説明

カプセルへの錠剤充填装置

【課題】 小さい錠剤でも、過不足なく所定数量の錠剤を確実かつ正確に計数してカプセル内に充填することができるカプセルへの錠剤充填装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 錠剤充填室6に供給された錠剤tを攪拌部材64で攪拌しながら計数円盤5の計数穴51内に収容し、これを計数円盤5の間歇回転により搬送し、所定回転角度位置でシャッター8を開いて計数円盤5の下側に配置されたカプセルボディーCb内に計数穴51内の錠剤tを投入するように構成したことを特徴とするカプセルへの錠剤充填装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定個数の錠剤を計数してカプセル内に充填するためのカプセルへの錠剤充填装置に関する。
【0002】
【従来の技術】キャップとボディーとからなるハードカプセルに薬剤を充填したカプセル剤としては、粉末状、顆粒状又は液状の薬剤を充填したカプセル剤が一般的であるが、場合によってはキャップとボディーとからなるカプセル内に所定数量の錠剤を充填して錠剤を充填したカプセル剤とすることも行われている。
【0003】即ち、薬剤によっては、通常、患者の症状や年齢、その他の条件等に応じて一回の投与量を変更しなければならないものであり、この場合薬剤を所定単位量の錠剤とし、服用個数を患者に応じて変えることが容易である。しかしながら、このように服用する錠剤の個数で投与量を調整する場合、患者が服用時に一々錠剤を数えて自分の年齢や症状に応じた個数の錠剤を服用しなければならず非常に面倒であり、また患者によっては非常に多くの個数の錠剤を服用しなければならないケースも生じる。そこで、所定単位量の有効成分を含む錠剤を予め患者の年齢や症状に合わせてカプセル内に充填したカプセル剤とし、これを服用することにより、服用時の患者の負担を軽減することができるものである。
【0004】ここで、粉末状や顆粒状の薬剤を充填したカプセル剤は、カプセル充填機によって粉末状又は顆粒状の薬剤をカプセルに自動充填することにより製造されているが、同様に錠剤をカプセルに自動充填するカプセルへの錠剤自動充填機も提案されている。
【0005】錠剤をカプセルへと充填する充填機として具体的には、特開平5−170201号公報に開示された錠剤充填装置を例示することができる。この錠剤充填装置は、図15(A)に示したように、図示しない錠剤供給ホッパーから第1錠剤案内シュートaの第1ガイド穴bに錠剤tを供給して該第1ガイド穴b内に錠剤tを一列に収容すると共に、各第1ガイド穴bに収容された錠剤tの一番下の錠剤を計数板cの計数穴dに収容し、図15(B)に示したように、計数板cをスライドさせて上記第1錠剤案内シュートaの第1ガイド穴bと変位して配置された錠剤保持ブロックeの錠剤保持穴fに投入し、この計数板cの往復スライド運動を所定回数行って錠剤保持穴fに所定個数の錠剤を収容保持し、次いで図15(C)に示したように、錠剤保持ブロックeの下に配置されたシャッター板gを移動させて該シャッター板gの挿通穴hと上記錠剤保持穴fとを一致させて錠剤保持穴fの下端面を開放し、各錠剤保持穴f内に収容された錠剤を第2錠剤案内シュートiの第2ガイド穴jを通過させて、第2案内シュートiの下側に配置されたカプセル保持ブロックkに保持されたカプセルボディーmにその錠剤を投入することにより、カプセルボディーmに所定数量の錠剤を充填するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の錠剤充填装置は、1つのカプセルに充填する錠剤の数が多いと充填に長時間を要するという欠点がある。
【0007】即ち、患者の年齢や症状に合わせて薬剤の投与量を微妙に調節するには、充填する錠剤をできるだけ小さいものとすることが好ましいが、このように錠剤を小さいものとすると必然的にひとつのカプセルに充填しなければならない錠剤の数量も多くなり、必要数量の錠剤を計数するために上記計数板cの往復スライド運動を多数回繰り返さなければならず、所定数量の錠剤を錠剤保持ブロックeの錠剤保持穴fに投入する作業に長時間を要することとなる。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、小さい錠剤を多数量充填する場合でも充填作業に長時間を要することなく、しかも過不足なく所定数量の錠剤を確実かつ正確に計数してカプセル内に充填することができるカプセルへの錠剤充填装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するため、所定数の錠剤が収容される計数穴が多数整列して形成され、所定の速度で間歇回転する計数円盤と、該計数円盤の上面に近接又は接触して配設固定された上下両面が開放した箱状の錠剤充填室と、該錠剤充填室内に配設され、該錠剤充填室内に収容された錠剤を攪拌する攪拌部材と、上記錠剤充填室内に錠剤を供給する錠剤供給手段と、上記計数円盤に形成された計数穴の下端開口面を開閉するシャッターとを具備してなり、上記錠剤供給手段により上記錠剤充填室に供給された錠剤を上記攪拌部材で攪拌しながら上記計数円盤の計数穴内に収容し、これを計数円盤の間歇回転により搬送し、所定回転角度位置で上記シャッターを開いて上記計数円盤の下側に上記計数穴に対応して配置されたカプセルのボディー内に計数穴内の錠剤を投入するように構成したことを特徴とするカプセルへの錠剤充填装置を提供する。
