説明

カテーテル留置システム

【課題】生体挿入部における器具全体の直径を従来に比較し縮小でき、生体への侵襲性を注射針の刺入と同程度とし、カテーテルを膨脹式にして内側の光学ファイバの保護だけでなく、カテーテルの留置を可能にし、外筒を残留させる場合、必要に応じて反復してファイバを挿入し同じ場所を繰り返し観察することを容易にし、生体への負担も軽減できるカテーテル留置システムを提供する。
【解決手段】 膨脹式のカテーテル4は先端部に生体の空間部を広げたり,障害物を取り除いたりできる可動口ばし5が取り付けられ、先端部に水噴射装置16が設けられている。膨脹させたカテーテル4に光ファイバ8を挿通する。光ファイバ8は先端部にレンズを備え、装置本体14に接続されている。ジョイント11はカテーテル4を固定しカテーテルの挿入角度を変更できる。これらシステムにより生体内の観察対象を、生体への負担を少なくして繰り返し観察を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイバ式共焦点顕微鏡の外筒として使用できるカテーテル留置システムに関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡法等において、光ファイバはその先端部を生体へ挿入または刺入して使用する。この際、光学ファイバは単独で使用されることが多く、生体内部への導入から留置などを補助するための専用の器具はほとんど存在しない。その理由として従来型におけるファイバの直径は最低でも10mm程度あり、補助具を追加することによりファイバ全体が大型になり、生体への影響問題が不可避であったと推測される。形状がファイバに類似した医療用器具の中で直径が1mm前後と比較的細いものとして、カテーテルや留置針が個々に挙げられるが、両者の機能を有し、かつ内視鏡観察用の用途に適したシステムの提案はなされていない。
【0003】
特許文献1〜5に光ファイバを利用した内視鏡法に関連した技術が提案されている。
特許文献1の内視鏡挿入孔形成用セットは、内視鏡治療において挿入するチューブの径を時間をかけて内視鏡が挿入できる太径の瘻孔を形成することは患者の負担が大きいことから、挿入されるチューブの長手方向に引き裂き線を有し、これを最大径チューブに広げ引き裂き線の一部を引き裂いて折り返し、折り返し部分を皮膚と縫合して最大径チューブを形成する構成を開示している。
特許文献2は、内視鏡の改良に関するもので、重い操作部を備えた内視鏡を患者の体内に留置させた状態で保持させた場合には患者の負担が大きくなることから、体外に配置される挿入部の操作部に皮膚固定部に取り外し可能に連結できる構成を開示している。
【0004】
特許文献3は、ガイディングカテーテルの形成保持特性を変化させることができ、血管内を通して目標部位へ導入することが容易で、マイクロカテーテルをサポートするために必要な形状保持特性を発現することができることを目的としている。そのためにガイディングカテーテルを、変態点が37°Cより高い形状記憶合金からなる線状補強部材を管壁内に埋設して構成し、通電手段によって形状を発現する構成を開示している。
特許文献4は、形状記憶チューブ展開システムで、チューブ内の光ファイバや導線を介して高熱や電気エネルギーを与えられ、オーステナイト完了温度まで加熱して初期形状に復帰させる構成を開示している。
特許文献5は、患者の体内ルーメン内の所望の位置に配置した場合、膨らんで灌流ルーメンの延在をもたらす血管形成処置のための拡張カテーテルで、灌流ルーメンの断面積を増加させる手段として展開可能なコイルと、コイルの操作軸を備えて拡張する構成,膨脹可能な管部材として形状記憶合金を用いる構成を開示している。
【0005】
上記に提案されている各技術は、カテーテルを膨脹させる技術や固定する部材などを開示しているが、頭初で述べたようなような内視鏡の用途の条件に適したシステム開示はない。
【特許文献1】第2944691号
【特許文献2】特開平3−272728号公報
【特許文献3】特開平10−234858号公報
