説明

カメラシステム

【課題】連写撮影時のカメラヘッドの発熱を抑制するとともに撮影間隔の短縮化を図ることができるカメラシステムを提供する。
【解決手段】カメラヘッド1aにもカメラ本体1bと同じ機能を持つ第1の信号処理回路105aを設ける。連写時には、カメラヘッド1aが備える第1の処理部105aとカメラ本体1bが備える第2の信号処理回路105bとにほぼ並列に信号処理を行なわせることで撮影間隔の短縮化を実現するとともに、カメラヘッド1aの第1の信号処理回路105aの負荷を軽減してカメラヘッド1aの発熱を抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影光学系と撮像素子を備えたカメラヘッドとそのカメラヘッドと通信を行ないカメラヘッドから画像信号を受け取って信号処理を行なうカメラ本体とを備えたカメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、撮影光学系と撮像素子を備えたカメラヘッドと、カメラヘッドが着脱自在に装着されカメラヘッドから画像信号を受け取って信号処理を行なうカメラ本体とを備えたカメラシステムが提案されている(例えば特許文献1、2参照)。特許文献2のカメラシステムでは、いろいろなカメラヘッドの種類に対応することができるようにカメラヘッドがカメラ本体に装着されたときにカメラ本体がカメラヘッド内の撮像素子固有の情報を受け取ってカメラヘッド側の撮像素子に適合した信号処理をカメラ本体で行なうようにしている。
【0003】
ところで、最近のデジタルカメラには、静止画撮影モードと動画撮影モードに加えて連写撮影モードが搭載されているものがある。この連写撮影モードにおいては所定の撮影間隔ごとに静止画撮影が行なわれる。しかし、撮像素子の高画素化が進み高画素数の撮像素子がデジタルカメラに搭載されるようになってきたためにフレームレートを下げないと連写における撮影処理を行なうことができなくなってきている。つまり撮影間隔をあまり短くすることができないという問題が出てきている。
【0004】
そこで、連写撮影の撮影間隔の短縮化を図ることができるように、デジタルカメラ内に複数の信号処理部を設けて高画素の撮像素子の撮影領域を複数の領域に分担し分担した領域ごとの処理を複数の信号処理部それぞれにほぼ同時に並列処理を行なわせる技術が提案されている(例えば特許文献3参照)。この特許文献3の技術を用いると、撮像素子の全撮影領域に亘る1フレーム分の画像信号が高画素数からなるものであってもフレームレートを上げることができるので連写撮影における撮影間隔の短縮化を図ることが可能となる。
【0005】
この特許文献3の技術を上記カメラシステムにも適用することができれば、短い撮影間隔で撮影を行なうことができる連写撮影モードをカメラシステムに搭載することができる。
【0006】
しかしながら上記特許文献1、2等のカメラシステムにおいては、カメラヘッドが備える撮像素子がどのようなものであるかが分からないため、装着されたカメラヘッドが備える撮像素子で生成された画像が一旦カメラ本体側のデジタル信号処理部内のフレームメモリにすべて転送される仕組みになっている。つまり上記カメラシステムに特許文献3の技術を適用する場合には、カメラ本体側のデジタル信号処理部以降の処理段に特許文献3の技術を適用することになる。このため、上記カメラシステムに特許文献3の技術を適用したとしても、連写撮影時にはカメラヘッドからカメラ本体に向けて所定の間隔ごとに高画素数の画像信号を送り続けなければらない。
【0007】
言い換えれば上記カメラシステムに特許文献3の技術を適用して撮影間隔の短い連写撮影モードを実現させようとしても、カメラヘッドからカメラ本体へ画像を送るのに要する時間が長くなってそのことがフレームレートに大きく影響を及ぼしてカメラ本体側の処理部を処理不能状態に陥らせてしまう可能性があるということになる。
【0008】
