説明

オーディオシステム出力に基づくアクティブノイズ制御システム

【課題】オーディオ/ビジュアルシステム出力に基づいて、アクティブノイズ制御システムによって生成される、弱め合って干渉する音波を調節するアクティブノイズ制御システムを提供する。
【解決手段】所定の領域に存在する音響を表わす第1の入力信号を受信し、オーディオシステムによって生成された出力を表わす第2の入力信号を受信し、該第1の入力信号に基づいて、アンチノイズ信号を発生し、該第2の入力信号に基づいて、該アンチノイズ信号を調節するように構成されている、アクティブノイズ制御システムとを含み、該アンチノイズ信号は、ラウドスピーカを駆動して可聴音を生成し、それにより、空間内に存在する騒音と弱め合う干渉をするように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
この発明は、アクティブノイズ制御に関し、より具体的には、オーディオシステムに使
用されるアクティブノイズ制御に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術)
アクティブノイズ制御は、対象音響と弱め合う干渉をする音波を生成するために使用さ
れ得る。弱め合う干渉音波は、ラウドスピーカを介して生成され、対象音響と組み合わさ
れ得る。アクティブノイズ制御は、音楽のような、オーディオ音波が同様に望まれる状況
において望まれ得る。オーディオ/ビジュアルシステムは、オーディオを生成する様々な
ラウドスピーカを含み得る。これらのラウドスピーカは、弱め合う干渉音波を生成するた
めに、同時に使用され得る。
【0003】
弱めあって干渉する音波は、オーディオ/ビジュアルシステムによって使用されている
増幅器を通って動作するANCシステムによって生成され得る。オーディオ/ビデオシス
テム出力に基づいた音波は、十分に大きく、対象音響を聴取者によって聴かれている音響
からマスクする。弱めあって干渉する音波が、対象音響と組み合わされ得る一方で、対象
音響の少なくとも一部分は、オーディオベースの音波が原因で、聴取者によって聴かれな
かったことがあり得る。そうして、騒音が、マスキング効果によって聴取者にはすでに聴
こえないので、弱めあって干渉する音波の少なくとも一部分は、要求されないことがあり
得る。弱めあって干渉する音波の振幅あるいは周波数内容は、調節され得、オーディオ/
映像システムに特化された増幅器からのより強いパワーを可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、オーディオ/ビジュアルシステム出力に基づいて、アクティブノイズ制御シス
テムによって生成される弱め合って干渉する音波を調節するニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
アクティブノイズ制御(ANC)システムは、1つ以上のそれぞれのスピーカを駆動す
る少なくとも1つのアンチノイズ信号を生成し得る。スピーカが駆動され、少なくとも1
つの対象リスニング空間に存在する騒音と弱め合う干渉をする音波を生成する。ANCシ
ステムは、騒音を表わす少なくとも1つの入力信号に基づいて、アンチノイズ信号を生成
し得る。少なくとも1つのマイクロホンが、生成された音波と騒音との組み合わせからも
たらされる音波を検出し得る。マイクロホンは、組み合わされた生成された音波と、望ま
ない音波との組み合わせの検出に基づいて、誤差信号を生成し得る。ANCシステムは、
誤差信号を受信し、アンチノイズ信号を誤差信号に基づいて調節し得る。
【0006】
ANCシステムは、少なくとも1つのアンチノイズ信号をオーディオシステムからの出
力に基づいて調節するように構成され得る。ANCシステムは、少なくとも1つのアンチ
ノイズ信号をオーディオシステムの音量設定に基づいて調節し得る。ANCシステムは、
少なくとも1つのアンチノイズ信号の振幅を所定の音量閾値に基づいて調節し得る。誤差
信号は、アンチノイズの調節を、オーディオシステムからの出力に基づいて補償するよう
に調節され得る。
【0007】
ANCシステムは、少なくとも1つのアンチノイズ信号を、オーディオシステムの出力
信号の電力レベルに基づいて調節するように構成され得る。オーディオシステム出力信号
は、フィルタされ得、少なくとも1つの所定の周波数あるいは周波数範囲を隔離する。少
なくとも1つの所定の周波数あるいは周波数範囲と関連する電力レベルが、決定され得る
。ANCシステムは、アンチノイズ信号を所定の電力レベルに基づいて調節し得る。誤差
信号が、少なくとも1つのアンチノイズ信号の調節を決定された電力レベルに基づいて、
補償するように調節され得る。
【0008】
ANCシステムは、少なくとも1つのアンチノイズ信号を、オーディオシステムの出力
信号の周波数内容に基づいて調節するように構成され得る。出力信号は、分析され得、オ
ーディオシステムの出力信号に存在する少なくとも1つの周波数あるいは周波数範囲を決
定する。ANCシステムは、少なくとも1つの入力信号を、オーディオシステムの出力信
号に存在する周波数あるいは周波数範囲に基づいて、フィルタするように構成され得る。
ANCシステムは、少なくとも1つのアンチノイズ信号を、フィルタされた入力信号に基
づいて調節し得る。誤差信号は、アンチノイズ信号の調節を、フィルタされた入力信号に
基づいて、補償するように調節され得る。
【0009】
本発明の他のシステム、方法、特徴、および利点が、以下の図面および詳細な記述の検
証に基づき、明らかである、あるいは明らかになるであろう。すべてのそのようなさらな
るシステム、方法、特徴、および利点は、この記述内に含まれ、本発明の範囲内にあり、
かつ、以下の特許請求範囲によって保護されることが意図されている。
【0010】
本発明は、さらに以下の手段を提供する。
(項目1)
音響減少システムであって、
プロセッサと、
該プロセッサによって実行可能なアクティブノイズ制御システムであって、該アクティ
ブノイズ制御システムは、
所定の領域に存在する音響を表わす第1の入力信号を受信し、
オーディオシステムによって生成された出力を表わす第2の入力信号を受信し、
該第1の入力信号に基づいて、アンチノイズ信号を発生し、
該第2の入力信号に基づいて、該アンチノイズ信号を調節する
ように構成されている、アクティブノイズ制御システムと
を含み、
該アンチノイズ信号は、ラウドスピーカを駆動して可聴音を生成し、それにより、空間
内に存在する騒音と弱め合う干渉をするように構成されている、
音響減少システム。
(項目2)
上記第2の入力信号は、上記オーディオシステムの音量設定を表わし、
上記アクティブノイズ制御システムは、該音量設定が所定の閾値より上である場合、上
記アンチノイズ信号の振幅を減少するようにさらに構成されている、上記項目のいずれか
に記載のシステム。
(項目3)
上記アクティブノイズ制御システムは、上記音量設定が所定の閾値より上である場合、
上記アンチノイズの生成を停止するようにさらに構成されている、上記項目のいずれかに
記載のシステム。
(項目4)
上記アクティブノイズ制御システムは、信号レベル検出器を含み、
該信号レベル検出器は、上記第2の入力信号の所定の周波数範囲の電力レベルを判断し
、該第2の入力信号の該所定の周波数範囲の該電力レベルを表わす第3の入力信号を発生
するように構成されており、
上記アンチノイズ信号は、該第3の入力信号に基づいて調節されている、上記項目のい
ずれかに記載のシステム。
(項目5)
上記アクティブノイズ制御システムは、上記第3の入力信号に基づいて、上記アンチノ
イズ信号を調節するように構成されているアンチノイズ信号補償器を含む、上記項目のい
ずれかに記載のシステム。
(項目6)
上記アンチノイズ信号補償器は、上記第3の入力信号に基づいて、上記アンチノイズ信
号の上記振幅を減少するように構成されている、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目7)
上記アクティブノイズ制御信号は、誤差信号を受信し、該誤差信号に基づいて、上記ア
ンチノイズ信号を調節するようにさらに構成されており、
上記アクティブノイズ制御システムは、上記第3の入力信号に基づいて、該誤差信号を
調節するように構成されている誤差補償器を含む、上記項目のいずれかに記載のシステム

(項目8)
上記誤差補償器は、上記第3の入力信号と上記アンチノイズ信号とに基づいて、誤差補
償信号を発生するように構成されており、
該誤差補償信号は、上記誤差信号から減じられて、該誤差信号を調節する、上記項目の
いずれかに記載のシステム。
(項目9)
上記アクティブノイズ制御システムは、上記第2の入力信号に存在する少なくとも1つ
の信号周波数成分を判断し、該少なくとも1つの信号周波数成分の存在を示す第3の入力
信号を発生するように構成されている周波数分析器を含み、該アクティブノイズ制御シス
テムは、該第3の入力信号に基づいて、上記アンチノイズ信号を調節するように構成され
ている、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目10)
上記アクティブノイズ制御システムは、複数のフィルタを有するアンチノイズ信号補償
器を含み、各フィルタは、それぞれの周波数範囲に関連しており、上記第1の入力信号を
受信するように構成されており、
上記周波数分析器は、上記第2の入力信号に存在する複数の周波数成分を判断し、該第
2の入力信号中の対応する周波数成分の該存在を示すそれぞれの出力信号を発生するよう
に構成されており、
それぞれの出力信号は、該複数のフィルタのうちの1つに関連しており、
それぞれの出力信号は、各関連したフィルタの利得を調節するように構成されている、
上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目11)
各フィルタは、フィルタ出力信号を発生するように構成されており、
該フィルタ出力信号が合計されて、調節された入力信号を形成し、
上記アンチノイズ信号は、該調節された入力信号に基づいて調節される、上記項目のい
ずれかに記載のシステム。
(項目12)
上記第2の入力信号は、複数のサンプリングを含み、上記周波数分析器は、該複数のサ
ンプリングを受信して、該第2の入力信号に存在する上記周波数成分を決定するように構
成されている、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目13)
上記アクティブノイズ制御システムは、誤差信号を受信し、該誤差信号に基づいて、上
記アンチノイズ信号を調節するようにさらに構成されており、
該アクティブノイズ制御システムは、該誤差信号を調節するように構成された誤差補償
器を含み、該誤差補償器は、該誤差信号を受信し、それぞれの出力信号を発生するように
それぞれ構成された複数の誤差補償フィルタを含み、該それぞれの出力信号は、合計され
て、調節された誤差信号を発生し、
該アンチノイズ信号は、該調節された誤差信号に基づいて調節される、上記項目のいず
れかに記載のシステム。
(項目14)
空間に存在する騒音の音量を減少する方法であって、該方法は、
所定の領域に存在する該騒音を表わす第1の入力信号を発生することと、
オーディオシステムによって生成された出力を表わす第2の入力信号を受信することと

該第1の入力信号に基づいて、アンチノイズ信号を発生することと、
該第2の入力信号に基づいて、該アンチノイズ信号を調節することと、
該空間に存在する該騒音と弱め合う干渉をする該アンチノイズ信号に基づいて、可聴音
