説明

カプラ部材を使用して音響エネルギーを結合し、かつ焦点に集めるための方法およびシステム

カプセル化されてカプラ部材を使用して音響エネルギーを結合するための例示的なシステムは、ディスプレイまたはインジケータ、制御システム、プローブ、およびカプラ部材を備えている。本発明は、(i)スタンドオフを提供すること、(ii)エネルギーを焦点に集めること、またはエネルギーをデフォーカスすること、および(iii)エネルギーを結合すること、のうちの少なくとも1つの実行するように調節可能に構成されたカプラ部材(1)を提供する。例示的なゲルカプラ部材は、レンズの幾何学的形状を保持するように構成される。本発明の一局面において、ゲルカプラ部材は、従来技術と比較すると、増加した乾燥時間および保存寿命を示す。プローブは、様々なプローブおよび/またはトランスデューサ構成を備え得る。例示的な実施形態において、プローブは、関心のある領域に超音波エネルギーを送達する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(発明の背景)
超音波は、画像診断法の用途に対して長く使用されている。しかしながら、より最近では、超音波に対する幾つかの新しい治療的用途が発見されつつある。超音波治療は通常、治療領域に音響エネルギーを放射するために、超音波トランスデューサを使用する。超音波トランスデューサは通常、音響エネルギーを焦点に集めるか、またはデフォーカスするように構成された少なくとも1つのトランスダクション素子を備えている。音響エネルギーを治療領域に適宜焦点に集めるか、またはデフォーカスするために、超音波トランスダクション素子の幾何学的形状は、調節可能に構成される(例えば、凹面、凸面、および/または平面)。あるいは、またはさらに、超音波トランスデューサは、音響エネルギーを適切に焦点に集めるか、またはデフォーカスするために、1つ以上の調節可能に構成されたレンズを備え得る。
【0002】
音響エネルギーは、空気中を伝わりにくいので、音響エネルギーは、治療領域に効果的に結合されること、およびカップルは、音響的に透明であることが重要である。音響的透明性を達成するために、カップルは通常、治療領域内の細胞および/または組織と音響的特性において類似している。通常、流体またはゲルが、カップルとして使用され、かかる流体またはゲルは、例えば表皮層のような外面に沿って広がり、トランスデューサプローブと外面との間で音響結合を容易にする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(本発明の概要)
例示的な実施形態に従って、本発明は、(i)スタンドオフを提供すること、(ii)エネルギーを焦点に集めること、またはエネルギーをデフォーカスすること、および(iii)エネルギーを結合すること、のうちの少なくとも1つの実行するように構成されたカプラ部材を提供することによって従来技術を改良する。例示的な実施形態の様々な局面に従って、カプラ部材は、流体で満たされており、ゲルで満たされており、ゲルであるかまたは固体である。例示的な実施形態において、エネルギーは、音響エネルギー(例えば超音波)である。他の例示的な実施形態において、エネルギーは、フォトンベースのエネルギー(例えばIPL、LED、レーザ、白色光、その他)、または他のエネルギー形式、例えば高周波電流、もしくは音響エネルギー、電磁エネルギーおよび他のエネルギー形式もしくは冷却のようなエネルギーアブソーバの様々な組み合わせである。
【0004】
一例示的な実施形態に従って、本発明は、カプセル化された実質的に音響的に透明な流体で満たされたカプラ部材を開示し、カプセル化はスタンドオフを提供し、音響エネルギーを結合する。別の例示的な実施形態に従って、本発明は、実質的に音響的に透明なゲルカプラ部材を開示し、ゲルは、スタンドオフを提供し、レンズの幾何学的形状を保持し、かつ音響エネルギーを結合するように構成される。
【0005】
本発明の一局面に従って、例示的なゲルカプラ部材は、水と、グリセロールと、ポリビニルアルコールとを含み、従来技術と比較して、増加した乾燥時間および保存寿命を示す。一実施形態において、音響的に透明なゲルカプラ部材は、モールドまたはシェルの中でそれを形成することによって、レンズの幾何学的形状を保持するように調節可能に構成され得る。
【0006】
カプラ部材を使用して音響エネルギーを結合するための例示的なシステムは、上述のように、制御システム、プローブ、カプラ部材、およびディスプレイまたはインジケータシステムを備えている。プローブは、様々なプローブおよび/またはトランスデューサ構成を備え得る。例示的な実施形態において、プローブは、関心のある領域に焦点の合った、アンフォーカスされた、および/またはデフォーカスされた超音波エネルギーを送達する。イメージングおよび/またはモニタリングは、代替的に、本発明によって考えられている超音波システムに結合され得、かつ/またはこれと一緒に収納され得る。
【0007】
制御システムおよびディスプレイシステムまた、例えば、とりわけ、ソフトウエアおよび複数の入力/出力デバイスを備えたマイクロプロセッサ、電子的スキャニングおよび/もしくは機械的スキャニングならびに/またはトランスデューサの多重化を制御するためのシステム、電力送達のためのシステム、モニタリングのためのシステム、プローブおよび/またはトランスデューサの空間的位置を感知するためのシステム、ならびにユーザ入力を取り扱い、かつ治療結果を記録するためのシステムを含む、プローブおよびシステム機能を制御するための様々な構成を備え得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の主題は、本明細書の結びの部分に特に指摘され、かつ明瞭に主張されている。しかしながら、本発明は、動作の構造と方法の両方に関して、特許請求の範囲および添付の図面と共に以下の記述を参照することにより最も良く理解され得る。該添付の図面においては、同様の部品は、同様の番号によって参照され得る。
【図1A】図1Aは、本発明の例示的な実施形態によるカプラ部材配合のブロック図を示す。
【図1B】図1Bは、複数のエネルギー形式を収容するように構成された本発明の例示的な実施形態によるシステムを示す。
【図2A】図2Aは、本発明の例示的な実施形態によるカプラ部材を組み込むシステムのブロック図を示す。
【図2B】図2B〜図2Kは、本発明の例示的な実施形態による様々な、流体で満たされたゲルカプラ部材を示す。
【図2C】図2B〜図2Kは、本発明の例示的な実施形態による様々な、流体で満たされたゲルカプラ部材を示す。
【図2D】図2B〜図2Kは、本発明の例示的な実施形態による様々な、流体で満たされたゲルカプラ部材を示す。
【図2E】図2B〜図2Kは、本発明の例示的な実施形態による様々な、流体で満たされたゲルカプラ部材を示す。
【図2F】図2B〜図2Kは、本発明の例示的な実施形態による様々な、流体で満たされたゲルカプラ部材を示す。
【図2G】図2B〜図2Kは、本発明の例示的な実施形態による様々な、流体で満たされたゲルカプラ部材を示す。
【図2H】図2B〜図2Kは、本発明の例示的な実施形態による様々な、流体で満たされたゲルカプラ部材を示す。
【図2I】図2B〜図2Kは、本発明の例示的な実施形態による様々な、流体で満たされたゲルカプラ部材を示す。
【図2J】図2B〜図2Kは、本発明の例示的な実施形態による様々な、流体で満たされたゲルカプラ部材を示す。
【図2K】図2B〜図2Kは、本発明の例示的な実施形態による様々な、流体で満たされたゲルカプラ部材を示す。
【図2L】図2L〜図2Mは、本発明の例示的な実施形態による様々なゲルカプラ部材を示す。
【図2M】図2L〜図2Mは、本発明の例示的な実施形態による様々なゲルカプラ部材を示す。
【図2N】図2Nは、本発明の例示的な実施形態による例示的な限定された使用のゲルカプラ部材を示す。
【図3】図3は、本発明の例示的な実施形態によるカプラ部材を組み込むシステムの概略図を示す。
【図4A】図4A、図4B、図4C、図4Dおよび図4Eは、本発明の様々な実施形態による例示的なトランスデューサの断面図を示す。
