説明

カテーテル・アッセンブリー

【課題】湿潤用流体を収容する区画(650)を含むカテーテル袋体(620)を具備してなるカテーテル・アッセンブリー(610)を提供する。
【解決手段】この袋体は更に以下のものを含む:すなわち、上記袋体の一部に取着され、湿潤用流体を例えば滅菌用酸化物から保護するようにした付加的外側層(660)と、および/又は湿潤用流体区画(650)と、カテーテル(621)を含むキャビティとの間に配置され、脆弱箇所を含む分離壁(651)とを含む。その他のカテーテル・アッセンブリーの例として、カテーテルの少なくとも一部が上記袋体の外側に残されたカテーテル袋体が含まれている。このようなカテーテル・アッセンブリーを製造する方法が更に提供されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カテーテルと、このカテーテルの少なくとも一部を収納するための袋体とを具備してなるカテーテル・アッセンブリーに関する。本発明は更に、このようなカテーテル・アッセンブリーを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテルは例えば膀胱排液のための尿カテーテルなど多くの様々な医療的用途に使用されている。通常、カテーテルは、清浄で、好ましくは滅菌状態に維持する必要から製造業者により予め、袋体内に包装されている。しかし、このようなカテーテル・アッセンブリーは、嵩高になるという問題があり、貯蔵、輸送および取り扱いの点で困難並びに費用の増大を招くことになる。更に、大量の個装並びに包装材料を必要とし、それによりこのカテーテル・アッセンブリーが高価なものとなると共に環境にとって有害なものとなる。
【0003】
尿カテーテルは一般に、その外表面に潤滑剤を適用し、尿道への挿入を容易にする必要がある。特に、潤滑を目的として、親水性尿カテーテルに外表面親水性塗布層を施すことがあり、これは患者の尿道への挿入前の或る時間、水又は食塩水などの液体を用いて濡らして置かなければならない。カテーテルの使用を容易にし、かつ、清浄性を向上させるため、近年においてカテーテル・アッセンブリーは破断自在な湿潤用流体パウチ又は容器を含むものが開発されている。これは例えば、国際公開公報第WO 98/19729号に開示されている。しかし、残念なことに、このような湿潤用流体容器を含むことにより、上述の嵩高などの問題をより一層厳しいものとすることになる。
【0004】
更に、最近、いわゆる“即使用可能”カテーテルに向けての傾向が見られ、その場合、カテーテルは湿潤用流体と共に袋体内に配置され、従ってカテーテルは塗れて活性化された状態に維持される。このようなカテーテル・アッセンブリーは例えば、国際公開公報第WO 00/47494号に開示されている。しかし、このようなカテーテルにおいては、袋体内を或る程度満たし、カテーテルを確実に適当な湿潤状態に保つようにするには、比較的大量の湿潤用流体を必要とする。従って、このタイプのカテーテル・アッセンブリーでも、上述のような嵩高の問題が残り、更に比較的重いものとなる。更に、このタイプのカテーテル・アッセンブリーはカテーテルが濡れた状態となって滑り易くなり、その取り扱いを不快、かつ、困難なものとするという問題がある。
【0005】
公知のカテーテル・アッセンブリーには更に次のような問題がある。つまり、カテーテルを他の装置、例えば排液チューブ、尿バッグなどと接続させるためにカテーテルを通常、その袋体又は包装から取り出さなければならない。そのため、カテーテルの取り扱いが更に困難となる。なぜならば、カテーテル装着を行う者は更に多くの作業を行わなければならないからであり、特に、これが、前以て又は製造過程の工程としてではなく、カテーテルを外気に曝された緊張した状況でそれを行わなければならないからである。更に、カテーテルが外気に露出する時間、従って汚染され易い時間が長くなり、患者に対する危険性も増大することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開公報第WO 98/19729号
【特許文献2】国際公開公報第WO 00/47494号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、より薄く、嵩の小さいカテーテル・アッセンブリーおよび/又は、取り扱いが容易、かつ、簡便なカテーテル・アッセンブリーおよび/又はより安価に製造することができるカテーテル・アッセンブリーの開発の必要性、特に親水性尿カテーテルの必要性が存在する。従って、本発明はこのような必要性に対処しようとするものである。このような目的は、付記した特許請求の範囲に記載したカテーテル・アッセンブリーおよび方法により達成することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの形態は、カテーテル・アッセンブリーに関するもので、これはカテーテルチューブと、このカテーテルチューブの1端に配置されたコネクターとを含むカテーテルと;少なくとも上記カテーテルチューブを収容するためのカテーテル袋体とを具備してなる。更に、この袋体には開口部が設けられ、この開口部が上記カテーテルのコネクターに接続され、かつ、このコネクターによって閉じられている。
【0009】
本明細書において、“コネクター”の用語は、広い意味で解釈されるべきもので、外部手段、例えば外部チューブにカテーテルチューブを接続させるための手段として機能するカテーテルの全ての部分、あるいはカテーテルチューブを介して排液するための出口として単に機能するカテーテルの全ての部分を含むものである。更に、このコネクターはカテーテルと別体の部分である必要はなく、カテーテルチューブと一体的なものでもよい。
【0010】
更に、本明細書において、“カテーテルチューブの端部”の用語も、広い意味で解釈されるべきもので、カテーテルの本体から突出又は延出する全ての部分の末端部分が含まれる。従って、カテーテルは2以上の端部を有することもあり、これら端部はカテーテルの本体から任意の方向に向けて最も遠くにある必要はない。
【0011】
本発明の第1の形態によれば、非常に有利なカテーテル・アッセンブリーが提供される。概略的に、本発明はカテーテル・アッセンブリーに関するもので、これはカテーテル受理用袋体と、その一端にコネクターを設けたカテーテルとを具備してなり、ここで、上記袋体は上記コネクターで封止されている。上記袋体がカテーテルのコネクターで封止されているから、カテーテルの一部のみが上記袋体により封入されている。その結果、このカテーテル・アッセンブリーをより薄くすることができ、嵩を小さくすることができる。つまり、使用する袋体をより小さい容積のものとすることができるからであり、同時に、必要とする材料も少なくすることができ、カテーテル・アッセンブリーの製造が容易となり、その費用も節減することができる。これは、更に、必要とする材料が少ないから、製品を環境に対し、より優しくすることができる。しかも、患者の体内に挿入されるべきカテーテルの全ての部分、すなわち、カテーテルの挿入可能な全ての部分を依然として滅菌状態並びに医学的に安全な状態に保つことができ、従って、このカテーテル・アッセンブリーは少なくとも従前のカテーテル・アッセンブリー、つまりカテーテル全体を袋体内に配置させたものと同様に信頼できるものである。
【0012】
更に、袋体がカテーテルのコネクターにより封止されるように構成されていて、このコネクターの少なくとも1部が袋体の外側からアクセスすることができるため、カテーテルを袋体又は包装から取り出す前に、カテーテルを他の装置、例えば排液チューブ、尿バッグなどと接続することができる。それにより、カテーテルの取り扱いがより簡単、かつ、安全になる。なぜならば、カテーテルの接続作業をカテーテル装着責任者により必要がなくなるからであり、特に、カテーテルを袋体から取り出し、外気に曝される緊張した状況下で行う必要がなくなるからである。それにより、カテーテル装着がより簡単、かつ、効率的になり、カテーテルが露出される時間、つまり汚染され易い時間帯を可なり短縮させることができ、患者に対する危険性が減少する。
【0013】
カテーテルの他の部品への接続も、本発明の概念に以ってして、生産段階で既に行うことが可能となる。それにより、カテーテルの生産にモジュールシステムを含むことができ、この場合、カテーテル・アッセンブリーは標準部材として生産され、これが生産段階で他の部品、例えば排液チューブ、尿バッグなどと接続可能であり、その結果、異なる形の最終製品が製造されることになる。それにより、カテーテルの生産が、より簡単になり、かつ、コスト的により効率的となり、生産機械装置も少なくて済み、貯蔵場所なども少なくて済むことになる。その結果、生産段階でも環境により優しくすることができる。
【0014】
つまり、本発明はカテーテル・アッセンブリーを提供するものであって、これは一部が体の開口部を介して挿入される挿入部を構成するカテーテルと;このカテーテルの少なくとも1部を収容するようにしたカテーテル袋体とを具備してなる。更に、この袋体は上記カテーテルと接続し、上記カテーテルの挿入部を封入するが、カテーテルの少なくとも1部は上記袋体の外に配置されている。
【0015】
更に、コネクターの少なくとも1部を上記袋体の外に配置させることにより、カテーテルを袋体又は包装から取り出す前に、カテーテルを他の装置、例えば排液チューブ、尿バッグなどと接続することが可能となっている。
【0016】
本発明の上記形態の或る好ましい例について、以下に簡単に説明する。好ましくは、上記袋体は封止した状態でカテーテルと接続され、および/又は上記袋体およびカテーテルにより形成された区画が封止されている。これにより、貯蔵の間において、カテーテルの少なくとも挿入部を清浄状態、好ましくは滅菌状態に維持させることができる。その他、あるいはそれに加えて、上記袋体およびカテーテルにより形成された区画は、外気に対し細菌バリヤー(遮断層)を形成するものでもよい。
【0017】
このカテーテルは好ましくは親水性カテーテルである。親水性カテーテルは、少なくともその表面の一部に、親水性の層を有し、これを使用前に湿潤用流体で濡らし、低摩擦面を形成しようとするものである。
【0018】
親水性尿カテーテルをカテーテル・アッセンブリーで採用しようとする場合、このカテーテル・アッセンブリーには更に、湿潤用流体を含めることができる。それにより、カテーテルの活性化のために別途、湿潤用流体を用意する必要がなくなり、多くの利点を生じさせる。例えば、カテーテルの活性化を、この特定の使用のための適当な湿潤用流体を入手することが通常、困難な場所でも容易に達成することができる。更に、十分に清浄な滅菌溶液のみを使用することを確かなものとすることができ、それによりカテーテルの望ましくない汚染の危険性を減少させることができる。更に、カテーテルの濡らしを、より簡単、かつ、より簡便な方法で行うことができる。
【0019】
