説明

カメラモジュールおよび電子情報機器

【課題】 カメラモジュールから発生する電気ノイズが他の電子機器に入ること、および外部からカメラモジュールに電気ノイズが入ってくることを防ぐ。
【解決手段】 カメラモジュール20Aは、外部の情景(被写体)を撮影する撮像素子6、この撮像素子6に入射する赤外光をカットするIRカットフィルタ4A、撮像素子6上に像を結ばせるためのレンズ2A、撮像素子6からの信号を信号処理するDSP9、撮像素子6およびDSP9の周辺電気部品7などより構成されている。カメラモジュール20Aを覆っているカメラケース5Aおよびレンズ2Aを導電性材料を含んで構成することにより、カメラモジュール20Aを外部からの電磁波的に対してシールドしてEMC/EMI対策を施すことにより、外部からの電気ノイズがカメラ画像などに影響すること、およびカメラモジュール20Aからのノイズが他の電子機器に影響することを防ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばビデオカメラ、デジタルスチルカメラおよびカメラ付き携帯電話装置などの撮像部に用いられるカメラモジュールおよびこれを用いた電子情報機器に関する。
【背景技術】
【0002】
図7は、従来のカメラモジュールの構成例を示す要部断面図である。以下に、図7を用いて従来のカメラモジュールについて説明する。
【0003】
図7に示すように、カメラモジュール20は、光学部材としてのレンズ2および赤外線(IR)カットフィルタ4と、カメラケース5と、撮像素子6と、電気部品7と、DSP(Digital Signal Processor;デジタル・シグナル・プロセッサ)9とを有している。
【0004】
レンズ2は、球面レンズまたは非球面レンズからなり、レンズバレル3に組み込まれて撮像素子6の光入射側に配置されている。
【0005】
レンズバレル3は、カメラケース5に取り付けられており、このレンズバレル3によってカメラモジュール20内でレンズ2が位置決めされる。レンズ2の光入射側には、撮像時に取り外し可能なレンズキャップ1が設けられている。
【0006】
赤外線カットフィルタ4は、ガラス基材に薄膜を蒸着することにより形成されるかまたは、ガラス基材に特殊な金属材料を含有させて形成されており、レンズ2と撮像素子6との間に配置されている。この赤外線カットフィルタ4によって、人間の可視領域に合わせるべく、入射光から赤外線がカットされて撮像素子6に入射されている。
【0007】
撮像素子6としては、CCDまたはC−MOSイメージセンサが一般的に用いられている。この撮像素子6は、基板8上に搭載されて基板8上の電極端子とワイヤ16によって電気的に接続されている。基板8としては、一般的にセラミック基板またはガラスエポキシ基板などの基板上に、撮像素子6、DSP9およびカメラモジュールに必要な電気部品7の間を電気的に接続する配線が施されたプリント基板が用いられる。この例では、電気部品7として、基板8上に、電源ノイズなどを低減するコンデンサなどが設けられている。
【0008】
DSP9は、撮像素子6からの信号を処理する信号処理装置である。この例では、DSP9が基板8の裏面に配置されているが、装置の薄型化を重視する場合には、基板8のサイズを大きくして、撮像素子6の横に配置してもよい。
【0009】
カメラケース5は、レンズ2、赤外線カットフィルタ4、撮像素子6およびDSP9を一体化して組み立てると共に、それらの部品全体を覆うように設けられている。
【0010】
このように構成された従来のカメラモジュール20をカメラ付き携帯電話装置などに利用した場合、カメラモジュール20に対して、外からの電気ノイズにより撮像画像に悪影響が生じる。また、カメラモジュール20自体の電気信号により外部機器に対する影響も発生する。以下に、この問題について、図8および図9を用いて説明する。
【0011】
図8は、図7のカメラモジュールにおいて、信号の流れおよびノイズの入出力の概略を示すブロック図である。
【0012】
図8に示すように、レンズ2を通ってカメラモジュール20の内部に入射された画像情報(被写体光)は、撮像素子6によって受光されて電気信号に変換される。光電変換されて撮像素子6から出力される電気信号は、DSP9によって信号処理され、携帯電話装置のCPU(本体制御部)に出力される。
【0013】
図9は、図7および図8のカメラモジュール20を含むカメラ付き携帯電話器の構成例を示すブロック図である。
【0014】
図9に示すように、カメラ付き携帯電話装置は、カメラモジュール20、高周波(RF)部21、ベースバンドIC28およびアプリケションプロセッサ29を有している。
【0015】
高周波部21は、アンテナ22、送受信切り替えスイッチ23、パワーアンプ24、送信IC25および26、受信IC27を有している。
【0016】
ベースバンドIC28は、デジタル信号処理部および通信プロトコル部を有している。このカメラ付き携帯電話器において、アンテナ22で受信された画像情報は、送受信切り替えスイッチ23を介して受信IC27に供給され、ベースバンドIC28およびアプリケーションプロセッサ29で信号処理される。また、カメラモジュール20で撮像された画像情報は、ベースバンドIC28およびアプリケーションプロセッサ29で信号処理され、送信IC25と26、高周波パワーアンプ24および送受信切り替えスイッチ23を介してアンテナ22から送信され得る。