を生成することと
を含む、方法。
(項目15)
上記第2の入力信号は、オーディオ設定の音量設定を表わし、上記アンチノイズ信号を
調節することは、該音量設定が所定の閾値より上である場合、該アンチノイズ信号の振幅
を減少することを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目16)
上記音量設定が所定の閾値より上である場合、可聴音の生成を停止することをさらに含
む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目17)
上記第2の入力信号の所定の周波数範囲の電力レベルを判断することと、
該第2の入力信号の該所定の周波数範囲の該電力レベルを表わす第3の入力信号を発生
することであって、上記アンチノイズを調節することは、該第3の入力信号に基づいて、
該アンチノイズ信号を調節することを含む、ことと
をさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目18)
上記アンチノイズ信号を、上記第3の入力信号に基づいて調節することは、該第3の入
力信号に基づいて、該アンチノイズ信号の振幅を減少することを含む、上記項目のいずれ
かに記載の方法。
(項目19)
誤差信号を受信することと、
上記第3の入力信号に基づいて、該誤差信号を調節することであって、上記アンチノイ
ズ信号を調節することは、該誤差信号に基づいて、該アンチノイズ信号を調節することを
含む、ことと
をさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目20)
上記第3の入力信号に基づいて、誤差補償信号を発生することをさらに含み、上記誤差
信号を調節することは、該誤差補償信号を該誤差信号から減ずることを含む、上記項目の
いずれかに記載の方法。
(項目21)
上記第2の入力信号に存在する少なくとも1つの信号周波数成分を判断することと、
上記少なくとも1つの信号周波数成分の存在を示す第3の入力信号を発生することであ
って、上記アンチノイズ信号を調節することは、該第3の入力信号に基づいて、該アンチ
ノイズ信号を調節することを含む、ことと
をさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目22)
上記第1の入力信号を複数のフィルタに提供することであって、各フィルタは、それぞ
れの周波数範囲に関連している、ことと、
上記第2の入力信号中に存在する複数の周波数成分を判定することと、
該第2の入力信号中の対応する周波数成分の存在を示すそれぞれの出力信号を発生する
ことであって、それぞれの出力信号は該複数のフィルタのうちの1つに関連しており、そ
れぞれの出力信号は、該関連したフィルタの利得を調節するように構成されている、こと
と、
該関連したそれぞれの出力信号を、該複数のフィルタのそれぞれに提供することと
をさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目23)
上記第2の入力信号の複数のサンプリングを受信することと、
該複数のサンプリングに基づいて、該第2の入力信号中に存在する上記周波数成分を決
定することと
をさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目24)
上記複数のフィルタのそれぞれによってフィルタ出力信号を発生することと、
該フィルタ出力を合計して、調節された入力信号を形成することと、
該調節された入力信号に基づいて、上記アンチノイズ信号を調節することと
をさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目25)
コンピュータ実行可能な命令でエンコードされたコンピュータ読み取り可能な媒体であ
って、該コンピュータ実行可能な命令は、プロセッサによって実行可能であり、該コンピ
ュータ読み取り可能な媒体は、
所定の領域に存在する騒音を表わす第1の入力信号を生成するように実行可能な命令と

オーディオシステムによって生成された出力を表わす第2の入力信号を受信するように
実行可能な命令と、
該第1の入力信号に基づいて、アンチノイズ信号を発生するように実行可能な命令と、
該第2の入力信号に基づいて、該アンチノイズ信号を調節するように実行可能な命令と

該アンチノイズ信号に基づいて、空間に存在する騒音と弱め合う干渉をする可聴音を生
成するように実行可能な命令と
を含む、コンピュータ読み取り可能な媒体。
(項目26)
第2の入力信号を受信するように実行可能な命令は、上記オーディオの設定の音量設定
を表わす該第2の入力信号を受信するように実行可能な命令を含み、
該音量設定が所定の閾値より上である場合、該アンチノイズ信号を調節するように実行
可能な上記命令は、該アンチノイズ信号の振幅を減少することを含む、上記項目のいずれ
かに記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
(項目27)
上記音量設定が所定の閾値より上である場合、上記可聴音の生成を停止するように実行
可能な命令をさらに含む、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能な媒体

(項目28)
上記第2の入力信号の所定の周波数範囲の電力レベルを判断することと、
該第2の入力信号の該所定の周波数範囲の該電力レベルを表わす第3の入力信号を発生
することであって、上記アンチノイズを調節するように実行可能な上記命令は、該第3の
入力信号に基づいて、該アンチノイズ信号を調節するように実行可能な命令を含む、こと

を実行可能な命令をさらに含む、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可
能な媒体。
(項目29)
上記第3の入力信号に基づいて、上記アンチノイズ信号を調節するように実行可能な上
記命令は、該第3の入力信号に基づいて、該アンチノイズ信号の振幅を調節するように実
行可能な命令を含む、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
(項目30)
誤差信号を受信するように実行可能な命令と、
上記第3の入力信号に基づいて、該誤差信号を調節するように実行可能な命令であって
、上記アンチノイズ信号を調節するように実行可能な上記命令は、該誤差信号に基づいて
、該アンチノイズ信号を調節するように実行可能な命令を含む、実行可能な命令と
をさらに含む、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
(項目31)
上記第3の入力信号に基づいて、誤差補償信号を発生するように実行可能な命令をさら
に含み、上記誤差信号を調節するように実行可能な上記命令は、該誤差補償信号を該誤差
信号から減ずるように実行可能な命令を含む、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ
読み取り可能な媒体。
(項目32)
上記第2の入力信号中に存在する少なくとも1つの信号周波数成分を判断するように実
行可能な命令と、
該少なくとも1つの信号周波数成分の存在を示す第3の入力信号を発生するように実行
可能な命令であって、上記アンチノイズ信号を調節するように実行可能な命令は、該第3
の入力信号に基づいて、該アンチノイズ信号を調節するように実行可能な命令を含む、命
令と
をさらに含む、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
(項目33)
複数のフィルタに上記第1の入力信号を提供するように実行可能な命令であって、各フ
ィルタはそれぞれの周波数範囲に関連している、命令と、
上記第2の入力信号中に存在する複数の周波数成分を決定するように実行可能な命令と

該第2の入力信号中の対応する周波数成分の存在を示すそれぞれの出力信号を発生する
ように実行可能な命令であって、それぞれの出力信号は、該複数のフィルタのうちの1つ
に関連しており、それぞれの出力信号は、該関連したフィルタの利得を調節するように構
成されている、命令と、
該複数のフィルタの各々に、該関連したそれぞれの出力信号を提供するように実行可能
な命令と
をさらに含む、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
(項目34)
上記第2の入力信号の複数のサンプリングを受信するように実行可能な命令と、
該複数のサンプリングに基づいて、該第2の入力信号中に存在する上記周波数成分を判
断するように実行可能な命令と
をさらに含む、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
(項目35)
上記複数のフィルタの各々によってフィルタ出力信号を発生するように実行可能な命令
と、
該フィルタ出力を合計して、調節された入力信号を形成するように実行可能な命令と、
該調節された入力信号に基づいて、上記アンチノイズ信号を調節するように実行可能な
命令と
をさらに含む、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
(摘要)
アクティブノイズ制御(ANC)システムは、スピーカを駆動し、音波を発生して、対
象空間に存在する騒音と弱め合う干渉をするように構成された少なくとも1つのアンチノ
イズ信号を発生するように構成されている。少なくとも1つのアンチノイズ信号は、オー
ディオシステムの出力信号に基づいて調節される。少なくとも1つのアンチノイズ信号が
、オーディオシステムの音量レベル、オーディオシステムの出力信号の少なくとも1つの
所定の周波数あるいは周波数範囲の電力レベル、およびオーディオシステムの出力信号の
周波数成分のうちの少なくとも1つに基づいて調節され得る。ANCシステムは、誤差信
号を受信して、少なくとも1つのアンチノイズ信号の発生を調節する。誤差信号は、オー
ディオシステムの出力信号に基づいて、少なくとも1つのアンチノイズ信号の調節を補償
するように調節される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
システムは、以下の図面および記述を参照して、よりよく理解され得る。図面の構成部
品は、必ずしも縮尺どおりではなく、本発明の原理を例示するときに、正しい位置に配置
される代わりに強調されている。さらに、図面において、異なる図面全体を通して、同様
な参照番号は、対応する部分を示す。
【図1】図1は、アクティブノイズキャンセル(ANC)システムの例示のダイアグラムである。
【図2】図2は、ANCシステムを実装する構成例のブロックダイアグラムである。
【図3】図3は、オーディオシステムの音量設定に基づいて、アンチノイズ生成を調節するように構成された例示ANCシステムである。
【図4】図4は、オーディオシステムの音量設定に基づいて、アンチノイズ生成を調節するように構成されたANCシステムの動作例のフローダイアグラムである。
【図5】図5は、オーディオシステムの出力信号の電力レベルに基づいて、アンチノイズ生成を調節するように構成されたANCシステムの例である。
【図6】図6は、オーディオシステムの出力信号の電力レベルに基づいて、アンチノイズ生成を調節するように構成されたANCシステムの動作例のフローダイアグラムである。
【図7】図7は、オーディオ出力信号の所定の周波数の存在に基づいて、アンチノイズ生成を調節するように構成されたANCシステムの例である。
