説明

カットシート貼り付け装置

【課題】標準的な、あるいは既設の連続用紙の丁合装置を用いて貼り付け台紙用の連続用紙の所定間隔ごとにカットシートを貼り付ける機能を簡易的に設けることができるようにする。
【解決手段】連続用紙を給紙する給紙機を搬送ラインに沿って複数設け、各給紙機から給紙される連続用紙を搬送ライン上にてピン送り方式にて丁合するようにした連続用紙の丁合装置の給紙機の間のあきスペースに、上流側の給紙機2aより給紙される貼り付け台紙となる連続用紙6a′に所定間隔ごとに糊塗布して搬送ラインへピン送り方式にて給紙する糊塗布ユニット22と、下流側の給紙機2eより給紙されるカットシートとなる連続用紙6e′を所定の長さにカットし、このカットシートを上記糊塗布ユニットより給紙される連続用紙の所定間隔位置に貼り付けるカットシート貼り付けユニット21とを設けた構成になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピン送りにて搬送される連続用紙に対して、これを所定間隔ごとに剥離可能なカットシート(部分シール)を貼り付けるようにしたカットシート貼り付け装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
連続した印刷済みの連続用紙に対して、これの各印刷絵柄ごとにカットシートあるいは印刷済みの連続用紙を、それぞれの印刷位置を合わせながら選択的に貼り合わせるようにした貼り合わせ装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−131369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら従来のカットシート貼り付け装置にあっては、貼り合わせ用の専用機としてのものであり、専用機の装置として設置する場合には、その装置1台分の設備費が発生してしまうという問題があり、また印刷ユニットが搭載された輪転印刷機の中に貼り合わせ装置を搭載する場合においては、印刷作業と同時進行して貼り合わせも行わなければならず、作業面での効率が低下するという問題もある。
【0005】
本発明は上記のことに鑑みなされたもので、専用機としてではなく、従来より組伝票類の生産工程において使用されている標準的なピン送り方式の丁合機に組み付けて、上記丁合機に搬送される連続用紙にカットシートを貼り合わせることができ、また既設の丁合機にも簡易的に設置可能にしたカットシート貼り付け装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るカットシート貼り付け装置は、連続用紙を給紙する給紙機を搬送ラインに沿って複数設け、各給紙機から給紙される連続用紙を搬送ライン上にてピン送り方式にて丁合するようにした連続用紙の丁合装置の給紙機の間のあきスペースに、上流側の給紙機より給紙される貼り付け台紙となる連続用紙に所定間隔ごとに糊塗布して搬送ラインへピン送り方式にて給紙する糊塗布ユニットと、下流側の給紙機より給紙されるカットシートとなる連続用紙を所定の長さにカットし、このカットシートを上記糊塗布ユニットより給紙される連続用紙の所定間隔位置に貼り付けるカットシート貼り付けユニットとを設けた構成になっている。
【0007】
そしてカットシート貼り付け装置における糊塗布ユニットが、連続用紙の所定間隔位置に糊塗布する糊塗布部と、糊塗布された連続用紙を搬送ラインへ合流させるピン車と、糊塗布部に所定のテンションを発生させた状態で連続用紙を給紙するテンション調整装置とからなる構成になっている。そして上記糊塗布ユニットのテンション制御装置が、回転制御可能にした単独モータにて回転される送り制御ロールと、この送り制御ロールから送り出される連続用紙にテンションを与えるテンションロールと、このテンションロールと糊塗布部の間に位置して連続用紙に増減可能にした搬送抵抗を与えるテンション調整制動装置とからなる構成になっている。
【0008】