1具体例において、カテーテル・アッセンブリーは、湿潤用流体を収容する容器を含み、この容器は貯蔵の間、カテーテルの少なくとも挿入部分とは別に、湿潤用流体を保持するよう構成され、更に、この容器はカテーテルの活性化のために開口自在となっている。このような具体例において、湿潤用流体は、カテーテルが実際に使用されるまでは、カテーテルの挿入部分、つまり患者の開口部を介して挿入されるカテーテルの部分から分離して保持するものでよい。ついで、この湿潤用流体を収容する容器が、圧力又は引張り力などの適用により開口され、それにより湿潤用流体がカテーテルを収容する区画へ向けて排出される。この容器は袋体と一体化された区画、又は別の容器であってもよい。この別の容器を使用する場合、この容器を袋体内に完全に、又は袋体内に部分的に、あるいは袋体の外に配置させることができる。しかし、袋体の外に配置させる場合でも、この袋体と何らかの形で連通させるようにすることが好ましい。
【0020】
他の具体例において、カテーテル・アッセンブリーは、湿潤用流体を収容する容器を含み、この容器は、カテーテルを収容する袋体の1つの区画により形成され、それにより上記袋体内に収容されている間において、上記親水性表面層が濡れた状態に保たれると共に、いわゆる“即使用可能”なカテーテル・アッセンブリーが提供される。つまり、この具体例において、カテーテルは活性化された即使用可能な状態に連続的に保たれることになる。
【0021】
カテーテル・アッセンブリーが湿潤用流体容器を有する全ての実施例において、湿潤用流体の量は、上記袋体を或る程度満たし、カテーテルの適当な濡れを維持するのに十分なものであることが好ましい。
【0022】
上記容器が、上記袋体およびカテーテルにより形成された1つの区画である場合、この区画はガスが封入されていて、製品の寿命の増大が図られていることが好ましい。同様の理由から、この袋体はガス不透過性であることが好ましい。
【0023】
湿潤用流体の適当な例は、滅菌水又は塩溶液である。
【0024】
更に、カテーテル・アッセンブリーの袋体が長尺のポケットを形成していることが好ましい。
【0025】
この袋体は溶接継手の手段によりカテーテルに接続させることができ、つまり、この継手は好ましくはカテーテルと袋体との間に配置される。これは気密で十分に大きい強度の接続を提供するための簡単で、コスト的に有利な方法である。その他、この袋体を、焼嵌めを介してカテーテルに接続することもでき、これも気密で十分に大きい強度の接続を提供するための簡単で、コスト的に有利な方法である。この袋体は好ましくは、カテーテルのコネクターに接続される。
【0026】
このカテーテル・アッセンブリーの袋体は、好ましくはこの袋体を開口させるための開口手段を有し、この開口手段は、上記袋体と、カテーテルとの間の接続部とは反対側の袋体端部に配置されることが好ましい。それにより、使用時においてカテーテルを開封するのが非常に容易となる。この開口手段は剥離継ぎ目又は引裂き線などからなるものでもよい。
【0027】
本発明のカテーテル・アッセンブリーを滅菌するのに使用可能な典型的滅菌剤は酸化エチレンである。更に、液体容器中の液体を通常、包装時において既に滅菌されている。これらの理由から、湿潤用流体容器は、酸化エチレンおよび容器内に収容されている液体に対し非透過性又は実質的に非透過性の材料から作られることが好ましい。上記液体が水又は塩溶液である場合、この条件を満足する材料の非制限的な例としては、アルミニウム箔積層体、ポリ塩化ビニリデン、又は金属化ポリエチレン・テレフタレートのような金属化フィルム又は酸化ケイ素被覆フィルムを含むラミネート、又は酸化アルミニウムを含むラミネートを挙げることができる。勿論、その他の滅菌法、例えば放射線照射などを代わりに使用することもできる。
【0028】
本発明の他の形態は、カテーテル・アッセンブリーを製造するための方法に関するものであって、その方法は:開口部を有する袋体を供給する工程と;カテーテルチューブおよびその一端に配置されたコネクターを含むカテーテルを供給する工程と;上記袋体中に上記カテーテルチューブを配置する工程と;上記コネクターに上記袋体を接続し、上記開口部を閉塞する工程とを具備してなる。
【0029】
本発明のこの形態による製造方法によれば、本発明の上記第1および第2の形態に関連して説明したものと同様の利点を達成することができる。
【0030】
好ましくは、このカテーテルが、最初に、上記カテーテルチューブと上記コネクターとを接続することにより組み立てられる。この場合、上記カテーテルチューブを上記袋体中に配置させたのち、上記袋体がカテーテルコネクターに接続される。しかし、この製造工程を逆の順にすることもできる。例えば、上記コネクターと上記カテーテルチューブとの組み立ての前に、上記コネクターを上記袋体に接続してもよい。この場合、上記カテーテルチューブを例えば、上記袋体の他方の開口部から導入してもよく、この開口部は後に閉じられる。
【0031】
本発明の更に他の形態は、カテーテル・アッセンブリーに関するものであって、これは、表面の少なくとも一部に親水性表面層を有し、使用前に湿潤用流体で処理することにより低摩擦表面特性を生じさせるようにしたカテーテルと;該カテーテルの少なくとも一部を収容するキャビティを形成するカテーテル袋体と;上記湿潤用流体を収容する区画と;を具備してなり、ここで該区画が上記袋体の一体化部分を形成するが、上記キャビティから分離されていることを特徴とする。更に、付加的外側層が上記袋体に取着され、これは上記湿潤用流体区画を形成する袋体の一部を少なくとも部分的に覆うように取着される。
【0032】
本発明のこの形態によれば、付加的カバーが設けられ、そのため、強度がより大きく、好ましいガス非透過性湿潤用流体区画が達成される。この付加的カバーの採用により、袋体の材料に対する要件が軽減され、その材料がガス非透過性である必要は最早なくなる。つまり、この付加的カバーが、貯蔵の間において上記区画中の湿潤用流体の気化を軽減し、湿潤用流体を維持するのに必要な区画壁部のガス非透過性を提供することになる。同時に、カバー材料の必要量も僅かで済み、製品の製造コストを軽減することができる。
【0033】
この付加的カバーは更に、カテーテルおよびカテーテル・アッセンブリーの他の部分の滅菌のために使用される滅菌剤に対し、湿潤用流体を保護するものとして使用することができる。本発明の湿潤装置を滅菌するのに使用することができる典型的な滅菌剤は酸化エチレンである。更に、液体容器内の液体は通常、包装時に既に滅菌されており、更に滅菌する必要はない。更に、この滅菌剤は湿潤用流体に曝されたとき、湿潤用流体中に望ましくない残留生成物を残留させることになる。これらの理由から、湿潤用流体容器の上記付加的カバーは、酸化エチレン並びに内部に収容されている液体に対し非透過性又は実質的に非透過性の材料から作られることが望ましい。この条件を満足する材料の非限定的な例は、上記液体が水又は塩溶液の場合、アルミニウム箔積層体、ポリ塩化ビニリデン、又は金属化ポリエチレン・テレフタレートのような金属化フィルム又は酸化ケイ素被覆フィルムを含むラミネート、又は酸化アルミニウムを含むラミネートなどである。勿論、その他の滅菌法、例えば放射線照射などを代わりに使用することもできる。この場合、容器内の液体を、カテーテル・アッセンブリーの残りの部材と同時に、その場で滅菌することができる。スチーム処理もこの滅菌に使用することができる。
【0034】
上記付加的カバーは、接着剤、溶接又は任意の他の適当な接続手段により上記区画に取着することができる。
【0035】
対応する形態として、本発明は更に、カテーテル・アッセンブリーを製造するための方法を提供するものであって、その方法は:袋体を供給する工程と;親水性カテーテルを供給する工程と;袋体のキャビティ内にカテーテルチューブの少なくとも一部を配置する工程と;袋体の一体化された部分を形成すると共に上記キャビティから離間された区画内に湿潤用流体を配置させる工程と;付加的外側層を上記袋体に付着し、上記湿潤用流体区画を形成する袋体の一部を少なくとも部分的に被覆する工程とを具備してなる。
【0036】
この方法によれば、上記同様の利点を達成することができる。
【0037】
本発明の更に他の形態は、カテーテル・アッセンブリーに関するものであって、これは、表面の少なくとも一部に親水性表面層を有し、使用前に湿潤用流体で処理することにより低摩擦表面特性を生じさせるようにしたカテーテルと;該カテーテルの少なくとも一部を収容するキャビティを形成するカテーテル袋体と;上記湿潤用流体を収容する区画と;を具備してなり、ここで該区画が上記袋体の一体化部分を形成するが、上記キャビティから分離され、上記湿潤用流体区画と上記カテーテルを収容する上記キャビティとの間の分離部が破断可能な封止部を形成していることを特徴とする。更に、該封止部に少なくとも1つの脆弱部が設けられ、誘起された破断が所定の部位で発生するようになっていて、これにより上記区画と、カテーテルを収容する上記キャビティとの間の液体の流通を可能にするようになっている。
【0038】
本発明のこの例によれば、湿潤用流体区画の破断を効果的に制御することができ、それにより破断が所定位置に発生するようにすることができる。その結果、区画が圧力などの適用により、無差別な位置にて破断されること、すなわち、湿潤用流体が漏れたり、親水性表面の不十分な濡れが生じたりするのを防止することができる。これに代わって、破断は常に最も効果的な位置で発生することになり、カテーテル表面の効果的な濡れを生じさせることができる。
【0039】
好ましくは、この封止部が区画相互間の破断可能な継ぎ目により形成されることであり、最も好ましくは、この継ぎ目が、溶接幅の変化又は溶接強度の変化を持たせた溶接継ぎ手であって、それにより少なくとも1つの脆弱部を提供するようにする。その他、この継ぎ目を非直線的に形成させ、少なくとも1つの脆弱部を提供するようにしてもよい。この場合、この継ぎ目は上記湿潤用流体区画に向けられた少なくとも1つの屈折点を有するように形成することができる。この屈折点は上記湿潤用流体区画に向けて尖ったピーク部であり、その角度は鈍角でも鋭角でもよい。しかし、この屈折点はその他、上記湿潤用流体区画に向けて湾曲したピーク部であってもよい。これにより、効果的な破断制御が達成され、同時に、非常にコスト的に有利で、容易に形成することができる接合部を提供することができる。
【0040】
本発明の対応する形態によれば、カテーテル・アッセンブリーを製造する方法が提供され、この方法は、袋体を供給する工程と;親水性カテーテルを供給する工程と;袋体のキャビティ内にカテーテルチューブの少なくとも一部を配置する工程と;袋体の一体化された部分を形成すると共に上記キャビティから離間された区画内に湿潤用流体を配置させる工程と;付加的外側層を上記袋体に付着し、上記湿潤用流体区画を形成する袋体の一部を少なくとも部分的に被覆する工程とを具備してなる。
【0041】
上述の本発明の異なる形態との関連で説明した種々の詳細な具体例および異なる特徴の全てを、本発明の他の形態のものと組み合わせて使用することができ、更に、別途明瞭な記載がないとしても、ここに具体的に説明したものとは異なる方式で組み合わせることができる。
【0042】
本発明の適用性の更なる範囲は、以下の詳細な記載から明らかになるであろう。しかし、以下の詳細な説明および特定の実施例は、本発明の好ましい具体例を示すものであるが、単なる説明を目的としたものであり、当業者であれば、これらの記載から本発明の趣旨および範囲内において種々変更および改良をなし得ることは明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明のカテーテル・アッセンブリーの第1の実施例を示す斜視図であって、ここで図1aはその部分切欠図、図1bは切欠していない状態を示す図である。
