説明

カメラ付携帯電話

【課題】 回転ミラー機構等により前面または背面何れの側の被写体を1つのカメラ機構で撮影することができるカメラ付携帯電話において、前面側と背面側で撮影した画像データを異なる解像度で処理する。
【解決手段】 光路切り換え機構13によって携帯電話10の前面側から入射する被写体の光と裏面側から入射する被写体の光を切り換えてカメラユニット12に導き被写体の映像を撮影する機能を備えたカメラ付携帯電話10は、カメラユニット12が撮影した画像を処理する解像度の高い第1の画像処理部14と第1の画像処理部14よりも解像度の低い第2の画像処理部15と、第1の画像処理部14と第2の画像処理部15を切り換える画像処理切り換え手段16とを備え、画像処理切り換え手段16は、光路切り換え機構13が前面側から入射する被写体の光をカメラユニット12に導く位置に駆動制御されている場合には第2の画像処理手段15に切り換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転ミラー機構等により前面または背面何れの側の被写体であっても1つのカメラ機構を用いて撮影することができるカメラ付携帯電話に関するものであり、特に、前面側と背面側で撮影した画像データの解像度を切り換え処理するようにしたカメラ付携帯電話に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の情報処理技術、通信技術の発展に伴い種々の携帯型の情報通信端末装置(以下、携帯端末装置という)が広く普及している。このような携帯端末装置は、利用者が外出先からインターネットなどのネットワークを介して種々サービスを提供する情報配信サーバや所望のウェブサイトに接続して当該サービスを受け、あるいは情報を取得したり、自社のネットワークに接続して業務上必要な情報を取得することができる。
【0003】
最近では、携帯電話のハード、ソフト機能が充実し、従来の携帯端末装置の機能を兼ねるようになってきており、携帯電話の普及率の拡大にはめざましいものがある。携帯電話を利用したデータ通信サービスを提供する事業者も増加しており、携帯電話を利用してバンキング、インターネット販売、ナビゲーション、交通機関やコンピニエンスストアなどの代金決済など様々なサービスを受けることができるようになってきている。特に携帯電話においては種々のオプションやアプリケーションが搭載可能であり、利用できるサービスの種類も豊富になってきている。
【0004】
このような携帯電話の付加機能としてカメラを内蔵したもので提供されている。カメラ付の携帯電話を利用すれば、デジタルカメラなどを個別に携帯することなく、利用者は任意の時、場所で任意の被写体を撮影し、パケット通信機能を利用して撮影した画像データを電子メール等に添付して自分自身のコンピュータ装置に送信したり友人、家族に送信したりすることができる。また、撮影した画像データをサービスセンタのサーバに送信して保存したり、プリントしたりするサービスを提供する提案もなされている。
【0005】
カメラ付の携帯電話には、種々のタイプのものが提案されており、一般的には携帯電話の前面側または裏面側の一方に撮像のためのレンズを設け、利用者自身を撮影したり利用者に対向した側の風景や人物を撮影したりすることができる。この場合、利用者は撮影する被写体に対して撮影用のレンズを対向させるように携帯電話の向きを変えて操作する必要が生ずる。
【0006】
被写体の方向により携帯電話の向きを操作する煩雑さを解消するため、携帯電話の前面側または裏面側に撮影用レンズを設置し、ミラーなどにより光路を切り換えて共通のカメラユニットで撮影するように構成した携帯電話や、前面側または裏面側の両方にそれぞれカメラユニットを搭載した携帯電話も知られている。
【0007】
例えば、前者のように携帯電話の前面側または裏面側に撮影用レンズを設置し、ミラーなどにより光路を切り換えて共通のカメラユニットで撮影するように構成した携帯電話は、例えば、下記の特許文献1(特開2002−232546号公報)や特許文献2(特開2003−60765号公報)に開示されている。
【0008】