【0017】
このカメラ付き携帯電話装置において、図8に示すように、カメラモジュール20への携帯電話装置本体からのノイズとして、高周波部21の電気信号を中心とした信号がカメラジュール20に入ると、カメラモジュール20内の電気信号に悪影響を及ぼし、撮像画像に悪影響を及ぼす。
【0018】
携帯電話器としては、その方式によって送信出力が異なり、それぞれの送信電力、受信感度、セル(通信エリア)サイズおよび周波数帯域は例えば下記表1のように設定されている。
【0019】
【表1】



表1に示すように、GSM方式は、他のPDC方式およびW−CDMA方式に比して、送信電力が大きく設定されている。これは、GSM方式では比較的広いセル(通信エリア)を前提に設計されているためである。このように送信電力が大きいため、GSM方式では、他のPDC方式およびW−CDMAに比べて、カメラモジュール部20に対する影響が大きくなる。携帯電話器においては、ノイズ対策(EMI対策/EMC対策)が必要とされるが、GSM方式は、他の方式に比べて特にノイズ対策への要求が厳しくなると言える。
【0020】
一方、図8に示すように、カメラモジュール20の電気信号がモジュール外に出ると、携帯電話装置本体部に悪影響を及ぼす。また、この電気信号が携帯電話装置から外部に出ると、他の電気機器にも電気ノイズとして悪影響を及ぼし、誤動作を起こすことになり得る。
【0021】
これらを防ぐために、例えば特許文献1には、カメラケース上にメッキ法または蒸着法により導電性材料からなるシールド層を形成して、外部ノイズをシールド遮断する対策が記載されている。また、導電性樹脂を用いてカメラケースを作製することによって、カメラモジュールを電気的にシールドする方法も用いられている。さらには、この導電性樹脂の表面に金属層を蒸着またはメッキ)することにより、導電性を向上させてカメラモジュールをシールドする方法も考えられている。
【0022】
また、特許文献2では、光学的低周波数濾過器(光学ローパスフィルタ)に光透過性および導電性を有するシールド部材を設けて、撮像素子6からのクロック信号などの固定パターン雑音を吸収させることにより、固定パターン雑音が光学的低周波数濾過器に入射されて画質に影響を及ぼすことを防いでいる。
【特許文献1】特開2003−324660号公報
【特許文献2】特開昭63−308375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
上述したように、従来のカメラモジュールを携帯電話装置などの電子情報機器に利用した場合、以下のような問題(1)〜(3)がある。
【0024】
(1)例えば、携帯電話装置内部および携帯電話装置外部から電気ノイズがカメラモジュール内部に入り、その電気ノイズがカメラモジュールの電気信号にノイズとして加えられ、撮像画像の画質を悪化させる。特に、携帯電話装置の場合には、高周波部(RF部)の信号がカメラモジュールに入るため、画質が悪化し易い。これは、携帯電話装置の動作周波数が高いこと、および出力パワーが大きいことによる。
【0025】
(2)カメラモジュールで発生した信号がカメラモジュール以外の携帯電話装置等の本体の信号に悪影響を及ぼす。
【0026】
(3)カメラモジュールの信号が電波として外部に出ると、携帯電話装置等の外部に存在する他の電気機器を誤動作させる。
【0027】
上記(1)の問題は、カメラモジュール以外の携帯電話装置等の本体からのノイズおよび携帯電話装置等以外の電気機器からのノイズをカメラモジュールが受けることによるものであり、(2)および(3)の問題は、カメラモジュールからのノイズが他の電子機器を誤動作させることによるものである。
【0028】
これらの問題を防ぐために、特許文献1には、カメラケースを導電性化して電気的にシールドすることが開示されているが、この方法ではレンズ部はシールドされていない。このため、レンズ部から電気ノイズが入出力されることにより、画像に悪影響を及ぼすことになる。カメラ付き携帯電話装置においても、今後、高画素化および高画質化が進むと、これに伴って撮像素子の画素サイズが小さくなり、ノイズの影響が従来よりも増加するため、より厳しいノイズ対策が要求されると考えられる。
【0029】
また、特許文献2には、光学的低周波数濾過器にシールド部材が設けられて、撮像素子からの固定パターン雑音が画質に影響を及ぼすことを防いでいるが、この方法では、外部からの電気的ノイズが撮像素子に入ることを防ぐためのものではない。
【0030】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、ケース部材や光学部材から入出力される電気ノイズを低減して、画質をより向上できるカメラモジュールおよびこれを用いた電子情報機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0031】
本発明のカメラモジュールは、少なくとも撮像素子を覆うケース部材と、該ケース部材内への光入射経路の開口部に配置された光学部材とを備え、前記ケース部材が導電性材料を有すると共に、前記光学部材の少なくとも一つが導電性材料を有しており、前記ケース部材の導電性材料と前記光学部材の導電性材料とが電気的に接続されている。