【図2】本発明のカテーテル・アッセンブリーの第2の実施例を示す部分切欠側面図。
【図3】本発明のカテーテル・アッセンブリーの第3の実施例を示す部分切欠側面図。
【図4】本発明のカテーテル・アッセンブリーの第4の実施例を示す部分切欠側面図。
【図5a】本発明のカテーテル・アッセンブリーの第5の実施例の全体を示す側面図。
【図5b】図5aに示すカテーテル・アッセンブリーのコネクターの部分の拡大斜視図。
【図5c】活性化プロセスを説明するための図5bに示すカテーテル・アッセンブリーのコネクターの部分の一部切欠斜視図。
【図6】本発明のカテーテル・アッセンブリーの第6の実施例を示す一部切欠側面図であって、ここで図6aはその全体を示す側面図、図6bは活性化プロセスを説明するための図6aに対応する側面図である。
【図7a】本発明の第7の実施例によるカテーテル・アッセンブリーの全体を示す一部切欠側面図である。
【図7b】本発明の第7の実施例によるカテーテル・アッセンブリーの活性化プロセスを説明するための図7aに対応する斜視図である。
【図8】本発明のカテーテル・アッセンブリーの第8の実施例を示す部分切欠側面図。
【図9】図8のIX−IX線に沿う断面図。
【図10】図10aないし10fは、湿潤用流体区画と、袋体中にカテーテルを収容する区画とを分離する脆弱化接合部の異なる例をそれぞれ示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の詳細な好ましい実施例を、添付図面を参照して更に詳述する。しかし、異なる実施例のそれぞれの特徴は相互に交換自在なものであり、別段の指示がない限り、これらを異なる方式で組み合わせることができる。
【0045】
カテーテル・アッセンブリーおよび外部からアクセス可能なコネクターを有する例についての概略的説明:
最初に、図1を参照すると、本発明によるカテーテル・アッセンブリー1の第1の実施例のものは、湿潤用袋体又はバッグ2を有し、これは透明可撓性プラスチック材料から作られている。この袋体2は、前方端部に向けて下方に延出する長尺のポケット21と、開口端部22とを有する。
【0046】
このカテーテル・アッセンブリー1は更に、カテーテル、好ましくは親水性尿カテーテル3を含み、これは好ましくは朝顔形の後方部31と、この後方部31から前方に向かって延出する長尺シャフト又はチューブ32と、上記後方部31の後端から球面状尖端部34に形成された排液孔33に向けて延出する端部解放ルーメン(内腔)(図示しない)とを具備してなる。この後方部31は上記カテーテル3のコネクターとして機能することができ、他の装置、例えば尿収集バッグ、排液チューブなどと接続可能になっている。長尺チューブ32の少なくとも一部は使用者の体の開口部、例えば尿カテーテルの場合は尿道を介して挿入される挿入可能長を形成している。この挿入可能長は通常、親水性カテーテルの関係では、親水性材料、例えばPVPで被覆された長尺チューブ32の長さを意味し、これは患者の尿道に挿入させることができる。典型的には、この長尺チューブ32の長さは女性患者の場合は80〜140mm、男性患者の場合は200〜350mmの範囲である。
【0047】
カテーテル湿潤用袋体2は、長尺ポケット21内にカテーテルチューブ32を収容すべく形成されていて、開口端22の開口部は、コネクター又はカテーテルの後端31に接続され、かつ、閉じられるようになっている。これにより、袋体2はカテーテル3の少なくとも挿入可能長を覆うが、カテーテル3の一部を上記袋体の外に残すようになっている。
【0048】
上記袋体2は、カテーテル3の収容部の周りに封止された区画を形成することが好ましい。この封止区画は上記袋体2を上記カテーテル3に接続、封止し、ルーメン開口部を閉じることにより形成される。
【0049】
上記袋体2は、カテーテル3に対し種々の方法で接続させることができる。例えば、この接続を、上記カテーテルと上記袋体との間に配した溶接継ぎ手により行うことができる。しかし、袋体2を焼嵌め、接着剤などによりカテーテル3に接続することも可能である。本実施例においては、袋体2がコネクター31の外側に配置されている。しかし、コネクター31は、カテーテル3の長尺チューブ32の一部を超えて突出した下方端部であってもよい。その場合、袋体2はこの突出部の内側に接続させることができる。
【0050】
本実施例において、カテーテルルーメンは、このコネクターの開口部を封止するように配置されたキャップ又はカバー4により閉塞自在になっている。しかし、上記ルーメンの封止を他の方式で同様に行うことができる。例えば、破断可能な膜を上記ルーメンの何処かに配置させてもよい。
【0051】
袋体2は、使用に際しカテーテル3を露出させるためにこの袋体の開口を容易にするための開口手段を含むことが好ましい。この開口手段は、引張りタブなどの握りハンドル24に接続された引裂き線23を含むものであってもよい。これによって、ユーザーは握りハンドル24を引っ張り上記袋体の側壁部を引裂き開口させる。その他、握りハンドルは裂き線の反対側端部に配置させてもよい。しかし、その他の開口手段も可能であり、例えば、引裂き線を異なる様式で配置させたもの、剥離用継ぎ目などである。更に、この袋体を、捩り又は捻り操作などにより、例えば、上記コネクターとは反対側の袋体の端部を捩り又は捻りなどで開口させるように構築することもできる。
【0052】
好ましくは、上記袋体はプレート様部材25を含み、これは取っ手および握り手段として使用される。このプレート様部材は印刷された情報を記載するのに使用することもできる。例えば、使用指示書、製品名、バッチ番号、生産者名などの1つ又は幾つかを記載するために使用することができる。本実施例において、このプレート様部材はカテーテルコネクター31の反対側の袋体2の端部に配置されている。
【0053】
本実施例によるカテーテル3の湿潤化方法において、使用者はカテーテルの区画、すなわち、カテーテルを収容する袋体の区画を開口し、カテーテルの湿潤化のために挿入可能端部に湿潤用流体を適用し、それによりカテーテル装着のために活性化させる。カテーテルの湿潤化のため異なる方法を採用することも可能である。例えば、上記カテーテル・アッセンブリー1のコネクター端部を、キャップ4を取り除くことにより開口させてもよい。その後、湿潤用流体がカテーテルルーメンを介して導入することができる。このようにして活性化を行った後、袋体2を引裂き開口させ、カテーテルを患者への挿入のために取り出すことができる。その他、袋体2を直接、開口させ、カテーテル3を取り出し、湿潤用流体をこのカテーテル表面に直接、適用してもよい。
【0054】
開口させた後、上記袋体を裂き開き、カテーテルを取り出してもよいし、あるいはカテーテルに接続されたままでもよい。袋体を裂き開こうとする場合、脆弱部を設けて袋体の除去を容易にしてもよい。この袋体は、上記カテーテルとこの袋体との間の接続部でカテーテルから分離してもよいし、あるいはこの袋体を引裂いてもよい。この後者の場合は、袋体の一部はカテーテルに接続されたままとなる。
【0055】
活性化させ、少なくとも先端部を袋体2から取り外した後、カテーテル3はついで患者の尿道中に挿入される。
【0056】
次に、図2を参照して、カテーテル・アッセンブリーの第2の実施例について説明する。この実施例において、カテーテル・アッセンブリーは大略的に第1の実施例のものに類似している。しかし、この実施例において、カテーテル・アッセンブリーは湿潤用流体260を収容した湿潤用流体容器250を更に含む。この湿潤用流体容器は上記袋体の別の区画中に形成されており、湿潤用流体保持区画とカテーテル保持区画との間に、破断自在な分離壁251が配置されている。この分離壁をこれら区画間に剥離自在な継ぎ手を設けることにより提供することができる。
【0057】
湿潤用流体容器250を形成する袋体の少なくとも一部は気密に封止され、ガス非透過性材料で形成されることが好ましい。例えば、以下のようなガス非透過性材料の1つ又は幾つかを使用することができる。すなわち、アルミニウム箔積層体、ポリ塩化ビニリデン、又は金属化ポリエチレン・テレフタレートのような金属化フィルム又は酸化ケイ素被覆フィルムを含むラミネート、又は酸化アルミニウムを含むラミネートを挙げることができる。
【0058】
湿潤用流体の好ましい例は、滅菌水又は塩溶液である。
【0059】
本実施例によるカテーテルの湿潤方法において、ユーザーはこの湿潤用流体容器250に対して圧縮力を加えて破断自在な分離壁を開口させ、それにより湿潤用流体をカテーテル区画内に導入させる。好ましくは、湿潤用流体容器250には、カテーテルの挿入可能部分が湿潤用流体で十分に濡らされるように、十分な量の湿潤用流体が収容される。
【0060】
湿潤用流体をカテーテル区画中に解放させたのち、この袋体を開口させることができ、その後、カテーテルを取り出し、カテーテル装着のために使用される。この袋体は裂き開き、カテーテルを取り出したり、あるいはこの袋体を、カテーテルを接続したままにしてもよい。
【0061】
次に、図3を参照して、カテーテル・アッセンブリーの第3の実施例について説明する。この実施例において、カテーテル・アッセンブリーは大略的に第2の実施例のものに類似しており、湿潤用流体360を収容した湿潤用流体容器350を有する。しかし、この実施例においては、湿潤用流体360は袋体の別の区画に形成されておらず、カテーテルを保持する区画と一体化されている。それ故、カテーテルは製造時に既に活性化され、活性化された即使用可能な状態に維持されている。このように、この実施例において、親水性表面層は袋体に収容されている間に湿潤状態で保存され、即使用可能なカテーテル・アッセンブリーが提供される。この湿潤状態を維持するため、この袋体およびカテーテルにより形成された区画が気密に封止され、この袋体がガス非透過性であることが好ましい。
【0062】
使用に際し、この袋体を単に開口し、カテーテルを直ちに患者に導入させることができる。
【0063】
次に、図4を参照して、カテーテル・アッセンブリーの第4の実施例について説明する。この実施例において、カテーテル・アッセンブリーは大略的に図2の第2の実施例のものにほぼ類似しており、湿潤用流体460を収容した湿潤用流体容器450を有する。しかし、この実施例において、湿潤用流体容器450は袋体とは別に袋体の外側に別の区画として形成されている。つまり、湿潤用流体容器450はコネクターに配置されていて、湿潤用流体容器とカテーテル区画との間の液体の接続が破断自在な分離壁451により防止されている。この分離壁は湿潤用流体容器の開口部上に配置された破断自在又は剥離自在な薄膜であってもよい。この分離壁は、湿潤用流体容器に対する捩り、押圧又は引張りなどの適用により破断されるように配置させることができる。好ましくは、この湿潤用流体容器はコネクターの開口端部に配置、封止され、カバーとしても機能するようにし、このカテーテル区画を封止状態に維持させる。更に、破断自在な分離壁451をカテーテルのコネクターに接続された状態に配置してもよく、その場合、湿潤用流体容器を上記コネクター内に向けて更に押圧することにより分離壁を破断させることができる。
