説明

カウンターの取付構造

【課題】小壁に金具を設ける必要がなくて見栄えが良く、且つ、小壁とカウンターの間に余分な隙間が形成されず、また、複雑な構造とならないカウンターの取付構造を提供することを課題とする。
【解決手段】対面キッチンにおけるカウンター3を小壁2の上端に小壁2よりも前方に突出させた状態で取り付ける取付構造である。左右に長い桟木8を小壁2の上端面に長手方向に亘って取り付ける。桟木8の前部を小壁2よりも前方に突出させる。該桟木8の突出部分8aをカウンター3に取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は対面キッチンにおけるカウンターの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、対面キッチンにおいてキッチンとダイニングを仕切る小壁にはその上端にカウンターが取り付けられる場合があり、このカウンターは小壁よりもダイニング側である前方に突出させた状態で取り付けられるものである。
【0003】
このカウンターの取付構造としては、図7のように、小壁2の前面にL型金具20を小壁2の長手方向に複数取り付け、各L型金具20上にカウンター3を取り付けたものが知られている。しかし、この取付構造は、小壁2の前面に取り付けた複数のL型金具20がダイニング側から見えて見栄えがよくない。
【0004】
また、図8に示すように、L型金具20を小壁2の流し台等で隠される後面に小壁2の長手方向に間隔を介して複数取り付け、これらL型金具20をカウンター3に埋め込んだ状態で取り付けたものも知られている。しかし、この取付構造は、カウンター3に複数のL型金具20を埋め込むための凹所21を形成する必要があり、構造が複雑となる。
【0005】
また、特許文献1のように、小壁の上端面に支持部材を小壁の長手方向に隙間を介して複数取り付け、これら支持部材をカウンターに取り付けたものも知られている。しかし、この取付構造においては、支持部材と支持部材の間に形成された隙間がダイニング側から見えて見栄えが悪く、また、この隙間がごきぶり等の通り道となる恐れもある。
【特許文献1】特開平10−248653号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、小壁に金具を設ける必要がなくて見栄えが良く、且つ、小壁とカウンターの間に余分な隙間が形成されず、また、複雑な構造とならないカウンターの取付構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために請求項1に係るカウンター取付構造は、以下の構成を有している。
【0008】
対面キッチンにおけるカウンター3を小壁2の上端に小壁2よりも前方に突出させた状態で取り付ける取付構造である。左右に長い桟木8を小壁2の上端面に長手方向に亘って取り付ける。桟木8の前部を小壁2よりも前方に突出させる。桟木8の突出部分8aをカウンター3に取り付ける。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明では、小壁の上端面に長手方向に亘って取り付けた桟木を介してカウンターを取り付けることができ、小壁の前面に金具を設ける必要がなく、小壁の上端面とカウンターの間に隙間が形成されず、見栄えが良く、また、ごきぶり等の通り道となる隙間も形成されない。また、カウンターの取付構造が複雑なものとならない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0011】
図1乃至図4に示す本実施形態の一例のカウンターの取付構造においては、小壁2は、対面キッチンにおいてキッチンとダイニングを仕切るための壁として利用されるものである。該小壁2は床のキッチンとダイニングの境に設置された流し台やこん炉台等からなる厨房装置1のダイニング側の壁で構成される。また、小壁2に取り付けられるカウンター3により厨房装置1の天板が構成される。以下、厨房装置1のダイニング側を前側、キッチン側を後側として説明する。なお、図1、図4、及び後述の図5及び図6においては、厨房装置1の収納部の図示を部分的に省略している。
【0012】
図2に示すように、厨房装置1は、フロアーキャビネットとして利用されるものであり、収納部を構成する箱体4と、箱体4上に設けられたカウンター3とで構成され、小壁2は箱体4の前側に位置する前壁により構成されている。
【0013】
図1に示すように、カウンター3は上面を有する表面材5を裏打ち材6で裏打ち補強して形成されたものである。該カウンター3は小壁2の長手方向の全長に亘って設けられており、また、カウンター3の前端部は全長に亘って小壁2の前面よりも前方に突出した張り出し部10となっている。張り出し部10の前端面は表面材5の前縁から垂下した垂下片部7により構成され、該垂下片部7により裏打ち材6の前側が覆われている。
【0014】
カウンター3は左右に長い板状の桟木8を介して小壁2の上端に取り付けられる。図3に示すように、桟木8はその長さを小壁2の左右幅と同じ寸法としてあり、小壁2の上端面の長手方向に亘って取り付けられる。
【0015】
カウンター3を小壁2に取り付けるには、まず、図4に示すように、小壁2の上端面に長手方向の全長に亘って桟木8の後端部を載置し、該桟木8の後端部を上方から複数の螺子9により小壁2の上端部に螺子止めする。この螺子9による取り付けは、桟木8の長手方向の複数箇所の後部の前後2箇所において行われる。このように取り付けられた板状の桟木8は小壁2の前面よりも前方に突出する。