また上記カットシート貼り付け装置におけるカットシート貼り付けユニットが、上記糊塗布ユニットを経て給紙される連続用紙の搬送速度にタイミングを合わせて所定長さ分ずつ給紙機より連続用紙を繰り出す繰り出し制御ロールと、この繰り出し制御ロールから繰り出される連続用紙の上記所定長さ分ずつカットして、上記糊塗布ユニット側から搬送ラインに給紙される連続用紙の糊塗布面にタイミングを合わせて圧着するカット装置とからなる構成になっている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、専用機としてのカットシート貼り合わせ装置ではなく、従来より組伝票類の生産工程に使用されている標準的な連続用紙の丁合装置を用いて、連続用紙に繰り返し印刷されている各絵柄をカットシートにて部分的にシールする部分シール製品の生産が可能となり、また既設の連続用紙の丁合装置にもユニット増設により簡易的に設置が可能となり、連続用紙の丁合装置としての生産可能な製品品目を増やすことができ、設備機の付加価値を高め、トータル的な生産効率の向上を図ることができる。
【0010】
近年、製品の多品種少量化の傾向と共に、部分シール製品の需要が拡大する傾向にあり、標準的な連続用紙の丁合装置に簡易な構成でユニット増設を行うことで新製品の生産機能が取り込めるため、設備費の面での経済的効果にも大きなものがある。
【0011】
カットシート貼り付け装置における糊塗布ユニットが糊塗布部に所定のテンションを発生させた状態で連続用紙を給紙するテンション調整装置を有することにより、糊塗布ユニットにての連続用紙への糊塗布を精度よく行うことができる。
【0012】
さらに上記テンション調整装置は、連続用紙に増減可能な搬送抵抗を与えるテンション調整制動装置を備えていることにより、搬送される連続用紙への制動力を増減調整して、ピン送りのための張力限界内で、かつ糊塗布ユニットでの安定したパターン糊塗布のための必要テンション(張力)を発生することができる。
【0013】
また、カットシート貼り付け装置におけるカットシート貼り付けユニットにあっては、給紙機からの連続用紙をカットシートとして所定の長さにカットして、搬送ライン上に搬送される貼り付け台紙となる連続用紙の所定の位置にスムーズに貼り付けていくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明にて用いようとする連続用紙の丁合装置を示す正面図である。
【図2】ピン送り用制御部を示す構成説明図である。
【図3】本発明に係る発明を適用した連続用紙の丁合装置を示す正面図である。
【図4】本発明を示す構成説明図である。
【図5】カットシート貼り付けユニットを示す構成説明図である。
【図6】糊塗布ユニットのテンション制御装置を示す構成説明図である。
【図7】隠蔽シール付き製品を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は複数の連続用紙を丁合するようになっていて、本発明に用いようとする丁合装置Aの全体を概略的に示す正面図である。この丁合装置Aは、これの搬送ライン1に沿って複数、例えば7台の給紙機2a,2b,2c,2d,2e,2f,2gを設けた構成になっている。そして上流側の4台の給紙機2a〜2dと下流側の3台の給紙機2e〜2gの間があきスペースとなっていて、この部分には、例えばスリッタ装置3aと抜き加工装置3bを有する第1の加工部3が設けられている。また、上記3台の下流側の給紙機2e〜2gの下流側には、例えば横ミシン加工装置4aとシートカット装置4bを有する第2の加工部4と、さらにこれの下流側に製品排出コンベア5とが配置されている。
【0017】
上記各給紙機2a〜2gはピン送り方式になっていて、それぞれには幅方向両端に送り孔を有する連続用紙6a,6b,6c,6d,6e,6f,6gがロール状で支持されるようになっており、各連続用紙6a〜6gは各給紙機2a〜2gが設けられたピン送り用制御部7にてそれぞれタイミングが取られて搬送ライン1へ繰り出し給紙され、搬送ライン1に設けられたピントラクタ8にて丁合された状態で搬送される。
【0018】
図2は上記ピン送り用制御部7の一例を示すもので、これは給紙方向上流側から順に配置されるダンサロール装置9と送り制御装置10と糊塗布装置11とからなっている。
【0019】
ダンサロール装置9は、上下方向に移動することによってロール紙から供給される連続用紙6bの搬送経路の長さを調整するダンサロール12を有している。
【0020】
送り制御装置10は、送り制御ロール13とテンションロール14とを有している。
【0021】