【0032】
なお、本発明のカメラモジュールは、前記撮像素子からの信号を信号処理する信号処理装置を有してもよい。
【0033】
さらに、好ましくは、本発明のカメラモジュールにおけるケース部材は、非導電性材料からなる部材の外面および内面の少なくともいずれかに、導電性膜が設けられている。ここで、導電性膜を設けるには、例えば、非導電性材料からなる部材の外面および内面の少なくともいずれかに、金属材料によるメッキ処理または蒸着処理を施せばよい。
【0034】
さらに、好ましくは、本発明のカメラモジュールにおけるカメラケース部材は導電性材料からなる。
【0035】
さらに、好ましくは、本発明のカメラモジュールにおける導電性材料は、ポリカーボネイト、ABS(アクロルニトリル・ブタジエン・スチレン)、ナイロン、PPS(ポリフェニレンスルファイド)、液晶ポリマーおよびノリルの少なくとも一種類を含む非導電性樹脂にカーボンおよび金属フィラーの少なくとも一種類を混入させて導電性を付与する。
【0036】
さらに、好ましくは、本発明のカメラモジュールにおける導電性樹脂はカーボンが混入された樹脂からなる。
【0037】
さらに、好ましくは、本発明のカメラモジュールにおけるケース部材の導電性材料は、前記撮像素子が搭載されている基板との物理的接続部において、該基板上に設けられた接地電位パターンと電気的に接続されている。
【0038】
なお、本発明のカメラモジュールにおけるケース部材と、前記撮像素子が搭載されている基板とは、接着剤または連結部材により固定されていてもよい。
【0039】
さらに、好ましくは、本発明のカメラモジュールにおけるケース部材は、前記撮像素子が搭載されている基板との物理的接続部を有すると共に、該基板に設けられた接地電位パターンとの電気的接続部を有している。
【0040】
さらに、好ましくは、本発明のカメラモジュールにおけるケース部材は、前記撮像素子が搭載されている基板との位置決め端子部を介して、該基板に設けられた接地電位パターンと電気的に接続されている。
【0041】
さらに、好ましくは、本発明のカメラモジュールにおけるケース部材の導電性材料は、本モジュール搭載機器に設けられた接地電位パターンと電気的に接続されている。
【0042】
さらに、好ましくは、本発明のカメラモジュールにおける光学部材は前記撮像素子に光を集光させるレンズを少なくとも含み、該レンズは導電性材料を有している。
【0043】
さらに、好ましくは、本発明のカメラモジュールにおけるレンズは、前記レンズを保持すると共に前記ケース部に組み込まれるレンズ保持部材を備え、該レンズ保持部材が導電性材料を有しており、前記レンズが前記レンズ保持部材に保持されて互いの導電性材料が電気的に接続されており、前記レンズ保持部材が前記ケース部に組み込まれて互いの導電性材料が電気的に接続されている。
【0044】
さらに、好ましくは、本発明のカメラモジュールにおけるレンズ、レンズ保持部材およびケース部材の少なくとも一つの導電性材料が、前記撮像素子が搭載されている基板に設けられた接地電位パターンと電気的に接続されている。
【0045】
さらに、好ましくは、本発明のカメラモジュールにおけるレンズ、レンズ保持部材およびケース部材の少なくとも一つの導電性材料が、本モジュール搭載機器に設けられた接地電位パターンと電気的に接続されている。
【0046】
さらに、好ましくは、本発明のカメラモジュールにおけるレンズ保持部材は、例えば導電性樹脂や金属材料等の導電性材料からなる。
【0047】
なお、本発明のカメラモジュールにおけるレンズとしては、プラスチック材料およびガラスの少なくとも一種類からなる球面レンまたは非球面レンズを用いることができる。
【0048】
さらに、好ましくは、本発明のカメラモジュールにおける導電性材料を有する光学部材は、赤外線カットフィルタおよび光学ローパスフィルタのうち少なくとも一方の機能をもつ光学フィルタである。
【0049】
さらに、好ましくは、本発明のカメラモジュールにおける光学フィルタの導電性材料は、前記カメラケース部材の導電性材料、前記撮像素子が搭載されている基板に設けられた接地電位パターンまたは、本モジュール搭載機器に設けられた接地電位パターンに電気的に接続されている。
【0050】
さらに、好ましくは、本発明のカメラモジュールにおける導電性材料を有する光学部材は、表面に透明導電性膜が設けられている。
【0051】
ここで、透明導電性膜としては、例えば、ITO、酸化スズ(SnO)および酸化亜鉛の少なくとも一つからなるものを用いることができる。
【0052】
本発明の電子情報機器は、請求項1〜14のいずれかに記載のカメラモジュールを用いたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0053】
上記構成により、以下、本発明の作用について説明する。
【0054】
