カビ遮断材のための方法及び装置
【課題】カビ・コロニーの定着を防止する製品分与装置及び方法を提供する。
カビ遮断材は、流体及び食品に日常的に曝される製品分与装置の構成部材への微生物コロニーの定着と継続した再生を排除する。
【解決手段】製品分与装置125へのカビ・コロニーの定着を防止するカビ遮断材160を利用する。カビ遮断材160は、潜在的に露出の可能性のある表面に接着して不侵入性の境界層を創製し、正規のルートから逸脱した製品が製品接触にふさわしくない多孔質材料に透過することを防止する。カビ遮断材に接触する際に、逸脱した製品は下方に移動する。製品分与装置及びカビ遮断材が日常的な洗浄作業中に浄化される時、逸脱した製品からの残留物を取り除くことができる。浄化によって、製品分与装置を浄化された状態に戻すことができる。
カビ遮断材は、流体及び食品に日常的に曝される製品分与装置の構成部材への微生物コロニーの定着と継続した再生を排除する。
【解決手段】製品分与装置125へのカビ・コロニーの定着を防止するカビ遮断材160を利用する。カビ遮断材160は、潜在的に露出の可能性のある表面に接着して不侵入性の境界層を創製し、正規のルートから逸脱した製品が製品接触にふさわしくない多孔質材料に透過することを防止する。カビ遮断材に接触する際に、逸脱した製品は下方に移動する。製品分与装置及びカビ遮断材が日常的な洗浄作業中に浄化される時、逸脱した製品からの残留物を取り除くことができる。浄化によって、製品分与装置を浄化された状態に戻すことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品分与装置に関し、より詳細には、限定されるものではないが、食品分与装置にカビ遮断材(mold barrier)を創製するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品分与業界では、製品分与装置(product dispenser)は、国家衛生財団(National Sanitation Foundation)から公共使用の承認を得るために厳しい設計基準に従わねばならない。国家衛生財団の承認は、清浄に関する問題の解消を保証するものではないが、清浄の問題発生の可能性を極力少なくする。国家衛生財団の設計基準は、食物と接触する全ての構成部材だけでなく、“飛沫帯(splash zone)”として知られている食品分与領域に対して向けられている。しかし、“飛沫帯”面の真下に又はその帯域を超えて配置された構成部材は、しばらく経って問題が明らかになることがある。
【0003】
“飛沫帯”は衛生目的のために取外し自在の構成部材を含むことがある。これは“飛沫帯”構成部材を浄化するという問題を解決するが、“飛沫帯”構成部材の真下又は裏側に配置された物品には向けられていない。はねよけ板(splash plate)は噴霧や零れを阻止する有効な手段として役立つが、必ずしも十分に効果があるとはいえない。例えば、ドロップイン式氷冷分与装置では、はねよけ板の裏側領域は、しばしば日常的に噴霧、零れ、しぶき等の全体を覆うように曝される。製品分与装置の露出部分は日常的に浄化されるが、露出部分の裏側に位置するこれらの構成部材は、(点検等で手が)届くことが困難であるかあるいは洗浄又は浄化の助けとならない材料から構成され、それ故に更なる問題が生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
製品分与装置を典型的には長年にわって野外に置いておくと、適切な手当をしないと普通目に見えない小さな洗浄問題が長い間に悪化する。実例として、はねよけ板の真後に配設される発泡したタワー部分には、濃縮物もしくは希釈剤又はその両方がしばしば浴びせかけられる。処理しなければ、その領域には露出した部分にカビ(mold)が成長するであろう。あらゆる食品分与装置のカビは見栄えが悪く、健康に害を及ぼすか、あるいは、そのままにしておくと、カビが拡散して、最終的には食品分与装置を余儀なく撤収しなければならなくなるであろう。従って、食品分与装置におけるカビ・コロニーの定着と継続した成長を助長する特質を排除した方法及び装置は、消費者、分与装置の操作員、食品生産者に止まらず、食品分与装置の製造業者にとっても有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、カビ遮断材のための方法及び装置は、流体又は食品に日常的に曝される食品分与装置の構成部材への微生物コロニーの定着と継続した再生を排除する。カビ遮断材は、透過性の構成部材と通常接触する可能性のある流体に不侵入性の障壁を提供し、これにより透過性の構成部材への透過を防止する。このようにして、カビ遮断材は浄化され、カビ遮断材、製品分与装置の構成部材、及びカビ遮断材が浄化された状態で組込まれた製品分与装置を元に戻す。
【0006】
カビ遮断材は潜在的に露出の可能性のある表面に接着して非貫通性(impenetrable)の境界層を創製し、これにより、正規のルートから逸脱した(errant;以下、単に「逸脱した」という)製品が、製品接触にふさわしくない多孔質材料を透過することを防止する。カビ遮断材に接触する際に、逸脱した製品は下方に移動する。製品分与装置及びカビ遮断材が日常的な洗浄作業中に浄化される時、逸脱した製品からの残留物を取り除くことができる。カビ遮断材表面の浄化によって、製品分与装置を浄化された状態に戻すことができる。
【0007】
それ故に、本発明の目的は、多孔質表面を含む製品分与装置の構成部材に使用されるカビ遮断材を提供することにある。本発明の更なる目的は、カビ遮断材を含む製品分与装置を提供することにある。本発明のまた更なる目的は、製品分与装置における微生物コロニーの定着と継続した成長を排除する方法を提供することにある。
【0008】
なお、本発明の他の目的、特徴及び利点は、当業者ならば以下の説明に照らして明らかになるであろう。また、本発明の範囲は広くあるべきことを意図するものであって、本明細書に記載された特徴、要素又は工程のあらゆる一部のいかなる組合せも、本発明の意図する範囲の一部であることが理解されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
必要に応じて、本発明の詳細な実施の形態が本明細書に開示される。しかし、開示される実施の形態は、本発明の典型的な例にすぎず、各種の形態で具体化され得ることを理解すべきである。更に、図面は、必ずしも縮尺比の通りになっておらず、幾つかの特徴が誇張されて特定の構成部材又は工程の細部を示しているかも知れないことを理解すべきである。
【0010】
最も簡単な形態において、カビ遮断材200は、製品分与装置に用いられる多孔質構成部材を密閉しており、この構成部材は、バクテリアを含む環境又は製品に潜在的に又は一時的に曝されることがあるか、あるいは、カビ・コロニーを定着する台場として役立つかも知れない。カビ遮断材200は、浄化可能な表面を提供し、これにより製品分与装置の構成部材を浄化された状態に戻す。図1a〜1dに示すように、製品分与装置の構成部材205の切断面207は、露出面206、断面208及びカビ遮断材200を有する。カビ遮断材200は、内面201、外面202、断面209を有することができる。製品分与装置の構成部材205としては、製品分与装置が必要とするような多孔質表面を含むものであればいかなる種類の構成部材であってもよく、管、断熱材、織物部材、電気ハーネス、発泡体挿入物、弾性シール等が挙げられる。多孔質露出面を含む製品分与装置の構成部材205は、流体やペースト及びゲルを含む展性のある溶液により透過されやすい。多孔質表面を突き通り得る流体及びペーストの例としては、飲料や食品が挙げられる。各種構成部材用材料の種類としては、織物、断熱材、発泡体、弾性シーリング部材、木製キャビネトリ(cabinetry)、及び木材パルプをベースとした製品を例示することができる。
【0011】
カビ遮断材200は、不浸透性の裏張り(impervious liner)からなり、普通の浄化用化学薬品に耐性があるあらゆる非多孔性材料、例えばポリスチレン又はABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)から事実上構成することができる。好ましくは、カビ遮断材200は、本来の目的である装置外面に対する衝撃を最小限に抑える薄い構造物からなる。カビ遮断材200は不規則表面に順応するように可撓性を有するか、あるいは、カビ遮断材200は、製品分与装置の構成部材205の露出面206に接着して、噴霧塗料と同様に非多孔質固体保護塗膜を形成するスプレーとして塗布されてもよい。カビ遮断材200は、更に、その他の樹脂、金属、硬化ゼラチン、ペースト、セラミック、ガラス等から構成することもできる。
