 及び インデン(indene), 特にスチレン, パラメチル スチレン(paramethyl styrene), 4−フェニル−1−ブテン(4-phenyl-1-butene), 及びアリルベンゼン (allyl benzene)を含む。
【0098】
また、非芳香族環状基を含むモノマーも好ましい。これらのモノマーは約30までの炭素原子を含みうる。適当な非芳香族環状基を含むモノマーは、好ましくは、環状構造に垂下し又はその一部である重合可能な少なくとも一つのオレフィン基を持つのが良い。環状構造は又、これに限定されるものではないが、C1からC10のアルキル基の様な一以上のヒドロカルビル(hydrocarbyl)基により置換されているかもしれない。好ましい非芳香族環状基を含むモノマーは、ビニルシクロへキサン(vinylcyclohexane), ビニルシクロへキセン(vinylcyclohexene), ビニルノルボルネン(vinylnorbornene), エチリデン ノルボルネン(ethylidene norbornene)、 シクロペンタジエン (cyclopentadiene), シクロペンテン(cyclopentene), シクロへキセン (cyclohexene), シクロブテン (cyclobutene), ビニルアダマンタン(vinyladamantane), 等を含む。
【0099】
本発明で有用な好ましいジオレフィンモノマーは、どのような炭化水素構造でも良く、好ましくは、少なくとも二つの不飽和結合を持つC4からC30であるのが良く、不飽和結合の少なくとも二つは, 立体特異的(stereospecific)又は非立体特異的触媒(non- stereospecific)により容易にポリマーに重合されうるものを含む。更に、ジオレフィンモノマーはアルファ、オメガ−ジエンモノマー(すなわち、ジビニル モノマー)から選択されるのが好ましい。より好ましくは、ジオレフィンモノマーは直線状ジビニルモノマー、最も好ましくは、4から30の炭素原子を含むジビニルモノマーが良い。好ましいジエンの例には、以下のものを含む:
ブタジエン(butadiene), ペンタジエン(pentadiene), ヘキサジエン(hexadiene), ヘプタジエン(heptadiene), オクタジエン (octadiene), ノナジエン(nonadiene),デカジエン (decadiene),アンデカジエン (undecadiene), ドデカジエン(dodecadiene), トリデカジエン(tridecadiene), テトラデカジエン(tetradecadiene), ペンタデカジエン(pentadecadiene),ヘキサデカジエン (hexadecadiene), ヘプタデカジエン(heptadecadiene),オクタデカジエン (octadecadiene), ノナデカジエン(nonadecadiene), イコサジエン(icosadiene),ヘネイコサジエン (heneicosadiene),ドコサジエン (docosadiene), トリコサジエン(tricosadiene), テトラコサジエン(tetracosadiene), ペンタコサジエン(pentacosadiene), ヘキサコサジエン(hexacosadiene),ヘプタコサジエン (heptacosadiene),オクタコサジエン (octacosadiene), ノナコサジエン(nonacosadiene), 及びトリアコンタジエン (triacontadiene)。特に好ましいジエンは、1,6-ヘプタジエン (1,6-heptadiene), 1,7-オクタジエン(1,7-octadiene),1,8-ノナジエン(1,8-nonadiene), 1,9デカジエン-(1,9-decadiene), 1,10-アンデカジエン(1,10- undecadiene), 1,11-ドデカジエン(1,11-dodecadiene),1,12-トリデカジエン (1,12-tridecadiene), 1,13-テトラデカジエン(1,13-tetradecadiene), 及び低分子量のポリブタジエンpolybutadienes) (分子量1000g/モル未満)を含む。好ましい環状ジエンはシクロペンタジエン(cyclopentadiene), ビニルノルボルネン (vinylnorbornene), ノルボルナジエン(norbornadiene), エチリデンノルボルネン(ethylidene norbornene), ジビニルベンゼン(divinylbenzene),ジシクロペンタジエン (dicyclopentadiene) 又は、環の種々の位置で置換基を持ち、あるいは持たない、より高次の環を持つジオレフィンを含む。
【0100】
この発明の開示において、オリゴマー(oligomer)の用語は2−75部分単位(mer unit)の組成物を指し、ポリマー(polimer)は76部分単位以上の組成物をいう。部分(mer)は、オリゴマー化、又は重合化で用いられるオレフィンに元来対応する一単位のオリゴマー又はポリマーを指す。例えば、、ポリエチレンの部分(mer)はエチレンを指すと言える。
【0101】
本発明のプロセスは、上に記載のどのモノマーのオリゴマーを生産するのに用いても良い。好ましいオリゴマーは、炭素数C2からC20の何れのオレフィンのオリゴマーでも良く、好ましくは、C2からC12のアルファーオレフィンを含み、及び最も好ましくはエチレン、プロピレン、及び/又はブテンを含むオリゴマーが生産されるのが良い。オリゴマー化プロセスのための好ましい原材料はアルファ−オレフィン、エチレンである。これに限定されるものではないが、プロピレン及び1-ブテンを含む他のアルファ−オレフィンも又単独で、又はエチレンと組み合わせて用いても良い。好ましいアルファオレフィンは、C2からC40の何れのアルファオレフィンでも良く、好ましくは、C2からC20のアルファオレフィン、好ましくは、C2からC12のアルファオレフィン、好ましくは、エチレン、プロピレン、及びブテン、最も好ましくは、エチレンである。ジエンは本明細書に記載のプロセスに用いても良く、好ましくは、アルファ、オメガジエンが単独で、又はモノアルファオレフィンと組み合わせて用いても良い。
【0102】
本明細書に記載のプロセスは、ホモポリマー、又はコポリマーを生産するのに用いられる。本明細書に記載の様に、コポリマーは2、3、4又はそれ以上のモノマー単位を含んでいてもよい。ここで生産される好ましいポリマーは、上記のモノマーの何れのホモポリマー、又はコポリマーを含んでいても良い。好ましい実施の形態においては、ポリマーはC2からC12の何れのアルファオレフィンのホモポリマーであっても良い。ポリマーはエチレンのホモポリマー、又プロピレンのホモポリマーであっても良い。他の実施の形態においては、ポリマーはエチレン及び上記に記載の何れかのモノマーの一以上を含むコポリマーである。更に他の実施の形態においては、ポリマーはプロピレン、及び上記に記載の何れかのモノマーの一以上を含むコポリマーである。
【0103】
本発明により生産されるポリマーは、エチレン及び一以上のC3からC20の線状、枝分かれ、又は環状モノマーであって良く、好ましくは、一以上のC3からC12の線状、枝分かれ、又は環状のアルファオレフィンであるのが良い。好ましくは、本発明により生産されるポリマーは、エチレンと、プロピレン、ブテン、ペンテン、へキセン、へプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、4−メチル‐ペンテン‐1、3−メチル ペンテンー1、及び3,5,5−トリメチル ヘキセンー1の内の一以上とのコポリマーであるのが良い。
【0104】