【特許文献4】特表2001−504018号公報
【特許文献5】特開平10−509071号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
カテーテルを留置する場合、生体挿入部における器具全体の直径を従来に比較し縮小でき、生体への侵襲性を注射針の刺入と同程度とし、脳や肝臓などの実質臓器への適用も十分期待できることが望まれる。また、カテーテルを膨脹式にして内側の光学ファイバの保護だけでなく、カテーテルの留置を可能にし、外筒を残留させる場合、必要に応じて反復してファイバを挿入し同じ場所を繰り返し観察することを容易にし、生体への負担も軽減できることが要請される。
本発明の目的は上記諸条件を満たすことができるカテーテル留置システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために本発明の請求項1は、外部からの電気信号による温度制御またはバルーンによる操作若しくは機械的操作によって円周方向の径を拡大縮小可能なカテーテルと、前記拡大したカテーテルに挿入可能で、先端部に像を取り込むための光学系を有する光ファイバと、前記拡大したカテーテルと挿入された光ファイバの間に形成され、溶液をカテーテルの先端部から射出するための往路と前記カテーテルの先端部から戻る溶液を戻す復路を有する溶液交換用の流路と、前記カテーテルの根元付近を嵌合し、カテーテルの根元付近を光ファイバの光軸に対し直角方向に移動させてカテーテルの挿入角度を変更可能なジョイント手段とを備え、観察対象に繋がる生体に開けた孔に前記カテーテルを挿通し、外部からの制御または操作によってカテーテルを膨脹させ、前記溶液交換用の流路によって溶液交換・循環を行い、ジョイント手段により観察対象に対する光ファイバの先端部の光軸の角度を変更可能とし、光ファイバを抜いた後に、カテーテルの径を縮小した状態で待機状態にすることを特徴とする。
本発明の請求項2は、請求項1記載の発明において前記カテーテルは、形状記憶合金により管を構成し、外部からの電気信号により所定の温度に上昇させ管の直径を増大させることを特徴とする。
本発明の請求項3は、それぞれ独立した室部となる区画化されたバルーン単体を円周上の各位置に軸方向に沿って多数配置してバルーンを形成し、一部のバルーン単体の先端部に開口部を備えることにより、一部のバルーン単体は溶液噴射のため溶液を送る往路および溶液を戻す復路とし、他のバルーン単体は気体または液体を供給することにより円周方向に拡大縮小可能なカテーテルと、前記拡大したカテーテルに挿入可能で、先端部に像を取り込むための光学系を有する光ファイバと、前記カテーテルの根元付近を嵌合し、カテーテルの根元付近を光ファイバの光軸に対し直角方向に移動させてカテーテルの挿入角度を変更可能なジョイント手段とを備え、観察対象に繋がる生体に開けた孔に前記カテーテルを挿通し、前記他のバルーン単体によりカテーテルを膨脹させ、前記一部のバルーン単体によって溶液交換・循環を行い、ジョイント手段により観察対象に対する光ファイバの先端部の光軸の角度を変更可能とし、光ファイバを抜いた後に、カテーテルの径を縮小した状態で待機状態にすることを特徴とする。
本発明の請求項4は、請求項1または3記載の発明において前記カテーテルの先端部周縁に多数のつめ部を、該つめ部の先端をカテーテルの中心部と外周の間で揺動可能なように枢着させ、該つめ部を揺動させることにより、カテーテル先端付近の障害対象の除去を可能にしたことを特徴とする。
本発明の請求項5は、請求項1または3記載の発明において前記ジョイント手段は、嵌合させた光ファイバを上下左右方向に移動させる十字状の貫通孔および空気を吸引するための吸引孔を有することを特徴とする。
本発明の請求項6は、請求項1または3記載の発明において前記溶液交換用の往路の先端に溶液を観察対象に吹き付ける噴射部を有することを特徴とする。