【0010】即ち、本発明の錠剤充填装置は、上記のように、上記計数円盤上に設けた錠剤充填室内に錠剤を投入し、これを上記攪拌部材で攪拌しながら計数円盤に形成された所定数量の錠剤を収容する計数穴に投入することにより、所定個数の錠剤を計数して保持し、これを計数円盤の所定回転角度位置でカプセルのボディー内に投入することにより、所定数量の錠剤をカプセルに充填するものである。
【0011】このように、本発明の錠剤充填装置によれば、上記計数円盤上に載置された錠剤を上記攪拌部材で攪拌して該計数円盤の計数穴に投入することにより、所定数の錠剤を計数して保持するようになっているので、1つのカプセルに小さい錠剤を多数個充填する場合でも、特に長時間を要することなく所定数の錠剤を確実に計数してカプセルに充填することができるものである。
【0012】ここで、本発明の錠剤充填装置では、特に制限されるものではないが、上記計数穴の配列方向と、上記攪拌部材による錠剤の攪拌方向とを異なる方向とすることが好ましく、例えば、上記計数穴を計数円盤の周縁部に縦横直線状に整列して形成すると共に、上記攪拌部材を、上記計数円盤の周方向に沿って円弧軌道上を往復運動させることにより、錠剤を攪拌するように構成することが好ましい。
【0013】即ち、上記計数円盤の計数穴を縦横直線状に整列配置し、上記錠剤充填室内で計数円盤上に供給された錠剤を円弧軌道上を往復運動する上記攪拌部材により攪拌することにより、この攪拌部材に押圧されて流動する錠剤は、計数穴の配列方向と異なる方向へと流動し、これにより計数穴に投入されることによって計数円盤上の錠剤が消費されても、常に錠剤充填室内の計数円盤上に均一に錠剤が分布し、すべての計数穴に所定数量の錠剤が確実に投入収容されるものである。更に詳述すれば、計数穴の配列方向と攪拌部材の攪拌方向とが同一であると、計数穴に錠剤が投入されていくのに伴って計数穴の列に沿って計数円盤上の錠剤が消費され、計数円盤上の錠剤群にむらが生じ、必ずしも全ての計数穴に所定数量の錠剤を確実に投入することができずに、所定数量の錠剤が収容されない計数穴を生じる虞があるが、計数穴の配列方向と錠剤の攪拌方向が異なることにより、錠剤が計数穴列を斜めに横切るように移動するため、錠剤が計数穴に投入されて消費された後、計数穴列間の錠剤が計数穴列上に移動し、常に計数穴上に錠剤が移動して所定数の錠剤を計数穴に確実に投入することができるものである。
【0014】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明につきより具体的に説明する。図1,2は、本発明の錠剤充填装置を用いたカプセル充填機の一例を示したもので、このカプセル充填機は、キャップとボディーとを仮結合したカプセルをキャップとボディーとに分離して搬送し、分離したカプセルのボディー側に錠剤が充填された後、再びキャップとボディーとを結合してカプセル剤とするカプセル分離/結合装置Aと、所定数量の錠剤を計数して上記カプセル分離/結合装置Aにより分離したカプセルボディー内に充填する錠剤充填装置Bとを具備しており、この錠剤充填装置Bを本発明の一実施例にかかる錠剤充填装置で構成したものである。
【0015】上記カプセル分離/結合装置Aは、それぞれ外周面にカプセルを収容するカプセルポケットが形成された供給ドラム1a、姿勢変換ドラム1b及び移替えドラム1cを具備したカプセル供給部と、キャップ保持円盤2a及びボディー保持ブロック2bを有するカプセル搬送部と、カプセル結合部4と、排出シュート31を備えた排出部3とを具備している。
【0016】このカプセル分離/結合装置Aは、キャップとボディーとを仮結合させた空カプセルを一旦キャップとボディーとに分離した後、上記錠剤充填装置Bにより所定数量の錠剤が充填されたボディーとキャップとを再び結合させて上記排出シュート31から装置外へと排出するものである。
【0017】即ち、ホッパー1dから連続的に供給された空カプセルを供給ドラム1aのカプセルポケットに収容して搬送し、これを姿勢変換ドラム1bを介して移替えドラム1cへと移すことにより、該移替えドラム1cのカプセルポケットに全ての空カプセルをボディーを上にした直立状態(以下、「倒立状態」という)で収容し、これを上記キャップ保持円盤2aのキャップポケット21a(図1参照)に順次ボディー側から投入して収容し、上記ボディー保持ブロック2bの下からの吸引により、空カプセルをキャップとボディーとに分離して、キャップをキャップ保持円盤2aのキャップポケット21aに保持すると共に、ボディーをボディー保持ブロック2bのボディーポケット21b(図1参照)に保持し、キャップ保持円盤2a及びボディー保持ブロック2bの間歇回転によりキャップとボディーとを搬送し、その搬送途中で上記錠剤充填装置Bにより上記ボディーポケット21b内に収容されたカプセルボディー内に所定数量の錠剤が充填され、カプセル結合部4により錠剤が充填されたボディーとキャップとを再び結合し、排出シュート31からカプセルを装置外へと排出するものである。なお、図1中32は上記排出シュート31から装置外に排出される充填済みカプセルを収容する回収缶である。