本発明により生産されるポリマーは、プロピレン及び一以上のC2又は C4からC20の線状、枝分かれ、又は環状モノマーであって良く、好ましくは一以上のC2又は C4からC12の線状、枝分かれ、又は環状のアルファオレフィンであるのが良い。本発明により生産されるポリマーは、プロピレンと、エチレン、及び一以上のエチレン、ブテン、ペンテン、へキセン、へプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、4−メチル‐ペンテン‐1、3−メチル ペンテンー1、及び3,5,5−トリメチル ヘキセンー1の内の一以上とのコポリマーであることもある。
【0105】
本明細書に記載のコポリマーは、第一モノマーを少なくとも50モル%、及び他のモノマーを50モル%まで含んでいる。他の実施の形態においては、ポリマーは、第一モノマーが40から95モル%、好ましくは50から90モル%、好ましくは60から80モル%含み、コモノマーが5から40モル%、好ましくは10から60モル%、より好ましくは20から40モル%、第三モノマー(termnomer)を0から10モル%、より好ましくは0.5から5モル%、より好ましくは1から3モル%を含むのが良い。
【0106】
好ましい実施の形態においては、第一モノマーは一以上の何れのC2からC8の線状、枝分かれ、又は環状のアルファオレフィンを含んでいても良く、それにはエチレン、プロピレン、ブテン(及びこれらのすべての異性体)、ペンテン(及びこれらのすべての異性体)、へキセン(及びこれらのすべての異性体)、へプテン(及びこれらのすべての異性体)、オクテン(及びこれらのすべての異性体)を含む。好ましいモノマーは、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-へキセン、1-オクテン、シクロへキセン、シクロオクテン、ヘキサジエン、シクロヘキサジエン等を含む。コモノマーは一以上の何れのC2からC40の線状、枝分かれ、又は環状のアルファオレフィンを含んでいても良く(但し、もしエチレンが存在する場合は5モル%以下とする)を含み、これには、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、及びオクテン、ノネン、デセン、アンデセン、ドデセン、ヘキサデセン、ブタジエン, ヘキサジエン, ヘプタジエン, ペンタジエン、オクタジエン, ノナジエン, デカジエン, ドデカジエン、スチレン、3,5,5−トリメチル ヘキセンー1、3−メチル ペンテンー1、4−メチル‐ペンテン‐1、シクロペンタジエン, 及びシクロへキセンを含む。
【0107】
第三モノマー(termonomer)は一以上の何れのC2からC40の線状、枝分かれ、又は環状のアルファオレフィンを含んでいても良く(但し、もしエチレンが存在する場合は5モル%以下とする)を含み、これにはエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、及びオクテン、ノネン、デセン、アンデセン、ドデセン、ヘキサデセン、ブタジエン, ヘキサジエン, ヘプタジエン, ペンタジエン、オクタジエン, ノナジエン, デカジエン, ドデカジエン、スチレン、3,5,5−トリメチル ヘキセンー1、3−メチル ペンテンー1、4−メチル‐ペンテン‐1、シクロペンタジエン, 及びシクロへキセンを含む。
【0108】
上記のポリマーは、更に、組成物の全重量に対して約10重量%までの一以上のジエンを含み、好ましくは、0.00001から1.0重量%、好ましくは、0.002から0.5重量%、更に好ましくは、0.003から0.2重量%を含んでも良い。ある実施の形態においては、500ppm以下のジエンが、好ましくは400ppm以下、好ましくは300ppm以下のジエンが重合の際加えられるのが良い。他の実施の形態においては、少なくとも50ppmのジエンが、又は100ppm以上、又は150ppm以上が加えられる。
【0109】
重合プロセス
上記した触媒の組成は、通常、アルファオレフィンであるが、何れの不飽和モノマーをオリゴマー化、又は重合化のために使用されても良い。本明細書に記載の一以上の触媒システム、及び一以上のモノマーはポリマーを生産するために接触させられる。その結果、不飽和モノマーを重合化する好ましいプロセスは、モノマーを触媒システム及び、任意選択的に、捕集剤(scavenger)と接触させることを含み、ここで触媒システムは、触媒及び、酸化気体の存在下で約200℃以上で、約1分以上焼成した非層状無機多孔性結晶相材料を含む担持体を含み、又担持体は平均の孔の直径が約13Å以上である均一なサイズの孔の六角形配置を持ち、X線回折パターンは18Å以上のd100計算値を持ち、及び50トール、25℃で担持体100g当り約15gベンゼン以上の吸収容量を持ち、そして壁厚が約25Å以下である。
【0110】
この発明で用いる好ましい捕集剤には、トリエチルアルミニウム(triethylaluminum)、トリメチルアルミニウム(trimethylaluminum)、トリ−イソブチルアルミニウム(tri-isobutylaluminum)、及びトリ‐n-ヘキシルアルミニウム(tri-n-hexylaluminum)、及びジエチル塩化アルミニウム(diethyl aluminum chloride)、ジブチル 亜鉛(dibutyl zinc)等を含む。
【0111】
組成物は溶液中、バルク、ガス相又はスラリー相、又はこれらの組合せの重合プロセスにおいて接触させられるが、好ましくは、ガス又はスラリー相重合プロセスが良い。このように、更に本発明は本明細書に記載のモノマーからポリマーを生産するプロセスに関係する。触媒システムとモノマーの組合せでは、その比率は約1:1,000,000から約10:1が好ましい。
【0112】
本発明では直列、又は並列状の一以上の反応器を用いることができる。触媒システムは好ましくは、スラリー状又は粉末状で反応器に送られるのが良い。重合化は、一つの反応器か、又は反応器の直列配置運転により実施される。単一の反応器の場合は、モノマー、コモノマー、触媒、捕集剤、及び任意的に調整剤が連続的に追加され、直列運転の場合には、上記の組成物は各2つ又は直列に結合された2以上の反応器に加えられる。触媒組成物は、直列運転の最初の反応器に加えることが出来る。触媒組成物は、ある組成物は第一の反応器に、他の組成物は他の反応器に加えられることで、両方の反応器に加えることもできる。
【0113】
触媒システムのエチレン重合に対する触媒の活性は、約1リッターのイソブタン、約0.25mモルのジブチルマグネシウム、及び約100mgの触媒を、全圧力約450psig(3103KPa)から約500psig(3447KPa),及び約100℃から約110℃での重合条件下において決定されうる。この条件では触媒システムの活性g/g/hrはエチレンの約800g/g/hr以上であることが好ましい。
【0114】
結果物の触媒システムは、(公知の触媒システムとの比較で)オレフィン重合において、室温以下の温度から約250℃までの範囲で活性が改善していることを示す。この範囲内で、約200℃以下の温度でも良く、好ましくは、約150℃以下が良く、更に好ましくは、115℃以下が良い。又この範囲内で、約50℃以上が好ましく、約70℃以上がより好ましく、約90℃以上が特に好ましい。
【0115】
重合圧力は、サブ大気圧(すわなち、1気圧未満)から約5,000psig(34,474KPa)までであって良い。この範囲内で、約1,000psig(6,895KPa)以下でも良く、約800psig(5,516KPa)以下が好ましく、約700psig(4,826KPa)以下がより好ましい。又この範囲内で約100psig(689KPa)以上が好ましく、約200psig(1,379KPa)以上がより好ましく、約250psig(1,724KPa)以上が特に好ましい。
【0116】
