説明

カバープレート付きセパレータ及びそれを備える燃料電池

【課題】セパレータの寸法精度が低い場合であっても、簡易な構成により、カバープレートをセパレータに固定することが可能で、効率良く、かつ、容易に製造することが可能なセパレータ及びそれを備える燃料電池を提供することを目的とする。
【解決手段】マニホールド孔11a、12aと接続部21を有するガス流路21Aを有するセパレータ20Aと、接続部21を覆うカバープレート31と、を有し、セパレータ20Aのカバープレート31で覆われる領域には、嵌合孔24Aが設けられ、カバープレート31には、嵌合孔24Aに嵌挿される突起部32aが設けられ、突起部32aの周面が、嵌合孔24Aの内面の2点少なくとも2点に接触し、かつ、該接触により生じる摩擦力により、カバープレート31がセパレータ20Aに固定される、カバープレート付きセパレータ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セパレータ及びそれを備える燃料電池、特に、導電性のカバープレート付きセパレータの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、水素リッチな燃料ガスと空気など酸素を含有する酸化剤ガスを電気化学的に反応させることで、電力と熱を発生させる装置であり、セルを積層させて構成されているセルスタックを本体としている。
【0003】
セルは、電解質層と、一対のガス拡散電極(アノード及びカソード)と、ガスケットと、導電性のセパレータと、を有している。ガス拡散電極の周囲には、電解質層を挟んで一対のフッ素ゴム製のガスケットが配設されている。これにより、燃料ガスや酸化剤ガス(これらを反応ガスという)が電池外にリークされることが防止され、また、セル内でこれらのガスが互いに混合されることが防止される。セパレータには、ガス拡散電極と当接する面に反応ガスを流すための溝状のガス流路が設けられている。
【0004】
一般的に、燃料電池のセルスタックは、いわゆる内部マニホールド形が用いられている。内部マニホールド形は、セパレータの周縁部においてセパレータの厚み方向に貫通する反応ガス供給側マニホールド孔と反応ガス排出側マニホールド孔が形成され、ガス流路はこれらのマニホールド孔を結ぶように形成されている。そして、スタック組立状態において、これらのマニホールド孔が連結して、セルの積層方向に延伸する反応ガス供給側マニホールドと反応ガス排出側マニホールドが形成される。このような構成によって、反応ガス供給側マニホールドの端部からセルスタックに供給された反応ガスは、反応ガス供給側マニホールドを通流し、各セルに設けられたガス流路へ分流し、反応ガス排出側マニホールドへ流出する。
【0005】
このような燃料電池のセルにおいて、ガス流路のマニホールド孔に接続する上流端部やガス流路のマニホールド孔に接続する下流端部に高分子電解質膜やガスケットがたれ込むことによって、反応ガスがリークするため、これらの端部を平板で覆うと共にトンネル構造にした燃料電池用ガスプレートが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
しかし、特許文献1に開示されている燃料電池用ガスプレート(セパレータ)では、平板がガスプレートに固定されていないため、セルスタック組み立て時にガス流路が設けられている面を下にすると平板が外れ、セルスタックの組立作業が煩雑になるという問題があった。
【0007】
このような問題に対して、断面がコ字状のカバープレートをセパレータの端部に嵌合させた燃料電池が知られている(例えば、特許文献2参照)。また、ガス流路とマニホールドとを連結する連絡通路(上流端部及び下流端部)をプレート部材で覆い、予め成形したガスケットをセパレータに接着剤を用いて貼り付けることによりプレート部材を固定する、又は、セパレータとプレート部材に弾性部材を射出成形することにより、ガスケットを一体成形してプレート部材を固定する燃料電池用セパレータが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
これらのセパレータでは、ガス流路の端部を覆うカバープレートやプレート部材がセパレータに固定されているため、セルスタックの組み立て作業を効率よく行うことが可能となる。
【特許文献1】特開平9−35726号公報
【特許文献2】特開2004−349014号公報
【特許文献3】特開2005−129306号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献2に開示されている燃料電池では、カバープレート及びセパレータの構造が複雑であり、これらの製造にはコストおよび時間が必要となる。特に、圧縮成形法を採用する場合には、セパレータの寸法精度が低いため、カバープレートを嵌めても外れやすくなり、改善の余地があった。
【0010】
また、上記特許文献3に開示されている燃料電池用セパレータでは、接着剤を使うことにより、ガスケットの位置がずれて寸法精度が低下するといった問題が生ずる。また、接着剤中に含まれる可塑剤及び未反応の低分子が溶出することによる電解質やガス拡散電極へのダメージや燃料電池の電圧低下等が懸念される。さらに、弾性部材を射出成形する場合では、セパレータの製造工程が複雑となり、また、ガス流路を構成する溝を弾性部材が遮断し、反応ガスを流通させることができない等の問題が生じ、未だ改善の余地があった。
【0011】