【0018】ここで、上記供給ドラム1a,姿勢変換ドラム1b,移替えドラム1cの各ドラムの外周面には、上述のように、いずれも空カプセルを収容して搬送するカプセルポケット(図示せず)が形成されており、空カプセルをこのカプセルポケットに収容保持して各ドラム間でカプセルを受け渡しながら搬送するようになっているが、上記供給ドラム1a及び移替えドラム1cに形成されたカプセルポケットは、空カプセルを軸方向を上下にした直立状態で収容するようになっているのに対して、上記姿勢変換ドラム1bに形成されたカプセルポケット(姿勢変換ポケット)は、空カプセルが横倒状態で収容されるポケットの底面に空カプセルのボディー部分のみが進入し得る凹部を形成したものであり、上記供給ドラム1aからボディーを下にしてこの姿勢変換ポケットに移行する空カプセルは、そのボディー部分が上記凹部内に侵入してキャップを上にした直立状態(以下、「正立状態」という)で完全に収容され、一方キャップを下にしてこの姿勢変換ポケットに移行する空カプセルは、キャップは上記凹部内に進入し得ないので、そのボディーを上にした倒立状態で、かつボディー側をドラムの外周面から突出させた状態で収容保持され、その搬送途中で突出したボディー部分が方向規制板11b(図2参照)に当接してキャップを回転方向前方、ボディーを後方に向けた横倒状態となり、この横倒状態で姿勢変換ポケット内に完全に収容されるようになっている。
【0019】そして、上記供給ドラム1a、姿勢変換ドラム1b及び移替えドラム1cによる空カプセルの姿勢変換は次のようにして行われる。まず、ホッパー1dからランダムに供給される空カプセルを上記供給ドラム1aのカプセルポケットに収容して搬送し、これを上記姿勢変換ドラムの姿勢変換ポケットへと受け渡す。このとき、上述のようにボディーを下にして姿勢変換ドラム1bへと移行した空カプセルは、そのままキャップを上、ボディーを下にした正立状態で姿勢変換ポケットに収容され、キャップを下にして姿勢変換ドラム1bへと移行した空カプセルは、ボディー側をドラム外周面から突出した状態でボディーを上、キャップを下にした倒立状態で一旦収容され、突出したボディー部分が搬送中に方向規制板11bに当接してキャップ側を回転方向前方に向けた横倒状態となり、搬送される。
【0020】次いで、各空カプセルがこの姿勢変換ドラム1bから移替えドラム1cに移し替えられるが、このとき正立状態で上記姿勢変換ポケットに収容された空カプセルは、キャップ側から移替えドラム1cのカプセルポケットへと移行し、キャップを下、ボディーを上にした倒立状態となり、またキャップを回転方向前方に向けた横倒状態で上記姿勢変換ポケットに収容された空カプセルもキャップ側から移替えドラム1cのカプセルポケットへと移行し、キャップを下、ボディーを上にした倒立状態となる。このように、移替えドラム1cのカプセルポケットに収容された空カプセルは、すべてボディーを上、キャップを下にした倒立状態となり、この移替えドラム1cから上記キャップ保持円盤2aのキャップポケット21aにボディー側から投入されるものである。
【0021】なお、上記各ドラム1a,1b,1cに保持されたカプセルについて「上下」とは、各ドラム1a,1b,1cの径方向に沿って外側を「上」、中心側を「下」とする「上下」であり、重力方向に基づく上下とは必ずしも一致しない。
【0022】次に、このように姿勢制御されてキャップ保持円盤2aに供給された空カプセルは、それぞれキャップ保持円盤2a及びボディー保持ブロック2bの間歇回転により搬送され、排出シュート31を通して装置外へと排出されるが、この場合排出シュート31から排出されるまでの搬送中に、空カプセルがキャップとボディーとに分離され、上記錠剤充填装置Bによってボディー内に所定数量の錠剤が充填され、カプセル結合部4(図1R>1参照)で、再びキャップとボディーとを結合することが行われる。
【0023】ここで、上記キャップ保持円盤2aには、上述のように、キャップポケット21aが形成されているが、このキャップポケット21aは、カプセルのキャップがちょうど収容される大きさに形成された貫通穴状のものであり、かつ下端部がカプセルのボディー部分は通過し得るがキャップ部分は通過し得ない内径になっている。そして、図1に示されているように、このキャップポケット21aが複数個集まったポケット群がキャップ保持円盤2aの周縁部に複数群形成されている。
【0024】また、上記ボディー保持ブロック2bは、上記キャップポケット21aの各ポケット群に対応してキャップ保持円盤2aの下面側に取り付けられたものである。このキャップ保持円盤2aに設けられた上記ボディーポケット21bは、カプセルのボディーを完全に収容し得るもので、上記キャップポケット21aに対応して形成されたものであり、その底面には吸引孔が形成されており、この吸引孔を通してボディーポケット21b内を吸引し得るようになっている。このボディー保持ブロック2bは、上記ボディーポケット21bが上記キャップポケット21aと一致した状態でキャップ保持円盤2aの下面にほぼ密着した状態から下方及び外側へと移動し得るようになっており、図1に示されているように、キャップ保持円盤2aの所定角度位置でキャップ保持円盤2a下面から下方へと所定間隔離間すると共に外方へと突出し、この状態で上記ボディーポケット21b内に保持されたカプセルボディーに上記錠剤充填装置Bにより所定数量の錠剤を充填するようになっている。