本明細書で用いる誘発時間は、重合条件下でオレフィン、触媒及び任意的に、捕集剤を接触させてから、感知されうる量のポリマーが生産され始める(例えば、重合プロセスで検知されるモノマーの消費は又、オレフィン取り込み(uptake)と呼ぶ)までの時間として定義される。誘発時間は好ましくは、5分未満であるのが良い。好ましくは、誘発時間は約3分以下であるのが良く、約1分以下が好ましく、更に好ましくは、約1分以下が良い。更に本発明で用いられる触媒システムはバッチタイプ反応器、固定床反応器、スラリー反応器、ガス相反応器、及び/又は連続フロー反応器で用いることができる。
【0117】
好ましくは、モノマーを触媒システムにより接触させてから、重合の開始までの誘発時間は、約100℃から約110℃、約450psig から約500psigでのエチレン重合では約2分以下であるのが良い。
【0118】
ガス相重合
通常、ポリマーを生産する流動ガス床プロセスにおいては、一以上のモノマーを含むガス流は反応状態で、触媒の存在下で流動床を通して絶えず環流している。ガス相流は流動床から回収されて反応器にリサイクルされる。同時に、ポリマー製品は反応器から回収され、そして新たなモノマーが、重合化されたモノマーに取って替わるため追加される(例えば、米国特許番号4,543,399, 4,588,790, 5,028,670, 5,317,036, 5,352,749, 5,405,922, 5,436,304, 5,453,471, 5,462,999, 5,616,661 及び 5,668,228を参照願いたい。これらは、すべて引用により本明細書に組み入れられる)。
【0119】
ガス相プロセスでの反応器の圧力は約10psig(69kPa)から約500psig(3448kPa)まで変化し, 好ましくは、約100psig(690kPa) から約500 psig (3448 kPa)、好ましくは、約200 psig (1379 kPa)から約400 psig (2759 kPa)、より好ましくは、約250 psig (1724 kPa)から約350 psig (2414 kPa)の範囲であるのが良い。
【0120】
ガス相プロセスでの反応器の温度は約30℃から約120℃で変化し、好ましくは約60℃から約115℃、より好ましくは約70℃から約110℃の範囲で、最も好ましくは、約70℃から約95℃の範囲内であるのが良い。他の実施の形態においては、高密度のポリエチレンを望む場合は、反応器の温度は通常70℃と105℃の間である。
【0121】
ガス相システムでの触媒又は触媒システムの生産性は、主モノマーの分圧により影響される。主モノマー、エチレン又はプロピレン、好ましくはエチレンが良いが、その好ましいモルパーセントは約25から90モルパーセントであり、コモノマーの分圧は約138kPa から約517kPa、好ましくは約517kPaから約2069kPaであるのが良く、これはガス相重合プロセスでの通常の条件である。又あるシステムではコモノマーの存在は生産性を増す。
【0122】
好ましい実施の形態においては、本発明で使用される反応器は時間当たり500ポンド(227 kg/時間)を超え約200,000ポンド/時間(90,900kg/時間)まで又はそれより多いポリマーを生産することができ、好ましくは、1000 ポンド/時間 (455 kg/時間)より多く、より好ましくは、10,000 ポンド/時間 (4540 kg/時間)より多く、さらにより好ましくは25,000 ポンド/時間 (11,300 kg/時間) より多く、それより更に好ましくは35,000ポンド/時間 (15,900 kg/時間) より多く、それより更に好ましくは50,000 ポンド/時間 (22,700 kg/時間) より多く、好ましくは、65,000 ポンド/時間 (29,000 kg/時間)を超え100,000 ポンド/時間 (45,500 kg/時間)、最も好ましくは100,000 ポンド/時間 (45,500 kg/時間)を超えるのが良い。
【0123】
本発明のプロセスに使用が考えられる他のガス相プロセスは、米国特許番号5,627,242, 5,665,818 及び 5,677,375及び欧州特許公開番号EP-A-0794 200, EP-A-0802 202 及び EP- B-634 421に記載のものを含み、これらのすべては、引用により本明細書に組み入れられる。
【0124】
スラリー相重合
スラリー相重合プロセスは一般的に約1から約50気圧(15 psi から735 psi, 103 kPaから5068 kPa)の範囲、又はそれ以上の気圧で、温度は0℃から約120℃で行われる。スラリー相の重合では、固体の懸濁液、微粒子ポリマーが、そこにモノマー及び任意的にコモノマーが触媒と共に加えられる液状重合希釈媒体中に形成される。希釈剤を含む懸濁液は、断続的に又は連続的に反応器から除去され、反応器では揮発性組成物がポリマーから分離され、そして、蒸留の後に任意的に、反応器にリサイクルされる。重合媒体中の液状希釈剤は通常3から7炭素原子を持つアルカンであり、好ましくは、枝分かれアルカンであるのが良い。使用される媒体は重合条件下で液体であり且つ比較的不活性なものであるべきである。プロパン媒体が用いられる場合は、プロセスは反応希釈液臨界温度及び圧力以上で運転されるべきである。好ましくは、ヘキサン又はイソブタン媒体が用いられるのが良い。
【0125】
有用な重合技術には粒子状の重合、又はスラリープロセスとされるのものを含む。そのような技術は知られており、例えば、米国特許番号3,248,179に記載されており、本文献は引用により本明細書に組み入れられる。粒子状のプロセスでの好ましい温度は約85℃から約110℃の範囲である。スラリープロセスの好ましい二つの重合方法はループ反応器、及び直列、並列、又はそれらの組合せによる複数の攪拌反応器を用いるものである。これに限定するものではないが、スラリープロセスの例には、連続ループ又は攪拌タンクプロセスを含む。又、他のスラリープロセスの例は米国特許番号4,613,484に記載されており、本文献は引用により本明細書に組み入れられる。
【0126】
スラリープロセスはループ反応器で連続的に実施しても良い。イソブタンにおけるスラリー、又は乾燥した自由に流れる粉末のような触媒は反応器ループに定期的に注入され、ループ自身モノマー及びコモノマーを含むイソブタンの希釈剤中で生成する循環するポリマー粒子のスラリーで満たされる。任意的に、水素は分子量をコントロールするために加えられることもある。反応器は、所望するポリマー溶融特性にもよるが、圧力は3620 kPa から 4309 kPa、温度は約60℃から約104℃の範囲に保たれる。反応器の多くの部分はダブルジャケットパイプの形を取っているため、反応熱はループ壁を通して逃がされる。スラリーは、イソブタン希釈剤及び反応しなかったモノマー及びコモノマーを全て除去するために、一定の間隔で又は連続的に反応器から、加熱低圧フラッシュ容器、ロータリ乾燥機及び窒素浄化コラムに順次に排出される。結果物の炭化水素を含まない粉末は、種々の用途に用いるためその後調合される。
【0127】
本発明のスラリープロセスで用いる反応器は、時間当たり2000 ポンドを超えるポリマー(907 kg/時間)を生産することができ、より好ましくは時間当たり5000 ポンド(2268 kg/時間)を超えるポリマーを、最も好ましくは時間当たり10,000 ポンド(4540 kg/時間)を超えるポリマーを生産することができるのが良い。他の実施の形態においては、本発明のプロセスで用いるスラリー反応器は、時間当たり15,000ポンド(6804 kg/時間)を超えるポリマーを生産し、より好ましくは時間当たり25,000 ポンド(11,340 kg/時間)を超え約100,000 ポンド(45,500 kg/時間)のポリマーを生産することができるのが良い。
【0128】
