説明

オーサリング装置、オーサリング方法およびプログラム

【課題】 用意された映像コンテンツデータから、光ディスクに格納される、映像コンテンツを再生するためのデータをユーザの意図するチャプタの付与を行い容易に作成することが可能なオーサリング装置およびオーサリング方法を提供する。
【解決手段】 映像コンテンツに含まれる動画像データから複数の顔画像を抽出する顔画像インデクシング情報取得モジュール301と、顔インクキシング情報記憶・表示する顔インクキシング情報記憶・表示モジュール302と、チャプタ情報を生成するチャプタ情報生成モジュール303と、メニュー情報データを作成するメニュー情報データ作成モジュール304と、光ディスク320に書き込むためのデータを作成する変換モジュール305と、光ディスク320に書き込み処理を行う書き込み処理モジュール306を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像データから光ディスクに格納するためのデータを作成するオーサリング装置、オーサリング方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
映像コンテンツデータを光ディスク等の記録媒体に格納する場合、映像コンテンツデータの任意の箇所にチャプタを付与し、付与されたチャプタを選択することにより映像コンテンツデータの所望の箇所にジャンプすることができる。このようなチャプタの付与は、映像コンテンツデータを編集する場合に付与されるが、煩雑な作業となる。このため、例えば、特許文献1には、所定の時間毎に自動的にチャプタの付与を行うオーサリングアプリケーションの技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−274171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
所定の時間毎に自動的にチャプタの付与を行うオーサリングアプリケーションにおいては、自動でチャプタの付与はされるものの、機械的に所定の時間間隔でチャプタの付与を行うため、必ずしもユーザの意図するシーン、すなわち、ジャンプしてすぐに閲覧したいシーンでない場合がある。
【0005】
本発明の目的は、映像データから、光ディスクに格納されるデータをユーザの意図するチャプタの付与を好適に行うことが可能なオーサリング装置およびオーサリング方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様によれば、映像データから、光ディスクに格納されるデータを作成するオーサリング装置であって、前記映像データから抽出された複数の顔画像を、抽出された各顔画像が前記映像データ内に登場する時点を示すタイムスタンプ情報と関連づけて記憶する記憶手段と、記憶された各顔画像を一覧表示する表示処理手段と、前記表示処理手段によって一覧表示された各顔画像のうち1つの顔画像が選択される場合、選択される顔画像に関連づけられたタイムスタンプ情報に基づいてチャプタ情報を生成するチャプタ生成手段と、前記生成手段によって生成されるチャプタ情報に基づいて、選択された顔画像が登場するチャプタにジャンプするためのボタンに当該選択された顔画像を用いたメニュー画面を表示画面上に表示するためのメニュー画面データを作成するメニュー画面データ作成手段と、前記映像データの情報および前記メニュー画面データ作成手段が作成したメニュー画面を表示画面上に表示するためのメニュー画面データを含む光ディスクに書き込むためのデータを作成する手段とを備えることを特徴とするオーサリング装置が提供される。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、映像データから、光ディスクに格納されるデータを作成するオーサリング方法であって、前記映像データから抽出された複数の顔画像に、抽出された各顔画像が前記映像データ内に登場する時点を示すタイムスタンプ情報を関連づけて記憶部に記憶し、記憶された各顔画像を一覧表示し、一覧表示された各顔画像のうち1つの顔画像が選択される場合、選択される顔画像に関連づけられたタイムスタンプ情報に基づいてチャプタ情報を生成し、生成されるチャプタ情報に基づいて、選択された顔画像が登場するチャプタにジャンプするためのボタンに当該選択された顔画像を用いたメニュー画面を表示画面上に表示するためのメニュー画面データを作成し、前記映像データの情報およびメニュー画面を表示画面上に表示するためのメニュー画面データを含む光ディスクに書き込むためのデータを作成することを特徴とするオーサリング方法が提供される。
【0008】
