説明

オーダリングシステム、オーダー端末およびコントローラ装置

【課題】特に複数の客でのグループからのオーダーを受ける時および会計する時のユーザの操作負担を軽減させ作業効率を向上させる。
【解決手段】オーダー端末を介して“個別会計サービス”が選択され、オーダー端末からコントローラ装置に送信されるオーダー情報に“個別会計フラグ”が付与されている場合、コントローラ装置によって“個別会計フラグ”が検出されることで、オーダー情報に含まれるグランドメニュー毎に、それぞれ異なる「伝票番号」を付与するとともに、グランドメニュー毎に異なる「伝票番号」が印刷されたゲスト(会計用)伝票をグランドメニュー毎に印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レストランや居酒屋などの飲食店等において、客から受けた注文を管理する管理サーバー機能を備えるオーダリングシステム、オーダー端末およびコントローラ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、レストランや居酒屋などの飲食店において、オーダー端末の操作部を介して客から受けたオーダーを従業員がオーダー端末に入力し、オーダーされた商品とその個数を表わす情報がオーダー端末から管理サーバー機能を有するコントローラ装置に送信され、コントローラ装置において客のオーダーを管理するオーダーエントリーシステムが導入されている。
【0003】
コントローラ装置は、伝票出力機能を有し、オーダー端末からオーダーされた商品とその個数を表わす情報を受信すると、客が会計時にレジスターまで持参する伝票であって会計時に会計係の従業員によって参照されるゲスト(会計用)伝票と、従業員の作業分担に応じてオーダーされた商品とその個数が表わされている調理指示(スタッフ用)伝票とを、出力手段から印刷させる。
このようなシステムにおいて、会計の際、個人毎に会計を要求する客に対して、客のそれぞれに対して固有の個人番号割り振り、従業員がこの個人番号をオーダー端末に入力した後に、客のオーダーを個別に受けて、個人番号とオーダーの内容をオーダー端末に入力するシステムが考案されている(例えば、特許文献1参考)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−76258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、オーダリングシステムでは、1つのグループとして従業員により扱われる客から受けたオーダーに対して、1つのゲスト(会計用)伝票を発行するのが一般的である。このため、例えば、ランチタイムに職場の同僚や友人同士で食事をした場合、客は発行された1枚のゲスト(会計用)伝票に基づきレジスターで会計を行う必要がある。各自で支払いを行うためには、自分が食べた分の飲食代や自分がオーダーしたメニューを、客のひとりひとりが会計係の従業員に申告して、個別に支払いを行わなければならず、客にとってその行為が面倒であるという問題があった。
【0006】
一方、会計係の従業員は、1つのゲスト(会計用)伝票としてまとめられている会計内容に基づき、客から申告されたメニューをそれぞれ選択して、1つのゲスト(会計用)伝票において支払いが終了したオーダーと、終了していないオーダーとを確認しながら会計しなければならないため、従業員の作業が煩雑となる問題があった。
【0007】
このようなレジスターでの会計処理の煩雑さを回避するために、特許文献1のような個別会計を行うシステムが考案されているが、特許文献1に記載されている個別会計を利用する場合、客のオーダーに対して、それぞれの個人番号を入力しなければならないため、オーダーを受け付ける際の従業員のオーダー端末の操作が煩雑となり、オーダーの受け付けに時間がかってしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、このような課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の客を含む1つのグループから、オーダーを受ける時および会計する時の従業員の操作負担を軽減し、作業効率を向上させるオーダリングシステム、オーダー端末およびコントローラ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明は、オーダー端末と、伝票媒体に印刷する印刷部を有するコントローラ装置とが通信可能に接続されたオーダリングシステムであって、前記オーダー端末が、ユーザからの操作入力を受け付け、この操作入力に基づき操作情報を出力する操作部と、少なくとも1つの商品を表わす商品情報を含むオーダー情報を前記操作情報に基づき作成するとともに、前記操作部を介して個別会計を要求する操作が入力されると、個別会計が要求されていることを表わす個別会計情報を前記オーダー情報に付与する端末制御部と、前記操作部を介して前記オーダー情報を前記コントローラ装置に送信する操作を受け付けると、前記端末制御部によって作成されたオーダー情報を前記コントローラ装置に送信する第1の通信部と、を備え、前記コントローラ装置は、前記オーダー端末から前記オーダー情報を受信する第2の通信部と、前記第2の通信部を介して前記オーダー情報を受信すると、前記オーダー情報に前記個別会計情報が付与されているか否かを判断し、当該個別会計情報が付与されている場合、前記オーダー情報の前記商品情報に含まれる商品毎に前記商品情報を区分して、区分された前記商品情報に対してそれぞれ異なる伝票番号を割り振り、この伝票番号が割り振られた各商品情報に当該伝票番号を対応付けてオーダー登録情報を作成するとともに、印刷部に印刷させる印刷伝票データを伝票番号毎に作成して出力するオーダー制御部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明は、上記の発明において、前記コントローラ装置のオーダー制御部が、前記伝票番号が対応付けられる商品情報を少なくとも1つ含むグループを識別し、前記伝票番号と異なる共通伝票番号を、前記個別会計情報が付与されているオーダー情報に含まれる前記商品情報に対して割り振り、当該商品情報に対して、前記伝票番号および当該共通伝票番号を対応付けてオーダー登録情報を作成し、入力されたオーダー情報を印刷部に印刷させる印刷伝票データを前記オーダー登録情報に基づき前記伝票番号毎に作成して出力することを特徴とする。
【0011】
本発明は、上記の発明において、前記コントローラ装置の前記オーダー制御部が、前記オーダー端末から受信したオーダー情報に、前記オーダー登録情報に含まれる共通伝票番号と同一の伝票番号が含まれる場合、当該伝票番号を共通伝票番号とみなし、当該オーダー情報内の商品情報に含まれる商品毎に前記商品情報を区分して、区分された前記商品情報に対してそれぞれ異なる伝票番号を割り振り、この伝票番号が割り振られた各商品情報に対して、各商品情報に割り振った当該伝票番号と、前記みなした当該共通伝票番号とを対応付けてオーダー登録情報を作成し、入力されたオーダー情報を印刷部に印刷させる印刷伝票データとして前記オーダー登録情報に基づき前記伝票番号毎に作成して出力することを特徴とする。
【0012】
本発明は、上記の発明において、前記コントローラ装置の前記オーダー制御部が、前記オーダー端末から受信したオーダー情報に、前記オーダー登録情報に含まれる伝票番号と同一の伝票番号が含まれ、かつ、当該オーダー情報に個別会計情報が付与されている場合、当該伝票番号を共通伝票番号とみなし、当該オーダー登録情報内において当該伝票番号と対応付けられているすべての商品情報に含まれる商品毎に前記商品情報を区分して、区分された前記商品情報に対してそれぞれ異なる伝票番号を割り振り、この伝票番号が割り振られた各商品情報に対して、各商品情報に割り振った当該伝票番号と、前記みなした当該共通伝票番号とを対応付けてオーダー登録情報を作成し、オーダー登録情報および入力されたオーダー情報を印刷部に印刷させる印刷伝票データとして前記オーダー登録情報に基づき前記伝票番号毎に作成して出力することを特徴とする。
【0013】
本発明は、上記の発明において、前記オーダー端末の端末制御部が、前記入力部を介して前記オーダー内容情報を前記コントローラ装置に送信する操作指示を受け付ける以前まで、前記個別会計を要求する操作指示に従って、前記個別会計情報を前記オーダー登録情報に付与することを特徴とする。
【0014】
本発明は、上記の発明において、前記コントローラ装置のオーダー制御部が、前記オーダー登録情報を参照して、それぞれ対応付けられている前記伝票番号と前記商品情報に基づく印刷伝票データを、前記伝票番号ごとに作成して、前記印刷部に出力することを特徴とする。
【0015】
また、上述した課題を解決するために、本発明は、コントローラ装置と通信可能に接続されるオーダー端末であって、ユーザからの操作入力を受け付け、この操作入力に基づき操作情報を出力する操作部と、少なくとも1つの商品を表わす商品情報を含むオーダー情報を前記操作情報に基づき作成するとともに、前記操作部を介して個別会計を要求する操作が入力されると、個別会計が要求されていることを表わす個別会計情報を前記オーダー情報に付与する端末制御部と、前記操作部を介して前記オーダー情報を前記コントローラ装置に送信する操作を受け付けると、前記端末制御部によって作成されたオーダー情報を前記コントローラ装置に送信する第1の通信部と、を備えることを特徴とする。
【0016】
また、上述した課題を解決するために、本発明は、オーダー端末と通信可能に接続されるコントローラ装置であって、前記オーダー端末から前記オーダー情報を受信する第2の通信部と、前記第2の通信部を介して前記オーダー情報を受信すると、前記オーダー情報に前記個別会計情報が付与されているか否かを判断し、当該個別会計情報が付与されている場合、前記オーダー情報の前記商品情報に含まれる商品毎に前記商品情報を区分して、区分された前記商品情報に対してそれぞれ異なる伝票番号を割り振り、この伝票番号が割り振られた各商品情報に当該伝票番号を対応付けてオーダー登録情報を作成するとともに、印刷部に印刷させる印刷伝票データを作成して出力するオーダー制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、特に複数の客のグループから、オーダーを受ける時および会計する時の従業員の操作負担を軽減させ作業効率を向上させることができ、客にとっても、店舗の従業員にとっても有益なシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態に係るオーダリングシステムの一例について示す概略図である。
【図2】本実施形態に係るオーダリングシステムの構成の一例について示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係るオーダリングシステムにおいて利用されるオーダー登録情報の一例を示す概略図である。
【図4】本実施形態に係るオーダリングシステムにおいて利用されるゲスト(会計用)伝票の一例を示す概略図である。
【図5】本実施形態に係るオーダリングシステムによるオーダー処理フローにおけるオーダー端末側の処理の一例を説明するフローチャートである。
【図6】本実施形態に係るオーダリングシステムによるオーダー処理フローにおけるコントローラ装置側の処理の一例を説明するフローチャートである。
