説明

オンライン学習システム

【課題】科目に関する各人の学力効果を測定結果に基づいて各人に好適な学習計画を自動的に作成して提示し、この提示に基づいて学習者は当該科目をオンラインで学習することができるシステムを提供する。
【解決手段】学習サーバは、各学習者端末21からの要求に応じ学習効果測定のための問題を複数の測定項目と各項目ごとの測定分野の単位に分けた問題を要求端末に提供し、前記問題を提供された前記端末から学習者の解答が前記サーバに送信されると、前記測定項目における全ての測定分野ごとに前記解答を採点すると共に、各測定項目と各項目における全測定分野ごとに、前記採点結果を複数段階の評価値に変換して変換評価値を学習者端末に提示し、かつ、この評価値に基づいて各測定項目における測定分野ごとにオンライン学習サーバから提供される当該科目の学習テキストにおける学習すべき各分野の内容と学習すべき時間を当該学習者端末に提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学力効果測定に基づく学習計画を自動形成しその学習をオンライン上でできるようにしたオンライン学習システムに関する。すなわち、本発明はインターネットに接続されたコンピュータによってオンライン学習を実施する手法に関し、オンライン学習において、各学生などの学習者個々人の学力効果を測定し、その測定結果に基づいて、各人に向けての学習計画を自動的に形成すると共に、その計画に基づいて各人が当該オンライン上で学習できるようにしたオンライン学習システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータシステムを利用したオンライン学習に関しては、従来から種々の手法が特許出願などにより提案され、中には実用に供されているものもある。(特許文献1,2などを参照)
【0003】
しかし、従来提案されているコンピュータを用いたオンライン学習システムにおいては、学生等の学習者各人の学力効果を測定した上で、各人に最適の学習内容となる学習計画を自動的に作成する手法についての提案は未だない。
【0004】
特に、高校や大学等の入学試験、或は、学生,社会人等の各種資格試験のように、試験時期が決まっている試験に向けての対象学科の学習においては、各学習者ごとに受験学科の試験対象範囲における現在の学力を、当該科目の学習単元ごとに測定し、その測定結果に基づいて現在から試験直前までの期間における各単元ごとの学習計画を自動的に形成して提示するようにした手法は未だない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−248773号公報
【特許文献2】特開2010−277046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明では、コンピュータを用いたオンライン学習手段において、所要の科目に関する学生各人の学力効果を測定し、その測定結果に基づいて各人に好適な学習計画を自動的に作成して提示し、この提示に基づいて学習者は当該科目をオンライン上で学習することができるようにしたシステムを提供することを、課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決することを目的としてなされた本発明システムの構成は、オンライン学習サーバとインターネットを介して接続された複数の学習者端末を備えて成り、前記オンライン学習サーバは、各学習者端末からの要求に応じて要求された科目の学習効果測定のための問題を複数の測定項目と各項目ごとの測定分野の単位に分けた問題で要求端末に提供し、前記問題を提供された前記端末から学習者が解答した前記問題の解答が前記サーバに送信されると、当該サーバは、前記測定項目における全ての測定分野ごとに前記解答を採点すると共に、各測定項目と各項目における全測定分野ごとに、前記採点結果を複数段階の評価値に変換して変換評価値を学習者端末に提示し、かつ、この評価値に基づいて各測定項目における測定分野ごとにオンライン学習サーバから提供される当該科目の学習テキストにおける学習すべき各分野の内容と学習すべき時間を当該学習者端末に提示するようにしたことを特徴とするものである。ここで、端末に提示された前記の学習すべき内容は、前記サーバから学習端末に、オンライン学習用テキストとしてダウンロードできるので、学習者は当該テキストで必要な学習を行うことができる。
【発明の効果】
【0008】