【0012】
図1bに示すように、カビ遮断材200の内面201は、構成部材の露出面206に隣接した位置にあり、露出面206を密閉する。カビ遮断材200の露出面206と内面201との関係が、製品分与装置の構成部材205とその周囲に配置されるカビ遮断材200との補完表面を表すことは、当業者ならば明白のはずである。機械的な拘束具(restrainsts)を用いてカビ遮断材200を所定の位置に拘束しても、あるいは、露出面206にカビ遮断材200を塗布して硬化フィルムを形成してもよく、これにより露出面206に接着させることができる。当業者ならば、更に、所定の位置に形成される製品分与装置の構成部材205を利用して、予め成形されたカビ遮断材200に接着させることができることを認識するであろう。実例として、カビ遮断材200を含有する発泡固定具に2部構成の発泡体を射出してもよい。硬化中に、発泡体はこれに接触する構成部材に恒久的に接着して、カビ遮断材200を包含する。
【0013】
使用時に、カビ遮断材200が製品分与装置の構成部材205の露出面206に隣接した位置にあって、カビ遮断材200の内面201が製品分与装置の構成部材205の露出面206に隣接し、かつその露出面を密閉する。この位置で、製品分与装置の構成部材205の露出面206は、流体、逸脱した製品、気象要因、及び空気中に浮遊する微生物との接触から保護される。カビ遮断材200の不浸透性構造物(impervious construction)は、流体が、カビ遮断材200を突き抜けて、切断面207の露出面206だけでなく製品分与装置の構成部材205に到達することを防止する。流体に曝されている多孔質露出面206を排除することは、有機流体、製品又は汚染流体のみならず、多孔質露出面206の乾燥後に残るあらゆる関連した残留物で露出面206が浸潤されることを防止する。カビ遮断材200と接触する流体又は製品は、カビ遮断材200の外面202に残留するか、あるいは重力により下方へ移動する。外面202に残るあらゆる残留物は、カビ遮断材200の外面202を消毒液で拭き取ることによって除去されて無効になり、これにより、製品分与装置の構成部材205を浄化された状態に戻すことができる。
【0014】
図1dは、カビ遮断材200の利用に関連した方法ステップを示すフローチャートを提供する。ステップ25でプロセスが開始し、カビ遮断材200の内面201が製品分与装置の構成部材205の露出面206を密閉するように、カビ遮断材200が製品分与装置の構成部材205の露出面206に隣接した位置にある。所定の位置にあると、逸脱した流体又は製品は、製品分与装置の構成部材205の露出面206に接触するのではなく、これに代えて、カビ遮断材200の外面202に接触することになる。カビ遮断材200は不浸透性であるので、流体又は製品はカビ遮断材200の外面202に残留する。プロセスは次にステップ35を継続し、カビ遮断材200の外面202が消毒液で洗浄されて浄化され、これにより、カビ遮断材200の外面202及び製品分与装置の構成部材205を浄化された状態に戻す。
【0015】
本発明の延長線上において、製品分与装置300は、ハウジング310、少なくとも1つの製品分与回路311、少なくとも1つの製品弁312、及びカビ遮断材320を備えている。ハウジング310は、飲料分与装置300の構成部材を収容及び支持するのに好適ないかなる構造体であってもよい。実例として、ハウジング310はフレーム314及び断熱材315を含むことができる。フレーム314は、製品弁312及び製品分与回路311の留め具手段を備えていてもよい。フレーム314は、更に、断熱材315がハウジング310内に配置された製品の温度を維持するように、断熱材315を支持することができる。実例として、ハウジング310の外側周辺に又は製品分与回路311の構成部材の周辺に、断熱材315を配置することができる。
【0016】
本発明の前記延長線上において、製品分与回路311は、製品が製品供給源313から製品弁312に送出されるように、製品弁312及び製品供給源313に接続している。本発明の前記延長線上における製品分与装置なる用語は、飲料や食品分与装置を含む事実上全ての種類の製品の分与装置を包含するものと定義される。実例を示すと、製品の種類としては、炭酸飲料、アンビエント・ドリンク(ambient drink)、ジュース、ミルク、ティー、スープ、香辛料、ソース、香りを付けた水等を例示することができる。製品分与装置300が希釈剤供給源317に接続可能な希釈剤分与回路316を更に含むことがある場合には、製品は更に希釈剤を必要とするであろう。
【0017】
カビ遮断材320はハウジング310上又はその周辺の多孔質露出面に隣接して位置する不浸透層からなり、これにより、断熱材315の多孔質露出面、断熱された製品ライン、電気ハーネス等を密閉している。組み込まれた位置で、カビ遮断材320は、分与された製品の零れ、噴霧又は滴れに曝されるようになる断熱材315表面の周囲に不透過層を形成する。実例として、製品分与弁312の真下に位置する領域は、逸脱した製品に曝されてくる恐れがかなりある。本発明の前記延長線上において、カビ遮断材320は、広範な方法を用いて断熱材315に固着を行える構成部材、又は吹き付けられた構成部材であってもよい。当業者であれば、カビ遮断材320は製品分与装置300の構成部材の形状を補完するように可撓性を持たせてもよいことが認識されるであろう。
【0018】
使用時に、製品分与装置300は、分与指令を受信し、作業員のカップに混合及び送出する製品分与弁312に製品もしくは希釈剤又はその両方を送出する。分与指令の実行中には、製品分与装置300の露出面は、噴霧、滴れ又は零れに覆われるように曝されるであろう。逸脱した製品は、カビ遮断材320に落下するが、カビ遮断材320を貫通することができず、余儀なく下方に移動する。逸脱した製品はカビ遮断材320に染み込むことができないので、逸脱した製品は、カビ遮断材320の外面に留まることになり、通常の洗浄処理を行う作業員によって後ほど取り除かれるであろう。実例として、作業員は、容易に入手可能な消毒液を染み込んだスポンジでカビ遮断材320の外面を拭い去り、これにより、製品分与装置300を浄化された状態に戻すことができる。
【0019】
図2bは、微生物コロニー(microbial colony)の定着を助長する表面を排除する方法ステップを示す方法フローチャートを提供する。ステップ45でプロセスが開始し、侵入性の表面を含む潜在的に露出する可能性のある構成部材の外面に不侵入性の遮断材が創製される。プロセスはステップ55を継続し、不侵入性(impenetrable)の遮断材の外面が浄化されてあらゆる微生物の成長を根絶し、これにより、不侵入性及び侵入性の表面での微生物コロニーの継続した成長を排除する。
【0020】
製品分与装置300の構成部材について前記カビ遮断材320を薄層として開示してきたが、当業者であれば、カビ遮断材320はラップ・フィルム、収縮フィルム及び抗微生物材料を含むその他の種類の構造物から形成してもよいことを認識するであろう。当業者であれば、更に、カビ遮断材320の塗布方法及び厚さは構造物の形態に応じて変化するかも知れないことも認識するであろう。実例として、不侵入性の表面を創製する組立ての前後のいずれかの時にカビ遮断材320を刷毛塗り又は噴霧できるであろう。また更に、カビ遮断材320は、多孔質露出面を被覆するために好適に拘束が行われる構成部材とすることができるか、あるいは、多孔質露出面に接着が行われる構成部材でさえも可能である。
【0021】
製品分与装置におけるカビ遮断材を適用した具体的な実施例が図3〜7に示されており、製品分与装置100は、下側部分124及びタワー組立体125を有するハウジング110を備えている。製品分与装置100はカウンタから吊すように設計され、タワー組立体125がカウンタの上面から突出している。下側部分124は、使用するまで氷を貯蔵する貯蔵室115を含むことができ、貯蔵室115の床部として役立つ冷却板112を更に備えことができ、貯蔵室115内に貯蔵される氷によって冷却板112が冷却される。貯蔵室115へのアクセスは、貯蔵室115の点検口116を介して行われる。