【図7】本実施形態に係るオーダリングシステムにおいて利用されるオーダー端末においてシングルタイプでの入力により、印刷されるオーダーのゲスト(会計用)伝票の一例について示す概略図である。
【図8】本実施形態に係るオーダリングシステムにおいて利用されるオーダー端末においてノーマルタイプでの入力により、印刷されるオーダーのゲスト(会計用)伝票の一例について示す概略図である。
【図9】本実施形態に係るオーダリングシステムによる伝票分割処理フローにおけるコントローラ装置側の処理の一例を説明するフローチャートである。
【図10】本実施形態に係るオーダリングシステムによる“個別会計への変更処理”において作成されるオーダー登録情報の一例を示す参考図である。
【図11】本実施形態に係るオーダリングシステムにより作成されるオーダー登録情報の他の一例を示す参考図である。
【図12】本実施形態に係るオーダリングシステムにおける、オーダー端末の表示部に表示される画像の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
以下、本発明による第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るオーダリングシステムの一例について示す概略図である。
図1に示す通り、オーダリングシステムは、客の会計の際に利用されるゲスト(会計用)伝票を印刷する機能を有するコントローラ装置1_1と、オーダーされた商品を提供する際に従業員により利用される調理指示書等を印刷する機能を有するコントローラ装置1_2と、このコントローラ装置1_1およびコントローラ装置1_2と無線通信を介して通信するオーダー端末3と、ネットワーク5を介してコントローラ装置1_1およびコントローラ装置1_2と接続されているレジスター7とを備える。
このオーダー端末3は、例えば、複数のオーダー端末3_1、3_2、・・・、3_nを含み、客から受けたオーダーの内容を表わすオーダー情報(例えば、オーダーが新規であるかあるいは追加であるかを表わす種別、オーダーを受けた客のテーブル番号や人数、オーダーされた商品(例えばメニュー)とその数量等を含む)をコントローラ装置1(1_1、1_2を含む)に送信する。
【0020】
また、このオーダリングシステムは、オーダー端末3から受信したオーダー情報に応じて“個別会計サービス”を実行し、商品毎にゲスト(会計用)伝票を作成することができる。
この“個別会計サービス”は、1つのグループにおいて商品が複数オーダーされた場合、商品毎に異なるゲスト(会計用)伝票をそれぞれ発行するサービスであって、会計時には、このゲスト(会計用)伝票ごとに、レジスター7による各商品の会計を可能とするサービスである。
本実施の形態において、この“個別会計サービス”は、オーダー端末3において“個別会計サービス”が選択されることによって実行される。このオーダー端末3は、“個別会計サービス”を選択する操作を受け付けると、“個別会計サービス”が選択されたことを表わす個別会計情報(以下、“個別会計フラグ”という)を、オーダーの内容を表わすオーダー情報に付与して、コントローラ装置1_1に送信する。
【0021】
コントローラ装置1_1は、オーダー端末3から受信したオーダー情報に応じてゲスト(会計用)伝票を印刷する。この印刷されたゲスト(会計用)伝票は、従業員によって各客に運ばれ、客のテーブル付近に置かれる。
コントローラ装置1_2は、オーダー端末3から受信したオーダー情報に基づき調理指示書を印刷する。この印刷された調理指示書は、調理を担当する従業員によって利用される。
なお、コントローラ装置1_2は、コントローラ装置1_1のバックアップ機能を備えており、コントローラ装置1_1がダウンした場合は、伝票印字機能およびサーバー機能を引き継ぐことができる。
また、本例では、コントローラ装置1_1、1_2と出力装置を一体として表現しているが、コントローラ装置1_1、1_2と出力装置はそれぞれ専用の機能をもつ別体の機器としてもよい。
【0022】
次いで、図2を参照して、図1に示したオーダリングシステムの各構成の機能構成について詳細に説明する。図2は、本実施形態に係るオーダリングシステムの構成の一例について示すブロック図である。
図2に示す通り、コントローラ装置1_1は、ネットワーク通信部11と、記憶部12と、バッファ記憶部13と、オーダー制御部14と、プリンタ制御部15と、印刷部16と、無線通信部17とを含む。なお、コントローラ装置1_2は、コントローラ装置1_1と同様の構成と機能を有するため、詳細な説明は省略する。
【0023】
ネットワーク通信部11は、ネットワーク5を介してレジスター7と通信を行い、オーダー制御部14から出力される情報を、レジスター7に送信する。このネットワーク通信部11は、例えば、レジスター7によってゲスト(会計用)伝票から読み取られた情報(例えば、伝票番号)を受信すると、この伝票番号をオーダー制御部14に出力する。そして、伝票番号に基づきオーダー制御部14が記憶部12から得た会計金額(支払い金額)あるいはオーダーしたメニューとその数量等を表わす情報を取得してレジスター7に送信する。なお、オーダー制御部14は、後述する通り、オーダー登録情報を記憶部12に記憶しており、この記憶部12を参照して、伝票番号に対応するメニュー情報に含まれる商品の合計金額を算出することができる。
【0024】
記憶部12は、オーダー制御部14によって作成されるオーダー登録情報を記憶する。オーダー登録情報とは、1つのまとまりとして扱われる単位オーダー情報に、伝票番号を対応付けた情報である。このオーダー登録情報は、例えばオーダー制御部14に参照され、伝票番号をキーとして、単位オーダー情報に含まれる商品の合計金額を算出する際に利用される情報である。単位オーダー情報は、オーダー情報に対応する情報を含み、例えば、オーダーが新規であるかあるいは追加であるかを表わす種別、オーダーを受けた客のテーブル番号や人数、オーダーされた商品(例えばメニュー)とその数量等を含む。
【0025】
図3は、このオーダー登録情報の一例を示す概略図である。
図3に示す通り、オーダー登録情報は、行と列からなる2次元の表形式のデータであり、「種別」と、「伝票番号」と、「共通伝票番号」と、「テーブル番号」と、「人数」と、「メニュー情報」とが、それぞれ対応付けられている情報である。このオーダー登録情報における1つの列が、1つのまとまりとして扱われ単位オーダー情報に対応しており、各列においてそれぞれ対応付けられている情報は、1つのゲスト(会計用)伝票に印刷される内容を表わしている。
なお、オーダー制御部14は、オーダー情報を受信すると、1つの単位オーダー情報として扱われるオーダー情報に含まれる情報を、単位オーダー情報毎に、このオーダー登録情報の各列に追記して、オーダー情報の内容を記憶させる。
【0026】
「種別」は、オーダー種別として、新規のオーダーであるか、あるいは追加のオーダーであるかを表わす情報である。
「伝票番号」は、オーダー制御部14によって1つのまとまりとして扱われる単位オーダー情報に付与される番号である。
【0027】
オーダー端末3から受信したオーダー情報に“個別会計フラグ”が付与されていない場合、オーダー情報そのものを単位オーダー情報として扱う。よって、例えば、図3の3Cの新規の伝票番号0009のように、客が複数商品をオーダーした場合には、1伝票番号に複数の商品を含むメニュー情報が関連することもある。また、図3の3Eの追加の伝票番号0009のように、同一客からの追加オーダーには同一の伝票番号“0009”が付与される。このように、個別会計フラグが付与されない場合の伝票番号は、新規や追加に関わらず、ある客がオーダーした商品の全てを識別する。
一方、オーダー端末3から受信したオーダー情報に“個別会計フラグ”が付与されている場合、オーダー制御部14は、オーダー情報に含まれる商品を数量1ごとに分配し、分配した情報と、種別、テーブル番号、人数とを含む情報を単位オーダー情報として扱う。そして、例えば、図3の3Aの新規の伝票番号0002、0003、0004のように、それぞれ1つの商品に関する情報を含む各単位オーダー情報に、一意の識別番号として「伝票番号」を割り振る。このように、個別会計フラグが付与されている場合の伝票番号は、ある客が注文したオーダーに含まれる商品の1つ1つを識別する。
【0028】
「共通伝票番号」は、オーダー端末3から受信したオーダー情報に“個別会計フラグ”が付与されている場合に生成される番号である。“個別会計フラグ”が付与されたオーダー情報は、前述のように、オーダー情報内の商品が数量1ごとに分配されて単位オーダー情報が生成され、それぞれに伝票番号が割り振られる。共通伝票番号は、これら伝票番号をグループ化し、識別した番号である。よって、“個別会計サービス”が利用されていない場合には割り振られない。
なお、オーダー制御部14は、受信した追加のオーダー情報内に、既にオーダー登録情報に登録済みの共通伝票番号が含まれる場合、オーダー情報内の商品を数量1ごとに分配して単位オーダー情報を生成し、それぞれに伝票番号を割り振る(例えば、図3の3Dの伝票番号0034)。しかし、この場合の共通伝票番号は新規で割り振らず、登録済みの共通伝票番号(図3の共通伝票番号0001)を割り振る。
【0029】
「テーブル番号」は、オーダーをする客が座っている座席を表わし、複数の座席のうち個々の座席を識別するための情報である。
「人数」は、「伝票番号」によって区別される1まとまりの単位オーダー情報をオーダーした客の人数を表わす。なお、“個別会計サービス”が利用されている場合、この「人数」は“1”となるように、予め決められている。
【0030】
「メニュー情報」は、客が注文した商品(例えばメニュー)と、その個数を表わす情報を含む。
“個別会計フラグ”が付与されている単位オーダー情報の場合、1つのメニューを表わす情報と、このメニューの個数(数量)として「1つ」であることを表わす情報とを含む。
一方、“個別会計フラグ”が付与されていない単位オーダー情報の場合、オーダー登録情報における「メニュー情報」は、オーダー端末3から送信されるオーダー情報に含まれる全てのメニューとその個数(数量)とを含む。
この「メニュー情報」において、1つの商品として扱われるグランドメニューには、例えば、Aセット、Bセット、日替わり、和風ハンバーグ、とんかつ膳等がある。
バッファ記憶部13は、オーダー端末3から受信したオーダー情報を一時的に記憶する。
【0031】
オーダー制御部14は、無線通信部17を介して受信したオーダー情報を一時的にバッファ記憶部13に記憶させるとともに、このオーダー情報に基づき、オーダー登録情報を作成して、記憶部12に記憶させる。
【0032】
ここで、オーダー制御部14は、オーダー登録情報として記憶される、1まとまりとして扱われる単位オーダー情報に伝票番号を付与する。
その際、単位オーダー情報に“個別会計フラグ”が付与されていない場合には、最終的に1つの支払い金額(合計金額)で会計処理される商品を含む全ての単位オーダー情報に対して同一の「伝票番号」を付与する。
【0033】
単位オーダー情報に“個別会計フラグ”が付与されており、“個別会計サービス”が利用される場合には、各単位オーダー情報(すなわち、各商品)に対して異なる「伝票番号」を割り振るとともに、グループに共通する「共通伝票番号」を付与する。
なお、オーダー制御部14は、既に付与した番号と新たに付与する番号が、「伝票番号」と「共通伝票番号」との間で、一致することがないように、例えば、既に付与した番号に“1”を加算して連番となる「伝票番号」および「共通伝票番号」を割り振る。さらに、オーダー制御部14は、“個別会計フラグ”が付与されているオーダー情報を受信した場合、各「伝票番号」の間、および「伝票番号」と「共通伝票番号」との間でそれぞれが一致することがないように、連番となる「伝票番号」を割り振る。
