説明

オーディオビジュアル装置

【課題】 所定の時刻に再生や録音を行うことができるオーディオ装置を提供する。
【解決手段】 外部からの命令に応じて動作させることができる所定の規格に準拠したMD記録再生装置2が接続できるオーディオ装置1において、当該オーディオ装置1との間でデータの再生又は記録の動作コマンドの送信を行う動作コマンドインターフェース6と、所定のタイミングでデータの再生又は記録が行われるように上記動作コマンドを発行する設定部7と、MD記録再生装置2とオーディオ装置1とが接続されているときに、オーディオ装置1に対してMD記録再生装置2からの再生データの受信を行うデータインターフェース8と、動作コマンドインターフェース6、設定部7、データインターフェース8及びMD記録再生装置2を制御する制御部15とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーディオビジュアル装置に関し、特にNetMD(登録商標)規格に準拠した装置をタイマ再生するオーディオビジュアル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
CD(Compact Disc)などの記憶メディアに記憶された情報を再生するオーディオビジュアル装置には、さまざまな機能を有するものが普及している。その中には、時計機能を有するもので、所定の時間になると、所定の記憶メディアを再生させるタイマ再生機能を持つものもある。また、オーディオビジュアル機器に、例えば別体のMD(Mini Disc)機器を接続し、該MD機器の再生データをオーディオビジュアル機器に転送し出力することができるものもある。
【0003】
【特許文献1】特開2003−132660号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のように、別体のMD機器を接続し、タイマ再生を行う場合、制御信号を送信する専用のコントローラケーブルを使用したり、リモコン用信号を用いて、タイマ起動の後に再生や録音のコマンドを送るなどの方法を行っていた。
【0005】
しかしながら、専用のケーブルを使用する方法では、ケーブルの接続端子からそのコマンド体系まで各機器で揃える必要があり、またそれらの専用ケーブル等はメーカーによって異なるため、異なるメーカーの機器同士でコマンドの送受信を実現することが非常に困難であった。
【0006】
また、オーディオビジュアル機器によっては、接続されたMD機器とオーディオビジュアル機器のそれぞれにタイマ設定を行わないといけないものもあり、非常に煩わしかった。
【0007】
また、リモコン用信号を用いる場合も、メーカーによってリモコンコードが異なるため、送信側で予めメーカー設定を行ったりする必要があったり、場合によってはメーカーの対応がなされておらず、タイマ再生機能を行えない場合があったりなど、不具合が多く生じていた。
【0008】
本発明は、上述のような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、メーカーを問わず、別体の再生機器、特にMD機器を接続した場合に、タイマ再生を行うことができるオーディオビジュアル機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために、本発明に係るオーディオビジュアル装置は、外部からの命令に応じて動作させることができる所定の規格に準拠した記録再生装置が接続できるオーディオビジュアル装置において、上記記録再生装置と上記オーディオビジュアル装置とが接続されているときに、当該オーディオビジュアル装置との間でデータの再生又は記録の動作コマンドの送信を行う動作コマンドインターフェース部と、所定のタイミングでデータの再生又は記録が行われるように上記動作コマンドを発行する設定部と、上記記録再生装置と上記オーディオビジュアル装置とが接続されているときに、上記オーディオビジュアル装置に対して上記記録再生装置からの再生データの受信を行うデータインターフェース部と、上記動作コマンドインターフェース部、上記設定部、上記データインターフェース部及び上記記録再生装置を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【0010】
さらに、上記記録再生装置と上記オーディオビジュアル装置とが接続されているときに、上記記録再生装置への録音データの送信を行う録音データインターフェース部とを備えるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、所定のタイミングでデータの再生又は記録を行うという時刻情報に関連した動作コマンド信号を出力するように設定部を設定するたけで、上記設定部を有するオーディオビジュアル装置に接続され、外部からの命令に応じて動作させることができる所定の規格に準拠した記録再生装置を、所定の時刻に録音や再生させることが簡単に、かつ、メーカーを問わず、上記所定の規格に準拠した記録再生装置をタイマ動作させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を適用したオーディオ装置について図面を参照して詳細に説明する。図1に示すように、本発明に係るオーディオ装置1は、NetMD(登録商標)規格に準拠したMD(Mini Disc)記録再生装置2が、各種コントロール信号や圧縮データ等を相互転送するUSB(Universal Serial Bus)ケーブル3、MDの再生音を送信する音声ケーブル4、電源ケーブル5を介して接続されている。