さらに、本発明の一態様によれば、映像データから、光ディスクに格納されるデータを作成するプログラムであって、前記映像データから抽出された複数の顔画像に、抽出された各顔画像が前記映像データ内に登場する時点を示すタイムスタンプ情報を関連づけて記憶する記憶手順と、記憶された各顔画像を一覧表示する表示手順と、一覧表示された各顔画像のうち1つの顔画像が選択される場合、選択される顔画像に関連づけられたタイムスタンプ情報に基づいてチャプタ情報を生成する生成手順と、生成されるチャプタ情報に基づいて、選択された顔画像が登場するチャプタにジャンプするためのボタンに当該選択された顔画像を用いたメニュー画面を表示画面上に表示するためのメニュー画面データを作成するメニュー画面データ作成手順と、前記映像データの情報およびメニュー画面を表示画面上に表示するためのメニュー画面データを含む光ディスクに書き込むためのデータを作成する作成手順と、をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、映像データから、光ディスクに格納されるデータをユーザの意図するチャプタの付与を好適に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係るオーサリング装置の概観の例を示す斜視図。
【図2】同実施形態のオーサリング装置のシステム構成の例を示すブロック図。
【図3】同実施形態のオーサリング装置の顔画像抽出機能を説明するためのブロック図。
【図4】同実施形態のオーサリング処理の概念を示す図。
【図5】同実施形態のオーサリングアプリケーションプログラムの構成を示すブロック図。
【図6】映像コンテンツデータのオーサリング処理画面の一例を示す図。
【図7】メニュー画面の一例を示す図。
【図8】映像コンテンツデータ取得画面の一例を示す図。
【図9】チャプタ情報の概念を示す図。
【図10】DVD−Video形式の映像コンテンツデータを作成する手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係る電子機器の構成を説明する。本実施形態の電子機器は、例えば、情報処理装置として機能するノートブック型の携帯型パーソナルコンピュータ10から実現されている。
【0012】
このパーソナルコンピュータ10は、放送番組データ、外部AV(オーディオビジュアル)機器から入力されるビデオデータといった、映像コンテンツデータ(オーディオビジュアルコンテンツデータ)を記録、編集および再生することができる。例えば、パーソナルコンピュータ10は、テレビジョン放送信号によって放送される放送番組データの視聴、録画、編集および再生を実行するためのテレビジョン(TV)機能を有している。このTV機能は、例えば、パーソナルコンピュータ10に予めインストールされているTVアプリケーションプログラムによって実現されている。また、TV機能は、外部のAV機器から入力されるビデオデータを記録する機能、および記録されたビデオデータおよび記録された放送番組データを編集、再生する機能も有している。
【0013】
さらに、パーソナルコンピュータ10は、パーソナルコンピュータ10に格納されたビデオデータ、放送番組データのような映像コンテンツデータに登場する人物の顔画像を検出し(顔画像インデクシング(indexing)機能(映像内容解析機能):後述)、検出された顔画像の一覧等を表示する顔画像一覧表示機能を有している。この顔画像一覧表示機能は、例えば、TV機能内にその一機能として実装されている。顔画像一覧表示機能は、映像コンテンツデータの概要等をユーザに提示するための映像インデクシング機能の一つである。この顔画像一覧表示機能は、映像コンテンツデータ全体の中のどの時間帯にどの人物が登場するのかをユーザに提示することができる。また、一覧表示された顔画像からユーザが選択した顔画像に該当するシーンをチャプタ情報として記憶し、このチャプタ情報を用いてチャプタを付与した映像コンテンツデータをコンピュータ10が備えるオーサリング機能により光ディスク等の記録媒体に格納することができる。さらに、この顔画像一覧表示機能は、動画像(映像コンテンツデータ)の解析を行い、同一人物を1つのグループとして登録するグループ化機能を備えている。
【0014】
図1はコンピュータ10のディスプレイユニットを開いた状態における斜視図である。本コンピュータ10は、コンピュータ本体11と、ディスプレイユニット12とから構成されている。ディスプレイユニット12には、TFT−LCD(Thin Film Transistor Liquid Crystal Display)17から構成される表示装置が組み込まれている。
