説明

カップ部を有する衣類

【課題】着用状態において、バック部のテンションによるカップ部の変形を抑制することができる、カップ部を有する衣類を提供する。
【解決手段】カップ部を有する衣類10は、一対のカップ部14,14、一対のカップ部14,14の下側を支持する支持部26、を少なくとも有する本体部16と、本体部16の脇側部分に連結されたバック部30とを備える。バック部30は、本体部16との間に表側から肌側に連通する筒状部33が形成されるように、バック部30の上縁部30bと下縁部30cとが本体部16に連結されている。この衣類10によれば、上記筒状部が形成されるようにバック部が本体部に連結されているので、バック部のテンションがカップ部に伝わり難くなっている。その結果、着用状態において、バック部にテンションが生じても、そのテンションによるカップ部の変形を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カップ部を有する衣類に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カップ部を有する衣類の一例としてはブラジャーがある。このようなカップ部を有する衣類では、カップ部によりバストの造形や保護を行っている。また、例えば特許文献1に記載の衣類では、脇の切り替え位置から左右のカップ部側に張出した生地の裏側に調節できるストラップを縫い付けることで、乳房間の谷間を造形するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3139214号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、通常、カップ部を有する衣類において、一対のカップ部は、土台布で下側から連結され、土台布の脇側縁部に、伸縮性を有するバック布が縫着されている。着用時においてバック布は、着用者の体の回りにまわされ、着用者にフィットするようになっている。そのため、バック布は着用時に伸びることになる。その結果、カップ部は、土台布を介して、バック布で脇側に引っ張られる。カップ部がバック布で引っ張られると、立体的なカップ部の形状が上下方向に潰れ、横長のバストシルエットになってしまうという問題があった。
【0005】
発明者らは、上記課題の解決のために鋭意研究を重ね、バック布の上縁部および下縁部の間の中間領域をブラジャー本体に連結しないように取り付けることが、バック布のテンションによるカップ部の変形を抑制する上で効果的であるという知見を得た。
【0006】
本発明は、上記知見に鑑みてなされたものであり、着用状態において、バック部のテンションによるカップ部の変形を抑制することができる、カップ部を有する衣類を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るカップ部を有する衣類は、本体部と、バック部と、を備えている。本体部は、一対のカップ部と、一対のカップ部の下側を支持する支持部、を少なくとも有している。バック部は、本体部の脇側部分に連結されている。バック部は、本体部との間に表側から肌側に連通する筒状部が形成されるように、バック部の上縁部と下縁部とが本体部に連結されている。
【0008】
この構成では、バック部を上縁部から下縁部にかけて完全に連結するよりもバック部が伸びやすい。このため、着用状態において、バック部がカップ部を引っ張る力を低減することができる。また、上記筒状部が形成されるようにバック部が本体部に連結されているので、バック部のテンションがカップ部に伝わり難くなっている。その結果、着用状態において、バック部にテンションが生じても、そのテンションによるカップ部の変形を抑制することができる。
【0009】
なお、バック部の下縁部は、本体部の下縁部に接続されていることが好ましい。この構成では、バック部のテンションは、バック部の下縁部を介して本体部の下縁部に伝達される。これにより、バック部のテンションは、カップ部の下側に設けられている支持部へスムーズに伝達され、バック部のテンションがカップ部に伝わり難い。
【0010】
なお、バック部の上縁部は、本体部の脇側上縁部に接続されていることが好ましい。この構成では、バック部のテンションは、バック部の上縁部を介して本体部の脇側上縁部へスムーズに伝達される。このように本体部の縁部分にだけ、バック部のテンションが伝達されるようにすることで、バック部のテンションによってカップ部の立体的形状が変形するのを抑制している。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、着用状態におけるカップ部の変形を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係るカップ部を有する衣類の一実施形態のブラジャーの概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示したブラジャーを展開した場合の正面図である。
【図3】図1に示したブラジャーを展開した場合の背面図である。
【図4】バック布部の取付け状態を説明するための図面である。
【図5】サイドボーン周辺の断面構成を模式的に説明する分解図である。
【図6】図1に示したブラジャーの着用状態を示す図面である。
【図7】図6において脇サポート部材を取り除いた状態を示す図面である。
【図8】図2に示した脇サポート部材の取り付け状態の他の例を示す図面である。
【図9】図2に示した脇サポート部材の取り付け状態の更に他の例を示す図面である。
【図10】図2に示した脇サポート部材の取り付け状態の更に他の例を示す図面である。