本発明は、以上の課題を鑑みてなされたものであり、圧縮成形法を採用し、セパレータの寸法精度が低い場合であっても、一定の範囲内の寸法のバラツキであれば、接着剤を用いずに、簡易な構成により、カバープレートをセパレータに固定することが可能で、効率良く、かつ、容易に製造可能なカバープレート付きセパレータを提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、このようなセパレータを備えることにより、大量生産に適した燃料電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記従来の課題を解決するために、本発明のカバープレート付きセパレータは、電解質層と該電解質層の周縁部より内方の部分を挟む一対の電極からなる電解質層部材に一方の主面が当接して用いられ、厚み方向に貫通し反応ガスを供給する反応ガス供給用マニホールド孔と、厚み方向に貫通し反応ガスを排出する反応ガス排出用マニホールド孔と、前記一方の主面に、前記反応ガス供給用マニホールド孔と前記反応ガス排出用を連通し、前記電解質層部材の電極に当接する本体部と該本体部と前記マニホールド孔との間に位置する一対の接続部とを有する溝状のガス流路と、を有するセパレータと、前記接続部を覆うカバープレートと、を有しており、前記セパレータの前記カバープレートで覆われる領域には、厚み方向に窪んだ少なくとも1つの嵌合孔が設けられ、前記カバープレートには、前記嵌合孔に嵌挿可能な突起部が設けられ、前記突起部の周面が、前記嵌合孔の内面の少なくとも2点に接触し、かつ、該接触により生じる摩擦力により、前記カバープレートが前記セパレータに固定されている。
【0014】
これにより、寸法精度が低い場合であっても、接着剤を用いずに、簡易な構成により、カバープレートをセパレータに固定することができ、また、効率良く、かつ、容易にセパレータを製造することができる。
【0015】
前記セパレータの前記カバープレートで覆われる領域が、前記セパレータの厚み方向に窪んでいてもよい。
【0016】
前記嵌合孔及び前記突起部がそれぞれ1以上4以下設けられていてもよい。
【0017】
前記嵌合孔は、開口形状が短径と長径を有するように形成されていてもよい。
【0018】
また、本発明の燃料電池は、一対の前記カバープレート付きセパレータと、前記カバープレート付きセパレータに挟まれた電解質膜層部材と、を有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明のカバープレート付きセパレータ及びそれを備える燃料電池によれば、セパレータの寸法精度が低い場合であっても、一定の範囲内の寸法のバラツキであれば、接着剤を用いずに、簡易な構成により、カバープレートをセパレータに固定することが可能で、効率良く、かつ、容易に製造することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る高分子電解質形燃料電池(以下、PEFCという)100を構成するセル積層体及びセル積層体を構成するセルを模式的に示した展開図である。
【0021】
図1に示すように、PEFC100は、セルスタック50を有している。セルスタック50は、板状の全体形状を有するセル10がその厚み方向に積層されてなるセル積層体と、セル積層体の両端に配置された第一及び第二の端板41a、41bと、セル積層体と第一及び第二の端板41a、41bとをセル10の積層方向において締結する図示されない締結具と、を有している。また、第一及び第二の端板41a、41bには、集電板及び絶縁板がそれぞれ配設されているが図示を省略している。なお、板状のセル10は、鉛直面に平行に延在しており、セル10の積層方向は水平方向となっている。
【0022】
セル10は、MEA(高分子電解質膜−電極接合体)1、ガスケット3及びセパレータ20A、20Bを有している。
【0023】
MEA1は、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜と、アノード及びカソード(これらを、総称して電極という)と、を備えている(図示せず)。高分子電解質膜の両面には、その周縁部より内方に位置するようにアノードとカソードがそれぞれ設けられている。電極は、高分子電解質膜の主面上に設けられ、白金系の金属触媒を担持したカーボン粉末を主成分とする触媒反応層(アノード触媒層又はカソード触媒層)と、触媒反応層の上に設けられ、ガス通気性と導電性を兼ね備えたガス拡散層と、から構成されている。
【0024】
電極の周囲には、高分子電解質膜を挟んで一対の短形でリング状のガスケット3が配設されている。したがって、ガスケット3の中央部の開口内には、MEA1の電極が露出している。これにより、燃料ガスや酸化剤ガス(これらを、反応ガスという)が電池外にリークされることが防止され、また、これらのガスが互いに混合されることが防止される。ガスケット3には、厚み方向の貫通孔からなる反応ガス供給用マニホールド孔11c、13c、冷却水供給用マニホールド孔15c及び反応ガス排出用マニホールド孔12c、14c、冷却水排出用マニホールド孔16cが設けられている。
【0025】
そして、MEA1とガスケット3を挟むように、一対の導電性のセパレータ20A、20Bが配設されている。一方のセパレータ20Aは、カバープレート31A1、31A2を有しており、他方のセパレータ20Bは、カバープレート31B1、31B2を有している。これらのセパレータ20A、20Bは、カーボン粉末材料を冷間プレス成形したカーボン板に、フェノール樹脂が含浸され硬化された樹脂含浸カーボン板が用いられる。あるいは、SUS等の金属材料からなるものを用いてもよい。セパレータ20A、20Bにより、MEA1が機械的に固定されるとともに、隣接するMEA1同士が互いに電気的に直列に接続される。
【0026】