【0025】更に、上記カプセル結合部4は、上記ボディー保持ブロック2bの下側に上下動可能に配設された結合ピン(図示せず)と、上記キャップ保持円盤2a上を部分的に覆うように配設固定され、キャップポケット21aの上端開口面を閉塞する押さえ板41(図1参照)とを具備しており、キャップポケット21aに収容されたキャップを上記押さえ板41で押さえながら、上記結合ピンを上昇させてこの結合ピンをボディー保持ブロック2bのボディーポケット21b内に吸引孔から進入させ、この結合ピンでボディーポケット21b内に収容されたボディーを押し上げてキャップ保持円盤2aのキャップポケット21aに保持されたキャップと結合するようになっている。
【0026】更に、上記排出部3は、上記キャップ保持円盤2aの上面から回収缶32へ向けて配設された排出シュート31と、上記ボディー保持ブロック2bの下側にボディーポケットに対応して上下動可能に配設された排出ピン(図示せず)とを具備しており、上記排出ピンを上昇させて、この排出ピンをボディー保持ブロック2bのボディーポケット21b内の吸引孔からキャップ保持円盤2aのキャップポケット21aまで進入させ、この排出ピンで上記カプセル結合部4でキャップとボディーとを結合させた充填済みカプセルを押し上げてキャップポケット21a及びボディーポケット21bから排出させると共に、排出シュート31へと投入して該排出シュート31を通して装置外へと排出するようになっている。
【0027】本例のカプセル充填機は、このカプセル分離/結合装置Aにより、ランダムに供給される空カプセルを、姿勢制御し、一旦キャップとボディーとに分離し、再びキャップとボディーとを結合させて、排出回収する際に、一旦分離したカプセルのボディー内に上記錠剤充填装置Bにより所定数量の錠剤を充填して、錠剤充填カプセルを製造するものであり、この錠剤充填装置Bとして本発明にかかる錠剤充填装置を用いたものである。
【0028】この錠剤充填装置Bは、図3に示したように、所定速度で間歇回転する計数円盤5と、この計数円盤5上に設けられた錠剤充填室6と、この錠剤充填室6内に錠剤を供給する錠剤供給シュート7(錠剤供給手段)とを具備している。
【0029】上記計数円盤5は、図示しない駆動源により所定速度で間歇回転するもので、上記カプセル分離/結合装置Aのキャップ保持円盤2aと隣接して回転可能に配設され、図3に示されているように、所定角度位置で外方へと突出した上記ボディー保持ブロック2bがこの計数円盤5の下側に潜り込むようになっている。
【0030】この計数円盤5は、図1に示されているように、多数の計数穴51を有しており、この計数穴51は、上記カプセル分離/結合装置Aのキャップ保持円盤2a及びボディー保持ブロック2bに形成されたキャップポケット21a及びボディーポケット21bと同様に配列された計数穴群として計数円盤5の周縁部に形成されている。
【0031】上記計数穴51は、図4(B)に示したように、計数円盤5を貫通する3つの円形穴52を正三角形状に配置して形成すると共に、各円形穴52を連結したものであり、図4(A)に示したように、4×7の28個の計数穴51が、キャップ保持円盤2a及びボディー保持ブロック2bに形成されたキャップポケット21a及びボディーポケット21bに対応して縦横直線状に整列して形成され、図1に示されているように、この28個の計数穴51からなる計数穴群が、60°ずつ変位して6箇所に形成されている。
【0032】ここで、本例の錠剤充填装置Bは、図13に示した長径(直径)pが2〜3mm程度,短径(厚さ)qが2.2〜2.8mm程度の長径と短径との差が比較的小さいミニ錠剤tをカプセル内に充填するものであり、本例では上記計数穴51の各円形穴52(図4(B)参照)に上記錠剤tを6錠ずつ収容し、1つの計数穴51に18錠のミニ錠剤tを収容し得るように、上記各円形穴52の深さ(計数円盤5の厚さ)及び内径が設定されている。また、本例では図4(B)に示されているように、3つの円形穴52を一体に連結させた計数穴51としたが、図4(C)に示したように、三角形に配置した各円形穴52を連結せずに独立した状態とし、それぞれ独立した3つの円形穴52で1つの計数穴51を構成するようにしてもよい。
【0033】上記計数円盤5の下面には、図5に示したように、上記計数穴51により形成された各計数穴群に対応してそれぞれシャッター板8が配設されており、このシャッター板8には、上記計数穴51と同様に配列された錠剤通過穴81が形成されている。
【0034】上記各シャッター板8は、図3,図5及び図10に示されているように、計数円盤5の下面に該計数円盤5の径方向に沿ってスライド可能に取り付けられたスライダー82に固定され、このスライダー82と一体的に計数円盤5の径方向に沿ってスライドするようになっている。上記各スライダー82には、ガイド凸体83が突設されており、このガイド凸体83が計数円盤5の下方に該計数円盤5の周方向に沿って配設されたガイドレール84のガイド溝841内に摺動可能に挿入されている。
【0035】このガイドレール84は、図12に示したように、上記ボディー保持ブロック2bが計数円盤5の下側に潜り込む個所に対応して、その一部が切り欠かれていると共に、この切り欠き部84aに同様のガイド溝841bが形成されたスライドブロック84bが挿入されてガイド溝841が連続した円形のガイド溝となっている。上記スライドブロック84bは、図3及び図10に示されているように、基台851にスライド可能に支持されたスライダー85に固定されて、計数円盤5の径方向に沿ってスライドし得るようになっていると共に、上記基台851に固定されたエアシリンダー86と連結されており、図10,12に示したように、スライドブロック84bはこのエアーシリンダー86に駆動されて内側へとスライドするようになっている。