【0022】
下側部分124は、また更に、希釈剤及び濃縮物を出口139及びタワー組立体125に送出する、製品供給源及び希釈剤供給源に接続可能な入口138及び出口139を含む流体流路133を備えることができる。具体的な本実施例において、出口139は、これらに頂部からアクセスできるように下側部分124の上端に配置されている。濃縮物及び希釈剤の流路は、冷却板112によって冷却の調和を行うことができ、流路内に置かれた流体を調節する製品分与装置において広く利用されている流量計測器及び制御装置を含むことができる。ハウジング110は、分与操作からの零れ、噴霧及び滴れを収集する雫受け118を更に備えることができる。更に、雫受け118は貯蔵室115を閉め切って氷を保護及び断熱することができる。
【0023】
タワー組立体125は、タワー・ヘッド組立体150、側板130、側板キャップ131、及びはねよけ板120を備えている。タワー・ヘッド組立体150は、タワー・ヘッド151及び製品分与弁135を有する。タワー・ヘッド151は、製品・希釈剤流路153、断熱材152、カビ遮断材160、面板154、及び梃子ブラケット(pry bracket)155を含むことができる。具体的な本実施例において、製品・希釈剤流路153は、下側部分124の製品・希釈剤流路133の出口139に接続する入口164と、製品分与弁135の入口に接続する出口165とを有する。
【0024】
側板130は、金属薄板の構造物、好ましくは清浄可能要件を満たすステンレス鋼からなる。側板130は、下側部分124及び面板154に適合することができ、タワー・ヘッド151を囲繞して保護する。また、側板キャップ131は、ステンレス鋼から構成され、タワー・ヘッド組立体150の上面を閉塞するために用いられる。はねよけ板120は、同様に清浄可能要件を満たすステンレス鋼から構成される。はねよけ板120は、着脱自在であり、製品分与弁135の真下に配置されるタワー組立体125部分を閉塞するために使用される。断熱材152は、独立気泡の構造物、好ましくは2部構成のウレタンからなる。断熱材152は、製品・希釈剤流路153を取り囲み、これにより製品・希釈剤流路153を断熱する。詳細な本実施例においては、断熱材152は発泡固定具中で成形され、製品・希釈剤流路153周囲への断熱材152の挿入を簡素化している。
【0025】
カビ遮断材160は、断熱材152の周囲に配置され、分与された製品の零れ、噴霧及び滴れに曝されるようになる断熱材152表面の周囲に不透過層を与える。実例として、製品分与弁135の真下及びはねよけ板120の裏側に位置する領域は、逸脱した製品に曝されてくる恐れがかなりある。詳細な本実施例において、カビ遮断材160は、広範な方法を用いて断熱材152に固着を行える1/30,000インチ(約0.85μm)のポリスチレン・シートからなる。カビ遮断材160は、第一フランジ173、第二フランジ174、第三フランジ172、及び第四フランジ178を有する平面171を含む。平面171はタワー・ヘッド151の前面に対して形状を補完する。フランジ172,173,174,178は、これらがタワー・ヘッド151の第一側面181、第二側面182、及び第三側面183に隣接するように、タワー・ヘッド151に向かう方向に延びている。当業者であれば、カビ遮断材160は、タワー・ヘッド151又は追加の構成部材の形状を更に補完するように、追加のフランジ又は隣接側面を含んでもよいことが認識されるであろう。カビ遮断材160は、第一フランジ173に第一起伏部175を、第二フランジ174に第二起伏部176を、及び第四フランジ178に第三起伏部177を更に有する。第一起伏部175及び第二起伏部176は、取り付けられた梃子ブラケット155をカビ遮断材160が避けて通ることを可能にする。第三起伏部177は、下側部分124に対して製品・希釈剤流路153が通り抜けることを可能にする。実例として、硬化する発泡体で満たされた発泡固定具にカビ遮断材160を収容し、これにより、カビ遮断材160を断熱材152に恒久的に付設することができたり、あるいは、接着剤又は機械的締め具を用いてシートの固着を行うことができる。
【0026】
面板154及び梃子ブラケット155は、成形されたステンレス鋼から構成することができ、製品・希釈剤流路153の入口164又は出口165に適合した穴を含むことができる。製品・希釈剤流路153の出口165は、発泡作業中に位置合わせを行う面板154の穴を貫通することができる。製品・希釈剤流路153の入口164は、下側部分124にアクセスするための梃子ブラケット155の穴を貫通することができる。梃子ブラケット155は側板130に接続する接着点を更に含む。
【0027】
具体的な本実施例において、タワー・ヘッド151は発泡固定具を利用して組み立てられる。組立ては発泡固定具へのカビ遮断材160の挿入により開始する。発泡位置において、カビ遮断材160は、発泡固定具中で網状をなし、発泡固定具の壁部を実質的に裏打ちする。次いで、製品・希釈剤流路153、梃子ブラケット155及び面板154が発泡固定具中で所定の方向に配置される。製品・希釈剤流路153の入口164は、これらが下側部分124に配置された流体流路133の出口139を補完する位置にあるように、梃子ブラケット155の穴に位置合わせされる。次に、出口165の配設により製品分与弁135の入口の間隔を補完するように、製品・希釈剤流路153の出口165が面板154の穴に位置する。その後、梃子ブラケット155が第一起伏部175及び第二起伏部176内に完全に挿入されるように、梃子ブラケット155を第一起伏部175及び第二起伏部176に所定の方向に配置させる。完全に挿入されると、発泡固定具を閉塞することができ、2部構成の発泡体を発泡用空洞に注入できる。硬化時に、2部構成の発泡体が面板154、梃子ブラケット155、製品・希釈剤流路153、及びカビ遮断材160に接着し、その際、ハーネスに接着して一体化したタワー・ヘッド151を形成する。硬化されると、タワー・ヘッド151中の製品・希釈剤流路153、及びカビ遮断材160が恒久的に適正な位置にあり、タワー・ヘッド151をユニットとして設置するか又は取り出すことができる。図6に示すように、カビ遮断材160は、タワー・ヘッド151の前面157を裏打ちして、隣接面に延在し、これにより、タワー・ヘッド151の潜在的な露出面をシールする。
【0028】
更なる組立て時に、タワー・ヘッド151を製品分与装置100の下側部分124に据え付けて、下側部分124の出口139をタワー・ヘッド151の入口164に結合する。次いで、製品分与弁135をタワー・ヘッド151の面板154に取り付けて、製品分与弁135の入口をタワー・ヘッド151の製品・希釈剤流路153の出口165に結合することができ、これにより製品・希釈剤送出回路が完成する。次に、タワー・ヘッド151を保護するために側板130を取り付けることができる。側板キャップ131を側板130の開口部分に取り付ける組立てが継続する。その後はねよけ板120を取り付け、これにより、側板130、キャップ131及びはねよけ板120の裏側にタワー・ヘッド151を完全に密閉する。はねよけ板120は洗浄のために着脱自在であるので、はねよけ板120が誤って取り付けられたり、製品分与装置100から取り外されていると、はねよけ板120の真後ろの領域が、場合によっては飛沫、滴れ又は噴霧に曝されることがある。
【0029】
使用時に、製品分与装置100が分与指令を受信し、作業員のカップに混合及び送出する製品分与弁135の1つに製品もしくは希釈剤又はその両方を送出する。分与指令の実行中にはねよけ板120が取り外されていると、タワー・ヘッド151の露出面は、噴霧のしぶき、滴れ等に曝されるであろう。逸脱した製品は、タワー・ヘッド151上のカビ遮断材160の平面171に落下し、カビ遮断材160を貫通することができず、余儀なく下方に移動する。逸脱した製品はカビ遮断材160に染み込むことができないので、通常の洗浄処理、実例として容易に入手可能な消毒液を染み込んだスポンジでタワー・ヘッド151を拭い去る処理を行う作業員によって、逸脱した製品を後ほど取り除くことができ、これにより製品分与装置100を浄化された状態に戻す。