セパレータ20Aの周縁部には、厚み方向の貫通孔からなる反応ガス供給用マニホールド孔11a、13a、冷却水供給用マニホールド孔15a及び反応ガス排出用マニホールド孔12a、14a、冷却水排出用マニホールド孔16aが設けられている。セパレータ20Aの内面(MEA1に当接する面)には、反応ガスを流すためのガス流路21Aが設けられている。ガス流路21Aは、互いに並んで延びる複数の流路溝で構成され、本体部21Aaと第一接続部21Abと第二接続部21Acとを有している。本体部21Aaは、セパレータ20Aの内面の、MEA1の一方の電極に当接する領域にサーペンタイン状に形成されている。この本体部21Aaの上流側の端と反応ガス供給用マニホールド孔11aとを連通するように第一接続部21Abが形成されている。また、本体部21Aaの下流側の端と反応ガス排出用マニホールド孔12aとを連通するように第二接続部21Acが形成されている。そして、第一接続部21Abとセパレータ20Aの内面の該第一接続部21Abの両側に位置する部分とを覆うようにカバープレート31A1が配設され、第二接続部21Acとセパレータ20Aの内面の該第二接続部21Acの両側に位置する部分とを覆うようにカバープレート31A2が配設されている。セパレータ20Aの、カバープレート31A1及びカバープレート31A2が配設された部分が、設置部23A1、23A2を構成している。この設置部23A1、23A2については、後で詳しく説明する。
【0027】
同様に、セパレータ20Bの周縁部には、反応ガス供給用マニホールド孔11b、13b、冷却水供給用マニホールド孔15b及び反応ガス排出用マニホールド孔12b、14b、冷却水排出用マニホールド孔16bが設けられている。セパレータ20Bの内面(MEA1に当接する面)には、反応ガスを流すためのガス流路21Bが設けられている。ガス流路21Bは、互いに並んで延びる複数の流路溝で構成され、本体部21Baと第一接続部21Bbと第二接続部21Bcとを有している。本体部21Baは、セパレータ20Bの内面の、MEA1の他方の電極に当接する領域にサーペンタイン状に形成されている。この本体部21Baの上流側の端と反応ガス供給用マニホールド孔13bとを連通するように第一接続部21Bbが形成されている。また、本体部21Baの下流側の端と反応ガス排出用マニホールド孔14bとを連通するように第二接続部21Bcが形成されている。そして、第一接続部21Bbとセパレータ20Bの内面の該第一接続部21Bbの両側に位置する部分とを覆うようにカバープレート31B1が配設され、第二接続部21Bcとセパレータ20Bの内面の該第二接続部21Bcの両側に位置する部分とを覆うようにカバープレート31B2が配設されている。セパレータ20Bの、カバープレート31B1及びカバープレート31B2が配設された部分が、設置部23B1、23B2を構成している。この設置部23B1、23B2については、後で詳しく説明する。
【0028】
また、セパレータ20A、20Bの外面には、冷却水を流すための冷却水流路が設けられている(図示せず)。冷却水流路は、溝状に形成されていて、冷却水供給用マニホールド孔15aと冷却水排出用マニホールド孔16a又は冷却水供給用マニホールド孔15bと冷却水排出用マニホールド孔16bの間を結ぶように配設されている。これにより、セル10を電気化学反応に適した所定の温度に保つことができる。
【0029】
このように形成したセル10をその厚み方向に積層することにより、セル積層体が形成される。セパレータ20A、ガスケット3及びセパレータ20Bに設けられた反応ガス供給用マニホールド孔11a、11c、11b及び反応ガス供給用マニホールド孔13a、13c、13b並びに反応ガス排出用マニホールド孔12a、12c、12b及び反応ガス排出用マニホールド孔14a、14c、14bは、セル10を積層したときに厚み方向につながって、反応ガス供給用マニホールド及び反応ガス排出用マニホールドがそれぞれ形成される。同様にして、冷却水供給用マニホールド孔15a、15c、15b及び冷却水排出用マニホールド孔16a、16c、16bが厚み方向につながって、冷却水供給用マニホールド及び冷却水排出用マニホールドがそれぞれ形成される。
【0030】
これにより、反応ガス供給用マニホールドに供給された反応ガスは、ガス流路21A、21Bを経てアノード又はカソードに供給され、電気化学反応により生成した水と未使用の反応ガスが反応ガス排出マニホールドから排出される。
【0031】
次に、本実施の形態1に係る燃料電池100のセル10を構成するセパレータ20Aについて、より詳細に説明する。なお、セパレータ20Bは、セパレータ20Aと同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
【0032】
まず、セパレータ20Aについて、図2及び図3を参照しながら説明する。
【0033】
図2は、図1に示すセパレータ20Aの構成を示す模式図である。図3は、図2のIII-III線断面図である。なお、図2においては、セパレータにおける上下方向を、図における上下方向として表している。また、図3においては、一部を省略している。
【0034】
図2に示すように、セパレータ20Aは、反応ガス供給用マニホールド孔11a、13a、反応ガス排出用マニホールド孔12a、14a、冷却水供給用マニホールド孔15a及び冷却媒体排出用マニホールド孔16aを有している。図2において、反応ガス供給用マニホールド孔11aは、セパレータ20Aの一方の側部(図面左側の側部:以下、第一の側部という)の上部に設けられ、反応ガス排出用マニホールド孔12aは、セパレータ20Aの他方の側部(図面右側の側部:以下、第二の側部という)の下部に設けられている。反応ガス供給用マニホールド孔13aは、セパレータ20Aの第二の側部の上部に設けられ、反応ガス排出用マニホールド孔14aは、セパレータ20Aの第一の側部の下部に設けられている。冷却水供給用マニホールド孔15aは、反応ガス供給用マニホールド孔11aの下方の外側に設けられ、冷却水排出用マニホールド孔16aは、反応ガス排出用マニホールド孔12aの上方の外側に設けられている。