【図4B】図4A、図4B、図4C、図4Dおよび図4Eは、本発明の様々な実施形態による例示的なトランスデューサの断面図を示す。
【図4C】図4A、図4B、図4C、図4Dおよび図4Eは、本発明の様々な実施形態による例示的なトランスデューサの断面図を示す。
【図4D】図4A、図4B、図4C、図4Dおよび図4Eは、本発明の様々な実施形態による例示的なトランスデューサの断面図を示す。
【図4E】図4A、図4B、図4C、図4Dおよび図4Eは、本発明の様々な実施形態による例示的なトランスデューサの断面図を示す。
【図5A】図5A、図5Bおよび図5Cは、本発明の例示的な実施形態による例示的な制御システムのブロック図を示す。
【図5B】図5A、図5Bおよび図5Cは、本発明の例示的な実施形態による例示的な制御システムのブロック図を示す。
【図5C】図5A、図5Bおよび図5Cは、本発明の例示的な実施形態による例示的な制御システムのブロック図を示す。
【図6】図6は、治療システムのブロック図を示し、該ブロック図は、本発明の例示的な実施形態に従って、治療モニタリングおよび/または治療イメージングのさらなるサブシステムおよび方法と組み合わされた超音波治療サブシステム、ならびに二次治療サブシステムを備えている。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(詳細な説明)
本発明は、様々な機能コンポーネントおよび処理ステップの観点から本明細書に記述される。かかるコンポーネントおよびステップは、特定の機能を実行するように構成された任意の数のハードウエアコンポーネントによって実現され得ることが理解されるべきである。例えば、本発明は、様々な医療デバイス、可視イメージングデバイスおよび表示デバイス、入力端子などを使用し得、これらは、1つ以上の制御システムまたは他の制御デバイスの制御の下に様々な機能を実行し得る。さらに、本発明は、任意の数の医療背景において実行され得、本明細書に記述されるように、カプラ部材を使用して音響エネルギーを結合するための方法およびシステムに関する例示的な実施形態は、本発明に対する例示的な用途を示すに過ぎない。例えば、論議される原理、特徴および方法は、任意の医療的用途に適用され得る。さらに、本発明の様々な局面は、他の用途に適宜適用され得る。
【0010】
例示的な実施形態に従って、本発明は、(i)スタンドオフを提供すること、(ii)エネルギーを焦点に集めること、またはエネルギーをデフォーカスすること、および(iii)エネルギーを結合すること、のうちの少なくとも1つの実行するように構成されたカプラ部材を提供する。例示的な実施形態の様々な局面に従って、カプラ部材は、流体で満たされており、ゲルで満たされており、ゲルであるかまたは固体である。
【0011】
例示的な実施形態において、流体で満たされたカプラ部材は、カプセル内の流体から成る。流体は、水、水溶液、アルコールを含む有機溶剤、ジメチルスルホキシド、オイル、モノマーポリオールまたはポリマーポリオール、シロキサンまたはポリシロキサン、ペルフルオロカーボン液、およびこれらの混合物であり得る。例示的な実施形態において、流体は低い粘度を有するが、しかしながら、流体は、他の実施形態においては、高い粘度を有する。カプセル化は、プラスチック、エラストマー材料、ラミネートまたは薄い金属層、およびこれらの組み合わせから成り得る。
【0012】
例示的な実施形態において、ゲルカプラ部材は、濃い流体、ゲル、または固形剤を備えている。様々な組成が開示されるが、良好な音響的特性(低い減衰量)、乾燥時間および/または保存寿命を有する任意の配合が、カプラ部材内で使用されるために適切である。図1Aに示されるように、一部の実施形態において、ゲルカプラ部材1は、水、有機溶剤、およびポリビニルアルコール(PVA)を含む。いかなる理論にも限定されることなく、有機溶剤によって作られたPVAクリオゲルは、水だけで作られたゲルよりも微細な構造を有し、散乱による超音波減衰量がより低く、かつ凍結サイクルの間に膨張しないと考えられている。
【0013】
PVAゲル配合は、本明細書において、水を含むとして記述されるが、PVAまたは有機溶剤が溶ける任意の溶剤が使用され得る。例えば、脱イオン水、リン酸塩緩衝溶液のような水性の緩衝溶液、メタノール、エタノール、ジメチルスルホキシドのような有機溶剤、およびこれらの混合物が使用され得る。
【0014】
一部の実施形態において、有機溶剤はグリセロールである。グリセロールには魅力がある。なぜならば、グリセロールは、生体適合性があり、かつ吸湿性があるからである。グリセロールはまた、凍結融解サイクルがなくとも、PVA溶液の中でゲル化を促進する。しかしながら、有機溶剤は、水に対して生体適合性のある任意の溶剤であり得る。例えば、ジメチルスルホキシドは、薬剤移送メカニズムとして、フォノフォレーシスと組み合わせて使用され得る。他の適切な有機溶剤は、アセトン、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、アミノエチルアルコール、フェノール、テトラリドロフラン、ジメチルホルムアミド、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、およびトリエチレングリコールを含む。
【0015】
さらに、ゲル配合が、PVAを含むとして本明細書に記述される一方、他のポリマーが使用され得る。例えば、ポリアクリルアミド、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルブチラール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)およびそれらの混合物が使用され得る。
【0016】
一部の実施形態において、ゲルカプラ部材配合は、随意的な添加剤を含む。例えば、配合は、メディカント(medicant)、麻酔薬、カルシウム沈着インヒビター、生物活性剤、ドーパント、着色剤(例えば染料)、軟水化剤(例えばビルダーまたはキレート薬)、pH調節剤、防腐薬、におい吸収剤、粘度調節剤、中和剤、カチオンコンディショニングポリマー、塩化ベンザルコニウムのような抗菌剤または殺生剤、ビタミン、植物エキス、皮膚コンディショナ(例えばエステル)、モイスチャライザー(例えば湿潤薬)およびまたはそれらの混合物を含み得る。
【0017】
例示的な実施形態において、濃い流体またはゲルカプラ部材は、プローブからのエネルギーの放出の間、関心のある領域へ送達される医薬品および他の薬剤を含む。
【0018】
例示的な実施形態において、ゲルカプラ部材配合は、ゲルカプラ部材配合の約10%〜約90%質量パーセント以上の、好ましくは約30%〜50%質量パーセントの量の水と、約10%〜約90%質量パーセント以上の、好ましくは約40%〜60%質量パーセントの量の有機溶剤と、約30%以上までの、好ましくは約2%〜約20%質量パーセントの量のPVA(ただし、PVAは少なくとも90%加水分解され、分子量は、約70,000と120,000との間である)と、約0.1%〜約2%質量パーセントの量の随意的な添加剤とを含む。一部の実施形態において、PVAは、99%以上加水分解され、重合度は約1800〜約2300である。表1は、PVAゲルの例示的な配合を概括する。
【0019】
【表1】

ゲルカプラ部材配合は、水および有機溶剤を含む混合溶剤の中で高温でPVAを溶解し、その後の室温より低い温度でのPVAの結晶化によって調整され得る。例示的な実施形態において、2つの凍結融解サイクルは、良好な機械的特性を有するゲルを生成する。それにもかかわらず、この2つの凍結融解サイクルが多少なりとも使用され得る。実際に、一部の実施形態においては、凍結融解サイクルは必要とされない。さらに、有機溶剤は、時間を延長して水で洗浄することによってゲルから除去され得、結果として生じる高い含有水分は、組織の近くで音速を有する。
【0020】