この問題を解決するためにカメラヘッドに信号処理部を設けてその信号処理部に撮像素子固有の処理を行なわせ画像のデータ量を圧縮させてからカメラ本体に送ることが考えられるが、カメラヘッドにCPUと撮像素子に加えて信号処理部を設けると、短い撮影間隔で連写撮影を行なっているときに過負荷状態になってカメラヘッドが発熱してしまうことが予想される。
【特許文献1】特開平8−172561号公報
【特許文献2】特開2000−175089号公報
【特許文献3】特開2004−289631号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑み、連写撮影時のカメラヘッドの発熱を抑制するとともに撮影間隔の短縮化を図ることができるカメラシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する本発明の第1のカメラシステムは、撮影光学系と撮像素子を備えたカメラヘッドと、そのカメラヘッドが着脱自在に装着されカメラヘッドから画像を受け取って記録するカメラ本体とを備えたカメラシステムにおいて、
上記カメラヘッドが、上記撮像素子で得られた画像を処理する第1の処理部を備えたものであり、
上記カメラ本体が、上記カメラヘッドに備えられた撮像素子で得られる画像を受け取ってその画像を処理する、上記第1の処理部と同一の機能を有する、第2の処理部を備えたものであって、
当該カメラシステムは連写撮影モードを有し、連写撮影モードが指定されて連写撮影が行なわれているときには、上記第1の処理部と上記第2の処理部とが、上記撮像素子で得られた画像を双方で分担して処理するものであることを特徴とする。
【0011】
上記本発明の第1のカメラシステムによれば、上記カメラヘッドにカメラ本体側の第2の信号処理部と同一の機能を有する第1の処理部が備えられ連写撮影モードのときには、撮像素子で得られた画像に双方で分担してほぼ並行して処理を行なせることができる。そうすると、第1の処理部と第2の処理部とで処理が分担してほぼ並行に行なわれる分、フレームレートを上げることが可能となって撮影間隔を短縮することが可能となる。また、第1の処理部の負荷を軽減することができるのでカメラヘッドの発熱を抑制することが可能となる。
【0012】
すなわち、連写撮影時のカメラヘッドの発熱を抑制するとともに撮影間隔の短縮化を図ることができるカメラシステムが実現する。
【0013】
また、上記目的を達成する本発明の第2のカメラシステムは、撮影光学系と撮像素子を備えたカメラヘッドと、そのカメラヘッドが着脱自在に装着されそのカメラヘッドから画像を受け取って記録するカメラ本体とを備えたカメラシステムにおいて、
上記カメラヘッドが、温度センサと、上記撮像素子で得られた画像を処理する第1の処理部を備えたものであり、
上記カメラ本体が、上記カメラヘッドに備えられた撮像素子で得られた画像を受け取ってその画像を処理する第2の処理部を備えたものであって、
上記温度センサにより所定温度以下の温度が検出されているときは、上記撮像素子で得られた画像を上記第1の処理部で処理して処理後の画像を上記カメラ本体へ送って記録し、
上記温度センサにより所定温度を超える温度が検出されたときは、上記撮像素子で得られた処理前の画像を上記カメラ本体に送り上記第2の処理部で処理して記録することを特徴とする。
【0014】
上記本発明の第2のカメラシステムでは、主に上記第1の処理部に画像の処理を行なわせて、カメラヘッドが発熱したときには上記温度センサでその発熱を温度により検出して、カメラヘッドの温度が下がるまでの間はカメラ本体の第2の処理部に処理を行なわせる。
【0015】
つまり、カメラヘッド側の温度が上昇する前においては第1の処理部で処理が行なわれ上記カメラヘッドの温度が上昇したときには第2の処理部で処理が行なわれて、カメラヘッドの温度が低下したら再度第1の処理部で処理が行なわれてカメラヘッドの温度が再び上昇したらまた第2の処理部で処理が行なわれるという風になるので、上記本発明の第1のカメラシステムと同様に、カメラヘッドとカメラ本体とで分担してほぼ並行に処理が行なわれることとなる。
【0016】