【0035】
また、図2に示すように、セパレータ20Aには、MEA1と当接する当接部分30の略全体に亘って、サーペンタイン状に形成された溝状のガス流路21Aの本体部21Aaが設けられている。本体部21Aaは、セパレータ20Aの内面の、MEA1の一方の電極に当接する領域にサーペンタイン状に形成されている。この本体部21Aaの上流側の端と反応ガス供給用マニホールド孔11aとを連通するように第一接続部21Abが形成されている。また、本体部21Aaの下流側の端と反応ガス排出用マニホールド孔12aとを連通するように第二接続部21Acが形成されている。第一接続部21Abに対応する設置部23A1は、第一接続部21Abとセパレータ20Aの内面の該第一接続部21Abの両側に位置する部分とを含み、かつ、セパレータ20Aの周縁部の内面より一定の深さ窪んだ凹状に形成されている(図3参照)。また、これと同様に、第二接続部21Acに対応する設置部23A2は、第二接続部21Acとセパレータ20Aの内面の該第二接続部21Acの両側に位置する部分とを含み、かつ、セパレータ20Aの周縁部の内面より一定の深さ窪んだ凹状に形成されている(図3参照)。なお、本実施の形態では、第一接続部21Abと第二接続部21Acとは互いに同様の形態を有し、これらに対応する2つの設置部23A1、23A2も互いに同様の形態を有し、かつ、カバープレート31A1とカバープレート31A2とも互いに同様の形態を有する。従って、以下では、第一接続部21Abと第二接続部21Acとを接続部21と総称し、2つの設置部23A1、23A2を単に設置部23と総称し、かつ、カバープレート31A1とカバープレート31A2とをカバープレート31と総称し、これらの総称したものについて説明する。
【0036】
設置部23は、図面の左右方向に長辺を有する長方形状に形成されている。設置部23には、接続部21を挟んで厚み方向に更に窪んだ第一嵌合孔24A、第二嵌合孔24Bが設けられている。なお、設置部23は、カバープレート31を収容することができれば、その形状、大きさは任意に定めることができる。
【0037】
第一嵌合孔24Aは、開口部が楕円形状を有しており、セパレータ20Aの上下方向に短径dを、左右方向に長径を有するように形成されている。第二嵌合孔24Bは、開口部が円形状を有しており、その直径dは短径dと同じになるように形成されている。
【0038】
なお、ガス流路21Aの本体部21Aaは、サーペンタイン状に限られず、流路の一方の主流路と他方の主流路との間に複数の支流路を形成するような構成としてもよく、複数の流路が互いに並走するような構成としてもよい。また、セパレータ20Aの外面に設けられた冷却水流路(図示せず)は、上述のガス流路21Aと同様に形成されている。
【0039】
一方、セパレータ20Bにおいては、ガス流路21B及び冷却水流路(図示せず)が上述のセパレータ20Aにおけるものと同様に形成されている。従って、セパレータ20Bにおいては、第一接続部21Bb、第二接続部21Bc、これらに対応する設置部23B1、23B2、カバープレート31B1、及びカバープレート31B2がセパレータ20Aにおけるものと同様の形態を有する。よって、これらに関する説明は省略し、以下では、セパレータ20Aに関するもののみを説明する。
【0040】
次に、カバープレート31について、図4及び図5を参照しながら説明する。
【0041】
図4は、図1に示すカバープレート31の構成を示す模式図である。図5は、図4のIV-IV線断面図である。
【0042】
図4及び図5に示すように、カバープレート31は、板状のカバープレート本体部33とこのカバープレート本体部33の一面に第一嵌合孔24A及び第二嵌合孔24Bに対応する位置にそれぞれ突設された突起部32a及び突起部32bを有している。突起部32a及び突起部32bの基端部の断面とその先端面は、同じ形状になるように形成されており、ここでは、円形状に形成されている。突起部32a及び突起部32bは、基端部から先端部へ向かうにつれて、その断面の径が小さくなるように形成されている(テーパーを有している)。また、突起部32a及び突起部32bの高さは、第一嵌合孔24A及び第二嵌合孔24Bの深さよりも小さく形成されている。なお、カバープレート本体部33は、接続部21を覆うように形成されていれば、その平面視における形状や大きさは任意である。また、カバープレート31は、ガスケット3の垂れ込みを防止することができる強度と所定の弾性があればよく、このような材質を有するものとして、例えば、合成樹脂や金属が挙げられる。
【0043】
次に、セパレータ20Aとカバープレート31の嵌合について、図2乃至図8を参照しながら説明する。
【0044】
図6は、図2に示すセパレータ20Aの設置部23に、図4に示すカバープレート31が嵌合した状態を示す模式図であり、図7は、図6のV-V線断面図である。また、図8は、図6に示す設置部23とカバープレート31を拡大した模式図である。なお、図8においては、接続部21の図示を省略している。
【0045】
ここで、図8に示すように、第一嵌合孔24Aの楕円形状の開口部の中心と第二嵌合孔24Bの円形状の開口部の中心との距離、すなわち、ピッチをAとする。また、図4及び図8に示すように、突起部32aの基端部における断面の中心と突起部32bの基端部における断面の中心とのピッチをBとし、これらの断面の直径をdとする。