【0030】
図7は、微生物コロニーの定着を助長する表面を排除する方法ステップを示す方法フローチャートを提供する。ステップ10でプロセスが開始し、侵入性の表面を含む潜在的に露出する可能性のある構成部材の外面に不侵入性の遮断材が創製される。プロセスはステップ20を継続し、不侵入性の遮断材の外面が浄化されてあらゆる微生物コロニーを根絶し、これにより、不侵入性及び侵入性の表面での微生物コロニーの継続した成長を排除する。
【0031】
前記カビ遮断材160については、所定の位置で発泡して成形されるポリスチレン・シートとして開示してきたが、当業者であれば、カビ遮断材160はプラスチック、ラップ・フィルム、収縮フィルム及び抗微生物材料を含むその他の種類の構造物から形成してもよいことを認識するであろう。当業者であれば、更に、カビ遮断材160の塗布方法及び厚さは構造物の形態に応じて変化するかも知れないことも認識するであろう。実例として、不侵入性の表面を創製するためにタワー・ヘッド151を発泡させる前後のいずれかの時にカビ遮断材160を刷毛塗り又は噴霧できるであろう。
【0032】
以上のような好ましい実施の形態について本発明を説明してきたが、かかる説明は典型的な例を目的としたにすぎず、当業者ならば明白であろうが、様々に程度の異なる多くの代替物、均等物及び変更例が本発明の範囲内にあるであろう。従って、その範囲は、あらゆる点で以上の詳細な説明によって限定されるものではなく、むしろ、添付の特許請求の範囲によってのみ定義される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1a】本発明の製品分与装置における構成部材断面の詳細図を提供する。
【図1b】本発明の製品分与装置における構成部材の要素の分解図を提供する。
【図1c】本発明の製品分与装置における構成部材のカビ遮断材と露出面との関係を示す斜視図を提供する。
【図1d】本発明のカビ遮断材を創製する方法ステップを示すフローチャートを提供する。
【図2a】本発明のカビ遮断材を利用した製品分与装置の斜視図を提供する。
【図2b】本発明のカビ遮断材を創製する方法ステップを示すフローチャートを提供する。
【図3】本発明の具体的な実施例のタワー型分与装置の斜視図を提供する。
【図4】具体的な実施例のカビ遮断材を含むタワー部分の詳細図を提供する。
【図5】具体的な実施例のタワー部分の分解図を提供する。
【図6】具体的な実施例のカビ遮断材を含むタワー・ヘッドの断面図を提供する。
【図7】製品分与装置を浄化された状態に戻す具体的な実施例の方法ステップを示すフローチャートを提供する。
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品分与装置に関し、より詳細には、限定されるものではないが、食品分与装置にカビ遮断材(mold barrier)を創製するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品分与業界では、製品分与装置(product dispenser)は、国家衛生財団(National Sanitation Foundation)から公共使用の承認を得るために厳しい設計基準に従わねばならない。国家衛生財団の承認は、清浄に関する問題の解消を保証するものではないが、清浄の問題発生の可能性を極力少なくする。国家衛生財団の設計基準は、食物と接触する全ての構成部材だけでなく、“飛沫帯(splash zone)”として知られている食品分与領域に対して向けられている。しかし、“飛沫帯”面の真下に又はその帯域を超えて配置された構成部材は、しばらく経って問題が明らかになることがある。
【0003】
“飛沫帯”は衛生目的のために取外し自在の構成部材を含むことがある。これは“飛沫帯”構成部材を浄化するという問題を解決するが、“飛沫帯”構成部材の真下又は裏側に配置された物品には向けられていない。はねよけ板(splash plate)は噴霧や零れを阻止する有効な手段として役立つが、必ずしも十分に効果があるとはいえない。例えば、ドロップイン式氷冷分与装置では、はねよけ板の裏側領域は、しばしば日常的に噴霧、零れ、しぶき等の全体を覆うように曝される。製品分与装置の露出部分は日常的に浄化されるが、露出部分の裏側に位置するこれらの構成部材は、(点検等で手が)届くことが困難であるかあるいは洗浄又は浄化の助けとならない材料から構成され、それ故に更なる問題が生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
製品分与装置を典型的には長年にわって野外に置いておくと、適切な手当をしないと普通目に見えない小さな洗浄問題が長い間に悪化する。実例として、はねよけ板の真後に配設される発泡したタワー部分には、濃縮物もしくは希釈剤又はその両方がしばしば浴びせかけられる。処理しなければ、その領域には露出した部分にカビ(mold)が成長するであろう。あらゆる食品分与装置のカビは見栄えが悪く、健康に害を及ぼすか、あるいは、そのままにしておくと、カビが拡散して、最終的には食品分与装置を余儀なく撤収しなければならなくなるであろう。従って、食品分与装置におけるカビ・コロニーの定着と継続した成長を助長する特質を排除した方法及び装置は、消費者、分与装置の操作員、食品生産者に止まらず、食品分与装置の製造業者にとっても有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、カビ遮断材のための方法及び装置は、流体又は食品に日常的に曝される食品分与装置の構成部材への微生物コロニーの定着と継続した再生を排除する。カビ遮断材は、透過性の構成部材と通常接触する可能性のある流体に不侵入性の障壁を提供し、これにより透過性の構成部材への透過を防止する。このようにして、カビ遮断材は浄化され、カビ遮断材、製品分与装置の構成部材、及びカビ遮断材が浄化された状態で組込まれた製品分与装置を元に戻す。
【0006】
カビ遮断材は潜在的に露出の可能性のある表面に接着して非貫通性(impenetrable)の境界層を創製し、これにより、正規のルートから逸脱した(errant;以下、単に「逸脱した」という)製品が、製品接触にふさわしくない多孔質材料を透過することを防止する。カビ遮断材に接触する際に、逸脱した製品は下方に移動する。製品分与装置及びカビ遮断材が日常的な洗浄作業中に浄化される時、逸脱した製品からの残留物を取り除くことができる。カビ遮断材表面の浄化によって、製品分与装置を浄化された状態に戻すことができる。
【0007】
それ故に、本発明の目的は、多孔質表面を含む製品分与装置の構成部材に使用されるカビ遮断材を提供することにある。本発明の更なる目的は、カビ遮断材を含む製品分与装置を提供することにある。本発明のまた更なる目的は、製品分与装置における微生物コロニーの定着と継続した成長を排除する方法を提供することにある。
【0008】
なお、本発明の他の目的、特徴及び利点は、当業者ならば以下の説明に照らして明らかになるであろう。また、本発明の範囲は広くあるべきことを意図するものであって、本明細書に記載された特徴、要素又は工程のあらゆる一部のいかなる組合せも、本発明の意図する範囲の一部であることが理解されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
必要に応じて、本発明の詳細な実施の形態が本明細書に開示される。しかし、開示される実施の形態は、本発明の典型的な例にすぎず、各種の形態で具体化され得ることを理解すべきである。更に、図面は、必ずしも縮尺比の通りになっておらず、幾つかの特徴が誇張されて特定の構成部材又は工程の細部を示しているかも知れないことを理解すべきである。
【0010】