【0015】
ディスプレイユニット12は、コンピュータ本体11に対し、コンピュータ本体11の上面が露出される開放位置とコンピュータ本体11の上面を覆う閉塞位置との間を回動自在に取り付けられている。コンピュータ本体11は薄い箱形の筐体を有しており、その上面にはキーボード13、本コンピュータ10をパワーオン/パワーオフするためのパワーボタン14、入力操作パネル15、タッチパッド16、およびスピーカ18A,18Bなどが配置されている。
【0016】
入力操作パネル15は、押されたボタンに対応するイベントを入力する入力装置であり、複数の機能をそれぞれ起動するための複数のボタンを備えている。これらボタン群には、TV機能(視聴、録画、録画された放送番組データ/ビデオデータの再生)を制御するための操作ボタン群も含まれている。また、コンピュータ本体11の正面には、本コンピュータ10のTV機能等をリモート制御するリモコンユニットとの通信を実行するためのリモコンユニットインタフェース部20が設けられている。リモコンユニットインタフェース部20は、赤外線信号受信部などから構成されている。
【0017】
コンピュータ本体11の例えば右側面には、TV放送用のアンテナ端子19が設けられている。また、コンピュータ本体11の例えば背面には、例えばHDMI(high-definition multimedia interface)規格に対応した外部ディスプレイ接続端子が設けられている。この外部ディスプレイ接続端子は、放送番組データのような映像コンテンツデータに含まれる映像データ(動画像データ)を外部ディスプレイに出力するために用いられる。
【0018】
次に、図2を参照して、本コンピュータ10のシステム構成について説明する。
【0019】
本コンピュータ10は、図2に示されているように、CPU101、ノースブリッジ102、主メモリ103、サウスブリッジ104、グラフィクスプロセッシングユニット(GPU)105、ビデオメモリ(VRAM)105A、サウンドコントローラ106、BIOS−ROM109、LANコントローラ110、ハードディスクドライブ(HDD)111、DVDドライブ112、ビデオプロセッサ113、メモリ113A、無線LANコントローラ114、IEEE 1394コントローラ115、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)116、TVチューナ117、およびEEPROM118等を備えている。
【0020】
DVDドライブ112は、オーサリング後の映像コンテンツデータ等の各種データの書き込みが可能な光ディスクドライブである。
【0021】
CPU101は本コンピュータ10の動作を制御するプロセッサであり、ハードディスクドライブ(HDD)111から主メモリ103にロードされる、オペレーティングシステム(OS)201、TVアプリケーションプログラム(TVアプリケーションとも称する)202およびオーサリングアプリケーションプログラム(オーサリングアプリケーションとも称する)203のような各種アプリケーションプログラムを実行する。TVアプリケーションプログラム202はTV機能を実行するためのソフトウェアである。また、オーサリングアプリケーションプログラム203は、HDD111等に記憶した映像コンテンツデータを光ディスク等の記録媒体のフォーマットに変換する処理、変換された映像コンテンツデータを記録媒体に書き込む処理等を実行するためのソフトウェアである。
【0022】
TVアプリケーションプログラム202は、TVチューナ117によって受信された放送番組データを視聴するためのライブ再生処理、受信された放送番組データをHDD111に記録する録画処理、およびHDD111に記録された放送番組データ/ビデオデータを再生する再生処理等を実行する。また、オーサリングアプリケーションプログラム203は、ハードディスクドライブ111に格納されている映像コンテンツデータから所定のフォーマットの光ディスク等の記録媒体、例えばDVD−Video形式のDVDを作成するために、映像コンテンツデータを編集する処理、メニュー画面を作成する処理(チャプタ付与処理を含む)、映像コンテンツデータおよびメニュー画面をDVD−Video形式のデータに変換する処理、変換されたデータを光ディスク等の記録媒体(例えば、DVD−Rディスク)に書き込む処理等を実行する。
【0023】
CPU101は、BIOS−ROM109に格納されたBIOS(Basic Input Output System)も実行する。BIOSはハードウェア制御のためのプログラムである。
【0024】