上記特許文献1に開示された携帯電話は、図4に示すように、移動電話機(200)の上端部に、デジタル・ビデオカメラ(202)の形をとる画像取込み手段が設置され、ミラー(204)の形をとる反射手段がビデオカメラと離間した関係で支持されている。携帯電話機(200)は、ディスプレイ(206)、イヤホン(208)、マイクロホン(210)およびキーパッド(212)の通常の機能を備える。ドームの形をした移動電話機カバー212は、透明プラスチックなどのシースルー材料でできている。ビデオカメラ(202)は、携帯電話機(200)に対し固定的な位置関係に配置され、カメラ(202)は、携帯動電話機(200)に画像信号を送るように適当に接続される。
【0009】
カメラ(202)のカメラ・レンズ(214)は上を向いていて、ミラー(204)は、ほぼ対向するように、レンズ(214)の上に取り付けられる。ミラー(204)は、ビデオカメラ(202)に対して、回転、ピボット回転または方向転換することができるように、構造体内に回転可能取付け部216により回転可能に取り付けられる。ミラー(204)は、ミラー面内のその中心軸に支持されている。図4の構成では、ミラー(204)は、回転可能取付け部(216)を軸に方向付けられ、その反射面が携帯電話機のユーザ(218)を向き、その結果、ミラーはユーザ(218)の画像をビデオカメラ(202)へと方向付ける。これらの画像は、ビデオカメラ(202)により取り込まれ、携帯電話機(200)により処理され伝送される。このような構成とすることにより、複数の画像を撮影するために、カメラを移動させる必要をなくすことができる。
【0010】
また、上記特許文献2に開示された携帯電話は、近距離撮影用カメラモジュール6と遠距離用カメラモジュ−ルを、携帯電話機本体の筐体内に互いに背合わせの位置関係にして固定設置して構成したものである。また、この特許文献2には、上記特許文献1と同様に、回転するミラー機構の姿勢を制御して光路を切り換え、携帯電話の前面側、背面側の被写体の映像を共通のカメラユニットに導き撮影する構成とした携帯電話も開示されている。
【特許文献1】特開2002−232546号公報(図2、図4)
【特許文献2】特開2003−60765号公報(図1、図2、図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、このようなカメラ付携帯電話で被写体を撮影する場合を分析すると、カメラを利用者自身に向けて自分自身とその背景を被写体として撮影し、家族や友人にその画像データを送信する場合と、カメラを利用者と対向する方向にむけて人や風景を被写体として撮影する場合がある。
【0012】
カメラで撮影した画像データは専用の画像処理部で処理され、例えば、120万画素あるいは30万画素など、携帯電話に内蔵された画像処理部によって定まる所定の画素数のカラー画像等の画像データファイルが構成される。利用者はこの画像データファイルを電子メールに添付して所望の送信先に送信することができ、また、リムーバブル記憶媒体に出力し、パーソナルコンピュータに当該リムーバブル記憶媒体を接続して加工処理したりプリントアウトしたりして利用することができる。従って、撮影した画像データの解像度は携帯電話に内蔵された画像処理部の仕様によって定まる。
【0013】
ところで、カメラで撮影した画像を上記のように画像処理して画像データファイルを作成し、電子メールで送信したり、リムーバブル記憶媒体に出力したりする場合、画像データファイルの大きさが通信速度や記憶容量に影響する。当然解像度の高い画像データはデータ量が大きく通信時間が多くかかりパケット通信料金に反映され、また、リムーバブル記憶媒体に出力する場合には大きな記憶領域を占有することになる。
【0014】
カメラ付携帯電話の利用者が他の人や風景などを撮影した画像データは解像度の高いデータで保存し、自分自身を被写体として撮影した画像データについては、高い解像度の画像データを必要とせず低い解像度の画像データとして、通信したり保存したりできればよいという利用者もある。しかしながら、上記特許文献1、特許文献2などに開示された携帯電話においては、画像処理部は共通であるため、背面側と前面側で撮影した画像は区別されることなく同一の解像度の画像データに処理されてしまい、上述のような利用者のニーズに対応することができないという問題点があった。
【0015】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、携帯電話に異なる改造度の画像データを作成する複数の画像処理部を設け、背面側と前面側の被写体からの光路に切り換えるミラーの制御に連動して前面側の被写体を撮影した画像と背面側の被写体を撮影した画像とでそれぞれ何れかの画像処理部で画像データ処理を行うように構成すれば上記の問題点を解消し得ることに想到し本発明を完成するに至ったものである。