すなわち、連写撮影時のカメラヘッドの発熱を抑制するとともに撮影間隔の短縮化を図ることができるカメラシステムが実現する。
【0017】
また、上記目的を達成する本発明の第3のカメラシステムは、
撮影光学系と撮像素子を備えたカメラヘッドと、該カメラヘッドが着脱自在に装着され該カメラヘッドから画像を受け取って記録するカメラ本体とを備えたカメラシステムにおいて、
上記カメラヘッドが、上記撮像素子で得られた画像を処理する第1の処理部を備えたものであり、
上記カメラ本体が、上記カメラヘッドに備えられた撮像素子で得られる画像を受け取ってその画像を処理する、上記第1の処理部と同一の機能を有する、第2の処理部を備えたものであって、
当該カメラシステムは、動画撮影中に静止画撮影を行なう動画静止画同時撮影モードを有し、その動画静止画同時撮影モードにおいては上記撮像素子で得られた静止画は上記第1の処理部で処理して処理後の静止画を上記カメラ本体に送って記録し、上記撮像素子で得られた動画は、処理前の動画をカメラ本体に送って上記第2の処理部で処理して記録することを特徴とする。
【0018】
上記本発明の第3のカメラシステムでは、連写撮影に匹敵する動画静止画同時撮影モードという撮影モードが設けられ、動画撮影においてはカメラヘッドの温度上昇を抑制するために第2の処理部が用いられて動画撮影が行なわれ、その動画撮影中の静止画撮影においてはカメラヘッドの第1の処理部が用いられて連写撮影が行なわれる。
【0019】
周知の通り、動画撮影においては撮像素子が高画素のものであっても画素数が間引かれて処理が行なわれるので連写のときのようにカメラ本体側の第2の処理部を処理不能状態に陥らせることはまずなく、連写のときよりもカメラヘッドの発熱量は少ない。
【0020】
そこでカメラ本体が備える第2の処理部に動画撮影処理を行なわせている最中にカメラヘッドが備える第1の処理部に、いままでよりも短い撮影間隔で連写撮影処理を行なわせる構成を提案している。このような構成にしても良い。
【発明の効果】
【0021】
以上、説明したように、連写撮影時のカメラヘッドの発熱を抑制するとともに撮影間隔の短縮化を図ることができるカメラシステムが実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態であるカメラシステムの構成を示す図である。
【0024】
図1に示すように本実施形態のカメラシステム1は、カメラヘッド1aとカメラ本体1bとを備える。図1には、撮影光学系と撮像素子を備えたカメラヘッド1aと、そのカメラヘッド1aが着脱自在に装着されカメラヘッド1aから画像を受け取って記録するカメラ本体1bとが示されている。図1に示すカメラ本体1bには、カメラヘッド1aを受け入れるためのレンズマウント10bが設けられており、図1には示されていないがカメラヘッド1aにもカメラ本体1b側のレンズマウント10bに適合するマウントが設けられている。
【0025】
またカメラ本体1bには、レリーズボタン11bやモードダイヤル12bや発光窓13bが備えられている。本実施形態においては、そのモードダイヤル12bで指定されるモードの中に静止画撮影モード、動画撮影モードに加えて連写撮影モードが配備されている。不図示のカメラ本体の背面側の表示画面と操作子とを用いてその連写撮影モードにおける撮影間隔や撮影枚数などを設定することができるようになっており、撮影間隔や撮影枚数が操作により設定された後、モードダイヤル12bにより連写モードが指定されるとレリーズボタン11bの押し操作(トグル動作)に応じて設定された撮影間隔で連写撮影が行なわれる構成になっている。
【0026】
図2は、図1のカメラヘッド1aがカメラ本体1bに装着された状態にあるときの信号処理の系統を説明する系統図である。
【0027】
図2(a)の系統図には、通常撮影モードで通常撮影が行なわれるときと、連写撮影における偶数コマの撮影が行なわれるときの信号処理の系統が示されている。
【0028】
また、図2(b)の系統図には、連写撮影における奇数コマの撮影が行なわれるときの信号処理の系統が示されている。