【図11】本発明に係るカップ部を有する衣類の他の実施形態のブラジャーを展開した場合の概略構成を示す正面図である。
【図12】図11に示したブラジャーの背面図である。
【図13】本発明に係るカップ部を有する衣類の更に他の実施形態のブラジャーを展開した場合の概略構成を示す斜視図である。
【図14】本発明に係るカップ部を有する衣類の更に他の実施形態のブラジャーを展開した場合の概略構成を示す斜視図である。
【図15】図14に示したブラジャーの変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。本明細書において、上下、左右及び前後の方向は、カップ部を有する衣類の着用者から見た方向である。以下の説明では、カップ部を有する衣類はブラジャーであるとして説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るブラジャーの概略構成を示す斜視図である。図1では、ブラジャーのバック布を係止した状態を示している。本実施形態で説明するブラジャーは、いわゆるノンワイヤー型のブラジャーである。図2は、図1に示したブラジャーを展開した場合の正面図を示している。図3は、図1に示したブラジャーを展開した場合の背面図を示している。図1〜図3では、説明のために、ブラジャーの構成要素である後述する脇サポート部材にはハッチングを付しており、図2では、一方の脇サポート部材の一部を切り欠いた状態を示している。
【0015】
図1〜図3に示すように、ブラジャー10は、左右一対のカップ部14,14を含む本体部16を有する。カップ部14は、着用者の乳房(バスト)を収容するものであり、椀状に膨出した形状を呈している。左右一対のカップ部14,14の構成は前中心Cに対してほぼ対称である。以下では、特に断らない限り、本体部16の構成を一方のカップ部14を中心にして説明する。
【0016】
カップ部14の上部には、肩紐(肩紐部)18の一端が取り付けられる。カップ部14の外縁部15のうちカップ部14の脇側端部14aと、肩紐18の一端が取り付けられている肩紐取付け部20の間の領域である脇側上縁部15aの肌側には、伸縮性の上縁テープ22Aが縫着されており、上縁テープ22Aは、着用時に着用者の体周りに沿って背中側にまわせるように、脇側端部14aからカップ部14の外側に延在している。また、カップ部14の外縁部15のうちカップ部14の脇側端部14aから下側の領域でバージスラインに対応した領域の肌側には、テープ24(図3参照)が縫着されている。
【0017】
カップ部14の下部には、非伸縮性の土台布(支持部)26が縫着されている。土台布26は、一対のカップ部14,14を下側で支持すると共に、一対のカップ部14,14を連結する。
【0018】
土台布26の下縁部26aの肌側には、伸縮性の下縁テープ22Bが縫着されている。下縁テープ22Bは、ブラジャー10の下縁を形成する。土台布26は、カップ部14の脇側側方まで拡がっており、土台布26は、上縁テープ22Aと下縁テープ22Bとの間に着用者の脇下を押圧する脇押圧領域26bを有する。脇押圧領域26bの肌側には、カップ部14の外縁部15のうち肩紐取付け部20の下方の位置と脇側端部14aとの間の脇側下縁部15bと、下縁テープ22Bとの間にわたりカップ部14を支持する支持部材として支持ボーン28(図3参照)を縫着することが好ましい。支持ボーン28は、伸縮性の芯材をテープ材で筒状に被覆して形成したものとすることができるし、或いは、上記芯材を布材で被覆して形成したものとすることもできる。
【0019】
上述した一対のカップ部14,14及び土台布26は、ブラジャー10の本体部16に含まれる。また、一対の上縁テープ22A,22A及び下縁テープ22Bのうちカップ部14及び土台布26に連結されている部分も本体部16に含まれる。
【0020】
ブラジャー10は、一対のカップ部14,14の各々の脇側に位置しており伸縮性を有する左右一対のバック布(バック部)30,30と、一対のカップ部14,14の各々の脇側端部14a側の領域の表面を覆う一対の脇サポート部材(図1〜図3のハッチングで示した領域)34,34と、を更に有する。
【0021】
一対のバック布(バック部)30,30の背中側(カップ部14と反対側)の端部には、着用時に一対のバック布30,30を係止めするために、ホック32Aとホック受け32Bとが設けられている。また、バック布30のカップ部14側の側縁部30aの肌側には、サイドボーン36が縫着されている。サイドボーン36は、支持ボーン28と同様の構成とすることができる。サイドボーン36は、必ずしも設けなくてもよいが、サイドボーン36を設けることで、着用時にバック布30の上下方向の撓みを抑制することが可能である。
【0022】
本実施形態では、各カップ部14に対応するバック布30を有するとして説明している。しかしながら、左右一対のバック布30をホック32A及びホック受け32Bにより係止めした場合には、対応するカップ部14側に側縁部を有する一つのバック布(バック部)を有することになる。これは、上記一対の上縁テープ22A,22Aの場合も同様である。
【0023】
バック布30の本体部16への取り付け方法について説明する。各バック布30は、その上縁部30b及び下縁部30cを上縁テープ22A及び下縁テープ22Bに縫着することによって、本体部16に取り付けられている。これにより、バック布30の上縁部30bと、カップ部14の脇側上縁部15aと、土台布26の上縁部26dとが成すラインが連続的な曲線を成すようにしている。同様に、バック布30の下縁部30cと、土台布26の下縁部26aとが成すラインも連続的なラインとなるようにしている。これにより、バック布30のテンションがスムーズに脇側上縁部15a、下縁部26aに伝達されるようにし、カップ部14の立体的な形状が変形し難くしている。