また糊塗布装置11は、積層する連続用紙6bの裏側面の所定の位置に線糊、または点糊を施す糊塗布ノズル15を有している。なお、この糊塗布装置11は、上記したように積層する連続用紙の裏側面に糊を塗布するものであることにより、最上流側に位置する第1のピン送り方式の給紙機2aのピン送り用制御部7には、この糊塗布装置11は設ける必要はない。
【0022】
この第2のピン送り方式の給紙機2bのピン送り用制御部7では、これの下流側に配置されるピントラクタ8にて連続用紙6bが搬送ライン1にて搬送されると、送り制御装置10のテンションロール14が移動することによりこれが検出され、その検出結果が電気信号に変換されて送り制御ロール13を駆動する単独モータの制御装置に送られ、上記テンションロール14を図2に示される所定角度位置に保持するように送り制御ロール13の送り回転が制御される。
【0023】
送り制御ロール13にて連続用紙6bが給紙されると、この給紙量がダンサロール12の昇降動作に変換され、この昇降動作により連続用紙6bのロール支持部の巻き出し軸のブレーキ力が増減される。また、ダンサロール12には図示しないベロフラムシリンダ等を用いて、常時経路長が長くなる方向へ一定のストロークで一定の力を作用させており、その力により上記巻き出し軸のブレーキが弱まると連続用紙6bが繰り出され、また連続用紙6bが出過ぎてダンサロール12による経路長が長くなりすぎると上記ブレーキ力が強くなって、連続用紙6bの繰り出しを制止するように作用され、一定張力を保持しながら連続用紙6bが繰り出される。
【0024】
上記のように供給された連続用紙6bは、これの裏側面に糊塗布装置11の糊塗布ノズル15にて糊が塗布されてからピントラクタ8へ送られ、ここで上流側の連続用紙6aと絵柄位置が合わされて丁合される。
【0025】
また、この場合のピントラクタ8の入口部での連続用紙6bの張力は、テンションロール14により送り孔がピントラクタのピンにより破られない程度の軽い張力となる。また、ピントラクタ8を通過した連続用紙6bは弛んだ状態で搬送され張力がない状態となる。
【0026】
上記作用は、各ピン送り方式の給紙機2a〜2gのピン送り用制御部7は同様の作用が行われ、搬送ライン1の各ピントラクタ8、各ピン送り用制御部7の送り制御ロール13の同期作動により各ピン送り方式の給紙機2a〜2gから供給された各連続用紙6a〜6gは、丁合されて搬送ライン1に搬送される。
【0027】
本発明は上記した丁合装置Aにカットシート貼り付け装置を組み合わせたものであり、その実施の形態を図3以下に説明する。なお、この説明において図1、図2にて示した構成と同一構成のものは同一符号を付して説明を省略する。
【0028】
図3において20はカットシート貼り付け装置であり、これはカットシート貼り付けユニット21と糊塗布ユニット22とからなっていて、上記カットシート貼り付けユニット21は、丁合装置Aの第1の加工部3のあきスペースに、この第1の加工部3の下流側に隣接する第5の給紙機2eに近づけて設置されており、糊塗布ユニット22はこれの下方で搬送ライン1の下側に設置されている。そして上記給紙機2eにカットして用いるカットシート用連続用紙6e′が給紙可能に支持されており、また上記カットシート貼り付けユニット21にてカットされたカットシートを貼り付ける貼り付け台紙用の連続用紙6a′が丁合装置Aの最上流側に位置する第1の給紙機2aに支持されている。
【0029】
図4は上記カットシート貼り付け装置20を拡大して示す構成説明図、図5はカットシート貼り付けユニット21を示す構成説明図、図6は糊塗布ユニット22の要部の構成説明図である。
【0030】
図4においてカットシート貼り付けユニット21は、給紙機2eから連続用紙6e′を繰り出す繰り出し制御ロール23と、この繰り出された連続用紙6e′にあらかじめ印刷してあるタイミングマークを読み取るマークセンサ24と、このマークセンサ24の読み取り信号により制御されて、所定の長さにカットして搬送ライン1上に搬送されてくる貼り付け台紙用の連続用紙上に、このカットシートを重ねるカット装置25とからなっている。
【0031】
上記カット装置25は図5に示すようになっていて、26はこれの周面が搬送ライン1の搬送方向と同一方向で、かつ同一周速度となるように回転する受胴、27はこの受胴26に対向させて設けられたカット胴である。
【0032】