【0029】
図2(a)、図2(b)共に左側にはカメラヘッド1aの構成が示されており、右側にはカメラ本体1bの構成が示されている。
【0030】
まず、簡単に構成を説明する。
【0031】
図2(a)、図2(b)に示すようにこのカメラシステム1を構成するカメラヘッド1aには、カメラヘッド1aの動作の制御を行なうCPU100aが備えられている。このCPU100aは、後述するカメラ本体1b側のCPU100bと相互に通信を行なって連携してこのカメラシステム1全体の制御を行なうものである。
【0032】
カメラヘッド1には、撮影レンズ101aと撮像素子(ここではCCD固体撮像素子が用いられているので以下CCDセンサという)102aとが備えられており、その撮影レンズで被写体をCCDセンサ12aに結像させることによりCCDセンサ12aで画像データの生成が行なわれる。このCCDセンサ12aで生成された画像データがCDS(Correlated Double Sampling)103aに出力されCDS103aではノイズ低減の処理などが行なわれる。さらに後段のADC(Analog Digital Converter)104aではアナログ信号の画像信号がデジタル信号の画像信号に変換される。そのADC104aの後段には、YC変換や圧縮処理を行なう第1の信号処理回路105aが備えられている。この第1の信号処理回路105aで、本発明にいう第1の処理部の一例が構成される。
【0033】
図2(a)と図2(b)にそれぞれ示す様に、連写撮影モードが指定され撮影が行なわれているときには、カメラヘッド1aではCPU100aの制御の下に撮影コマごとにその第1の信号処理回路105aで信号処理が行なわれる前の画像(図2(b)参照)とその第1の信号処理回路105aで信号処理が行なわれた後の画像(図2(a)参照)とが交互にカメラ本体1bに送られるようになっている。なお、図2(a)、図2(b)には、第1の信号処理回路105aで信号処理が行なわれた後の画像と、第1の信号処理回路105aで信号処理が行なわれる前の画像とを図中において区別するために、信号処理が行なわれた後の画像のことがJPEGデータと記載され、信号処理が行われる前の画像のことがRAWデータと記載されている。
【0034】
一方カメラ本体1bには、カメラ本体1bの動作を制御するCPU100bが備えられており、カメラヘッド1a側のCPU100aとこのCPU100bとの連携によって、上述したようにこのカメラシステム1全体の動作が制御される。
【0035】
なお、本実施形態のカメラシステム1においては、このカメラシステム1の動作に必要な電力を供給するための電池BTがカメラ本体に備えられており、そのカメラ本体1bの電池BTからカメラヘッド1a内の各回路とカメラ本体1b内の各回路とに電力が供給される構成になっている。
【0036】
さらに、カメラ本体1bには、上記カメラヘッド1a側の第1の信号処理回路105aと同じ機能を有する第2の信号処理回路105bが備えられている。連写撮影時にカメラヘッド1aのCPU100aの制御の下に信号処理前のRAWデータがカメラ本体1bに送信されてきたときには、カメラ本体側のCPU100bの制御の下にこの第2の信号処理部回路105bで信号処理が行なわれてメディア106bに記録される。
【0037】
また、カメラヘッド1a側のCPU100aの制御の下に上記カメラヘッド1a側の第1の信号処理回路105aで信号処理が行なわれたJPEGデータがカメラ本体1bに送られてきたときには、カメラ本体側のCPU100bの制御の下にカメラ本体1bに送られてきた画像がそのままメディア106bに記録される。この第2の信号処理回路105bで本発明にいう第2の処理部の一例が構成される。
【0038】
このような構成を持つカメラシステムの作用を説明する。
【0039】
図3は、通常撮影モード時の信号処理シーケンスを説明するシーケンス図と連写モード時の信号処理シーケンスを説明するシーケンス図である。図3の上側のシーケンス図は図2(a)に対応し、図3の下側のシーケンス図は図2(b)と図2(a)とに交互に対応する。