本発明にあっては、少なくとも撮像素子を覆っているケース部材の他に開口部に配置されるレンズ等の光学部材を導電性化することにより、カメラモジュールを外部からより確実に電気的にシールドしてEMC/EMI対策を施して、カメラモジュールから発生する電気ノイズが他の電気機器(電子機器)に入ったり、外部からカメラモジュール内に電気ノイズが入ってくることを遮断する。これにより、外からの電気ノイズが撮像画像などに影響を与えたり、カメラモジュールからのノイズが他の電気機器に影響を及ぼすことを防ぐことができる。
【0055】
例えばレンズの表面に、ITO(Indium Tin Oxide:In:Sn、添加物としてSnが含まれている。導電性が高く扱い易い材料である)からなる透明導電性膜や、酸化スズ(SiO)、酸化亜鉛(ZnO)などの透明な導電性膜を形成することによって、レンズを導電性化することができる。
【0056】
このレンズを例えば導電性樹脂材料または金属材料からなるレンズ保持部材に組み込み、レンズ保持部材をケース部材に取り付けることによって、レンズ、レンズ保持部材およびケース部材を互いに電気的に接続することができる。ケース部材、レンズ保持部材およびレンズのいずれかを接地電位GNDと接続することにより、カメラモジュールを電気的にシールドすることが可能となる。
【0057】
レンズを導電性化する代わりに、赤外線(IR)カットフイルタおよび光学ローパスフィルタのうち少なくとも一方の機能をもつ光学フィルタを導電性化することによっても、カメラモジュール内に外部から電気ノイズが入力されたり、外部にカメラモジュールからの電気ノイズが出力されることを防ぐことができる。この場合には、光学フィルタをケース部材と電気的に接続させるか、またはケース部材と別に接地電位GNDと電気的に接続させることにより、カメラモジュールを電気的にシールドすることが可能となる。
【0058】
さらに、ケース部材のを例えば樹脂材料にカーボンを混入させて導電性化することにより、ケースを黒色化させて光の無用な反射を防ぎ、さらに高画質化を図ることができる。
【発明の効果】
【0059】
以上説明したように、本発明によれば、ケース部材を導電性化すること、および光学部材(例えばレンズおよび光学フィルタの少なくとも一つ)を導電性化することによって、カメラモジュールを外部とより確実に電磁波的にシールドして、携帯電話装置等の外部からカメラモジュール内に入力される電気信号ノイズを防ぐことができると共に、携帯電話装置等のカメラ部以外の部分から電気ノイズがカメラモジュール部材に影響を及ぼすことも防ぐことができる。また、カメラモジュールからの電気信号が携帯電話装置等以外の外部の電気機器に悪影響を及ぼすことも防ぐことができる。したがって、今後益々、高画素化および高画質化が要求されるカメラモジュールにおいて、電気ノイズに影響されることなく、高性能なカメラモジュールを実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
以下に、本発明のカメラモジュールの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0061】
図1(a)は、本発明のカメラモジュールの一実施形態の概略構成例を示す断面図であり、(b)はそのカメラモジュールの裏面図である。なお、図7の従来のカメラモジュールの構成部材と同一の作用効果を奏する部材には同一の符号を付している。また、図1(a)は図1(b)のAA線断面図である。
【0062】
図1に示すように、カメラモジュール20Aは、レンズキャップ1と、光学部材としてのレンズ2Aおよび赤外線(IR)カットフィルタ4Aと、レンズ保持部材としてのレンズバレル3と、ケース部材としてのカメラケース5Aと、撮像素子6と、電気部品7と、撮像素子6および電気部品7が搭載される基板8と、DSP(Digital Signal Processor;デジタル・シグナル・プロセッサ)9とを有している。なお、ここでは、光学フィルタとして、赤外線カットフィルタ4,4Aを例にして説明するが、これに限定されるものでなく、導電性材料を有する光学部材としては、赤外線カットフィルタおよび光学ローパスフィルタのうち少なくとも一方の機能をもつ光学フィルタを用いることができる。すなわち、導電性材料を有する光学部材として、赤外線カットフィルタ4,4Aに代えて、単なる光学ローパスフィルタも、赤外カットフィルタと光学ローパスフィルタの機能を併せ持つ光学フィルターも用いることができる。なお、シールドのための電気的な接続については、ここでの説明と同様にして実現できる。
【0063】
レンズ2Aは、球面レンズまたは非球面レンズなどの凸レンズからなり、その表面側に導電性材料として透明導電性薄膜が設けられている。このように、レンズ2Aの表面を導電性化することにより、レンズ部においてカメラモジュール20Aの電気的なシールドを行い、電気ノイズ(電磁波ノイズ:EMC/EMI)の影響をより少なくすることができるようになっている。このような透明導電性薄膜としては、ITO、酸化スズ(SiO)および酸化亜鉛(ZnO)膜などを用いることができる。これらの透明導電性薄膜は、塗布法やスパッタリング法などによりレンズ2A表面に成膜することができる。レンズ2Aの光入射側には、撮像時に取着自在なレンズキャップ1が設けられている。
【0064】