一部の実施形態において、照射(例えば供給結合架橋)は、ゲルカプラ部材配合を滅菌し、かつ/または改良された透明性(音響的かつ/または光学的)、機械的特性、耐熱性、および/または寸法安定性を有する配合を提供する。照射の後、物理的会合が加熱によって随意的に除去され得る。一部の実施形態によるカプラ部材は、約70℃の融点を有する。本明細書に記述されるゲルカプラ部材配合は、一部の実施形態において、多孔性である。一部の実施形態において、本明細書に記述された配合の可視光透過率は約80%である。
【0021】
例示的な実施形態において、本発明は、実質的に気泡のないゲルカプラ部材配合を提供する。例示的な実施形態において、実質的に気泡のないゲルカプラ部材配合を取得することは、ゲル形成の前に、加熱された液体を真空脱気することを含む。
【0022】
例示的な実施形態において、ゲルカプラ部材は、音響エネルギーを焦点に集めるか、または音響エネルギーをデフォーカスするために、レンズの幾何学的形状を保持するように調節可能に構成される。例えば、調整プロセスにおいて、ゲル配合は、1つ以上のモールドまたはシェルで鋳造され得るか、またはその中で結晶化し得る。PVAゲルは、反復される凍結融解サイクルによって結晶化(例えば、物理的に架橋)され得る。モールドは任意の適切な形状であり得、例示的な実施形態において、レンズの幾何学的形状を保持する。
【0023】
ゲルカプラ部材の形状は、イメージングおよび/または治療に対して焦点の合った、アンフォーカスされた、またはノンフォーカスされたエネルギーを達成するために、凸面、凹面、平面、円錐、および/または複合体として構成され得、複数のレンズ形状を含み得る。本発明の他の例示的な実施形態において、さらに他のレンズ形状が使用され得る。例えば、音響エネルギーおよび/またはイメージングの焦点領域が関心のある領域の近くに配置されることを保証する、任意の構成が適切である。一般的に、レンズ形状は、材料の中での音の速度に依存する。様々な実施形態に従って、さらなるレンズが、増加した焦点調節性を提供するためにゲルカプラ部材内に埋め込まれ得る。さらに、非均質ゲルカプラ部材が、増加した焦点調節性を提供するために形成され得る。
【0024】
一部の実施形態に従って、モールドまたはシェルは、図2Nに示されるように、ゲルカプラ部材格納デバイスとして機能する。一部の実施形態において、ゲルカプラ部材配合202は、低い透過性を有する硬いプラスチックシェル204の中にシールされる。シェル204は、一部の乾燥に対して補償するためのメカニズム、例えばエラストマー体積コンペンセイター206を含み得る。この点において、ゲルカプラ部材配合202は、薄膜200(ここで音響出力が生じる)およびトランスデューサまたはプローブ筐体と接触したままでいることができる。一部の実施形態において、シール208、シェル204および薄膜200は、プラスチック、エラストマー材料、ラミネートもしくは薄い金属層、またはこれらの組み合わせから成る。しかしながら、当業者は、ゲルカプラ部材配合202をシールするために適切な任意の材料が、本発明の範囲内にあることを理解する。一部の用途においては、ゲルカプラ部材は、「ハイバリア」パッケージングで輸送され、かつ格納される必要がある。本明細書に開示されるように、輸送され、かつ格納されるとき、ゲルカプラ部材は、本発明により、少なくとも数ヶ月の保存寿命を有し得る。
【0025】
例示的な実施形態において、カプラ部材は、カップルと組織およびエネルギー供給源のうちの1つまたは両方との間の音響的に透明な結合として作用する。一部の実施形態においては、さらなる結合が必要であり、かつ/または各々が異なる音響的特性を有する複数のカプラ部材が使用される。一実施形態において、音響的に透明な結合が、凍結によってレンズの幾何学的形状を保持するように調節可能に構成され得る。シネレシス(溶剤排除)は、さらなる結合に対して滑りやすい表面を提供し得る。
【0026】
例示的な実施形態において、カプラ部材は、例えば、固定距離での焦点に対して補償するために、スタンドオフとして作用する。1つの例示的な実施形態に従って、カップルは音響的に透明である。別の例示的な実施形態に従って、カップルは音響的に非透明であるが、しかし、所定の音響特性によって、例えば、音響エネルギーを変化させるためである。本発明に従って結合するカプラ部材の少なくとも一部分は可撓性であり、組織表面の輪郭に対して調節され得る。
【0027】
一部の実施形態において、カプラ部材は、複数のイメージング用途および/または治療用途に使用され得る。他の実施形態において、カプラ部材は、単一使用のまたは限定された使用の使い捨てデバイスである。例示的な実施形態において、カップルは固体、例えば氷であって、該氷によって冷却効果が与えられ得る氷であるか、または任意の他の固体媒体であり得る。他の例示的な実施形態において、カップルは、例えば抵抗デバイスまたはペルティエデバイスを介して加熱され得るか、または熱調整の閉ループ制御手段を含むペルティエ手段または他の冷却手段を介して冷却され得る。
【0028】
例示的に実施形態に従って、カプラ部材の一部分は、プローブに取り付けられるように構成される。一部の他の実施形態では、ゲルカプラ部材配合においては、ゲルカプラ部材に対するモールドまたはシェルは、プローブと適合するために、取り付け部分を有するか、または取り付けデバイスが埋め込まれ、それによって固定される。一般的に、取り付けに対する任意のメカニズムが適切であり、スリーブ、ブラケット、クリップ、磁気、または当技術分野で公知のまたは今後開発される他の手段が含まれ得る。一部の実施形態において、1つ以上のクリップが、ゲルカプラ部材に対するモールドまたはシェルをプローブ筐体を圧して保持し、かつ同時にプローブ筐体に対してシールを圧縮する。
【0029】
カプラ部材を使用して音響エネルギーを結合する方法は、エネルギーを組織の1つ以上の層内の関心のある領域(ROI)に送達することを包含する。例示的な実施形態において、エネルギーは、音響エネルギー(例えば、約0.5MHz〜約20MHzの範囲にある超音波)である。他の例示的な実施形態において、エネルギーは、フォトンベースのエネルギー(例えばIPL、LED、レーザ、白色光、その他)、または他のエネルギー形式、例えば高周波電流、もしくは音響エネルギー、電磁エネルギーおよび他のエネルギー形式もしくは冷却のようなエネルギーアブソーバの様々な組み合わせである。
【0030】
記述は概して、便宜のために音響エネルギーを指すが、本明細書に記述される方法およびシステムは、他のエネルギー形式に同様に適用可能であることが理解されるべきである。例えば、一部の実施形態において、フォトンベースのエネルギーに対して構成されたカップルは、光学的に透明であり、一方、他の実施形態においては、RFまたはマイクロ波に対して構成されたカップルは、電極またはアンテナと共に構成される。さらに、本明細書に記述された方法およびシステムは、複数のエネルギー形式に適応し得、一部の実施形態においては、図1Bに示されるように同時動作に対して適応し得、図1Bにおいては、参照番号3は、音響エネルギー送達、感知およびイメージングを示し、参照番号7は、フォトンベースのエネルギー送達、光学的感知およびイメージングを示し、そして参照番号9は、電気エネルギー送達、感知およびイメージングを示し、後者は、例えばRF電流エネルギー、および電気インピーダンス感知およびイメージングである。
【0031】
例えば、音響エネルギーを結合し、フォトンベースのエネルギーおよび/または高周波エネルギーによって感知し、かつ/またはモニタするための例示的なシステムにおいて、感知および/またはモニタリングは、レンズの幾何学的形状を保持するように構成された実質的に音響的に透明なゲルカプラ部材と、光導波路と、電気接点とを備えている。詳細には、図1bを引き続き参照すると、例示的なシステムは、ゲルカプラ部材3の近くに配置された光導波路7(例えば、透明ガラスまたは透明プラスチック)と、双極(または、例えば単極)高周波電流を通し得る2つの電気接点9とを備えている。
【0032】