また、このオーダー制御部14は、オーダー登録情報を作成した日付や時刻を計時する時計部や、「メニュー情報」に含まれる商品の販売金額を算出する演算部等を内部に備える。
【0034】
はじめに“個別会計サービス”がオーダー端末3において選択された場合のオーダー制御部14の機能について詳細に説明する。
オーダー制御部14は、無線通信部17を介して受信したオーダー情報に、“個別会計フラグ”が関連付けられているか否かを検出する。このオーダー制御部14は、オーダー情報に“個別会計フラグ”が関連付けられている場合、このオーダー情報に対して1つの「共通伝票番号」を割り振るとともに、オーダー情報に含まれる商品を数量1ごとに分配し、それぞれ異なる「伝票番号」を割り当てる。
【0035】
例えば、図3を参照して説明すると、オーダー情報に含まれる商品とその数量を表わす情報として、コーヒーが1つ付いているAセット(以下、グランドメニュー1という)を1つと、紅茶が1つ付いているAセット(以下、グランドメニュー2という)を1つと、Aセット(以下、グランドメニュー3という)を1つとが含まれている場合、オーダー制御部14は、これらAセットを数量1ごとに分配して、それぞれのグランドメニュー1〜3を単位オーダー情報として扱い、これらが同一グループに属することを表わす「共通伝票番号」“0001”を割り当てる。また、オーダー制御部14は、これら単位オーダー情報のそれぞれに対して「伝票番号」を割り振り、コーヒーが1つ付いているAセットには「伝票番号」“0002”、紅茶が1つ付いているAセットには「伝票番号」“0003”、Aセットには「伝票番号」“0004”を、それぞれ割り当てる(図3の3A参照)。
【0036】
また、オーダー情報として、Bセット3つが含まれている場合、オーダー制御部14は、これらBセットを数量1ごとに分配して、それぞれを単位オーダー情報として扱い、これらが同一グループに属することを表わす「共通伝票番号」“0005”を割り当てる。また、オーダー制御部14は、各Bセットに、それぞれ「伝票番号」“0006”〜“0008”を割り当てる(図3の3B参照)。
【0037】
このオーダー制御部14は、オーダー情報に含まれる商品に「共通伝票番号」および「伝票番号」を割り振ると、この商品及び数量を表わす情報を「メニュー情報」として、「共通伝票番号」、「伝票番号」および「メニュー情報」を、それぞれ対応づけて記憶部12のオーダー登録情報に記憶させる。また、オーダー制御部14は、「人数」を“1”と、オーダー情報に含まれる“テーブル番号”を「テーブル番号」として、上述の「共通伝票番号」、「伝票番号」および「メニュー情報」に、それぞれ対応づけて記憶部12のオーダー登録情報に記憶させる。これにより、図3に示すようなオーダー登録情報が作成される。
さらに、オーダー制御部14は、「共通伝票番号」と「伝票番号」の組み合わせにおいて決定されるオーダー登録情報の列(図3を参照)に基づき、印刷伝票データを作成して、プリンタ制御部15に出力する。
【0038】
次に、“個別会計サービス”がオーダー端末3において選択されていない場合に関連するオーダー制御部14の機能について詳細に説明する。
オーダー制御部14は、無線通信部17を介して受信したオーダー情報に、“個別会計フラグ”が関連づけられているか否かを検出し、オーダー情報に“個別会計フラグ”が関連付けられていない場合、オーダー情報を1まとまりと認識して、1つの「伝票番号」を割り振り、「共通伝票番号」は割り振らない。
【0039】
このオーダー制御部14は、「伝票番号」が割り振られたオーダー情報に含まれる全ての商品とその数量とを「メニュー情報」として、この「伝票番号」と対応付けて記憶部12のオーダー登録情報に記憶させる。つまり、オーダー登録情報の1つの列の「メニュー情報」に、1まとまりとして取り扱われるオーダー情報に含まれる全ての商品とその数量とを表わす情報が記憶され、複数の商品のオーダーを1まとまりのオーダーとして受け付けた場合(つまり、1つのオーダー情報としてオーダー端末3から送信された情報に商品が複数あることを表わす情報が含まれている場合(詳細については後述する))、商品が複数、オーダー登録情報の1列に対応する「メニュー情報」に記憶される。
【0040】
例えば、図3の3Cを参照して説明すると、オーダー情報に含まれる商品とその数量を表わす情報として、コーヒーが1つ付いている日替わりセットを1つと、和風ハンバーグを1つと、とんかつ膳を1つとが含まれている場合、オーダー制御部14は、これらの全ての商品をまとめて1つの単位オーダー情報として扱い、この単位オーダー情報に対して「伝票番号」“0009”を割り当てる。
【0041】
また、オーダー制御部14は、オーダー情報に含まれる人数とテーブル番号を表わす情報を、それぞれ「人数」および「テーブル番号」として、上述の「伝票番号」“0009”および「メニュー情報」“コーヒーが1つ付いている日替わりセットが1つ、和風ハンバーグが1つ、とんかつ膳が1つ”と対応づけて記憶部12のオーダー登録情報に記憶させる。
さらに、オーダー制御部14は、「共通伝票番号」(ここでは、「共通伝票番号」が付与されていないということを表わす情報が含まれており、「−」で表わされる)と「伝票番号」の組み合わせにおいて決定されるオーダー登録情報の列(図3の3Cを参照)に基づき、印刷伝票データを作成して、プリンタ制御部15に出力する。
【0042】
図2にもどって、プリンタ制御部15は、オーダー制御部14から印刷伝票データを受信すると、この印刷伝票データに基づき伝票を印刷するよう印刷部16を制御して、この印刷伝票データを印刷部16に出力する。
【0043】
印刷部16は、プリンタ制御部15から入力された印刷伝票データに基づき伝票あるいは調理指示書を印刷する。この印刷部16は、例えば、図4に示すようなゲスト(会計用)伝票を印刷する。図4は、印刷されるゲスト(会計用)伝票の一例を示す概略図である。
図4に示す通り、ゲスト(会計用)伝票は、“品名”として「メニュー情報」に含まれる商品の内容が印刷され、この“品名”の上部に「伝票番号」である“0002”が印刷される。また、“品名”の下部には「共通伝票番号」である“0001”が印刷される。
なお、“個別会計サービス”が適用されている場合、“品名”が印刷される文章は、例えば2行以内のスペースに記載されるものとし、各ゲスト(会計用)伝票のサイズを小さくすることが好ましい。
【0044】
図示のように、「共通伝票番号」と「伝票番号」の両方が印刷されている伝票は、“個別会計サービス”が実行されることによって作成された伝票であることを表わしている。
また、このゲスト(会計用)伝票には、バーコードが印刷されている。このバーコードには、「伝票番号」や「共通伝票番号」を表わす情報、および/あるいは「メニュー情報」に含まれる商品の販売合計金額を表わす情報が含まれている。
【0045】
無線通信部17は、オーダー端末3と無線通信を行い、オーダー端末3から送信されたオーダー情報を受信する。
【0046】
オーダー端末3は、端末制御部31と、無線通信部32と、記憶部33と、操作部34と、表示部35とを含む。
端末制御部31は、操作部34を介して入力された操作内容に応じて、客がオーダーした商品等を表わすオーダー情報を作成し、無線通信部32を介してオーダー情報をコントローラ装置1に送信する。このオーダー情報には、例えば、新規オーダーの場合には、コントローラ装置1によって作成されるオーダー登録情報の「種別」、「テーブル番号」、「人数」、「メニュー情報」に対応する情報等が含まれている。
この端末制御部31は、操作部34を介して入力された情報に基づき、オーダー情報を作成し、“個別会計サービス”が選択されている場合、“個別会計フラグ”をオーダー情報に付与する。これによりオーダー情報は、“個別会計フラグ”が関連付けられる。
【0047】
無線通信部32は、コントローラ装置1の無線通信部17と無線通信を行い、無線通信を介してオーダー情報をコントローラ装置1に送信する。
記憶部33は、操作部34を介して入力されるユーザからの操作指示に応じたオーダー情報を作成するための情報等を記憶する。また、記憶部33は、コントローラ装置1から送信されたオーダー登録情報を受信した場合、このオーダー登録情報を記憶する。
【0048】
操作部34は、ユーザからの操作入力を受け付けて、この操作入力によって表わされる操作情報を端末制御部31に出力する。この操作部34は、メニューの種類を選択するためのボタンや、メニューの個数を選択するためのボタン、“個別会計サービス”を選択するためのボタンや、オーダーが終了した際にオーダー情報をコントローラ装置1に送信するためのボタン等を含む。また、操作部34は、“個別会計サービス”が選択されている状態において、“個別会計サービス”を選択するためのボタンがもう一度押下されることによって、“個別会計サービス”の選択を解除する操作情報を出力する。
【0049】
なお、操作部34は、上述のボタンを含む構成に限られず、例えば、数字や文字等のキー入力を受け付け、予め決められたコードが入力されることで、上述のボタンが押下された際に検出する操作情報を得る構成であってもよい。
表示部35は、操作部34を介して入力される操作入力に応じた操作画面等を表示する。
なお、操作部34は、押下によって情報が入力される押ボタンやスイッチのような構造物として、オーダー端末3内であって表示部35から離して配してもよく、または、タッチパネルのような構造物として、表示部35の操作画面上に配してもよい。
【0050】
レジスター7は、レジスター制御部71と、ネットワーク通信部72と、記憶部73と、読取部74と、表示部75と、操作部76と、を含む。
レジスター制御部71は、読取部74によって読み取られた情報に基づき、会計処理を行う。また、レジスター制御部71は、ネットワーク通信部72を介してコントローラ装置1からオーダー登録情報を受信した場合、このオーダー登録情報を記憶部73に記憶させるとともに、このオーダー登録情報を参照して会計処理を行う。
【0051】
このレジスター制御部71は、例えば、読取部74を介してゲスト(会計用)伝票のバーコードから「伝票番号」が読み取られた場合、この「伝票番号」に基づき、ネットワーク通信部72を介してコントローラ装置1_1からオーダー登録情報を受信し、記憶部73に記憶するとともに、記憶部73に記憶されたオーダー登録情報を参照して、支払い金額(会計金額)を算出し、表示部75に表示させる。これにより、客が支払った会計金額の現金等が会計係の従業員によって受け取られ、操作部76を介して会計が終了したことを表わす操作が従業員により入力された場合、レジスター制御部71は、会計が終了したことを表わす“会計終了フラグ”を「伝票番号」に対応付けて記憶部73のオーダー登録情報に記憶させる。なおここでは、このような処理を、会計処理という。
【0052】
さらに、レジスター制御部71は、上述の会計処理に限られず、例えば、読取部74によって会計金額が読み取られた場合、この会計金額に基づき、会計処理を行うものであってもよい。この場合、レジスター制御部71は、コントローラ装置1_1によって作成されるオーダー登録情報に関連することなく、会計処理を行うことができる。