【0036】上記シャッター板8は、図5に示されているように、常時は上記錠剤通過穴81が計数円盤5の上記計数穴51とずれた状態となり、計数穴51の下端開口部を塞いだ状態となっており、図10(B)に示されているように、このシャッター板8が上記スライドブロック84bにより内側へとスライドしたときに錠剤通過穴81と計数穴51とが一致して計数穴51の下端開口部が開放されるようになっている。なお、このシャッター板8により上記計数穴51の下端開口部が塞がれた状態にあっても該計数穴51の下端開口部が完全に密封されるものではなく、内部に収容した錠剤tが抜け落ちることがない程度の間隙が形成されるようになっている。
【0037】次に、上記錠剤充填室6は、上下両端面が開放し、かつ上記計数円盤5の周縁部に沿って湾曲した箱状のものであり、その周壁下端が上記計数円盤5の上面にほぼ接触した状態で、上記計数円盤5の周縁部に沿って配設固定され、該計数円盤5の上面によりこの錠剤充填室6の下端面が閉塞された状態となっている。
【0038】この錠剤充填室6は、図6に示したように、計数円盤5のほぼ半周に亘って形成されていると共に、その内部が2つの仕切壁61a,61bにより仕切られ、計数円盤5の回転方向に沿って順次、第1充填室62a,第2充填室62b及び第3充填室62cの3つの部屋に等分割されており、間歇回転する計数円盤5が間歇的に停止した際、上記計数穴51からなる計数穴群が第1〜第3の各充填室62a,62b,63bの中央部に位置するようになっている。上記第1充填室62aと第2充填室62bとを仕切っている上記仕切壁61aは、図7に示したように、下端が所定高さに切り欠かれ、この切欠部621を通って第1充填室62aに収容された錠剤の一部が第2充填室62bに移動し得るようになっている。また、上記第2充填室62bと第3充填室62cとを仕切っている上記仕切壁61bは、下端部に上記切欠部621と同様の切欠部(図示せず)が形成されていると共に、図8に示したように、この切欠部を覆うようにブラシ622が取り付けられており、このブラシ622によりほとんどの錠剤が堰き止められ、このブラシ622を通過した一部の錠剤のみが第3充填室62cへと移動するようになっている。
【0039】ここで、上記計数円盤5の下面側には、図3R>3,5に示されているように、上記錠剤充填室6に対応して真空吸引室65が設けられており、この真空吸引室65が常時真空吸引状態となっており、その吸引力により計数円盤5の計数穴51内が吸引状態となり、計数円盤5上の錠剤がスムーズに計数穴51内に収容されるようになっている。
【0040】また、上記錠剤充填室6上には、該錠剤充填室6の上端面を覆うように円弧状に湾曲した攪拌基板63が配設されている。この攪拌基板63は、後述する錠剤供給シュート7の先端に固定されており、この錠剤供給シュート7のスイング運動と一体的に、円弧軌道上を往復運動するようになっている。
【0041】この攪拌基板63は、上記錠剤充填室6上面のおよそ半分を覆う長さとされており、図9に示したように、その下面にほぼ等間隔ずつ離間して板状の攪拌板63a〜63dが突設されている。そして、図6に示されているように、上記攪拌板63a及び63bが錠剤充填室6の第1充填室62a内に挿入されていると共に、上記攪拌板63c及び63dが錠剤充填室6の第2充填室62b内に挿入されている。
【0042】上記攪拌板63a〜63dは、図9に示されているように、四角貫通穴631が形成されていると共に、先端にプラスチック等の可撓性材料からなる櫛歯状の攪拌部材64が取り付けられており、この攪拌部材64で上記計数円盤5上に載置された錠剤を動かして攪拌し、錠剤を上記計数穴51内に投入するようになっている。ここで、上記攪拌部材64の先端は上記計数円盤5の上面にほとんど接触した状態とすることもできるが、計数円盤5上面との間に若干の隙間を形成することが好ましく、この場合、隙間の大きさは、錠剤tの短径q(図14参照)よりも狭くすることが好ましく、より好ましくは短径qの半分よりもやや狭い程度とすることが好ましい。
【0043】この攪拌板63a〜63dが取り付けられた上記攪拌基板63は、上述のように、錠剤供給シュート7の先端に取り付けられている。この錠剤供給シュート7は、図3,図9に示されているように、上端面が開放した略四角管状のアーム部71の先端に円形管状の投入部72が設けられたもので、この投入部72の先端に上記攪拌基板63が固定されていると共に、攪拌基板63には投入部72との連結部分に貫通穴が形成されており、この貫通穴を通して錠剤供給シュート7から錠剤tが錠剤供給室6内に供給されるようになっている。
【0044】この錠剤供給シュート7は、図1及び図3に示されているように、上記アーム部71の基端から上記攪拌基板63が取り付けられた先端へと下降傾斜して配設されていると共に、該アーム部71の基端部が計数円盤5の回転中心と同心して設けられた駆動軸74に取り付けられており、モータ等の図示しない駆動源により上記駆動軸74を中心に往復スイング運動するようになっている。そして、この錠剤供給シュート7のスイング運動によって上記攪拌基板63が計数円盤5の外周縁部に沿って円弧軌道上を往復運動し、これと一体的に上記攪拌部材64が取り付けられた各攪拌板63a〜63dが、図6に一点鎖線及び矢印で示したように、それぞれ第1及び第2錠剤充填室62a,62b内で円弧軌道上を往復運動するようになっている。