【0040】
まず、図2(a)と図3(a)とを参照して通常撮影モード時の信号処理シーケンスを説明する。
【0041】
図3の右下がりのハッチングが付されている部分の処理がカメラ本体側の処理になる。また双方の通信部が処理を実行するデータ転送処理には、交叉するハッチングが付されている。
【0042】
本実施形態のカメラシステム1では通常撮影モードで撮影が行なわれたときには、カメラヘッド1a側のCPU100aの制御の下に第1の信号処理回路105aによってJPEG圧縮までの処理が行なわれてカメラ本体側にJPEG圧縮された画像ファイルが転送されてカメラ本体側のCPU100bの制御の下にカメラ本体側のメディア106bに記録される。
【0043】
このときにはカメラヘッド側のCPU100aの制御の下にまず測光処理(AE)や焦点調整処理(AF)が行なわれて絞り径の調整や撮影レンズの中のフォーカスレンズの合焦位置調整が行なわれた後不図示の機械式シャッタが開されCCDセンサ102aへの被写体光の光量の制御が行なわれる。機械式シャッタが閉じられ露光が終了したらCCDセンサ102aで得られた画像が後段のCDS103aへと読み出されノイズ低減処理が行なわれた後A/D部104aでデジタル信号に変換された画像が後段の第1の信号処理回路105aに供給される。第1の信号処理回路105aでは画像にYC処理やJPEG処理が行なわれて、圧縮された画像(JPEGデータ)がカメラ本体1bに送られる。このカメラ本体1bに送られてきたJPEGデータがカメラ本体側のCPU100bの制御の下にメディア106bに記録される。
【0044】
これに対して連写撮影時には、カメラヘッドのCPU100aとカメラ本体の100bとが撮影コマごとに相互に連絡を取り合って図2(b)の処理と図2(a)の処理とを、図3(b)に示すように第1の信号処理回路105aと第2の信号処理回路105bとに並列に分担して処理を行なわせる。
【0045】
図2と図3とを参照して連写撮影モード時の信号処理シーケンスを説明する。
【0046】
なお以降の説明においては、図2、図3の信号処理シーケンスがカメラ本体側のCPU100aとカメラヘッド側のCPU100bとの連携により制御されていることを説明したので信号の流れのみを説明する。
【0047】
まず連写の一枚目の撮影においては、図2(b)と図3(b)の一番上とに示す様に、CCDセンサ102aで得られた画像(RAWデータ)がそのまま第2の処理回路105bへと送られ第2の信号処理回路105bでYC処理とJPEG処理とが行なわれてメディア106bに記録される。
【0048】
その第2の処理回路105bで信号処理が開始されたときに、短い撮影間隔を隔てて2枚目の連写撮影が開始される。このときには図2(a)と図3(b)の上から2番目に示す様に、通常撮影のときと同じ様にJPEG圧縮までの処理が第1の信号処理回路105aで行なわれJPEG圧縮された画像(JPEGデータ)がメディア106bに記録される。さらに連写2枚目の信号処理が第1の信号処理回路105aで開始されたときに、短い撮影間隔を隔てて3枚目の連写撮影が開始され、カメラ本体に画像が送られて第2の処理回路で信号処理が行なわれる。このときには、連写2枚目の処理が第1の信号処理回路で行なわれてカメラ本体にJPEGデータが送られるときのタイミングとRAWデータが送られるときのタイミングが略一致してしまうので、連写3枚目の画像がずらしてカメラ本体に送られている。
【0049】
こうして連写撮影時には、カメラヘッド1aが備える第1の信号処理回路105aとカメラ本体1bが備える第2の信号処理回路105bとによってほぼ並列に信号処理が分担して行なわれて連写により得られた画像がメディア106bに次々と記録されていく。
【0050】