上記受胴26の周壁には、これの全周にわたって周壁を貫通する多数の吸引孔(図示せず)が設けてある。そしてこの受胴26の周壁の内側には、この受胴26の搬送ライン1との対接位置から回転方向上流側へ約180度にわたる範囲において、上記受胴26の周壁の内面に対して負圧による吸引力を作用させるための吸引室28が設けてあり、回転する受胴26の周面で、上記吸引室28に対向する領域において吸着力が作用するようになっている。そして上記カット胴27は、上記吸引室28の最上部に対向する位置に設けてある。
【0033】
カット胴27の円周方向の例えば2等分位置の2個所に上記受胴26の周面に当接することにより、この受胴26の周面に巻き掛けられた連続用紙6e′をカットするカット刃29が設けてある。
【0034】
カット胴27は、単独モータにより上記受胴26の周面に対して順方向に回転制御されて駆動されるようになっており、上記カットシート貼り付けユニット21の繰り出し制御ロール23により連続用紙6e′がタイミングマークの間隔によって決められる所定長さにわたって繰り出されるごとに、この連続用紙6e′を所定長さずつカットするようになっている。
【0035】
上記カット胴27によるカット作動位置の上流側に連続用紙紙6e′を受胴26の周面に押さえる押さえコロ30が設けてある。また、受胴26の搬送ライン1を介して対向する位置(貼り付け位置)に圧胴31が接離動作可能に設けてある。そして少なくとも受胴26に接触するときにこの圧胴31は、搬送ライン1の搬送速度と同周速で回転するようになっている。
【0036】
一方、図4においてカットシート貼り付け装置20の糊塗布ユニット22は、丁合装置Aの上流側から給紙される貼り付け台紙用の連続用紙6a′の所定の位置に繰り返しパターン状に剥離可能の糊を塗布する糊塗布部32と、糊塗布された連続用紙6a′を搬送ライン1へ合流させるピン車33と、上記糊塗布部32の上流側に設けたテンション制御装置34とからなっている。そしてこの糊塗布部32とピン車33は、搬送ライン1のピントラクタ8を駆動する本機の主モータにより上記ピントラクタ8と同速回転するようになっている。
【0037】
上記糊塗布ユニット22の糊塗布部32は、糊版胴35と糊受胴36と糊舟37と、この中の糊に一部浸漬して、この糊を糊版胴35に供給する糊供給ロール38とからなっていて、糊版胴35と糊受胴36の間を通る連続用紙6a′に所定のパターン形状の糊を所定の間隔ごとに繰り返し塗布するようになっている。そしてこの糊塗布部32による走行速度は上記したように、搬送ライン1のピントラクタ8の走行速度と同速になっている。
【0038】
糊塗布ユニット22のテンション制御装置34は図6に示すようになっていて、送り制御ロール39とテンション調整制動装置40と、これらの間に配置したテンションロール41とからなっている。そして上記送り制御ロール39は、回転制御可能にした単独モータにて駆動されるようになっている。送り制御ロール39にニップコロ39aが転接されている。
【0039】
テンション調整制動装置40は、1本の自由回転する細径ロール42と1本の回転しない固定ロール43と、この両ロール42,43の両端を支持するブラケット44とからなっている。そして連続用紙6a′は両ロール42,43をS字状に巻き掛けられていて、この両ロール42,43に沿って走行する連続用紙6a′は、固定ロール43との摺接摩擦にて制動がかけられるようになっている。
【0040】
上記ブラケット44は固定ロール43を中心に回動可能に支持されていて、このブラケット44が回動することによって上記連続用紙6a′の固定ロール43に対する巻き掛け角が増減されて、上記制動力が制御されるようになっている。なおこのブラケット44は、適正位置に回動後の所定位置で図示しない固定クランプ機構にて固定されるようになっている。また両ロール42,43の両端を支持するブラケット44は、連結固定軸45にて結合されて捩れないようになっている。
【0041】
図7は本発明装置にて製作する隠蔽シール付き製品Bを示すもので、これは所定の絵柄46が所定間隔で印刷されている貼り付け台紙となる連続用紙6a′の上記各絵柄46の一部をカットシート47で隠蔽したもので、これは各枚葉にカットする前のものである。
【0042】
以下に上記隠蔽シール付き製品Bの作成作業を説明する。
【0043】