なお、このような構成の場合、レジスター制御部71は、コントローラ装置1_1と通信を行わない構成(ネットワーク通信部72を必要としない構成)とすることができる。これにより、ネットワーク接続機能を有さない安価なレジスターを使用することができ、また飲食店舗内において、ネットワーク5を介した通信環境を整える労力や経費を削減することができる。また、この場合、コントローラ装置1は、記憶部12に記憶されているオーダー登録情報のうち、記憶された日付が古い順番に、予め決められている情報量を超えたものを削除する。
【0053】
ネットワーク通信部72は、ネットワーク5を介してコントローラ装置1と通信を行い、コントローラ装置1_1から送信されるオーダー登録情報を受信する。
記憶部73は、コントローラ装置1_1から受信したオーダー登録情報を記憶する。
読取部74は、伝票に印刷されているバーコードを読み取り、このバーコードが表わす情報をレジスター制御部71に出力する。
表示部75は、読取部74によって読み取られた情報に基づく会計金額とそのメニュー等の情報を表示する。
操作部76は、ユーザからの操作入力を受け付けて、この操作入力を表わす操作情報をレジスター制御部71に出力する。
【0054】
次に、図3、5、6を参照して、オーダー処理フローについて説明する。このオーダー処理フローとは、客からのオーダーを受け付けた従業員によってオーダー端末3にオーダーされた商品とその個数等が入力され、これらの情報がオーダー情報としてオーダー端末3からコントローラ装置1_1に送信され、このコントローラ装置1_1においてオーダー登録情報として記憶されるまでの処理フローをいう。
図5は、このオーダー処理フローにおけるオーダー端末3が実行する処理の一例を説明するフローチャートである。ここでは、オーダーを受け付けていない客からのオーダーを従業員がオーダー端末3を用いて受ける新規オーダーの例(以下、新規オーダーパターンという)と、既に“個別会計サービス”を利用してオーダーを受けた客から追加オーダーを受ける追加オーダーの例(以下、個別追加オーダーパターンという)と、以前の新規オーダーあるいは追加オーダーにおいて“個別会計サービス”を利用していない客から追加オーダーを受ける追加オーダーの例(以下、非個別追加オーダーパターンという)と、について以下説明する。
【0055】
図5に示す通り、例えば新規オーダーパターンの場合、従業員によって新規オーダーを受け付けるためのボタンが、オーダー端末3の操作部34を介して押下される(ステップST1)。すると、オーダー端末3の端末制御部31は、新規オーダーであると判断して(ステップST2−YES)、新規オーダーの内容を記述するためのオーダー情報シートを作成し、記憶部33に一時的に記憶させる。
次いで、ステップST3において、個別会計を行う客の場合には、個別会計ボタンが従業員によって押下される(ステップST3−YES)。端末制御部31は、“個別会計サービス”を選択するボタンが押下されたことを検出すると、記憶部33のオーダー情報シートに“個別会計フラグ”を記述して記憶させる(ステップST4)。
一方、ステップST3において、個別会計を希望しない客の場合は、“個別会計サービス”を選択するボタンが押下されないため、端末制御部31は、“個別会計フラグ”を記述することなく、ステップST5に進む。
なお、オーダー情報シートとは、オーダー情報を作成する際に一時的に情報を記載して記憶しておく格納領域であって、端末制御部31が内部に備えるバッファ記憶部において作成される情報である。
【0056】
そして、操作部34を介して、例えば、テーブル番号“17”が入力され(ステップST5)、客から受けたオーダーである商品(例えば、グランドメニュー1〜3)とその数量(各1つ)、客人数が入力されると(ステップST6)、端末制御部31は、このテーブル番号と、商品と、その数量と、客人数とを記憶部33のオーダー情報シートに記述して記憶させる。このオーダーを入力するタイミングでも、客が個別会計を希望し、従業員が個別会計ボタンを押下している可能性があるため、端末制御部31は、ここで再び“個別会計サービス”を選択するボタンが押下されたか否かを確認し(ステップST7)、“個別会計サービス”を選択するボタンが押下されたことを確認すると(ステップST7−YES)、記憶部33のオーダー情報シートに“個別会計フラグ”を記述して記憶させる。
一方、ステップST7でも、“個別会計サービス”を選択するボタンが押下されない場合、端末制御部31は、“個別会計フラグ”を記述することなく、ステップST9に進む。
【0057】
ここで、端末制御部31は、オーダーの入力が全て終了したか否かを検出し(ステップST9)、例えば、従業員により、操作部34を介してオーダー情報を送信するためのボタンが押下されると、端末制御部31は、オーダーが終了したことを検出する。
そして、端末制御部31は、すべてのオーダーの入力が終了しているのであれば、記憶部33のオーダー情報シートに記憶されている情報(商品とその数量、客人数)を読み出し、この読み出した情報をオーダー情報として無線通信部32に出力する。なお、端末制御部31は、オーダー情報シートに“個別会計フラグ”が記憶されている場合、オーダー情報に“個別会計フラグ”を付与して無線通信部32に出力する。そして、無線通信部32は、無線通信を介してオーダー情報をコントローラ装置1_1に送信する(ステップST10)。
また、ステップST9において、オーダーの入力が終了しておらず、新たなオーダーの入力がある場合は、ステップST6に戻り、再度、オーダーの入力、および、“個別会計サービス”を選択するボタンが押下されるか否かを検出する処理に戻る。
【0058】
一方、個別追加オーダーパターンおよび非個別追加オーダーパターンの場合、ステップST1において、従業員により追加オーダーを受け付けるためのボタンがオーダー端末3の操作部34を介して選択されると、ステップST2において、オーダー端末3の端末制御部31は、追加オーダーであると判断して、追加オーダーの内容を記述するためのオーダー情報シートを作成し、記憶部33に一時的に記憶させるとともに、ステップST11に進む。
なお、追加オーダーの場合、後述する処理によってコントローラ装置1_1の印刷部16によって印刷されたゲスト(会計用)伝票が、従業員によって客のテーブルの付近に配布されていると仮定して、以下説明する。
【0059】
ステップST11において、客から個別会計の指示がある場合(ステップST11−YES)、従業員は、2つの方法を選択することができる。
新規オーダーの際に既に“個別会計サービス”が選択されている場合(個別追加オーダーパターンの場合)、客のテーブルの付近に配付されているゲスト(会計用)伝票には「伝票番号」および「共通伝票番号」が印刷されている。従業員は、ここで、「共通伝票番号」を入力することを選択する(ステップST12)ことで、個別会計の指示を行うことができる。
端末制御部31は、記憶部33のオーダー情報シートに「共通伝票番号」を記述する(ステップST13)。
【0060】
また、新規オーダーの際に“個別会計サービス”が選択されていなかった場合(非個別追加オーダーパターンの場合)、ゲスト(会計用)伝票には「伝票番号」のみが印刷されている。そのため、従業員は、「伝票番号」を入力することを選択し(ステップST12)、さらに、個別会計ボタンを押下することで、個別会計に切り替える指示を行う。
端末制御部31は、“個別会計サービス”を選択するボタンが押下されたことを検出すると記憶部33のオーダー情報シートに“個別会計フラグ”を記述する(ステップST14)とともに、入力された「伝票番号」を記憶部33のオーダー情報シートに記述する(ステップST15)。
追加オーダーについて、個別会計を行わない場合(ステップST11−NO)は、従業員は、「伝票番号」のみを入力する。端末制御部31は、“個別会計フラグ”を記述せずに、入力された「伝票番号」のみを記憶部33のオーダー情報シートに記述する(ステップST15)。
【0061】
このようにして、端末制御部31は、「伝票番号」あるいは「共通伝票番号」のうちいずれか一方と、“個別会計フラグ”をオーダー情報シートに記憶し、ステップST6に移行する。
例えば、ステップST13において「共通伝票番号」の“0001”が入力され、続けてステップST6においてオーダーされたメニューとして“デザートあんみつ”が1つ入力された場合(個別追加オーダー)、端末制御部31は、記憶部33のオーダー情報シートに記憶されている情報(商品“デザートあんみつ”とその数量“1つ”および共通伝票番号“0001”)を読み出し、この読み出した情報をオーダー情報として無線通信部32に出力する。
【0062】
次に、図6を参照して、コントローラ装置1_1におけるオーダー処理フローの一例について説明する。図6は、このオーダー処理フローにおけるコントローラ装置1_1が実行する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図6に示す通り、コントローラ装置1_1は、無線通信部17を介してオーダー端末3から送信されたオーダー情報を受信すると(ステップST21)、オーダー情報を一時的にバッファ記憶部13に記憶する。そして、オーダー制御部14は、記憶部12のオーダー登録情報を参照して、このオーダー情報に含まれている番号(「共通伝票番号」あるいは「伝票番号」を表わす情報)が、オーダー登録情報に「共通伝票番号」として記憶されている番号と一致するか否かを検索する(ステップST22)。
このオーダー情報に含まれている番号が、オーダー登録情報に「共通伝票番号」として記憶されている番号と一致する場合(ステップST22−YES)、“個別会計サービス”が利用したオーダーであると認識して、ステップST26に進む。詳細については後述する。
【0063】
一方、このオーダー情報に含まれている番号が、オーダー登録情報に「共通伝票番号」として記憶されている番号と一致しない場合(ステップST22−NO)、オーダー制御部14は、このオーダー情報に含まれている番号が、オーダー登録情報に「伝票番号」として記憶されている情報と一致するか否かを判断する(ステップST23)。
このオーダー情報に含まれている番号が、オーダー登録情報に「伝票番号」として記憶されている情報と一致しない場合(ステップST23−NO)、オーダー制御部14は、このオーダー情報が、新規オーダーパターンにおけるオーダー端末3により生成されたオーダー情報であると判断し、次に、このオーダー情報に“個別会計フラグ”が関連付けられているか否かを検出する(ステップST24)。
【0064】
“個別会計フラグ”が関連付けられていることが検出された場合(ステップST24−YES)、オーダー制御部14は、このオーダー情報に対して、例えば“0001”を割り振り、この番号を「共通伝票番号」として付与する(ステップST25)。そして、オーダー制御部14は、この「共通伝票番号」“0001”をバッファ記憶部13に記憶されているオーダー情報に関連付ける。なお、この“0001”は、それ以前のコントローラ装置1_1における処理においていずれのメニュー内容に対しても付与されていない新たな番号である。
【0065】
次いで、オーダー制御部14は、バッファ記憶部13に記憶されているオーダー情報からメニュー毎にその内容を1つずつ読み出し、メニュー毎にオーダー登録情報における行を1つ作成して、記憶部12に記憶されているオーダー登録情報に記述して記憶させる(ステップST26)。
【0066】