上記カテーテルは生体への挿入部の直径を数ミリと細く、光ファイバによる観察性能を増大させる外筒部を有している。そして外筒部は大部分を膨脹式として伸縮自在である。膨脹用の素子には形状記憶合金やバルーン(水または空気式)を用いる。カテーテルの先端部に可動口ばしと水噴射装置を取り付けることで、生体観察対象の視野領域の拡大と洗浄を行い、観察像を改善できる。また、生体内に挿入する光ファイバは直径1mm〜3mmと細くすることができた。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、生体挿入部における器具全体の直径を数ミリに縮小できる。これにより生体への侵襲性は注射針の刺入と同程度となり、脳や肝臓などの実質臓器への適用も十分期待できる。また、内側の光学ファイバの保護の向上,カテーテルの留置も可能になった。外筒を残留させ必要に応じてカテーテルを反復して膨脹させファイバを挿入することにより同じ場所を繰り返し観察することが容易になり、溶液交換用の流路から溶液をドレインから出すことによって観察対象をその都度明瞭にし、これら操作による生体への負担も従来に比較し大幅に軽減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1A,図1Bは、本発明によるカテーテル留置システムの実施の形態の1例について使用の手順を説明するための図である。カテーテルを膨脹させるまでの過程と、観察後、カテーテルを縮小して待機させるまでの過程をそれぞれ示している。
【0010】
ステップS1の初期状態では生体1内に内視観察対象2が存在する。生体は脳・骨など実質臓器が主な対象となるが、腹腔や消化管内部など比較的広い空洞の場合も想定される。
ステップS2ではルート確保が行われる。すなわち内視観察対象2までのルート確保するために必要最低限の大きさ(1ミリ以内)のトンネル3が設けられる。トンネル3は例として針刺入など外科的な処置による亀裂か、または圧迫による閉所空間である。トンネル3の掘削領域を内視観察対象2の少し手前とすれば、内視観察対象への障害(影響)を少なくすることもできる。
【0011】
ステップS3ではトンネル3にカテーテルが挿入される。
カテーテル4の先端には可動口ばし5が取り付けられ、上記必要最小限の大きさ(1ミリ以内)のトンネル3に挿通され、先端部を観察対象の直前位置まで挿通する。途中、挿入先に障害物があったときは、可動口ばし5を操作して除去する。可動口ばし5は初期では畳まれている状態である。
ステップS4ではカテーテルを膨脹させる。
カテーテル4の材質を形状記憶合金で構成し、電流を流す(電圧をかける)ことにより温度を上昇させて所定温度以上での記憶した管の径に拡大させる。この他にバルーンを入れ空気などの気体や水などの液体を送り込んで、管の径を拡大させることができる。さらにはコイルなどを挿入し、操作軸によって機械的にコイルの径を大きくして管の径を拡大させることもできる。内視観察対象2とカテーテル4の先端との間は可動口ばし5によって観察し易いように調節される。空間部7は可動口ばし5によって形成されたカテーテル4と内視観察対象2との間の空間である。可動口ばし5を構成する多数のつめ部はカテーテル5の先端の周辺部に枢着されワイヤーなどによって外部から操作可能でカテーテル中心から放射方向に起こしたり、カテーテル中心に畳むように動作させることにより自在に生体内を広げたり,対象をつまむことができる。
【0012】
ステップS5では内視鏡である光ファイバ8を挿入する。光ファイバ8の先端部の画像を取り込む光学系が観察し易い位置に達した時点で、光ファイバ8を固定する。
ステップS6では溶液交換を行う。
光ファイバ8とカテーテル4の間に溶液を送り込む往路9の役目と、送り込んだ溶液を戻す復路10の役目を果たす溶液流路が設けられており、この流路の端部に溶液交換用のドレン(溶液の排水口)が設けられる。この流路は例えば区画化された何本かのバルーン単体が用いられる。溶液交換によって光ファイバ8の先端部に滞留した血液が洗浄されて視野の確保が行われる。
【0013】