【0013】
まず、オーディオ装置1について説明する。オーディオ装置1は、図2に示すように、MD記録再生装置2と動作コマンド等の制御信号を送受信する動作コマンドインターフェース6と、動作コマンド等の制御信号を発行する設定部7と、MD記録再生装置2からの音声信号を受信するデータインターフェース8と、所定の信号処理を行う信号処理部9と、ハードディスクドライブ(以下、HDDという)10と、CD−ROMドライブ11と、ICメモリドライブ12と、所定の操作を行う操作部13と、所定のデータを表示する表示部14と、所定の制御を行う制御部15と、ソース選択部16と、アンプ17と、スピーカ18とから構成されている。
【0014】
動作コマンドインターフェース6は、USBケーブル3を介してMD記録再生装置2と接続されており、NetMD規格に準拠した各種コントロール信号や圧縮データ等を相互転送するためのインターフェースである。
【0015】
設定部7は、例えば、待機電流や内臓電池により動作するクロック回路等からなり、オーディオ装置1に電源が投入されていない状態(電源オフ状態)においても、現在日付(年月日)及び、現在時刻(時分秒)等を計時する。設定部7は、タイマ機能も備えており、設定された日時になると、制御部15に対して、所定動作の開始、終了等の種々の命令を指示する。
【0016】
データインターフェース8は、音声ケーブル4を介してMD記録再生装置2と接続されており、MD記録再生装置2のMDから再生される音声信号を受信するためのインターフェースである。なお、音声ケーブル4は、MD記録再生装置2から再生される音声信号に合わせて、アナログケーブルや光ケーブルを選択するようにする。
【0017】
信号処理部9は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)等からなり、制御部15から供給される動作命令等にしたがって、MD記録再生装置2の記録、再生動作を制御する。また、信号処理部9は、HDD10に格納された楽曲データ(暗号化されたATRAC3データやPCMデータ等)の抽出及び復号を行い、音声信号を再生する。そして、再生した音声信号をソース選択部16に供給する。
【0018】
HDD10は、所定容量の磁気ディスクからなり、音声データ、楽曲データ等を記憶する。HDD10は、制御部15から供給される動作命令等にしたがって、記憶されている種々のデータを信号処理部9等に供給する。
【0019】
CD−ROMドライブ11は、制御部15に制御され、CD(Compact Disc)に記憶されている楽曲データ等を、信号処理部9等に供給する。
【0020】
メモリカードドライブ12は、不揮発性のメモリからなり、制御部15に制御され、該メモリに記憶されている音声データや楽曲データ等を信号処理部9等に供給する。
【0021】
操作部13は、オーディオ装置1の前面に配置された複数のキースイッチやアナログスイッチ等からなり、ユーザの操作に従った指示情報を入力して制御部15に供給する。
【0022】
表示部14は、蛍光表示管や液晶表示ユニット等からなり、制御部15に制御され、オーディオ装置1の動作状況等を示すシンボルやメッセージ等を表示する。表示部14は、例えば、オーディオ装置1がタイマ予約に従って、所定の時間になるとMD記録再生装置2のMDを再生することを報知するメッセージを表示する。
【0023】
制御部15は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及び、RAM(Random Access Memory)を含んだマイコン等からなり、オーディオ装置1全体を制御する。
【0024】
制御部15は、設定部7にタイマ予約された所定の再生開始時刻になると、MD記録再生装置2を制御して、対象の楽曲データをスピーカ18から出力させる。また、オーディオ装置1が電源オフの状態でタイマ予約された所定の再生開始時刻になった場合では、制御部15は、事前に設定部7から電源オンの指示を受け動作を開始し、起動時における所定の診断チェック等を行った後に、MD記録再生装置2等を制御する。
【0025】
ソース選択部16は、入力切換スイッチ等からなり、制御部15に制御され、MD記録再生装置2、HDD10、CD−ROMドライブ11、メモリカードドライブ12のいずれか1つを入力ソースとして選択する。ソース選択部16は、選択した入力ソースから出力される音声信号等をアンプ17に供給する。