【0024】
なお、バック布30のテンションをスムーズに伝達できるのであれば、本体部の脇側上縁部(例えば、図2に例示した形態では、脇側上縁部15aと上縁部26dとからなる部分)のラインとバック部の上縁部のラインとは、多少不連続に接続されていても良いし、互いのラインが鈍角または鋭角を成すように接続されていても良い。本体部の下縁部のラインとバック部の下縁部のラインとについても同様に多少不連続に接続されていても良いし、互いのラインが鈍角または鋭角を成すように接続されていても良い。
【0025】
図4に示すように、バック布30は、土台布26の脇押圧領域26bに対して筒状に設けられることになる。換言すれば、バック布30は、本体部16に対して、表側と肌側との間に連通する筒状部33を有するように取り付けられる。
【0026】
図4は、バック布の取付け状態を説明するための図面であり、ブラジャー10の肌側から見た図面である。この場合、バック布30における上縁部30b及び下縁部30cの間(又は上縁テープ22A及び下縁テープ22Bの間)の中間領域は、本体部16、特に、カップ部14から遊離している。
【0027】
図5は、サイドボーン36周辺の断面構成を模式的に説明する分解図である。表側のバック布30並びにバック布30の表側と肌側とにそれぞれ取り付けられている脇サポート部材34及びサイドボーン36は、肌側の土台布26に上下両端をそれぞれ上縁テープ22A及び下縁テープ22Bに縫着されている。これにより、筒状部33が、バック布30(及び脇サポート部材34)と土台布26との間に形成されている。
【0028】
本実施形態では、バック布30がバック部を構成しているとしているが、上縁テープ22A及び下縁テープ22Bのうちバック布30に縫着されている部分もバック部の一部を構成していると表現することもできる。また、本実施形態では、バック布30は、バック布30の側縁部30aが土台布26の脇側縁部26cよりカップ部14側よりに設けられているとした。これにより、バック布30と土台布26の脇押圧領域26bとは重なり部分が生じている。しかしながら、バック布30の側縁部30aは、土台布26の脇側縁部26cより外側(カップ部14と離間する側)に位置し、バック布30と脇押圧領域26bとが重なっていなくても良い。
【0029】
図1〜図3に戻ってブラジャー10の構成について説明する。脇サポート部材34は、着用時に乳房の脇部を押させるための非伸縮性又は難伸縮性のシートである。図1〜図3では簡略化して示しているが、脇サポート部材34としては模様を有するレースを使用することが美観の観点から好ましい。
【0030】
図1及び図2に示すように、脇サポート部材34の前中心C側の上端部34aは肩紐取付け部20にほぼ一致しており、前中心C側の下端部34bは肩紐取付け部20の下方の位置より前中心C側(図中の領域A内)に位置する。ここで、肩紐取付け部20の下方の位置は、好ましくは、装着時に肩紐取付け部20から鉛直下方(真下)に延ばした仮想ラインがブラジャー10の下縁と交わる位置である。
【0031】
この場合、脇サポート部材34は、カップ部14の脇側上縁部15aの下側の領域、すなわち、肩紐取付け部20から脇側端部14a寄りの部分をほぼ全て覆うことになる。
【0032】
脇サポート部材34は、バック布30に脇側の側縁部34dが縫着される(図6参照)と共に、上縁部34eがカップ部14の脇側上縁部15a及び土台布26の上縁部26dに縫着され、下縁部34fがカップ部14の下縁部26aに縫着されている。
【0033】
この構成では、脇サポート部材34のうち側縁部34d、上縁部34e及び下縁部34fが縫着されているので、装着時のバック布30のテンションは、脇サポート部材34の上縁部34eを介してカップ部14の脇側上縁部15aと肩紐18とに伝達され、下縁部34fを介して土台布26に伝達される。しかしながら、側縁部34d、上縁部34e及び下縁部34f以外の領域は縫着されておらず、この非縫着領域は、カップ部14の表面から遊離している。よって、着用状態において、カップ部14において脇サポート部材34と縫着されている部分以外の部分がバック布30によって左右方向に引っ張られ難いので、カップ部14の膨出形状がバック布30のテンションによって崩れるのを防止することができる。
【0034】
なお、脇サポート部材34は、例えば、側縁部34cの一箇所で、カップ部14の表面にピン留め等により固定してもよい。この場合、洗濯などを行った際に、脇サポート部材34が捲れにくくすることができる点で、好ましい。
【0035】
上記構成のノンワイヤー型のブラジャー10を着用する場合、一対のバック布30,30は、背中側でホック32A及びホック受け32Bにより係止される。この場合、バック布30の延在方向(バック布30の面内で上下方向に略直交する方向)においてカップ部14と反対側(すなわち、背中側)に向けて引っ張りによるテンションが生じる。
【0036】
本実施形態のブラジャー10の構成では、バック布30は、本体部16に対して筒状に取り付けられており、バック布30の上下方向における中間領域は、本体部16(より具体的には、脇押圧領域26b及びカップ部14)には連結されていない。そのため、バック布30が伸びやすく、上記テンションがより小さくなる。また、側縁部34dがバック布30に縫着されている脇サポート部材34も、上記非縫着領域においてカップ部14に連結されていない。このため、バック布30に作用しているテンションは、脇押圧領域26bやカップ部14には作用しにくい。