【0064】
本実施例によるカテーテルの湿潤化方法において、ユーザーは押圧力を湿潤用流体容器に向けて押圧力を加え、それにより破断自在な分離壁を開口させ、湿潤用流体を、カテーテルルーメンを介してカテーテル区画中に導入させる。好ましくは、湿潤用流体容器には、カテーテルの挿入可能部分が湿潤用流体で十分に濡らされるように、十分な量の湿潤用流体が収容される。
【0065】
湿潤用流体をカテーテル区画中に解放させた後、湿潤用流体容器450を破棄し、袋体を開口させることができる。その後、カテーテルを取り出し、装着のために使用される。この袋体は裂き開き、カテーテルを取り出したり、あるいはこの袋体を、カテーテルを接続したままにしてもよい。
【0066】
次に、図5を参照して、カテーテル・アッセンブリーの第5の実施例について説明する。この実施例において、カテーテル・アッセンブリー510は、好ましくは透明な可撓性プラスチック材料からなる湿潤用袋体又はバッグ520を含む。この袋体520は、前方端部に向けて下方に延出する長尺ポケット521と、開口端部522(図5b参照)とを具備してなる。
【0067】
先に説明した実施例同様に、カテーテル・アッセンブリー510は更に、カテーテル、好ましくは親水性尿カテーテル530を含む。しかし、この場合、異なるタイプのコネクター531が使用され、他の装置、例えば尿収集バッグ、排水チューブなどとの接続のための異なるタイプの接続界面がこのコネクター531に設けられている。
【0068】
このカテーテル袋体520は長尺ポケット521内にカテーテルチューブを収容するように形成され、開口端522の開口部は、コネクター又はカテーテルの後端531に接続され、かつ、閉じられるようになっている。これにより、袋体はカテーテル530の少なくとも挿入可能長を覆うが、カテーテルの一部を上記袋体の外に残すようになっている。このカテーテルの一部には上記接続界面が含まれる。
【0069】
前述のように、ルーメンは、上記コネクター開口部を密封するように配置されたキャップ又はカバーにより閉塞されるようにすることができる。しかし、この実施例において、破断可能な薄膜が上記ルーメンのどこかに、好ましくは上記接続界面近傍に、配置されていることが好ましい。それによりこの薄膜は、上記コネクターを、カテーテルに接続されるべき装置の対応する接続ユニットに接続させたときに、自動的に破断されるように配置させることができる。
【0070】
本実施例において、カテーテル・アッセンブリーは同じく、湿潤用流体560を収容した湿潤用流体容器550を具備している。この場合、湿潤用流体容器は上記コネクターと一体化した区画として形成される。好ましくは、この区画壁部520の少なくとも或る部分はコネクターユニットと一体化されており、他方、少なくとも1つの壁部510は上記袋体により形成される。この袋体により形成された壁部はこの場合、破断自在な分離壁を形成するものでもよい。
【0071】
図5に示す好ましい実施例において、湿潤用流体容器550の1側壁は接続界面を形成する壁部531により形成され、他の3つの側壁552はコネクターと一体的に形成され、袋体の内側に配置されている。更に、底面554はコネクターと一体的に形成され、他方、上面は袋体により形成された別の壁面として形成されている。上記の複数の壁面により形成された区画内に湿潤用流体が貯蔵される。好ましくは、上記区画はカテーテルルーメンの周りに形成され、この場合、チューブ553がコネクター界面と、カテーテルの長尺チューブとの間の液体的連通を提供するために上記区画内に配置されている。この湿潤用流体容器は、そこから湿潤用流体を袋体の長尺ポケット中に排出させカテーテルを濡らすことができるように操作可能となっている。例えば、分離用壁部と湿潤用流体容器の他の部分との間の接合を剥離可能とすることにより上述のように操作可能な容器を提供することができる。つまり、分離用壁部と湿潤用流体容器の他の部分との間に相対的な力を加えることにより上記分離用壁部を剥離、開口させることができ、それにより湿潤用流体を上記袋体の他の部分に排出させることができる。このような力の適用はハンドル526などを設けることにより行うことができる。その場合、ハンドル526を上記袋体の他の部分との関連で引っ張ることにより上記分離用壁部555を湿潤用流体容器から剥離、開口させることができる。この状態が図5cに模式的に描かれている。
【0072】
本実施例においても、袋体はカテーテルを取り出し使用するために、袋体の開口を容易にするための開口手段を含む。この開口手段は、1又は数個の脆弱領域、例えば、引裂き線523a、523bからなるもので、それらが1又は数個の握りハンドル524、例えば引張りタブに接続されたものでもよい。
【0073】
袋体からのカテーテルの取り出し、および患者の尿道へのカテーテルの挿入を容易にするため、例えば、引裂き線などの脆弱領域523a、523bの少なくとも1つを、長尺ポケットの領域中の袋体に設けることが好ましい。なお、この長尺ポケットは湿潤用流体を収容するために配置され、その中にカテーテルが配置される。最も好ましくは、2つのこのような脆弱領域523a、523bが設けられ、かつ、これらの領域は袋体の長手方向に沿って離間されている。この袋体の中間部分は、尿道へ挿入する際に濡れたカテーテルを案内し、保持するための挿入補助として使用することができる。従って、尿道への挿入するためにカテーテル530を直接的に取扱う必要はない。このことは、カテーテル530の外面が濡らし操作のために滑り易くなって握ることが困難になるから、有利である。更に、この段階でのカテーテル530の汚染の可能性を回避することができ、それによりカテーテルの清浄性および滅菌性を維持することができる。
【0074】
引張りタブ524、525は、上記袋体の引裂き、開口を容易にするために上記脆弱領域の一方又は双方の側に配置することができる。
【0075】
本実施例によるカテーテルの湿潤化方法において、ユーザーはハンドル526を引っ張り、それにより分離用壁部555を剥離、開口させ、湿潤用流体をカテーテル区画内に排出させる。好ましくは、湿潤用流体容器にはカテーテルの挿入可能な長さ部分が十分に濡れるように十分な量の湿潤用流体が収容される。
【0076】
湿潤用流体をカテーテル区画内に放出させたのち、上記袋体を開口させることができ、その一部を上述のようにアプリケータとして使用することもできる。
【0077】
次に、図6を参照して、カテーテル・アッセンブリーの第6の実施例について説明する。この実施例において、カテーテル・アッセンブリー610は、湿潤用袋体又はバッグ620を有し、これは透明可撓性プラスチック材料から作られている。この袋体620は、前方端部に向けて下方に延出する長尺のポケット621と、開口部を備えた開口部分622とを有する。
【0078】
前記実施例と同様に、このカテーテル・アッセンブリーは更に、カテーテル、好ましくは親水性尿カテーテル630を含み、これには他の装置、例えば尿収集バッグ、排水チューブなどとの接続のための接続界面が備えられている。カテーテル袋体620は、長尺ポケット621内にカテーテルチューブを収容するように図られ、開口部分622の開口部は、コネクター631又はカテーテル後端と接続され、かつ、これらにより閉じられるようになっている。これにより、少なくとも、カテーテルの挿入可能長さ部分を封止するが、カテーテルの少なくとも一部が袋体の外に残すようになっている。なお、このカテーテルの一部には接続界面が含まれる。
【0079】
前述のように、ルーメンは、コネクター開口部を密封するように配置されたキャップ又はカバーにより閉じられるようになっている。しかし、この実施例において、破断可能な薄膜が上記ルーメンのどこかに、好ましくは上記接続界面近傍に、配置されていることが好ましい。それによりこの薄膜は、上記コネクターを、カテーテルに接続されるべき装置の対応する接続ユニットに接続させたときに、自動的に破断されるように配置させることができる。
【0080】
このカテーテル・アッセンブリーは同じく、湿潤用流体660を収容した湿潤用流体容器650を具備している。この場合、湿潤用流体容器はカテーテルを収容した区画から離れた袋体の区画内に形成される。上記湿潤用流体容器650は本実施例において、カテーテルから後方に延びた袋体の一部、すなわち、カテーテルのコネクター部分の背後、に配置される。上記袋体の後方部分は、カテーテルを収容する前方部分と流体連通していることが好ましい。この液体的連通は、カテーテルコネクターを通過する少なくとも1つのチャンネル626を設けることにより達成される。好ましくは、このチャンネル626を2つ、コネクターの両側にそれぞれ配置させる。それにより、上記袋体は開口部627を画成することになり、その中にカテーテルの突出部が位置することになる。
【0081】
上記袋体の湿潤用流体区画は、破断可能な分離壁651により、カテーテルを保持する区画から分離されている。この分離壁651は区画相互間の分離可能な接合部、例えば、区画を形成する他の溶接部よりも小さい強度の溶接部、により形成することができる。これにより、湿潤用流体容器を押圧することにより、又はカテーテル・アッセンブリーの端部間に引張り力を加えることにより、湿潤用流体を上記袋体の他の区画内に排出させることができる。
【0082】
より強力な、好ましくはガス非透過性の湿潤用流体区画を達成するために、この区画の周りに付加的カバー660を配置させることが好ましい。この付加的カバーは、上記袋体内に形成された区画の内側に配置させることができるが、上記袋体の湿潤用流体区画部分の上に配置された外側カバーとして配置させることが好ましい。このような付加的カバーは非常に有利であり、この概念について以下に更に詳述する。
【0083】
本実施例においても、袋体はカテーテルを取り出し使用するために、袋体の開口を容易にするための開口手段を含むことができる。この開口手段は、1又は数個の脆弱領域、例えば、引裂き線623a、623bからなるもので、それらが1又は数個の握りハンドル624a、例えば引張りタブに接続されたものでもよい。この開口手段は上記袋体からカテーテルを除去し、患者の尿道への挿入を容易にするのに使用される。
【0084】
更に、その他又は加えて、開口手段はカテーテルの先端部近傍に配置させることができる。この開口手段は、タブ624bに接続された剥離可能な接合部623cを含むものであってもよく、この場合、このタブ624bはこの接合部のエッジから延出し、このタブ相互間を引き剥がすことにより開口することができ、それにより上記袋体の箔製壁相互間を分離するものである。好ましくは、上記袋体は、箔製壁相互間を可なりの程度分離することができるように構成され、それによりこの開口プロセスの間、カテーテルの挿入可能部分の基本的部分、好ましくは全体を露出させることができる。カテーテル630を尿道に挿入する際において、カテーテル630を直接的に取扱う必要もなくなり、このことは、カテーテル630の外面が濡らし操作のために滑り易くなって握ることが困難になるから、有利である。更に、この段階でのカテーテル630の汚染の可能性を回避することができ、それによりカテーテルの清浄性および滅菌性を維持することができる。
【0085】