【図8】図8は、オーディオ出力信号の所定の周波数の存在に基づいて、アンチノイズ発生を調節するように構成されたANCシステムの例のフローダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、オーディオシステム出力に基づいて、弱め合う干渉音波を生成し、かつ音波
を調整するように構成されたシステムを提供する。これは、概して、最初に騒音の存在を
決定し、弱め合う干渉音波を騒音が存在している対象空間内に生成することによって遂行
される。オーディオシステムはまた、オーディオ音波を対象空間内に生成するために用い
られるオーディオ出力を提供し得る。弱め合う干渉音波は、オーディオ出力と関連づけら
れた様々な条件に基づいて調整され得る。
【0013】
図1において、アクティブノイズコントロール(ANC)システム100の例が図的に
示されている。ANCシステム100は、車両内などの様々なセッティングにおいて実装
されることにより、特定の音響周波数または周波数範囲を、対象空間102内の聴取者に
よって聞こえないように低減するかまたは除き得る。図1のANCシステム100の例は
、1つ以上の所望の周波数または周波数範囲において信号を生成するように構成され、該
信号は、図1内の破線矢印によって表される、音源106から発生する騒音104と弱め
合う干渉音波として生成され得る。一例において、ANCシステム100は、騒音104
と約20Hz〜約500Hzの周波数範囲内で弱め合って干渉するように構成され得る。
ANCシステム100は、対象空間102において可聴の音源106から発生する音を示
す基準信号107を受信し得る。
【0014】
マイクロホン108などのセンサが、対象空間102に配置され得る。ANCシステム
100は、アンチノイズ信号110を生成し得、アンチノイズ信号110は、一例におい
て、対象空間102に存在している騒音104とほぼ等しい振幅および周波数で、位相が
約180度ずれている音波を表し得る。アンチノイズ信号110の180度の位相シフト
は、アンチノイズ音波と騒音104音波とが弱め合って結合される領域において、騒音と
望ましい弱め合う干渉を起こし得る。
【0015】
図1において、アンチノイズ信号110は、オーディオシステム116によって生成さ
れたオーディオ信号114と合計操作112において合計されることにより、出力信号1
15を形成するように示されている。出力信号115は、スピーカ118を駆動するため
に提供されて、スピーカ出力120を生成する。スピーカ出力120は、対象空間102
内でマイクロホン108に向かって射出される可聴音波であり得る。スピーカ出力120
として生成されたアンチノイズ信号110の音波の成分は、対象空間102内で騒音10
4と弱め合って干渉し得る。代替の例において、オーディオ信号114とアンチノイズ信
号110とが、別個のスピーカをそれぞれ駆動することにより、対象空間102内に射出
される音波を生成し得る。
【0016】
マイクロホン108は、スピーカ出力120と、望まない雑音104と、マイクロホン
108によって受信可能な範囲内の他の可聴信号との組み合わせの検出に基づいて、マイ
クロホン出力信号122を生成し得る。マイクロホン出力信号122は、アンチノイズ信
号110を調整するための誤差信号として用いられ得る。
【0017】
一例において、オーディオシステム116は、スピーカ118などのスピーカの駆動を
もたらし得るオーディオ出力信号114を生成することにより、対象空間102内におい
て、騒音が部分的にまたは完全に聴取者に聞こえないようにマスキングされ得る十分に大
きな音のスピーカ出力を生成し得る。オーディオベースのスピーカ出力が対象空間102
内の騒音104の少なくとも部分的なマスキングをもたらすときに、アンチノイズの少な
くとも一部を低減することは望ましくあり得る。オーディオシステム116によるマスキ
ングに起因して、生成されるアンチノイズの少なくとも一部を低減することが所望され得
る。なぜならば、ANCシステム100が、共通の増幅器をオーディオシステム116と
共有し得るからである。生成される不要なアンチノイズの低減は、より多くの電力が増幅
器からオーディオシステム116に供されることを可能にし、またより少ない全体の電力
消費をもたらし得る。一例において、アンチノイズの生成は、オーディオシステム116
の出力に基づいて調整され得る。ANCシステム100は、オーディオシステム116の
出力を示す信号119を受信し得る。アンチノイズシステム100は、アンチノイズ発生
器121によって生成されるアンチノイズ信号110を調整するために、信号119を用
い得る。例えば、信号119は、図3に記載されているような、オーディオシステム11
6上の音量設定を示し得る。ANCシステム100は、音量がある所定の閾値に達すると
きには、アンチノイズの生成を低減するかまたは停止するように構成され得る。従って、
一旦オーディオシステム116の音量設定が所定の音量レベルに設定されると、対象空間
102の騒音の存在にかかわらず、より少ないアンチノイズが生成され得る。代替の例に
おいて、信号119は、特定の周波数範囲内の出力信号成分の電力レベルなどの、オーデ
ィオシステム116の他の条件を示し得る。
【0018】
図2において、ANCシステム200の例および物理的環境の例がブロック図の形式を
介して表示されている。ANCシステム200は、図1に関して記載されたようなANC
システム100と同様な態様で動作し得る。一例において、騒音x(n)は、物理的経路
204を騒音x(n)の源からマイクロホン206までトラバースし得る。物理的経路2
04は、Z領域伝達関数P(z)によって表され得る。マイクロホン206における騒音
x(n)は、d(n)として表され得る。図2において、騒音x(n)およびd(n)は
、騒音を物理的に、およびアナログデジタル(A/D)コンバータの使用を介して生成さ
れ得るデジタル表現の双方で表している。騒音x(n)はまた、適合フィルタ208への
入力として用いられ得、適合フィルタ208は、アンチノイズ発生器210に含まれ得る
。適合フィルタ208は、Z領域伝達関数W(z)によって表され得る。適合フィルタ2
08は、入力信号をフィルタして、所望のアンチノイズ信号212を出力信号として生成
するために、動的に適合されるように構成されたデジタルフィルタであり得る。図2にお
いて、適合フィルタ208は、騒音x(n)を入力信号として受信する。
【0019】
図1で記載されたのと同様に、アンチノイズ信号212は、スピーカ215を駆動する
ために用いられ得る。アンチノイズ信号212は、スピーカ215を駆動することにより
、音波を生成し得る。図2において、スピーカ215の出力は、スピーカ出力218とし
て表されている。スピーカ出力218は、スピーカ215からマイクロホン206までの
経路を含む物理的経路220を伝わる音波であり得る。物理的経路220は、図2でZ領
域伝達関数S(z)によって表され得る。スピーカ出力218と望まない雑音x(n)と
が、マイクロホン206によって受信され得、マイクロホン出力信号216が、マイクロ
ホン206によって生成され得る。図1と同様に、マイクロホン出力信号216は、誤差
信号として役立ち得る。他の例において、任意の数のスピーカとマイクロホンとが存在し
得る。
【0020】
図1に関して論じられたのと同様に、アンチノイズ信号212は、オーディオシステム
202の出力に基づいて調整され得る。図2において、オーディオ出力信号221が、オ
ーディオシステム202によってANCシステム200に提供されるように示されている
。図2において、オーディオ出力信号221は、オーディオシステム202の音量または
出力信号の電力などの特定の条件を示す、オーディオシステム202によって提供され得
る様々な信号を表し得る。ANCシステム200は、騒音d(n)の条件にかかわらず、
アンチノイズ信号212を調整するためにオーディオ出力信号221を用い得る。オーデ
ィオシステム202はまた、スピーカ215などのスピーカを駆動するために用いられる
オーディオ出力信号(図示されない)を生成することにより、オーディオベースの音波を
生成し得る。
【0021】
ANCシステム200は、「G」の利得を有する調整可能な利得増幅器として図2に表
されているアンチノイズ補償器222を含み得る。アンチノイズ補償器222は、アンチ
ノイズ信号212をオーディオ出力信号221に基づいて調整することにより、調整され
たアンチノイズ信号223を生成し得る。一例において、補償器222は、「オン/オフ
」スイッチとしてANCシステム200に役立ち得る。例えば、補償器222は、オーデ
ィオ出力信号221に基づいて、補償器222の利得が1または0のいずれかであるよう
に構成され得る。従って、オーディオ出力信号221がオーディオシステム202の音量
レベルを表している場合には、補償器222は、オーディオシステム202の特定の音量
の閾値に達するまで、1の利得を有し得る。利得が1である間、調整されたアンチノイズ
信号223は、アンチノイズ信号212の全体を含んでいる。閾値では、補償器222の
利得が0になり得、アンチノイズ信号212は、全くスピーカ215に提供されない。
【0022】
別の例において、補償器222の利得は、オーディオ出力信号221に基づいて、0と
1との間の利得値に調整され得る。利得の調整は、調整されたアンチノイズ信号223を
変える。一例において、オーディオ信号221は、特定の周波数範囲と関連づけられたオ
ーディオシステム202からの出力の電力レベルを表し得る。オーディオ出力信号の特定
の周波数範囲の成分と関連づけられた電力レベルが増加するときには、補償器222の利
得が低減され得る。低減が起こり得る。なぜならば、オーディオシステム202が、騒音
d(n)と同じ周波数範囲内の音波をもたらす出力信号を生成し得るからである。従って
、オーディオシステム202からの出力に基づいた音波は、騒音d(n)を低減するかま
たは除くために所望されるよりも少ないアンチノイズをもたらしている、聴取者によって
知覚される騒音d(n)の一部をマスキングし得る。
【0023】
マイクロホン出力信号216は、アンチノイズ発生器210に含まれ得る学習アルゴリ
ズムユニット(LAU)224に送られ得る。LAU224は、最小2乗平均(Leas
t Mean Square;LMS)、回帰的最小2乗平均(Recursive L
MS;RLMS)、正規化最小2乗平均(Normalized LMS;NLMS)、
または任意の他の適切な学習アルゴリズムなどの種々の学習アルゴリズムを実装し得る。
LAU224はまた、推定経路フィルタ226によってフィルタされた望まない雑音x(
n)を入力として受信し、推定経路フィルタ226は、物理的経路220をトラバースす
る騒音x(n)に対する推定された効果を提供する。図2において、推定経路フィルタ2
26は、Z領域伝達関数
【0024】
【数1】


として表され得る。LAU出力232は、LAU224から適合フィルタ208に送られ
る更新信号であり得る。従って、適合フィルタ208は、望まない雑音x(n)およびL
AU出力232に基づいて、アンチノイズ信号223を生成する。LAU出力232が、
適合フィルタ208に送られることにより、適合フィルタ208が、マイクロホン出力信
号216に基づいて、アンチノイズ生成を調整することを可能にする。
【0025】
補償器222が1未満の利得を有するときには、マイクロホン出力信号216は、補償