【0037】
図6を参照して具体的に説明する。図6は、ブラジャーの着用状態を示す図面である。図6においても脇サポート部材34にはハッチングを付している。
【0038】
図7は、図6において脇サポート部材34を取り除いた状態を示す図である。図7において、一点鎖線で図示する部分αは、バック布30と土台布26とを互いに縫着していない部分である。
【0039】
前述したように、着用状態では、バック布30に矢印B1で示す向きにテンションが作用する。バック布30の上縁部30bは、土台布26の上縁部26dに接続され、下縁部30cは土台布26の下縁部26aに接続されている。その結果、バック布30の側縁部30aの上端及び下端は、バック布30に作用するテンションの反作用として矢印B2,B3の方向に引っ張られる。
【0040】
これに対して、バック布30の側縁部30aの上端と下端との間の中間領域(すなわち上記部分αに含まれる部分)は、土台布26に連結されていないため、着用状態においてカップ部14側に引っ張られない。このため、着用状態において、上記中間領域は、側縁部30aの上端と下端よりもバック布30に作用するテンションによって矢印B1方向に変位し易い。この結果、図6に示すように側縁部30aはわずかに湾曲した状態となる。なお、側縁部30aにサイドボーン36を取り付けることには、このような側縁部30aの湾曲を低減させるというメリットもある。なお、着用状態における側縁部30aの湾曲が商品の仕様の上で問題とならない場合には、サイドボーン36を設けないものとしても良い。
【0041】
なお、バック布30のテンションは、脇押圧領域26bにはほとんど伝わらないので、図6に破線で示しているように、土台布26の脇側縁部26cは側縁部30aよりも直線状を呈することになる。
【0042】
このように、カップ部14の脇側上縁部15a及び土台布26の下縁部26a以外の部分にバック布30のテンションがほとんど作用しない。このため、ノンワイヤー型のブラジャー10であっても、着用時に、バック布30に作用するテンションの影響によって、カップ部14の形状が、例えば左右方向に長い扁平した形状になり難い。この結果、着用状態におけるバストシルエットを美しく保つことができる。
【0043】
また、バック布30の中間領域がカップ部14に縫着されていないことで、前述したように、ブラジャー10の着用時に着用者の体の周りに沿ってバック布30が延びやすく、フィット性も向上する。バック布30の上縁部30bは、土台布26の上縁部26dを介してカップ部14の脇側上縁部15aに連結される。下縁部30bは、土台布26の下縁部26aに連結される。その結果、上記のようにカップ部14の形状が崩れるのを抑制しつつ、ブラジャー10を体へ密着させることが可能となっている。
【0044】
更に、ブラジャー10は、脇サポート部材34でカップ部14の脇側を図6中の白抜き矢印で示すように前中心C側に押圧する。この押圧力は、脇サポート部材34の上端部34aから下端部34b側にかけてより強くなる。
【0045】
これにより、バストボリュームが脇側へ変位する、いわゆる、脇流れを防止するという効果もある。
【0046】
また、図1〜図3に示したように、土台布26が脇押圧領域26bを有する場合には、脇押圧領域26bでバージスラインの外縁部を押圧し、バージスラインをくっきりとしたものにすることができる。例えば高齢化に伴ってバージスラインの外縁部がぼやける傾向があったとしても、脇押圧領域26bでバージスラインの外縁部をはっきりさせることでバストに着用者のカップ部14をフィットさせることが可能であり、カップ部14による造形性の向上を更に図ることができる。
【0047】
本実施形態では、図2に示したように、脇サポート部材34の上端部34aは肩紐取付け部20に略一致しており、下端部34bは肩紐取付け部20の下方の位置、好ましくは直下より前中心C側に位置するとした。
【0048】
しかしながら、上端部34a及び下端部34bの位置は図2に例示したものに限定されず、脇サポート部材34は、カップ部14の脇側の部分を覆っていればよい。例えば、下端部34bは、前述したように、肩紐取付け部20の下方の位置と前中心Cとの間の領域A内にあればよい。従って、図8に示すように、下端部34bは、前中心C近傍に位置することもできる。下端部34bが、前中心C側に近いほど乳房を引き上げる効果を大きくすることができる。
【0049】
また、上端部34aは、本実施形態では脇側上縁部15a上に位置していればよい。これにより、カップ部14の外縁部15のうち脇側下縁部15bを脇サポート部材34で覆うことができる。その結果、乳房を脇側から押し上げることが可能である。上端部34aは、図9に示すように、脇側上縁部15aを3等分した際に、3等分点D1,D2のうちバック布30側の点D1の位置よりも肩紐取付け部20側とすることがより好ましい。
【0050】
本実施形態では、脇側上縁部15a上に上端部34aが位置している例を挙げているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、着用状態において、脇サポート部材34のテンションによってカップ部14が引っ張られ、外縁部15がバストにフィットし難くなるといったことが無ければ、肩紐取付け部20よりも前中心C側に上端部34aの位置を設けても良い。
【0051】
また、図10に示すように、脇側上縁部15aの両端部間の半分の位置Hから肩紐取付け部20側に位置するように設けることが、乳房を押し上げる効果をより高める上では好適である。