カテーテル・アッセンブリーの端部の少なくとも一方、好ましくは双方に握り手段、例えば開口部670を設け、カテーテル・アッセンブリーの取り扱いを容易にすることが好ましい。
【0086】
本実施例によるカテーテルの湿潤化方法において、ユーザーは湿潤用流体区画650を例えば押圧し、それにより図6bに示すように分離用接合部651を強制的に開口させ、湿潤用流体をカテーテル区画内に排出させる。好ましくは、湿潤用流体容器にはカテーテルの挿入可能な長さ部分が十分に濡れるように十分な量の湿潤用流体が収容される。
【0087】
湿潤用流体をカテーテル区画内に放出させた後、上記袋体を例えば上述のように先端部で開口し、カテーテルを挿入する。
【0088】
次に、図7を参照して、カテーテル・アッセンブリーの第7の実施例について説明する。この実施例において、カテーテル・アッセンブリー710は、湿潤用袋体又はバッグ720を有し、これは透明可撓性プラスチック材料から作られている。この袋体720は、前方端部に向けて下方に延出する長尺のポケット721と、開口部を備えた開口部分722とを有する。
【0089】
前記実施例と同様に、この湿潤化装置は更に、カテーテル、好ましくは親水性尿カテーテル730を含み、これには他の装置、例えば尿収集バッグ、排水チューブなどとの接続のための接続界面が備えられている。カテーテル袋体は、長尺ポケット721内にカテーテルチューブを収容するように図られ、開口部分722の開口部は、コネクター又はカテーテル後端と接続され、かつ、これらにより閉じられるようになっている。これにより、少なくとも、カテーテルの挿入可能長さ部分を封止するが、カテーテルの少なくとも一部が袋体の外に残すようになっている。なお、このカテーテルの一部には接続界面が含まれる。
【0090】
前述のように、ルーメンは、コネクター開口部を密封するように配置されたキャップ又はカバーにより閉じられるようになっている。しかし、前記実施例6と同様に、この実施例においても、破断可能な薄膜が上記ルーメンのどこかに、好ましくは上記接続界面近傍に、配置されていることが好ましい。
【0091】
本実施例においても、袋体はカテーテルを取り出し使用するために、袋体の開口を容易にするための開口手段を含むことができる。この開口手段は、1又は数個の脆弱領域、例えば、引裂き線723a、723bからなるもので、それらが1又は数個の握りハンドル724a、例えば引張りタブに接続されたものでもよい。この開口手段は上記袋体からカテーテルを除去し、患者の尿道への挿入を容易にするのに使用される。
【0092】
更に、その他又は加えて、開口手段はカテーテルの先端部近傍に配置させることができる。この開口手段は、タブ724bに接続された剥離可能な接合部723cを含むものであってもよく、このタブ724bはこの接合部のエッジから延出し、このタブ相互間を引き剥がすことにより開口することができ、それにより上記袋体の箔製壁相互間を分離する。好ましくは、上記袋体は、箔製壁相互間を可なりの程度分離することができるように構成され、それによりこの開口プロセスの間、カテーテルの挿入可能部分の基本的部分、好ましくは全体を露出させることができる。カテーテル730を尿道に挿入する際において、カテーテル730を直接的に取扱う必要もなくなり、このことは、カテーテル730の外面が濡らし操作のために滑り易くなって握ることが困難になるから、有利である。更に、この段階でのカテーテル730の汚染の可能性を回避することができ、それによりカテーテルの清浄性および滅菌性を維持することができる。
【0093】
袋体の他端、好ましくはカテーテルの基端に比較的近い位置に、更なる開口手段を配置してもよい。この開口手段は、袋体のエッジから延出したタブ724cに接続された剥離可能な接合部723dを含み、これらタブを剥すことにより開口することができ、それにより袋体の箔製壁を分離することができる。この開口手段は、カテーテルを使用のために濡らし、活性化させる場合に、袋体の湿潤用流体受理区画内に湿潤用流体を導入するための湿潤用流体導入開口部を提供するのに使用することができる。
【0094】
湿潤用流体導入開口部を提供するための開口手段は、カテーテルから後方に延びた袋体の一部、すなわち、カテーテルのコネクター部分の背後、に配置させることが好ましい。上記袋体の後方部分は、カテーテルを収容する前方部分と流体連通していることが好ましい。この液体的連通は、カテーテルコネクターを通過する少なくとも1つのチャンネル726を設けることにより達成される。好ましくは、このチャンネル726を2つ、コネクターの両側にそれぞれ配置させる。それにより、上記袋体は開口部627を画成することになり、その中にカテーテルの突出部が位置することになる。このような構成により、湿潤用流体導入開口部を比較的大きくすることができ、それにより湿潤用流体の導入が容易になる。
【0095】
カテーテル・アッセンブリーの端部の少なくとも一方、好ましくは双方に、握り手段、例えば開口部770を設けてカテーテル・アッセンブリーの取り扱いを容易にすることが好ましい。
【0096】
本実施例によるカテーテルの湿潤化方法において、ユーザーはタブ724cを引っ張ることにより湿潤用流体導入開口部を開口し、それにより剥離可能な接合部を強制的に開口させる。その後、図7bに示すように湿潤用流体をカテーテル区画内に容易に導入させることができる。
【0097】
湿潤用流体をカテーテル区画内に導入させた後、上記袋体を例えば上述のように先端部で更に開口させ、カテーテルを患者内に挿入させる。
【0098】
上述のカテーテル・アッセンブリーは酸化エチレンを用いて滅菌することができる。このアッセンブリーが、滅菌水又は塩溶液などの湿潤用流体を収容した容器を含む場合、この容器内の内容物を滅菌することは通常、必要とせず、求められてもいない。従って、この容器の材料は酸化エチレンおよび水に対し不透過性であることが好ましい。このような要件を満たす材料の非制限的例は、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、アルミニウム箔積層体又は金属化ポリエチレン・テレフタレートのような金属化フィルムを含むラミネート、又はケイ素被覆フィルムを含むラミネートなどである。勿論、その他の滅菌法、例えば放射線照射などを代わりに使用することもできる。この場合、容器内の液体を、カテーテル・アッセンブリーの残りの部材と同時に、その場で滅菌することができる。スチーム処理もこの滅菌に使用することができる。
【0099】
上述のような種々のカテーテル・アッセンブリーの製造は比較的簡単である。基本的に、その製造方法は、開口部を有する袋体、およびカテーテルを供給する工程を含む。その後、このカテーテルを部分的に上記袋体内に導入し、袋体をこのカテーテルに接続させ、それにより上記開口部を閉塞し、このカテーテルの少なくとも一部をこの袋体の外に突出させる。
【0100】
上述のようなカテーテル・アッセンブリーにおいて、上記袋体は、実際には、その一部が上記カテーテルの一部により形成された袋体として見做すことができる。しかし、そのことは、以下のような図8ないし10を参照して説明する実施例については適用されない。
【0101】
付加的カバーを備えた湿潤用流体容器を有するカテーテル・アッセンブリー:
図6を参照して既に説明したように、付加的カバー660を袋体の湿潤用流体区画の周りに配置させることは有益なことである。
【0102】
この付加的カバーは上記袋体内に形成された区画の内側に配置させることができるが、好ましくは、これを上記袋体の湿潤用流体区画部分上に外側カバーとして配置する。この付加的カバーの採用により、袋体の材料に対する要件が軽減され、その材料がガス非透過性である必要は最早、なくなる。つまり、この付加的カバーが、貯蔵の間において上記区画中の湿潤用流体の気化を軽減し、湿潤用流体を維持するのに必要な区画壁部のガス非透過性を提供することになる。
【0103】
この付加的カバーは更に、カテーテルおよびカテーテル・アッセンブリーの他の部分の滅菌のために使用される滅菌剤に対し、湿潤用流体を保護するものとして使用することができる。本発明の湿潤装置を滅菌するのに使用することができる典型的な滅菌剤は酸化エチレンである。更に、液体容器内の液体は通常、包装時に既に滅菌されており、更に滅菌する必要はない。更に、この滅菌剤は湿潤用流体に曝されたとき、湿潤用流体中に望ましくない残留生成物を残留させることになる。これらの理由から、湿潤用流体容器の上記付加的カバーは、酸化エチレン並びに内部に収容されている液体に対し非透過性又は実質的に非透過性の材料から作られることが望ましい。この条件を満足する材料の非限定的な例は、上記液体が水又は塩溶液の場合、アルミニウム箔積層体、ポリ塩化ビニリデン、又は金属化ポリエチレン・テレフタレートのような金属化フィルム又は酸化ケイ素被覆フィルムを含むラミネート、又は酸化アルミニウムを含むラミネートなどである。
【0104】
上記付加的カバーは、接着剤、溶接又は任意の他の適当な接続手段により上記区画に取着することができる。
【0105】
従って、このカテーテル・アッセンブリーの製造方法において、上記袋体が製造され、ついで以下に更に詳述するようにカテーテルがこの袋体内に配置される。更に、湿潤用流体が湿潤用流体区画内に導入され、上記付加的カバーが湿潤用流体区画の外側に配置される。ついで、カテーテル・アッセンブリーが滅菌され、その場合、この付加的カバーが湿潤用流体を滅菌剤から保護するものとして作用する。
【0106】
上述のように、上記付加的カバーを他のタイプのカテーテル・アッセンブリーに使用することもできる。例えば、上記袋体内にカテーテルが完全に封入されたカテーテル・アッセンブリー、又はカテーテルのコネクターが袋体の別の区画内に配置されたカテーテル・アッセンブリーなどである。
【0107】
次に、図8を参照して、カテーテル・アッセンブリーの第8の実施例について説明する。この実施例は、多くの点で図6を参照して説明した実施例と類似している。図8に示した実施例が図6に示した実施例と異なる最も重要な点は、図8に示した実施例においてカテーテル全体が上記袋体内に封入されている点、および湿潤用流体区画が多少異なる様式で構成されている点である。
【0108】
この実施例において、カテーテル・アッセンブリー810は、好ましくは透明可撓性プラスチック材料からなる湿潤用袋体又はバッグ820を含む。上記袋体820は先端が下方に延出する長尺ポケット821を具備してなるものである。
【0109】
前述の実施例と同様に、カテーテル・アッセンブリーは更に、カテーテル、好ましくは親水性尿カテーテル830を含み、これに他の装置、例えば尿収集バッグ、排水チューブなどとの接続のための接続界面が設けられている。カテーテル袋体820はカテーテルを収容するよう構成され、少なくともカテーテルチューブが長尺ポケット821内に収容されている。それ故、この実施例において、上記袋体はカテーテルの全長を封入している。
【0110】
このカテーテル・アッセンブリーは同じく、湿潤用流体(図示しない)を収容した湿潤用流体容器850を具備している。この場合、湿潤用流体容器はカテーテルを収容した区画から離れた袋体の区画内に形成される。上記湿潤用流体容器850は本実施例において、カテーテルから後方に延びた袋体の一部、すなわち、カテーテルのコネクター部分の背後、に配置される。上記袋体の後方部分は、カテーテルを収容する前方部分と流体連通していることが好ましい。この液体的連通は、カテーテルを収容する袋体の区画を湿潤用流体容器に対する分離に向けて後方に開口させることにより達成される。