カプラ部材を使用して音響エネルギーを結合するための例示的なシステム14が、図2Aに提供され、かつ図示されている。例示的なシステム14は、ディスプレイまたはインジケータ22と、制御システム20と、プローブ18と、カプラ部材1とを備えている。好ましい実施形態において、ゲルカプラ部材1とROI12との間に、例えば超音波結合ゲルのような音響結合剤、またはメディカントが使用され得る。かかるさらに配置された結合剤は、治療エネルギー送達のさらなる制御を与えるために、冷却されるか、または加熱され得る。
【0033】
表示システムは、システム14またはROI12に関するイメージまたはイメージを除いた情報をユーザに伝達する任意のタイプのシステムであり得る。従って、表示システム22は、コンピュータモニタ、テレビジョンスクリーンであり得るか、または表示システム22は、インジケータシステムの単純なタイプ、例えば様々な例示的実施形態における液晶ディスプレイまたは発光ダイオードディスプレイであり得る。液晶ディスプレイおよび発光ダイオードディスプレイは、システム14がハンドヘルドシステムであるとき、特に有用である。
【0034】
様々な例示的な実施形態において、ROI12は、無成育性表皮(すなわち、角質層)、成育性表皮、真皮、皮下結合組織および脂肪、ならびに筋肉のうちの1つの内部に位置する。さらに、ただ1つのROI12が示されているが、複数のROI12が治療され得、一部の実施形態においては、同時に治療され得る。例えば、ROI12は、1つ以上の器官または身体の表面のもしくは身体内部深くの組織の組み合わせから成り得る。例示的な実施形態において、超音波、フォトンベースまたは高周波(電磁気)治療が、例えば人工皮膚もしくは人工器官のような人工組織もしくは改変組織、または幹細胞誘導組織に提供される。
【0035】
例示的なシステム14が、図2B〜図2Kに示され、図2B〜図2Kにおいて、各図は、カプラ部材1を通して角質層85の下のROI12にエネルギー2を放射するように構成されたトランスデューサ19を備えている。特に、図2B、図2C、図2F、および図2Gは、カプセル化された、音響的に透明な流体で満たされたカプラ部材1を示し、カプラ部材1においては、カプセル化は、スタンドオフを提供し、エネルギー2を結合し、一方、図2D、図2E、および図2H〜図2Kは、音響的に透明なゲルカプラ部材1を示し、ゲルカプラ部材1においては、カップル1は、スタンドオフを提供し、レンズの幾何学的形状を保持し、かつエネルギー2を結合するように構成される。
【0036】
当業者は、図2D、図2E、および図2H〜図2Kを参照して、カプラ部材1は、ROI12を取り囲む組織を通る音速と対比されるカプラ部材1を通る音速に依存して、エネルギーを焦点に集め(図示のように)、エネルギーをアンフォーカスし、かつ/またはエネルギーをデフォーカスするように構成され得ることも理解する。
【0037】
例えば、図2Dおよび図2Hにおけるカプラ部材1は、カプラ部材1を通る音速が、ROI12を取り囲む組織を通る音速よりも低い場合、エネルギーを焦点に集める(図示のように)。あるいは、図2Dおよび図2Hにおけるカプラ部材1は、カプラ部材1を通る音速が、ROI12を取り囲む組織を通る音速よりも高い場合、エネルギーをデフォーカスする。さらに別の例示的な実施形態において、カプラ部材1は、エネルギーをアンフォーカスするように構成される。
【0038】
同様に、図2Eおよび図2Iにおけるカプラ部材1は、カプラ部材1を通る音速が、ROI12を取り囲む組織を通る音速よりも高い場合、エネルギーを焦点に集める(図示のように)。あるいは、図2Eおよび図2Iにおけるカプラ部材1は、カプラ部材1を通る音速が、ROI12を取り囲む組織を通る音速よりも低い場合、エネルギーをデフォーカスする。さらに別の例示的な実施形態において、カプラ部材1は、エネルギーをアンフォーカスするように構成される。
【0039】
例示的な実施形態に従って、図2Jおよび図2Kを参照すると、トランスデューサ19およびカプラ部材1のフォーカシング、アンフォーカシング、および/またはデフォーカシングは、互いに対して加法的または減法的であり得る。
【0040】
様々な例示的な実施形態に従って、図2L〜図2Mに示されるように、システム14は、ユーザの片手によって保持され、かつ片手で操作されるように構成される。システム14は、ディスプレイまたはインジケータ22と、制御システム20と、プローブ(図示されず)と、カプラ部材1とを備えている。例示的な実施形態において、システム14は、800g未満の重さであり、より好ましい実施形態においては、400g未満の重さである。
【0041】
例示的な実施形態において、図3を参照すると、例示的なシステム16であって、ディスプレイ22と、制御システム20と、トランスデューサ19と、カプラ部材1とを備えている例示的なシステム16は、角質層85、成育性表皮86、真皮88、皮下結合組織および脂肪82、ならびに筋肉84のうちの1つ以上の内部で、エネルギー2および/またはエネルギー4をROI12に送達し、かつROI12をモニタするために使用される。他の例示的なシステムは、「Method and System For Combined Ultrasound Treatment」と題する同時係属中の米国特許出願第10/950,112号に開示され、該米国特許出願は、参考として本明細書に援用されている。
【0042】
図3を引続き参照すると、例示的なトランスデューサ19は、超音波エネルギー2および/または超音波エネルギー4をROI12に送達するトランスデューサである。一部の実施形態において、カプラ部材1は、トランスデューサ19を患者の身体に結合するために使用される。一部の実施形態において、追加的な結合が必要であり、かつ/または複数のカプラ部材1が使用され、各々は、異なる音響的特性を有する。
【0043】
別の例示的な実施形態において、吸引が、トランスデューサ19を患者の身体に取り付けるために使用される。この例示的な実施形態において、陰圧差が作られ、トランスデューサ19が、吸引によって角質層85に取り付けられる。真空タイプデバイスが、吸引を作るために使用され、真空デバイスは、トランスデューサ19と一体構造であるか、トランスデューサ19から分離可能であるか、または完全にトランスデューサ19から別個であり得る。角質層85へのトランスデューサ19の吸引取り付けおよび関連する陰圧差は、トランスデューサ19が、角質層85に正しく結合されることを保証する。さらに、吸引取り付けはまた、組織の厚さを低減して、組織の異なる層に達することをより容易にする。
【0044】
図3をさらに参照すると、超音波エネルギー2および/または超音波エネルギー4は、様々なエネルギーフィールドにおいて放射され得る。エネルギーフィールドは、トランスデューサ19によって焦点が合わされ、アンフォーカスされ、デフォーカスされ、かつ/または実質的に平らにされて、複数の異なる効果を提供し得る。エネルギーは、自動的な動きまたは手動的な動きによって、1つ以上のC平面またはCスキャンにおける1つ以上のポイントに提供され得る。例えば、実質的に平らなエネルギーフィールドは、治療的効果および/または前治療効果を提供し得、焦点が合ったエネルギーフィールドは、より強烈な治療効果を提供し得、ノンフォーカスされたエネルギーフィールドは、より穏やかな治療効果を提供し得る。全体を通して使用される用語「ノンフォーカスされた」は、アンフォーカスされたか、またはデフォーカスされたエネルギーを包含することが意味されることに留意されるべきである。
【0045】
例示的なトランスデューサ19は、イメージングもしくは治療またはイメージングと治療の両方の組み合わせのために、超音波エネルギーを放射する。例示的な実施形態において、トランスデューサ19は、下に記述されるように、ROI12における特定の深さで超音波エネルギーを放射するように構成される。図3のこの例示的な実施形態において、トランスデューサ19は、治療目的で、ROI12の広い区域にわたって焦点が合っていない超音波エネルギーまたはデフォーカスされた超音波エネルギーを放射する。
【0046】