ステップS7では光ファイバ8を挿通したカテーテル4の管(外筒)を保持するジョイント11を設置し、接着剤で生体の孔付近の表面に貼り付けることにより生体に対し動かないように固定する。ジョイント11はカテーテル4を上下左右に移動させるための貫通孔などを有し、該貫通孔中をカテーテル4を移動させることにより挿入角度を変更できる。ジョイント11の生体への固定は接着剤の他、空気吸引で行うことができる。
ステップS8は内視観察対象2に対し観察や処置を行った後の待機の状態である。
光ファイバ8を抜いて、カテーテル4を外部からの制御,操作により縮小させた状態で待機する。カテーテル4とジョイント11のみを残した状態である。必要に応じて再度カテーテル4の径を拡張して光ファイバ8を挿入できる。組織癒着による空間部の空間変性を防ぐために溶液交換ドレンも残してある。
【0014】
図2は、本発明によるカテーテル留置システムの実施の形態を示す図である。
この実施の形態は、先端部に可動口ばし5を取り付けたカテーテル4,先端部に観察用対物レンズ系8aを備え、画像処理部31を有する装置本体14に接続される光ファイバ8,カテーテル4を固定しカテーテルの挿入角度変更できるジョイント11,観察対象前の空間部を広げたり,障害物を摘んだりできる可動口ばし5,可動口ばし5の内側のカテーテル4の先端部に設けられた水噴射装置16を有するものである。
カテーテル5は例えば形状記憶合金で拡大するカテーテルの場合、カテーテル5の挿入元端部には電圧(電流)を加えて温度を上げるためのケーブルなどが引き出されている(図示してない)。また、可動口ばし5を駆動するためのワイヤの端部を操作する操作部などが設置される(図示してない)。
【0015】
光ファイバ8を接続する装置本体14は、レーザ光源,取得した画像を分析する機能,画像を保存する機能などを備えている。装置本体14に接続されているモニタ15によって生体観察対象を観察することができる。
ジョイント11は矩形状の板であり、該板の中央に十字状に貫通孔11aが設けられている。貫通孔11aにカテーテル4を嵌合して貫通孔11a中を移動させることにより挿入角度を変えることができる。生体に固定する手段として、複数の空気吸引口17が形成され、この部分から空気を吸引することにより板面を生体に吸着することができる。
【0016】
図3Aは、図2(a)のカテーテルの縮小状態,拡大状態を示す詳細図であり、図5Aは、その拡大詳細図である。
生体に作ったトンネルに挿入するときは図3A(a)に示すように縮小した状態であり、先端部の可動口ばし5は内側に折り畳まれている。カテーテルを膨脹させ先端部の可動口ばし5を少し立ち上げた状態が図3A(b)である。
図5Aにおいて、中央に光ファイバ8が挿通され、光ファイバ8とカテーテル4の管壁の間に水噴射装置16が配置されている。水噴射装置16は往路(流路)16bの先端部に開口部16aを形成することにより構成されている。往路16bの供給口から送り込まれた水は開口部16aから噴射される。噴射された水は内視観察対象2との間の空間部を満たし、内視観察対象2が洗浄され、その洗浄した水が光ファイバ8とカテーテル4の管壁の間の復路16c(流路)を通ってカテーテル4のドレンから排出される。上記開口部16aは1つのみではなく、必要に応じ多数個数設けられる。
【0017】
可動口ばし5は、多数のつめ部5aより構成され、つめ部5aの基部はカテーテル4の周縁に枢着され、各つめ部5aは放射方向25に揺動可能である。つめ部5aの基部付近にはワイヤが接続され外部から折り畳んだり、開いたり操作できる。
【0018】
図3Bは、カテーテルの他の実施の形態を示す図で、カテーテルの縮小状態,拡大状態を示す詳細図である。図5Bはこのカテーテルの拡大詳細図である。
この実施の形態は、図3Aに示す可動口ばしの代わりにカテーテルの先端部を広げる機能を設けたものである。