【0052】
更に、本実施形態では、土台布26は、脇押圧領域26bを有するとしたが、土台布26は脇押圧領域26bを備えていなくともよい。
【0053】
なお、脇押圧領域26bを設けない場合には、脇押圧領域26bの代わりに脇サポート部材34が乳房の脇部を押さえるように脇サポート部材34を形成し、本実施形態と同様の効果が得られるようにすることも考えられる。
【0054】
上記実施形態では、ブラジャー10はノンワイヤー型であるとして説明したが、金属性のワイヤーや樹脂性のワイヤーを用いたワイヤー型のブラジャーにも適用可能である。
【0055】
また、上記実施形態では、脇サポート部材34がバック布30及び本体部16に対して上記のように連結されているとして説明している。しかしながら、脇サポート部材34の側縁部34dに連結されているので、脇サポート部材34とバック布30とは一つのサイドパーツを構成しているとみなすこともできる。この場合、サイドパーツは、その上縁部及び下縁部が本体部16に連結されており、サイドパーツは、本体部16との間に、表側から肌側に連通する筒状部33を形成していることになる。
【0056】
なお、本実施形態では、バック布30と脇サポート部材34を連結する例を挙げて説明しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、バック布30と脇サポート部材34とを一枚の布等の部材によって形成するといったことも考えられる。
【0057】
(第2の実施形態)
図11は、第2の実施形態に係るブラジャーの概略構成を示す正面図である。図11では、図中右側に図示するサイドパーツ(後段にて詳述)の一部を切り欠いて示している。図12は、図11に示したブラジャーの背面図を示している。本実施形態のブラジャーは、ワイヤー型のブラジャーである。第1の実施形態と同様の要素には同じ符号を付すものとする。
【0058】
図11及び図12に示すように、ブラジャー37は左右一対のカップ部38,38を含む本体部40を有する。カップ部38は、第1の実施形態の場合と同様に、着用者の乳房(バスト)を収容するものであり、椀状を呈する。本実施形態においても、特に断らない限り、本体部40の構成を一方のカップ部38を中心にして説明する。
【0059】
カップ部38の外縁部39のうち脇側上縁部39aの肌側には、上縁テープ22Aが第1の実施形態の場合と同様に縫着されている。脇側上縁部39aは、カップ部38の脇側端部38aとカップ部38の上端部38bとの間の領域である。本実施形態では、上縁テープ22Aの一端部に、肩紐(肩紐部)18の一端が取り付けられている。また、カップ部38の外縁部39のうち脇側端部38aから下側の領域でバージスラインに対応した領域の肌側には、テープ24(図12参照)が取り付けられている。
【0060】
カップ部38の下部には、土台布(支持部)26が縫着されており、土台布26の下縁部26aの肌側には、下縁テープ22Bが取り付けられている。土台布26とテープ24との間には、カップ部38の下縁部に沿って(すなわち、バージスラインに沿って)配置されたワイヤー部42が設けられている。従って、ブラジャー37は、いわゆるワイヤー型のブラジャーである。ワイヤー部42は、金属製のワイヤーから構成されていてもよいし、樹脂製のワイヤーから構成されていてもよい。
【0061】
土台布26の脇側縁部26cの側方には、着用者の脇下を押圧する非伸縮性の脇押圧布44を有する。この脇押圧布44は、第1の実施形態における脇押圧領域26bに対応するものである。脇押圧布44の脇側縁部44aに、図11及び図12に示すように、サイドボーン46を取り付けてもよい。サイドボーン46の構成は、第1の実施形態におけるサイドボーン36と同様のものとすることができる。
【0062】
上述した一対のカップ部38,38及び土台布26はブラジャー10の本体部40を構成する。また、一対の上縁テープ22Aのうち脇押圧布44の脇側縁部44aの位置から肩紐取付け部20までの領域及び下縁テープ22Bのうち脇押圧布44の脇側縁部44aの位置より前中心C側の領域も本体部40を構成している。
【0063】
ブラジャー37は、一対のカップ部38,38の各々の脇側に位置しており伸縮性を有する布からなる左右一対のサイドパーツ48,48を有する。一対のサイドパーツ48,48の背中側(カップ部38と反対側)の端部には、着用時に一対のサイドパーツ48,48を係止めするために、ホック32Aとホック受け32Bとが設けられている。
【0064】
サイドパーツ48は、その上縁部48a及び下縁部48bを上縁テープ22A及び下縁テープ22Bに縫着することによって、本体部40に取り付けられている。本実施形態では、サイドパーツ48は、外縁部39のうち上端部38bから前中心C側の部分である前中心側上縁部39bとサイドパーツ48との重なり部分もカップ部38に縫着している。しかしながら、上記重なり部分は必ずしも縫着しなくてもよい。
【0065】
サイドパーツ48は、カップ部38の脇側の側方に位置するバック布部(バック部)50と、バック布部50から連続的につながっており、カップ部38の脇側の領域を覆う脇サポート部52とを有する。図11では、脇サポート部52を示すために、便宜的に脇サポート部52にハッチングを付しているが、脇サポート部52とバック布部50とは一枚の布から構成されている。
【0066】
本実施形態では、脇押圧布44の縁部上の位置からカップ部38と離間する側がバック布部50である。しかしながら、サイドパーツ48の脇側の領域のうちカップ部38の外縁部39より外側をバック布部50とすることもできる。