ノースブリッジ102はCPU101のローカルバスとサウスブリッジ104との間を接続するブリッジデバイスである。ノースブリッジ102には、主メモリ103をアクセス制御するメモリコントローラも内蔵されている。また、ノースブリッジ102は、PCI EXPRESS規格のシリアルバスなどを介してGPU105との通信を実行する機能も有している。
【0025】
GPU105は、本コンピュータ10のディスプレイモニタとして使用されるLCD17を制御する表示コントローラである。このGPU105によって生成される表示信号はLCD17に送られる。また、GPU105は、HDMI制御回路3およびHDMI端子2を介して、外部ディスプレイ装置1にデジタル映像信号を送出することもできる。
【0026】
HDMI端子2は上述の外部ディスプレイ接続端子である。HDMI端子2は、非圧縮のデジタル映像信号と、デジタルオーディオ信号とを一本のケーブルでテレビのような外部ディスプレイ装置1に送出することができる。HDMI制御回路3は、HDMIモニタと称される外部ディスプレイ装置1にデジタル映像信号をHDMI端子2を介して送出するためのインタフェースである。
【0027】
サウスブリッジ104は、LPC(Low Pin Count)バス上の各デバイス、およびPCI(Peripheral Component Interconnect)バス上の各デバイスを制御する。また、サウスブリッジ104は、ハードディスクドライブ(HDD)111およびDVDドライブ112を制御するためのIDE(Integrated Drive Electronics)コントローラを内蔵している。さらに、サウスブリッジ104は、サウンドコントローラ106との通信を実行する機能も有している。
【0028】
またさらに、サウスブリッジ104には、PCI EXPRESS規格のシリアルバスなどを介してビデオプロセッサ113が接続されている。
【0029】
ビデオプロセッサ113は、前述の映像インデクシングに関する各種処理を実行するプロセッサである。このビデオプロセッサ113は、映像インデクシング(映像内容解析)処理を実行するためのインデクシング処理部として機能する。すなわち、映像インデクシング処理においては、ビデオプロセッサ113は、映像コンテンツデータに含まれる動画像データから複数の顔画像を抽出すると共に、抽出された各顔画像が映像コンテンツデータ内に登場する時点を示すタイムスタンプ情報、等を出力する。顔画像の抽出は、例えば、動画像データの各フレームから顔領域を検出する顔検出処理、検出された顔領域をフレームから切り出す切り出し処理等によって実行される。顔領域の検出は、例えば、各フレームの画像の特徴を解析して、予め用意された顔画像特徴サンプルと類似する特徴を有する領域を探索することによって行うことができる。顔画像特徴サンプルは、多数の人物それぞれの顔画像特徴を統計的に処理することによって得られた特徴データである。
【0030】
メモリ113Aは、ビデオプロセッサ113の作業メモリとして用いられる。映像インデクシング処理を実行するためには多くの演算量が必要とされる。本実施形態においては、CPU101とは異なる専用のプロセッサであるビデオプロセッサ113がバックエンドプロセッサとして使用され、このビデオプロセッサ113によってインデクシング処理が実行される。よって、CPU101の負荷の増加を招くことなく、インデクシング処理を実行することが出来る。
【0031】
サウンドコントローラ106は音源デバイスであり、再生対象のオーディオデータをスピーカ18A,18BまたはHDMI制御回路3に出力する。
【0032】
無線LANコントローラ114は、たとえばIEEE 802.11規格の無線通信を実行する無線通信デバイスである。IEEE 1394コントローラ115は、IEEE 1394規格のシリアルバスを介して外部機器との通信を実行する。
【0033】
エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)116は、電力管理のためのエンベデッドコントローラと、キーボード(KB)13およびタッチパッド16を制御するためのキーボードコントローラとが集積された1チップマイクロコンピュータである。このエンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)116は、ユーザによるパワーボタン14の操作に応じて本コンピュータ10をパワーオン/パワーオフする機能を有している。さらに、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)116は、リモコンユニットインタフェース20との通信を実行する機能を有している。
【0034】