【0016】
続いて、図1に示すように、前記小壁2上に水平に取り付けられた桟木8にカウンター3の前部を載置すると共に、桟木8の前端面を表面材5の垂下片部7の後面に当接して垂下片部7により覆う。
【0017】
そして、この状態で、桟木8の小壁2よりも前方に突出した部分8aを下方から複数の螺子11によりカウンター3の小壁2よりも前方に突出した部分(張り出し部10)における裏打ち材6に螺子止めする。この螺子11による取り付けは、桟木8の長手方向の複数箇所の前部の前後2箇所において行われる。このように取り付けられたカウンター3の前端部は小壁2よりも前方に突出し、張り出し部10となる。
【0018】
以上説明したように、本例のカウンターの取付構造では、左右に長い桟木8を小壁2の上端面に長手方向に亘って取り付け、この桟木8の小壁2よりも前方に突出させた突出部分8aにカウンター3を取り付けることで、小壁2にカウンター3を取り付けることができる。
【0019】
ここで、本例のカウンターの取付構造にあっては、図7のように小壁2の前面にL型金具20を設ける必要がなく、また、桟木8は小壁2の上端面の長手方向に亘り、小壁2の上端面とカウンター3の裏打ち材6の間に隙間が形成されないため、見栄えが良く、また、ごきぶり等の通り道となる隙間も形成されない。また、図8のようにカウンター3にL型金具20を埋め込むための凹所21を形成する必要もなく、取付構造が複雑にならない。また、桟木8はカウンター3の補強材としての役割も果たし、張り出し部10を補強することができる。
【0020】
次に図5及び図6に基づいて他例のカウンターの取り付け構造について説明する。なお以下の説明では一例のカウンターの取り付け構造と同一の構成については同一の番号を付与し、重複する説明は省略する。
【0021】
図5に示す本例のカウンターの取付構造は、カウンター3の張り出し部10の下面、詳しくは、張り出し部10における裏打ち材6の下面に桟木8と同じ長さの板状の裏桟木13を取り付けてある。該裏桟木13は裏打ち材6に接着や螺子止め等により取り付けられる。また、裏桟木13の前端面は垂下片部7により覆われている。
【0022】
桟木8の小壁2よりも前方に突出した部分8aの下面には、取付金具14が桟木8の長手方向に複数取り付けられている。各取付金具14は桟木8の突出部分8aの下面に沿い、下方より螺子11にて取り付けられる取付片部16と、取付片部16の前端を下方に折り曲げてなる連結片部18と、連結片部18の下端から前方に突出する支持片部17とで構成されており、支持片部17は先端側に行くに程上方に位置するよう湾曲している。
【0023】
カウンター3を小壁2に取り付けるには、一例と同様にまず図6に示すように小壁2の上端面に長手方向の全長に亘って桟木8の後端部を載置し、該桟木8の後端部を上方から複数の螺子9により小壁2の上端部に螺子止めする。
【0024】
続いて、図5に示すように、前記桟木8上に、裏桟木13を取り付けたカウンター3、詳しくは裏打ち材6における裏桟木13の後方部分を載置すると共に、桟木8の前端面を裏桟木13の後端面に当接する。
【0025】
そして、この状態で、桟木8の突出部分8aを下方から複数の螺子11によりカウンター3の小壁2よりも前方に突出した部分(張り出し部10)における裏打ち材6に螺子止めする。この螺子11による取り付けは、桟木8の長手方向の複数箇所において行われる。
【0026】
また、前記螺子11を用いて取付金具14の取付片部16を支持片部17が桟木8よりも前方に突出するように突出部分8aの下面に取り付け、各取付金具14の支持片部17の先端を裏桟木13の下面に当接してカウンター3を支持する。
【0027】
なお、図5では裏桟木13を桟木8よりも厚いものとしたが、裏桟木13及び桟木8の厚みは同じであっても良いし、裏桟木13が桟木8よりも薄いものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態の一例のカウンター取付構造を示す断面図である。
【図2】同様の厨房装置の斜視図である。
【図3】同上の小壁上に桟木を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図4】同上の桟木にカウンターを取り付ける前の状態を示す断面図である。
【図5】他例のカウンター取付構造を示す断面図である。
【図6】同上の桟木にカウンターを取り付ける前の状態を示す断面図である。
【図7】従来例のカウンターの取付構造を示す断面図である。
【図8】他の従来例のカウンターの取付構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0029】
2 小壁
3 カウンター
8 桟木
8a 突出部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対面キッチンにおけるカウンターを小壁の上端に小壁よりも前方に突出させた状態で取り付ける取付構造において、左右に長い桟木を小壁の上端面に長手方向に亘って取り付けると共に、該桟木の前部を小壁よりも前方に突出させ、該桟木の突出部分をカウンターに取り付けることを特徴とするカウンターの取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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