例えば、オーダー制御部14は、オーダー情報に含まれるグランドメニュー1〜3のうち、グランドメニュー1の“Aセット[コーヒー]”を読み出すと、このグランドメニュー1“Aセット[コーヒー]”に対して「共通伝票番号」“0001”と異なる番号“0002“を割り振り、「伝票番号」として付与する(ステップST27)。
そして、オーダー制御部14は、このグランドメニュー1“Aセット[コーヒー]”に対して、ステップST25において割り振られた「共通伝票番号」“0001”をバッファ記憶部13から読み出し、この「共通伝票番号」“0001”と、ステップST27において割り振れた「伝票番号」“0002”とを、「メニュー情報」であるグランドメニュー1の“Aセット[コーヒー]”に対応付けて、記憶部12のオーダー登録情報に記述して記憶させる(ステップST28)。
【0067】
すなわち、オーダー制御部14は、「共通伝票番号」および「伝票番号」を含まず、かつ“個別会計フラグ”が関連付けられているオーダー情報を受信した場合(つまり“個別会計サービス”を利用した新規オーダーパターンにおいて生成されるオーダー情報を受信した場合)、このオーダー情報に含まれる各グランドメニューのそれぞれに対して「共通伝票番号」と「伝票番号」とを割り振り、グランドメニューごとに1つの列を作成してオーダー登録情報に記憶させる(図3の3A参照)。
【0068】
次いで、オーダー制御部14は、ステップST28においてオーダー登録情報に記憶された「共通伝票番号」“0001”と、「伝票番号」“0002”と、「メニュー情報」“Aセット[コーヒー]”とに基づき、印刷伝票データを作成し、プリンタ制御部15に出力する(ステップST29)。そして、プリンタ制御部15は、入力された印刷伝票データを印刷部16に出力して、印刷部16に図4に示すようなゲスト(会計用)伝票を印刷させる。
【0069】
そして、オーダー制御部14は、バッファ記憶部13に記憶されているオーダー情報に含まれるグランドメニュー1〜3のうち、グランドメニュー1に対して印刷が終了したことを表わす“印刷終了フラグ”を付与するか、あるいはグランドメニュー1に関する情報をバッファ記憶部13から削除する。このオーダー制御部14は、バッファ記憶部13に記憶されているオーダー情報のグランドメニュー1〜3のうち、“印刷終了フラグ”が付与されていないグランドメニューがあるか否かを検出し(ステップST30)、“印刷終了フラグ”が付与されていないグランドメニューを検出した場合(ステップST30−YES)、ステップST26に戻って、検出されたグランドメニューに対して、ステップST26〜29の処理を実行する。
オーダー制御部14は、バッファ記憶部13に記憶されているオーダー情報のグランドメニューの全てに“印刷終了フラグ”が付与されている場合、またはバッファ記憶部13にグランドメニューが無い場合(ST30−NO)、印刷が終了したと判断して処理を終了する。
【0070】
例えば、次にオーダー制御部14は、オーダー情報に含まれるグランドメニュー1〜3からグランドメニュー2“Aセット[紅茶]”を読み出すと、このグランドメニュー2の“Aセット[紅茶]”に対して、既に割り振っている「共通伝票番号」“0001”および「伝票番号」“0002”と異なる番号“0003“を割り振り、「伝票番号」として付与する。
そして、オーダー制御部14は、このグランドメニュー2の“Aセット[紅茶]”に対して、ステップST24において割り振られた「共通伝票番号」“0001”をバッファ記憶部13から読み出し、この「共通伝票番号」“0001”と、「伝票番号」“0003”とを、「メニュー情報」であるグランドメニュー2“Aセット[紅茶]”に対応付けて、記憶部12のオーダー登録情報に記述して記憶させる。
そして、オーダー制御部14は、オーダー登録情報に記憶されている「共通伝票番号」“0001”と、「伝票番号」“0003”と、「メニュー情報」“Aセット[紅茶]”とに基づき、印刷伝票データを作成し、プリンタ制御部15に出力する。そして、プリンタ制御部15は、入力された印刷伝票データを印刷部16に出力して、印刷部16にゲスト(会計用)伝票を印刷させる。
オーダー制御部14は、グランドメニュー3“Aセット”についてもステップST26〜29の処理を実行した後、ST30において、グランドメニューの全ての印刷が終了したと判断し、処理を終了する。
【0071】
また、ステップST24において、“個別会計フラグ”が関連付けられていないことが検出された場合(ステップST24−NO)、オーダー制御部14は、このオーダー情報に含まれる全てのメニューとその個数を1まとまりの単位オーダー情報として扱い、このオーダー情報に対して、例えば、新規な番号“0009”を割り振り、「伝票番号」を付与する(ステップST31)。
例えば、このオーダー情報に、3つのグランドメニューが含まれており、“日替わり[コーヒー](以下、グランドメニュー11という)”と、“和風ハンバーグ(以下、グランドメニュー12という)”と、“とんかつ膳(以下、グランドメニュー13という)”とが含まれていた場合、これらグランドメニュー11〜13は、1まとまりの単位オーダー情報としてオーダー制御部14により取り扱われる。
【0072】
そして、オーダー制御部14は、「伝票番号」“0009”を、「メニュー情報」“日替わり[コーヒー]/和風ハンバーグ/とんかつ膳”に対応付けて、記憶部12のオーダー登録情報に記述して記憶させる(ステップST32)。
なお、オーダー制御部14は、ステップST32において、オーダー端末3から受信したオーダー情報に含まれる“客の人数を表わす情報“を検出して、この情報に単位オーダー情報に含まれる情報に、「伝票番号」“0009“を対応付けてオーダー登録情報に記憶させる。
これにより、図3の3Cに示す通り、複数のグランドメニュー11〜13は、1つの「メニュー情報」として記憶され、1つの「伝票番号」と対応づけられ、「人数」としてはグランドメニュー11〜13を注文した客の人数“3”が記憶される。
【0073】
次いで、オーダー制御部14は、オーダー登録情報に記憶された「伝票番号」“0009”と、「メニュー情報」“日替わり[コーヒー]/和風ハンバーグ/とんかつ膳”に基づき、印刷伝票データを作成し、プリンタ制御部15に出力する(ステップST33)。そして、プリンタ制御部15は、入力された印刷伝票データを印刷部16に出力して、印刷部16にゲスト(会計用)伝票を印刷させる。なお、この場合、印刷伝票データに「共通伝票番号」が含まれていないため、印刷されるゲスト(会計用)伝票には、「伝票番号」のみが印刷されている。
すなわち、オーダー制御部14は、「共通伝票番号」および「伝票番号」を含まず、かつ“個別会計フラグ”が関連付けられていないオーダー情報を受信した場合(つまり“個別会計サービス”を利用しない新規オーダーパターンにおいて生成されるオーダー情報を受信した場合)、このオーダー情報に含まれる全てのグランドメニューを1まとまりの単位オーダー情報として扱い、「伝票番号」のみを割り振る。
【0074】
一方、ステップST23において、オーダー端末3から受信したオーダー情報に含まれている番号が、オーダー登録情報に「伝票番号」として記憶されている情報と一致する場合(ステップST23−YES)、オーダー制御部14は、オーダー情報に“個別会計フラグ”が関連付けられているか否かを検出する(ステップST34)。
そして、オーダー情報に“個別会計フラグ”が関連付けられていることが検出された場合(ステップST34−YES)、図10を用いて後述する伝票分割フローに移行する。
【0075】
オーダー情報に“個別会計フラグ”が関連付けられていない場合(ステップST34−NO)は、このオーダー情報に含まれる全てのメニューとその個数を1まとまりの単位オーダー情報として扱い、当該「伝票番号」とオーダー情報に含まれる「メニュー情報」「テーブル番号」および「人数」を対応付けて記憶させる。なお、この場合、オーダー制御部14は、「共通伝票番号」は割り振らない。
例えば、追加オーダーの際に、「伝票番号」“0009”とメニュー情報“デザートアイス、1つ”と“デザートケーキ、1つ”が入力された場合、オーダー制御部14は、記憶部12を参照して、オーダー登録情報において「伝票番号」“0009”と対応付けられている「共通伝票番号」を検索する。しかしこれは存在しないので、オーダー制御部14は、このオーダー情報に含まれる全てのメニューとその個数を1まとまりの単位オーダー情報として扱い、この「伝票番号」“0009”を、「メニュー情報」“デザートアイス、1つ”と“デザートケーキ、1つ”に対応付けて記憶させる(図3の3E参照)
【0076】
つまり、オーダー制御部14は、オーダー情報が「共通伝票番号」を含まず「伝票番号」を含み、かつ“個別会計フラグ”が関連付けられていないオーダー情報を受信した場合、“個別会計サービス”を利用していない客の非個別追加オーダーパターンであるため、ステップST32に移行する。
【0077】
なお、ステップST22においてオーダー情報に共通伝票番号が含まれている場合について説明する。例えば、追加オーダーの際に「共通伝票番号」“0001”とともにメニュー情報“デザートあんみつ”が入力されている場合、オーダー制御部14は、ステップST22において、オーダー情報に含まれている番号が、オーダー登録情報に「共通伝票番号」として記憶されている番号と一致すると判断する。つまり、オーダー制御部14は、“個別会計サービス”を利用して新規オーダーをした客の追加オーダーであり、さらに追加オーダーに際しても、“個別会計サービス”を希望したと判断し、オーダー情報からメニュー毎にその内容を1つずつ読み出し、メニュー毎にオーダー登録情報における行を1つ作成して、このメニューに対して、新規な番号の「伝票番号」“0034”と、オーダー登録応報に含まれる「共通伝票番号」“0001”とを対応付けて、記憶部12に記憶されているオーダー登録情報に記述して記憶させる。
【0078】
これにより、オーダー制御部14は、図3の3Dに示す通り、新たに付与された「伝票番号」“0034”と「共通伝票番号」“0001”と「メニュー番号」“デザートあんみつ、1つ”を対応付けて記憶部12に記憶させ、オーダー登録情報に記憶されている「共通伝票番号」“0001”と、「伝票番号」“0034”と、「メニュー情報」“デザートあんみつ”とに基づき、印刷伝票データを作成し、プリンタ制御部15に出力する。そして、プリンタ制御部15は、入力された印刷伝票データを印刷部16に出力して、印刷部16にゲスト(会計用)伝票を印刷させる。
【0079】
ここで、図7を参照して、“個別会計サービス”により発行されるゲスト(会計用)伝票について説明する。図7は、シングルタイプの入力により印刷されるオーダーのゲスト(会計用)伝票の一例について示す概略図である。なお、シングルタイプとは、例えば、グランドメニュー毎にその数量を計算して、同一グランドメニューの数量が複数であった場合でも数量が加算されずに、オーダー情報に含まれる全てのメニューの数量が“1”となるものをいう。これにより、グランドメニューが同一であってもセレクトメニューが異なることにより、各メニューの数量は加算されずに、グランドメニューとセレクトメニューとが一対一に対応されている。よって、“個別会計サービス”を利用する場合、オーダー制御部14は、オーダー情報に含まれる商品を数量1ごとに分配することができる。
【0080】
図7は、1つのグループとして扱われる客が、Lさん、Mさん、Nさんの3名であり、Lさんが、グランドメニューとして“Aセット”を1つ、そのセレクトメニューとして“コーヒー”を1つオーダーし、Mさんが、グランドメニューとして“Aセット”を1つ、そのセレクトメニューとして“紅茶”を1つオーダーし、Nさんが、グランドメニューとして“Aセット”を1つオーダーした例を示している。