TVチューナ117はテレビジョン(TV)放送信号によって放送される放送番組データを受信する受信装置であり、アンテナ端子19に接続されている。このTVチューナ117は、例えば、地上波デジタルTV放送のようなデジタル放送番組データを受信可能なデジタルTVチューナとして実現されている。また、TVチューナ117は、外部機器から入力されるビデオデータをキャプチャする機能も有している。
【0035】
次に、図3を参照して、ビデオプロセッサ113によって実行されるインデクシング処理について説明する。
【0036】
放送番組データのような映像コンテンツデータに対する映像インデクシング処理は、上述したように、ビデオプロセッサ113によって実行される。
【0037】
ビデオプロセッサ113は、TVアプリケーションプログラム202或いはオーサリングアプリケーションプログラム203の制御の下、例えば、ユーザによって指定された録画済みの放送番組データ等の映像コンテンツデータに対してインデクシング処理を実行する。また、ビデオプロセッサ113は、TVチューナ117によって受信された放送番組データをHDD111に格納する録画処理と並行して、当該放送番組データに対するインデクシング処理を実行することもできる。
【0038】
映像インデクシング処理(顔画像インデクシング処理とも云う)においては、ビデオプロセッサ113は、映像コンテンツデータに含まれる動画像データをフレーム単位で解析する。そして、ビデオプロセッサ113は、動画像データを構成する複数のフレームそれぞれから人物の顔画像を抽出すると共に、抽出された各顔画像が映像コンテンツデータ内に登場する時点を示すタイムスタンプ情報を出力する。各顔画像に対応するタイムスタンプ情報としては、映像コンテンツデータの開始から当該顔画像が登場するまでの経過時間、または当該顔画像が抽出されたフレーム番号、等を使用することができる。
【0039】
さらに、ビデオプロセッサ113は、抽出された各顔画像のサイズ(解像度)も出力する。ビデオプロセッサ113から出力される顔検出結果データ(顔画像、タイムスタンプ情報TS、およびサイズ)は、データベース111Aに顔画像インデクシング情報として格納される。このデータベース111Aは、HDD111内に用意されたインデクシングデータ記憶用の記憶領域である。
【0040】
次に、図4を参照して、本発明の実施形態を概要を説明する。
【0041】
コンピュータ10のHDD111には、上述したTVアプリケーションプログラム202によって記憶された映像コンテンツデータ311が記憶されている。また、映像コンテンツデータ311からインデクシング処理を行った顔インデクシング情報もデータベース111Aとして記憶されている。これらのデータを上述したオーサリングアプリケーションプログラム203に取り込みを行う。
【0042】
オーサリングアプリケーションプログラム203は、取り込みを行った顔インデクシング情報の一覧表示を行い、ユーザが選択した顔インデクシング情報に対応するタイムスタンプ情報、例えば、映像コンテンツデータの開始時間からの経過時間(例えばT1、T2)をチャプタ位置の時間情報として設定する。T1をCHAPTER1(420)、T2をCHAPTER2(421)として設定してメニュー画面データを作成する。オーサリングアプリケーションプログラム203は、このメニュー画面データを元にメニュー画面400を作成して、光ディスク等の記録媒体に書き込みを行う。
【0043】
次に、オーサリングアプリケーションプログラム203によって実行されるオーサリング処理について図5を参照して説明する。
【0044】
オーサリングアプリケーションプログラム203は、顔画像インデクシング情報取得モジュール301、顔インクキシング情報記憶・表示モジュール(記憶手段・表示処理手段)302、チャプタ情報生成モジュール(チャプタ生成手段)303、メニュー情報データ作成モジュール(メニュー画面データ作成手段)304、変換モジュール(光ディスクに書き込むためのデータを作成する手段)305、および書き込み処理モジュール306等を備えている。
【0045】