【0026】
アンプ17は、所定の増幅回路等からなり、例えば、MD記録再生装置2から供給された音声信号を適宜増幅し、増幅した音声信号をスピーカ18に供給する。
【0027】
スピーカ18は、ステレオスピーカ等からなり、アンプ17にて増幅された音声信号に従って、音声(楽曲音等)を出力する。
【0028】
続いて、オーディオ装置1に接続されたMD記録再生装置2について説明する。
【0029】
MD記録再生装置2は、動作コマンドインターフェース6を介してUSBケーブル3でオーディオ装置1の制御部15と接続され、データインターフェース8を介して音声ケーブル4でオーディオ装置1のソース選択部16と接続されている。また、MD記録再生装置2は、電源ケーブル5を介して、オーディオ装置1の図示しない電源部と接続されている。
【0030】
MD記録再生装置2は、オーディオ装置1の制御部15に制御され、USBケーブル3を介してMDに楽曲データ等を記録したり、音声ケーブル4を介してMDに記録された楽曲データ等を再生したりする。MD記録再生装置2は、NetMD規格に準拠した記録再生装置であり、USBケーブル3を介してHDD10に格納された楽曲データを、MDに記録し(チェックアウトし)、また、MDに記録した楽曲データをHDD10に戻す(チェックインする)。また、MD記録再生装置2は、音声ケーブル4を介してMDに記録した楽曲データ等から音声信号を再生し、再生した音声信号をオーディオ装置1に供給する。さらに、MD記録再生装置2は、電源ケーブル5を介してオーディオ装置1と接続されており、オーディオ装置1においてMD記録再生装置2の電源のオン・オフを行うことができる。なお、MD記録再生装置2は、USBケーブルで接続されたものに限らず、外部からの命令に応じて動作することができる機器であればよく、メーカーを問わない。
【0031】
続いて、オーディオ装置1に接続されたMD記録再生装置2をタイマ再生させる方法について図3のフローチャートを参照しながら説明する。なお、オーディオ装置1及びMD記録再生装置2は電源オフ状態であり、予めユーザによって操作部13を操作し、所定の時間にMD記録再生装置2のMDを再生させるタイマ再生予約がされているものとする。
【0032】
ステップS1において、制御部15は、タイマ起動時刻になったかどうか判断する。制御部15は、タイマ起動時刻になったかどうかについて、設定部7の時刻を確認することによって行うことができる。所定のタイマ起動時刻になった場合は、ステップS2に進み、タイマ起動時刻になっていない場合は、ステップS1を繰り返す。
【0033】
次に、ステップS2において、制御部15は、オーディオ装置1及びMD記録再生装置2の電源をオンにする。MD記録再生装置2の電源は、電源ケーブル5を介して供給することができる。
【0034】
次に、ステップS3において、制御部15は、USBケーブル3を介して、MD記録再生装置2の起動時の所定の設定を確認するための信号を送受信する。
【0035】
次に、ステップS4において、制御部15は、MD記録再生装置2に再生コマンド信号を送信する。再生コマンド信号を受信したMD記録再生装置2は、MDを再生し、音声信号等を音声ケーブル4を介してソース選択部16に送信し、スピーカ18から出力される。
【0036】
以上のようにして、オーディオ装置1は、設定部7に設定された時刻に、USBケーブル3を介して再生コマンドが送信され、音声ケーブル4を介して再生データを受信することができ、MD記録再生装置2のMDをタイマ再生することができる。
【0037】
続いて、オーディオ装置1に接続されたMD記録再生装置2をタイマ録音させる方法について図4のフローチャートを参照しながら説明する。なお、オーディオ装置1及びMD記録再生装置2は電源オフ状態であり、予めユーザによって操作部13を操作し、所定の時間にHDD10に格納されている楽曲データ等をMD記録再生装置2のMDに記録(チェックアウト)させるタイマ録音予約がされているものとする。
【0038】
ステップS10において、制御部15は、タイマ起動時刻になったかどうか判断する。制御部15は、タイマ起動時刻になったかどうかについて、設定部7の時刻を確認することによって行うことができる。所定のタイマ起動時刻になった場合は、ステップS11に進み、タイマ起動時刻になっていない場合は、ステップS10を繰り返す。
【0039】
次に、ステップS11において、制御部15は、オーディオ装置1及びMD記録再生装置2の電源をオンにする。MD記録再生装置2の電源は、電源ケーブル5を介して供給することができる。
【0040】
次に、ステップS12において、制御部15は、USBケーブル3を介して、MD記録再生装置2の起動時の所定の設定を確認するための信号を送受信する。
【0041】
次に、ステップS13において、制御部15は、MD記録再生装置2に録音コマンド信号を送信する。録音コマンド信号を受信したMD記録再生装置2は、USBケーブル3を介してオーディオ装置1のHDD10の所定の楽曲データをMDに記録(チェックアウト)する。