本発明のスラリープロセスを用いる場合、反応器の全圧力は400 psig (2785 kPa) から 800 psig (5516 kPa), 好ましくは450 psig (3103 kPa) から約700 psig (4827 kPa),より好ましくは500 psig (3448 kPa) から約650 psig (4482 kPa), 最も好ましくは約525 psig (3620 kPa)から 625 psig (4309 kPa)の範囲であるのが良い。
【0129】
本発明のスラリープロセスでは, 反応器液媒体中の主モノマーの濃度は、約1から10重量%、好ましくは約2から約7重量%、より好ましくは約2.5から約6重量%、最も好ましくは約3から約6重量%であるのが良い。
【0130】
プロセス、好ましくはスラリー又はガス相のプロセスは、トリエチルアルミニウム(triethylaluminum)、トリメチルアルミニウム(trimethylaluminum)、トリーイソブチルアルミニウム(tri-isobutylaluminum)、及びトリ‐n-ヘキシルアルミニウム(tri-n-hexylaluminum)、及びジエチル塩化アルミニウム(diethyl aluminum chloride)、ジブチル 亜鉛(dibutyl zinc)等の捕集剤が存在しない、又は実質的に存在しない状態で運転されることもある。このプロセスはPCT公報WO 96/08520 及び米国特許番号5,712,352に記載されており、これらの文献は引用により本明細書に組み入れられる。本明細書に記載のプロセスは又捕集剤を用いて実施することもできる。
【0131】
バルク又は液相の重合
本明細書に記載の触媒は液状プロセス(すなわち、ポリマーが反応媒体において溶解可能な場合)において有利に用いることができる。通常これは、その中で形成されるポリマー、及び開始モノマー及び供給される触媒材料が、濃度の勾配を減少させ、または回避するために攪拌される連続反応器中での重合を伴う。適切なプロセスは、高圧で(すなわち、約1から約3000バール(10から30,000MPa))ポリマーの溶融点以上で運転され、そこではモノマーは希釈剤として、又は溶媒を用いた溶液重合の形で作用する。
【0132】
反応器中の温度管理は重合反応熱と、反応器ジャケット又は反応器の内容物を冷却するための冷却コイルによる反応器の冷却、自動冷却、事前冷却された供給原料、液状媒体の蒸発(希釈剤、モノマー又は溶媒)又はこれら3つのすべての組合せ、とをバランスさせることにより行う。事前冷却された原材料を用いる断熱反応器も又使用することも出来る。反応器の温度は用いる触媒により変わる。一般に、反応器の温度は約0℃から約160℃の間で変化し、より好ましくは約10℃から約140℃、最も好ましくは約40℃から約120℃の間で変わるのが良い。直列運転においては第二反応器の温度は好ましくは、第一反応器の温度より高いのが良い。並列運転では二つの反応器の温度は夫々独立である。圧力は約1 mm Hg から 2500 バール (25,000 MPa)まで変わり、好ましくは0.1 バール から 1600 バール (1-16,000 MPa)、最も好ましくは1.0 から 500 バール (10-5,000 MPa)の間で変わるのが良い。
【0133】
これらの各プロセスは又、単一の反応器、又は並列又は直列反応器の構成において使用することができる。液状プロセスは、オレフィンモノマーを上記の触媒システムにより、適当な希釈剤又は溶媒中で接触させ、そして所望のポリマーを生産するに十分な時間モノマーを反応させることを含む。炭化水素溶媒は脂肪族及び芳香族の双方ともに適している。ヘキサン、ペンタン、イソペンタン、及びオクタンの様なアルカンが好ましい。
【0134】
プロセスは連続攪拌タンク反応器、バッチ反応器又はプラグフロー(plug flow)反応器、又は二以上の直列又は並列で運転される反応器により実施することができる。これらの反応器は内部冷却を持つ、又は持たない場合があり、又供給されるモノマーは冷却され、又は冷却されない場合がある。一般的なプロセス条件については米国特許番号5,001,205を参照願いたい。又国際出願WO96/33227及びWO97/22639も参照願いたい。
【0135】
生産されるポリマー
本発明により生産されるポリマー、特にエチレンホモポリマー、及びコポリマーは25,000から500,000の重量平均分子量(Mw)を持つことがある。本発明により生産されるポリマー、特にエチレンホモポリマー及びコポリマーは又、分子重量分布(Mw/Mn)が35まで、より好ましくは30まで、より好ましくは2から30まで、より好ましくは2から25の分布を持つことがある。
【0136】
本発明により生産されるポリマーは、好ましくは、ポリマー立方センチ当たり約0.9g 以上の密度をもつポリエチレンとして規定される高密度ポリエチレンであるのが良い。約0.94以上の密度を持つポリエチレンを生産するためのエチレンの重合が好ましく、0.95以上の密度を持つポリエチレンを生産するのが特に好ましい。
【0137】
本発明により生産されるポリマー又はオリゴマーは、官能基化されることもある。好ましい官能基には、マレイン酸及び無水マレイン酸を含む。官能基化するとは、ポリマーが不飽和酸または無水物で接触させられたことを意味する。好ましい不飽和酸又は無水物には、少なくとも一つの二重結合、及び少なくとも一つのカルボニル基を含むいずれかの不飽和有機化合物含んでいるのが良い。代表的な酸としては、カルボン酸、無水物、エステル、及びそれらの塩であり、金属及び非金属の両方を含む。より好ましくは有機化合物はカルボニル基(-C=O)と共役結合するエチレン不飽和物を含むのが良い。この例として、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、アルファメチルクロトン酸、及びシナモン酸を含み、それらの無水物、エステル及び誘導塩は当然含まれる。無水マレイン酸は特に好ましい。不飽和酸又は無水物は、炭化水素樹脂及び不飽和酸、又は無水物の重量に対し、好ましくは約0.1重量%から約10重量%、好ましくは、約0.5重量%から約7重量%、より好ましくは約1重量%から約4重量%であるのが良い。
【0138】
実施例
実施例1
89Å担持体の生産
この材料の合成法はBeck, et. al. , JACS, 114 (27) (1992), 10832及び米国特許番号5,057,296、実施例41に記載の方法と類似しているかもしれない。特に、水酸化セチルトリメチルアンモニア(cetyltrimethylammonium hydroxide、CTMAOH)液は塩化N,N,N-トリメチル‐1−ヘキサデカン アミニウム (N, N, N-trimethyl-l- hexadecanaminium chloride)液にハロゲン化物・水酸基交換樹脂(hydroxide-for-halide exchange resin)を接触させることで生産する。ある量のアルミン酸ソーダ(NaAlO2)が混合物に追加され、そしてNaAlO2量が完全に溶解するまで攪拌される。この溶液にテトラメチルアンモニア(tetramethlammonium, TMA)ケイ酸溶液、シリカ、水及び1,3,5-トリメチルべンゼン (1,3, 5- trimethylbenzene) が加えられる。結果の混合物は、その後室温で数分間攪拌されてゲルとなる。ゲルはその後、攪拌圧力釜に入れられ約105℃で約3日間加熱される。結果物の製品はろ過され、暖めた蒸留水(60℃ー70℃)及びアセトンで数回洗浄される。担持体はその後窒素/空気混合気体中で約538℃まで焼成され、その後空気中に約10時間置かれる。
【0139】