バルーン20はそれぞれ独立した室部の区画化されたバルーン単体20aを円周に沿い軸方向に配列して構成したものであり、先端部に可動リング(1)18が嵌め込まれ、さらに所定の間隔で、可動リング(2)19が同様に嵌め込まれている。バルーン単体20aには個別に水を供給したり、吸引することができる。可動リング18,19はリング状のワイヤ18bに所定長さのパイプ18aを嵌挿して構成されており、バルーンの膨脹によりカテーテルの径が拡大しカテーテルの径の大きさを可動リングにより調整できる。図3B(a),(d)はカテーテルを縮小した状態を示している。バルーンを膨脹させると、図3B(b),(c)のように可動リングの径が拡大する。図3B(b)の状態は可動リング(1)18が最大になり、可動リング(2)19は中間ぐらいの大きさになっており、カテーテルの先端部分のみを拡大している。
【0019】
バルーン単体20aの先端に水噴射口22を設けることにより、そのバルーン単体を水噴射バルーン20bとして用いることができる。また、同様に他のバルーン単体20aにも先端部を開口して、このバルーン単体の水を吸引する水吸引バルーンとして用いることができる。このように区画化された多数のバルーン単体で構成することにより、破裂等による事故のリスクを軽減することができる。図5Bは3個目の可動リング(3)21を設置してあり、可動リングの設置する数および位置を選択することにより広げるカテーテルの形状を変更することが可能である。バルーンの膨脹は水などの液体の他、空気など気体を用いても良い。
【0020】
図4は、光ファイバの詳細を説明するための図である。
光ファイバ8のプラスチック外筒29の先端部に内視観察対象に対面する透明体25が取り付けられ、対物レンズ26が配置されている。対物レンズ26に対面してコア層28とクラッド層27よりなるファイバ部分が挿通されている。光ファイバの端部はコネクタ30によって装置本体14に装脱着可能である。
光ファイバ8は硬性の材質が用いられたり、また自由に曲げることができる軟性のものが用いられる。
【0021】
以上の実施の形態において可動口ばしを、円周状に4個配置したつめ部の例を説明したが、つめ部の数は4個以外であっても良い。
また、図3B,図5Bのバルーン単体を多数配置してバルーンを構成する例を示し、バルーンの膨脹によって可動リングを拡大させる例を説明したが、可動リングを操作によって拡大させるようにしても良い。かかる場合には可動リングの大きさを最大に大きくするまでの各寸法に調整することができる。
さらにジョイントは十字状の貫通孔を設けた例を示しているが、斜め上下方向に移動させる貫通孔を増設して角度を調整できる範囲を広げることができる。ジョイントは矩形状の板であるが、形状は円形,楕円形などであっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0022】
生体内の観察対象に対しトンネルを作ってルートを確保し、カテーテルを挿入してカテーテルの直径を拡大し、光ファイバ(内視鏡)を挿入して溶液の交換を行い、挿入角度変換を行い視野確保を行い、観察終了によってカテーテルとジョイントのみを留置し繰り返し観察できるシステムである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1A】本発明によるカテーテル留置システムの実施の形態の1例について使用の手順を説明するための図で、カテーテル膨脹までの過程を示している。
【図1B】本発明によるカテーテル留置システムの実施の形態の1例について使用の手順を説明するための図で、カテーテルを縮小して待機させるまでの過程を示している。
【図2】本発明によるカテーテル留置システムの実施の形態を示す図である。
【図3A】図2(a)のカテーテル先端の縮小状態,拡大状態を示す詳細図である。
【図3B】カテーテルの他の実施の形態を示す図で、カテーテルの縮小状態,拡大状態を示す詳細図である。
【図4】光ファイバの詳細を説明するための図である。
【図5A】図3Aのカテーテル先端の可動口ばし,水噴射装置部分の拡大詳細図である。
【図5B】図3Bのカテーテル先端の拡大詳細図である。
【符号の説明】
【0024】
1 生体
2 内視観察対象
3 トンネル
4,32 カテーテル
5 可動口ばし
7 空間部
8 光ファイバ
9,16b 往路(流路)
10,16c 復路(流路)
11 ジョイント
14 装置本体
15 モニタ
16 水噴射装置
