説明

オープンショーケース

【課題】 従来のオープンショーケースに比べて全体の奥行寸法が小さいオープンショーケースを提供する。
【解決手段】 断熱壁と内部パネルとで形成された貯蔵室の前面開口に上部の冷気吹出口から下部の冷気吸入口へ向けて冷気のエアカーテンを形成し、貯蔵室に陳列した商品を保冷すると共に、非営業時に前記エアカーテンの前方で貯蔵室の前面開口をナイトカバーで覆うオープンショーケースであって、天井部断熱壁の前端を冷気吹出口の前端よりも後方に下げ、冷気吹出口を形成するダクトの前壁を前方へ向けて下方へ傾斜させ、前記前壁の傾斜部の上方に形成された前方へ向けて上下方向に拡幅する空間内に、ロール状に巻かれたナイトカバーの少なくとも一部を配設した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オープンショーケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
断熱壁と内部パネルとで形成された貯蔵室の前面開口に上部の冷気吹出口から下部の冷気吸入口へ向けて冷気のエアカーテンを形成し、貯蔵室に陳列した商品を保冷すると共に、非営業時に前記エアカーテンの前方で貯蔵室の前面開口をナイトカバーで覆うオープンショーケースであって、天井部断熱壁の前端を冷気吹出口の前端まで延ばし、冷気吹出口を形成するダクトの前壁よりも前方に、ロール状に巻かれたナイトカバーを配設したオープンショーケースが特許文献1等に開示されている。
【特許文献1】特開平9−004966号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1等に開示された従来のオープンショーケースには、冷気吹出口を形成するダクトの前壁よりも前方に、ロール状に巻かれたナイトカバーを配設したので、貯蔵室よりも前方の張出長さが大きく、全体の奥行寸法が大きいという問題がある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、従来のオープンショーケースに比べて全体の奥行寸法が小さいオープンショーケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明においては、断熱壁と内部パネルとで形成された成貯蔵室の前面開口に上部の冷気吹出口から下部の冷気吸入口へ向けて冷気のエアカーテンを形成し、貯蔵室に陳列した商品を保冷すると共に、非営業時に前記エアカーテンの前方で貯蔵室の前面開口をナイトカバーで覆うオープンショーケースであって、天井部断熱壁の前端を冷気吹出口の前端よりも後方に下げ、冷気吹出口を形成するダクトの前壁を前方へ向けて下方へ傾斜させ、前記前壁の傾斜部の上方に形成された前方へ向けて上下方向に拡幅する空間内に、ロール状に巻かれたナイトカバーの少なくとも一部を配設したことを特徴とするオープンショーケースを提供する。
本発明に係るオープンショーケースにおいては、天井部断熱壁の前端を冷気吹出口の前端よりも後方に下げ、冷気吹出口を形成するダクトの前壁を前方へ向けて下方へ傾斜させることにより、前記前壁の傾斜部の上方に前方へ向けて上下方向に拡幅する空間を形成し、ロール状に巻かれたナイトカバーの少なくとも一部を前記空間内に配設したので、ロール状に巻かれたナイトカバーの少なくとも一部は、冷気吹出口を形成するダクトの前壁よりも前に出ない。この結果、冷気吹出口を形成するダクトの前壁よりも前方にロール状に巻かれたナイトカバーを配設した従来のオープンショーケースに比べて全体の奥行寸法が小さくなる。
【0005】
本発明の好ましい態様においては、前記ダクトの前壁に固定した連結部材にナイトカバーの支持部材を固定した。
冷気吹出口を形成するダクトの前壁に連結部材を固定し、当該連結部材にナイトカバーの支持部材を固定することにより、ダクト前壁傾斜部の上方の前方へ向けて上下方向に拡幅する空間に、容易且つ確実に、支持部材に支持されたナイトカバーを組み込むことができる。
【0006】
本発明の好ましい態様においては、オープンショーケース天井壁の、前記上下方向に拡幅する空間上方の部分を、着脱可能にした。
オープンショーケース天井壁の、前記上下方向に拡幅する空間上方の部分を、着脱可能にしておけば、ナイトカバーの保守を容易に行うことができる。またナイトカバーを容易に後付けすることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るオープンショーケースにおいては、天井部断熱壁の前端を冷気吹出口の前端よりも後方に下げ、冷気吹出口を形成するダクトの前壁を前方へ向けて下方へ傾斜させることにより、前記前壁の傾斜部の上方に前方へ向けて上下方向に拡幅する空間を形成し、ロール状に巻かれたナイトカバーの少なくとも一部を前記空間内に配設したので、ロール状に巻かれたナイトカバーの少なくとも一部は、冷気吹出口を形成するダクトの前壁よりも前に出ない。この結果、冷気吹出口を形成するダクトの前壁よりも前方にロール状に巻かれたナイトカバーを配設した従来のオープンショーケースに比べて全体の奥行寸法が小さくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の実施例に係るオープンショーケースを説明する。
図1に示すように、オープンショーケース1は、天井部断熱壁2aと、後部断熱壁2bと、底部断熱壁2cと、図示しない両側壁と、断熱壁2a〜2cの内側に配設した内部パネル3とにより形成された貯蔵室4を備えている。断熱壁2a〜2cと内部パネル3との間の隙間は、冷気循環ダクト5を形成している。
貯蔵室4は前面開口4aを有している。貯蔵室4内には複数の陳列棚6が上下方向に互いに間隔を隔てて配設されている。
冷気循環ダクト5内に冷凍回路の蒸発器7と蒸発器用ファン8とが配設され、貯蔵室4の下方に形成された機械室内に、冷凍回路の凝縮器9と凝縮器用ファン10と圧縮機11とが配設されている。