貼り付け台紙となる連続用紙6a′を丁合装置Aの上流側の給紙機2aに支持して、これをカットシート貼り付け装置20の糊塗布ユニット22に紙通し、ピン車33を経由して搬送ライン1に紙通しする。このときの連続用紙6a′はピントラクタ8及びピン車33にて送られる。
【0044】
一方、カットシート47となる連続用紙6e′をカットシート貼り付け装置20のすぐ下流側の給紙機2eに支持して、これをカットシート貼り付けユニット21の繰り出し制御ロール23、マークセンサ24、カット装置25に紙通しする。
【0045】
この状態で丁合装置Aを駆動することにより上記糊塗布ユニット22では、貼り付け台紙となる連続用紙6a′は糊塗布ユニット22の糊塗布部32にて、この連続用紙6a′の各絵柄46の所定の位置に、所定の模様に糊塗布されてからピン車33を経てピントラクタ8にて一定の速度で搬送ライン1へ送られる。
【0046】
連続用紙6a′が送られると、この連続用紙6a′の搬送はテンションロール41が作動することにより検知され、その検知結果が電気信号に変換されて送り制御ロール39を駆動する単独モータの制御装置に送られ、送り制御ロール39はテンションロール41が所定の角度位置の保持されるようにした送り速度で回転制御される。送り制御ロール39での送り作用は、送り制御ロール39に転接しているニップコロ39aの押し付けによってすべることなく行われる。
【0047】
連続用紙6a′がこのように搬送されると、糊塗布部32の上流側ではテンション調整制動装置40が作動して、上記テンションロール41により発生する軽微な張力がテンション調整制動装置40にて増幅調整される。そしてこのときの制動力は、固定ロール43への巻き掛け角を変化することで増減調整されて、ピン送りのための張力限界内で、かつ糊塗布部32での安定したパターン糊塗布のための必要な張力を発生することができる。このときの連続用紙6a′の制動は、テンション調整制動装置40のブラケット44を回動して、固定ロール43に対する連続用紙6a′の巻き掛け角を変えることによって調整される。
【0048】
なお、上記糊塗布部32での制動作用を行うテンション調整制動装置40は、上記した構成によることなく固定ロール43を回転ローラに替え、この回転軸に電気的、または流体圧制御などでその制動力の調整が可能なブレーキユニットを設け、このブレーキユニットにて上記連続用紙の張力を調整するようにしてもよい。
【0049】
これにより、糊塗布部32の糊版胴35の表面に付着した糊を連続用紙6a′の塗布位置に精度よく塗布することができる。また、テンションロール41と協動して連続用紙6a′に対して糊受胴36側への付勢力が適正に維持できる。さらに糊塗布時において、糊塗布部にその糊塗布版面が連続用紙6a′よりの剥離力で版面側に引き寄せられて連続用紙6a′が不安定になることがあるが、上記テンション制動装置40の作用によりこの不安定現象を回避することができ、これは生産速度が高速になるほどその効果が顕著になる。
【0050】
一方、この丁合装置Aの駆動状態での上記カットシート貼り付けユニット21では、給紙機2eに支持されたカットシートとなる連続用紙6e′は繰り出し制御ロール23にて、上記糊塗布ユニット22にて搬送給紙される貼り付け台紙となる連続用紙6a′に印刷されている絵柄46の1面分が搬送されるごとに、連続用紙6e′に印刷されているタイミングマーク48をマークセンサ24にて検出しながら所定の長さ、例えば上記絵柄46の1/2の長さにわたって繰り出される。
【0051】
この連続用紙6e′は、カット装置25の搬送ライン1の搬送速度と同速の周速で回転している受胴26に押さえコロ30に押さえられて滑り状態でも巻き掛けられ、このカット装置25に上記したように連続用紙6e′が所定長さ繰り出されると、カット胴27が回転して所定長さのカットシート47にカットされる。
【0052】
このとき受胴26の上記カット胴27に対向している位置から、搬送ライン1を介して転接している圧胴31に対向している位置にわたる外周面には負圧による吸引力が作用しているから、上記カットされたカットシート47は、受胴26の周面に吸着されて圧胴31に対向している位置まで移動し、このときに圧胴31が接触作動することにより、連続用紙6a′の所定位置に貼り付けられる。
【0053】