最も簡単な形態において、カビ遮断材200は、製品分与装置に用いられる多孔質構成部材を密閉しており、この構成部材は、バクテリアを含む環境又は製品に潜在的に又は一時的に曝されることがあるか、あるいは、カビ・コロニーを定着する台場として役立つかも知れない。カビ遮断材200は、浄化可能な表面を提供し、これにより製品分与装置の構成部材を浄化された状態に戻す。図1a〜1dに示すように、製品分与装置の構成部材205の切断面207は、露出面206、断面208及びカビ遮断材200を有する。カビ遮断材200は、内面201、外面202、断面209を有することができる。製品分与装置の構成部材205としては、製品分与装置が必要とするような多孔質表面を含むものであればいかなる種類の構成部材であってもよく、管、断熱材、織物部材、電気ハーネス、発泡体挿入物、弾性シール等が挙げられる。多孔質露出面を含む製品分与装置の構成部材205は、流体やペースト及びゲルを含む展性のある溶液により透過されやすい。多孔質表面を突き通り得る流体及びペーストの例としては、飲料や食品が挙げられる。各種構成部材用材料の種類としては、織物、断熱材、発泡体、弾性シーリング部材、木製キャビネトリ(cabinetry)、及び木材パルプをベースとした製品を例示することができる。
【0011】
カビ遮断材200は、不浸透性の裏張り(impervious liner)からなり、普通の浄化用化学薬品に耐性があるあらゆる非多孔性材料、例えばポリスチレン又はABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)から事実上構成することができる。好ましくは、カビ遮断材200は、本来の目的である装置外面に対する衝撃を最小限に抑える薄い構造物からなる。カビ遮断材200は不規則表面に順応するように可撓性を有するか、あるいは、カビ遮断材200は、製品分与装置の構成部材205の露出面206に接着して、噴霧塗料と同様に非多孔質固体保護塗膜を形成するスプレーとして塗布されてもよい。カビ遮断材200は、更に、その他の樹脂、金属、硬化ゼラチン、ペースト、セラミック、ガラス等から構成することもできる。
【0012】
図1bに示すように、カビ遮断材200の内面201は、構成部材の露出面206に隣接した位置にあり、露出面206を密閉する。カビ遮断材200の露出面206と内面201との関係が、製品分与装置の構成部材205とその周囲に配置されるカビ遮断材200との補完表面を表すことは、当業者ならば明白のはずである。機械的な拘束具(restrainsts)を用いてカビ遮断材200を所定の位置に拘束しても、あるいは、露出面206にカビ遮断材200を塗布して硬化フィルムを形成してもよく、これにより露出面206に接着させることができる。当業者ならば、更に、所定の位置に形成される製品分与装置の構成部材205を利用して、予め成形されたカビ遮断材200に接着させることができることを認識するであろう。実例として、カビ遮断材200を含有する発泡固定具に2部構成の発泡体を射出してもよい。硬化中に、発泡体はこれに接触する構成部材に恒久的に接着して、カビ遮断材200を包含する。
【0013】
使用時に、カビ遮断材200が製品分与装置の構成部材205の露出面206に隣接した位置にあって、カビ遮断材200の内面201が製品分与装置の構成部材205の露出面206に隣接し、かつその露出面を密閉する。この位置で、製品分与装置の構成部材205の露出面206は、流体、逸脱した製品、気象要因、及び空気中に浮遊する微生物との接触から保護される。カビ遮断材200の不浸透性構造物(impervious construction)は、流体が、カビ遮断材200を突き抜けて、切断面207の露出面206だけでなく製品分与装置の構成部材205に到達することを防止する。流体に曝されている多孔質露出面206を排除することは、有機流体、製品又は汚染流体のみならず、多孔質露出面206の乾燥後に残るあらゆる関連した残留物で露出面206が浸潤されることを防止する。カビ遮断材200と接触する流体又は製品は、カビ遮断材200の外面202に残留するか、あるいは重力により下方へ移動する。外面202に残るあらゆる残留物は、カビ遮断材200の外面202を消毒液で拭き取ることによって除去されて無効になり、これにより、製品分与装置の構成部材205を浄化された状態に戻すことができる。
【0014】
図1dは、カビ遮断材200の利用に関連した方法ステップを示すフローチャートを提供する。ステップ25でプロセスが開始し、カビ遮断材200の内面201が製品分与装置の構成部材205の露出面206を密閉するように、カビ遮断材200が製品分与装置の構成部材205の露出面206に隣接した位置にある。所定の位置にあると、逸脱した流体又は製品は、製品分与装置の構成部材205の露出面206に接触するのではなく、これに代えて、カビ遮断材200の外面202に接触することになる。カビ遮断材200は不浸透性であるので、流体又は製品はカビ遮断材200の外面202に残留する。プロセスは次にステップ35を継続し、カビ遮断材200の外面202が消毒液で洗浄されて浄化され、これにより、カビ遮断材200の外面202及び製品分与装置の構成部材205を浄化された状態に戻す。
【0015】
本発明の延長線上において、製品分与装置300は、ハウジング310、少なくとも1つの製品分与回路311、少なくとも1つの製品弁312、及びカビ遮断材320を備えている。ハウジング310は、飲料分与装置300の構成部材を収容及び支持するのに好適ないかなる構造体であってもよい。実例として、ハウジング310はフレーム314及び断熱材315を含むことができる。フレーム314は、製品弁312及び製品分与回路311の留め具手段を備えていてもよい。フレーム314は、更に、断熱材315がハウジング310内に配置された製品の温度を維持するように、断熱材315を支持することができる。実例として、ハウジング310の外側周辺に又は製品分与回路311の構成部材の周辺に、断熱材315を配置することができる。
【0016】
本発明の前記延長線上において、製品分与回路311は、製品が製品供給源313から製品弁312に送出されるように、製品弁312及び製品供給源313に接続している。本発明の前記延長線上における製品分与装置なる用語は、飲料や食品分与装置を含む事実上全ての種類の製品の分与装置を包含するものと定義される。実例を示すと、製品の種類としては、炭酸飲料、アンビエント・ドリンク(ambient drink)、ジュース、ミルク、ティー、スープ、香辛料、ソース、香りを付けた水等を例示することができる。製品分与装置300が希釈剤供給源317に接続可能な希釈剤分与回路316を更に含むことがある場合には、製品は更に希釈剤を必要とするであろう。
【0017】
カビ遮断材320はハウジング310上又はその周辺の多孔質露出面に隣接して位置する不浸透層からなり、これにより、断熱材315の多孔質露出面、断熱された製品ライン、電気ハーネス等を密閉している。組み込まれた位置で、カビ遮断材320は、分与された製品の零れ、噴霧又は滴れに曝されるようになる断熱材315表面の周囲に不透過層を形成する。実例として、製品分与弁312の真下に位置する領域は、逸脱した製品に曝されてくる恐れがかなりある。本発明の前記延長線上において、カビ遮断材320は、広範な方法を用いて断熱材315に固着を行える構成部材、又は吹き付けられた構成部材であってもよい。当業者であれば、カビ遮断材320は製品分与装置300の構成部材の形状を補完するように可撓性を持たせてもよいことが認識されるであろう。
【0018】
使用時に、製品分与装置300は、分与指令を受信し、作業員のカップに混合及び送出する製品分与弁312に製品もしくは希釈剤又はその両方を送出する。分与指令の実行中には、製品分与装置300の露出面は、噴霧、滴れ又は零れに覆われるように曝されるであろう。逸脱した製品は、カビ遮断材320に落下するが、カビ遮断材320を貫通することができず、余儀なく下方に移動する。逸脱した製品はカビ遮断材320に染み込むことができないので、逸脱した製品は、カビ遮断材320の外面に留まることになり、通常の洗浄処理を行う作業員によって後ほど取り除かれるであろう。実例として、作業員は、容易に入手可能な消毒液を染み込んだスポンジでカビ遮断材320の外面を拭い去り、これにより、製品分与装置300を浄化された状態に戻すことができる。
【0019】
図2bは、微生物コロニー(microbial colony)の定着を助長する表面を排除する方法ステップを示す方法フローチャートを提供する。ステップ45でプロセスが開始し、侵入性の表面を含む潜在的に露出する可能性のある構成部材の外面に不侵入性の遮断材が創製される。プロセスはステップ55を継続し、不侵入性(impenetrable)の遮断材の外面が浄化されてあらゆる微生物の成長を根絶し、これにより、不侵入性及び侵入性の表面での微生物コロニーの継続した成長を排除する。
【0020】