【0045】上記錠剤供給シュート7は、そのスイング運動により上記攪拌板63a〜63dを往復運動させると共に、上述のように、上記錠剤充填室6内に錠剤tを供給するものである。この場合、図1〜3に示されているように、アーム部71の基端部上方に配設された振動フィーダ73に図示しないホッパーから錠剤tが連続的に供給され、その錠剤tが振動フィーダ73の微振動により所定速度で錠剤供給シュート7に供給され、この錠剤供給シュート7を通って錠剤充填室6内に錠剤tが供給されるようになっている。
【0046】本例のカプセル充填機は、上記カプセル分離/結合装置Aにより空カプセルを一旦キャップとボディーとに分離し、そのボディーに上記錠剤充填装置Bにより所定数量の錠剤を充填した後、再び上記カプセル分離/結合装置Aによりキャップとボディーとを結合させて、錠剤充填カプセルを製造するものであり、この場合上記カプセル分離/結合装置Aによるカプセルの分離/結合動作は、上述した通りであり、その分離/結合作業の途中で上記ボディー保持ブロック2bのボディーポケット21b内に収容保持されたカプセルボディーに上記錠剤充填装置Bにより錠剤を充填するものである。
【0047】以下、この錠剤充填装置Bによるカプセルへの錠剤充填動作について説明する。まず、充填対象物である上記ミニ錠剤tが図示しないホッパーから上記振動フィーダ73に供給され、これが振動フィーダ73の振動により所定速度で連続的に上記錠剤供給シュート7に投入され、その錠剤tが錠剤供給シュート7を通って上記錠剤充填室6内へと供給される。
【0048】このとき、錠剤供給シュート7は、図1に矢印で示した方向に往復スイング動して、図6に矢印及び一点鎖線で示したように、錠剤充填室6内で上記各攪拌板63a〜63dが計数円盤5の周縁部に沿って円弧軌道上を往復運動すると共に、上記真空吸引室65の真空吸引力により計数円盤5の計数穴51内が吸引される。
【0049】上記錠剤供給シュート7により上記錠剤充填室6内に供給された錠剤tは、まず第1充填室62a(図6参照)内に投入され、上記攪拌板63a,63bにより攪拌されて計数穴51内に収容されると共に、その一部が仕切壁61aと計数円盤5との間の間隙621(図7参照)を通って第2充填室62b(図6参照)へと移動し、この第2充填室内62bにおいても上記攪拌板63c,63dにより錠剤tが攪拌されて計数穴51内に収容されると共に、計数穴51内に収容されずに計数円盤5上に残留した錠剤tのほとんどすべては、仕切壁61bの下端に取り付けられたブラシ622(図8参照)に堰き止められて第2充填室62b内に残り、このブラシ622を通り抜けたごく一部の錠剤tが第3充填室62c(図6参照)に移動する。
【0050】ここで、上記計数円盤5は、上述のように所定速度で間歇回転するものであり、上記計数穴51からなる各計数穴群は、上記第1〜3の各充填室62a,62b,62cに一旦停止しながら移動して行くが、この計数円盤5の回転によっても該計数円盤5上の錠剤tが第1充填室62aから第2充填室62bへと移動する。
【0051】上記錠剤充填室6の第1充填室62a,62b内において、上記攪拌板63a〜63dにより攪拌されながら計数円盤5の計数穴51に投入される錠剤は、次のように動作して計数穴51に収容される。即ち、第1,第2充填室62a,62bに供給された錠剤tは、上記攪拌板63a〜63dにより攪拌されるが、このとき計数円盤5上の錠剤tは、図11に示したように、各攪拌板63a〜63dの先端に取り付けられた攪拌部材64により押圧されて計数円盤5上をランダムに移動し、計数穴51上に移動したときに該計数穴51内に投入される。この場合、図11に示されているように、計数穴51に錠剤tが投入される際に錠剤tは一旦計数穴51の縁部と攪拌部材64先端との間に挟まれた状態となる場合があるが、このとき可撓性材料で形成された攪拌部材64が弾性的に撓んで、錠剤tを破損することなく計数穴51内に投入するようになっている。
【0052】また、上記各攪拌板63a〜63dに取り付けられた上記攪拌部材64は、円弧軌道上を往復運動するのに対して、上記計数穴51は縦横直線状に配列されているため、図13に示したように(図13では、計数穴51を「+」で略記している)、攪拌部材64に押圧されて計数円盤5上を移動する錠剤tは、計数穴51の配列方向と異なり計数穴51の列を斜めに横切る方向へと移動して流動する。これにより計数穴51に投入されることにより計数円盤5上の錠剤tが消費されても、常に第1,第2充填室62a,62b内の計数円盤5上に均一に錠剤tが分布し、すべての計数穴51に所定数量の錠剤tが確実に投入収容される。更に詳述すれば、計数穴51の配列方向と攪拌部材64の攪拌方向とが同一であると、計数穴51に錠剤tが投入されていくのに伴って計数穴51の列に沿って計数円盤5上の錠剤tが消費され、計数円盤5上の錠剤群にむらが生じ、必ずしも全ての計数穴51に所定数量の錠剤を確実に投入することができずに、所定数量の錠剤が収容されない計数穴を生じる虞があるが、計数穴51の配列方向と錠剤tの攪拌方向(流動方向)が異なることにより、錠剤tが計数穴51の列を斜めに横切るように移動するため、錠剤tが計数穴51に投入されて消費された後、計数穴51の列間にある錠剤が計数穴51の列上に移動し、常に計数穴51上に錠剤が移動して所定数の錠剤を計数穴51に確実に投入することができるものである。