【0016】
すなわち、本発明は前出の問題点を解決することを課題とし、回転ミラー機構等により前面または背面何れの側の被写体であっても1つのカメラ機構を用いて撮影することができるカメラ付携帯電話において、前面側と背面側で撮影した画像データを異なる解像度で処理できるようにしたカメラ付携帯電話を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
カメラユニットを内蔵し、光路切り換え機構によって携帯電話の前面側から入射する被写体の光と裏面側から入射する被写体の光を切り換えてカメラユニットに導き被写体の映像を撮影する機能を備えたカメラ付携帯電話であって、
前記カメラ付携帯電話は、カメラユニットが撮影した画像を処理する解像度の高い第1の画像処理部と第1の画像処理部よりも解像度の低い第2の画像処理部と、前記第1の画像処理部と第2の画像処理部を切り換える画像処理切り換え手段と、を備え、
前記画像処理切り換え手段は、前記光路切り換え機構が前面側から入射する被写体の光をカメラユニットに導く位置に駆動制御されている場合には前記第2の画像処理手段に切り換えることを特徴とするカメラ付携帯電話。
【0018】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかるカメラ付携帯電話において,
前記画像処理切り換え手段は、前記光路切り換え機構が裏面側から入射する被写体の光を切り換えてカメラユニットに導く位置に駆動制御されている場合には前記第1の画像処理手段に切り換えることを特徴とする請求項1に記載のカメラ付携帯電話。
【0019】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2にかかるカメラ付携帯電話において,
前記画像処理切り換え手段は、光路切り換え機構が裏面側から入射する被写体の光をカメラユニットに導く位置に駆動制御されているか、光路切り換え機構が前面側から入射する被写体の光カメラユニットに導く位置に駆動制御されているかを判別することを特徴とする。
【0020】
本願の請求項4にかかる発明は、請求項1または請求項2にかかるカメラ付携帯電話において,
前記画像処理切り換え手段は、操作/入力部からの入力に従って、光路切り換え機構が裏面側から入射する被写体の光をカメラユニットに導く位置に駆動制御されているか、光路切り換え機構が前面側から入射する被写体の光カメラユニットに導く位置に駆動制御されているかを判別することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1にかかる発明においては、メラ付携帯電話は、カメラユニットが撮影した画像を処理する解像度の高い第1の画像処理部と第1の画像処理部よりも解像度の低い第2の画像処理部と、前記第1の画像処理部と第2の画像処理部を切り換える画像処理切り換え手段と、を備え、前記画像処理切り換え手段は、前記光路切り換え機構が前面側から入射する被写体の光をカメラユニットに導く位置に駆動制御されている場合には前記第2の画像処理手段に切り換える。
【0022】
従って、利用者がカメラ付携帯電話の前面側から自身を被写体として撮影した場合、解像度の低い画像処理手段によって画像処理が行われるから、解像度の低い画像処理部で作成した画像データは、電子メールで送信したり、リムーバブル記憶媒体に出力したりする場合、データ量が小さく通信時間を余分に必要とせずパケット通信料金を抑制でき、また、リムーバブル記憶媒体に出力する場合には大きな記憶領域を占有することがなくなる。
【0023】
また、請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかるカメラ付携帯電話において、画像処理切り換え手段は、前記光路切り換え機構が裏面側から入射する被写体の光を切り換えてカメラユニットに導く位置に駆動制御されている場合には前記第1の画像処理手段に切り換える。従って利用者がカメラ付携帯電話の裏面側から人や風景を被写体として撮影した場合、解像度の高い画像処理手段によって画像処理を行うことができるようになる。
【0024】