【0111】
上記袋体の湿潤用流体区画は、破断可能な分離壁851により、カテーテルを保持する区画から分離されている。この分離壁851は、この場合、区画相互間の分離可能な接合部により、例えば、以下に詳述するような様式により形成することができる。この場合、湿潤用流体容器を押圧することにより、又はカテーテル・アッセンブリーの端部間に引張り力を加えることにより、湿潤用流体を上記袋体の他の区画内に排出させることができる。
【0112】
より強力な、好ましくはガス非透過性の湿潤用流体区画を達成するために、この区画の周りに付加的カバー860を配置させる。この付加的カバーは、上記袋体の湿潤用流体区画部分の上に配置された外側カバーとして配置させる。このような付加的カバーは非常に有利であり、この概念については図6を参照して既に詳述している。
【0113】
本実施例において、2枚の外側カバー材料が、湿潤用流体容器を形成する袋体の部分上に配置されている。好ましくは、これら外側カバー材料シートは、基本的に、袋体の湿潤用流体容器部分のみを覆うような寸法のものとする。しかし、より大きいシート、すなわち、上記袋体全体を覆うことができるも可能であり、更に、湿潤用流体区画の一部のみを覆うことができるところのより小さいシートを使用することも考えられる。更に、カバー材料の折り畳まれたシートを、上述のような2つの別々のシートの代替物として使用してもよい。
【0114】
上記外側カバーの取着を上述のように、異なる様式で行うことができる。本実施例において、カバーシートは、図9の断面図に明示されているように、その端部にて袋体に溶接されている。従って、好ましくは、シートは、袋体を形成する溶接部近傍にて袋体に溶接される。
【0115】
本実施例においても、袋体はカテーテルを取り出し使用するために、袋体の開口を容易にするための開口手段を含むことができる。この開口手段は、1又は数個の脆弱領域、例えば、引裂き線823a、823bからなるもので、それらが1又は数個の握りハンドル824a、824a´、例えば引張りタブに接続されたものでもよい。この開口手段は上記袋体からカテーテルを除去し、患者の尿道への挿入を容易にするのに使用される。
【0116】
更に、その他又は加えて、開口手段はカテーテルの先端部近傍に配置させることができる。この開口手段は、タブ824bに接続された剥離可能な接合部823cを含むものであってもよく、この場合、このタブ824bはこの接合部のエッジから延出し、このタブ相互間を引き剥がすことにより開口することができ、それにより上記袋体の箔製壁相互間を分離するものである。好ましくは、上記袋体は、箔製壁相互間を可なりの程度分離することができるように構成され、それによりこの開口プロセスの間、カテーテルの挿入可能部分の基本的部分、好ましくは全体を露出させることができる。カテーテル830を尿道に挿入する際において、カテーテル830を直接的に取扱う必要もなくなる。
【0117】
上記袋体の他端に、好ましくはカテーテルの基端に比較的隣接させながら、湿潤用流体区画の他の側に、更なる開口手段を配置させることができる。この開口手段は、例えば、袋体のエッジ部から延出するタブ824cに接続された剥離可能な接合部823dを含み、これらタブ相互間を剥離させることにより開口させ、それにより上記袋体の箔製壁部間を分離させることができる。この開口手段は、湿潤用流体を放出させた後、袋体の基端からカテーテルを取り出すのに使用することができる。
【0118】
カテーテル・アッセンブリーの端部の少なくとも一方、好ましくは双方に握り手段、例えば開口部870を設け、カテーテル・アッセンブリーの取り扱いを容易にすることが好ましい。
【0119】
本実施例によるカテーテルの湿潤化方法は、図6を参照して説明した湿潤化方法と類似している。湿潤用流体をカテーテル区画内に放出させた後、上記袋体を例えば上述のように先端部で開口し、カテーテルを挿入する。
【0120】
改良された破断制御を備えた湿潤用流体容器を有するカテーテル・アッセンブリー:
例えば図6に示すように、カテーテル・アッセンブリーは、親水性カテーテルと、このカテーテルの少なくとも一部を収容するためのキャビティを形成するカテーテル袋体と、湿潤用流体を収容する区画とを具備してなり;該区画が上記カテーテル袋体の一体化された一部を形成するが上記キャビティとは分離されていることを特徴とする。このカテーテル・アッセンブリーにおいて、上記湿潤用流体区画と、上記カテーテルを収容するキャビティとの間の分離が破断可能な封止部を形成するものであることが有利であり、その場合、破断が所定の部位で誘起されるように少なくとも1つの脆弱部を上記封止部に形成し、上記湿潤用流体区画と、上記カテーテルを収容するキャビティとの間に流体連通が形成されるようにする。
【0121】
図6に示すカテーテル・アッセンブリーにおいて、湿潤用流体容器650はカテーテルを収容した区画から離れた袋体の区画内に形成される。この湿潤用流体容器650は本実施例において、カテーテルから後方に延びた袋体の一部、すなわち、カテーテルのコネクター部分の背後、に配置される。上記袋体の後方部分は、カテーテルを収容する前方部分と流体連通していることが好ましい。上記袋体の湿潤用流体区画は、破断可能な分離壁651により、カテーテルを保持する区画から分離されている。この分離壁651は区画相互間の分離可能な接合部、例えば、区画を形成する他の溶接部よりも小さい強度の溶接部、により形成することができる。その結果、全溶接継ぎ目が、すなわち、カテーテル区画に対向する接合部の部分が全体的に脆弱化される。例えば、湿潤用流体区画を手で押圧することにより、あるいはカテーテル・アッセンブリーの末端部相互間を引っ張ることにより破断が誘起されたとき、その破断がこの所定部位に必然的に発生し、カテーテル・アッセンブリー製品の意図する機能が確実に起生されることになる。
【0122】
この破断プロセスのより良好な制御を達成するため、脆弱部の領域を更に狭くすることができる。この脆弱部は、限られた数の不連続点、例えば、1、2又は最大3の点で最大となるようにすることが好ましい。しかし、この脆弱部の箇所も限られた領域に亘って均一に分布させてもよい。その場合、脆弱化領域を接合部の長さの10%未満、より好ましくは5%未満、最も好ましくは1%未満に亘って分布させることが好ましい。
【0123】
図6に示す実施例において、脆弱部は接合部の長さの本質的に1点にまで最大に狭くされている。これは接合部の非直線的幾何学的配置により達成される。この接合部はここでは、上記湿潤用流体区画に向けられた1つの屈折点でアレンジされている。この屈折点は上記湿潤用流体区画に向けられた1つの鈍角をなす頂点である。この頂点は最大脆弱領域を画定するものであり、従って、破断は必然的にこの点で起生され、それにより制御可能、かつ、予測可能な破断プロセスがもたらされることになる。
【0124】
図8を参照して説明した上記実施例において、同様の構成が提供される。この実施例において、破断可能な分離壁851が同じく、区画相互間の分離可能な接合部により形成される。この場合、湿潤用流体容器を押圧することにより、又はカテーテル・アッセンブリーの端部間に引っ張り力を加えることにより、湿潤用流体を上記袋体の他の区画内に排出させることができる。本実施例において、これは溶接幅の変化を伴った接合部の非直線的幾何学的配置により達成される。この接合部はここでは、上記湿潤用流体区画に向けられた1つの屈折点でアレンジされている。この屈折点は上記湿潤用流体区画に向けられた1つ鋭角をなす頂点である。この頂点は最大脆弱領域を画定するものであり、従って、破断は必然的にこの点で起生され、それにより制御可能、かつ、予測可能な破断プロセスがもたらされることになる。更に、この作用は溶接部の有利にアレンジした幅変化により助長される。本実施例において、この溶接部の幅は上記頂点領域で最小になっていて、両端に向けて次第に増大するようになっている。それ故、溶接部の強度は、このピーク領域で最小となり、それは溶接部の幾何学的配置により、分離応力が同じ場所で最大になるのと合致する。従って、2つのパラメータ、すなわち、溶接幅および幾何学的配置が協同して、非常に予測可能、かつ、容易に破断可能な分離壁を形成することになる。
【0125】
区画相互間の望ましい破断可能な継ぎ目を形成するのに、多くの異なる変形例が考えられる。それらの変形例の幾つかを図10を参照して説明する。
【0126】
図10aにおいて、ここに記載された分離用接合部は上記湿潤用流体区画に向けられた1つの屈折点を含む。この屈折点は上記湿潤用流体区画に向けて尖ったピーク部であり、1つの鈍角をなす。このピーク部は最大応力蓄積領域、従って最大脆弱領域を画定するものであり、従って、破断は必然的にこの点で起生され、それにより制御可能、かつ、予測可能な破断プロセスがもたらされることになる。
【0127】
図10bにおいて、ここに記載された分離用接合部は溶接部の幅を変化させたものからなる。本実施例において、溶接部の幅が接合部の中央で基本的に最小となっていて、両側に向けて徐々に増大している。この場合、溶接部の強度は幅が最も小さい部位が最小となる。従って、破断は必然的にこの点で起生され、それにより制御可能、かつ、予測可能な破断プロセスがもたらされることになる。
【0128】
図10cにおいて、ここに記載された分離用接合部は上記湿潤用流体区画に向けられた1つの屈折部を含む。この屈折部は上記湿潤用流体区画に向けられた内側に湾曲したピーク部である。このピーク部は最大応力蓄積領域、従って最大脆弱領域を画定するものであり、従って、破断は必然的にこの点で起生され、それにより制御可能、かつ、予測可能な破断プロセスがもたらされることになる。
【0129】
図10dにおいて、ここに記載された分離用接合部は上記湿潤用流体区画に向けられた二重の屈折点を含む。この接合部は上記湿潤用流体区画に向けて尖った2つのピーク部であり、それぞれ鋭角をなす。これらのピーク部は最大応力蓄積領域、従って最大脆弱領域を画定するものであり、従って、破断は必然的にこれらの内の1点又は双方で起生され、それにより制御可能、かつ、予測可能な破断プロセスがもたらされることになる。
【0130】
図10eにおいて、ここに記載された分離用接合部は2つの溶接部を含み、その内の一方に不連続部が設けられている。本実施例において、この中断部が内側の溶接部に設けられ、かつ、本質的にその中央部に形成されている。この場合、接合部の強度はこの中断領域が最小となっており、従って、破断は必然的にこの領域で起生され、それにより制御可能、かつ、予測可能な破断プロセスがもたらされることになる。
【0131】
図10fにおいて、ここに記載された分離用接合部は異なる品質又は溶接強度の溶接部を含む。本実施例においては、この溶接部の一部が他の部分よりも品質が劣化され、強度が弱くなっており、かつ、その脆弱部が接合部の実質的中央に形成されている。この場合、接合部の強度はこの弱い溶接部の領域で最小となっており、従って、破断は必然的にこの領域で起生され、それにより制御可能、かつ、予測可能な破断プロセスがもたらされることになる。