【0081】
このオーダーを従業員が受け付ける際、“個別会計サービス”が選択されると、オーダー端末3は、オーダーされた全てのメニューの数量が“1”となるオーダー情報をコントローラ装置1_1に送信する。これにより、コントローラ装置1_1のオーダー制御部14は、オーダー情報に含まれる商品を数量1ごとに分配し、図3の3Aに示したとおり、「共通伝票番号」“0001”と、「伝票番号」“0002”、“0003”、“0004”とが、それぞれ対応付けられたオーダー登録情報を作成する。これにより、図7に示す通り、Lさん、Mさん、Nさんのそれぞれがオーダーしたグランドメニューが、それぞれ異なるゲスト(会計用)伝票に印刷される。
【0082】
このように、本実施形態に係るオーダリングシステムは、オーダー端末3を介して“個別会計サービス”が選択され、オーダー端末3からコントローラ装置1_1に送信されるオーダー情報に“個別会計フラグ”が付与されている場合、コントローラ装置1_1によって“個別会計フラグ”が検出されることで、オーダー情報に含まれるグランドメニュー毎に、それぞれ異なる「伝票番号」を付与するとともに、グランドメニュー毎に異なる「伝票番号」が印刷されたゲスト(会計用)伝票をグランドメニュー毎に印刷するようにした。
これにより、グランドメニュー毎に印刷されたゲスト(会計用)伝票が従業員によって客に配布されることで、客は、各自がオーダーしたグランドメニューが印刷されているゲスト(会計用)伝票を会計係の従業員に渡すことで、客ごとの会計を個別に清算することができる。
【0083】
よって、客は、会計時に自分が食べたメニュー等が印刷されているゲスト(会計用)伝票を会計係の従業員に手渡すだけでよく、自分が食べたメニューを口頭にて従業員に伝えることなく会計を行うことができるため、自分が食べたメニューを他人に知られることなくすみやかに会計することができる。
【0084】
また、ゲスト(会計用)伝票には、「伝票番号」を表わすコードを示すバーコードが印刷されており、会計係の従業員は、会計時において、客から受け取ったゲスト(会計用)伝票のバーコードをレジスター7の読取部74で読み取るという簡単な作業で各自の会計精算を行うことができる。
レジスター7の読取部74を介して「伝票番号」が読み取られると、レジスター制御部71は、記憶部73に記憶されているオーダー登録情報を参照して、読み取った「伝票番号」と対応付けられている「メニュー情報」に含まれる商品の合計金額を算出する。そして、会計係の従業員により、算出された合計金額が客から受け取られ、操作部76を介して会計が終了したことを表わす操作がなされると、レジスター装置7は、会計処理を行う。
従って、会計係の従業員は、会計時にゲスト(会計用)伝票のバーコードを読取部74を介して読み取る作業だけすればよいので、従業員の作業効率が向上し、会計処理時間を短縮することができる。よって、次の客を待たせる時間が短くなり、客へのサービスを向上させることができる。
【0085】
さらに、オーダー端末3は、図5に示す通り、客から受け付けたオーダー情報をコントローラ装置1_1に送信する前であれば、オーダー入力の前であっても、途中であっても、あるいは全てのオーダーを入力し終えたときであって、従業員によって“個別会計サービス”を選択するボタンが押下されることで、“個別会計フラグ”を付与するようにした。
これにより、オーダーの途中で“個別会計サービス”を選択した場合であっても、遅くともオーダー情報をコントローラ装置1_1に送信する前であれば、受け付けたオーダーに“個別会計サービス”を適用することができる。
なお、本実施形態に係るオーダリングシステムは、これに限られず、既にオーダー情報をコントローラ装置1_1に送信した後に“個別会計サービス”を利用することも可能であり、これについては、第2実施形態において詳細に説明する。
【0086】
一方、例えば特許文献1のように、各個人に固有の個人番号を付与して、この個人番号によって客ごとのオーダーを区別する場合、オーダー端末3にオーダーの内容を入力する際に、このオーダー内容の直前で個人番号を入力しなければ、オーダーの内容と個人番号を対応づけることができない。
このため、例えば、オーダーの内容をオーダー端末3に入力した後に“個別会計サービス”を適用したいと客に求められた場合、従業員は、オーダー端末3に対して個人番号とオーダー内容を対応付けて入力し直す必要があり、手続きが煩雑となる。よって、客を待たせたり、再度、客ごとにオーダーを確認したり等の作業が発生するため、オーダーの際の客および従業員の作業負担が増大していた。また、“個別会計サービス”を適用する場合、オーダー内容を入力する前に、個別会計機能(“個別会計サービス”に対応する機能)を選択する必要があり、オーダーの途中から、“個別会計サービス”を適用することができなかった。
【0087】
しかし、本実施形態に係るオーダリングシステムによると、オーダーの途中からでも“個別会計サービス”を選択することができるため、上述のような作業負担が軽減され、作業効率を向上させることができる。
また、“個別会計サービス”を選択する際も、操作部34にあるボタンを押下する等の簡単な操作であるため、“個別会計サービス”を選択する場合としない場合を比べても、作業効率にほとんど影響を与えない作業負担とすることができる。
さらに、一度、“個別会計サービス”を選択した場合であっても、オーダー情報を送信する前であれば、“個別会計サービス”の選択を解除する操作を操作部34を介して操作するだけでよく、簡単に解除することができる。
【0088】
また、本実施形態に係るオーダリングシステムは、図7で示したシングルタイプでの入力と異なるノーマルタイプでの入力によるオーダーに対しても、“個別会計サービス”を適用することができる。
以下、図8を参照して、ノーマルタイプの入力によるオーダーに基づき、“個別会計サービス”が適用されて発行されるゲスト(会計用)伝票について説明する。図8は、ノーマルタイプでの入力により印刷されるオーダーのゲスト(会計用)伝票の一例について示す概略図である。なお、ノーマルタイプとは、例えば、グランドメニューが同一であることにより、各メニューが加算され、メニューの数量が“1”以外となるものをいう。
【0089】
図8は、1つのグループとして扱われる客が、Oさん、Pさん、Qさんの3名であり、全員が、グランドメニューとして“Bセット”を1つずつオーダーした例を示している。
このオーダーを従業員が受け付ける際、“個別会計サービス”が選択されると、オーダー端末3は、オーダーされた全てのメニューのうち、同じメニューについてはその数量を加算し、メニュー情報“Bセット、3つ”を含むオーダー情報をコントローラ装置1_1に送信する。これにより、コントローラ装置1_1のオーダー制御部14は、図3の3Bに示したとおり、「共通伝票番号」“0005”と、「伝票番号」“0006”、“0007”、“0008”とが、それぞれ対応付けられたオーダー登録情報を作成する。これにより、図8に示す通り、Oさん、Pさん、Qさんがオーダーしたグランドメニューが、それぞれ異なるゲスト(会計用)伝票に印刷される。
【0090】
[第2実施形態]
次に、本発明による第2実施形態について、図面を参照して説明する。なお、オーダリングシステムの各構成と機能については、上述の第1実施形態と概ね同様であるため、同一の構成や機能については、同一の符号を付して、詳細な説明は省略し、異なる点を説明する。
本実施形態では、新規オーダーを既に受けた客から、既にオーダーした“個別会計サービス”でないオーダーの内容を、“個別会計サービス”が適用されたオーダーに変更したいとの要求を受けた場合の処理(個別会計への変更処理)と、その処理に加え、さらに、追加オーダーの内容も“個別会計サービス”が適用されたオーダーに変更したいとの要求を受けた場合の処理(個別会計への変更、追加オーダー処理)の例について説明する(これらの処理を総称して伝票分割処理という)。
【0091】
図9を参照して、コントローラ装置1_1における伝票分割処理フローの一例について説明する。図9は、この伝票分割処理フローにおいて、コントローラ装置1_1が実行する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
ここで、コントローラ装置1_1は、図6で説明した通り、無線通信部17を介してオーダー端末3から送信されたオーダー情報を受信すると、オーダー情報を一時的にバッファ記憶部13に記憶する。そして、オーダー制御部14が、このオーダー情報に含まれている番号が、オーダー登録情報に「伝票番号」として記憶されている情報と一致するか否かを判断する。このオーダー情報に含まれている番号が、オーダー登録情報に「伝票番号」として記憶されている情報と一致する場合、オーダー制御部14は、オーダー情報に“個別会計フラグ”が含まれているか否かを検出する。このオーダー制御部14は、“個別会計フラグ”が含まれていることを検出した場合、図9に示す伝票分割処理フローに移行する。
【0092】
ここでは、「伝票番号」“0009”を含むオーダー情報を受信したものとして説明する。
オーダー制御部14は、この「伝票番号」“0009”を「共通伝票番号」に変更して、「共通伝票番号」“0009”として取り扱う(ステップST41)。
【0093】
次いで、オーダー制御部14は、「伝票番号」“0009”と対応付けられて既にオーダー登録情報に記憶されている「メニュー情報」“日替わり[コーヒー]/和風ハンバーグ/とんかつ膳”を読み出し、例えば“/(スラッシュ記号)”によって区切られているメニュー毎にメニュー(商品)を1つずつ読み出す。そして、それらに「共通伝票番号」“0009”を関連付けて、登録済みのオーダー情報としてバッファ記憶部13に一時記憶させる(ステップST42)。
そして、オーダー制御部14は、抽出したメニュー毎にオーダー登録情報における列を1つ作成して、記憶部12に記憶されているオーダー登録情報に記述して記憶させる。
【0094】
例えば、オーダー制御部14は、オーダー情報に含まれるグランドメニュー11〜13のうち、グランドメニュー11の“日替わり[コーヒー]”を抽出すると、このグランドメニュー11“日替わり[コーヒー]”に対して「共通伝票番号」“0009”と異なる番号“0010“を割り振り、「伝票番号」として付与する(ステップST43)。
【0095】
そして、オーダー制御部14は、このグランドメニュー11“日替わり[コーヒー]”に対して、ステップST41において「伝票番号」から変更された「共通伝票番号」“0009”をバッファ記憶部13から読み出し、この「共通伝票番号」“0009”と、ステップST43において割り振れた「伝票番号」“0010”とを、「メニュー情報」であるグランドメニュー11の“日替わり[コーヒー]”に対応付けて、記憶部12のオーダー登録情報に記述して記憶させる。すなわち、“個別会計への変更処理”において、オーダー制御部14は、オーダー登録情報に含まれる各グランドメニューに「共通伝票番号」と「伝票番号」とを割り振り、グランドメニューごとに1つの列を新たに作成してオーダー登録情報に記憶させる(ステップST44)。
【0096】
次いで、オーダー制御部14は、ステップST44においてオーダー登録情報に記憶された「共通伝票番号」“0009”と、「伝票番号」“0010”と、「メニュー情報」“日替わり[コーヒー]”とに基づき、印刷伝票データを作成し、プリンタ制御部15に出力する(ステップST45)。そして、プリンタ制御部15は、入力された印刷伝票データを印刷部16に出力して、印刷部16にゲスト(会計用)伝票を印刷させる。