【0053】更に、図13に示したように、攪拌部材64によって押圧され移動する錠剤tは、攪拌部材64が計数円盤5の中心を回動中心としてスイングするように往復運動するため、計数穴51の列を斜めに横切るように計数円盤5上を移動すると共に、攪拌部材64の押圧面を転がるようにして移動し、攪拌部材64の櫛歯の切れ目に達すると攪拌部材64による押圧が解除され、この動作が攪拌部材64の往復運動によりすべての錠剤に対して行われ、各充填室62a,62b内で錠剤tが極めて効率よくかつ均一に攪拌される。
【0054】このように、上記第1充填室62a及び第2充填室62bにおいて、計数円盤5の計数穴51に錠剤tが充填され、計数穴51の3つの円形穴52(図4(B)参照)に錠剤tが6錠づつ収容されて、1つの計数穴51に合計18錠の錠剤tが収容保持される。上記第1充填室62a及び第2充填室62bで錠剤tが収容された計数穴51は、計数円盤5の間歇回転により一旦第3充填室62c(図6参照)に移動した後、錠剤充填室6外に移動するが、この第3充填室62cでは、特に計数穴51への錠剤tの充填は行われず、計数穴51に収容されずに計数円盤5上に残留した錠剤tがこの第3充填室62cに残るようになっている。なお、この第3充填室62cに残った錠剤tは、ポッパー(図示せず)に戻し、錠剤供給シュート7を通して再び第1充填室62aに供給すればよい。
【0055】このようにして所定数量の錠剤tが充填された計数穴51からなる計数穴群は、計数円盤5の間歇回転により移動し、上記カプセル分離/結合装置Aと隣接した個所で間歇的に一旦停止する。このとき、図10(A)に示されているように、カプセルボディーCbをボディーポケット21b内に保持し、上記カプセル分離/結合装置Aから外方へと突出した状態のボディー保持ブロック2bが、計数円盤5の下側に潜り込んで、上記計数円盤5の各計数穴51とボディー保持ブロック2bのボディーポケット21bとが一致した状態となり、また上記ガイド凸体83がスライドブロック84bのガイド溝841b内に挿入された状態となる。
【0056】この状態で、図10(B)に示されているように、エアシリンダー86によりスライドブロック84bが内側へと移動し、これによりシャッター板8が内側に移動してシャッター板8の錠剤通過穴81と計数穴51とが一致した状態となり、各計数穴51の下端開口部が開放されて各計数穴51内に収容されていた錠剤tが錠剤通過穴81を通って上記ボディー保持ブロック2bのボディーポケット21b内に保持されたカプセルボディーCb内に投入される。
【0057】次いで、上記エアーシリンダー86により上記スライドブロック84bが外側へと移動してこれと共にシャッター板8も外側へと移動し、計数穴51の下端開口部が閉塞された初期状態に戻る。そして、計数円盤5の回転により、錠剤tを排出した後の計数穴51からなる計数穴群は、再び錠剤充填室6へと移動して上記操作が繰り返される。
【0058】一方、錠剤tが充填されたカプセルボディーCbは、上述のように、カプセル分離/結合装置Aのカプセル結合部4でキャップと結合され、排出部3から装置外へと排出される。
【0059】このように、本実施例のカプセル充填機は、カプセル分離/結合装置Aにより空カプセルを一旦キャップとボディーとに分離して搬送し、この搬送中にボディー内に錠剤充填装置Bにより所定数量の錠剤tを充填した後、再びカプセル分離/結合装置Aによりキャップとボディーとを結合させて錠剤tを充填したカプセル剤を製造するものであり、上記錠剤充填装置Bは、上述のように、上記計数円盤5上に設けた錠剤充填室6内に錠剤tを投入し、これを上記攪拌部材64で攪拌しながら計数円盤5に形成された所定数量(本例では18錠)の錠剤tを収容する計数穴51に投入することにより、所定個数の錠剤tを計数して保持し、これを計数円盤5の所定回転角度位置でカプセルのボディーCb内に投入することにより、所定数量の錠剤tをカプセルに充填するものである。
【0060】この場合、本実施例の錠剤充填装置Bによれば、上記計数円盤5上に載置された錠剤tを上記攪拌部材64で攪拌して該計数円盤5の計数穴51に投入することにより、所定数の錠剤tを計数して保持するようになっているので、1つのカプセルに小さい錠剤tを多数個(本例では18個)充填する場合でも、特に時間を要することなく所定数の錠剤tを確実に計数してカプセルのボディーに充填することができるものである。
【0061】また、本実施例の錠剤供給装置Bでは、上記計数穴51を縦横直線状に整列して形成すると共に、上記攪拌部材64を上記計数円盤5の周方向に沿って円弧軌道上を往復運動するように構成しているので、この攪拌部材64に押圧されて錠剤充填室6内を流動する錠剤tは、計数穴51の配列方向と異なる方向へと流動し、これにより計数穴51に投入されることによって計数円盤5上の錠剤tが消費されても、常に錠剤充填室6内の計数円盤5上に均一に錠剤tが分布し、すべての計数穴51に所定数量の錠剤tが確実に投入収容され、過不足なく確実に所定数量の錠剤tをカプセルボディーCbに充填することができるものである。