また、請求項3にかかる発明においては、請求項1または請求項2にかかるカメラ付携帯電話において、画像処理切り換え手段は、光路切り換え機構が裏面側から入射する被写体の光をカメラユニットに導く位置に駆動制御されているか、光路切り換え機構が前面側から入射する被写体の光カメラユニットに導く位置に駆動制御されているかを判別する。従って、被写体が裏面側か前面側かによって自動的に第1の画像処理手段と第2の画像処理手段との切り換えが行えるようになる。
【0025】
また、請求項4にかかる発明においては、請求項1または請求項2にかかるカメラ付携帯電話において、画像処理切り換え手段は、操作/入力部からの入力に従って、光路切り換え機構が裏面側から入射する被写体の光をカメラユニットに導く位置に駆動制御されているか、光路切り換え機構が前面側から入射する被写体の光カメラユニットに導く位置に駆動制御されているかを判別する。従って、操作/入力部の入力情報に基づいて、被写体が裏面側か前面側かを判別し自動的に第1の画像処理手段と第2の画像処理手段との切り換えが行えるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明の実施例にかかるカメラ付携帯電話の構成を示すブロック図である。図2は、図1のカメラ付携帯電話の外観を示す外観図であり、図2(a)は折り畳んだ状態を、図2(b)は使用時に展開した状態を示す図である。図3は、図1のカメラ付携帯電話の動作手順を示すフローチャートである。
【実施例】
【0027】
本発明の実施例にかかるカメラ付携帯電話10は、図1に示すように、制御部11、カメラユニット12、光路切り換え機構13、第1画像処理部14、第2画像処理部15、画像処理切り換え部16、パケット通信制御部17、無線通信部18、通話処理部19、表示部20、操作/入力部21、メモリ22などを備えて構成されている。制御部11は、マイクロプロセッサを中心に構成され、一般的なコンピュータ装置と同様にRAM、ROMなどの記憶手段を備えており、これらの記憶手段に蓄積されたプログラムによって各部の動作が制御される。以下カメラ付携帯電話10を単に携帯電話と称する。
【0028】
無線通信部18は、携帯電話基地局との間で無線通信を行う無線通信インターフェースであり、音声通話やデータ通信のパケットデータが無線通信によって携帯電話基地局との間で送受信される。通話処理部19は、音声出力のためのスピーカ、音声入力のためのマイク、音声の符号化と複合化の機能と受話音量やマイクの感度変更機能を持つ音声コーデックなどから構成され通話を行う際に使用される。操作/入力部21は数字キー、アルファベットキーや、携帯電話が持つ各種の機能を選択するための機能ボタン、タッチパッドやジョグダイヤルなどから構成され、携帯電話10を操作する入力を行う部分であり、液晶ディスプレイなどで構成される表示部20は、各種アプリケーションの操作画面や撮像を表示したり、操作/入力部21から入力された入力に従って関連する画面を表示したりする。この撮像が表示される表示部20側を前面とする。
【0029】
携帯電話10は、カメラユニット12とミラーやプリズムとその姿勢を回転制御して被写体からの光路を切り換える光路切り換え機構13を備えている。携帯電話10の前面側と裏面側には被写体からの光を取り込むレンズが設けられており、光路切り換え機構13を回転制御して裏面側に向け、裏面側の被写体の映像をカメラユニット12に導き裏面側の被写体の映像を撮影することができる。また、光路切り換え機構13を回転制御して前面側に向け、前面側の被写体の映像をカメラユニット12に導き前面側の被写体の映像を撮影することができる。この機構は上記特許文献1や特許文献2に開示された構造を採用して構成することができる。
【0030】
図2は、図1に示した携帯電話10の外観を示す図であり、図2(a)は折り畳んだ状態を、図2(b)は使用時に展開した状態を示す図である。図2(a)に示すように使用時に携帯電話10の裏面側となる面にレンズL2を備え、使用時、すなわち、展開した状態を示す図2(b)に示すように携帯電話10の前面側にレンズL1を備えている。本発明においては携帯電話10を使用する状態で表示部20の画面が利用者側を向いた面を前面側と定義し、裏面側とはその状態で利用者に対して裏側になる面を裏面側と定義する。
【0031】
操作/入力部21を操作して携帯電話10を被写体に向け、前面側のレンズL1から被写体を撮影する選択を行うと、光路切り換え機構13が前面側のレンズL1から入射する被写体の映像をカメラユニット12に導く位置に駆動制御される。同様に裏面側のレンズL2から被写体を撮影する選択を行うと、光路切り換え機構13が前面側のレンズL2から入射する被写体の映像をカメラユニット12に導く位置に駆動制御される。何れの場合も、被写体の映像はまた、表示部20に表示され利用者は被写体の映像を確認することができる。