上記の様に生産された結果物の材料のXRDパターンは、約82Åでd間隔d100がピークを示した。この材料の六角形指標に基づき、これは約95Åの孔の間の繰り返し距離に対応する(d100 x2/√3)。BJH吸収プロットにより得た平均孔サイズは約89Åであった。この2つの数字の差は約6Åの壁厚を表している。
【0140】
89Å担持体を用いる触媒システムの生産
0.116 gの(CH3CO2)7Cr3(OH)2が4.5 mLの水に溶解された。この溶液が3gの上記の89Å担持体に滴下された。混合物は良く混ぜ合わされ、そして約70℃の真空炉で約20時間乾燥された。重合触媒を生成するために、結果物の触媒前駆体は約870℃の乾燥空気中で活性化された。
【0141】
比較例1:
95Å担持体の生産
DI H2O 30 g, 2M HCL 120g, トリブロックコポリマー(triblock copolymer)Pluronic P123 (EO20PO70EO20)4.0g、及び1,3, 5トリメチルべンゼン(1,3, 5 trimethylbenzene)3.0 gを混合して結合させた。この混合物に8.5gのテトラエチルオルソケイ酸塩(tetraethylorthosilicate) が加えられ、そして結合させた混合物は35℃まで過熱され20時間攪拌された。温度を100℃まで上げ、攪拌を停止した。100℃で24時間置いた後、混合物は冷却され、そしてサンプルがろ過され、DI H2Oで洗浄された。この材料の一部が空気中で500℃まで約3時間焼成され、結果の焼成材料が分析された。焼成されたサンプルは孔のサイズが約95Å(BJH吸収プロット)、表面積793m2/g、孔の容量は1.33g/ccであった。
【0142】
XRDパターンは、約55Åでd間隔d100のピークを示し、これはこの材料の六角形指標に基づく、孔の間の繰り返し距離が約127Å(2d200 x2/√3)であることを表している。BJH吸収プロットにより得た平均孔サイズは約95Åであった。この2つの数字の差は約32Åの壁厚を表している。
【0143】
95Å担持体を用いる触媒システムの生産
この触媒は、上に記した95Åの担持体が用いられたことを除いては、実施例1と同じ様な方法により生産された。
【0144】
比較例2
62Å担持体の生産
DI H2O 30 g, 2M HCL 120g, トリブロックコポリマー(triblock copolymer)Pluronic P123 (EO20PO70EO20)4.0gを混合して結合させた。この混合物に8.5gのテトラエチルオルソケイ酸塩(tetraethylorthosilicate) が加えられ、そして結合させた混合物は35℃まで過熱され20時間攪拌された。温度を100℃まで上げ、攪拌を停止した。100℃で24時間置いた後、混合物は冷却されそしてサンプルがろ過され、DI H2Oで洗浄された。この材料の一部が空気中で500℃まで約3時間焼成され、結果物の焼成材料が分析された。焼成されたサンプルは孔のサイズが約62Å(BJH吸収プロット)、表面積820 m2/g、孔の容量は0.93 g/ccであった。
【0145】
XRDパターンによると、約46Åでd間隔d100のピークを示し、この材料の六角形指標に基づき、孔の間隔の繰り返し距離が約106Å(2x d200 x 2/√3)であることに対応している。BJH吸収プロットにより得た平均孔サイズは約62Åであった。この2つの数字の差は約44Åの壁厚を表している。
【0146】
62Å担持体を用いる触媒システムの生産
溶液を作るために3.0mLの水を用いたこと、及び上に記した62Åの担持体を用いたことを除き、この触媒は実施例1と同じ様な方法により生産された。
【0147】
比較例3
969MPIを用いた触媒システムの生産
969MPIはシリカ担持体を用いたクロム触媒であり、W. R. Grace & Coより入手可能である。この触媒は重合触媒を生産するために、870℃で乾燥空気中で活性化された。
【0148】
エチレンの重合
エチレン重合は、2LのZipperclave反応器(Autoclave Engineering)で行われた。まず、反応器は窒素流で120℃から140℃の温度で2時間清浄された。ジブチルマグネシウム(dibutylmagnesium (DBM))のヘキサン及び/又は1−へキセン溶液、及び必要な水素が850mLのイソブタンに加えられ、反応器に装填された。反応器はその後105から110℃に加熱され、エチレンにより全圧力470 psig(3,241 kPa)に加圧された。100 mgの触媒が、残りの150 mLのイソブタンをスラリー状で追加することにより反応器に装填された。重合の間、反応器の温度は反応器中のサーモカップル及び外部ジャケットによりコントロールされた。所望の全圧力を維持するため、エチレンが必要に応じ供給された。重合は熱を取り除き、揮発性物質を放出することで45分後に終了した。
【0149】
試験方法
I2 (g/10 分)はASTM D1238-95, 条件 E (2.16 kg, 190℃)により決定された。
【0150】
I21 (g/10 分)はASTM D1238-95, 条件 F (2.16 kg, 190℃)により決定された。
【0151】
密度(g/cm3)はASTM D1505-98により決定された。
【0152】
誘発時間(分)は、触媒の反応器への装填から、探知可能なエチレンの取り込み(uptake)の開始までの間の経過時間を測定するため、ストップウオッチを用いて決定された。エチレンの取り込みは、特に本件に適する仕様の質量フローメータを用いた測定により約0.1標準リットル/分のエチレン流量以下であった。孔のサイズはBJH吸収もモデルを用いて決定された。例えば、Barrett, E. P., Joyner, L. G. 及び Halenda, P. P., 1951 (多孔性物資における孔容量及び面積分布の決定、窒素等温線による算出("The Determination of Pore Volume and Area Distributions in Porous Substances; I. Computations from Nitrogen Isotherms" ); J. Amer. Chem. Soc. 73, 373-380を参照願いたい。
【0153】
上記の実施例、及び比較例を用いたエチレン重合化及び共重合化の例は表2のエチレン重合のための担持されたCr触媒、に示す。
【表2】

【0154】
すべての触媒は870℃で活性化された。重合条件は以下の通りであった:1リットルのイソブタン中に0.25mモルのDBM、全圧力470 psig (3,241 kPa)、運転時間45分。
【0155】
種々の条件の下商業的に入手可能な969MPI(比較例3)と比較し、89Å担持体を用いた実施例1は、誘発時間が短く、そして比較例1,2、及び3に比べてより高い触媒活性を示した。
【0156】
その結果、以下のことが開示される:
1A. 触媒システムは触媒及び非層状無機多孔性結晶相材料を含み、ここで担持体は約13Å以上の平均の孔の直径を持つ均一サイズの孔の六角形配置を持ち、X線回折パターン約18Å以上のd100計算値を持ち、50トール、25℃で担持体100g当り約15 g以上のベンゼン吸収容量を持ち、孔の壁厚は約25Å以下である。
【0157】
2A.上記の1Aの触媒システムにおいては、担持体は酸化気体の存在下で、約200℃以上で、約1分以上焼成される。
【0158】
3A.上記の1A 又は2Aの触媒システムにおいては、担持体は約500℃から約750℃で、約0.5から約10時間空気中で焼成される。
【0159】
4A. 上記の1A乃至3Aの触媒システムにおいては、孔の約80%以上は孔の直径の平均の+−約20%の孔の直径を持つ。
【0160】
5A. 上記の1A乃至4Aの触媒システムにおいては、孔の約90%以上は孔の直径の平均の+−約5%の孔の直径を持つ。
【0161】