まず、ユーザにより取得する映像コンテンツデータ311が選択され(図8参照)、データベース111Aから映像コンテンツデータ311を取得する。同様に、顔画像インデクシング情報取得モジュール301は、データベース111Aから顔画像インデクシング情報(顔画像、タイムスタンプ情報等)を取得する。顔画像インデクシング情報記憶・表示モジュール302は、取得した顔画像インデクシング情報312をデータベース111Aに記憶した後に、例えば、図6に示されるように、表示画面に表示する。オーサリングアプリケーション203のオーサリング表示画面400−1には、選択画像表示領域405、映像表示領域401、再生制御バー402、再生制御ボタン403が表示されている。また選択画像表示領域405には、インデクシング処理によって抽出された各顔画像404、ユーザによって選択された顔画像411、412が表示される。なお、ユーザによる顔画像の選択は、例えば、マウスで選択を行う等によって実現する。また、ユーザによって選択された顔画像411、412には、タイムスタンプ情報が関連付けされてチャプタ情報として、例えば図9に示されるように記憶されている。この場合、抽出された各顔画像をタイムスタンプ情報に基づいて時系列に一覧表示を行う。また、抽出された各顔画像404は、予め設定された表示可能な顔画像の最大数内で一覧表示を行う。このため、抽出された顔画像が膨大な数になった場合にでも対応することができる。また、スクロールボタン404a、404bによって表示し切れていない顔画像をスクロールして表示を行うことができる。また、ユーザによって選択された顔画像411、412は、マウスで所望の顔画像を選択することにより、映像表示領域401に表示することができる。この場合、再生制御バー402および再生制御ボタン403を用いて選択された顔画像を再生することができる。
【0046】
また、抽出された各顔画像から同一人物の顔画像を判別し、グループ化する判別手段を備えており、この判別手段によって同一人物の顔画像としてグループ化されたグループごとに並べて一覧表示を行うこともできる。同一人物の判別は、予め人物のデータベースを記憶しておき、このデータベースと対比させることにより行う等の処理により実現する。
【0047】
ユーザによって選択された顔画像は、選択画像情報313として、オーサリングアプリケーション203に取り込まれる。同時に、データベース111Aからは、映像コンテンツデータ311を取得する。なお、ユーザによって選択された顔画像は、タイムスタンプ情報等が関連づけられている。映像コンテンツデータ311の取得は、例えば図8に示されるように、コンピュータ10のHDD111やネットワーク等のストレージ領域を選択し、所望の映像コンテンツデータ311を表示領域500に表示させる。映像コンテンツデータ311をマウス等で選択し、ファイルを開くボタン、例えば「Open」ボタンを押下して映像コンテンツデータ311を取得する。
【0048】
チャプタ情報生成モジュール303は、選択された顔画像に関連づけられたタイムスタンプ情報に基づいてチャプタ情報を生成する。例えば、図9に示されるように、チャプタ情報を作成する。
【0049】
メニュー画面データ作成モジュール304は、チャプタ情報に基づいて、メニュー画面データ315を作成し、例えば図7に示されるようにメニュー画面400−2を作成する。例えば、T1をCHAPTER1(420)、T2をCHAPTER2(421)として設定してメニュー画面データを作成する。
【0050】
メニュー画面400−2には、例えばDVD−Videoを再生した時に最初に表示されるメニューである。なお、メニュー画面は、1頁である場合もあるし、複数ページの場合もある。また、タイムスタンプ情報の前後の設定された時間内の顔画像をデータベース111Aから読み出して、読み出された各顔画像をスライドシューとして表示するようにチャプタのメニュー画面データを作成することもできる。同様に、所定のチャプタ内の顔画像をデータベース111Aから読み出して、読み出された各顔画像をスライドシューとして表示するようにチャプタのメニュー画面データを作成することもできる。さらに、所定のチャプタ内の映像コンテンツデータの一部を抜き出して動画像としてチャプタのメニュー画面データを作成することもできる。
【0051】
変換モジュール305は、映像コンテンツデータ311およびメニュー画面データ作成モジュール304が作成したメニュー画面を表示画面(LCD17等)上に表示するためのメニュー画面データ315を含む光ディスク320に書き込むためのデータ(オーサリング後の映像コンテンツデータ316)を作成する。変換モジュール305は、メニュー画面データ317および選択画像情報316に基づいて、映像コンテンツデータ312をDVD−Video形式のデータに変換し、DVD−Video形式の映像コンテンツデータ318を出力する。DVD−Video形式のデータは、メニュー画面のデータおよびメニュー画面に表示されるジャンプボタンの操作によってジャンプする情報を含む。
【0052】
書き込み処理モジュール306は、DVD(ドライブ)112を用いて例えば書き込み可能な光ディスク320等に書き込み処理を行い、光ディスクを作成する。