【0032】
カメラユニット12によって撮影された被写体の画像は第1画像処理ユニット14または第2画像処理ユニット15により画像処理され画像データファイルが作成される。第1画像処理部14、第2画像処理部15は、一般的なカメラ付携帯電話に搭載されているASICなどで構成された画像処理ユニットであり、カメラユニット12が撮影した画像をそれぞれ所定の解像度の画像データに処理する。例えば、第1画像処理部14はカメラユニット12で撮影した静止画像を120万画素、動画を30万画素の解像度で画像データに処理し、第2画像処理部15は静止画像を30万画素、動画を15万画素の解像度で画像データに処理するものである。
【0033】
カメラユニット12で撮影した画像のデータは画像処理のため、第1画像処理部14または第2画像処理部15に送られるが、光路切り換え機構13に連動して画像処理切り換え部16が第1画像処理部14または第1画像処理部15の何れかに切り換え制御する。例えば、光路切り換え機構13が裏面側のレンズL2からの光をカメラユニットに導く位置に位置決めされている場合には画像処理切り換え部16はカメラユニット12が撮影した画像を第1画像処理部14に送るように切り換え制御し、光路切り換え機構13が前面側のレンズL1からの光をカメラユニットに導く位置に位置決めされている場合には画像処理切り換え部16はカメラユニット12が撮影した画像を第2画像処理部15に送るように切り換え制御する。
【0034】
すなわち、携帯電話10の裏面側の被写体を撮影する場合は利用者に対向する方向に位置する人や風景を撮影するケースであり、撮影した静止画像を120万画素、動画を30万画素の画像データに処理する第1の画像処理部14が光路切り換え機構13に連動して選択される。従って、裏面側から被写体を撮影した画像は高解像度の画像データとして処理される。

一方、携帯電話10の前面側の被写体を撮影する場合は利用者自身やその背景を被写体として撮影するケースであり、撮影した静止画像を30万画素、動画を15万画素の画像データに処理する第2の画像処理部15が光路切り換え機構13に連動して選択される。従って、前面側から被写体を撮影した画像は高解像がそれ程高くない画像データとして処理される。
【0035】
このようにしてカメラユニット12で撮影された画像は、光路切り換え機構13の制御に連動して、高解像度の第1画像処理部14または低解像度の画像処理ユニット15の何れかで処理した画像データとなり、メモリ22に一時保存され、パケット通信制御部17を介して送信される電子メールなどの添付ファイルとして所望の宛て先に送信したり、リムーバブル記憶媒体に出力したりすることができる。その場合、低解像度の画像処理ユニットである第2画像処理部15で処理した画像データはデータ量も多くなく、通信負荷を増大することなく所望の宛て先に送信でき、リムーバブル記憶媒体に出力する場合大きな記憶領域を必要としない。
【0036】
図3は以上説明した携帯電話10の写真撮影時の動作手順を示すフローチャートである。ステップS10の処理において利用者が操作/入力部21を操作し、携帯電話10のカメラ機能を指定して、前面側のレンズL1から被写体を撮影する選択を行うと、ステップS11の処理において光路切り換え機構13が前面側のレンズL1から入射する被写体の映像をカメラユニット12に導く位置に駆動制御される。そしてステップS12の処理においてシャッターキーを操作するとカメラユニット12において被写体の撮影が行われる。
【0037】
ステップS13の処理において画像切り換え部16は光路切り換え機構13が位置決めされている位置から前面側から被写体を撮影したか、裏面側から被写体を撮影したかを判別し、前面側のレンズL1から入射する被写体の映像をカメラユニット12に導く位置に駆動制御されていると判別した場合には第2画像処理部15に切り換え、カメラユニット12で撮影した画像を第2画像処理部15で画像処理し画像データファイルを作成し、ステップS16の処理において画像データをメモリ22に一時保存する。
【0038】
一方、ステップS13の処理において画像切り換え部16が裏面側のレンズL2から入射する被写体の映像をカメラユニット12に導く位置に駆動制御されていると判別した場合には第1画像処理部14に切り換え、カメラユニット12で撮影した画像を第2画像処理部15で画像処理し画像データファイルを作成し、ステップS16の処理において画像データをメモリ22に一時保存する。