【0132】
当然、その他の変形例も同様に考え得る。更に、図8を参照して説明した実施例の場合のように、これら変形例の2又はそれ以上を組み合わせることができる。
【0133】
結論およびまとめ:
以上、本発明を種々の実施例との関連で説明したが、その他の更なる変形例も可能であることは当業者にとって自明であろう。例えば、上述の異なる実施例の特徴を種々の様式で組み合わせることも当然可能である。特に、本発明の種々の主な形態に関連して説明した特徴および具体例を、上記実施例で具体的に言及されていなくとも、他の形態との関連で使用することも可能である。更に、本発明の種々の主な形態を別々に、又は様々な組合せで使用することができる。
【0134】
更に、上記袋体を種々の方法でカテーテルと接続させることが可能であり、例えば、溶接、種々のタイプの接着剤、焼嵌めなどを利用することが可能である。更に、上記袋体をコネクター又はカテーテルチューブの一部と接続することも、カテーテルの挿入可能部分がこの袋体内に配置されている限り可能である。この後者の場合、カテーテルはコネクターを必ずしも具備することを必要としない。カテーテルは、上記袋体から少なくとも部分的に突出する部分を2以上有するものであってもよい。例えば、数個のコネクターをカテーテルに設ける場合である。
【0135】
更に、カテーテルは必ずしも親水性である必要もなく、他の型のカテーテルも同様に使用することができる。その場合、上記実施例との関連で説明した湿潤用流体に代わって、他のタイプの潤滑剤を使用することができる。更に、本発明を尿カテーテル以外の他のタイプのカテーテル、例えば脈管カテーテルなどにも適用することができる。
【0136】
カテーテル・アッセンブリーが湿潤用流体容器を含む場合、この容器を種々の様式で配置することができる。例えば、この容器を別体の容器としてもよい。このような容器は上記袋体内部に完全に封入させたり、部分的に封入させたり、完全に上記袋体の外側に配置させたりすることができる。その他、湿潤用流体容器が上記袋体の一体化区画であってもよい。この区画を、カテーテルの挿入可能部分を収容する区画から別にしてもよいし、そのような区画と一体化してもよい。後者の場合、カテーテルを湿潤化、活性化状態に維持させることができる。更に、湿潤用流体容器をカテーテルの先端部に接近させて、カテーテルの基端部に接近させて、あるいはカテーテル・アッセンブリーの他の適当な位置に配置させることができる。湿潤用流体をカテーテルの挿入可能部から離して配置させる場合、その分離壁又は接合部は例えば破断可能又は剥離可能な薄膜からなるものでよいが、その他の形態も当然、可能であり、例えば、着脱自在又は開口自在な種々のタイプのキャップ又は締め具でもよい。上記湿潤用流体容器は、捩り、押圧、引張りなどにより湿潤用流体を排出させるように構成させることができる。必ずしも必須のものではないが、使用目的に応じて、好ましくは、湿潤用流体を、袋体の破断又は引裂きを要することなく、排出させるようにすることができる。
【0137】
更に、上記の袋体を開口させる手段は任意のものでよく、例えば、引裂き線、剥離可能な接合部、破断可能な脆弱領域、着脱自在又は開口自在な種々のタイプのキャップ又は締め具などであってもよい。
【0138】
又、カテーテル・アッセンブリーの異なる部分について、多くの異なる材料を使用することもできる。
【0139】
上述のように、エチレンメッキをカテーテル・アッセンブリーの滅菌のために使用することができる。しかし、その他、種々の滅菌方法を代わりに使用することもできる。例えば、放射線を使用することができ、その場合、上記容器内の湿潤用流体をカテーテル・アッセンブリーの他の部材と同時に現場で滅菌することも可能である。蒸気滅菌処理もこの滅菌のために使用することも可能である。
【0140】
本発明の趣旨から逸脱することなく、上記同様の幾つかの他の変形例を使用し得ることは当業者にとって自明であろう。従って、そのような変形例も全て付記した特許請求の範囲に定義した本発明の一部であると理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面の少なくとも一部に親水性表面層を有し、使用前に湿潤用流体で処理することにより低摩擦表面特性を生じるカテーテル(3;530;630;730)と;
該カテーテルの少なくとも一部を収容するキャビティを形成するカテーテル袋体(2;520;620;720)と;
上記湿潤用流体を収容する区画であって、上記袋体の一体化部分を形成するが、上記キャビティから分離されているものと;
を具備してなり;
付加的外側層が上記袋体に取着され、該外側層は、上記湿潤用流体区画を形成する袋体の一部を少なくとも部分的に覆うように配置されていることを特徴とするカテーテル・アッセンブリー。
【請求項2】
該袋体が可撓性プラスチック材料から形成されている請求項1記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項3】
該袋体が透明材料から形成されている請求項1又は2記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項4】
該カテーテルが親水性尿カテーテルである請求項1ないし3のいずれかに記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項5】
該湿潤用流体区画が該カテーテルから後方に延出する袋体の一部に配置されている請求項1から4のいずれか記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項6】
該湿潤用流体区画を収容する袋体の後方部がカテーテルを収容する前方部と流体連通している請求項5記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項7】
上記湿潤用流体区画と上記カテーテルを収容する上記キャビティとの間の分離部が封止部を提供し、該封止部が該湿潤用流体区画と該キャビティとの間の流体連通を可能とするよう開口自在となっていて、それによりカテーテルの活性化がなされる請求項1ないし6のいずれかに記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項8】
該開口自在な封止部が区画相互間の分離可能な接合部により形成されている請求項7記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項9】
該付加的カバー材料がガス非透過性である請求項1ないし8のいずれかに記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項10】
該付加的カバー材料が、該アッセンブリーに対し使用される滅菌剤から該湿潤用流体を保護する請求項1ないし9のいずれかに記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項11】
該付加的カバー材料が酸化エチレンに対する保護作用を有するものである請求項10記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項12】
該付加的外側層が、該湿潤用流体区画を形成する袋体の実質的に全体を被覆するように設けられている請求項1ないし11のいずれかに記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項13】
該付加的外側層が、アルミニウム箔積層体、ポリ塩化ビニリデン、又は金属化ポリエチレン・テレフタレートのような金属化フィルム又は酸化ケイ素被覆フィルムを含むラミネート、又は酸化アルミニウムを含むラミネートから選択される少なくとも1種からなる請求項1ないし12のいずれかに記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項14】
該付加的外側層が、該袋体に対し接着剤を用いて取着されている請求項1ないし13のいずれかに記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項15】
該付加的外側層が、該袋体に対し溶接により取着されている請求項1ないし13のいずれかに記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項16】
該袋体が、それを開口させるための開口手段を含み、好ましくは、該開口手段が、該袋体と該カテーテルとの接続部と反対側の、袋体端部に配置されている請求項1ないし15のいずれかに記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項17】
該開口手段が剥離節を含む請求項16記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項18】
該開口手段が引裂き線を含む請求項16記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項19】
該カテーテル全体が該袋体の境界内に配置されている請求項1ないし18のいずれかに記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項20】
該カテーテルが、体の開口部に挿通される挿入可能な長さ部分をその一部に含み、該袋体が該カテーテルに接続されることにより該カテーテルの挿入可能な長さ部分を閉じるが、該カテーテルの少なくとも一部が該袋体の外に残るようになっている請求項1ないし18のいずれかに記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項21】
袋体を供給する工程と;
親水性カテーテルを供給する工程と;
上記袋体のキャビティ内に該カテーテルチューブの少なくとも一部を配置する工程と;
該袋体の一体化部分を形成するが該キャビティからは離れた区画内に、湿潤用流体を配置させる工程と;
付加的外側層を該袋体に取着することにより、該湿潤用流体区画を形成する該袋体の一部を少なくとも部分的に被覆する工程と;
を具備してなるカテーテル・アッセンブリーの製造方法。
【請求項22】
該アッセンブリーを滅菌するさらなる工程を含み、その間、該付加的外側層が湿潤用流体を滅菌剤から保護する請求項21記載の製造方法。
【請求項23】
表面の少なくとも一部に親水性表面層を有し、使用前に湿潤用流体で処理することにより低摩擦表面特性を生じるカテーテル(3;530;630;730)と;
該カテーテルの少なくとも一部を収容するキャビティを形成するカテーテル袋体(2;520;620;720)と;
上記湿潤用流体を収容する区画であって、上記袋体の一体化部分を形成するが、上記キャビティから分離されているものと;
を具備してなり;
該湿潤用流体区画と、該カテーテルを収容するキャビティとの間の分離部に、破断可能な封止閉塞部が設けられ;
該閉塞部が少なくとも1箇所の脆弱部を有し、それにより所定部位にて破断が起生され、該湿潤用流体区画と、該カテーテルを収容するキャビティとの間に流体連通が形成されるようになっていることを特徴とするカテーテル・アッセンブリー。
【請求項24】