図4Aおよび図4Bを参照すると、トランスデューサ19は、治療を容易にするために構成された1つ以上のトランスデューサを備え得る。トランスデューサ19はまた、1つ以上のトランスダクション素子、例えば素子26Aまたは素子26Bを備え得る。トランスダクション素子は、例えばチタン酸鉛ジルコネート(PZT)または任意の他の圧電性活物質のような圧電性活物質を含み得、該任意の他の圧電性活物質とは、例えば圧電セラミック、圧電結晶、圧電プラスチック、および/または複合材料、ならびにニオブ酸リチウム、チタン酸鉛、チタン酸バリウム、および/またはメタニオブ酸鉛である。圧電性活物質に加えて、または圧電性活物質の代わりに、トランスデューサ19は、放射および/または音響エネルギーを生成するように構成された任意の他の物質を含み得る。トランスデューサ19はまた、例えば圧電性活物質に結合されたもののようなトランスダクション素子に沿って構成された1つ以上のマッチング層および/またはバッキング層を備え得る。トランスデューサ19はまた、トランスダクション素子に沿った単一のまたは複数の制動素子と共に構成され得る。
【0047】
例示的な実施形態に従って、トランスデューサ19のトランスダクション素子の厚さは、一様であるように構成され得る。つまり、トランスダクション素子は、全体を通して実質的に同じである厚さを有するように構成され得る。別の例示的な実施形態に従って、トランスダクション素子はまた、可変厚により構成され得、かつ/または複数の制動されたデバイスとして構成され得る。例えば、トランスデューサ19のトランスダクション素子は、例えばほぼ1kHz〜3MHzのより低い範囲の中央動作周波数を提供するように選択された第1の厚さを有するように構成され得る。トランスダクション素子26は、例えばほぼ3MHz〜100MHz以上のより高い範囲の中央動作周波数を提供するように選択された第2の厚さにより構成され得る。
【0048】
トランスデューサ19は、単一の広帯域トランスデューサとして構成され得、該単一の広帯域トランスデューサは、ROI12内の温度を所望のレベルに上げるために十分な出力を提供するために、少なくとも2つ以上の周波数によって励起される。トランスデューサ19はまた、2つ以上の個別のトランスデューサとして構成され得、この場合、各トランスデューサ19は、トランスダクション素子を備え、その厚さは、所望の中央動作周波数を提供するように上述のように選択され得る。
【0049】
さらに、例示的な実施形態において、任意の種類の機械的なレンズまたは可変焦点レンズ、例えば液体で満たされたレンズも、エネルギーフィールドの焦点をさらに合わせるために、またはエネルギーフィールドをさらにデフォーカスするために使用され得る。例えば、図4Aおよび図4Bに示された例示的な実施形態を参照すると、トランスデューサ19はまた、ROI12の治療における柔軟性を高めることを容易にするために、1つ以上のトランスダクション素子と組み合わせて電子式集束アレイ24と共に構成され得る。アレイ24は、トランスデューサ19と同様な方法で構成され得る。つまり、アレイ24は、電子アパーチャのアレイとして構成され得、該電子アパーチャのアレイは、可変電子式時間遅延、例えばΤ...Τを介する様々な位相によって作動させられ得る。用語「作動させられる」ことによって、アレイ24の電子アパーチャは、電子式時間遅延によって引き起こされる位相変動に対応する方法で操作され、駆動され、使用され、かつ/またはエネルギーを生成かつ/または送達するように構成され得る。例えば、これらの位相変動は、デフォーカスされたビーム、平面ビーム、および/または焦点が合ったビームを送達するために使用され得、これらの各々は、ROI12において様々な生理学的効果を達成するために組み合わせて使用され得る。
【0050】
トランスダクション素子は、凹面、凸面、および/または平面であるように構成され得る。例えば、図4Aに示される例示的な実施形態において、トランスダクション素子26Aおよび26Bは、ROI12の治療のために焦点の合ったエネルギーを提供するために、凹面であるように構成される。さらなる実施形態が、「System and Method for Variable Depth Ultrasound Treatment」と題する米国特許出願第10/944,500号に開示され、該米国特許出願は、参考として本明細書に援用されている。図4Aの例示的な実施形態において、トランスダクション素子24および関連する時間遅延または位相遅延は、図4Aに示されるものに対して垂直であり、かかる垂直に配置されたトランスダクション素子24は、治療素子、イメージング素子、またはデュアルモードイメージング−治療素子である。
【0051】
図4Bに示された別の例示的な実施形態において、トランスダクション素子26Aおよび26Bは、実質的の一様のエネルギーをROI12に提供するために、実質的に平らであるように構成され得る。図4Bの例示的な実施形態において、トランスダクション素子24および関連する時間遅延または位相遅延は、図4Bに示されるものに対して垂直であり、かかる垂直に配置されたトランスダクション素子24は、治療素子、イメージング素子、またはデュアルモードイメージング−治療素子である。図4Aおよび図4Bは、トランスダクション素子が、凹面および実質的に平らとしてそれぞれ構成された例示的な実施形態を示すが、トランスダクション素子は、凹面、凸面、および/または実質的に平らであるように構成され得る。さらに、トランスダクション素子は、凹面、凸面、および/または実質的に平らの構造の任意の組み合わせであるように構成され得る。例えば、第1のトランスダクション素子は、凹面であるように構成され得、一方、トランスデューサ19内の第2のトランスダクション素子は、実質的に平らであるように構成され得る。
【0052】
図4Cおよび図4Dを参照すると、トランスデューサ19はまた、平らな、焦点の合った、および/またはノンフォーカスされた音響エネルギーを提供するために、環状のアレイとして構成され得る。例えば、例示的な実施形態に従って、環状のアレイ28は、複数のリング30、32、34〜Nを備え得る。リング30、32、34〜Nは、機械的にかつ電気的に絶縁されて個別の素子のセットとされ得、平らな、焦点の合った、またはノンフォーカスされた波動を作成し得る。例えば、かかる波動は、例えば対応する送信遅延および/または受信遅延、Τ、Τ、Τ...Τを調節する方法によって、軸上の中心に集められ得る。電子フォーカスは、様々な深さの位置に沿って適宜動かされ得、かつ可変強度またはビームタイトネス(beam tightness)を可能にし得、一方、電子的デフォーカスは、様々な量のデフォーカシングを有し得る。例示的な実施形態に従って、レンズならびに/または凹面、凸面、および/もしくは実質的に平らな形状の環状のアレイ28はまた、任意の時間差遅延が低減され得るようにフォーカシングまたはデフォーカシングを助けるために提供され得る。例えばプローブおよび/または任意の従来のロボットアームメカニズムの使用による、一次元、二次元または三次元、または任意の経路に沿う環状のアレイ28の動きは、ROI12内のある体積または任意の対応するスペースをスキャンかつ/または治療するために実行され得る。
【0053】
図4Eを参照すると、例示的なトランスデューサ570は、機械的焦点585、凸面レンズ焦点586、凹面レンズ焦点587、複合レンズ/複数のレンズ焦点588、および/または平面アレイ形式589を有する、球面焦点単一素子572、環状/マルチ素子574、イメージング領域576を有する環状のアレイ、ライン焦点単一素子578、1−D直線状アレイ580、1−D湾曲(凸面/凹面)直線状アレイ582、および/または2−Dアレイ584としても構成されて、イメージングおよび/または治療の両方に対して焦点の合った音場、アンフォーカスされた音場、またはノンフォーカスされた音場を達成し得る。他のレンズ形状がなおも、本発明の他の例示的な実施形態において使用され得る。複数の環状部574および/またはイメージング領域576に対して構成される球面焦点単一素子572と類似して、治療ライン焦点単一素子578、ならびに1−Dアレイ580、582および2−Dアレイ584に対する例示的な実施形態は、1つ以上のイメージング素子を、またはそれらのアパーチャの中に、例えばそれらのアパーチャの中心に沿って、イメージングアレイを配置することである。概して、イメージングトランスデューサおよび治療トランスデューサの組み合わせまたはデュアルモードイメージング−治療トランスデューサが利用され得る。