製品分与装置300の構成部材について前記カビ遮断材320を薄層として開示してきたが、当業者であれば、カビ遮断材320はラップ・フィルム、収縮フィルム及び抗微生物材料を含むその他の種類の構造物から形成してもよいことを認識するであろう。当業者であれば、更に、カビ遮断材320の塗布方法及び厚さは構造物の形態に応じて変化するかも知れないことも認識するであろう。実例として、不侵入性の表面を創製する組立ての前後のいずれかの時にカビ遮断材320を刷毛塗り又は噴霧できるであろう。また更に、カビ遮断材320は、多孔質露出面を被覆するために好適に拘束が行われる構成部材とすることができるか、あるいは、多孔質露出面に接着が行われる構成部材でさえも可能である。
【0021】
製品分与装置におけるカビ遮断材を適用した具体的な実施例が図3〜7に示されており、製品分与装置100は、下側部分124及びタワー組立体125を有するハウジング110を備えている。製品分与装置100はカウンタから吊すように設計され、タワー組立体125がカウンタの上面から突出している。下側部分124は、使用するまで氷を貯蔵する貯蔵室115を含むことができ、貯蔵室115の床部として役立つ冷却板112を更に備えことができ、貯蔵室115内に貯蔵される氷によって冷却板112が冷却される。貯蔵室115へのアクセスは、貯蔵室115の点検口116を介して行われる。
【0022】
下側部分124は、また更に、希釈剤及び濃縮物を出口139及びタワー組立体125に送出する、製品供給源及び希釈剤供給源に接続可能な入口138及び出口139を含む流体流路133を備えることができる。具体的な本実施例において、出口139は、これらに頂部からアクセスできるように下側部分124の上端に配置されている。濃縮物及び希釈剤の流路は、冷却板112によって冷却の調和を行うことができ、流路内に置かれた流体を調節する製品分与装置において広く利用されている流量計測器及び制御装置を含むことができる。ハウジング110は、分与操作からの零れ、噴霧及び滴れを収集する雫受け118を更に備えることができる。更に、雫受け118は貯蔵室115を閉め切って氷を保護及び断熱することができる。
【0023】
タワー組立体125は、タワー・ヘッド組立体150、側板130、側板キャップ131、及びはねよけ板120を備えている。タワー・ヘッド組立体150は、タワー・ヘッド151及び製品分与弁135を有する。タワー・ヘッド151は、製品・希釈剤流路153、断熱材152、カビ遮断材160、面板154、及び梃子ブラケット(pry bracket)155を含むことができる。具体的な本実施例において、製品・希釈剤流路153は、下側部分124の製品・希釈剤流路133の出口139に接続する入口164と、製品分与弁135の入口に接続する出口165とを有する。
【0024】
側板130は、金属薄板の構造物、好ましくは清浄可能要件を満たすステンレス鋼からなる。側板130は、下側部分124及び面板154に適合することができ、タワー・ヘッド151を囲繞して保護する。また、側板キャップ131は、ステンレス鋼から構成され、タワー・ヘッド組立体150の上面を閉塞するために用いられる。はねよけ板120は、同様に清浄可能要件を満たすステンレス鋼から構成される。はねよけ板120は、着脱自在であり、製品分与弁135の真下に配置されるタワー組立体125部分を閉塞するために使用される。断熱材152は、独立気泡の構造物、好ましくは2部構成のウレタンからなる。断熱材152は、製品・希釈剤流路153を取り囲み、これにより製品・希釈剤流路153を断熱する。詳細な本実施例においては、断熱材152は発泡固定具中で成形され、製品・希釈剤流路153周囲への断熱材152の挿入を簡素化している。
【0025】
カビ遮断材160は、断熱材152の周囲に配置され、分与された製品の零れ、噴霧及び滴れに曝されるようになる断熱材152表面の周囲に不透過層を与える。実例として、製品分与弁135の真下及びはねよけ板120の裏側に位置する領域は、逸脱した製品に曝されてくる恐れがかなりある。詳細な本実施例において、カビ遮断材160は、広範な方法を用いて断熱材152に固着を行える1/30,000インチ(約0.85μm)のポリスチレン・シートからなる。カビ遮断材160は、第一フランジ173、第二フランジ174、第三フランジ172、及び第四フランジ178を有する平面171を含む。平面171はタワー・ヘッド151の前面に対して形状を補完する。フランジ172,173,174,178は、これらがタワー・ヘッド151の第一側面181、第二側面182、及び第三側面183に隣接するように、タワー・ヘッド151に向かう方向に延びている。当業者であれば、カビ遮断材160は、タワー・ヘッド151又は追加の構成部材の形状を更に補完するように、追加のフランジ又は隣接側面を含んでもよいことが認識されるであろう。カビ遮断材160は、第一フランジ173に第一起伏部175を、第二フランジ174に第二起伏部176を、及び第四フランジ178に第三起伏部177を更に有する。第一起伏部175及び第二起伏部176は、取り付けられた梃子ブラケット155をカビ遮断材160が避けて通ることを可能にする。第三起伏部177は、下側部分124に対して製品・希釈剤流路153が通り抜けることを可能にする。実例として、硬化する発泡体で満たされた発泡固定具にカビ遮断材160を収容し、これにより、カビ遮断材160を断熱材152に恒久的に付設することができたり、あるいは、接着剤又は機械的締め具を用いてシートの固着を行うことができる。
【0026】
面板154及び梃子ブラケット155は、成形されたステンレス鋼から構成することができ、製品・希釈剤流路153の入口164又は出口165に適合した穴を含むことができる。製品・希釈剤流路153の出口165は、発泡作業中に位置合わせを行う面板154の穴を貫通することができる。製品・希釈剤流路153の入口164は、下側部分124にアクセスするための梃子ブラケット155の穴を貫通することができる。梃子ブラケット155は側板130に接続する接着点を更に含む。
【0027】
具体的な本実施例において、タワー・ヘッド151は発泡固定具を利用して組み立てられる。組立ては発泡固定具へのカビ遮断材160の挿入により開始する。発泡位置において、カビ遮断材160は、発泡固定具中で網状をなし、発泡固定具の壁部を実質的に裏打ちする。次いで、製品・希釈剤流路153、梃子ブラケット155及び面板154が発泡固定具中で所定の方向に配置される。製品・希釈剤流路153の入口164は、これらが下側部分124に配置された流体流路133の出口139を補完する位置にあるように、梃子ブラケット155の穴に位置合わせされる。次に、出口165の配設により製品分与弁135の入口の間隔を補完するように、製品・希釈剤流路153の出口165が面板154の穴に位置する。その後、梃子ブラケット155が第一起伏部175及び第二起伏部176内に完全に挿入されるように、梃子ブラケット155を第一起伏部175及び第二起伏部176に所定の方向に配置させる。完全に挿入されると、発泡固定具を閉塞することができ、2部構成の発泡体を発泡用空洞に注入できる。硬化時に、2部構成の発泡体が面板154、梃子ブラケット155、製品・希釈剤流路153、及びカビ遮断材160に接着し、その際、ハーネスに接着して一体化したタワー・ヘッド151を形成する。硬化されると、タワー・ヘッド151中の製品・希釈剤流路153、及びカビ遮断材160が恒久的に適正な位置にあり、タワー・ヘッド151をユニットとして設置するか又は取り出すことができる。図6に示すように、カビ遮断材160は、タワー・ヘッド151の前面157を裏打ちして、隣接面に延在し、これにより、タワー・ヘッド151の潜在的な露出面をシールする。
【0028】
更なる組立て時に、タワー・ヘッド151を製品分与装置100の下側部分124に据え付けて、下側部分124の出口139をタワー・ヘッド151の入口164に結合する。次いで、製品分与弁135をタワー・ヘッド151の面板154に取り付けて、製品分与弁135の入口をタワー・ヘッド151の製品・希釈剤流路153の出口165に結合することができ、これにより製品・希釈剤送出回路が完成する。次に、タワー・ヘッド151を保護するために側板130を取り付けることができる。側板キャップ131を側板130の開口部分に取り付ける組立てが継続する。その後はねよけ板120を取り付け、これにより、側板130、キャップ131及びはねよけ板120の裏側にタワー・ヘッド151を完全に密閉する。はねよけ板120は洗浄のために着脱自在であるので、はねよけ板120が誤って取り付けられたり、製品分与装置100から取り外されていると、はねよけ板120の真後ろの領域が、場合によっては飛沫、滴れ又は噴霧に曝されることがある。