レンズ2Aは、圧入などによってレンズバレル3に組み込まれて撮像素子6の光入射側に配置されている。レンズバレル3は、導電性樹脂もしくはステンレス等の金属製筒からなり、カメラケース5Aの開口部に取り付けられている。このレンズバレル3によってカメラモジュール20A内でレンズ2が位置決めされる。この位置決めは、例えば、レンズバレル3とカメラケース5Aとの間にねじ機構を設け、撮像素子6での結像状態を観察して、撮像素子6とレンズ2Aとの相対的な距離をねじ機構の調整により変化させて、焦点が合うようにすればよい。
【0065】
レンズ2Aの表面には透明導電性薄膜が成膜されて導電性化されており、レンズバレルも導電性材料からなるため、レンズ2Aをレンズバレル3に圧入することにより、レンズ2Aは機械的にレンズバレル3と接続されると共に、電気的にも接続される。さらに、カメラケース5Aは導電性化されているため、レンズ2A、レンズバレル3およびカメラケース5Aは、電気的に接続される。したがって、カメラケース5A、レンズバレル3およびレンズ2Aのいずれかを基板8に形成された接地電位GNDパターン10と接続することにより、カメラモジュール20Aを電気的にシールドすることができる。
【0066】
赤外線カットフィルタ4Aは、ガラス基材に薄膜を蒸着することにより形成されるか、またはガラス基材に特殊な金属材料を含有させることによって形成されており、カメラケース5Aの開口部下面で、レンズ2Aと撮像素子6との間に配置されている。この赤外線カットフィルタ4Aによって、人間の可視領域に合わせるべく、入射光から赤外線がカットされて撮像素子6に入射されるようになっている。
【0067】
なお、上記レンズ2Aを導電性化する代わりに、赤外線カットフィルタ4Aの表面に導電性材料として透明導電性薄膜を形成して導電性化することによっても、カメラモジュール20Aの電気的なシールドを行い、電気ノイズ(電磁波ノイズ:EMI/EMC)の影響をより少なくすることができる。この場合には、赤外線カットフィルタ4Aは、カメラケース5Aと電気的に接続させるか、または、カメラケース5Aとは別に、基板8上に形成された接地電位GNDパターン11と電気的に接続させる。さらには、レンズ2Aと赤外線カットフィルタ4Aの両方の表面に透明導電性薄膜を設けて、カメラモジュール20Aを電気的にシールドするようにしてもよい。
【0068】
撮像素子6としては、CCDまたはC−MOSイメージセンサが一般的に用いられる。この撮像素子6は、基板8に搭載されて基板8上の電極端子とワイヤ16によって電気的に接続されている。
【0069】
基板8としては、一般的にセラミック基板またはガラスエポキシ基板などの基板上に、撮像素子6、DSP9およびカメラモジュールに必要な電気部品7の間を電気的に接続する配線が施されたプリント基板が用いられる。この例では、基板8の中央部内側に撮像素子6が設けられ、その周囲に、電源ノイズなどを低減するためのコンデンサや電源ノイズカットフィルタなどの電気部品7が設けられている。さらに、基板8の上面端部(電気部品7の外側の配置位置)には、接地電位GNDパターン10が設けられており、基板8の側面下部から下面にわたって外部接続端子11が設けられている。
【0070】
DSP9は、撮像素子6からの信号を各種信号処理する信号処理装置である。この例では、DSP9が基板8の裏面(外面)中央部の凹部内に配置されているが、装置の薄型化を重視する場合には、基板8のサイズを大きくして、基板8の同じ面に撮像素子6とDSP9とを配置するように、DSP9を撮像素子6の横に配置してもよい。
【0071】
カメラケース5Aは、レンズ2Aおよび赤外線カットフィルタ4Aが配置された開口部と、撮像素子6や電気部品7を覆う箱状部分とを有しており、レンズ2A、赤外線カットフィルタ4A、撮像素子6およびDSP9を一体化して組み立てられるようになっていると共に、これらの部品全体を覆って保護している(DSP9については囲っているだけである)。
【0072】
このカメラケース5Aは、ABS(アクロルニトリル・ブタジエン・スチレン)、ナイロン、PPS(ポリフェニレンスルファイド)、ポリカーボネイト、ノリルおよび液晶ポリマーなどの非導電性樹脂に、導電性材料としてカーボン、Alおよびマグネシュウムなどの金属フィラーを混入して導電性樹脂としたものを用いることができる。特に、カーボンを樹脂に混入させることにより、カメラケース5Aの導電性化と共に、カメラケース5Aを黒色化させて光が反射されないようにすることができる。また、樹脂表面にAlなどの金属膜を蒸着したり、メッキ処理を施したりして、抵抗率を低くすることもできる。さらに、導電性樹脂と蒸着膜またはメッキ膜を組み合せて用いてもよい。メッキ膜や蒸着膜は、カメラケース表面(外面)または内面のみに形成してもよいが、内面および外面の両方に形成することもできる。カメラケース5Aを導電性化するためにどのような方法を用いるかについては、必要とされる抵抗率、および接地電位パターンとの接続位置(内面または外面)などによって、適宜選択することができる。例えば、カメラケース5Aが、携帯電話装置の外側に露出している場合には、カメラケース5Aが他の電気機器と接触することもあるため、この場合には、カメラケース5Aの内面のみをメッキ法や蒸着法などにより導電性化する方法が選択されることもある。これは、カメラケース5Aが導電性化されているため、他の電気機器と機械的に接触すると、異なる電位が接続されることにより過大電流が流れ、カメラモジュールや他の電気機器が電気的に破壊されることなどを防ぐためである。