【0053】
作成された光ディスクを再生する場合、図7に示すように、メニュー画面にはチャプタ1、2にジャンプするためのジャンプボタンが表示されている。ユーザがメニュー画面中のCHAPTER1(420)をクリックすると、CHAPTER1として設定されているシーンから再生を開始する。同様に、ユーザがメニュー画面中のCHAPTER2(421)をクリックすると、CHAPTER2として設定されているシーンから再生を開始する。なお、CHAPTERの数が多い場合等は、メニュー画面中に「進む」、「戻る」等を意味するボタンが表示され、スクロールを行い、表示ページを切り替えることにより、表示されていなかったCHAPTERを表示させることができる。
【0054】
次に、オーサリングアプリケーションプログラム203が行う処理の手順を図10のフローチャートを参照して説明する。
ユーザは、オーサリングアプリケーション203を起動する。ユーザにより取得する映像コンテンツデータ311が選択され(図8参照)、データベース111Aから映像コンテンツデータ311を取得する。その後、顔画像インデクシング情報取得モジュール301は、データベース111Aから顔画像インデクシング情報(顔画像、タイムスタンプ情報等)を取得する(ステップS101)。顔画像インデクシング情報記憶・表示モジュール302は、取得した顔画像インデクシング情報312をデータベース111Aに記憶する(ステップS102)。続いて、オーサリングアプリケーション203は、図6に示されるように、LCD17等の表示画面にインデクシング処理により抽出された各顔画像を表示する(ステップS103)。
【0055】
チャプタ情報生成モジュール303は、表示された顔画像のうち1つの顔画像がユーザによって選択されると、選択された顔画像に関連づけられたタイムスタンプ情報に基づいてチャプタ情報を生成する(ステップS104)。メニュー画面データ作成モジュール304は、チャプタ情報に基づいて、メニュー画面データ315を作成する(ステップS105)。変換モジュール305は、映像コンテンツデータ311およびメニュー画面データ作成モジュール304が作成したメニュー画面を表示画面(LCD17等)上に表示するためのメニュー画面データ315を含む光ディスク320に書き込むためのデータ(オーサリング後の映像コンテンツデータ316)を作成する。その後、メニュー画面データ317および選択画像情報316に基づいて、映像コンテンツデータ312をDVD−Video形式のデータに変換し、DVD−Video形式の映像コンテンツデータ318を出力する。書き込み処理モジュール306は、DVD(ドライブ)112を用いて例えば書き込み可能な光ディスク320等に書き込み処理を行い、光ディスクを作成する(ステップS106)。
【0056】
以上の処理により、ユーザが表示された顔画像を選択するだけで、映像コンテンツデータに選択した人物の顔画像が貼り付けられたチャプタボタンを有するメニュー画面を表示することができ、このようなメニュー画面が表示されるDVD−Videoを容易に作成することができる。
【0057】
なお、上述した例では、DVD−Videoを作成していたが、光ディスク等の記録媒体において実現可能であり、例えばBlu-rayのビデオ形式のデータ作成し、作成されたデータをBlu-rayディスクに書き込んでも良い。また、上述したプログラムはコンピュータ読み取り可能記憶媒体に格納されている。例えば、HDD、フラッシュメモリ、光ディスク等である。
【0058】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0059】
113…ビデオプロセッサ,203…オーサリングアプリケーションプログラム,301…顔インデクシング情報取得モジュール,302…顔画像インデクシング情報記憶・表示モジュール,303…チャプタ情報生成モジュール,304…メニュー画面データ作成モジュール,305…変換モジュール,306…書き込み処理モジュール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像データから、光ディスクに格納されるデータを作成するオーサリング装置であって、
前記映像データから抽出された複数の顔画像を、抽出された各顔画像が前記映像データ内に登場する時点を示すタイムスタンプ情報と関連づけて記憶する記憶手段と、
記憶された各顔画像を一覧表示する表示処理手段と、
前記表示処理手段によって一覧表示された各顔画像のうち1つの顔画像が選択される場合、選択される顔画像に関連づけられたタイムスタンプ情報に基づいてチャプタ情報を生成するチャプタ生成手段と、