6A.上記の1A乃至5Aの触媒システムにおいては、孔の直径の平均は約20Åから約500Åである。
【0162】
7A. 上記の1A乃至6Aの触媒システムにおいては、孔の直径の平均は約70Åから約90Åである。
【0163】
8A. 上記の1A乃至7Aの触媒システムは、担持体g当り約300m2以上の表面積を持つ触媒システムである。
【0164】
9A. 上記の1A乃至8Aの触媒システムにおいては、孔の壁厚は約20Å以下である。
【0165】
10A. 上記の1A乃至9Aの触媒システムにおいては、孔の壁厚は約4Å以上である。
【0166】
11A. 上記の1A乃至10Aの触媒システムにおいては、前記結晶相材料は以下に表される組成を持ち:
Mn/q (Wa Xb Yc Zd Oh)
ここでMは、一以上のイオンであり;
nはMが酸化物の場合を除き電荷であり;
qはMの加重分子平均原子価(weighted molar average valence)であり;
n/qはMのモル数またはモル分数であり;
Wは、一以上の二価の元素であり;
Xは、一以上の三価の元素であり;
Yは、一以上の四価の元素であり;
Zは、一以上の五価の元素であり;
a,b,c, 及びdは W, X, Y及び Z の夫々のモル分数であり;
hは1から2.5の数字であり;そして
a+b+c+d=1 である。
【0167】
12A.11Aの触媒システムにおいて、a及びdは0であり、及びh=2である。
【0168】
13A. 12Aの触媒システムにおいて、Xはアルミを含み、Yはシリコンを含む。
【0169】
14A. 13Aの触媒システムは、担持体の全重量に対し、約0.1から約20重量%のアルミナを含む触媒システムである。
【0170】
15A. 上記の1A乃至14Aの触媒システムは、約1ミクロメータ以上の平均粒子サイズを持つ触媒システムである。
【0171】
16A. 1A乃至15Aの何れの触媒システムにおいても、前記システムは酸化気体の存在下で約200℃以上で、約1分以上焼成される。
【0172】
17A. 16Aの触媒システムにおいては、触媒は第6族金属を含む。
【0173】
18A. 上記の16A乃至17Aの触媒システムにおいては、触媒はクロムを含む。
【0174】
19A. 上記の16A乃至18Aの触媒システムにおいては、担持体の外部側(outer)の表面に対して内側に位置している担持体の内部側(inner)表面を、孔の表面が規定する様に、担持体の孔が担持体内に配置されており、及び触媒システムの本質的に表面上にある触媒濃度を、粉砕された触媒システムの量の触媒濃度と比較して決定される、担持体の内部側(inner)表面上の触媒の量は担持体の外部側(outer)表面上の触媒の量よりも多い。
【0175】
20A. 上記の16A乃至19 Aの触媒システムにおいては、担持体は約500℃から約750℃で、約0.5から約10時間空気中で焼成される。
【0176】
21A. 上記の16A乃至20Aの触媒システムにおいては、孔の約80%以上は孔の直径の平均の+−約20%の孔の直径を持つ。
【0177】
22A. 上記の16A乃至21Aの触媒システムにおいては、孔の約90%以上は孔の直径の平均の+−約5%の孔の直径を持つ。
【0178】
23A. 上記の16A乃至22Aの触媒システムにおいては、孔の直径の平均は約20Åから約500Åである。
【0179】
24A. 上記の16A乃至23Aの触媒システムにおいては、孔の直径の平均は約70Åから約90Åである。
【0180】
25A. 上記の16A乃至24Aの触媒システムは、担持体g当たり約300m2以上の表面積を持つ触媒システムである。
【0181】
26A. 上記の16A乃至25Aの触媒システムにおいては、孔の壁厚は約20Å以下である。
【0182】
27A.26Aの触媒システムにおいては、孔の壁厚は約4Å以上である。
【0183】
28A. 上記の16A乃至27Aの触媒システムにおいては、前記結晶相材料は以下に表される組成を持ち:
Mn/q (Wa Xb Yc Zd Oh)
ここでMは、一以上のイオンであり;
nはMが酸化物の場合を除いて、電荷であり;
qはMの加重分子平均原子価(weighted molar average valence)であり;
n/qはMのモル数またはモル分数であり;
Wは、一以上の二価の元素であり;
Xは、一以上の三価の元素であり;
Yは、一以上の四価の元素であり;
Zは、一以上の五価の元素であり;
a,b,c, 及びdは W, X, Y及び Z の夫々のモル分数であり;
hは1から2.5の数字であり;そして
a+b+c+d=1 である。
【0184】
29A.28Aの触媒システムにおいては、a及びdは0であり、及び h=2である。
【0185】
30A. 29Aの触媒システムにおいては、 Xはアルミニウムを含み、 Yはシリコンを含む。
【0186】
31A.30Aの触媒システムは、担持体の全重量に対して、その約0.1から約20重量%のアルミナを含む触媒システムである。
【0187】
32A. 上記の16A乃至31Aの触媒システムは、平均粒子サイズが約1ミクロメータ以上である触媒システムである。
【0188】
33A. 上記の16A乃至32Aの触媒システムは、触媒システムの全重量に対して、その約0.01から約10重量%の触媒を含む触媒システムである。
【0189】
34A. 上記の16A乃至33Aの触媒システムを生産するプロセスであって、
触媒前駆体を含む溶液をある量の担持体で接触させることを含み、
ここで前記溶液は前記担持体の全孔容量の約2倍以下の溶媒を含み、及び
担持体から溶媒を除去すること、及び
触媒システムを生産するために、好ましくは酸化気体の存在下で、約200℃以上で、約1分以上焼成することを含む、
プロセスである。
【0190】
35A.34Aのプロセスにおいては、触媒前駆体はクロムを含む。
【0191】
36A. 35Aのプロセスにおいては、触媒前駆体は以下を含む:
酢酸第二クロム(chromic acetate), 臭化クロム(chromic bromide), 炭酸クロム(chromic carbonate), 塩素クロム(chromic chloride), フッ化クロム(chromic fluoride), ギ酸クロム (chromic formate), 水酸化クロム(chromic hydroxide), 硝酸クロム(chromic nitrate), 酸化クロム(chromic oxide)、リン酸クロム (chromic phosphate), 硫酸クロムカリウム(chromic potassium sulfate), 硫酸第二クロム(chromic sulfate), 金属クロム(chromium metal), クロムカルボニル(chromium carbonyl), 二酸化クロム(chromium dioxide), クロミウムピコリネート(chromium picolinate), 四フッ化クロム (chromium tetrafluoride), 三酸化クロム(chromium trioxide), クロミウムアセチルアセトナート(chromium acetylacetonate), 酢酸第一クロム(chromous acetate), 臭化第一クロム(chromous bromide), 塩化第一クロム(chromous chloride), フッ化第一クロム(chromous fluoride), ギ酸第一クロム(chromous formate), シュウ酸第一クロム(chromous oxalate), 硫酸第一クロム(chromous sulfate), 塩化クロミル(chromyl chloride), フッ化クロミル(chromyl fluoride), 又はこれらの少なくとも一つを含む組合せである。
【0192】
37A.不飽和モノマーを重合するプロセスであって:
モノマーを触媒システム及び、任意選択的に捕集剤により接触させることを含み、ここで触媒システムは、触媒及び、酸化気体の存在下、約200℃以上で、約1分以上焼成された非層状無機多孔性結晶相材料を含む担持体を含み、及び担持体は約13Å以上の孔の直径の平均を持つ均一なサイズの孔の六角形配置を持ち、X線回折パターンは約18Å以上のd100計算値を持ち、50トール、25℃で担持体100g当り約15g以上のベンゼン吸収容量を持ち、及び孔の壁厚は約25Å以下である、
プロセスである。
【0193】
38A.37Aのプロセスにおいては、モノマーを触媒システムにより接触させてから重合開始までの誘発時間は、エチレン重合において温度約100℃から約110℃、及び約450psigから約 500psigで約2分以下である
39A. 上記の37A乃至38Aのプロセスにおいては、触媒システムはエチレン重合の場合、800g/g/時間以上の活性を持ち、ここでエチレン重合は約100℃から約110℃、約450psigから約 500psigで行われる。
【0194】
40A. 上記の37A乃至39Aのプロセスにおいては、モノマーはC2-C60オレフィン、C2-C20アルファオレフィン、又は前記の少なくとも一つを含む組合せを含む。
【0195】
41A. 上記の37A乃至40Aのプロセスは、スラリー相重合条件下で行われるプロセスである。
【0196】
42A. 上記の37A乃至41Aのプロセスは、ガス相重合条件下で行われるプロセスである。
【0197】
43A. 上記の37A乃至42Aのプロセスは、バルク相重合条件下で行われるプロセスである。
【0198】
44A. 上記の37A乃至43Aのプロセスにおいては、触媒は第6族金属を含む。
【0199】
45A. 上記の37A乃至44Aのプロセスにおいては、触媒はクロムを含む。
【0200】
46A. 上記の37A乃至45Aのプロセスにおいては、担持体の外部側の表面に対して内側に位置している担持体の内部側表面を、孔の表面が規定する様に、担持体の孔が担持体内に配置されており、触媒システムの本質的に表面上にある触媒濃度を、粉砕された触媒システムの量の触媒濃度と比較して決定される、担持体の内部側表面上の触媒の量は担持体の外部側表面上の触媒の量よりも多い。
【0201】
47A. 上記の37A乃至46Aのプロセスにおいては、担持体は空気中で約500℃から約750℃で約0.5から約10時間焼成される。
【0202】
48A.上記の37A乃至47Aのプロセスにおいては、孔の約80%以上は孔の直径の平均の+−約20%の孔の直径を持つ。
【0203】
49A. 上記の37A乃至48Aのプロセスにおいては、孔の約90%以上は孔の直径の平均の+−約5%の孔の直径を持つ。
【0204】
50A. 上記の37A乃至49Aのプロセスにおいては、孔の直径の平均は約20Åから約500Åである。
【0205】
51A. 上記の37A乃至50Aのプロセスにおいては、孔の直径の平均は約70Åから約90Åである。
【0206】
52A. 上記の37A乃至51Aのプロセスは、グラム当たり担持体に対し約300m2以上の表面積を持つプロセスである。
【0207】
53A上記の37A乃至52Aのプロセスにおいては、孔の壁厚は約20Å以下である。
【0208】
54A. 上記の37A乃至53Aのプロセスにおいては、孔の壁厚は約4Å以上である。
【0209】
55A. 上記の37A乃至54Aのプロセスにおいては、前記結晶相材料は以下に表される組成を持ち、
Mn/q (Wa Xb Yc Zd Oh)
ここでMは、一以上のイオンであり;
nはMが酸化物の場合を除いて、電荷であり;
qはMの加重分子平均原子価(weighted molar average valence)であり;
n/qはMのモル数またはモル分数であり;
Wは、一以上の二価の元素であり;
Xは、一以上の三価の元素であり;
Yは、一以上の四価の元素であり;
Zは、一以上の五価の元素であり;
a,b,c, 及びdは W, X, Y及び Z の夫々のモル分数であり;
hは1から2.5の数字であり;そして
a+b+c+d=1 である。
【0210】
56A. 上記の55Aのプロセスにおいては、a及びdは0であり、及びh=2である。
【0211】
57A. 上記の56Aのプロセスにおいては、Xはアルミニウムを含み、Yはシリコンを含む。
【0212】
58A. 上記の57Aのプロセスは、担持体の全重量に対し約0.1から約20重量%のアルミナを含むプロセスである。
【0213】
59A. 上記の37A乃至58Aのプロセスは、約1ミクロメータ以上の平均粒子サイズを持つプロセスである。
【0214】
60A. 上記の37A乃至59Aのプロセスは、触媒システムの全重量に対し、約0.01から約10重量%の触媒を含むプロセスである。
【0215】
61A. 上記の37A乃至60Aのプロセスにより生産されるポリマーにおいては、ポリマーはポリエチレンを含む。
【0216】
62A. 上記61Aのポリマーは、立方センチ当たり約0.9 g以上の密度を持つポリマーである。
【0217】
63A. 不飽和モノマーを重合するプロセスであって;
モノマーを上記16A乃至33Aのいずれか1項に記載の触媒システム及び、任意選択的に捕集剤により接触させることを含み、ここで触媒システムは、触媒及び、酸化気体の存在下で、約200℃以上で約1分以上焼成された非層状無機多孔性結晶相材料を含む担持体を含み、及び担持体は約13Å以上の平均の孔の直径を持つ均一なサイズの孔の六角形配置を持ち、X線回折パターンは約18Å以上のd100計算値を持ち、50トール、25℃で担持体100g当り約15g以上のベンゼン吸収容量を持ち、孔の壁厚は約25Å以下である、ことを含むプロセスである。
【0218】
本発明は典型的な実施の形態に付いて記載されているが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明をこれらを変形して実施することができ、又本明細書に記載の要素と同等なもので置換することができることを了解するであろう。さらに、実質的に本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の趣旨に沿った特定な状況、又は材料を用いた種々の変形を施すことができるであろう。したがって、本発明は、本発明を実施するための最良の形態として意図された特定の実施の形態に限定されるものではないが、本発明は請求の範囲に含まれるすべての実施の形態を含むものであることに留意する必要がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒及び非層状無機多孔性結晶相材料を含む触媒システムであって、担持体は13Å以上の平均の孔直径を持つ均一なサイズの孔の六角形配置を持ち、X線回折パターンは約18Å以上のd100計算値を持ち、50トール、25℃で担持体100g当り15g以上のベンゼン吸収容量を持ち、孔の壁厚は25Å以下である、
ことを含む、前記触媒システム。
【請求項2】
前記担持体が酸化気体の存在下、200℃以上で、約1分以上焼成される請求項1に記載の担持体システム。
【請求項3】
前記孔の約80%以上が、孔の直径の平均の+−20%の孔の直径を持つ請求項1又は2に記載の触媒システム。
【請求項4】
前記孔の90%以上が、孔の直径の平均の+−5%の孔の直径を持つ請求項1乃至3のいずれか1項に記載の触媒システム。
【請求項5】
前記孔の直径の平均が70Åから90Åである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の触媒システム。
【請求項6】
前記孔の壁厚が20Å以下である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の触媒システム。
【請求項7】