【0046】
まず、第一嵌合孔24Aの開口部の短径d及び第二嵌合孔24Bの開口部の直径dと突起部32a及び突起部32bの基端部の断面の直径dが同じである場合について説明する。
【0047】
図8(a)に示すように、嵌合孔間のピッチAと突起部間のピッチBが等しい場合には、突起部32a及び突起部32bは、それぞれ第一嵌合孔24A及び第二嵌合孔24Bに嵌合される。そして、突起部32aの周面の第一嵌合孔24Aの内面に対する押圧力によって生じる摩擦力により、突起部32aがセパレータ20Aに固定される。
【0048】
また、第一嵌合孔24Aの開口部の短径d及び第二嵌合孔24Bの開口部の直径dと突起部32a及び突起部32bの基端部の断面の直径dが同じであるが、突起部間のピッチBが、嵌合孔間のピッチAよりも所定の範囲で長い場合(図8(b))やピッチAよりも所定の範囲で短い場合(図8(c))には、突起部32bは、第二嵌合孔24Bに嵌合され、突起部32aは、カバープレート31を設置部23へ嵌挿しようとする作業者又は加工機による押圧力(以下、挿入力という)により、図面の上下方向に縮小し左右方向に伸張して、塑性変形及び弾性変形することで、第一嵌合孔24Aに嵌合される。そして、第一嵌合孔24Aの内面Pa1及びPa2において、突起部32aの周面の第一嵌合孔24Aの内面に対する弾性変形による押圧力によって生じる摩擦力により、突起部32aがセパレータ20Aに固定される。
【0049】
ここで、突起部32aのセパレータ20Aへの固定について、図を用いてより詳細に説明する。図9は、図8(b)の場合におけるカバープレート31の突起部32aの第一嵌合孔24Aへの嵌合の状態を示す図であって、(a)は突起部32aを無理なく第一嵌合孔24Aに挿入した状態を示す平面図、(b)は(a)のVIB-VIB線断面を示す断面図、(c)は突起部32aを無理に第一嵌合孔24Aに挿入した状態を示す平面図、(d)は(c)のVID-VID線断面を示す断面図である。
【0050】
図9(b)に示すように、カバープレート31の突起部32aは基端部から先端部に向かって細くなるように形成されているので、突起部間のピッチBが嵌合孔間のピッチAより大きくても、突起部32aを第一嵌合孔24Aに挿入すると、最初は無理なく突起部32aが入る。しかし、ある深さまで挿入すると、突起部32aの周面の外側(突起部32bから遠い側)の部分が、第一嵌合孔24Aの縁に当接して突起部32aが入らなくなる。この状態を図9(a)及び図9(b)に示す。この状態で、カバープレート31に適宜な挿入力を加えると、図9(c)及び図9(d)に示すように、突起部32aが変形(塑性変形及び弾性変形して)して、該突起部32aが第一嵌合孔24Aに挿入される。この場合、突起部32aは、楕円形状の第一嵌合孔24Aの短軸方向には規制されるが長軸方向には自由であるので、変形する際に肉が長軸方向に逃げて容易に変形する。これにより、突起部32aはその弾性変形による弾性力によって第一嵌合孔24Aの内面との間に摩擦を生じ、その摩擦力によってセパレータ20Aに固定される。これは、図8(c)の場合も同様である。
【0051】
次に、突起部32a及び突起部32bの基端部の断面の直径dが、第一嵌合孔24Aの開口部の直径d及び第二嵌合孔24Bの開口部の短径dよりも所定の範囲で小さい場合について説明する。
【0052】
図8(d)に示すように、カバープレート31に適宜な挿入力を加えることによって、突起部32a及び突起部32bは、それぞれ第一嵌合孔24A及び第二嵌合孔24Bに挿入される。この際、突起部32aは第一嵌合孔24Aの縁の外側(第二嵌合孔24Bに対し第一嵌合孔24Aの中心より遠い側)部分Pa1及びPa2に当接し、又は、当接して変形し、突起部32bは、第二嵌合孔24Bの縁の最も外側(第一嵌合孔24Aから最も遠い側)部分Pb1に当接し、又は、当接して変形する。その結果、カバープレート31は、双方の嵌合孔24A、24Bの縁から内向きで、かつ、互いに反対方向の力(双方の突起部32a、32bの間隔を狭める方向の力)を受けて、その挿入状態で位置決めされ、かつ、この力によって生じる双方の嵌合孔24A、24Bの縁と双方の突起部32a、32bとの間の摩擦力によってセパレータ20Aに固定される。また、図8(e)に示すように、カバープレート31に適宜な挿入力を加えることによって、突起部32a及び突起部32bは、それぞれ第一嵌合孔24A及び第二嵌合孔24Bに挿入され、この際、突起部32aは、第一嵌合孔24Aの縁の内側(第二嵌合孔24Bに対し第一嵌合孔24Aの中心より近い側)部分Pa1及びPa2に当接し、又は、当接して変形し、突起部32bは、第二嵌合孔24Bの縁の最も内側(第一嵌合孔24Aに最も近い側)部分Pb1に当接し、又は、当接して変形する。その結果、カバープレート31は、双方の嵌合孔24A、24Bの縁から外向きで、かつ、互いに反対方向の力(双方の突起部32a、32bの間隔を広げる方向の力)を受けて、その挿入状態で位置決めされ、かつ、この力によって生じる双方の嵌合孔24A、24Bの縁と双方の突起部32a、32bとの間の摩擦力によってセパレータ20Aに固定される。
【0053】
このようにして、突起部32a及び突起部32bがセパレータ20Aに固定されることにより、カバープレート31は、セパレータ20Aに固定される。もし、上述の適宜な挿入力だけでは、カバープレート31の突起部32a、32bが、基端部まで嵌合孔24A、24Bに挿入されていない場合であっても、その後の工程において、このセパレータ20Aを用いて、セル10を形成し、これを積層し締結具で締結して荷重を掛ける。これにより、カバープレート31は、その突起部32a、32bが、基端部までそれぞれ嵌合孔24A、24Bに挿入され、セパレータ20Aの周縁部と面一になる。