器222によって実行されるアンチノイズ調整に対して補償するように調整され得る。誤
差補償器228は、誤差補償信号231を生成するために用いられ得る。補償器222が
アンチノイズ信号212を調整するために用いられときには、補償されたアンチノイズ信
号223は、アンチノイズ信号212を下回り得る。従って、スピーカ215は、アンチ
ノイズ信号212に基づいて生成されるアンチノイズよりも低いアンチノイズを含んでい
る音波を生成するように駆動され得る。マイクロホン出力信号216は、不正確な誤差信
号をLAU224に送り返す。なぜならば、LAU224が、アンチノイズ信号212の
代わりに、補償されたアンチノイズ信号223に基づいた誤差信号を受信しているからで
ある。適合フィルタ208は、スピーカ215を駆動するアンチノイズ信号212に起因
する誤差を示していないLAU出力232を受信している。
【0026】
誤差補償器228は、調整可能な利得増幅器であり得る利得操作器230と推定経路フ
ィルタ226とを含んでいる。利得操作器230の利得は、「1−G」であり、ここで、
Gは、補償器222の利得である。利得操作器230の出力は、誤差補償信号231を生
成するためにフィルタ226に入力される。誤差補償信号231は、マイクロホン出力信
号216から操作器233で減じられることにより、補償器222によるアンチノイズ信
号212の補償に起因する誤差を除去する。操作器233の出力は、LAU224に提供
される補償された誤差信号234である。
【0027】
図3は、オーディオシステム出力に基づいて、アンチノイズを生成し、アンチノイズを
調整するように構成されたANCシステム300を示している。一例において、ANCシ
ステム300は、コンピュータデバイス301によって生成され得る。コンピュータデバ
イス301は、プロセッサ303と、メモリ305とを含み得る。メモリ305は、キャ
ッシュ、バッファ、RAM、リムーバブル媒体、ハードドライブもしくは他のコンピュー
タ読み取り可能な格納媒体などの、コンピュータ読み取り可能な格納媒体またはメモリで
あり得る。コンピュータ読み取り可能な格納媒体は、様々なタイプの揮発性および不揮発
性格納媒体を含んでいる。例えば、マルチプロセッシング、マルチタスク、並列処理など
のような様々な処理技術が、プロセッサ303によって実装され得る。
【0028】
図3において、ANCシステム300は、対象空間302に存在している騒音と弱め合
って干渉するアンチノイズを生成するように構成される。一例において、ANCシステム
300は、エンジンノイズなどの騒音を除くために、車両内で用いられるように構成され
得る。しかしながら、路面ノイズまたは車両と関連づけられる任意の他の騒音などの様々
な騒音が、低減または除く対象とされ得る。騒音は、少なくとも1つのセンサ304を介
して検出され得る。一例において、センサ304は、加速度計であり得、エンジンノイズ
のレベルを示す車両エンジンの現在の使用条件に基づいて、騒音信号308を生成し得る
。マイクロホン、あるいは車両または他の音響環境と関連づけられる可聴音を検出するこ
とに適した任意の他のセンサなどの音響検出の他の方法が、実装され得る。
【0029】
騒音信号308は、センサ304によってアナログ信号として生成され得る。アナログ
デジタル(A/D)コンバータ309は、騒音信号308をデジタル化し得る。デジタル
化された信号310は、サンプリングレートコンバータ(SRC)312に提供され得る
。SRC312は、信号310のサンプリングレートを調整し得る。一例において、A/
Dコンバータ309は、192kHzのデジタル化サンプリングレートを生成するように
構成され得る。SRC312は、サンプリングレートを192kHzから4kHzに低減
し得る。代替の例において、A/Dコンバータ309とSRC312とが、様々なサンプ
リングレートを有する信号を生成するように構成され得る。
【0030】
SRC312の出力信号314は、騒音を表しており、ANCシステム300のアンチ
ノイズ発生器316に提供され得る。出力信号314はまた、推定経路フィルタ318に
提供され得る。推定経路フィルタ318は、スピーカ306とマイクロホン311間の物
理的経路をトラバースする効果をシミュレートする。フィルタされた出力信号320は、
アンチノイズ発生器316に提供され得る。出力信号314とフィルタされた出力信号3
20とが、図2に関して記載されたのと同様な態様において、アンチノイズ発生器316
の適合フィルタ322およびLAU324によって用いられ得る。
【0031】
オーディオシステム326は、対象空間302内で聞かれることを意図されたスピーカ
出力を生成するために実装され得る。オーディオシステム326は、プロセッサ327と
、メモリ329とを含み得る。メモリ329は、キャッシュ、バッファ、RAM、リムー
バブル媒体、ハードドライブもしくは他のコンピュータ読み取り可能な格納媒体などの、
コンピュータ読み取り可能な格納媒体またはメモリであり得る。コンピュータ読み取り可
能な格納媒体は、様々なタイプの揮発性および不揮発性格納媒体を含んでいる。例えば、
マルチプロセッシング、マルチタスク、並列処理などのような様々な処理技術が、プロセ
ッサ327によって実装され得る。
【0032】
オーディオシステム326は、オーディオ出力信号328を生成し得る。一例において
、出力信号328は、48kHzのサンプリングレートで生成され得る。オーディオ出力
信号328は、SRC330に提供され得る。SRC330は、オーディオ出力信号32
8のサンプリングレートを増大させるように構成され得る。一例において、SRC330
は、出力信号332を192kHzのサンプリングレートで生成し得る。出力信号332
は、遅延操作器334に提供され得る。遅延操作器334は、オーディオを、音波として
発生させることから遅延させて、関連するアンチノイズ生成処理と一致させる。遅延操作
器334の出力信号336は、オーディオ出力信号328を、変換されたサンプリングレ
ートで表している。
【0033】
図2に関して記載されたのと同様なように、ANCシステム300によって生成される
アンチノイズは、オーディオシステム326の条件に基づいて調整され得る。アンチノイ
ズ発生器316は、アンチノイズ信号338を生成し得る。アンチノイズ信号338は、
アンチノイズ信号補償器340によって調整されることにより、調整されたアンチノイズ
信号342を生成し得る。アンチノイズ信号338は、4kHzのサンプリングレートで
生成され得る。調整されたアンチノイズ信号342は、SRC344に提供され得る。S
RC344は、調整されたアンチノイズ信号342のサンプリングレートを増大させるよ
うに構成され得る。一例において、SRC344は、調整されたアンチノイズ信号342
のサンプリングレートを4kHzから192kHzに調整し得る。SRC344は、出力
信号346を生成し得、出力信号346は、調整されたアンチノイズ信号342を、増大
されたサンプリングレートで表し得る。
【0034】
一例において、補償器340は、オーディオシステム326の音量設定に基づいて、ア
ンチノイズ信号338を調整し得る。図3において、音量信号345は、オーディオシス
テム326の音量設定を示し得る。音量閾値検出器347は、音量信号345を受信し得
る。閾値検出器347は、閾値インディケータ信号349をアンチノイズ信号補償器34
0に提供し得る。
【0035】
図3において、閾値検出器347は、オーディオシステム326の音量設定が、いつ所
定の音量設定に達するかを決定し得る。所定の音量設定は、オーディオシステム326に
基づいたスピーカ出力の音量が、対象空間302内の騒音の少なくとも一部分をマスキン
グする設定を表し得る。図3において、閾値インディケータ信号349は、アンチノイズ
信号338が調整され得ることを示すために、補償器340に提供され得る。図3におい
て、補償器340は、オン/オフスイッチとして作用し得、それによって、アンチノイズ
信号338が、アンチノイズを生成するために全く使用されない。音量設定が所定の閾値
未満であるときには、閾値インディケータ信号349は、補償器340に対して、アンチ
ノイズ信号338の全体が、調整されたアンチノイズ信号342として用いられることが
可能であることを示し得る。
【0036】
図3において、出力信号346は、信号336と合計操作348において合計されるよ
うに示されている。一例において、信号336と信号346とが、信号350をスピーカ
306用の入力として形成するために、一緒に合計されることにより、オーディオコンテ
ンツとアンチノイズとの両方を含んでいる音波を生成し得る。図3において、合計された
信号350は、DAコンバータ351に提供されて、アナログ信号352を生成する。ア
ナログ信号352は、スピーカ306を駆動することにより、オーディオ出力信号328
と、調整されたアンチノイズ信号342とを表している音波を生成する。代替の例におい
て、オーディオシステム326からの出力に基づいた信号が、スピーカ306以外のスピ
ーカに提供されることにより、オーディオシステム326の出力信号328に基づいた音
波を生成し得る。そのような代替の例において、出力信号346は、合計操作348を使
用することなく直接D/Aコンバータ351に提供され得る。
【0037】
スピーカ306によって生成された音波が、対象空間302に射出され得る。マイクロ
ホン311が、対象空間302内に配置され得る。マイクロホン311は、アンチノイズ
と騒音との組み合わせに起因する、対象空間302内の音波を検出し得る。検出された音
波は、マイクロホン311にマイクロホン出力信号を生成させ得、該マイクロホン出力信
号は、マイクロホン311のすぐ前のアンチノイズと騒音との差異を示す誤差信号356
として用いられ得る。誤差信号356は、A/Dコンバータ358に提供され得る。A/
Dコンバータ358は、デジタル化された誤差信号360を生成し得る。一例において、
A/Dコンバータ358は、誤差信号356を192kHzのサンプリングレートでデジ
タル化し得る。誤差信号360は、SRC362に提供され得る。SRC362は、誤差
信号356のサンプリングレートを低減するように構成され得る。SRC362は、出力
信号364を4kHzのサンプリングレートで生成し得る。出力信号364は、誤差信号
360を低減されたサンプリングレートで表し得る。出力信号364は、誤差補償器36
6に提供され得る。
【0038】
図2に関して同様に議論されたように、アンチノイズ信号338を補償することは、ア
ンチノイズ信号338に基づいて生成され得るアンチノイズと、調節されたアンチノイズ
信号346に基づいて生成されたアンチノイズとの間に差異を生じる。誤差調節補償器3
66は、出力信号364を調節し、調節された誤差信号368をアンチノイズ発生器31
6に提供し得る。調節された誤差信号368は、アンチノイズ信号338に基づいたアン
チ信号と、対象空間302の騒音との組み合わせから生じる可能性のある誤差信号を表わ
す。従って、アンチノイズ発生器316は、アンチノイズ信号338の調節によって影響
を与えられることなく、アンチノイズ信号338を発生し続け得る。図3において、誤差
補償器366は、閾値インディケータ信号349を受信し得、誤差補償器366および調
節器340を平行して動作させ、両方が「on」の場合、アンチノイズが、アンチノイズ