該閉塞部が区画相互間の破断可能な接合部により形成されている請求項23記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項25】
該破断可能な接合部が、溶接幅の変化を有する溶接接合部からなり、それにより少なくとも1つの脆弱箇所を提供している請求項24記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項26】
該破断可能な接合部が、溶接強度の変化を有する溶接接合部からなり、それにより少なくとも1つの脆弱箇所を提供している請求項24記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項27】
該破断可能な接合部が、非直線的に形成され、それにより少なくとも1つの脆弱箇所を提供している請求項24記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項28】
該破断可能な接合部が、上記湿潤用流体区画に向けられた少なくとも1つの屈折点を有するように形成され、それにより少なくとも1つの脆弱箇所を提供している請求項27記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項29】
該屈折点が、上記湿潤用流体区画に向けられた尖ったピーク部からなる請求項28記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項30】
該尖ったピーク部が鈍角を形成するものである請求項29記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項31】
該尖ったピーク部が鋭角を形成するものである請求項29記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項32】
該屈折点が、上記湿潤用流体区画に向けて湾曲したピーク部からなる請求項28記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項33】
該袋体が可撓性プラスチック材料から形成されている請求項23ないし32のいずれかに記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項34】
該袋体が透明材料から形成されている請求項23ないし33のいずれかに記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項35】
該カテーテルが親水性尿カテーテルである請求項23ないし34のいずれかに記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項36】
該湿潤用流体区画が、該カテーテルから後方に延出した該袋体の一部に配置されている請求項23ないし35のいずれかに記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項37】
該湿潤用流体区画を収容する該袋体の後方部が、該カテーテルを収容する前方部と流体連通している請求項36記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項38】
付加的外側層が、該袋体に取着され、該湿潤用流体区画を形成する該袋体の部分を少なくとも部分的に被覆するように配置されている請求項23ないし37のいずれかに記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項39】
該付加的カバー材料がガス非透過性である請求項38記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項40】
該付加的カバー材料は、該アッセンブリーに対し使用される滅菌剤から該湿潤用流体を保護する請求項38又は39記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項41】
該付加的カバー材料が酸化エチレンに対する保護作用を有するものである請求項40記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項42】
該付加的外側層が、該湿潤用流体区画を形成する袋体の実質的に全体を被覆するように設けられている請求項38ないし41のいずれかに記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項43】
該付加的外側層が、アルミニウム箔積層体、ポリ塩化ビニリデン、又は金属化ポリエチレン・テレフタレートのような金属化フィルム又は酸化ケイ素被覆フィルムを含むラミネート、又は酸化アルミニウムを含むラミネートから選択される少なくとも1種からなる請求項38ないし42のいずれかに記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項44】
該付加的外側層が、該袋体に対し接着剤を用いて取着されている請求項38ないし43のいずれかに記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項45】
該付加的外側層が、該袋体に対し溶接により取着されている請求項38ないし44のいずれかに記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項46】
該袋体が、それを開口させるための開口手段を含み、好ましくは、該開口手段が、該袋体と該カテーテルとの接続部と反対側の、袋体端部に配置されている請求項23ないし45のいずれかに記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項47】
該開口手段が剥離節を含む請求項46記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項48】
該開口手段が引裂き線を含む請求項46記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項49】
該カテーテル全体が該袋体の境界内に配置されている請求項23ないし48のいずれかに記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項50】
該カテーテルが、体の開口部に挿通される挿入可能な長さ部分をその一部に含み、該袋体が該カテーテルに接続されることにより該カテーテルの挿入可能な長さ部分を閉じるが、該カテーテルの少なくとも一部が該袋体の外に残るようになっている請求項23ないし48のいずれかに記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項51】
請求項1ないし20のいずれかに記載の特徴を更に含む請求項23ないし48のいずれかに記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項52】
袋体を供給する工程と;
親水性カテーテルを供給する工程と;
上記袋体のキャビティ内に該カテーテルチューブの少なくとも一部を配置する工程と;
該袋体の一体化部分を形成するが該キャビティからは離れた区画内に、湿潤用流体を配置させる工程と;
を具備してなり;
該湿潤用流体区画と、該カテーテルを収容するキャビティとの間の分離部が破断可能な封止閉塞部として形成され、該封止閉塞部に少なくとも1箇所の脆弱部を設け、それにより所定部位に破断が起生されるようにし、それにより該湿潤用流体区画と、該カテーテルを収容するキャビティとの間に流体連通が形成されることを特徴とするカテーテル・アッセンブリーの製造方法。
【請求項53】
請求項21又は22記載の特徴を更に含む請求項52記載の製造方法。
【請求項54】
体の開口部に挿通される挿入可能な長さ部分を一部に有するカテーテル(3;530;630;730)と;
該カテーテルの少なくとも一部を収容するカテーテル袋体(2;520;620;720)と;
を具備してなり;
該袋体が該カテーテルに接続されることにより該カテーテルの挿入可能な長さ部分を閉じるが、該カテーテルの少なくとも一部が該袋体の外に残るようになっていることを特徴とするカテーテル・アッセンブリー。
【請求項55】
該袋体および該カテーテルにより形成された区画が、周囲に対し細菌バリヤーを形成している請求項54記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項56】
該カテーテルが親水性尿カテーテルであって、該アッセンブリーが更に湿潤用流体を有する請求項54又は55記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項57】
該湿潤用流体が該袋体の区画内に配置されている請求項56記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項58】
該湿潤用流体区画が、カテーテルを収容する該袋体の区画によって形成されることにより、該袋体内に収容されている間において、該親水性表面層を濡れた状態に保持させ、それにより即使用可能なカテーテル・アッセンブリーを提供する請求項57記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項59】
該湿潤用流体区画が、貯蔵の間において、湿潤用流体が該カテーテルの少なくとも挿入可能部分から分離された状態に保たれるように配置され、該区画容器がカテーテルの活性化のために開口自在となっている請求項56又は57記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項60】
該袋体がガス非透過性である請求項56ないし59のいずれかに記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項61】
該湿潤用流体容器が該袋体から分離された区画を形成している請求項56記載のカテーテル・アッセンブリー。
【請求項62】
開口部を有する袋体(2;520;620;720)を供給する工程と;
カテーテルチューブおよびその一端に配置されたコネクターを含むカテーテル(3;530;630;730)を供給する工程と;
該カテーテルチューブを該袋体内に配置する工程と;
該袋体を該コネクターに接続し、上記開口部を閉塞する工程と;
を具備してなることを特徴とするカテーテル・アッセンブリーの製造方法。
【請求項63】
該袋体を該コネクターに接続し、それにより該袋体を密封することを特徴とする請求項62記載のカテーテル・アッセンブリーの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−279454(P2009−279454A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202482(P2009−202482)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【分割の表示】特願2004−500960(P2004−500960)の分割
【原出願日】平成15年4月29日(2003.4.29)
【出願人】(501315810)
【Fターム(参考)】