【0073】
一方、カメラケース5Aの内部を導電性化すると、内部の電気部品どうしが電気的にショートすることもあり得る。この場合には、カメラケース5Aの外面のみを導電性化して電気的にシールドする方法が選択される。さらに、メッキ工程または蒸着工程において、カメラケース5Aの内面および外面の両方を同時にメッキまたは蒸着する方が、内面または外面の一方のみをメッキまたは蒸着する場合に比べて、マスキングが不要になるなど、製造工程を簡略化することができる。このように、各方法には特質があるため、それぞれの場合で適宜好ましい方法を選択することができる。
【0074】
カメラケース5Aは、基板8上の電気部品7の形成領域に設けられた位置決めピン12によって基板8と位置決めされており、カメラケース5Aの周縁部が接着剤によって基板8と接着されて組み立てられ、一体化されている。また、基板8には、カメラケース5Aとの接着部に接地電位GNDパターン10が設けられており、接着剤として導電性接着剤を用いることにより、カメラケース5Aは、接地電位GNDパターンと電気的に接続される。これによって、カメラモジュール20Aは、電磁波的に接地された状態でシールドされることになる。
【0075】
上記構成により、本実施形態のカメラモジュール20Aにおいて、被写体光は、レンズ2Aを通って入射され、赤外線カットフィルタ4Aを通って赤外線がカットされた後、撮像素子6上に集光して結像する。撮像素子6に入射された被写体光は電気信号に変換され、DSP6によって色補正、白キズ補正、ホワイトバランス補正などの各種信号処理が行われて、外部接続端子11から外部に取り出される。
【0076】
このとき、透明導電性薄膜や導電性樹脂などの導電性材料によって導電性化されたカメラケース5Aが接地電位GNDパターンと電気的に接続されているため、カメラモジュール20Aが電磁波的にシールドされる。また、レンズ部においても、透明導電性薄膜によって導電性化されたレンズ2Aおよび赤外線カットフィルタ4Aが接地電位GNDパターンと電気的に接続されているため、カメラモジュール20Aが電磁波的にシールドされる。これによって、カメラモジュール20Aから発生する電気ノイズが他の電気機器に入ったり、電気ノイズが外部からカメラモジュール20A内に入ってくることを遮断して、外からの電気ノイズが撮像画像などに影響を与えたり、カメラモジュール20Aからのノイズが他の電気機器に影響を及ぼすことを防ぐことができる。
【0077】
なお、上記カメラモジュール20Aの説明では、カメラケース5Aと基板8との電気的接続を接地電位GNDパターン10を介して、カメラケース5Aと基板8との機械的接続部において導電性接着剤により行ったが、図2に示すように、カメラモジュール20Bとして、基板8Bとカメラケース5Bとの位置決めを行う位置決めピン12Bを用いてもよい。この場合、接地電位GNDパターン10の部分を通るように位置決めピン12Bを設けて、この位置決めピン12Bによってカメラケース5Bと基板8Bに設けられた接地電位GNDパターン10とを電気的に接続させることができる。この例では、接地電位GNDパターン10は、基板8B上の撮像素子6の周辺に設けられた電気部品7の形成領域に配置されている。ここでは、位置決めピン12Bは基板8Bの裏面側まで貫通している。なお、カメラケース5Bと基板8Bとの機械的接続については、図1で説明したのと同様の箇所を接着剤で固定すればよく、さらに位置決めピン12Bと接地電位GNDパターン10との接続箇所において導電性接着剤を用いることにより機械的接続及び電気的接続を行うことができる。なお、図2(a)は図2(b)のBB線断面図である。
【0078】
また、上記カメラモジュール20Aの説明では、上記カメラモジュール20Bの場合と同様に、カメラケース5Aと基板8との機械的接続を接着剤により行っているが、図3に示すように、カメラモジュール20Cとして、カメラケース5Cの下端開口部側から、DSP9が配置される基板8Cの裏面凹部にわたって連結部材としてのフック13を設けられるようにしてもよい。この場合には、フック13によってカメラケース5Aと基板8とを機械的に接続して一体化させることができる。この例では、カメラケース5Aと接地電位GNDパターン10との電気的接続は、カメラケース5Aの位置決めピン12によって行われている。なお、図3(a)は図3(b)のCC線断面図である。
【0079】
さらに、上記カメラモジュール20Aの説明では、上記カメラモジュール20B,20Cの場合と同様に、カメラケース5Aを基板8に設けられた接地電位GNDパターン10と電気的に接続したが、図4〜図6に示すように、カメラモジュール20D〜20Fが搭載される携帯電話装置等の本体の接地電位GNDパターン10Aと電気的に接続するように構成してもよい。
【0080】
図4の例では、カメラモジュール20Dにおいて、カメラケース5Dと、携帯電話装置等の本体の基板(メインボード)14上の接地電位GNDパターン10Aとを、導電性接着剤を用いて電気的に接続するように構成している。
【0081】