冷気循環ダクト5の上部前端部5aは、内部パネル3と天井部断熱壁2aの前端部に固定された板部材12とにより形成されており、下向きに開口して冷気吹出口13を形成している。冷気吹出口13に整流用のハニカム部材14が取り付けられている。
冷気循環ダクト5の下部は、蒸発器用ファン8を介して、最下段の陳列棚6と底部断熱壁2cの前端直立部との間に形成された冷気吸入口15に連通している。
【0009】
図2に示すように、天井部断熱壁2aの前端を冷気吹出口13の前端よりも後方に下げ、冷気吹出口13を形成するダクト5aの前壁である板部材12の上部を前方へ向けて下方へ傾斜させ、前記前壁である板部材12上部の傾斜部12aの上方に形成された前方へ向けて上下方向に拡幅する空間16内に、ロール状に巻かれたナイトカバー17の少なくとも一部を配設している。
図3に示すように、ダクト5aの前壁である板部材12に、複雑に折り曲げた一枚の板部材からなる連結部材18を固定し、ナイトカバー17の支持部材19を連結部材18に載置固定している。
連結部材18は、貯蔵室4を照明する蛍光灯20のソケット取付板18aをも形成している。蛍光灯20の直上に配設された蛍光灯反射板21が、連結部材18に載置固定されている。
ナイトカバー17の自由端は、連結部材18及び蛍光灯反射板21とダクト5aの前壁である板部材12の下部鉛直部との間の隙間22を通って下方へ延びており、フック23に接続している。
オープンショーケース1は、天井外装板24と、天井外装板24の前端に当接するハンドレール25と、ハンドレール25に取り付けられて垂下する所定幅の前部外装板26とを備えている。天井外装板24の、空間16上方の部分は、着脱可能に天井部断熱壁2aに取り付けられている。
【0010】
オープンショーケース1においては、稼働時にはナイトカバー17は巻き上げられており、貯蔵室4の前面開口4aは開放されている。冷気吹出口13から冷気吸入口15へ向けて下方へ吹き出した冷気が、冷気のエアカーテンを前面開口4aに形成し、貯蔵室4に陳列した商品を保冷する。
非営業時には、フック23が引き下ろされることにより、ナイトカバー17が下方へ引き出されて、冷気のエアカーテンの前方で貯蔵室4の前面開口4aを覆う。
【0011】
オープンショーケース1においては、天井部断熱壁2aの前端を冷気吹出口13の前端よりも後方に下げ、冷気吹出口13を形成するダクト5aの前壁である板部材12の上部を前方へ向けて下方へ傾斜させることにより、前記前壁である板部材12の傾斜部12aの上方に、前方へ向けて上下方向に拡幅する空間16を形成し、ロール状に巻かれたナイトカバー17の少なくとも一部を前記空間16内に配設したので、ロール状に巻かれたナイトカバー17の少なくとも一部は、冷気吹出口13を形成するダクト5aの前壁である板部材12の下部鉛直部よりも前に出ない。この結果、冷気吹出口を形成するダクトの前壁よりも前方にロール状に巻かれたナイトカバーを配設した従来のオープンショーケースに比べて全体の奥行寸法が小さくなる。
オープンショーケース1においては、冷気吹出口13を形成するダクト5aの前壁である板部材12に連結部材18を固定し、当該連結部材18にナイトカバーの支持部材19を載置固定したので、ダクト前壁傾斜部12aの上方の前方へ向けて上下方向に拡幅する空間16に、容易且つ確実に、支持部材19に支持されたナイトカバー17を組み込むことができる。
オープンショーケース1においては、天井外装板23の、前記上下方向に拡幅する空間16上方の部分を、着脱可能にしたので、ナイトカバー17の保守を容易に行うことができる。またナイトカバー17をオプションにした場合に、ナイトカバー17を容易に後付けすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例に係るオープンショーケースの断面図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】本発明の実施例に係るオープンショーケースの部分分解斜視図である。
【符号の説明】
【0013】
1 オープンショーケース
2a 天井部断熱壁
3 内部パネル
5、5a 冷気循環ダクト
12 板部材
12a 傾斜部
13 冷気吹出口
17 ナイトカバー
18 連結部材
21 蛍光灯反射板
22 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱壁と内部パネルとで形成された貯蔵室の前面開口に上部の冷気吹出口から下部の冷気吸入口へ向けて冷気のエアカーテンを形成し、貯蔵室に陳列した商品を保冷すると共に、非営業時に前記エアカーテンの前方で貯蔵室の前面開口をナイトカバーで覆うオープンショーケースであって、天井部断熱壁の前端を冷気吹出口の前端よりも後方に下げ、冷気吹出口を形成するダクトの前壁を前方へ向けて下方へ傾斜させ、前記前壁の傾斜部の上方に形成された前方へ向けて上下方向に拡幅する空間内に、ロール状に巻かれたナイトカバーの少なくとも一部を配設したことを特徴とするオープンショーケース。
【請求項2】
前記ダクトの前壁に固定した連結部材にナイトカバーの支持部材を固定したことを特徴とする請求項1に記載のオープンショーケース。
【請求項3】
オープンショーケースの天井外装板の、前記上下方向に拡幅する空間上方の部分を、着脱可能にしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のオープンショーケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−121971(P2008−121971A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−305906(P2006−305906)
【出願日】平成18年11月10日(2006.11.10)
【出願人】(000001845)サンデン株式会社 (1,791)
【Fターム(参考)】