【0097】
そして、オーダー制御部14は、記憶部12に記憶されているオーダー登録情報に含まれるグランドメニュー11〜13のうち、グランドメニュー11に対して印刷が終了したことを表わす“印刷終了フラグ”を付与する。具体的には、「共通伝票番号」“0009”が関連付けられており、登録済みのオーダー情報としてバッファ記憶部13に一時記憶されているグランドメニュー11に対して“印刷終了フラグ”を付与して記憶する。次いでオーダー制御部14は、バッファ記憶部13に記憶されている登録済みのオーダー情報のグランドメニュー11〜13のうち、“印刷終了フラグ”が付与されていないグランドメニューがあるか否かを検出し(ステップST46)、“印刷終了フラグ”が付与されていないグランドメニューを検出した場合、ステップST42に戻って、検出されたグランドメニューに対して、ステップST42〜45の処理を実行する。
【0098】
ステップST46で、バッファ記憶部13に“印刷終了フラグ”が付与されていないグランドメニューが無いと判断した場合、オーダー登録情報の個別伝票変更処理を完了したと認識して、オーダー登録情報にもともと記憶されていた“個別会計サービス”でない単位オーダー情報を削除する(ステップST47)。
受信済みのオーダー情報に「メニュー情報」を表わす情報が含まれない場合(ステップST48−No)、伝票分割処理フローを終了する。ここまでの処理が、既に登録されている単位オーダー情報の、個別会計への変更処理である。
【0099】
一方、受信済みのオーダー情報に「メニュー情報」を表わす情報が含まれている場合(ステップST48−YES)、追加オーダーの内容を個別会計として登録するため、ステップST49に移行する。
【0100】
ステップST49において、オーダー制御部14は、オーダー情報の「メニュー情報」からメニュー(商品)を1つずつ読み出す。そして、オーダー制御部14は、オーダー情報から抽出したメニュー毎にオーダー登録情報における列を1つ作成して、記憶部12に記憶されているオーダー登録情報に記述して記憶させる。
例えば、受信したオーダー情報の「メニュー情報」が“デザートアイス”であった場合、オーダー情報から“デザートアイス”を読み出し、この“デザートアイス”に対して変更後の「共通伝票番号」“0009”と異なる番号“0013“を割り振り、「伝票番号」として付与する(ステップST50)。
【0101】
そして、オーダー制御部14は、この「メニュー情報」“デザートアイス”に対して、ステップST41において「伝票番号」から変更された「共通伝票番号」“0009”をバッファ記憶部13から読み出し、この「共通伝票番号」“0009”と、ステップST50において割り振れた「伝票番号」“0013”とを、「メニュー情報」“デザートアイス”に対応付けて、記憶部12のオーダー登録情報に記述して記憶させる。
すなわち、“個別会計への変更、追加オーダー処理”において、オーダー制御部14は、オーダー情報に含まれる各グランドメニューに「共通伝票番号」と「伝票番号」とを割り振り、グランドメニューごとに1つの行を新たに作成してオーダー登録情報に記憶させる(ステップST51)。
【0102】
次いで、オーダー制御部14は、ステップST51においてオーダー登録情報に記憶させた「共通伝票番号」“0009”と、「伝票番号」“0013”と、「メニュー情報」“デザートアイス”とに基づき、印刷伝票データを作成し、プリンタ制御部15に出力する(ステップST52)。そして、プリンタ制御部15は、入力された印刷伝票データを印刷部16に出力して、印刷部16にゲスト(会計用)伝票を印刷させる。
【0103】
オーダー制御部14は、バッファ記憶部13に、受信済みのオーダー情報として「共通伝票番号」“0009”とともに一時記憶されているグランドメニュー(デザートアイス)に対して、“印刷終了フラグ”を付与して記憶する。
そして、オーダー制御部14は、バッファ記憶部13に記憶されている受信済みのオーダー情報に含まれるグランドメニューのうち、“印刷終了フラグ”が付与されていないグランドメニューがあるか否かを検出し(ステップST53)、“印刷終了フラグ”が付与されていないグランドメニューをオーダー情報から検出した場合、ステップST49に戻って、検出されたグランドメニューに対して、ステップST49〜52の処理を実行する。
ステップST53で、バッファ記憶部13に“印刷終了フラグ”が付与されていないグランドメニューが無いと判断した場合、追加オーダーの、個別会計への変更処理を終了する。
【0104】
このように、“個別会計への変更処理”に係る伝票分割フローが実行されることにより、図10に示すようなユーザ登録情報がオーダー制御部14によって作成される。図10は、“個別会計への変更処理”において作成されるオーダー登録情報の一例を示す参考図である。
図10に示す通り、「伝票番号」“0009”に「メニュー情報」“日替わり[コーヒー]/和風ハンバーグ/とんかつ膳”が対応付けられている。オーダーの際に“個別会計サービス”が選択されていない場合、このように、「メニュー情報」に複数のグランドメニューが含まれている場合がある。
【0105】
上述の通り、オーダー制御部14は、オーダー端末3から受信したオーダー情報に「伝票番号」と“個別会計フラグ”が含まれていることを検出するとともに、オーダー情報から検出した「伝票番号」が既に記憶部12のオーダー登録情報において記憶されている「伝票番号」と同一であるか否かを検出する。そして、オーダー情報から検出した「伝票番号」とオーダー登録情報から検出された「伝票番号」とが同一である場合、このオーダー制御部14は、オーダー登録情報から当該「伝票番号」と対応付けられている「メニュー情報」を読み出し、このオーダー登録情報内の「メニュー情報」に含まれるグランドメニューを1つずつ抽出して、各グランドメニューに対して、それぞれ異なる「伝票番号」を付与して、グランドメニューごとにオーダー登録情報に登録するようにした。
【0106】
これにより、図10に示す通り、「伝票番号」“0009”と対応付けられている「メニュー情報」“日替わり[コーヒー]/和風ハンバーグ/とんかつ膳”が、グランドメニューごとに分割され、異なる「伝票番号」“0010”、“0011”、“0012”と、同一の「共通伝票番号」“0009”とに対応付けてオーダー登録情報に記憶されている。つまり、「伝票番号」“0010”と、「共通伝票番号」“0009”と、「メニュー情報」“日替わり[コーヒー]”とがそれぞれ対応付けられている。また、「伝票番号」“0011”と、「共通伝票番号」“0009”と、「メニュー情報」“和風ハンバーグ”とがそれぞれ対応付けられている。さらに、「伝票番号」“0012”と、「共通伝票番号」“0009”と、「メニュー情報」“とんかつ膳”とがそれぞれ対応付けられている。
よって、“個別会計サービス”を利用しないオーダーによって登録されたオーダー登録情報に記憶されている情報に基づき、“個別会計サービス”が適用された単位オーダー情報を作成することができる。
【0107】
また、個別会計への変更処理に加え、追加オーダーの内容を個別会計として登録する処理に係る伝票分割フローが実行されることにより、図11に示す通り、個別会計への変更処理の際に、追加オーダーされた“デザートアイス”も個別会計として処理される。“個別会計サービス”でないオーダー登録情報として記憶済みの“日替わり[コーヒー]/和風ハンバーグ/とんかつ膳”を個別会計として処理することと合わせて、個別会計として処理され、図11に示す通り、各メニューに「伝票番号」と「共通伝票番号」が対応づけられたオーダー登録情報が新たに作成される。
【0108】
なお、本実施形態に係るオーダリングシステムは、上記構成や機能に限られず、下記に示す機能や構成が適用されるものであってもよい。
例えば、オーダー端末3は、表示部35に、図12に示すような画面を表示するものであってもよい。図12は、オーダー端末3の表示部35に表示される画面の一例を示す概略図である。
オーダー端末3は、操作部34を介して新規オーダーを受け付けるためのボタンが押下されると、図12(a)に示すような画面を表示する。つまり、新規モードであるか、あるいは追加オーダーであるかを表示する表示領域に、白抜き文字で表示されている「新規」という文字を表示する。
【0109】
この状態で、操作部34を介して、“個別会計サービス”を選択するためのボタンが押下されると、図12(b)に示す通り、白抜き文字で表示されている部分が「新規」から「個別」に変化し、“個別会計サービス”が選択されたことを表わす「<個別伝票発行>」が表示される。これにより、オーダー端末3を操作する従業員は、“個別会計サービス”が選択されていることを、簡単に把握することができる。
そして、もう一度、“個別会計サービス”を選択するためのボタンが押下されると、図12(c)に示す通り、白抜き文字で表示されている部分が「個別」から「新規」に変化し、“個別会計サービス”の選択が解除されたことを表わす「<個別伝票クリア>」が表示される。
このように、“個別会計サービス”が選択されたこと、および、選択が解除されたことをオーダー端末3の表示部35に表示させることによって、従業員の操作誤りを防止することができる。
【0110】
また、レジスター7は、読取部74によって読み取られた情報に基づき、合算機能を利用して、合計金額を算出するものであってもよい。
例えば、「共通伝票番号」によって区分される1組の客の個人を、「伝票番号」においてそれぞれ区別している場合、レジスター7は、読取部74を介して「伝票番号」を読み取り、記憶部73を参照して、あるいはコントローラ装置1_1と通信を行って、同一の「共通伝票番号」と対応付けられている全ての「メニュー情報」の販売金額を合算することができる。少なくとも1つのゲスト(会計用)伝票のバーコードが読み取られるだけで、1組の客のすべてのオーダーの合計金額を算出することができ、合計金額の加算漏れや他人のメニューの金額の誤加算を防止することも可能である。
【0111】
また、本実施形態に係るオーダー端末3は、「共通伝票番号」をキーとして、記憶部33に記憶されているオーダー登録情報、あるいはコントローラ装置1の記憶部12に記憶されているオーダー登録情報を参照し、対応付けられているオーダー内容を表示部35に表示することもできる。これにより、異なる「伝票番号」が付与されている場合であっても、同じグループの客の合計金額や全てのメニュー内容を、従業員が確認することができる。
【0112】
また、オーダー端末3は、このようにして得られた、同一の「共通伝票番号」を有するオーダー内容を、1枚のゲスト(会計用)伝票に印刷することを要求する信号を生成し、コントローラ装置1に送信することもできる。この際、コントローラ装置1は、当該共通伝票番号に対応付けられている全メニュー情報を記憶部12から読み出して、“個別会計サービス”ではないオーダー登録情報に関する伝票を印刷する場合と同様に、読み出した全メニュー情報を包含する1つの印刷伝票データを作成し、全てのメニュー内容とその合計金額を1枚のゲスト(会計用)伝票に印刷する。これにより、“個別会計サービス”の利用を要求した客であっても、全ての合計金額をゲスト(会計用)伝票において確認することができ、このゲスト(会計用)伝票を用いて会計することもできる。