【0039】
なお、上記の実施例においては画像処理切り換え部が、光路切り換え機構が駆動され位置している状態を判別して、第1画像処理部と第2画像処理部とを切り換える例を説明したが、本発明はこれに限ることなく、例えば、操作/入力部の操作に基づいて前面側、裏面側の何れから被写体の撮影を行うかを判別して第1画像処理部と第2画像処理部とを切り換える構成とすることも可能である。
【0040】
以上、詳細に説明したように、本発明にかかるカメラ付携帯電話によれば、回転ミラー機構等により前面または背面何れの側の被写体であっても1つのカメラ機構を用いて撮影することができるカメラ付携帯電話において、前面側と背面側で撮影した画像データを異なる解像度で処理できるようになる。このため、解像度の低い画像処理部で作成した画像データは、電子メールで送信したり、リムーバブル記憶媒体に出力したりする場合、データ量が小さく通信時間を余分に必要としないからパケット通信料金を抑制でき、また、リムーバブル記憶媒体に出力する場合には大きな記憶領域を占有することがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施例にかかるカメラ付携帯電話の構成を示すブロック図である。
【図2】図1のカメラ付携帯電話の外観を示す外観図であり、図2(a)は折り畳んだ状態を、図2(b)は使用時に展開した状態を示す図である。
【図3】図1のカメラ付携帯電話の動作手順を示すフローチャートである。
【図4】従来のカメラ付携帯電話の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
10・・・携帯電話
11・・・制御部
12・・・カメラ・撮像部
13・・・ミラー回転制御部
14・・・第1画像処理部
15・・・第2画像処理部
16・・・画像処理切り換え部
17・・・パケット通信制御部
18・・・無線通信部
19・・・通話処理部
20・・・表示部
21・・・操作/入力部
22・・・メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラユニットを内蔵し、被写体を表示する表示部を前面側に有し、光路切り換え機構によって携帯電話の前面側から入射する被写体の光と裏面側から入射する被写体の光を切り換えてカメラユニットに導き被写体の映像を撮影する機能を備えたカメラ付携帯電話であって、
前記カメラ付携帯電話は、カメラユニットが撮影した画像を処理する解像度の高い第1の画像処理部と第1の画像処理部よりも解像度の低い第2の画像処理部と、前記第1の画像処理部と第2の画像処理部を切り換える画像処理切り換え手段と、を備え、
前記画像処理切り換え手段は、前記光路切り換え機構が前面側から入射する被写体の光をカメラユニットに導く位置に駆動制御されている場合には前記第2の画像処理手段に切り換えることを特徴とするカメラ付携帯電話。
【請求項2】
前記画像処理切り換え手段は、前記光路切り換え機構が裏面側から入射する被写体の光を切り換えてカメラユニットに導く位置に駆動制御されている場合には前記第1の画像処理手段に切り換えることを特徴とする請求項1に記載のカメラ付携帯電話。
【請求項3】
前記画像処理切り換え手段は、光路切り換え機構が裏面側から入射する被写体の光をカメラユニットに導く位置に駆動制御されているか、光路切り換え機構が前面側から入射する被写体の光カメラユニットに導く位置に駆動制御されているかを判別することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカメラ付携帯電話。
【請求項4】
前記画像処理切り換え手段は、操作/入力部からの入力に従って、光路切り換え機構が裏面側から入射する被写体の光をカメラユニットに導く位置に駆動制御されているか、光路切り換え機構が前面側から入射する被写体の光カメラユニットに導く位置に駆動制御されているかを判別することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカメラ付携帯電話。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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