上記繰り出し制御ロール23による連続用紙6e′の送り速度は、受胴26の周速度に対してカットシート47の貼り付け間隔だけ遅いため、カット胴27にてカットされる前の連続用紙6e′は、押さえコロ30にて押さえられた状態で受胴26の周面に対してスリップしながらカット位置まで送り出される。
【0054】
なお上記カットシート貼り付けユニット21において、繰り出し制御ロール23及びカット胴27の回転をタイミングマークを検出するマークセンサ24の検出信号に同期して作動するようにした例を示したが、これらの作動をマークセンサによる検出信号によることなく、繰り出し制御ロール23とカット胴27の作動を搬送ライン1による搬送速度に同期して制御するようにしてもよく、この場合は連続用紙6e′のタイミングマーク48は不用になる。
【符号の説明】
【0055】
1…搬送ライン、2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g…給紙機、3,4…加工部、3a…スリッタ装置、3b…抜き加工装置、4a…横ミシン加工装置、4b…シートカット装置、5…製品排出コンベア、6a,6b、6c,6d,6e,6g,6a′,6e′…連続用紙、7…ピン送り用制御部、8…ピントラクタ、9,12…ダンサロール装置、10…送り制御装置、11…糊塗布装置、13…送り制御ロール、14…テンションロール、15…糊塗布ノズル
20…カットシート貼り付け装置、21…カットシート貼り付けユニット、22…糊塗布ユニット、23…繰り出し制御ロール、24…マークセンサ、25…カット装置、26…受胴、27…カット胴、28…吸引室、29…カット刃、30…押さえコロ、31…圧胴、32…糊塗布部、33…ピン車、34…テンション制御装置、35…糊版胴、36…糊受胴、37…糊舟、38…糊供給ロール、39…送り制御ロール、39a…ニップコロ、40…テンション調整制動装置、41…テンションロール、42…細径ロール、43…固定ロール、44…ブラケット、45…連結固定軸、46…絵柄、47…カットシート、48…タイミングマーク、
A…連続用紙の丁合装置、B…隠蔽シール付き製品。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続用紙を給紙する給紙機を搬送ラインに沿って複数設け、各給紙機から給紙される連続用紙を搬送ライン上にてピン送り方式にて丁合するようにした連続用紙の丁合装置の給紙機の間のあきスペースに、
上流側の給紙機より給紙される貼り付け台紙となる連続用紙に所定間隔ごとに糊塗布して搬送ラインへピン送り方式にて給紙する糊塗布ユニットと、
下流側の給紙機より給紙されるカットシートとなる連続用紙を所定の長さにカットし、このカットシートを上記糊塗布ユニットより給紙される連続用紙の所定間隔位置に貼り付けるカットシート貼り付けユニットとを設けた
ことを特徴とするカットシート貼り付け装置。
【請求項2】
糊塗布ユニットが、
連続用紙の所定間隔位置に糊塗布する糊塗布部と、糊塗布された連続用紙を搬送ラインへ合流させるピン車と、糊塗布部に所定のテンションを発生させた状態で連続用紙を給紙するテンション調整装置とからなることを特徴とする請求項1記載のカットシート貼り付け装置。
【請求項3】
糊塗布ユニットのテンション制御装置が、
回転制御可能にした単独モータにて回転される送り制御ロールと、この送り制御ロールから送り出される連続用紙にテンションを与えるテンションロールと、このテンションロールと糊塗布部の間に位置して連続用紙に増減可能にした搬送抵抗を与えるテンション調整制動装置とからなる
ことを特徴とする請求項2記載のカットシート貼り付け装置。
【請求項4】
カットシート貼り付けユニットが、
上記糊塗布ユニットを経て給紙される連続用紙の搬送速度にタイミングを合わせて所定長さ分ずつ給紙機より連続用紙を繰り出す繰り出し制御ロールと、この繰り出し制御ロールから繰り出される連続用紙の上記所定長さ分ずつカットして、上記糊塗布ユニット側から搬送ラインに給紙される連続用紙の糊塗布面にタイミングを合わせて圧着するカット装置とからなることを特徴とする請求項1記載のカットシート貼り付け装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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