信号338に基づいて生成されることを可能にし、あるいは、「off」の場合、いかな
る誤差信号もアンチノイズ発生器316によって受信されることをブロックする。
【0039】
図4は、図3のANCシステム300のような、ANCシステムの動作例のフローダイ
アグラムである。ステップ400は、騒音が存在するかを判断することを含み得る。1つ
の例では、ステップ400の判断は、ANCシステムによって要求されたアクティブな決
定なしに、騒音が存在すると、動作するように構成されたANCシステムを表わす。騒音
が存在しない場合、ステップ400は、騒音が存在するまで、続けて実行され得る。例え
ば、ANCシステム300は、騒音がセンサ304を通って検出されると、アンチノイズ
を発生し始める。騒音が存在する場合、ANCシステムを活性化するステップ402が実
行され得る。ステップ402は、騒音の存在に基づいて、ANCシステム300に関して
記述されたような方法で、アンチノイズの自動生成を含み得る。ANCシステムが活性化
されると、オーディオシステム音量を判断するステップ404が実行され得る。
【0040】
オーディオシステム音量を判断すると、音量が所定の閾値より上であるかを判断するス
テップ406が実行される。オーディオシステムは、オーディオシステムの音量設定を示
す出力信号を生成し得る。1つの例では、図3の音量閾値検出器347のような音量閾値
検出器が使用され得る。所定の音量閾値は、現在のオーディオシステム音量設定を補償す
るために、選択され得る。現在の音量設定が所定の音量閾値より上ではない場合、ステッ
プ404が実行され得、オーディオシステム音量を判断する。音量が所定の音量閾値より
上であると判断されると、アンチノイズ発生の停止であるステップ408が実行され得る
。ANCシステム300において、アンチノイズの発生の停止は、補償器340を動作さ
せることを通して起こり得、アンチノイズ信号328が、アンチノイズの発生に対しては
、どのスピーカにも到達しないように、補償器340はアンチノイズ信号328を減衰し
得る。
【0041】
動作は、オーディオシステム音量が所定の閾値より下であるかを判断するステップ41
0を含み得る。音量が所定の閾値より下である場合、アンチノイズ発生の停止が維持され
得る。音量が所定の閾値より下であると判断される場合、アンチノイズの発生がステップ
412において再開される。1つの例では、ステップ412は、アンチノイズを発生する
ために、アンチノイズ信号328がスピーカ306を駆動することを可能にするように、
アンチノイズ信号補償器340を動作することによって、ANCシステム300のような
、ANCシステムの中で実行され得る。誤差補償器366は、また、図3に関して記述さ
れたように、ステップ408および412において動作され得る。ステップ412が実行
されると、オーディオシステム音量を判断するステップ404が実行され得る。オーディ
オシステム音量は、連続的に判断され得、オーディオシステムの音量設定に基づいて、ア
ンチノイズが停止され、再び開始されることを可能にする。
【0042】
図5は、オーディオシステム326の状態に基づいて、アンチノイズ発生を調節するよ
うに構成されたANCシステム500の例を示す。ANCシステム500は、ANCシス
テム300に関して記述されたものと同様なコンピュータデバイス301によって発生さ
れ得る。1つの例では、ANCシステム500は、オーディオ出力信号328の出力信号
成分の電力レベルに基づいて、アンチノイズ発生を調節するように構成され得る。ANC
システム500は、所定の周波数範囲内の信号成分を有するオーディオシステム出力信号
に基づいて、アンチノイズ発生を調節し得る。ANCシステム500は、ANCシステム
300に使用されたものと同様な構成部品を実装するように構成され得る。そのような類
似性を示すために、同様な参照番号が図5に関して使用され得る。
【0043】
図3に関して記述されたことと同様に、オーディオシステム326がオーディオ出力信
号328を発生し、該オーディオ出力信号328は、処理され、スピーカ306のような
スピーカを駆動する。オーディオ出力信号328は、様々な周波数成分を含み得る。1つ
の例では、オーディオ出力信号328の特定の周波数範囲が、スピーカを駆動し音波を対
象空間302に提供するように使用される場合、対象空間302の聴取者によって受け取
られるとき、騒音をマスクし得る。1つの例では、ANCシステム500は、アンチノイ
ズを発生し、周波数範囲20−500Hzの騒音と弱め合う干渉をするように構成されて
いる。
【0044】
ANCシステム500は、望まないノイズの周波数範囲内のオーディオ出力信号328
中の周波数を隔離し、オーディオ出力信号328中の隔離された周波数の存在に基づいて
、アンチノイズ発生を調節するように構成されている。ANCシステム500は、発生さ
れたアンチノイズを、オーディオ出力信号328内の特定の信号周波数の電力レベルに基
づいて、調節するように構成され得る。1つの例では、SRC502がオーディオ出力信
号328を受信し、オーディオ出力信号328のサンプリングレートを減少する。図5の
例では、サンプリングレートは、48kHzから4kHzに減少され得る。SRC502
の出力信号504が、ローパスフィルタ506に提供され得る。ローパスフィルタ506
は、出力信号504をフィルタし、出力信号504の所望の周波数範囲を隔離する。
【0045】
ローパスフィルタ506の出力信号508は、分析され、所定の周波数範囲内の周波数
に関連した電力を決定する。特定の周波数範囲内の出力信号504の電力は、スピーカを
駆動し、対象空間302に進み得る音波を提供するために使用される場合、対象空間30
2の特定の周波数範囲の音量を含み得る。レベル検出器510は、ローパスフィルタ50
6からの出力信号508を受信し得る。レベル検出器510は、ローパスフィルタ506
を通る信号周波数に関連した電力レベルを判断するように構成されており、判断された電
力レベルを示す出力信号512を発生する。
【0046】
1つの例では、レベル検出器510は、所定の時間に対して信号が特定のレベルにある
ときを判断するように構成された準ピーク検出器であり得る。レベル検出器510は、レ
ベル検出器510が、時間窓上で出力信号を監視し得る、「キャッチアンドリリース」モ
ードで実行するように構成され得る。レベル検出器510は、それぞれの窓を監視し、次
の時間窓の監視の前に、所定の時間に対して出力信号508の電力レベルを判断する。レ
ベル検出器510は、出力信号508の電力レベルを示す出力信号512を発生し得る。
【0047】
ANCシステム500は、アンチノイズ発生器316を含み得、アンチノイズ発生器3
16は、出力信号314および320を、アンチノイズ信号514を発生することに使用
する入力信号として、受信する。アンチノイズ信号514は、電力出力信号512に基づ
いて、調節され得る。アンチノイズ信号補償器516は、アンチノイズ信号514を受信
し得る。補償器516は、アンチノイズ信号514を受信し、アンチノイズ信号514を
、検出器510の出力に基づいて調節し、調節されたアンチノイズ信号518を発生する
。調節されたアンチノイズ信号518は、SRC344によって受信され得、サンプリン
グレートを192kHzに増加し、出力信号520を発生し得る。出力信号520は、出
力信号350と組み合わせられて、信号521を形成する。信号521は、D/A変換器
351に提供され、アナログ信号523を生成し、アンチノイズを対象空間302に発生
するスピーカ306を駆動し得る。代替の例では、出力信号350が使用され、スピーカ
306以外のスピーカを駆動し得、出力信号520が直接D/A変換器351に提供され
ることを可能にする。
【0048】
補償器516は、出力信号512に基づいて、アンチノイズ信号514の調節を変化さ
せるように構成され得る。1つの例では、出力信号512は、出力信号508の電力レベ
ルを示す。補償器516は、図2の補償器222と同様に構成され得、出力信号512に
基づいて、アンチノイズ信号の振幅が減少されることを可能にする。信号508に関連す
る電力が減少するとき、アンチノイズは、さらに減少され得る。従って、出力信号512
は、制御信号として使用され得、補償器516の利得を調節する。
【0049】
音量閾値検出器511が、音量閾値検出器374と同様な方法で使用され得る。音量閾
値検出器511は、オーディオシステム326の音量を示す音量信号513を受信し得る
。音量閾値検出器511は、オーディオシステム326の音量設定を示す音量閾値信号5
15を発生し得る。音量閾値信号515は、レベル検出器510に提供され得る。オーデ
ィオシステム326の音量設定が所定の音量閾値より下である場合、レベル検出器510
が、オーディオシステムの音量が十分に低く、対象空間302での騒音をマスクし得ない
ので、アンチノイズ信号514は調節されるべきではないと判断する。音量が所定の閾値
より上である場合、レベル検出器510は、アンチノイズ信号調節のために信号512を
提供し得る。
【0050】
誤差補償器522は、誤差信号を調節し、アンチノイズ信号514の調節を補償するよ
うに構成され得る。前に議論したように、アンチノイズ発生器316のアンチノイズダウ
ンストリームの調節は、誤差信号をマイクロホン311によって検出させ、アンチノイズ
発生器316に望まないアンチノイズ信号514を発生させ得る。このようにして、誤差
信号は調節され得る。図5において、対象空間302でマイクロホン311によって検出
された音響は、マイクロホン出力信号524が発生されている結果をもたらす。出力信号
524は、A/D変換器358によってデジタル化され、デジタル化された誤差信号52
6を生成する。誤差信号526は、SRC362に提供され、サンプリングレートを減少
し得る。SRC362は、出力信号528を発生し得る。図5において、SRC362は
、誤差信号526のサンプリングレートを192kHzから4kHzに減少する。
【0051】
アンチノイズ信号514は、誤差補償器522に提供され得る。1つの例では、誤差補
償器522は、図2の誤差補償器228と同様に構成され得る。誤差補償器522の利得
は、出力信号512に基づいて、アンチノイズ信号補償器516の利得のないものに調節
され得る。誤差補償器522は、アンチノイズ信号514をさらに処理し、誤差補償信号
530を発生し得、誤差補償信号530は、演算子531において出力信号528から除
去され得、調節された誤差信号532を発生する。調節された誤差信号532は、アンチ
ノイズ発生器316に提供され、アンチノイズ信号514を発生することに使用され得る

【0052】
図6は、オーディオシステムのオーディオ出力信号の電力に基づいて、アンチノイズ発
生を調節するように構成されたANCシステムの動作例のフローダイアグラムである。動
作は、騒音が存在するかを判断するステップ600を含み得る。図4の動作と同様に、ス
テップ600は、センサ304のようなセンサを通して受動的に実行され得る。騒音が存
在する場合、動作は、ANCシステムを起動するステップ602を含み得、アンチノイズ
を発生する。これは、対象の騒音が存在すると自動的に生じる。
【0053】
動作は、オーディオ出力信号326のようなオーディオシステム出力信号をフィルタす
るステップ604を含み得る。1つの例では、オーディオ出力信号326は、ローパスフ
ィルタ506によってフィルタされ得る。動作は、フィルタされた信号の電力を判断する
