説明

オープンショーケースの商品陳列方法

【目的】オープンショーケースでのパック商品の陳列を容易にする。
【構成】リフタ11を備えたキャスタ付きのカート8に積載したラック7に商品が入った流通用のコンテナケース6を収納し、このカート8をオープンショーケース1のデッキ部4に前方から突き合わせて、ラック7を滑らせてデッキ部4の陳列台13上に移す。カート8はリフタ11により荷台が下げられるのでラック7の積載やコンテナケース6の収納が容易であり、またデッキ部4への移し変えは滑らせるだけなので力が要らない。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主として紙パック入りの牛乳やジュースなどをオープンショーケースに陳列するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上記パック商品は一般に1ダース入りのコンテナケースで流通しているが、この商品をオープンショーケースに陳列するのに、従来は商品をコンテナケースから取り出して1個ずつ冷蔵室の棚上に並べるか、デッキ部の上に載せたラックにコンテナケースごと収納するかしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、商品を1個ずつ棚に並べる方法は陳列に時間がかかる上に、腰を屈める作業を長時間続けなければならないため疲労が大きかった。また、コンテナケースごと陳列する方法は効率的であるが、例えば1リットル入りの牛乳パックが12個入ったコンテナケースの重量は約12kgもあり、これをデッキ部まで持ち上げるのは大変であった。
【0004】なお、実公昭51−30215号公報には、冷蔵倉庫の開口に接して設置された固定ケース内に、商品を積載した陳列台車を前記開口を通して搬入してそのまま陳列するオープンショーケースが記載されているが、このようなオープンショーケースは特殊な構造のものであり、一般のスーパーマーケットなどには簡単に適用できない。そこで、この発明は、短時間にかつ楽に商品を陳列することができ、しかもショーケース自体にはなんらの改変を加える必要のないオープンショーケースの商品陳列方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、この発明は、キャスタ付きのカートに積載したラックに商品が入ったコンテナケースを収納した後、このカートをオープンショーケースのデッキ部に前方から突き合わせ、前記ラックを滑らせて前記カートから前記デッキ部の陳列台上に移すものとする。
【0006】
【作用】この発明は、コンテナケースをデッキ部のラックに1ケースずつ収納するのではなく、カートに積載したラックにコンテナケースを収納してデッキ部に突き合わせ、このラックを滑らせてカートからデッキ部に移すものである。ラックはバックヤード(冷蔵倉庫)内でカートに積載してコンテナケースを収納し、このカートをオープンショーケースまで移動して移し変える。したがって、商品の陳列作業が極めてスピーディに完了する。その場合、カートはリフタを備えているので荷台の上下動が自在であり、ラックの積載時やこのラックへのコンテナケースの収納時には荷台を下げることにより、床面あるいは運搬車からオープンショーケースのデッキ部まで持ち上げる従来方法に比べて作業が楽である。また、カートからデッキ部にラックを移す際にも、種々の高さのデッキ部に荷台の面を簡単に合わせることができる。
【0007】
【実施例】以下、図1〜図4に基づいて、牛乳パックを陳列する場合のこの発明の実施例について説明する。ここで、図1はオープンショーケースとこれに突き合わされたカートの側面図、図2は図1の斜視図、図3は図1におけるカートの側面図、図4は図1におけるオープンショーケースのデッキ部の拡大図である。図1及び図2において、オープンショーケース1は冷蔵室2内の棚3が部分的に取り外され、その部分のデッキ部4に商品5(1リットル入り牛乳パック)が入ったコンテナケース6がラック7に収納された状態で陳列されている。
【0008】コンテナケース6は流通用として使用されているプラスチック製もので周囲は例えばハニカム状に開放しており、1ケースに商品5が12個入っている。前面が開口したラック7はステンレスのパイプで骨組みされたもので、1つのラック7にコンテナケース6が図示の通り上下前後に計4ケース収納され、このラック7は左右に2つ並べられている。
【0009】カート8は図3に示すように、キャスタ9が付いた台車10上に油圧式のリフタ11が搭載されたもので、リフタテーブル11aの上面にステンレスの滑り板12が取り付けられて荷台が構成されている。リフタテーブル11aはペダル11bの足踏み操作により、図示しない油圧シリンダが作動して昇降する。また、滑り板12は左右にずれ止めの側壁12aが折り曲げ形成され、また前端部に後述するようにデッキ部4に係合するフック12bが折り曲げ形成されている。
【0010】一方、オープンショーケース1は標準形のものが使用されているが、デッキ部4の商品5が陳列される箇所には、ラック7を載せる陳列台13が設けられている。陳列台13はステンレスの丸棒の組み合わせにより、図4に示すように上面がフロントキャップ14と同一高さの前端部から後方に向かって傾斜するように構成され、後端部にはストッパ13aが立ち上げ形成されている。この陳列台13はデッキ部4の前後壁に着脱自在に装着されている。
【0011】このような構成の下で、図1及び図2に示すように商品6を陳列するには、バックヤード内で荷台を下降させた状態でカート8上に空のラック7を陳列状態と同様に左右に2つ並べて積載し、次いでこのラック7にコンテナケース6を収納した後、カート8をオープンショーケース1まで移動する。オープンショーケース1まで移動したら、リフタテーブル11aをフック12bがフロントキャップ14を越える高さまで上昇させた上でカート8をデッキ部4に突き合わせ、リフタテーブル11aを下降させてフック12bを図1に示すようにフロントキャップ14に係合させる。そして、この状態でラック7を滑り板12上を滑らせてカート8からデッキ部4に押し込み陳列台13上に移す。陳列台13上のラック7はストッパ13aで位置決めされる。
【0012】
【発明の効果】この発明によれば、荷台が上下動自在なカートに積載したラックにコンテナケースを収納してオープンショーケースまで移動し、このラックを滑らせてカートからデッキ部に移すだけで陳列が完了するので、商品を1個ずつ並べたり、重量物のコンテナケースを持ち上げてデッキ部のラックに収納したりする作業がなくなり、誰でも極めて短時間にかつ楽に陳列作業を終えることができる。その場合、オープショーケース側は棚3を外してデッキ部に陳列台を装着するだけなので、既存の標準ケースをそのまま使用して簡単に実施できる。また、カート単位で陳列するので、製造日が同じ商品を同一カートにまとめれば日付管理が簡単であり、かつ製造日の早い商品が前面側になるように積載すれば、いわゆる先入れ、先出しが確実に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1を示すオープンショーケースとこれに突き合わされたカートの側面図である。
【図2】図1の斜視図である。
【図3】図1におけるカートの拡大側面図である。
【図4】図1のオープンショーケースのデッキ部の拡大図である。
【符号の説明】
1 オープンショーケース
2 冷蔵室
3 棚
4 デッキ部
5 商品
6 コンテナケース
7 ラック
8 カート
9 キャスタ
10 台車
11 リフタ
12 滑り板
13 陳列台
14 フロントキャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】キャスタ付きのカートに積載したラックに商品が入ったコンテナケースを収納した後、このカートをオープンショーケースのデッキ部に前方から突き合わせ、前記ラックを滑らせて前記カートから前記デッキ部の陳列台上に移すことを特徴とするオープンショーケースの商品陳列方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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