【0067】
脇サポート部52の前中心C側の上端部52aの位置は、肩紐18が取り付けられている肩紐取付け部20とほぼ一致している。一方、脇サポート部52のカップ部38側の下端部52bの位置は、第1の実施形態の場合と同様に、肩紐取付け部20の下方の位置から前中心C側に位置していればよい。上端部52a及び下端部52bは、サイドパーツ48のカップ部38側の上端部及び下端部に対応する。
【0068】
サイドパーツ48は、その上縁部48a及び下縁部48bを介して本体部40に取り付けられている。この構成では、サイドパーツ48(特に、前中心側上縁部39bより下の領域)は、本体部40に対して筒状に取り付けられる。そのため、バック布部50及び脇サポート部52と、本体部40との間に、第1の実施形態と同様に、表側と肌側との間を連通する筒状部33を有する。従って、ブラジャー37は、第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0069】
すなわち、バック布部50における上縁テープ22A及び下縁テープ22Bの間の中間領域は、本体部40、特に、カップ部38から遊離している。また、脇サポート部52のうち上縁テープ22A及び下縁テープ22Bの間であって、前中心側上縁部39bより下側の領域は、本体部40、特に、カップ部38から遊離している。そのため、着用時にバック布部50が引っ張られてもバック布部50及び脇サポート部52を介してカップ部38が引っ張られることが抑制される。また、脇サポート部52は、カップ部38の脇側の領域を覆っているため、脇サポート部52により乳房の脇部を押圧し、乳房を押し上げることができる。
【0070】
本実施形態では、図11に示したように、脇サポート部52の上端部52aは、肩紐取付け部20とほぼ同じ位置であり、下端部52bは肩紐取付け部20の下方の位置、好ましくは肩紐取付け部20の真下より前中心C側に位置するとした。
【0071】
しかしながら、上端部52a及び下端部52bの位置は図11に例示したものに限定されないことは第1の実施形態の場合と同様である。
【0072】
例えば、上端部52aは、肩紐取付け部20と、カップ部38の脇側端部38aとの間に位置してればよい。また、下端部52bも、第1の実施形態の場合と同様に、肩紐取付け部20の下方の位置から前中心C側に位置していればよい。この際、下端部52bは、前中心C側に近いほど乳房を引き上げる効果を更に有することができる。上端部52aは、脇側端部と肩紐取付け部20との間であればよいが、より好ましい位置は、図9及び図10を利用して説明した場合と同様である。なお、本実施形態では、肩紐18が上縁テープ22Aの一端に取り付けられているので、第1の実施形態で述べた「脇側上縁部15aの両端部間」は、脇側端部と肩紐取付け部20との間に対応する。
【0073】
また、第1の実施形態において土台布26が脇押圧領域26bを有しなくてもよいのと同様に、ブラジャー37は脇押圧布44を有しない構成とすることもできる。この場合でも、脇サポート部52で乳房の脇部を押さえることが可能である。
【0074】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、本発明は、図13に示すように、一対の椀状のカップ部14,14が前中心部材56で連結されたブラジャー54、いわゆるメガネタイプのブラジャーにも適用可能である。ブラジャー54は、土台布を有しない点及び一対のカップ部14,14が前中心部材56で連結されている点で、ブラジャー10と主に相違する。この相違点を中心にブラジャー54について、ブラジャー54について説明する。なお、ブラジャー10と同様の要素には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
【0075】
ブラジャー54が有するカップ部14,14の下縁には、バージスラインに沿うようにカップ支持部58が設けられており、カップ支持部58は前中心部材56によって連結されている。カップ支持部58は、布材を重ね合わせて形成することができる。この場合、ブラジャー54は、ノンワイヤー型のブラジャーである。なお、カップ支持部58にワイヤーを内蔵させたワイヤー型のブラジャーとすることもできる。ブラジャー54は、ブラジャー10の場合と同様にカップ部14,14に縫着された上縁テープ22A,22Aを有する。
【0076】
ブラジャー54では、カップ部14,14、カップ支持部58,58及び前中心部材56が本体部60を構成する。また、上縁テープ22Aのうちカップ部14に縫着されている領域も本体部60の一部とすることもできる。また、ブラジャー54では、前中心部材56で連結されたカップ支持部58が、一対のカップ部14,14を支持する支持部である。
【0077】
ブラジャー54は、更に、バック布(バック部)30と、シート状の脇サポート部材34(サポート部材)とを有する。図13において、説明の便宜のため、脇サポート部材34にハッチングを付している。
【0078】
バック布30の上縁部30bは、カップ支持部58の脇側の端部に縫着等によって取り付けられている。そして、カップ部14の脇側上縁部15aに沿って肩紐18に連結されている上縁テープ22Aは、バック布30の上縁部30bにも縫着されている。この構成では、バック布30の上縁部30bは、カップ部14の脇側上縁部15aに連結されている。また、バック布30の下縁部30cは、カップ支持部58の最下点よりもやや脇側部分に連結されている。カップ支持部58の最下点近傍に下縁部30cを連結することにより、バック布30の下縁部30cは、カップ支持部58に沿うようにカップ支持部58に連結されている。