【0029】
使用時に、製品分与装置100が分与指令を受信し、作業員のカップに混合及び送出する製品分与弁135の1つに製品もしくは希釈剤又はその両方を送出する。分与指令の実行中にはねよけ板120が取り外されていると、タワー・ヘッド151の露出面は、噴霧のしぶき、滴れ等に曝されるであろう。逸脱した製品は、タワー・ヘッド151上のカビ遮断材160の平面171に落下し、カビ遮断材160を貫通することができず、余儀なく下方に移動する。逸脱した製品はカビ遮断材160に染み込むことができないので、通常の洗浄処理、実例として容易に入手可能な消毒液を染み込んだスポンジでタワー・ヘッド151を拭い去る処理を行う作業員によって、逸脱した製品を後ほど取り除くことができ、これにより製品分与装置100を浄化された状態に戻す。
【0030】
図7は、微生物コロニーの定着を助長する表面を排除する方法ステップを示す方法フローチャートを提供する。ステップ10でプロセスが開始し、侵入性の表面を含む潜在的に露出する可能性のある構成部材の外面に不侵入性の遮断材が創製される。プロセスはステップ20を継続し、不侵入性の遮断材の外面が浄化されてあらゆる微生物コロニーを根絶し、これにより、不侵入性及び侵入性の表面での微生物コロニーの継続した成長を排除する。
【0031】
前記カビ遮断材160については、所定の位置で発泡して成形されるポリスチレン・シートとして開示してきたが、当業者であれば、カビ遮断材160はプラスチック、ラップ・フィルム、収縮フィルム及び抗微生物材料を含むその他の種類の構造物から形成してもよいことを認識するであろう。当業者であれば、更に、カビ遮断材160の塗布方法及び厚さは構造物の形態に応じて変化するかも知れないことも認識するであろう。実例として、不侵入性の表面を創製するためにタワー・ヘッド151を発泡させる前後のいずれかの時にカビ遮断材160を刷毛塗り又は噴霧できるであろう。
【0032】
以上のような好ましい実施の形態について本発明を説明してきたが、かかる説明は典型的な例を目的としたにすぎず、当業者ならば明白であろうが、様々に程度の異なる多くの代替物、均等物及び変更例が本発明の範囲内にあるであろう。従って、その範囲は、あらゆる点で以上の詳細な説明によって限定されるものではなく、むしろ、添付の特許請求の範囲によってのみ定義される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1a】本発明の製品分与装置における構成部材断面の詳細図を提供する。
【図1b】本発明の製品分与装置における構成部材の要素の分解図を提供する。
【図1c】本発明の製品分与装置における構成部材のカビ遮断材と露出面との関係を示す斜視図を提供する。
【図1d】本発明のカビ遮断材を創製する方法ステップを示すフローチャートを提供する。
【図2a】本発明のカビ遮断材を利用した製品分与装置の斜視図を提供する。
【図2b】本発明のカビ遮断材を創製する方法ステップを示すフローチャートを提供する。
【図3】本発明の具体的な実施例のタワー型分与装置の斜視図を提供する。
【図4】具体的な実施例のカビ遮断材を含むタワー部分の詳細図を提供する。
【図5】具体的な実施例のタワー部分の分解図を提供する。
【図6】具体的な実施例のカビ遮断材を含むタワー・ヘッドの断面図を提供する。
【図7】製品分与装置を浄化された状態に戻す具体的な実施例の方法ステップを示すフローチャートを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品分与装置であって、
ハウジングと、前記ハウジング内に配置され多孔質面を含む製品分与装置の構成部材と、液体及び希釈剤の不浸透層と、を含み、
前記不浸透層が、前記製品分与装置の構成部材上に固定されるか又は前記製品分与装置の構成部材と一体に形成されて前記製品分与装置の前記多孔質面と前記ハウジングとの間に配置され、前記製品分与装置から分与され前記ハウジング上へ雫れ前記ハウジングへ浸透する液体及び希釈剤が前記多孔質面のところで前記不浸透層に接触することを特徴とする製品分与装置。
【請求項2】
前記製品分与装置の構成部材が断熱材を含む請求項1に記載の製品分与装置。
【請求項3】
前記不浸透層が前記断熱材上に配置される請求項2に記載の製品分与装置。
【請求項4】
前記不浸透層が前記断熱材と一体に形成される請求項2に記載の製品分与装置。
【請求項5】
請求項2に記載の製品分与装置であって、更に前記断熱材により少なくとも部分的に包囲された製品流路を含む製品分与装置。
【請求項6】
請求項5に記載の前記製品分与装置であって、前記製品流路、前記断熱材及び前記不浸透層が前記ハウジングのタワー・ヘッドを含む製品分与装置。
【請求項7】
前記製品分与装置の構成部材が製品ラインを含む請求項1に記載の製品分与装置。
【請求項8】
請求項2に記載の前記製品分与装置であって、更にフレームを含み、前記断熱材が該フレームのまわりに少なくとも部分的に配置される製品分与装置。
【請求項9】
前記フレーム、断熱材及び不浸透層が少なくとも部分的に前記ハウジング内に配置される請求項8に記載の製品分与装置。
【請求項10】
前記断熱材が2部構成のウレタンからなる請求項2に記載の製品分与装置。
【請求項11】
前記断熱材が所定位置で発泡される請求項2に記載の製品分与装置。
【請求項12】
前記不浸透層がアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンから作られる請求項1に記載の製品分与装置。
【請求項13】
前記不浸透層がポリスチレンから作られる請求項1に記載の製品分与装置。
【請求項14】
前記不浸透層が抗微生物材料から作られる請求項1に記載の製品分与装置。
【請求項15】
前記不浸透層が予備成形され製品分与装置の構成部材とハウジングとの間に配置される請求項1に記載の製品分与装置。
【請求項16】
前記不浸透層が製品分与装置の構成部材の配置の後に製品分与装置の構成部材上に適用される請求項1に記載の製品分与装置。
【請求項17】
前記不浸透層が製品分与装置の構成部材上に適用される請求項1に記載の製品分与装置。
【請求項18】
前記不浸透層が製品分与装置の構成部材とハウジングとの間の所定位置で発泡される請求項1に記載の製品分与装置。
【請求項19】
製品分与装置を製造する方法であって、
ハウジングを提供する工程と、
多孔質面を含む製品分与装置の構成部材を前記ハウジング内に配置する工程と、
液体及び希釈剤の不浸透層を、前記製品分与装置の構成部材上に固定するか又は前記製品分与装置の構成部材と一体に形成して前記製品分与装置の前記多孔質面と前記ハウジングとの間に配置する工程と、を含み、
前記製品分与装置から分与され前記ハウジング上へ雫れ前記ハウジングへ浸透する雫れた液体及び希釈剤が前記多孔質面のところで前記不浸透層に接触することを特徴とする方法。
【請求項20】
前記製品分与装置の構成部材を配置する工程が前記ハウジング内に断熱材を提供する工程を含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記不浸透層を配置する工程が前記不浸透層を前記断熱材上に配置する工程を含む請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記不浸透層を配置する工程が前記不浸透層を前記断熱材と一体に形成する工程を含む請求項20に記載の方法。
【請求項23】
請求項20に記載の方法であって、更に前記ハウジング内に少なくとも部分的に製品流路を配置する工程を含み、それにより該製品流路が前記断熱材により少なくとも部分的に包囲される方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、前記製品流路、前記断熱材及び前記不浸透層が前記ハウジングのタワー・ヘッドを提供する方法。
【請求項25】
前記製品分与装置の構成部材を配置する工程が前記ハウジング内に前記製品ラインを少なくとも部分的に配置する工程を含む請求項19に記載の方法。
【請求項26】