図5の例では、カメラモジュール20Eにおいて、カメラケース5Eの外部側面にバネ部材15を設けて、このバネ部材15によって、カメラケース5Eと携帯電話装置等の本体の基板(メインボード)14の接地電位GNDパターン10Aとを電気的に接続するように構成している。
【0082】
図6の例では、カメラモジュール20Fにおいて、カメラケース5Fの更に内側の基板8Fにおける内部側面にバネ15Fを設けて、このバネ15Fによって、カメラケース5Fおよび基板8Fと携帯電話装置等の本体の基板(メインボード)14の接地電位GNDパターン10Aとを電気的に接続している。
【0083】
上記図4〜図6のように、カメラケース5D〜5Fがそれぞれカメラモジュール20D〜20F内で接地電位GNDパターン10と電気的に接続されていなくても、カメラモジュール20D〜20Fが搭載される機器の基板14の接地電位GNDパターン10Aと電気的に接続されていれば、カメラモジュール20D〜20Fをそれぞれ電磁波的にシールドして、ノイズによる誤動作を防ぐことができる。
【0084】
また、レンズ2Aおよび赤外線カットフィルタ4(または4A)についても、基板8A〜8Cのいずれかに設けられた接地電位GNDパターン10や、カメラケース5A〜5Cのいずれかと電気的に接続されていなくても、カメラモジュール20A〜20Cが搭載される機器の接地電位GNDパターンと電気的に接続されていれば、レンズ2Aにおいてカメラモジュール20A〜20Cをそれぞれ電磁波的にシールドすることができる。
【0085】
なお、上記各実施形態のカメラモジュールでは、レンズ2Aとカメラケース5A〜5Fとの間にレンズバレル3が介在するような構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、レンズ2Aをカメラケース5A〜5Fに直接取り付けるようにしても良く、この場合、レンズ2Aを導電性化したものであれば、レンズ2Aの導電性材料とレンズケース5A〜5Fの導電性材料とを電気的に接続しておけば良い。
【0086】
なお、上記各実施形態のカメラモジュールは、例えばビデオカメラ、デジタルスチルカメラおよびカメラ付き携帯電話装置などの撮像部に用いることができて、電気的ノイズの影響を抑制することが可能であり、高性能で高画質な電子情報機器を実現することができる。
【0087】
なお、上記実施形態のカメラモジュールでは、少なくとも撮像素子6を含む電子部品を覆うカメラケース5Aが、電磁シールド可能なように導電性材料を有すると共に、カメラケース5A内への光入射経路の開口部に配置された光学部材のレンズ2AおよびIRカットフィルタ4Aの少なくともいずれかが導電性材料を有する構成であるが、電磁シールドされたカメラケース5A内に、電子部品として、撮像素子6の他に、撮像素子6からの信号を信号処理する信号処理装置であるDSP9を配置するように構成してもよい。この場合には撮像素子6の他にDSP9も電磁シールドされる。また、この場合、DSP9は、基板8の上面側に撮像素子6と共に配置されることになるので、基板8の下面側は、電磁シールド可能なように導電性膜を全面または網目状に設けるようにすれば、基板8側も電磁シールドされて、基板8側からカメラケース5A内へのノイズも遮断され得る。
【0088】
以上のように、本発明の好ましい各実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、これらの各実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい各実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、例えばビデオカメラ、デジタルスチルカメラおよびカメラ付き携帯電話装置などの撮像部に用いられるカメラモジュールの分野において、今後益々、高画素化および高画質化が要望されるが、上記各実施形態では、電気的ノイズに影響されることなく高性能化を図ることができる。本発明の実施形態のカメラモジュールは、カメラ付き携帯電話装置など、周波数が高く、出力パワーが大きい電子情報機器に対しても、広く利用して電気的ノイズの影響を抑制することが可能であり、高性能で高画質な電子情報機器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】(a)は、本発明のカメラモジュールの一実施形態の概略構成例を示す要部断面図であり、(b)はそのカメラモジュールの裏面図である。
【図2】(a)は本発明の他の実施形態であるカメラモジュールの概略構成例を示す要部断面図であり、(b)はそのカメラモジュールの裏面図である。
【図3】(a)は本発明の更に他の実施形態であるカメラモジュールの概略構成例を示す要部断面図であり、(b)はそのカメラモジュールの裏面図である。
【図4】本発明の更に他の実施形態であるカメラモジュールの概略構成例を示す要部断面図である。
【図5】本発明の更に他の実施形態であるカメラモジュールの概略構成例を示す要部断面図である。
【図6】本発明の更に他の実施形態であるカメラモジュールの概略構成例を示す要部断面図である。
【図7】従来のカメラモジュールの概略構成例を示す要部断面図である。
【図8】図7のカメラモジュールにおいて、信号の流れおよびノイズの入出力の概略を示すブロック図である。