【0054】
従って、本実施の形態のカバープレート31は、突起部32a、32b及び嵌合孔24A、24Bの寸法上のバラツキに対して、あらゆる態様および範囲において対処することはできないが、一定の態様および範囲内であれば、そのバラツキを吸収してセパレータ20Aに固定することができる。
【0055】
一方、図8(f)に示すように、突起部間のピッチBが、上記所定の範囲内にない場合には、突起部32bは、第二嵌合孔24Bに嵌挿され、突起部32aは、第一嵌合孔24Aに嵌挿されるが、突起部32a及び突起部32bが、第一嵌合孔24A及び第二嵌合孔24Bの内面との間に摩擦を生じないため、カバープレート31はセパレータ20Aに固定されない。
【0056】
なお、上記の説明では、突起部32aが第一嵌合孔24Aに嵌合され、突起部32bが第二嵌合孔24Bに嵌合されるとしているが、これに限定されず、突起部32bが第一嵌合孔24Aに嵌合され、突起部32aが第二嵌合孔24Bに嵌合してもよい。また、第一嵌合孔24Aの開口部の短径dと第二嵌合孔24Bの開口部の直径dが同じであるとして説明しているが、これに限定されず、短径dと直径dが異なってもよい。この場合、突起部32a、32bにおける基端部の断面の直径が、それぞれ第一嵌合孔24Aの開口部の短径dと第二嵌合孔24Bの開口部の直径dに対応するように、同じ又は所定の範囲内にあるように構成されていればよい。
【0057】
このような構成とすることにより、一定の範囲内で寸法上のバラツキを吸収して、突起部32a及び突起部32bがセパレータ20Aに固定されるので、カバープレート31をセパレータ20Aの設置部23に固定することができる。このため、上記セパレータを使用すると、セルスタックの組み立て作業を効率よく行うことが可能となり、大量生産に適した燃料電池を提供することが可能となる。
【0058】
次に、本実施の形態1に係るPEFC100のセル10を構成するセパレータ20Aの変形例について説明する。
【0059】
[変形例1]
図10は、本実施の形態1の変形例1のセパレータ20Aにおける設置部23にカバープレート31が嵌合した状態を示す模式図である。図10(a)及び(b)は、設置部23に嵌合孔を1つ設けた場合の模式図であり、図10(c)乃至(e)は、設置部23に嵌合孔を2つ設けた場合の模式図であり、図10(f)は、設置部23に嵌合孔を3つ設けた場合の模式図であり、図10(g)は、設置部23に嵌合孔を4つ設けた場合の模式図である。なお、カバープレート31に設けられた突起部の数は、設置部23に設けられた嵌合孔の数に対応するように設けられている。また、以下の説明では、図8と同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0060】
本変形例では、設置部23に設けられる嵌合孔の数とその設置位置について、以下に説明する。
【0061】
まず、嵌合孔の設置数について説明する。
【0062】
図10(a)及び(b)に示すように、第一嵌合孔24Aが長径と短径を有するような形状であれば、設置部23に嵌合孔を1つだけ設ける構成であっても、カバープレート31に設けられた突起部32aの周面の第一嵌合孔24Aの内面に対する押圧力によって生じる摩擦力により、突起部32aがセパレータ20Aに固定される。
【0063】
また、図10(c)乃至(g)に示すように、設置部23に複数の嵌合孔を設ける構成の場合には、カバープレート31の位置決めが容易になり、突起部と嵌合孔を形成する内壁と嵌合する数が増えるので、より強固にカバープレート31を設置部23に固定することができる。このように、嵌合孔の設置数は、本発明の効果が得られる観点からそれぞれ1以上であることが好ましく、また、カバープレートの位置決めと固定が確実にできる観点から、2以上であることがより好ましい。製造コストの低減や作業工程の簡易性の観点から4以下であることが好ましい。なお、短径と長径を有するような形状としては、例えば、楕円、半円や三角形、長方形等の多角形が挙げられる。また、長径と短径を有する嵌合孔を2つ以上設ける構成としてもよく、例えば、図10(e)に示すように、第一嵌合孔24Aを図面の上下方向に短径を、左右方向に長径を有するように形成し、第二嵌合孔24Bを設図面の左右方向に短径を、上下方向に長径を有するように形成してもよい。
【0064】
次に、嵌合孔の設置位置について説明する。
【0065】
嵌合孔の設置位置は、その設置数に関わらず任意であり、例えば、設置数が1つの場合では、図10(a)に示すように接続部21の左側に設けてもよく、右側に設けてもよく(図示せず)、また、接続部21の中央に設けてもよい(図10(b))。また、設置数が2つである場合には、例えば、図10(c)に示すように、接続部21を挟んで対抗するように第一嵌合孔24A、第二嵌合孔24Bを設けてもよく、また、図10(d)に示すように、接続部21の片側に設けてもよい。なお、接続部21の中央に、嵌合孔を設ける場合、図10(b)に示すように、接続部21は、嵌合孔を避けるように設けられる。
【0066】
[変形例2]
図11は、本実施の形態1の変形例2のセパレータ20Aにおける設置部23にカバープレート31が嵌合した状態を示す断面図である。図11(a)乃至(c)は、突起部32a、32bが、基端部から先端部へ向かうにつれて、その径が小さくなるように形成されている場合の断面図であり、図11(d)は、突起部32a、32bが、基端部から先端部へ向かうにつれて、その径が大きくなるように形成されている場合の断面図であり、図11(e)、(f)は、突起部32a、32bが、基端部と先端部との間でその径が最大となるように形成されている場合の断面図である。なお、図11において、図7と同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0067】