【0054】
例示的なトランスデューサが、制御システム20によって様々な方法で適宜制御され、かつ操作される。図5A〜図5Cに示される例示的な実施形態において、制御システム20は、音響エネルギーシステム全体の協調および制御に対して構成される。例えば、制御システム20は、電源コンポーネント36、感知およびモニタリングコンポーネント38、冷却および結合制御部40、ならびに/または処理および制御論理コンポーネント42を適宜備え得る。制御システム20は、治療、イメージングおよび/またはモニタリングを向上させるために、より多くのまたはより少ないサブシステムおよびコンポーネントによる様々な方法で構成され、かつ最適化され得、図5Aおよび図5Bの実施形態は、単に例示の目的に過ぎない。
【0055】
例えば、電源コンポーネント36に対して、制御システム20は、1つ以上の直流(DC)電源44を備え得、1つ以上の直流電源44は、トランスデューサ電子増幅器/ドライバ48によって必要とされる電力を含めて、制御システム20全体に対して電気エネルギーを提供するように構成される。安全およびモニタリングの目的で増幅器/ドライバ48の中に入る電力のレベルを確認するために、DC電流感知デバイス46も提供され得る。
【0056】
増幅器/ドライバ48は、マルチチャンネルまたは単一チャンネル電力増幅器および/またはドライバを備え得る。トランスデューサアレイ構成に対する例示的な実施形態に従って、増幅器/ドライバ48はまた、アレイフォーカシングを容易にするために、ビームフォーマと共に構成され得る。例示的なビームフォーマは、関連するスイッチング論理によってデジタル的に制御される波形シンセサイザ/発振器50によって電気的に励起され得る。
【0057】
電源コンポーネント36はまた、様々なフィルタリング構成52を含み得る。例えば、駆動効率および有効性を高めるために、切換可能な高調波フィルタおよび/または整合が、増幅器/ドライバ/ビームフォーマ48の出力において使用され得る。適切な動作および較正を確認するために、電力検出コンポーネント54も含まれ得る。例えば、プローブ18へ流れる電力の量をモニタするために、電力および他の電力検出コンポーネント54が使用され得る。
【0058】
様々な感知およびモニタリングコンポーネント38も、制御システム20内で適宜実装され得る。例えば、例示的な実施形態に従って、モニタリング、感知、インターフェースおよび制御コンポーネント56が、様々な動き検出システムと共に動作するように構成され得、該様々な動き検出システムは、例えばROI12からの音響に関する情報または他の空間的情報および/または時間的情報のような情報を受信し、かつ処理するためにトランスデューサ19内に実装される。感知およびモニタリングコンポーネント38はまた、様々な制御部、インターフェーシングおよびスイッチ58および/または電力検波器54を含み得る。かかる感知およびモニタリングコンポーネント38は、治療システム14内で、開ループおよび/または閉ループフィードバックシステムを容易にし得る。
【0059】
例示的な実施形態において、感知およびモニタリングコンポーネント38は、システム14の使いすぎを防止するめに、可聴警報システムまたは可視警報システムに接続されたセンサを備えている。この例示的な実施形態において、センサは、角質層85、成育性表皮86、成育性真皮88、皮下結合組織および脂肪82、もしくは筋肉84に移されたエネルギーの量、またはシステム14が能動的にエネルギーを放出した時間を感知する。特定の時間閾値または温度閾値が到達されると、警報は可聴警報を鳴らすか、または可視インジケータを作動させて、閾値が到達されたことをユーザに知らせる。これによって、ユーザがシステム14を使いすぎることを防止する。例示的な実施形態において、センサは、制御システム20に動作可能に接続され得、制御システム20がプローブ18から超音波エネルギー2および/または超音波エネルギー4を放出することを止めさせる。
【0060】
例示的なプローブ18から廃熱を除去し、表面組織インターフェースおよびより深い組織に制御された温度を提供し、かつ/またはプローブ18からROI12へ音響結合を提供するために、冷却/結合制御システム60が提供され得る。かかる冷却/結合制御システム60はまた、様々な結合コンポーネントおよびフィードバックコンポーネントを有する開ループおよび/または閉ループフィードバック配列において動作するように構成され得る。
【0061】
さらに、例示的な制御システム20はさらに、様々なシステムプロセッサおよびデジタル制御論理62を備え得るが、様々なシステムプロセッサおよびデジタル制御論理62には、例えば1つ以上の制御部またはインターフェーシングスイッチ58および関連するコンポーネントがあり、これらの中には、ファームウエアおよびソフトウエア64が含まれ、ファームウエアおよびソフトウエア64は、ユーザ制御部およびインターフェーシング回路ならびに通信、表示、インターフェーシング、格納、文書管理、および他の有用な機能に対する入力/出力回路およびシステムとインターフェースする。ソフトウエア64は、ユーザ定義の治療目的を達成するために必要とされるすべての初期設定、タイミング、レベル設定、モニタリング、安全モニタリング、およびすべての他のシステム機能を制御する。さらに、様々なメカニズム66も、動作を制御するように適宜構成され得る。
【0062】
図5Cを参照すると、例示的なトランスデューサが、ハンドヘルドフォーマット制御システム1000によって様々な方法で適宜制御され、かつ操作される。外部バッテリ充電器1002が、充電式タイプバッテリ1004と共に使用され得るか、またはバッテリ1004は、単一使用の使い捨てタイプ、例えばAA−サイズのセルであり得る。電力変換器1006は、チューニングネットワーク1010を備えたドライバ/フィードバック回路1008に電力を供給するために適切な電圧を生成し、チューニングネットワーク1010は、1つ以上のカプラ部材1を介して患者に結合されたトランスデューサ1012を駆動する。一部の実施形態において、カプラ部材1は、音響結合剤1015によって患者に結合される。さらに、関連するソフトウエアおよびアルゴリズムを備えたマイクロコントローラおよびタイミング回路1016は、ディスプレイ1018、発振器1020、および他の入力/出力制御1022、例えばスイッチおよびオーディオデバイスを介して、制御およびユーザインタフェーシングを提供する。格納素子1024、例えばEEPROM、安全なEEPROM、改ざん防止EEPROM、または同様のデバイスは、較正データおよび使用データを保持する。フィードバック1026を備えた動きメカニズムは、望ましい場合、可変深さを備えたラインまたは二次元パターンでトランスデューサをスキャンするように適宜制御され得る。他のフィードバック制御は、容量性結合検出手段、音響的結合検出手段、もしくは他の結合検出手段および/または制限制御1028ならびに温度センサ1030を含む。プラスチック筐体または他の筐体と共に、カプラ部材1、トランスデューサ1012、温度センサ1030、結合検出器1028、またはチューニングネットワーク1010のうちの少なくとも1つとの、安全なEEPROMの組み合わせは、使い捨て先端1032を構成し得る。
【0063】