【図9】図7および図8の従来のカメラモジュールを含むカメラ付き携帯電話装置の概略構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0091】
1 レンズキャップ
2A レンズ
3 レンズバレル(レンズ保持部)
4,4A 赤外線カットフィルタ(光学フィルタ)
5A〜5F カメラケース(ケース部材)
6 撮像素子
7 電気部品
8,8B〜8F 基板
9 DSP
10 基板に設けられた接地電位GNDパターン
10A 携帯電話装置等の本体に設けられた基板の接地電位GNDパターン
11 外部接続端子
12,12B 位置決めピン
13 フック
14 携帯電話装置本体のメインボード(基板)
15,15F バネ部材
20A〜20F カメラモジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも撮像素子を覆うケース部材と、
該ケース部材内への光入射経路の開口部に配置された光学部材とを備え、
前記ケース部材が導電性材料を有すると共に、前記光学部材の少なくとも一つが導電性材料を有しており、
前記ケース部材の導電性材料と前記光学部材の導電性材料とが電気的に接続されているいるカメラモジュール。
【請求項2】
前記ケース部材は、非導電性材料からなる部材の外面および内面の少なくともいずれかに導電性膜が設けられている請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項3】
前記ケース部材は導電性材料からなる請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項4】
前記導電性材料は、ポリカーボネイト、ABS(アクロルニトリル・ブタジエン・スチレン)、ナイロン、PPS(ポリフェニレンスルファイド)、液晶ポリマーおよびノリルの少なくとも一種類を含む非導電性樹脂にカーボンおよび金属フィラーの少なくとも一種類を混入させて導電性を付与した材料であるか、またはカーボンが混入された樹脂からなる材料である請求項3に記載のカメラモジュール。
【請求項5】
前記ケース部材の導電性材料は、前記撮像素子が搭載されている基板との物理的接続部において、該基板上に設けられた接地電位パターンと電気的に接続されている請求項1〜4のいずれかに記載のカメラモジュール。
【請求項6】
前記ケース部材は、前記撮像素子が搭載されている基板との物理的接続部を有すると共に、該基板に設けられた接地電位パターンとの電気的接続部を有している請求項1〜5のいずれかに記載のカメラモジュール。
【請求項7】
前記ケース部材の導電性材料は、前記撮像素子が搭載されている基板との位置決め端子部を介して該基板に設けられた接地電位パターンと電気的に接続されているか、または本モジュール搭載機器に設けられた接地電位パターンと電気的に接続されている請求項1〜6のいずれかに記載のカメラモジュール。
【請求項8】
前記光学部材は前記撮像素子に光を集光させるレンズを少なくとも含み、該レンズは導電性材料を有している請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項9】
前記レンズを保持すると共に前記ケース部に組み込まれるレンズ保持部材を備え、
該レンズ保持部材が導電性材料を有しており、
前記レンズが前記レンズ保持部材に保持されて互いの導電性材料が電気的に接続されており、前記レンズ保持部材が前記ケース部材に組み込まれて互いの導電性材料が電気的に接続されている請求項8に記載のカメラモジュール。
【請求項10】
前記レンズ、レンズ保持部材およびケース部材の少なくとも一つの導電性材料が、前記撮像素子が搭載されている基板に設けられた接地電位パターンか、または本モジュール搭載機器に設けられた接地電位パターンと電気的に接続されている請求項9に記載のカメラモジュール。
【請求項11】
前記レンズ保持部材は、導電性材料からなる請求項9または10に記載のカメラモジュール。
【請求項12】
前記導電性材料を有する光学部材は、赤外線カットフィルタおよび光学ローパスフィルタのうち少なくとも一方の機能をもつ光学フィルタである請求項1〜7のいずれかに記載のカメラモジュール。
【請求項13】
前記光学フィルタの導電性材料は、前記ケース部材の導電性材料、前記撮像素子が搭載されている基板に設けられた接地電位パターンまたは、本モジュール搭載機器に設けられた接地電位パターンに電気的に接続されている請求項12に記載のカメラモジュール。
【請求項14】
前記導電性材料を有する光学部材は、表面に透明導電性膜が設けられている請求項1〜13のいずれかに記載のカメラモジュール。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれかに記載のカメラモジュールを用いた電子情報機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2005−303550(P2005−303550A)
【公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−114826(P2004−114826)
【出願日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】