また、図12は、本実施の形態1の変形例2におけるカバープレート31に設けられた突起部32a、32bの変形例を示す模式図である。なお、図12においては、一部を省略し、また、図4と同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0068】
本変形例では、カバープレート31に設けられる突起部の形状について、以下に説明する。
【0069】
まず、突起部32a、32bの厚み方向の断面形状について説明する。
【0070】
カバープレート31に設けられる突起部32a、32bは、図11(a)乃至(c)に示すように、基端部から先端部へ向かうにつれて、その径が小さくなるような断面形状を有するように形成されていてもよい。これにより、突起部32aの周面の第一嵌合孔24Aの内面に対する押圧力によって生じる摩擦力により、突起部32aがセパレータ20Aに固定される。
【0071】
図11(c)に示すように、突起部32a、32bの先端面に厚み方向に切り込み部分を設けてもよい。これにより、突起部32a、32bは、厚み方向の押圧による弾性変形を容易にすることができ、突起部32a、32bはセパレータ20Aに容易に固定される。
【0072】
また、図11(d)に示すように、突起部32a、32bが基端部から先端部へ向かうにつれて、その径が大きくなるように形成されていてもよい。なお、図11(d)では、突起部32a、32bの先端面の直径dが、上記実施の形態1における直径dに相当し、突起部32aの先端面の中心と突起部32bの先端面の中心とのピッチB1が、ピッチBに相当する。これにより、突起部32aの周面の第一嵌合孔24Aの内面に対する押圧力によって生じる摩擦力により、突起部32aがセパレータ20Aに固定される。
【0073】
さらに、図11(e)及び(f)に示すように、突起部32a、32bが、基端部と先端部との間でその径が最大となるように形成されていてもよい。なお、図11(e)及び(f)では、突起部32a、32bの径が最大となった部分の直径dが、上記実施の形態1における直径dに相当し、突起部32aの最大径を有する断面の中心と突起部32bの最大径を有する断面の中心とのピッチB2が、ピッチBに相当する。これにより、突起部32aの周面の第一嵌合孔24Aの内面に対する押圧力によって生じる摩擦力により、突起部32aがセパレータ20Aに固定される。
【0074】
次に、突起部32a、32bの水平方向の断面の形状について説明する。
【0075】
突起部32a、32bは、上述したように基端部の断面とその先端面が相似の形状となるように構成されている。そして、その断面形状に外接する円の直径dが、上記第一嵌合孔24Aの短径d及び第二嵌合孔24Bの直径dと同じ又は所定の範囲内にあるように構成されており、例えば、図12(a)に示すように、突起部32a、32bの基端部の断面の形状を互いの弦が対向するように配設された一対の半円形状や図12(b)に示すように短径を共有する一対の楕円形状のように構成されてもよく、また、図12(c)乃至(f)に示すように、星型状や歯車状に構成されてもよく、さらに、図12(g)乃至(l)に示すように、多角形状に構成されてもよい。突起部32a、32bが、第一嵌合孔24A、第二嵌合孔24Bに嵌合されやすく外れにくい観点から、図12(a)又は(b)に示す形状が好ましく、突起部の周面が嵌合孔の内面とより多点で嵌合することができる観点から、図12(c)乃至(l)が好ましい。
【0076】
なお、本実施の形態では、セル10を積層し、セル積層体を形成する構成としたが、これに限定されず、単セルで燃料電池100を構成してもよい。また、本実施の形態では、カバープレート31を、セパレータ20Aの第一設置部23A1及び第二設置部23A2それぞれに固定する構成としたが、これに限定されず、どちらか一方の設置部にカバープレート31を固定する構成としてもよい。さらに、本実施の形態では、高分子電解質形燃料電池について説明したが、これに限定されず、本発明に係るセパレータは、リン酸形燃料電池等の燃料電池を構成するセパレータに使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明に係るセパレータは、セパレータの寸法精度が低い場合であっても、接着剤を用いずに、簡易な構成により、カバープレートをセパレータに固定することが可能で、効率良く、かつ、容易に製造することができるセパレータとして有用である。また、本発明に係る燃料電池は、上記セパレータを有することにより、大量生産に適した燃料電池として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施の形態1に係る燃料電池を構成するセル積層体及びセル積層体を構成するセルを示した模式図である。
【図2】図1に示すセパレータの構成を示す模式図である。
【図3】図2に示すセパレータの構成を示す断面図である。
【図4】図1に示すカバープレートの構成を示す模式図である。
【図5】図4に示すカバープレートの断面図である。
【図6】図2に示すセパレータの設置部に、図4に示すカバープレートが固定された状態を示す模式図である。
【図7】図6に示すセパレータの断面図である。
【図8−A】図2に示すセパレータの設置部に、図4に示すカバープレートが固定された状態を示す模式図である。
【図8−B】図2に示すセパレータの設置部に、図4に示すカバープレートが固定された状態を示す模式図である。
【図9】図8に示すカバープレートに設けられた突起部の第一嵌合孔への嵌合の状態を示す模式図である。