そうすると、たとえCCDセンサ102が高画素数からなるものであっても、その高画素数からなる画像を第1の信号処理回路105aと第2の信号処理回路105bとで分担して並行に処理することができるので撮影間隔をいままでよりも短くすることが可能となる。また第1の信号処理回路105aと第2の信号処理回路105bとで分担して処理を行なうことでカメラヘッド1a側の第1の信号処理回路105aの負荷を軽減することができるのでカメラヘッド1aの発熱を抑制することができるという効果が得られる。
【0051】
すなわち、本発明にいう、カメラヘッド1aが、撮像素子であるCCDセンサ102aで得られた画像を処理する第1の処理部を備えたものであり、カメラ本体1bが、カメラヘッド1aに備えられた撮像素子で得られる画像を受け取って画像を処理する、第1の処理部と同一の機能を有する、第2の処理部を備えたものであって、当該カメラシステムは連写撮影モードを有し、その連写撮影モードが指定されて連写撮影が行なわれているときには、第1の処理部と第2の処理部とが、撮像素子で得られた画像を双方で分担して処理するものであるということになる。
【0052】
以上、説明したように、連写撮影時のカメラヘッドの発熱を抑制するとともに撮影間隔の短縮化を図ることができるカメラシステムが実現する。
【0053】
次に第2実施形態を説明する。
【0054】
図4、図5は、第2実施形態を説明する図である。
【0055】
図4には、温度センサThが設けられている例が示されており、温度センサThが設けられている以外は、図2の構成と同じである。図5には、図3と同様の処理シーケンスが示されている。図5には温度センサThで検出された温度が所定の温度を越えたときのシーケンスのみが示されているが、カメラヘッド1aの温度が所定の温度以下であるときには、図3(b)に示す偶数コマの処理と同じ信号処理シーケンスで信号処理が行なわれる。
【0056】
つまり、第2の実施形態では、図4に示す様にカメラヘッド1aに温度センサThを設けてカメラヘッド1aが過負荷になってカメラヘッド1aの温度が所定の温度を超えたことを温度センサThで検出したときに図5(b)に示す様に第2の信号処理回路105bに処理を行なわせる構成に改良している。この構成にしても第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0057】
次に第3実施形態を説明する。
【0058】
図6、図7は、第3実施形態を説明する図である。
【0059】
図6には、図2と図4と同様の内部の構成が示されており、カメラ本体側の第2の信号処理回路105bを、動画を処理する信号処理回路であることを示すためにCPU100bから離して示してあるが、構成は、図3の構成と同じである。また、図7には、図3、図5と同様の処理シーケンスが示されている。
【0060】
図6、図7の例では、連写撮影に匹敵する動画静止画同時撮影モードという撮影モードを設けてその動画撮影においてはカメラヘッド1aの温度上昇を抑制するためにカメラ本体1bの第2の信号処理回路105bを用いて動画撮影を行なって、その動画撮影中の静止画撮影においては第1の信号処理回路105aを用いて撮影を行なうようにしている。
【0061】
周知の通り、動画撮影においてはCCDセンサ102aが高画素数からなるものであっても画素数が間引かれて処理が行なわれるので動画処理が行なわれているときにはがカメラヘッド1aはそれほど発熱しない。
【0062】
そこでこの例では、図6に示す様に第1の信号処理部105a内の画像メモリ(RAM)に動画撮影終了後までの間静止画像を保持する構成にしておいて、動作撮影中においてはカメラ本体側のCPU100bの制御の下に動画をメディアに記録し、動画撮影が終了した後に上記画像メモリ内の画像をカメラ本体に転送してゆっくりと静止画像をメディア106bに記録することができるようにしている。
【0063】
つまり、カメラ本体1bが備える第2の信号処理回路105bに動画撮影処理を行なわせている最中にカメラヘッド1aが備える第1の信号処理回路105aに、いままでよりも短い撮影間隔で連写撮影処理を行なわせる構成にしている。このような構成にしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施形態であるカメラシステムの構成を示す図である。