【0079】
このように、バック布30の上縁部30b及び下縁部30cがカップ部14の脇側上縁部15a及びカップ支持部58に沿って連結されていることから、バック布30のテンションは上縁部30b及び下縁部30cから脇側上縁部15aとカップ支持部58には伝わり易い。その結果、ブラジャー54が体に密着しやすくなっている。一方、上記構成では、バック布30における上縁部30bと下縁部30cとの間の中間領域は、カップ部14から遊離しており、バック布30は、本体部60に対して筒状に取り付けられている。そのため、バック布30と本体部60との間に筒状部33が形成されている。従って、バック布30の中間領域を介してテンションがカップ部14には伝わらない。これにより、着用状態において、カップ部14の立体的な形状がバック布30のテンションによって崩れ難くしている。
【0080】
脇サポート部材34は、ブラジャー10の場合と同様に、バック布30及び本体部60に取り付けられている。
【0081】
上記構成のメガネタイプのブラジャー54においても、バック布30及び脇サポート部材34がカップ部14に対して筒状に取り付けられることになるので、ブラジャー10と同様の作用効果を有する。
【0082】
なお、図13では、バック布30と脇サポート部材34とは別の布としているが、第1の実施形態の変形として説明すると共に、第2の実施形態で説明したように、一つのサイドパーツとすることも可能である。また、バック布30は、カップ支持部58に対して筒状に取り付けられるとしたが、カップ支持部58に、ブラジャー37の脇押圧布44に対応する布を設け、その布に対してバック布30を筒状に設けることも可能である。
【0083】
更に、本発明は、図14に示すブラジャー62にも適用可能である。図14に示したブラジャー62は、いわゆる三角形ブラである点、及び脇サポート部材(サポート部材)を有しない点で、主に第1の実施形態で説明したブラジャー10の場合と相違する。この点を中心にしてブラジャー62について説明する。なお、ブラジャー10と同様の要素には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
【0084】
ブラジャー62は、一対のフロントパーツ64を有する。フロントパーツ64はカップ部64Aと土台部(支持部)64Bとを含む。土台部64Bは、カップ部64Aの下部に一体的に形成されており、フロントパーツ64は、略三角形状を呈する。一対のフロントパーツ64,64は、土台部64Bを介して連結されており、本体部66を構成する。一対のフロントパーツ64,64は、土台部64Bの下縁部の肌側に縫着された下縁テープ22Bによっても連結されている。なお、本実施形態では、下縁テープ22Bのフロントパーツ64に縫着されている部分も本体部66に含まれる。
【0085】
ブラジャー62では、三角形状を有するフロントパーツ64に、バック布(バック部)30の上縁部30b及び下縁部30cだけ固定することによって、バック布30がカップ部64Aに取り付けられている。
【0086】
具体的には、本実施形態では、バック布30の上縁部30bは、カップ部64Aの脇側上縁部15aに略直交するように取り付けられている。一方、バック布30の下縁部30cは、土台部64Bの下縁に連続的に繋がるように連結されている。
【0087】
この構成では、着用状態において、バック布30の下縁部30cを介して伝わるテンションは、土台部64Bに直接伝わり易く、土台部64Bが体に密着しやすい。そのため、バージスラインをはっきりさせやすくなっている。また、バック布30の上下方向における中間領域がカップ部64Aから遊離しているので、バック布30の引っ張りによるテンションがカップ部64Aに作用しにくい。従って、バック布30の下縁部30cを介してカップ部64Aに伝達されるテンションによってカップ部64Aの下縁部をはっきりさせながら、バック布30の中間領域を介したカップ部64Aへのテンションの伝達を防止しているので、カップ部64Aの膨出形状が崩れるのを抑制することができる。
【0088】
このように、デザイン上の都合により、バック布30の上縁部30bまたは下縁部30cのいずれか一方をカップ部又はカップ部の支持部の縁部分に対して沿うように連結できない場合でも、カップ部の膨出形状がバック布30のテンションによって崩れてしまうのを低減する効果を得ることができる。
【0089】
ただし、第1、第2実施形態、及び図13に示す実施形態のように、カップ部14(又はカップ部38)の脇側上縁部15a(又は脇側上縁部39a)及び土台布26の下縁部26aに沿ってバック布30の上縁部30bと下縁部30cを連結する方が、カップ部14(又はカップ部38)の膨出形状が崩れてしまうのを抑制する上では好適である。
【0090】
図14に示したブラジャー62では、カップ部64A,64Aにバック布30を筒状に取り付け、筒状部33を形成している場合を例示している。しかしながら、図15に示すブラジャー68のように、カップ部64Aの脇側に、ブラジャー37の場合と同様に脇押圧布44を設け、その脇押圧布44に対してバック布30を筒状に設け、筒状部33を形成することも可能である。ブラジャー68の場合、本体部66は、脇押圧布44を含んでいてもよい。
【0091】
カップ部を有する衣類としてのブラジャーは、フロントホック型のものであってもよい。この場合、上記実施形態などで説明した一対のバック部は、それぞれ背中側で予め連結した一つのバック部に対応することになる。
【0092】