ステップ606を含み得る。1つの例では、レベル検出器510は、フィルタされた出力
信号508を受信し、フィルタされた出力信号の電力、あるいは振幅を判断し得る。レベ
ル検出器510は、特定の時間窓に対して、フィルタされた出力信号508に関連した電
力を示す出力信号512を生成するように構成され得る。信号512は、出力信号508
の電力が変化するとき、変化し得る。
【0054】
動作は、オーディオシステムの音量が所定の閾値より上であるかを判断するステップ6
08を含み得る。図3−5に関して記述されたように、オーディオシステム326の音量
設定が監視され得る。所定の音量設定に到達する前に、音量設定は、音量設定があまりに
低く、オーディオシステム326に基づくオーディオスピーカ出力が、対象空間302で
の騒音をマスクするほどには大きくないことがあり得る。従って、所定の閾値が到達され
るまで、アンチノイズ発生器316は、調節なしで、アンチノイズ信号514を発生し続
ける。音量設定が所定の閾値より上である場合、アンチノイズ信号を、フィルタされたオ
ーディオ出力信号の電力に基づいて、調節するステップ610が実行され得る。1つの例
では、ステップ610が、アンチノイズ補償器516によって実行され得る。アンチノイ
ズ補償器516は、アンチノイズ信号514の振幅を、信号512に基づいて減少し得る
。出力信号508の電力が増加する場合、信号512は、補償器516がアンチノイズ信
号514の振幅をさらに減少し得ることを示す。
【0055】
動作は、アンチノイズを調節されたアンチノイズ信号に基づいて発生するステップ61
2をさらに含み得る。ANCシステム500において、調節されたアンチノイズ信号51
8は、補償器516によって発生され得る。調節されたアンチノイズ信号518が使用さ
れ、スピーカ306を駆動し、アンチノイズを含む音波を発生し得る。動作は、誤差信号
を、フィルタされた信号の電力に基づいて調節するステップ614をさらに含み得る。誤
差信号は、調節され、調節されているアンチノイズ信号を補償し得る。1つの例において
、誤差補償信号は、フィルタされた信号の電力に基づいて発生され得る。例えば、ANC
システム500は、レベル検出器出力信号512およびアンチノイズ信号514を受信す
るように構成された誤差補償器522を含む。誤差補償器522は、誤差補償信号530
を発生し得る。誤差補償信号530は、誤差信号528から減じられ、アンチノイズ発生
器316による使用のための調節された誤差信号532を形成する。誤差信号が調節され
ると、動作はステップ604を実行し、ANCシステムの動作を続ける。
【0056】
図7は、アンチノイズ発生を、オーディオシステム326からの出力に基づいて調節す
るように構成された、ANCシステム700の例を示している。図7において、ANCシ
ステム700は、図3および5に関して議論されたものと同様な信号を処理するように構
成されている。同じ参照番号が同様な信号を参照するために使用され得る。ANCシステ
ム700は、コンピュータデバイス301によって発生され得る。
【0057】
ANCシステム700は、アンチノイズ発生器316のアンチノイズ発生を調節するよ
うに構成されており、アンチノイズの特定の周波数および周波数範囲は、オーディオ出力
信号328に基づいて減少され得る。1つの例では、オーディオ信号328に基づくスピ
ーカ出力は、対象空間302の騒音をマスクし得る。ANCシステム700は、少なくと
もいくつかの騒音をマスクするオーディオ信号328に存在する特定の周波数を判断する
ように構成され得る。アンチノイズ信号702は、調節され得、オーディオ出力信号32
8に存在するマスキング周波数が、発生されたアンチノイズから減少され、あるいは除か
れ得る。
【0058】
オーディオ信号328に存在する特定の周波数は、アンチノイズ信号702がアンチノ
イズを発生するために使用されることに先立って、到達が減少されあるいは除かれ得る前
に、騒音信号314から減少され、あるいは除かれ得る。騒音信号314は、調節された
アンチノイズ信号702を発生するために、アンチノイズ信号補償器704に提供され得
る。アンチノイズ補償器704は、図7に個別にBP1からBPXとして指定されている
複数のバンドパスフィルタ708を含み得る。バンドパスフィルタ708は、互いに異な
る特定の周波数範囲に対して、それぞれ構成され得る。それ故、騒音信号314が補償器
704に提供されるとき、それぞれのバンドパスフィルタ708は、特定の周波数範囲が
アンチノイズ信号702に存在する場合、特定の周波数範囲が通過することを可能にする

【0059】
それぞれのバンドパスフィルタ708は、それぞれのフィルタが、望まない雑音信号3
14に存在する特定の範囲の信号周波数を減少するか、あるいは、除くことを可能にする
調節可能な利得を有し得る。バンドパスフィルタ708を通過する信号は、合計操作71
0で合計され得、調節された入力信号712を形成する。調節された入力信号712は、
アンチノイズを発生するために使用される。アンチノイズは、オーディオベースの音波に
よってはマスクされないこともあり得る騒音を除くように構成されている。
【0060】
バンドパスフィルタ708の利得の調節は、対象空間302において演奏されているオ
ーディオが、選択された周波数成分をマスクする音響を含んでいる場合、騒音信号314
に存在する選択された周波数信号成分が振幅で減少されることを可能にする。バンドパス
フィルタ708の利得は、オーディオ出力信号328の周波数内容に基づいて、調節され
得る。
【0061】
出力信号332は、周波数分析器716に提供され得る。周波数分析器716は、オー
ディオ出力信号332を分析し、オーディオ出力信号328に存在する様々な信号周波数
を判断する。周波数分析器716は、複数の出力信号を発生し得、それぞれの出力信号O
S1からOSXは、バンドパスフィルタ708のうちの1つにそれぞれ対応する。周波数
分析器716は、信号周波数成分の強度レベルに加えて、出力信号332の周波数内容を
判断し得る。出力信号OS1からOSXは、制御信号としてそれぞれ使用され、対応する
バンドパスフィルタ708の利得を調節し得る。このように、特定の周波数あるいは周波
数範囲が判断された場合、騒音の少なくとも一部分をマスクすべき十分に高い強度を有す
ると、特定の周波数あるいは周囲に対応するバンドパスフィルタ708は、信号314の
、従ってアンチノイズ信号702の、特定の周波数あるいは周波数範囲成分の振幅を減少
するために、減少され得る。1つの例では、ANCシステム700は、音量閾値検出器3
47のような音量閾値検出器(示されていない)を含み得る。音量閾値検出器347は、
信号を周波数分析器716に提供し得、音量が所定の閾値より上である場合、アンチノイ
ズの調節が望まれる程度に、オーディオが十分大きいことが示される。
【0062】
1つの例では、周波数分析器716は、出力信号332のスペクトル分析を実行するよ
うに構成されている。周波数分析器716は、出力信号332のサンプリングのブロック
を収集するように構成され、出力信号714のサンプリングのブロックの高速フーリエ変
換(FFT)を実行する。FFTの実行は、いくつかの周波数帯域が確立されることを可
能にし、周波数分析器716によって分析されたそれぞれのサンプリングは、周波数帯域
のうちの1つに関連し得る。それぞれの分析されたブロックに対して選択されたサンプリ
ングの数は、信号332のサンプリングレートによって決定され得る。図7において、出
力信号332のサンプリングレートは、192kHzである。128個のサンプリングの
ブロックを可能にすることは、騒音の0Hzから近似的に750Hzの帯域幅が、ANC
システム700の対象にされることを可能にする。1つの例では、複数のサンプリングブ
ロックが、OS1からOSXの出力信号が発生される前に、周波数分析器716に提供さ
れ得る。周波数分析器716は、複数のブロックにわたり平均を決定し得、特定の周波数
が特定の継続時間に対して残るか、あるいは、実際に移行されるかを判断する。周波数分
析器716は、実際に移行されるべきと判断された周波数に対して、出力信号を生成しな
いこともあり得る。
【0063】
それぞれの周波数帯域に関連するサンプリングの数は、特定の周波数帯域に対する振幅
を提供する。従って、それぞれの出力信号OS1からOSXを発生するために、周波数分
析器716のそれぞれの周波数帯域が使用される。周波数分析器716は、それぞれの周
波数帯域に関連する所定の閾値を含み、特定の周波数帯域に対する振幅が所定の閾値より
上でない限り、どの出力信号も周波数分析器716からは発生されない。周波数分析器7
16のそれぞれの周波数帯域は、バンドバスフィルタ704のうちの1つに対応し得る。
【0064】
アンチノイズ信号702が、SRC344に提供され得、SRC344は、アンチノイ
ズ信号702のサンプリングレートを増加し得、出力信号709を発生する。図7におい
て、アンチノイズ信号702のサンプリングレートは、4kHzから192kHzに増加
され得る。図7において、調節されたアンチノイズ信号709は、出力信号336と組み
合わされ、出力信号711を形成する。出力信号711は、D/A変換器351に提供さ
れ得、アナログ信号713を発生し、スピーカ306を駆動し、オーディオに加えて、ア
ンチノイズを対象空間302の中に発生する。
【0065】
マイクロホン311は、対象空間302において、アンチノイズの騒音との弱め合う干
渉から結果として生じる音波を検出し得る。アンチノイズ信号702が補償器704を通
して調節される場合、アンチノイズが、マスキング周波数を有するオーディオの存在が原
因で、減少されているので、より多くの誤差がもたらされることがある。マスキングが原
因で、聴取者が騒音を聞かないことがある一方で、マイクロホンは、アンチノイズ信号7
08の調節が原因で、弱め合って干渉されていない騒音を検出し得る。マイクロホン出力
信号718は、A/D変換器358によってデジタル化され、誤差信号720として使用
され得る。誤差信号720は、SRC362に提供され、図5に記述されたものと同様に
、サンプリングレートを減少し得る。SRC362は、出力信号721を発生し得、出力
信号721は、誤差信号720のサンプリングレート減少版である。
【0066】
出力信号721は、調節され、アンチノイズ信号の調節を補償器704によって補償し
得る。信号721は、誤差補償器724に提供され得る。誤差補償器722は、個別にE
BP1からEBPXとして指定された複数のバンドパスフィルタ724を含み得る。それ
ぞれのバンドパスフィルタ724は、バンドパスフィルタ708の個別の通過帯域に対応
する、通過帯域を有するように構成されている。信号721は、バンドパスフィルタ72
4によって、周波数帯域の中に分解され得る。バンドパスフィルタ724のそれぞれは、
調節可能な利得を有し得る。それぞれのバンドパスフィルタ724は、対応する出力信号
OS1からOSXに基づいて、調節され得る。それぞれの出力信号OS1からOSXは、
利得を調節するために使用され、騒音信号314から減少された、あるいは除かれた、誤
差信号320に存在する周波数を減少し得る。それぞれのバンドパスフィルタ724の出
力信号は、合計操作726において合計され得、補償された誤差信号728を形成する。
補償された誤差信号728は、アンチノイズ発生器316に提供され得る。
【0067】
図8は、オーディオシステムの出力信号に存在する特定の周波数に基づいて、発生され