別の例示的な実施形態に従って、図6を参照すると、例示的な治療システム1200は、さらなる機能を提供するために、様々な補助システムと共に構成されるか、又は様々なシステムと組み合わされ得る。例えば、関心のある領域1206を治療するための例示的な治療システム1200は、制御システム1202と、プローブ1204と、ディスプレイ1208とを備え得る。治療システム1200は、1つ以上の補助的イメージングモダリティ1274および/または1つ以上の補助的モニタリングもしくは感知モダリティ1272をさらに備え、これは、写真および他のビジュアル光学的方法、磁気共鳴イメージング(MRI)、コンピュータ断層撮影法(CT)、光コヒーレンス断層撮影法(OCT)、電磁気、マイクロ波、もしくは高周波(RF)方法、陽電子射出断層撮影法(PET)、赤外線、超音波、音響、またはイメージング/モニタリング強化を含む、関心のある領域1206内の任意の他の適切な視覚化、限局化、もしくはモニタリングの方法に基き得る。プローブ1204および制御システム1202を介する超音波イメージングに対するかかるイメージング/モニタリング強化は、とりわけMモード、永続性、フィルタリング、カラー、ドップラー、および高調波イメージングを含み得、さらに、治療の一次供給源としての超音波治療システム1270は、治療の二次供給源1276と組み合わされ得、治療の二次供給源1276には、高周波(RF)エネルギー、マイクロ波エネルギー、または他のフォトンベースのエネルギー方法が含まれ得、該他のフォトンベースのエネルギー方法には、インテンスパルス光(IPL)、レーザ、赤外レーザ、マイクロ波、または任意の他の適切なエネルギー供給源が含まれる。図1bと類似したマルチモダリティカプラは、マルチモダリティ治療、感知、モニタリングおよびイメージングシステムに対して特に有用な実施形態である。
【0064】
再び図3を参照すると、例示的なシステム14は、特定の例示的な実施形態において、ROI12のイメージを提供するためにディスプレイシステム22も含み、該特定の実施形態においては、超音波エネルギーが、イメージングに対して適切な方法でトランスデューサ19から放出される。ディスプレイシステムは、システム14またはROI12に関するイメージとは別に、イメージまたは情報をユーザに伝える任意のタイプのシステムであり得る。従って、ディスプレイシステム22は、コンピュータモニタ、テレビジョンスクリーン、またはインジケータシステムの簡単なタイプ、例えば様々な例示的な実施形態における液晶ディスプレイまたは発光ダイオードディスプレイであり得る。液晶ディプレイおよび発光ダイオードディスプレイは、システム14がハンドヘルドシステムであるとき、特に有用である。
【0065】
ディスプレイシステム22は、ユーザが、治療区域および周囲の構造の限局化、例えば細胞膜または組織の特定を容易にすることを可能にする。限局化の後、ある深さ、分布、タイミング、およびエネルギーレベルでの超音波エネルギー2および/または超音波エネルギー4の送達が提供されて、所望の治療、イメージングおよび/またはモニタリングを達成する。治療の前、治療の間、および/または治療の後、すなわち超音波エネルギーの送達の前、送達の間、および/または送達の後、治療区域および周囲の構造のモニタリングが実行されて、結果を計画、評価し、かつ/またはディスプレイシステム22を介して制御システム20およびシステムオペレータにフィードバックを提供し得る。例示的な実施形態に従って、限局化は、超音波イメージングによって容易にされ得、該超音波イメージングは、皮膚組織の1つ以上の層内でROI12を画定するために使用され得る。
【0066】
超音波エネルギー送達に対して、トランスデューサ19は、機械的に、かつ/または電子的にスキャンされて、ROI12の拡張区域にわたって治療ゾーンを設置する。治療深さは、ほぼ1ミリメータ〜100ミリメータおよび/または筋肉84の最深部の範囲の間で調節され得る。エネルギーのかかる送達は、標的の細胞膜もしくは組織のイメージング、および次に超音波エネルギーの適用によって生じ得るか、または最初のイメージングまたは進行中のイメージングなしで、拡張区域にわたる既知の深さに超音波エネルギーを適用することによって生じ得る。
【0067】
トランスデューサ19からの超音波ビームは、トランスデューサ19の空間的パラメータ、例えば配置、距離、治療深さおよびトランスデューサ19の構造を変えることによって、ならびにトランスデューサ19の時間的パラメータ、例えば周波数、駆動振幅、およびタイミングを変えることによって、空間的にかつ/または時間的に、制御システム20を介して取り扱われるような制御部により制御され得る。かかる空間的パラメータおよび時間的パラメータはまた、超音波システム16内の開ループフィードバックシステムおよび/または閉ループフィードバックシステムの中で適宜モニタされ、かつ/または利用され得る。
【0068】
本発明の別の例示的な実施形態に従って、再び図3を参照すると、例示的なモニタリング方法は、ROI12の温度プロフィールまたは他の組織パラメータ、例えば減衰量、音速、もしくは例えば治療領域の剛性および歪みのような機械的特性をモニタすることを包含し得、かつ、トランスデューサ19から放出される超音波エネルギー2および/または超音波エネルギー4の空間的特性および/または時間的特性ならびにエネルギーレベルを適宜調節し得る。かかるモニタリング技術の結果は、モニタリング結果の一次元、二次元、または三次元イメージの手段によってディスプレイシステム22上に表示され得るか、または成功もしくは失敗タイプのインジケータ、またはそれらの組み合わせを単に含み得る。さらなる治療モニタリング技術は、温度、ビデオ、プロフィロメトリ、および/もしくは剛性もしくは歪みゲージまたは任意の他の適切な感知技術のうちの1つ以上に基き得る。
【0069】
ROI12内の組織が剥離または凝固しない限り、任意の量のエネルギーが使用され得る。例示的な実施形態において、プローブ18から放出されるエネルギーは、アンフォーカスされたまたはデフォーカスされた超音波エネルギー2および/または4である。あるいは、焦点の合った超音波エネルギー2および/または4が、プローブ18から放出され得、ROI12に適用され得る。
【0070】
一例示的な実施形態において、ROI12の中に解放されるエネルギーは、通常の体温よりもほぼ1℃〜25℃高く、ROI12内の局部温度を高める。したがって、治療の間のROI12内の温度は、ほぼ35℃〜60℃の間である。別の例示的な実施形態において、温度は、通常の体温よりもほぼ1℃〜15℃高められる。したがって、この実施形態において、ROI12内の温度は、ほぼ35℃〜49℃の間である。特定の温度範囲が本明細書において開示されるが、任意の温度が、本発明の範囲内に該当すると考えられることに留意されるべきである。
【0071】
特定の実施形態において、温度上昇は非常に高いことがあり得るが、しかし、ROI12に送達されたエネルギーが、組織の剥離または凝固を引き起こさないように、充分に短い時間適用され得る。他の状況において、温度上昇はかなり小さいことがあり得、組織の剥離または凝固なく影響を及ぼすために充分長く適用され得る。
【0072】
時間―温度プロフィールは、熱投与量コンセプトの助けでモデル化され、かつ最適化され得る。熱投与量、すなわちt43は、任意の時間−温度加熱プロフィールによる均等な生物学的効果を引き起こす43℃での露出時間である。通常、剥離性病変は、56℃で1秒のオーダーで形成され、これは、43℃で120分の熱投与量に対応する。同じ熱投与量は、ほぼ1分間での50℃に対応する。したがって、非剥離性プロフィールは、非常に短い時間での高温および/もしくはより長い時間でのより低い温度または様々な時間−温度プロフィールの組み合わせを含み得る。例えば、1秒未満での高温56℃または15分未満での46℃が利用され得る。かかるプロセスが様々な例示的な実施形態で実行され得、それによって1つ以上のプロフィールが単一の治療に組み合わされ得る。
【0073】
例示的な実施形態において、ROI12での温度が、例えば50℃以上の高いレベルにまで高められ、数秒間保持される。別の例示的に実施形態において、温度は、1秒未満から5秒以上までのもとで高いレベル(例えば50℃よりも高く)にまで高められ、次に、1秒未満から5秒以上のもとでターンオフされ、反復されてパルス化プロフィールを作成する。
【0074】
別の例示的な実施形態において、温度は、高いレベル(50℃よりも高く)にまで迅速に高められ、次に、より低い温度(50℃よりも低く)に下げられ、次に、所与の時間、例えば1秒から数秒、または1分を超えてその温度に維持される。
【0075】