図15に示したブラジャー68以外の説明では、ブラジャー(カップ部を有する衣類)は、サポート部材(例えば、脇サポート部材34、脇サポート部52)を有するとしたが、サポート部材は設けなくてもよい。この場合でも、バック部(例えば、バック布30、バック布部50)が本体部(例えば、本体部16,40等)との間に表側から肌側に連通する筒状部33を有するように、バック部が本体部に取り付けられる。そのため、バック部の引っ張りによりカップ部が変形することが抑制できる。逆に、ブラジャー68がサポート部材を有するとしてもよい。
【0093】
また、本体部は、一対のカップ部とカップ部を下側で支持する支持部とを有していればよい。更に、バック部の前中心側の側縁部の位置は、カップ部を有する衣類を着用した状態で、肩紐部の最高点(肩に掛かっている部分)の下方の位置と、カップ部の脇側下縁部との間であれば特に限定されない。第1の実施形態のブラジャー10を例にして具体的に説明すると、バック布30の側縁部30aは、着用状態の肩紐18の最高点の下方の位置とカップ部14の脇側下縁部15bとの間に位置するように設ければよい。なお、肩紐部の最高点の位置(肩に掛かっている部分)は、通常の衣服では、前見頃と後見頃との接ぎ線の位置に対応する。
【0094】
上記第1及び第2の実施形態及びその他の変形例では、各要素の取付け手段として縫着を例示して説明したが、これに限定されず、ブラジャーといったカップ部を有する衣類において通常使用される接着、溶着等の取付け手段によって要素間を連結するものとしても良い。
【符号の説明】
【0095】
10…ブラジャー(カップ部を有する衣類)
14…カップ部
14a…脇側端部、
15…外縁部、
15a…脇側上縁部(外縁部の一部分)
15b…脇側下縁部
16…本体部
18…肩紐(肩紐部)
26…土台布(支持部)
26a…下縁部(支持部の下縁部)
30…バック布(バック部)
30b…上縁部
30c…下縁部
33…筒状部
34…脇サポート部材(サポート部材)
34a…上端部
34b…下端部
34c,34d…側縁部
34e…上縁部
34f…下縁部
36…ブラジャー(カップ部を有する衣類)
38…カップ部
38a…カップ部の脇側端部
38b…カップ部の上端部
39…外縁部
39a…脇側上縁部
40…本体部
48…サイドパーツ
48a…上縁部
48b…下縁部
48c…側縁部
50…バック布部(バック部)
52…脇サポート部(サポート部材)
52a…上端部
52b…下端部
54…ブラジャー(カップ部を有する衣類)
58…カップ支持部(支持部)
60…本体部
64A…カップ部
64B…土台部(支持部)
66…本体部
68…ブラジャー(カップ部を有する衣類)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のカップ部、一対の前記カップ部の下側を支持する支持部、を少なくとも有する本体部と、
前記本体部の脇側部分に連結されたバック部と、
を備え、
前記バック部は、前記本体部との間に表側から肌側に連通する筒状部が形成されるように、前記バック部の上縁部と下縁部とが前記本体部に連結されている、
カップ部を有する衣類。
【請求項2】
前記バック部の下縁部は、前記本体部の下縁部に接続されている、
請求項1に記載のカップ部を有する衣類。
【請求項3】
前記バック部の上縁部は、前記本体部の脇側上縁部に接続されている、
請求項1又は2に記載のカップ部を有する衣類。
【請求項4】
前記カップ部の脇側部分の表面を覆うように、バストを押し上げるためのサポート部材が設けられている、
請求項1〜3のいずれか一項に記載のカップ部を有する衣類。
【請求項5】
前記サポート部材は、前記サポート部材の前記脇側縁部が前記バック部に連結されることによって前記バック部と共にサイドパーツを形成している、
請求項4記載のカップ部を有する衣類。
【請求項6】
前記サイドパーツは、1つの布材から成る、
請求項5に記載のカップ部を有する衣類。
【請求項7】
前記本体部における各前記カップ部の上側に一端がそれぞれ取り付けられた肩紐部をさらに有しており、
前記サポート部材の前記カップ部側の上端部は、前記本体部の外縁部の一部分であって、前記カップ部の脇側端部から前記カップ部の脇側上縁部に沿って前記肩紐部の取り付け位置である肩紐取付け部まで延びた前記一部分の全長の1/3に相当する長さだけ、少なくとも前記カップ部の脇側端部から離れた位置に設けられている、
請求項4〜6のいずれか1項に記載のカップ部を有する衣類。
【請求項8】
前記本体部における各前記カップ部の上側に一端がそれぞれ取り付けられた肩紐部をさらに有しており、
前記サポート部材の前記カップ部側の上端部は、前記本体部の外縁部の一部分であって、前記カップ部の脇側端部から前記カップ部の脇側上縁部に沿って前記肩紐部の取付け位置まで延びた前記一部分の略中央部より前記取付け位置側に位置している、
請求項4〜6のいずれか一項に記載のカップ部を有する衣類。
【請求項9】
前記サポート部材における前中心側の下端部は、前記支持部の下縁部において、前記肩紐取付け部の下方の位置と前中心との間に位置するように取り付けられている、
請求項7又は8に記載のカップ部を有する衣類。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−77387(P2012−77387A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−220978(P2010−220978)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(306033379)株式会社ワコール (116)
【Fターム(参考)】