【図10】図6に示すセパレータの設置部にカバープレートが固定された状態の変形例を示す模式図である。
【図11−A】図7に示すカバープレートを構成する突起部の変形例を示す断面図である。
【図11−B】図7に示すカバープレートを構成する突起部の変形例を示す断面図である。
【図12−A】図4に示すカバープレートを構成する突起部の変形例を示す模式図である。
【図12−B】図4に示すカバープレートを構成する突起部の変形例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0079】
1 MEA
3 ガスケット
10 セル
11a 反応ガス供給用マニホールド孔
11b 反応ガス供給用マニホールド孔
11c 反応ガス供給用マニホールド孔
12a 反応ガス排出用マニホールド孔
12b 反応ガス排出用マニホールド孔
12c 反応ガス排出用マニホールド孔
13a 反応ガス供給用マニホールド孔
13b 反応ガス供給用マニホールド孔
13c 反応ガス供給用マニホールド孔
14a 反応ガス排出用マニホールド孔
14b 反応ガス排出用マニホールド孔
14c 反応ガス排出用マニホールド孔
15a 冷却水供給用マニホールド孔
15b 冷却水供給用マニホールド孔
15c 冷却水供給用マニホールド孔
16a 冷却水排出用マニホールド孔
16b 冷却水排出用マニホールド孔
16c 冷却水排出用マニホールド孔
21 接続部
21A ガス流路
21Aa 本体部
21Ab 第一接続部
21Ac 第二接続部
21B ガス流路
21Ba 本体部
21Bb 第一接続部
21Bc 第二接続部
23 設置部
23A1 設置部
23A2 設置部
23B1 設置部
23B2 設置部
24A 嵌合孔
24B 嵌合孔
24C 嵌合孔
24D 嵌合孔
30 当接部分
31 カバープレート
31A1 カバープレート
31A2 カバープレート
31B1 カバープレート
31B2 カバープレート
32a 突起部
32b 突起部
32c 突起部
32d 突起部
33 カバープレート本体部
100 高分子電解質形燃料電池
A ピッチ
B ピッチ
B1 ピッチ
B2 ピッチ
短径
直径
直径
直径
直径
直径
Pa1 部分
Pa2 部分
Pb1 部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質層と該電解質層の周縁部より内方の部分を挟む一対の電極からなる電解質層部材に一方の主面が当接して用いられ、
厚み方向に貫通し反応ガスを供給する反応ガス供給用マニホールド孔と、厚み方向に貫通し反応ガスを排出する反応ガス排出用マニホールド孔と、前記一方の主面に、前記反応ガス供給用マニホールド孔と前記反応ガス排出用を連通し、前記電解質層部材の電極に当接する本体部と該本体部と前記マニホールド孔との間に位置する一対の接続部とを有する溝状のガス流路と、を有するセパレータと、前記接続部を覆うカバープレートと、を有しており、
前記セパレータの前記カバープレートで覆われる領域には、厚み方向に窪んだ少なくとも1つの嵌合孔が設けられ、
前記カバープレートには、前記嵌合孔に嵌挿可能な突起部が設けられ、
前記突起部の周面が、前記嵌合孔の内面の少なくとも2点に接触し、かつ、該接触により生じる摩擦力により、前記カバープレートが前記セパレータに固定されている、カバープレート付きセパレータ。
【請求項2】
前記セパレータの前記カバープレートで覆われる領域が、前記セパレータの厚み方向に窪んでいる、請求項1に記載のカバープレート付きセパレータ。
【請求項3】
前記嵌合孔及び前記突起部がそれぞれ1以上4以下設けられている、請求項1に記載のカバープレート付きセパレータ。
【請求項4】
前記嵌合孔は、開口形状が短径と長径を有するように形成されている、請求項1に記載のカバープレート付きセパレータ。
【請求項5】
一対の請求項1に記載のカバープレート付きセパレータと、
前記カバープレート付きセパレータに挟まれた前記電解質層部材と、を有する燃料電池。



















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8−A】
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【図8−B】
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【図9】
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【図10】
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【図11−A】
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【図11−B】
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【図12−A】
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【図12−B】
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【公開番号】特開2007−311094(P2007−311094A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−137401(P2006−137401)
【出願日】平成18年5月17日(2006.5.17)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】