各学習者が自身の端末において所要科目における試験範囲全域の学習効果、つまり自分の現在の実力を知るために、オンライン学習サーバから学習者端末に提示される測定試験を受けると、当該サーバから受験した科目の全範囲を分けた複数の測定項目における複数の測定分野について、自分の到達度が評価値で端末に提示され、かつ、この評価値に基づいて各測定分野ごとにオンライン学習サーバから端末に提供されるテキスト上で学習すべき単元内容とそれに要する時間とが学習者端末に提示されるので、各学習者は自分の科目ごとの弱点(到達度が低い単元[測定分野])と弱点克服のために学習すべき内容がオンライン学習サーバが提供するテキスト上で判ると共に、学習すべき時間が当該学習者の端末に提示され、従って、各科目ごとに目標が明確な学習をオンライン上で効率よく行うことが可能になる。また学習すべき内容は、前記サーバからオンライン学習用テキストとして学習者端末にダウンロードできるので、学習者はこのテキストで自己の弱点分野について上記の提示された学習時間の必要な学習を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明システムの構成を模式的に示したブロック図。
【図2】本発明システムにおけるオンライン学習サーバの構成例を示すブロック図。
【図3】本発明システムにおける学習者端末の構成例を示すブロック図。
【図4】本発明システムにおける動作概要を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1に示したオンライン学習サーバ1とこのサーバ1とインターネットINを介して接続された学習者21〜2nの構成並びに処理について説明する。
【0011】
図2のオンライン学習サーバ1は、各学習者端末21〜2nを用いて学習する各学習者の端末に対して必要な科目の問題の提供を学習者の要求に基づいて行い、得られた解答を採点して形成される各学習者の受験した科目に関する測定した分野ごとの評価と今後の学習計画を提供するために以下の構成を備える。
【0012】
オンライン学習サーバ1は、キーボード2、ディスプレイ3、ディスク4、CPU5、メモリ6を有し、メモリ6には、制御部61、ログイン管理部62、出題部63、採点部64、評価対応計画部65がそれぞれプログラムにより備えられている。
【0013】
制御部61は、起動時にログイン管理部62、出題部63、採点部64、評価対応計画部65を起動する。
【0014】
ログイン管理部62は、学習者端末21からログイン情報を受け取ると、ログイン処理を行い、ログイン結果を学習者端末21に通知する。
【0015】
出題部63は、科目管理テーブル71、問題テーブル72を有し、学習者端末21から受験開始と受験科目の通知を受け取ると、当該学習者端末21へ通知された科目とその問題を選択して送付する。
【0016】
採点部64は、問題テーブル72にリンクした採点テーブル73、採点テーブルにリンクした評価テーブル74を有し、学習者端末21から送られて来た解答情報に基づいて採点を行い、その採点結果に基づいて各科目の測定項目における各測定分野の理解度(学力)を評価し、採点結果や理解度(学力)を学習者端末21に送付する。
【0017】
評価対応計画部65は、学習計画テーブル75を有している。採点部64の採点結果の評価は学習者端末21に送付されるが、評価対応計画部65は、その科目における測定項目の各測定分野の評価データに基づいて各測定分野ごとの評価に対応して形成された学習計画を学習者端末21に送付する。
【0018】
ここで、本発明における各測定分野ごとの評価に対応した学習計画とは、学テーブル75に設定されている、一例として次のことをいう。
例えば、大学受験科目の数学(1A・2B)における試験範囲は、大きな測定項目として、(1)「式と演算(計算力)」,(2)「数と論理」,(3)「関数(基礎解析)」,(4)「幾何(図形的考案)」に分けられている。
【0019】
そして、各測定項目(1)〜(4)は、その中が、(1)は「数と式(演算)」,「方程式と不等式」,「複素数と方程式」,「指数対数関数(演算)」,「三角関数」に、(2)は「数と式(論理)」,「論理と集合」,「場合の数と確率」,「数列」に、(3)は「2次関数」,「指数対数関数(関数)」,「三角関数(関数)」に、(4)は「三角比」,「平面図形」,「図形と方程式」,「ベクトル」に、といった具合に各測定項目の内容が複数の測定分野に細分されている。
【0020】
そこで、本発明では、上記の大きな項目(1)〜(4)を各科目における「測定項目」とし、各「測定項目」の中において細分化された分野を「測定分野」として端末画面上でテストを行い、その解答がサーバー側で採点,評価されて前記端末21に表示される扱いにしている。この扱いは、上記「数学」以外に、大学受験の例でいえば、「英語文法」や「古文」その他の科目についても同様である。
この結果、本発明においては、各科目の出題が、当該科目における出題全範囲の全ての測定項目において測定分野ごとになされ、各項目の各分野ごとに解答させられるので、学習計画は、各科目における各測定分野での前記解答の採点並びに採点結果に基づく評価、及び、この評価に基づいて個々に学習計画が形成されて、学習者端末21に送付されるようになっている。