【0062】なお、本発明の錠剤充填装置は、上記実施例で示した錠剤充填装置Bに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り適宜変更して差し支えない。例えば、上記実施例では錠剤充填室6内の錠剤tを攪拌する攪拌部材として可撓性材料からなる櫛歯状の攪拌部材64を用いたが、攪拌部材は、その他の形状,材質のものでもよく、また上記実施例では錠剤充填室6を第1から第3の3つの充填室62a〜62cに区画して第1充填室62a及び第2充填室62bで錠剤tを攪拌して計数穴51に錠剤tを充填するようにしたが、錠剤tを攪拌して計数穴51に充填する充填室は1,2又は4以上でもよく、更に上記実施例では図4(B)に示されているように、3つの円形穴52を連結した計数穴51を設け、各円形穴52に図14に示した長径pが2〜3mm程度,短径qが2.2〜2.8mm程度のミニ錠剤tを6錠ずつ収容し、1つの計数穴51に18錠のミニ錠剤tを収容して1つのカプセルに18錠のミニ錠剤tを充填するようにしたが、カプセルに充填する錠剤は上記ミニ錠剤tに限定されるものではなく、長径5〜15mm,短径3〜10mm程度の通常の錠剤を充填するようにしてもよく、計数穴51の形状も3つの円形穴51を連結させた形状に限定されるものではなく、錠剤の大きさや1カプセルに充填する錠剤の個数等に応じて適宜変更することができる。更にまた、本発明の錠剤充填装置と組み合わせてカプセル充填機を構成するカプセル分離/結合装置Aも上記実施例に限定されるものではなく、空カプセルを一旦キャップとボディーとに分離し、そのボディー内に本発明錠剤充填装置により所定個数の錠剤を充填した後、再びキャップとボディーとを結合することができるものであればどのようなものであってもよい。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の錠剤充填装置によれば、小さい錠剤を多数量充填する場合でも充填作業に長時間を要することなく、しかも所定数量の錠剤を確実かつ正確に計数してカプセル内に充填することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる錠剤充填装置を用いたカプセル充填機の一例を示す概略平面図である。
【図2】同カプセル充填機を示す側面図である。
【図3】同錠剤充填装置を示す一部を断面とした側面図である。
【図4】(A)は、同錠剤充填装置を構成する計数円盤を示す部分拡大平面図であり、(B)は、同計数円盤に設けられた計数穴を示す拡大平面図である。
【図5】同錠剤充填装置の錠剤充填室部分を示す部分拡大断面図である。
【図6】同錠剤充填装置の錠剤充填室部分を示す部分拡大平面図である。
【図7】同錠剤充填装置の錠剤充填室を構成する第1充填室と第2充填室とを仕切る仕切壁を示す部分拡大斜視図である。
【図8】同錠剤充填装置の錠剤充填室を構成する第2充填室と第3充填室とを仕切る仕切壁を示す部分拡大斜視図である。
【図9】同錠剤充填装置を構成する攪拌部材を示す拡大斜視図である。
【図10】同錠剤充填装置のカプセルボディーへ錠剤を投入する部分を示す部分拡大断面図であり、(A)は錠剤投入直前、(B)は錠剤投入直後である。
【図11】同錠剤充填装置の錠剤充填室内で錠剤が計数穴に投入される際の様子を示す部分拡大斜視図である。
【図12】同錠剤充填装置を構成するガイド溝を示す概略図である。
【図13】同錠剤充填装置における攪拌部材の動きと、それに伴う錠剤の動きを示す概略図である。
【図14】同錠剤充填装置によりカプセルに充填する錠剤の一例を示すもので、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図15】従来の錠剤充填装置における錠剤の計数動作、および計数した錠剤をカプセルボディーに投入する際の動作を順次説明する断面図である。
【符号の説明】
B 本発明の錠剤充填装置
5 計数円盤
51 計数穴
6 錠剤充填室
64 攪拌部材
7 錠剤供給シュート(錠剤供給手段)
8 シャッター板(シャッター)
t ミニ錠剤(錠剤)
Cb カプセルボディー

【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定数の錠剤が収容される計数穴が多数整列して形成され、所定の速度で間歇回転する計数円盤と、該計数円盤の上面に近接又は接触して配設固定された、下面が開放した箱状の錠剤充填室と、該錠剤充填室内に配設され、該錠剤充填室内に収容された錠剤を攪拌する攪拌部材と、上記錠剤充填室内に錠剤を供給する錠剤供給手段と、上記計数円盤に形成された計数穴の下端開口面を開閉するシャッターとを具備してなり、上記錠剤供給手段により上記錠剤充填室に供給された錠剤を上記攪拌部材で攪拌しながら上記計数円盤の計数穴内に収容し、これを計数円盤の間歇回転により搬送し、所定回転角度位置で上記シャッターを開いて上記計数円盤の下側に上記計数穴に対応して配置されたカプセルのボディー内に計数穴内の錠剤を投入するように構成したことを特徴とするカプセルへの錠剤充填装置。
【請求項2】 上記計数穴の配列方向と、上記攪拌部材による錠剤の攪拌方向とが異なる方向である請求項1記載のカプセルへの錠剤充填装置。
【請求項3】 上記計数穴が、上記計数円盤の周縁部に縦横直線状に整列して形成されていると共に、上記攪拌部材が、上記計数円盤の周方向に沿って円弧軌道上を往復運動することにより錠剤を攪拌するものである請求項2記載のカプセルへの錠剤充填装置。
【請求項4】 上記攪拌部材が、上記計数円盤の径方向に沿って配設された略櫛歯状の弾性変形可能な板状部材である請求項3記載のカプセルへの錠剤充填装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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