【図2】図1のカメラヘッド1aがカメラ本体1bに装着された状態にあるときの信号処理の系統を説明する系統図である。
【図3】通常撮影モード時の信号処理シーケンスを説明するシーケンス図と連写モード時の信号処理シーケンスを説明するシーケンス図である。
【図4】第2実施形態を説明する図である。
【図5】第2実施形態を説明する図である。
【図6】第3実施形態を説明する図である。
【図7】第3実施形態を説明する図である。
【符号の説明】
【0065】
1 カメラシステム
1a カメラヘッド
100a CPU
101a 撮影レンズ
102a CCDセンサ
103a CDS
104a ADC
105a 第1の信号処理回路
1b カメラ本体
100b CPU
105b 第2の信号処理回路
106b メディア
Th 温度センサ
BT 電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影光学系と撮像素子を備えたカメラヘッドと、該カメラヘッドが着脱自在に装着され該カメラヘッドから画像を受け取って記録するカメラ本体とを備えたカメラシステムにおいて、
前記カメラヘッドが、前記撮像素子で得られた画像を処理する第1の処理部を備えたものであり、
前記カメラ本体が、前記カメラヘッドに備えられた撮像素子で得られた画像を受け取って該画像を処理する、前記第1の処理部と同一の機能を有する、第2の処理部を備えたものであって、
当該カメラシステムは連写撮影モードを有し、該連写撮影モードが指定されて連写撮影が行なわれているときには、前記第1の処理部と前記第2の処理部とが、前記撮像素子で得られた画像を双方で分担して処理するものであることを特徴とするカメラシステム。
【請求項2】
撮影光学系と撮像素子を備えたカメラヘッドと、該カメラヘッドが着脱自在に装着され該カメラヘッドから画像を受け取って記録するカメラ本体とを備えたカメラシステムにおいて、
前記カメラヘッドが、温度センサと、前記撮像素子で得られた画像を処理する第1の処理部を備えたものであり、
前記カメラ本体が、前記カメラヘッドに備えられた撮像素子で得られた画像を受け取って該画像を処理する第2の処理部を備えたものであって、
前記温度センサにより所定温度以下の温度が検出されているときは、前記撮像素子で得られた画像を前記第1の処理部で処理して処理後の画像を前記カメラ本体へ送って記録し、
前記温度センサにより所定温度を超える温度が検出されたときは、前記撮像素子で得られた処理前の画像を前記カメラ本体に送り前記第2の処理部で処理して記録することを特徴とするカメラシステム。
【請求項3】
撮影光学系と撮像素子を備えたカメラヘッドと、該カメラヘッドが着脱自在に装着され該カメラヘッドから画像を受け取って記録するカメラ本体とを備えたカメラシステムにおいて、
前記カメラヘッドが、前記撮像素子で得られた画像を処理する第1の処理部を備えたものであり、
前記カメラ本体が、前記カメラヘッドに備えられた撮像素子で得られた画像を受け取って該画像を処理する、前記第1の処理部と同一の機能を有する、第2の処理部を備えたものであって、
当該カメラシステムは、動画撮影中に静止画撮影を行なう動画静止画同時撮影モードを有し、該動画静止画同時撮影モードにおいては前記撮像素子で得られた静止画は前記第1の処理部で処理して処理後の静止画を前記カメラ本体に送って記録し、前記撮像素子で得られた動画は、処理前の動画をカメラ本体に送って前記第2の処理部で処理して記録することを特徴とするカメラシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−228047(P2008−228047A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−65113(P2007−65113)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】