前記生成手段によって生成されるチャプタ情報に基づいて、選択された顔画像が登場するチャプタにジャンプするためのボタンに当該選択された顔画像を用いたメニュー画面を表示画面上に表示するためのメニュー画面データを作成するメニュー画面データ作成手段と、
前記映像データの情報および前記メニュー画面データ作成手段が作成したメニュー画面を表示画面上に表示するためのメニュー画面データを含む光ディスクに書き込むためのデータを作成する手段と
を備えることを特徴とするオーサリング装置。
【請求項2】
前記表示処理手段は、予め設定された表示可能な顔画像の最大数内で一覧表示を行うことを特徴とする請求項1に記載のオーサリング装置。
【請求項3】
前記表示処理手段は、抽出された各顔画像を前記タイムスタンプ情報に基づいて時系列に一覧表示を行うことを特徴とする請求項1に記載のオーサリング装置。
【請求項4】
抽出された各顔画像から同一人物の顔画像を判別し、グループ化する判別手段をさらに備え、
前記表示処理手段は、前記判別手段によって同一人物の顔画像としてグループ化されたグループごとに並べて一覧表示を行うことを特徴とする請求項1に記載のオーサリング装置。
【請求項5】
前記メニュー画面データ作成手段は、前記タイムスタンプ情報の前後の設定された時間内の顔画像を前記記憶手段から読み出して、読み出された各顔画像をスライドショーとして表示するように前記チャプタのメニュー画面データを作成することを特徴とする請求項1に記載のオーサリング装置。
【請求項6】
映像データから、光ディスクに格納されるデータを作成するオーサリング方法であって、
前記映像データから抽出された複数の顔画像に、抽出された各顔画像が前記映像データ内に登場する時点を示すタイムスタンプ情報を関連づけて記憶部に記憶し、
記憶された各顔画像を一覧表示し、
一覧表示された各顔画像のうち1つの顔画像が選択される場合、選択される顔画像に関連づけられたタイムスタンプ情報に基づいてチャプタ情報を生成し、
生成されるチャプタ情報に基づいて、選択された顔画像が登場するチャプタにジャンプするためのボタンに当該選択された顔画像を用いたメニュー画面を表示画面上に表示するためのメニュー画面データを作成し、
前記映像データの情報およびメニュー画面を表示画面上に表示するためのメニュー画面データを含む光ディスクに書き込むためのデータを作成することを特徴とするオーサリング方法。
【請求項7】
前記一覧表示は、予め設定された表示可能な顔画像の最大数内で一覧表示を行うことを特徴とする請求項6に記載のオーサリング方法。
【請求項8】
前記一覧表示は、抽出された各顔画像を前記タイムスタンプ情報に基づいて時系列に一覧表示を行うことを特徴とする請求項6に記載のオーサリング方法。
【請求項9】
抽出された各顔画像から同一人物の顔画像を判別することによりグループ化し、前記一覧表示は、前記判別手段によって同一人物の顔画像としてグループ化されたグループごとに並べて一覧表示を行うことを特徴とする請求項6に記載のオーサリング方法。
【請求項10】
前記タイムスタンプ情報の前後の設定された時間内の顔画像を前記記憶部から読み出して、読み出された各顔画像をスライドシューとして表示するように前記チャプタのメニュー画面データを作成することを特徴とする請求項6に記載のオーサリング方法。
【請求項11】
映像データから、光ディスクに格納されるデータを作成するプログラムであって、
前記映像データから抽出された複数の顔画像に、抽出された各顔画像が前記映像データ内に登場する時点を示すタイムスタンプ情報を関連づけて記憶する記憶手順と、
記憶された各顔画像を一覧表示する表示手順と、
一覧表示された各顔画像のうち1つの顔画像が選択される場合、選択される顔画像に関連づけられたタイムスタンプ情報に基づいてチャプタ情報を生成する生成手順と、
生成されるチャプタ情報に基づいて、選択された顔画像が登場するチャプタにジャンプするためのボタンに当該選択された顔画像を用いたメニュー画面を表示画面上に表示するためのメニュー画面データを作成するメニュー画面データ作成手順と、
前記映像データの情報およびメニュー画面を表示画面上に表示するためのメニュー画面データを含む光ディスクに書き込むためのデータを作成する作成手順と、
をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−257509(P2010−257509A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−104324(P2009−104324)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】