たアンチノイズを調節するように構成されているANCシステムの動作例のフローダイア
グラムである。動作は、騒音が存在するかを判断するステップ800を含み得る。図4お
よび6の動作と同様に、ステップ800は、センサ304のようなセンサを通して受動的
に実行され得る。騒音が検出されない場合、ステップ800は、騒音が存在するまで、連
続的に実行され得る。騒音が存在すると、動作は、ANCシステム700のような、AN
Cシステムを活性化するステップ802を実行する。
【0068】
動作は、騒音に基づいて、アンチノイズ発生器316を介してのように、アンチノイズ
信号を発生するステップ804を含み得る。動作は、オーディオ出力信号の周波数成分を
判断するステップ806を含み得る。1つの例では、ANCシステム700は、周波数分
析器716を含み得、周波数分析器716は、出力信号714を含み、出力信号714は
、減少したサンプリングレートでのオーディオ出力信号328である。周波数分析器71
6は、特定の周波数領域のような、出力信号714の周波数成分を決定するように構成さ
れ得る。
【0069】
動作は、騒音信号を複数の周波数ベースの成分にフィルタするステップ808を含み得
る。騒音信号は、複数の調節可能な利得フィルタに提供され、図7のバンドパスフィルタ
708のように、騒音信号を様々な周波数範囲の成分に分解する。
【0070】
動作は、騒音周波数がオーディオ出力信号の中に存在するかを判断するステップ810
を含み得る。1つの例では、周波数分析器は、特定の周波数範囲が、20−500Hzの
ような囲んだ周波数範囲内に存在するかを判断するように構成されている。騒音周波数が
まったくオーディオ出力信号に存在しない場合、ステップ806が実行され得る。騒音周
波数成分が存在する場合、選択された周波数ベースの騒音成分の振幅を調節するステップ
812を実行する。1つの例では、騒音信号314のような騒音信号が、複数のバンドパ
スフィルタ708に提供され得る。バンドパスフィルタ708は、特定の周波数範囲が通
過するように、それぞれ構成されている。それぞれのバンドパスフィルタ708は、通り
過ぎる信号の振幅を調節するように構成され得る。振幅調節は、周波数分析器716によ
って判断されたとき、オーディオ出力信号332に存在する周波数成分に基づいて、実行
され得る。
【0071】
動作は、調節されたアンチノイズ信号を発生するステップ814を含み得る。1つの例
では、調節されたアンチノイズ信号は、調節された騒音信号に基づいて、発生され得る。
調節された騒音信号は、補償器704のようなアンチノイズ信号補償器によって発生され
得る。補償器704は、調節された入力信号712を提供し得る。それぞれのバンドパス
フィルタ708は、利得調節信号を周波数分析器716から受信し得る。動作は、アンチ
ノイズ信号に基づいて、アンチノイズを発生するステップ816をさらに含み得る。
【0072】
動作は、誤差信号を調節するステップ818をさらに含み得る。前に記述したように、
アンチノイズ発生器316に提供された誤差信号は、アンチノイズ信号702の調節を補
償するように調節され得る。ANCシステム700においては、誤差を表わす出力信号7
21が、調節され得る。ANCシステム700において、誤差信号720が誤差補償器7
22に提供され得、誤差補償器722は、複数のバンドパスフィルタ724を含み、アン
チノイズ信号702を受信し得る。それぞれのバンドパスフィルタ724は、周波数分析
器716から信号を受信し得る。周波数分析器716は、それぞれの信号OS1からOS
Xに基づいて、それぞれのフィルタ724の利得を調節する。それぞれのバンドパスフィ
ルタ724は、バンドパスフィルタ708のうちの1つに対応する。それぞれのフィルタ
724の出力は、例えば、図7の合計操作726において合計される。合計操作728の
出力は、補償された誤差信号728であり、それはアンチノイズ発生器316に提供され
る。補償された誤差信号728は、アンチノイズ発生器316に提供され、図2に関して
記述されたものと同様に、LAU324によって使用され得る。誤差信号が調節されると
、ステップ806が実行され得る。
【0073】
本発明の様々な実施形態が記述されてきたが、より多くの実施形態および実装が、本発
明の範囲内で可能であり得ることは、当業者には明らかであろう。従って、本発明は、添
付の特許請求範囲および均等物に照らした場合を除いて、制限されるべきではない。
【符号の説明】
【0074】
100 アクティブノイズコントロール(ANC)システム
102 対象空間
104 騒音
106 音源
107 基準信号
108 マイクロホン
110 アンチノイズ信号
112 合計操作
114 オーディオ信号
115 出力信号
116 オーディオシステム
118 スピーカ
119 オーディオシステム116の出力信号
120 スピーカ出力
121 アンチノイズ発生器
122 マイクロホン出力信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響減少システムであって、前記音響減少システムは、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行可能なアクティブノイズ制御システムと
を含み、
前記アクティブノイズ制御システムは、
所定の領域に存在する音響を表す第1の入力信号を受信することと、
オーディオシステムによって生成された出力を表す第2の入力信号を受信することであって、前記第2の入力信号は、前記オーディオシステムの音量設定の指標、前記オーディオシステムの出力電力の電力レベルの表現、または、前記オーディオシステムによって生成された出力の少なくとも1つの所定の信号周波数信号成分の表現のうちの1つを含む、ことと、
前記第1の入力信号に基づいて、アンチノイズ信号を生成することと、
前記第2の入力信号に基づいて、前記アンチノイズ信号を調節することであって、前記アンチノイズ信号の振幅は、前記第2の入力信号が所定の閾値より上に増加することに従って対応するように減少する、ことと
を行うように構成されており、
前記アンチノイズ信号は、ラウドスピーカを駆動して可聴音を生成し、それにより、空間内に存在する騒音と弱め合う干渉をするように構成されている、音響減少システム。
【請求項2】
前記アクティブノイズ制御システムは、信号レベル検出器を含み、
前記信号レベル検出器は、前記第2の入力信号の所定の周波数範囲の電力レベルを決定することと、前記第2の入力信号の前記所定の周波数範囲の前記電力レベルを表す第3の入力信号を生成することとを行うように構成されており、
前記アンチノイズ信号は、前記第3の入力信号に基づいて調節されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記アクティブノイズ制御システムは、前記第3の入力信号に基づいて、前記アンチノイズ信号を調節するように構成されているアンチノイズ信号補償器を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記アンチノイズ信号補償器は、前記第3の入力信号に基づいて、前記アンチノイズ信号の振幅を減少させるように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記アクティブノイズ制御信号は、誤差信号を受信することと、前記誤差信号に基づいて、前記アンチノイズ信号を調節することとを行うようにさらに構成されており、
前記アクティブノイズ制御システムは、前記第3の入力信号に基づいて、前記誤差信号を調節するように構成されている誤差補償器を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記誤差補償器は、前記第3の入力信号と前記アンチノイズ信号とに基づいて、誤差補償信号を生成するように構成されており、
前記誤差補償信号は、前記誤差信号から減じられて、前記誤差信号を調節する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記アクティブノイズ制御システムは、前記第2の入力信号中に存在する前記少なくとも1つの信号周波数成分を決定することと、前記少なくとも1つの信号周波数成分の存在を示す第3の入力信号を生成することとを行うように構成されている周波数分析器を含み、前記アクティブノイズ制御システムは、前記第3の入力信号に基づいて、前記アンチノイズ信号を調節するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記アクティブノイズ制御システムは、複数のフィルタを有するアンチノイズ信号補償器を含み、各フィルタは、それぞれの周波数範囲に関連付けられており、各フィルタは、前記第1の入力信号を受信するように構成されており、
前記周波数分析器は、前記第2の入力信号中に存在する複数の周波数成分を決定することと、前記第2の入力信号中の対応する周波数成分の存在を示すそれぞれの出力信号を生成することとを行うように構成されており、
それぞれの出力信号は、前記複数のフィルタのうちの1つに関連付けられており、
それぞれの出力信号は、各関連付けられたフィルタの利得を調節するように構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
各フィルタは、フィルタ出力信号を生成するように構成されており、
前記フィルタ出力信号が合計されて、調節された入力信号を形成し、
前記アンチノイズ信号は、前記調節された入力信号に基づいて調節される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第2の入力信号は、複数のサンプルを含み、前記周波数分析器は、前記複数のサンプルを受信することにより、前記第2の入力信号中に存在する前記周波数成分を決定するように構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記アクティブノイズ制御システムは、誤差信号を受信することと、前記誤差信号に基づいて、前記アンチノイズ信号を調節することとを行うようにさらに構成されており、
前記アクティブノイズ制御システムは、前記誤差信号を調節するように構成された誤差補償器を含み、前記誤差補償器は、複数の誤差補償フィルタを含み、前記複数の誤差補償フィルタのそれぞれは、前記誤差信号を受信することと、それぞれの出力信号を生成することとを行うように構成されており、前記それぞれの出力信号は、合計されて、調節された誤差信号を生成し、
前記アンチノイズ信号は、前記調節された誤差信号に基づいて調節される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第2の入力信号は、前記オーディオシステムの音量設定を表し、
前記アクティブノイズ制御システムは、前記音量設定が前記所定の閾値より上である場合に、前記アンチノイズ信号の振幅を減少させるようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記アンチノイズ信号の振幅は、前記アンチノイズ信号の少なくとも一部の生成が停止されるまで、前記第2の入力信号が前記閾値より上にさらに増加するにつれて減少し続ける、請求項1〜12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
空間に存在する騒音の音量を減少させる方法であって、前記方法は、