【0042】
以上のようにして、オーディオ装置1は、設定部7に設定された時刻に、USBケーブル3を介して記録コマンドが送信され、記録データを受信することができ、MD記録再生装置2のMDをタイマ記録することができる。
【0043】
なお、上述のようにオーディオ装置1のHDD10に格納された楽曲データ等を記録(チェックアウト)することに限らず、例えば、CD−ROMドライブ11に記録された楽曲データ等を記録するようにしてもよいし、また、チューナユニットを備えるオーディオ装置1であれば、チューナからの音声を記録することもでき、外部入力端子を備えるオーディオ装置1であれば、同様に外部入力の音声を記録することもできる。
【0044】
その具体的な手段としては、所定の時刻にチューナからの音声信号をATRAC3にてHDD10に記録するとともに、その記録された信号を読み取り、USBケーブル3を介して、MD記録再生装置2に記録(チェックアウト)するようにする。
【0045】
また、オーディオ装置1及びMD記録再生装置2は、例えば、録音用のSPDIF(Sony Philips Digital Interface)などのインターフェースを備えるようにしてもよい。このようにすれば、オーディオ装置1は、所定の時刻になったら、USBケーブル3を介して、MD記録再生装置2をタイマ起動することもでき、SPDIFなどの上記インターフェース上の音声信号を記録することができる。
【0046】
また、オーディオ装置1は、タイマ録音させる際、録音と同時に再生を行うようにしてもよい。
【0047】
以上のように、オーディオ装置1は、NetMD規格に準拠したMD記録再生装置2を
接続するだけで、MD記録再生装置2側にタイマ機能を有する必要がなく、また、専用のコントロールケーブルを使用しないで、オーディオ装置1側からNetMD規格準拠した再生コマンドを送信しているので、メーカーによらずタイマ再生、タイマ録音することができる。
【0048】
なお、実施の形態としてオーディオ装置を例に説明をしたが、これに限らず、例えば映像信号の再生を行うオーディオビジュアル装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明を適用したオーディオ装置とMD記録再生装置の接続例を示した模式図である。
【図2】オーディオ装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明を適用したオーディオ装置のタイマ再生を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明を適用したオーディオ装置のタイマ録音を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
1 オーディオ装置、2 MD記録再生装置、3 USBケーブル、4 音声ケーブル、5 電源ケーブル、6 動作コマンドインターフェース、7 設定部、8 データインターフェース、9 信号処理部、10 HDD、11 CD−ROMドライブ、12 メモリカードドライブ、13 操作部、14 表示部、15 制御部、16 ソース選択部、17 アンプ、18 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からの命令に応じて動作させることができる所定の規格に準拠した記録再生装置が接続できるオーディオビジュアル装置において、
上記記録再生装置と上記オーディオビジュアル装置とが接続されているときに、当該オーディオビジュアル装置との間でデータの再生又は記録の動作コマンドの送信を行う動作コマンドインターフェース部と、
所定のタイミングでデータの再生又は記録が行われるように上記動作コマンドを発行する設定部と、
上記記録再生装置と上記オーディオビジュアル装置とが接続されているときに、上記オーディオビジュアル装置に対して上記記録再生装置からの再生データの受信を行うデータインターフェース部と、
上記動作コマンドインターフェース部、上記設定部、上記データインターフェース部及び上記記録再生装置を制御する制御部とを備えることを特徴とするオーディオビジュアル装置。
【請求項2】
さらに、上記記録再生装置と上記オーディオビジュアル装置とが接続されているときに、上記記録再生装置への録音データの送信を行う録音データインターフェース部とを備えることを特徴とする請求項1記載のオーディオビジュアル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−4583(P2006−4583A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−220755(P2004−220755)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】