【0021】
ここでの学習計画は、測定分野ごとに、オンライン学習サーバ1から各学習者端末2に提供される学習用テキストにおいて対応する学習内容が掲載された箇所(頁や単元,章など)を指定すると共に、当該指定箇所の学習にかける時間(又は、学習に要する時間)が指定される形式で提示される。測定分野ごとに提示された学習時間は、当該科目の全測定項目に亘って累計されてこの科目の達成度を上げるために必要な学習時間として、学習者端末21に送付される。
【0022】
図3は学習者端末21の構成例を示す図である。
学習者端末21は、キーボード32、ディスプレイ33、CPU35,ディスク34,メモリ36を備えている。そしてオンライン学習サーバ1から送られて来る学習者が選択した科目の問題を表示して解答ができると共に、その解答が前記サーバ1で採点されて受験者(学習者)に採点結果に基づく測定分野ごとの評価や、この評価に基づく学習計画がオンライン学習サーバ1から適切に送付されるようにするため、制御部361、ログイン部362、問題表示363、画面表示部364を、それぞれプログラムにより保持している。
【0023】
学習者端末21の制御部361は、起動時に、ログイン部362、問題表示部363、画面表示部364を起動する。
【0024】
画面表示部364は、ログイン画面471、メニュー画面472、問題表示画面473、評価表示画面474と学習計画画面475を表示する。
ログイン画面471において、学習者がログイン情報を入力すると、ログイン部362を呼び出し、ログインできるとメニュー画面472を表示する。メニュー画面472において学習者が科目を選択し問題表示を選択すると、問題表示画面473を表示して問題表示部363を呼び出す。
【0025】
問題表示部363は、オンライン学習サーバ1から問題を取得して学習者端末21のディスプレイ33に表示し、学習者の解答情報を問題表示部63に通知する。学習者の解答情報は、オンライン学習サーバ1の採点部64の採点テーブル73と評価テーブル74で採点評価されてそのデータが学習者端末21に送付されて、評価表示画面474に表示される。
【0026】
オンライン学習サーバ1の採点部64において形成される学習者の評価情報は、評価対応計画部65において学習計画テーブルに基づいて処理され、各測定項目における全測定分野に対する学習計画に形成されて、そのデータが学習者端末21の画面表示部364によって学習計画画面475に表示される。
【0027】
各学習者は、上記の評面表示画面475の表示内容によって、受験した科目の全測定項目の全測定分野について、現在の到達度や弱点分野を知ることができる。また、学習者には、弱点克服のために更に学習が必要な分野のために使用するテキストがオンラインで提供され、かつ、そのテキストにより学習すべき分野とその時間までも知ることができるので、効率のよい弱点克服をするための学習を実行することが可能になる。図4は、上述した本発明オンライン学習システムにおけるオンライン学習サーバ1と学習者端末21における動作概要のフローである。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は以上の通りであるからオンライン学習システムとしてきわめて有用である。
【符号の説明】
【0029】
1 オンライン学習サーバ
2 キーボード
3 ディスプレイ
4 ディスク
5 CPU
6 メモリ
21〜2n 学習者端末
32 キーボード
33 ディスプレイ
34 ディスク
35 CPU
36 メモリ
IN インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンライン学習サーバとインターネットを介して接続された複数の学習者端末を備えて成り、前記オンライン学習サーバは、各学習者端末からの要求に応じて要求された科目の学習効果測定のための問題を複数の測定項目と各項目ごとの測定分野の単位に分けた問題で要求端末に提供し、前記問題を提供された前記端末から学習者が解答した前記問題の解答が前記サーバに提供されると、当該サーバは、前記測定項目における全ての測定分野ごとに前記解答を採点すると共に、各測定項目と各項目における全測定分野ごとに、前記採点結果を複数段階の評価値に変換して変換評価値を学習者端末に提示し、かつ、この評価値に基づいて各測定項目における測定分野ごとにオンライン学習サーバから提供される当該科目の学習テキストにおける学習すべき各分野の内容と学習すべき時間を当該学習者端末に提示するようにしたことを特徴とするオンライン学習システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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