別の例示的な実施形態において、温度は、高いレベル(THIGH)にまで迅速に高められ、かくして、THIGHは、40℃よりも高く、システム14への電力はターンオフされるが、しかし、一旦温度がより低い閾値(TLOW)よりも下に下がると、再びターンオンされ、かくして、TLOWはTHIGHよりも低い。一旦温度が再びTHIGHに達すると、システム14への電力がターンオフに戻され、このプロセスが反復され、事実上、サーモスタットのように作用する。プロセスは、1秒未満〜1分以上の総治療時間の後、止められる。
【0076】
別の例示的な実施形態において、温度は、高いレベル(TSTART)にまで迅速に高められ、かくして、TSTARTは、40℃よりも高く、次にターンオフされるが、しかし、温度がTSTARTよりもかなり低く(すなわち、数度だけ)下がる前に再びターンオンされ、それによって、電力が再びターンオフされる前に、温度は、少しの量だけ(すなわち、数度だけ)TSTARTよりも上昇する。かかる例示的な実施形態において、温度は、迅速に開始点にまで達し、次により高い温度にまで上昇することが許され得るが、それでも、治療が終了する前は、非剥離性レジームまたは凝固性レジームの中に残り得る。
【0077】
本発明は、様々な機能コンポーネントおよびプロセッシングステップの観点から本明細書において記述され得る。かかるコンポーネントおよびステップは、特定の機能を実行するように構成された任意の数のハードウエアコンポーネントによって実現され得ることが理解されるべきである。例えば、本発明は、様々な医療デバイス、ビジュアルイメージングデバイスおよびディスプレイデバイス、入力端子などを使用し得、これらは、1つ以上の制御システムまたは他の制御デバイスの制御のもとで様々な機能を実行し得る。さらに、本発明は、任意の数の医療背景において実行され得、本明細書に記述されたようなあるシステムに関連する例示的に実施形態は、本発明に対する例示的適用を示すに過ぎない。例えば、論議された原理、特徴および方法は、任意の医療的用途に適用され得る。さらに、本発明の様々な局面は、他の用途、例えば他の医療的用途または産業的用途に適宜適用され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響エネルギーを関心のある領域に結合するためのシステムであって、
レンズの幾何学的形状を保持するように構成された実質的に音響的に透明なゲルカプラ部材と、
該システムの制御のために構成された制御システムと、
治療、イメージングおよび/またはモニタリングのために構成されたプローブと、
ディスプレイシステムと
を備えている、システム。
【請求項2】
前記ゲルカプラ部材は、スタンドオフを提供するようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ゲルカプラ部材は、約30%〜約50%質量パーセントの量の水と、約40%〜約60%質量パーセントの量の有機溶剤と、約2%〜約20%質量パーセントの量のポリビニルアルコールとから成る、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記有機溶剤は、グリセロールである、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ゲルカプラ部材は、該ゲルカプラ部材と、前記関心のある領域および前記プローブのうちの1つまたは両方との間の音響的に透明な結合として作用する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
音響エネルギーを関心のある領域へ結合するためのシステムであって、
実質的に音響的に透明なカプセル化された流体で満たされたカプラ部材であって、該流体で満たされたカプラ部材は、スタンドオフを提供するように構成されている、カプラ部材と、
該システムの制御のために構成された制御システムと、
治療、イメージングおよび/またはモニタリングのために構成されたプローブと、
ディスプレイシステムと
を備えている、システム。
【請求項7】
前記流体で満たされたカプラ部材は、該流体で満たされたカプラ部材と、前記関心のある領域および前記プローブのうちの1つまたは両方との間の音響的に透明な結合として作用する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
実質的に音響的に透明なゲルカプラ部材を形成する方法であって、該方法は、
混合溶剤を形成するために、約30%〜約50%質量パーセントの量の水を約40%〜約60%質量パーセントの量の有機溶剤と混合することと、
ゲル混合物を形成するために、約2%〜約20%質量パーセントの量のポリビニルアルコールを高温で該混合溶剤の中で溶解することと、
モールドまたはシェルの中で該ゲル混合物を結晶化することであって、該モールドまたはシェルは、レンズの幾何学的形状を保持するように構成されている、ことと
を包含する、方法。
【請求項9】
前記有機溶剤は、グリセロールである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
音響エネルギーを結合し、フォトンベースのエネルギーおよび/または高周波エネルギーによって感知し、かつ/またはモニタするためのシステムであって、感知および/またはモニタリングは、
レンズの幾何学的形状を保持するように構成された実質的に音響的に透明なゲルカプラ部材と、
光導波路と、
電気接点と
のうちの少なくとも2つを備えている、システム。
【請求項11】
超音波トランスデューサプローブを関心のある領域に結合する方法であって、該方法は、
カプラ部材を関心のある領域の外面に配置するステップと、
超音波信号をトランスデューサから該カプラ部材を通して該関心のある領域に送信するステップと
を包含し、
該カプラ部材は、実質的に音響的に透明なゲルを含む、方法。
【請求項12】
前記音響的に透明なゲルは、
混合溶剤を形成するために、約30%〜約50%質量パーセントの量の水を約40%〜約60%質量パーセントの量の有機溶剤と混合することと、
ゲル混合物を形成するために、約2%〜約20%質量パーセントの量のポリビニルアルコールを高温で該混合溶剤の中で溶解することと、
モールドまたはシェルの中で該ゲル混合物を結晶化することであって、該モールドまたはシェルは、レンズの幾何学的形状を保持するように構成されている、ことと
によって提供される、請求項11に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図2H】
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【図2I】
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【図2J】
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【図2K】
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【図2L】
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【図2M】
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【図2N】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−527644(P2010−527644A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507626(P2010−507626)
【出願日】平成20年5月7日(2008.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2008/062932
【国際公開番号】WO2008/137944
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(507084604)ガイデッド セラピー システムズ, エル.エル.シー. (15)
【Fターム(参考)】