請求項20に記載の方法であって、更にフレームを少なくとも部分的に前記ハウジング内に配置する工程を含み、前記断熱材が少なくとも部分的に該フレームのまわりに配置される方法。
【請求項27】
前記断熱材を提供する工程が該断熱材を所定位置で発泡させる工程を含む請求項20に記載の方法。
【請求項28】
請求項19に記載の方法であって、前記不浸透層を配置する工程が該不浸透層を予め形成し前記製品分与装置の構成部材と前記ハウジングとの間に挿入する工程を含む方法。
【請求項29】
請求項19に記載の方法であって、前記不浸透層を配置する工程が不浸透層を予め形成し前記製品分与装置の構成部材と前記ハウジングとの間の所定位置において予め形成された不浸透層を発泡させる工程を含む方法。
【請求項30】
請求項19に記載の方法であって、前記不浸透層を配置する工程が、前記製品分与装置の構成部材の配置の後に不浸透層を前記製品分与装置の構成部材に適用する工程を含む方法。
【請求項31】
請求項19に記載の方法であって、前記不浸透層を配置する工程が不浸透層を前記製品分与装置の構成部材上に適用する工程を含む方法。
【請求項32】
請求項19に記載の方法であって、前記不浸透層を配置する工程が不浸透層を前記製品分与装置の構成部材と前記ハウジングとの間の所定位置において発泡させる工程を含む方法。
【請求項1】
製品分与装置であって、
ハウジングと、前記ハウジング内に配置され多孔質面を含む製品分与装置の構成部材と、液体及び希釈剤の不浸透層と、を含み、
前記不浸透層が、前記製品分与装置の構成部材上に固定されるか又は前記製品分与装置の構成部材と一体に形成されて前記製品分与装置の前記多孔質面と前記ハウジングとの間に配置され、前記製品分与装置から分与され前記ハウジング上へ雫れ前記ハウジングへ浸透する液体及び希釈剤が前記多孔質面のところで前記不浸透層に接触することを特徴とする製品分与装置。
【請求項2】
前記製品分与装置の構成部材が断熱材を含む請求項1に記載の製品分与装置。
【請求項3】
前記不浸透層が前記断熱材上に配置される請求項2に記載の製品分与装置。
【請求項4】
前記不浸透層が前記断熱材と一体に形成される請求項2に記載の製品分与装置。
【請求項5】
請求項2に記載の製品分与装置であって、更に前記断熱材により少なくとも部分的に包囲された製品流路を含む製品分与装置。
【請求項6】
請求項5に記載の前記製品分与装置であって、前記製品流路、前記断熱材及び前記不浸透層が前記ハウジングのタワー・ヘッドを含む製品分与装置。
【請求項7】
前記製品分与装置の構成部材が製品ラインを含む請求項1に記載の製品分与装置。
【請求項8】
請求項2に記載の前記製品分与装置であって、更にフレームを含み、前記断熱材が該フレームのまわりに少なくとも部分的に配置される製品分与装置。
【請求項9】
前記フレーム、断熱材及び不浸透層が少なくとも部分的に前記ハウジング内に配置される請求項8に記載の製品分与装置。
【請求項10】
前記断熱材が2部構成のウレタンからなる請求項2に記載の製品分与装置。
【請求項11】
前記断熱材が所定位置で発泡される請求項2に記載の製品分与装置。
【請求項12】
前記不浸透層がアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンから作られる請求項1に記載の製品分与装置。
【請求項13】
前記不浸透層がポリスチレンから作られる請求項1に記載の製品分与装置。
【請求項14】
前記不浸透層が抗微生物材料から作られる請求項1に記載の製品分与装置。
【請求項15】
前記不浸透層が予備成形され製品分与装置の構成部材とハウジングとの間に配置される請求項1に記載の製品分与装置。
【請求項16】
前記不浸透層が製品分与装置の構成部材の配置の後に製品分与装置の構成部材上に適用される請求項1に記載の製品分与装置。
【請求項17】
前記不浸透層が製品分与装置の構成部材上に適用される請求項1に記載の製品分与装置。
【請求項18】
前記不浸透層が製品分与装置の構成部材とハウジングとの間の所定位置で発泡される請求項1に記載の製品分与装置。
【請求項19】
製品分与装置を製造する方法であって、
ハウジングを提供する工程と、
多孔質面を含む製品分与装置の構成部材を前記ハウジング内に配置する工程と、
液体及び希釈剤の不浸透層を、前記製品分与装置の構成部材上に固定するか又は前記製品分与装置の構成部材と一体に形成して前記製品分与装置の前記多孔質面と前記ハウジングとの間に配置する工程と、を含み、
前記製品分与装置から分与され前記ハウジング上へ雫れ前記ハウジングへ浸透する雫れた液体及び希釈剤が前記多孔質面のところで前記不浸透層に接触することを特徴とする方法。
【請求項20】
前記製品分与装置の構成部材を配置する工程が前記ハウジング内に断熱材を提供する工程を含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記不浸透層を配置する工程が前記不浸透層を前記断熱材上に配置する工程を含む請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記不浸透層を配置する工程が前記不浸透層を前記断熱材と一体に形成する工程を含む請求項20に記載の方法。
【請求項23】
請求項20に記載の方法であって、更に前記ハウジング内に少なくとも部分的に製品流路を配置する工程を含み、それにより該製品流路が前記断熱材により少なくとも部分的に包囲される方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、前記製品流路、前記断熱材及び前記不浸透層が前記ハウジングのタワー・ヘッドを提供する方法。
【請求項25】
前記製品分与装置の構成部材を配置する工程が前記ハウジング内に前記製品ラインを少なくとも部分的に配置する工程を含む請求項19に記載の方法。
【請求項26】
請求項20に記載の方法であって、更にフレームを少なくとも部分的に前記ハウジング内に配置する工程を含み、前記断熱材が少なくとも部分的に該フレームのまわりに配置される方法。
【請求項27】
前記断熱材を提供する工程が該断熱材を所定位置で発泡させる工程を含む請求項20に記載の方法。
【請求項28】
請求項19に記載の方法であって、前記不浸透層を配置する工程が該不浸透層を予め形成し前記製品分与装置の構成部材と前記ハウジングとの間に挿入する工程を含む方法。
【請求項29】
請求項19に記載の方法であって、前記不浸透層を配置する工程が不浸透層を予め形成し前記製品分与装置の構成部材と前記ハウジングとの間の所定位置において予め形成された不浸透層を発泡させる工程を含む方法。
【請求項30】
請求項19に記載の方法であって、前記不浸透層を配置する工程が、前記製品分与装置の構成部材の配置の後に不浸透層を前記製品分与装置の構成部材に適用する工程を含む方法。
【請求項31】
請求項19に記載の方法であって、前記不浸透層を配置する工程が不浸透層を前記製品分与装置の構成部材上に適用する工程を含む方法。
【請求項32】
請求項19に記載の方法であって、前記不浸透層を配置する工程が不浸透層を前記製品分与装置の構成部材と前記ハウジングとの間の所定位置において発泡させる工程を含む方法。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2012−246061(P2012−246061A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−182207(P2012−182207)
【出願日】平成24年8月21日(2012.8.21)
【分割の表示】特願2008−520407(P2008−520407)の分割
【原出願日】平成18年7月5日(2006.7.5)
【出願人】(501011048)ランサー・パートナーシップ・リミテッド (25)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年8月21日(2012.8.21)
【分割の表示】特願2008−520407(P2008−520407)の分割
【原出願日】平成18年7月5日(2006.7.5)
【出願人】(501011048)ランサー・パートナーシップ・リミテッド (25)
【Fターム(参考)】
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