17 空気吸引口
18 可動リング1
19 可動リング2
20 バルーン
20a バルーン単体
25 透明体
26 対物レンズ
27 クラッド層
28 コア層
29 プラスチック外筒
30 コネクタ
31 画像処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からの電気信号による温度制御またはバルーンによる操作若しくは機械的操作によって円周方向の径を拡大縮小可能なカテーテルと、
前記拡大したカテーテルに挿入可能で、先端部に像を取り込むための光学系を有する光ファイバと、
前記拡大したカテーテルと挿入された光ファイバの間に形成され、溶液をカテーテルの先端部から射出するための往路と前記カテーテルの先端部から戻る溶液を戻す復路を有する溶液交換用の流路と、
前記カテーテルの根元付近を嵌合し、カテーテルの根元付近を光ファイバの光軸に対し直角方向に移動させてカテーテルの挿入角度を変更可能なジョイント手段とを備え、
観察対象に繋がる生体に開けた孔に前記カテーテルを挿通し、外部からの制御または操作によってカテーテルを膨脹させ、前記溶液交換用の流路によって溶液交換・循環を行い、ジョイント手段により観察対象に対する光ファイバの先端部の光軸の角度を変更可能とし、光ファイバを抜いた後に、カテーテルの径を縮小した状態で待機状態にすることを特徴とするカテーテル留置システム。
【請求項2】
前記カテーテルは、形状記憶合金により管を構成し、外部からの電気信号により所定の温度に上昇させ管の直径を増大させることを特徴とする請求項1記載のカテーテル留置システム。
【請求項3】
それぞれ独立した室部となる区画化されたバルーン単体を円周上の各位置に軸方向に沿って多数配置してバルーンを形成し、一部のバルーン単体の先端部に開口部を備えることにより、一部のバルーン単体は溶液噴射のため溶液を送る往路および溶液を戻す復路とし、他のバルーン単体は気体または液体を供給することにより円周方向に拡大縮小可能なカテーテルと、
前記拡大したカテーテルに挿入可能で、先端部に像を取り込むための光学系を有する光ファイバと、
前記カテーテルの根元付近を嵌合し、カテーテルの根元付近を光ファイバの光軸に対し直角方向に移動させてカテーテルの挿入角度を変更可能なジョイント手段とを備え、
観察対象に繋がる生体に開けた孔に前記カテーテルを挿通し、前記他のバルーン単体によりカテーテルを膨脹させ、前記一部のバルーン単体によって溶液交換・循環を行い、ジョイント手段により観察対象に対する光ファイバの先端部の光軸の角度を変更可能とし、光ファイバを抜いた後に、カテーテルの径を縮小した状態で待機状態にすることを特徴とするカテーテル留置システム。
【請求項4】
前記カテーテルの先端部周縁に多数のつめ部を、該つめ部の先端をカテーテルの中心部と外周の間で揺動可能なように枢着させ、該つめ部を揺動させることにより、カテーテル先端付近の障害対象の除去を可能にしたことを特徴とする請求項1または3記載のカテーテル留置システム。
【請求項5】
前記ジョイント手段は、嵌合させた光ファイバを上下左右方向に移動させる十字状の貫通孔および空気を吸引するための吸引孔を有することを特徴とする請求項1または3記載のカテーテル留置システム。
【請求項6】
前記溶液交換用の往路の先端に溶液を観察対象に吹き付ける噴射部を有することを特徴とする請求項1または3記載のカテーテル留置システム。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate


【公開番号】特開2006−271787(P2006−271787A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−97522(P2005−97522)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(504300181)国立大学法人浜松医科大学 (96)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】