所定の領域に存在する前記騒音を表す第1の入力信号を生成することと、
オーディオシステムによって生成された出力を表す第2の入力信号を受信することであって、前記第2の入力信号は、前記オーディオシステムの音量設定の指標、前記オーディオシステムの出力電力の電力レベルの表現、または、前記オーディオシステムによって生成された出力の少なくとも1つの所定の信号周波数信号成分の表現のうちの1つを含む、ことと、
前記第1の入力信号に基づいて、アンチノイズ信号を生成することと、
前記第2の入力信号が所定の閾値より上に増加することに従って前記アンチノイズ信号の振幅を対応するように減少させることによって、前記第2の入力信号に基づいて、前記アンチノイズ信号を調節することと、
前記空間に存在する前記騒音と弱め合う干渉をするように、前記アンチノイズ信号に基づいて、可聴音を生成することと
を含む、方法。
【請求項15】
前記第2の入力信号の所定の周波数範囲の電力レベルを決定することと、
前記第2の入力信号の前記所定の周波数範囲の前記電力レベルを表す第3の入力信号を生成することと
をさらに含み、
前記アンチノイズ信号を調節することは、前記第3の入力信号に基づいて、前記アンチノイズ信号を調節することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第3の入力信号に基づいて、前記アンチノイズ信号を調節することは、前記第3の入力信号に基づいて、前記アンチノイズ信号の振幅を減少させることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
誤差信号を受信することと、
前記第3の入力信号に基づいて、前記誤差信号を調節することと
をさらに含み、
前記アンチノイズ信号を調節することは、前記誤差信号に基づいて、前記アンチノイズ信号を調節することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第3の入力信号に基づいて、誤差補償信号を生成することをさらに含み、
前記誤差信号を調節することは、前記誤差補償信号を前記誤差信号から減じることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の入力信号中に存在する前記少なくとも1つの信号周波数成分を決定することと、
前記少なくとも1つの信号周波数成分の存在を示す第3の入力信号を生成することと
をさらに含み、
前記アンチノイズ信号を調節することは、前記第3の入力信号に基づいて、前記アンチノイズ信号を調節することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の入力信号を複数のフィルタに提供することであって、各フィルタは、それぞれの周波数範囲に関連付けられている、ことと、
前記第2の入力信号中に存在する複数の周波数成分を決定することと、
前記第2の入力信号中の対応する周波数成分の存在を示すそれぞれの出力信号を生成することであって、それぞれの出力信号は、前記複数のフィルタのうちの1つに関連付けられており、それぞれの出力信号は、前記関連付けられたフィルタの利得を調節するように構成されている、ことと、
前記関連付けられたそれぞれの出力信号を、前記複数のフィルタのそれぞれに提供することと
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第2の入力信号の複数のサンプルを受信することと、
前記複数のサンプルに基づいて、前記第2の入力信号中に存在する前記周波数成分を決定することと
をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記複数のフィルタのそれぞれを用いてフィルタ出力信号を生成することと、
前記フィルタ出力を合計して、調節された入力信号を形成することと、
前記調節された入力信号に基づいて、前記アンチノイズ信号を調節することと
をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記第2の入力信号は、前記オーディオシステムの音量設定を表し、
前記アンチノイズ信号を調節することは、前記音量設定が所定の閾値より上である場合に、前記アンチノイズ信号の振幅を減少させることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項24】
前記アンチノイズ信号の振幅を対応するように減少させることは、前記アンチノイズ信号の少なくとも一部の生成が停止されるまで、前記第2の入力信号が前記閾値より上にさらに増加するにつれて前記アンチノイズ信号の振幅を減少させ続けるステップをさらに含む、請求項14〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
コンピュータ実行可能な命令でエンコードされたコンピュータ読み取り可能な媒体であって、前記コンピュータ実行可能な命令は、プロセッサによって実行可能であり、前記コンピュータ読み取り可能な媒体は、
所定の領域に存在する騒音を表す第1の入力信号を生成するように実行可能な命令と、
オーディオシステムによって生成された出力を表す第2の入力信号を受信するように実行可能な命令であって、前記第2の入力信号は、前記オーディオシステムの音量設定の指標、前記オーディオシステムの出力電力の電力レベルの表現、または、前記オーディオシステムによって生成された出力の少なくとも1つの所定の信号周波数成分の表現のうちの1つを含む、命令と、
前記第1の入力信号に基づいて、アンチノイズ信号を生成するように実行可能な命令と、
前記第2の入力信号が所定の閾値より上に増加することに従って前記アンチノイズ信号の振幅を対応するように減少させることによって、前記第2の入力信号に基づいて、前記アンチノイズ信号を調節するように実行可能な命令と、
前記アンチノイズ信号に基づいて、空間に存在する騒音と弱め合う干渉をする可聴音を生成するように実行可能な命令と
を含む、コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項26】
前記第2の入力信号の所定の周波数範囲の電力レベルを決定することと、
前記第2の入力信号の前記所定の周波数範囲の前記電力レベルを表す第3の入力信号を生成することと
を実行可能な命令をさらに含み、
前記アンチノイズ信号を調節するように実行可能な前記命令は、前記第3の入力信号に基づいて、前記アンチノイズ信号を調節するように実行可能な命令を含む、請求項25に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項27】
前記第3の入力信号に基づいて、前記アンチノイズ信号を調節するように実行可能な前記命令は、前記第3の入力信号に基づいて、前記アンチノイズ信号の振幅を減少させるように実行可能な命令を含む、請求項26に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項28】
誤差信号を受信するように実行可能な命令と、
前記第3の入力信号に基づいて、前記誤差信号を調節するように実行可能な命令と
をさらに含み、
前記アンチノイズ信号を調節するように実行可能な前記命令は、前記誤差信号に基づいて、前記アンチノイズ信号を調節するように実行可能な命令を含む、請求項26に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項29】
前記第3の入力信号に基づいて、誤差補償信号を生成するように実行可能な命令をさらに含み、
前記誤差信号を調節するように実行可能な前記命令は、前記誤差補償信号を前記誤差信号から減じるように実行可能な命令を含む、請求項28に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項30】
前記第2の入力信号中に存在する前記少なくとも1つの信号周波数成分を決定するように実行可能な命令と、
前記少なくとも1つの信号周波数成分の存在を示す第3の入力信号を生成するように実行可能な命令と
をさらに含み、
前記アンチノイズ信号を調節するように実行可能な命令は、前記第3の入力信号に基づいて、前記アンチノイズ信号を調節するように実行可能な命令を含む、請求項25に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項31】
複数のフィルタに前記第1の入力信号を提供するように実行可能な命令であって、各フィルタは、それぞれの周波数範囲に関連付けられている、命令と、
前記第2の入力信号中に存在する複数の周波数成分を決定するように実行可能な命令と、
前記第2の入力信号中の対応する周波数成分の存在を示すそれぞれの出力信号を生成するように実行可能な命令であって、それぞれの出力信号は、前記複数のフィルタのうちの1つに関連付けられており、それぞれの出力信号は、前記関連付けられたフィルタの利得を調節するように構成されている、命令と、
前記複数のフィルタの各々に、前記関連付けられたそれぞれの出力信号を提供するように実行可能な命令と
をさらに含む、請求項30に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項32】
前記第2の入力信号の複数のサンプルを受信するように実行可能な命令と、
前記複数のサンプルに基づいて、前記第2の入力信号中に存在する前記周波数成分を決定するように実行可能な命令と
をさらに含む、請求項31に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項33】
前記複数のフィルタの各々を用いてフィルタ出力信号を生成するように実行可能な命令と、
前記フィルタ出力を合計して、調節された入力信号を形成するように実行可能な命令と、
前記調節された入力信号に基づいて、前記アンチノイズ信号を調節するように実行可能な命令と
をさらに含む、請求項31に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項34】
第2の入力信号を受信するように実行可能な前記命令は、前記オーディオシステムの音量設定を表す前記第2の入力信号を受信するように実行可能な命令を含み、
前記アンチノイズ信号を調節するように実行可能な前記命令は、前記音量設定が所定の閾値より上である場合に、前記アンチノイズ信号の振幅を減少させるように実行可能な命令を含む、請求項25に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項35】
前記アンチノイズ信号の少なくとも一部の生成が停止されるまで、前記第2の入力信号が前記閾値より上に増加するにつれて前記アンチノイズ信号の振幅を減少させ続けるように実行可能な命令をさらに含む、請求項25〜34のいずれか一項に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−181541(P2012−181541A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−105300(P2012−105300)
【出願日】平成24年5月2日(2012.5.2)
【分割の表示】特願2010−86595(P2010−86595)の分割
【原出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【出願人】(592051453)ハーマン インターナショナル インダストリーズ インコーポレイテッド (91)
【Fターム(参考)】