触媒システムであって、前記結晶相材料が以下に表される成分を持ち:
Mn/q (Wa Xb Yc Zd Oh)、
Mは、一以上のイオンであり;
nはMが酸化物の場合を除き電荷であり;
qはMの加重分子平均原子価(weighted molar average valence)であり;
n/qはMのモル数またはモル分数であり;
Wは、一以上の二価の元素であり;
Xは、一以上の三価の元素であり;
Yは、一以上の四価の元素であり;
Zは、一以上の五価の元素であり;
a,b,c, 及びdは W, X, Y及び Z の夫々のモル分数であり;
hは1から2.5の数字であり;そして
a+b+c+d=1 である、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の触媒システム。
【請求項8】
前記a及びdは0であり、h=2である請求項7に記載の触媒システム。
【請求項9】
前記Xはアルミニウムを含み、Yはシリコンを含む請求項8に記載の触媒システム。
【請求項10】
前記担持体の全重量に基づく重量に対し、0.1から約20重量%のアルミナを含む請求項1乃至9のいずれか1項に記載の触媒システム。
【請求項11】
1ミクロメータ以上の平均粒子サイズを持つ請求項1乃至10のいずれか1項に記載の触媒システム。
【請求項12】
前記触媒システムが酸化ガスの存在下で200℃以上の温度で1分以上焼成される請求項1乃至11のいずれか1項に記載の触媒システム。
【請求項13】
触媒が第6族金属を含む請求項12に記載の触媒システム。
【請求項14】
前記触媒システムであって、担持体の外部側の表面に対して内側に位置している担持体の内部側表面を、孔の表面が規定する様に、担持体の孔が担持体内に配置されており、及び触媒システムの本質的に表面上にある触媒濃度を、粉砕された触媒システムの量の触媒濃度と比較して決定される、担持体の内部側表面上の触媒の量は担持体の外部側表面上の触媒の量よりも多い,請求項1乃至13のいずれか1項に記載の触媒システム。
【請求項15】
不飽和モノマーを重合するプロセスであって、
モノマーを触媒システム及び、任意選択的には捕集剤により接触させることを含み、触媒システムは、触媒及び、酸化気体の存在下で、200℃以上で、約1分以上焼成された非層状無機多孔性結晶相材料を含む担持体を含み、及び担持体は約13Å以上の平均の孔の直径を持つ均一なサイズの孔の六角形配置を持ち、X線回折パターンは18Å以上のd100計算値を持ち、50トール、25℃で担持体100g当り約15g以上のベンゼン吸収容量を持ち、及び孔の壁厚は25Å以下である、前記プロセス。
【請求項16】
前記プロセスは、モノマーを触媒システムにより接触させてから、重合開始までの誘発時間が、エチレン重合において、温度約100℃から約110℃で、450psigから500psigにおいて、2分以下である請求項15に記載のプロセス。
【請求項17】
前記プロセスは、触媒システムが、エチレン重合において800g/g/時間以上の活性を持ち、エチレン重合は100℃から110℃、450psigから 500psigで行われる請求項15又は16に記載のプロセス。
【請求項18】
前記モノマーがC2-C60オレフィン、C2-C20アルファオレフィン、又は前記の少なくとも一つを含む組合せを含む、請求項15乃至17のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項19】
前記プロセスが、スラリー相重合条件下で行われる請求項15乃至18のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項20】
前記プロセスが、ガス相重合条件下で行われる請求項15乃至18のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項21】
前記プロセスが、バルク相重合条件下で行われる請求項15乃至18のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項22】
前記プロセスにおいて、触媒がクロムを含む請求項15乃至21のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項23】
前記プロセスにおいて、担持体の外部側の表面に対して内側に位置している担持体の内部側表面を、孔の表面が規定する様に、担持体の孔が担持体内に配置されており、及び触媒システムの本質的に表面上にある触媒濃度を、粉砕された触媒システムの量の触媒濃度と比較して決定される、担持体の内部側表面上の触媒の量は担持体の外部側表面上の触媒の量よりも多い請求項15乃至22のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項24】
前記プロセスにおいて、孔の80%以上が孔の直径の平均の+−約20%の孔の直径を持つ請求項15乃至23のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項25】
前記プロセスにおいて、孔の直径の平均が70Åから90Åである請求項15乃至24のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項26】
前記プロセスにおいて、グラム当たり担持体に対し300m2以上の表面積を持つ請求項15乃至25のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項27】
前記プロセスにおいて、孔の壁厚が20Å以下である請求項15乃至26のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項28】
前記プロセスにおいて、前記結晶相材料は以下で表される組成を持ち:
Mn/q (Wa Xb Yc Zd Oh)
ここでMは一以上のイオンであり;
nはMが酸化物の場合を除いて、電荷であり;
qはMの加重分子平均原子価(weighted molar average valence)であり;
n/qはMのモル数またはモル分数であり;
Wは、一以上の二価の元素であり;
Xは、一以上の三価の元素であり;
Yは、一以上の四価の元素であり;
Zは、一以上の五価の元素であり;
a,b,c, 及びdは W, X, Y及び Z の夫々のモル分数であり;
hは1から2.5の数字であり;そして
a+b+c+d=1 である、
請求項15乃至27のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項29】
前記a及びbは0であり、h=2である請求項28に記載のプロセス。
【請求項30】
前記Xはアルミにウムを含み、Yはシリコンを含む請求項28又は29に記載のプロセス。
【請求項31】
前記ポリマーがポリエチレンを含む、請求項15乃至30のいずれか1項に記載のプロセスにより生産されるポリマー。
【請求項32】
前記ポリマーが立方センチ当たり0.9g以上の密度を持つ請求項31に記載のポリマー。

【公表番号】特表2007−517962(P2007−517962A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549271(P2006−549271)
【出願日】平成16年12月7日(2004.12.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/041039
【国際公開番号】WO2005/075076
【国際公開日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(599134676)エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク (301)
【Fターム(参考)】