なお、追加オーダーは、新規オーダーと同一の「共通伝票番号」が割り振られるため、1つの「共通伝票番号」によって、1組の客の全てのオーダー内容を管理することができる。
【0113】
また、コントローラ装置1_2は、オーダー端末3から受信したオーダー情報に基づき、当該オーダー情報に含まれる「メニュー情報」に対応する情報を1つの調理指示書で印刷する。つまり、オーダー端末3から“個別会計フラグ”が関連付けられているオーダー情報を受信した場合であっても、この“個別会計フラグ”に基づくコントローラ装置1_1のようなオーダー情報中の商品を数量1ごとに分配する処理および印刷をすることなく、1つのオーダー情報に対して1つの調理指示書を印刷する。
これにより、メニュー毎に調理指示書が印刷されることなく、印刷をするために利用される資材の使用量を削減することができる。
【0114】
また、上記実施形態において、「伝票番号」と「共通伝票番号」は、連番となるように割り振る例を参照して説明したが、本発明はこれに限られず、既に付与した番号と新たに付与する番号が、各「伝票番号」の間で、および「伝票番号」と「共通伝票番号」との間で、一致しないものであればよく、「伝票番号」と「共通伝票番号」が連続するものでなくてもよい。
【0115】
なお、上述において、端末制御部31は、操作部34を介して入力された情報に基づき、オーダー情報を作成し、“個別会計サービス”が選択されている場合、“個別会計フラグ”をオーダー情報に付与すると説明した。しかし、本発明はこれに限られず、例えば、オーダー情報に含まれる可能性のある情報を格納する情報領域をオーダー情報に予め用意しておき、対応する情報がない場合は、この情報領域に格納される情報がないことを表わす情報をこの情報領域に格納するものであってもよい。この場合、端末制御部31は、オーダー情報に対して、“個別会計フラグ”が付与されていることを表わす情報を“個別会計フラグ”が格納される情報領域に記述して記憶させることで、オーダー情報に“個別会計フラグ”を付与する。一方、“個別会計サービス”が選択されていない場合、端末制御部31は、“個別会計フラグ”が格納される情報領域に、“個別会計フラグ”が付与されていないことを表わす情報を記述して記憶させる。
【0116】
また、本実施の形態において、コントローラ装置1とオーダー端末3とは、無線通信によって通信する構成を例に説明したが、本発明はこれに限られず、例えば、有線接続を介して通信するものであってもよい。
さらに、本実施形態において、コントローラ装置1は、プリンタ制御部15および印刷部16を備える構成を例に説明したが、本発明はこれに限られず、例えば、コントローラ1と、プリンタ制御部15および印刷部16とが、それぞれ異なる装置に備えられる構成であってもよい。
【0117】
なお、上述の図5のステップST3、7、11に示すように、“個別会計サービス”を選択するボタンが押下されたか否かを検出する処理は、入力されたオーダーに基づきオーダー情報を作成する処理と並行して、オーダー端末3によって実行されるものである。
【0118】
また、本実施形態において、コントローラ装置1のオーダー制御部14は、図6のステップST26にて、バッファ記憶部13に記憶されているオーダー情報からメニュー毎にその内容を1つずつ読み出し、メニュー毎にオーダー登録情報における行を1つ作成して、記憶部12に記憶されているオーダー登録情報に記述して記憶させると説明した。また、図9のステップST42では、オーダー制御部14が、「共通伝票番号」“0009”と対応付けられている「メニュー情報」“日替わり[コーヒー]/和風ハンバーグ/とんかつ膳”を読み出し、例えば“/(スラッシュ記号)”によって区切られているメニュー毎にメニュー内容を1つずつ読み出すと説明した。
つまり、オーダー制御部14が、オーダー情報に含まれる「メニュー情報」に対応する情報や、オーダー登録情報に含まれる「メニュー情報」の情報を、メニュー毎に区分して、1つのメニューからなる「メニュー情報」に対応する情報に対して、それぞれ異なる「伝票番号」を割り振る。
よって、この「メニュー情報」や「メニュー情報」に対応する情報に、複数のメニューが含まれている場合、この複数のメニュー毎に情報を区分した後に、各メニューに対応するメニュー内容を読み出すものであってもよく、1つのメニューとして扱われる情報を順次読み出すものであってもよい。
【符号の説明】
【0119】
1 コントローラ装置
3 オーダー端末
5 ネットワーク
7 レジスター
11 ネットワーク通信部
12 記憶部
13 バッファ記憶部
14 オーダー制御部
15 プリンタ制御部
16 印刷部
17 無線通信部
31 端末制御部
32 無線通信部
33 記憶部
34 操作部
35 表示部
71 レジスター制御部
72 ネットワーク通信部
73 記憶部
74 読取部
75 表示部
76 操作部




【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーダー端末と、伝票媒体に印刷する印刷部を有するコントローラ装置とが通信可能に接続されたオーダリングシステムであって、
前記オーダー端末が、
ユーザからの操作入力を受け付け、この操作入力に基づき操作情報を出力する操作部と、
少なくとも1つの商品を表わす商品情報を含むオーダー情報を前記操作情報に基づき作成するとともに、前記操作部を介して個別会計を要求する操作が入力されると、個別会計が要求されていることを表わす個別会計情報を前記オーダー情報に付与する端末制御部と、
前記操作部を介して前記オーダー情報を前記コントローラ装置に送信する操作を受け付けると、前記端末制御部によって作成されたオーダー情報を前記コントローラ装置に送信する第1の通信部と、を備え、
前記コントローラ装置は、
前記オーダー端末から前記オーダー情報を受信する第2の通信部と、
前記第2の通信部を介して前記オーダー情報を受信すると、前記オーダー情報に前記個別会計情報が付与されているか否かを判断し、当該個別会計情報が付与されている場合、前記オーダー情報の前記商品情報に含まれる商品毎に前記商品情報を区分して、区分された前記商品情報に対してそれぞれ異なる伝票番号を割り振り、この伝票番号が割り振られた各商品情報に当該伝票番号を対応付けてオーダー登録情報を作成するとともに、印刷部に印刷させる印刷伝票データを伝票番号毎に作成して出力するオーダー制御部と、を備えることを特徴とするオーダリングシステム。
【請求項2】
前記コントローラ装置のオーダー制御部は、
前記伝票番号が対応付けられる商品情報を少なくとも1つ含むグループを識別し、
前記伝票番号と異なる共通伝票番号を、前記個別会計情報が付与されているオーダー情報に含まれる前記商品情報に対して割り振り、
当該商品情報に対して、前記伝票番号および当該共通伝票番号を対応付けてオーダー登録情報を作成し、
入力されたオーダー情報を印刷部に印刷させる印刷伝票データを、前記オーダー登録情報に基づき前記伝票番号毎に作成して出力する
ことを特徴とする請求項1に記載のオーダリングシステム。
【請求項3】
前記コントローラ装置の前記オーダー制御部は、
前記オーダー端末から受信したオーダー情報に、前記オーダー登録情報に含まれる共通伝票番号と同一の伝票番号が含まれる場合、当該伝票番号を共通伝票番号とみなし、
当該オーダー情報内の商品情報に含まれる商品毎に前記商品情報を区分して、区分された前記商品情報に対してそれぞれ異なる伝票番号を割り振り、
この伝票番号が割り振られた各商品情報に対して、各商品情報に割り振った当該伝票番号と、前記みなした当該共通伝票番号とを対応付けてオーダー登録情報を作成し、
入力されたオーダー情報を印刷部に印刷させる印刷伝票データとして前記オーダー登録情報に基づき前記伝票番号毎に作成して出力する
ことを特徴とする請求項1あるいは2に記載のオーダリングシステム。
【請求項4】
前記コントローラ装置の前記オーダー制御部は、
前記オーダー端末から受信したオーダー情報に、前記オーダー登録情報に含まれる伝票番号と同一の伝票番号が含まれ、かつ、当該オーダー情報に個別会計情報が付与されている場合、当該伝票番号を共通伝票番号とみなし、
当該オーダー登録情報内において当該伝票番号と対応付けられているすべての商品情報に含まれる商品毎に前記商品情報を区分して、区分された前記商品情報に対してそれぞれ異なる伝票番号を割り振り、この伝票番号が割り振られた各商品情報に対して、各商品情報に割り振った当該伝票番号と、前記みなした当該共通伝票番号とを対応付けてオーダー登録情報を作成し、
オーダー登録情報および入力されたオーダー情報を印刷部に印刷させる印刷伝票データとして前記オーダー登録情報に基づき前記伝票番号毎に作成して出力する
ことを特徴とする請求項1あるいは2に記載のオーダリングシステム。
【請求項5】
前記オーダー端末の端末制御部は、
前記操作部を介して前記オーダー情報を前記コントローラ装置に送信する操作指示を受け付ける以前まで、前記個別会計を要求する操作指示に従って、前記個別会計情報を前記オーダー登録情報に付与することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のオーダリングシステム。
【請求項6】
前記コントローラ装置のオーダー制御部は、
前記オーダー登録情報を参照して、それぞれ対応付けられている前記伝票番号と前記商品情報に基づく印刷伝票データを、前記伝票番号ごとに作成して、前記印刷部に出力する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のオーダリングシステム。
【請求項7】
コントローラ装置と通信可能に接続されるオーダー端末であって、
ユーザからの操作入力を受け付け、この操作入力に基づき操作情報を出力する操作部と、
少なくとも1つの商品を表わす商品情報を含むオーダー情報を前記操作情報に基づき作成するとともに、前記操作部を介して個別会計を要求する操作が入力されると、個別会計が要求されていることを表わす個別会計情報を前記オーダー情報に付与する端末制御部と、
前記操作部を介して前記オーダー情報を前記コントローラ装置に送信する操作を受け付けると、前記端末制御部によって作成されたオーダー情報を前記コントローラ装置に送信する第1の通信部と、
を備えることを特徴とするオーダー端末。
【請求項8】
オーダー端末と通信可能に接続されるコントローラ装置であって、
前記オーダー端末から前記オーダー情報を受信する第2の通信部と、
前記第2の通信部を介して前記オーダー情報を受信すると、前記オーダー情報に前記個別会計情報が付与されているか否かを判断し、当該個別会計情報が付与されている場合、前記オーダー情報の前記商品情報に含まれる商品毎に前記商品情報を区分して、区分された前記商品情報に対してそれぞれ異なる伝票番号を割り振り、この伝票番号が割り振られた各商品情報に当該伝票番号を対応付けてオーダー登録情報を作成するとともに、印刷部に印刷させる印刷伝票データを作成して出力するオーダー制御部と、
を備えることを特徴とするコントローラ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2011−113388(P2011−113388A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−270467(P2009−270467)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(304048735)エスアイアイ・データサービス株式会社 (126)
【Fターム(参考)】