説明

カメラ及びプリンタ

【課題】 カメラ10の機差による濃度及び色バランスむらを無くして、プリント品質を向上させる。
【解決手段】 標準画像を撮影し、この撮影した標準画像データに基づき濃度及び色のバランスデータを算出する。このバランスデータをカメラ10のROM19に予め記録しておく。カメラ10で撮影した後に、この撮影した画像データを出力する際に、前記バランスデータも出力する。デジタルプリンタ25では、画像データ入力部26により画像データと前記バランスデータとを読み取る。テーブルデータ作成部30は、バランスデータに基づきカメラの撮影画像データを補正する補正テーブルデータを作成する。補正用LUT31は、補正テールデータを用いてカメラからの画像データを補正し、プリントを行う。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラ及びプリンタに関し、特にカメラの機種差や機差による濃度や色バランスのばらつき等を無くすようにしたカメラ及びプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】デジタルスチールカメラで撮影された画像は、銀塩式、インクジェット式、感熱記録式などの各種プリンタにより出力される。また、プリンタで出力する前に、パソコン等に取り込まれ、各種画像処理がされた後にプリントされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】デジタルスチールカメラ等で撮影された画像は、機種差や機差によって、濃度や色バランスにばらつきがあり、そのままプリントする場合には、このばらつきによりプリント品質が低下するという問題がある。また、幾何学歪みや濃度むらが発生する場合もあり、この場合にもプリント品質が低下するという問題がある。更には、デジタルカメラの入力特性と、プリンタの出力特性とが異なるため、色合わせが困難であるという問題がある。
【0004】本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、カメラの機種差や機差による濃度や色バランスのばらつきを無くすようにして、プリント品質が低下することのないようにしたカメラ及びプリンタを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1記載のカメラは、標準画像を撮影した標準画像データに基づき算出された濃度又は色バランスデータを予め記録した記録媒体を有し、撮影した画像データを出力する際に、前記濃度又は色バランスデータも出力するようにしたものである。
【0006】また、請求項2記載のプリンタは、カメラからの撮影画像データと前記濃度又は色バランスデータとを読み取り、この濃度又は色バランスデータに基づきカメラからの撮影画像データを補正し、この補正された撮影画像データを用いてプリントを行うようにしたものである。
【0007】なお、カメラ側で濃度又は色バランスデータを求める代わりに、カメラ側で単に標準画像を撮影し、この撮影した標準画像データと標準画像の識別データとを記録媒体に予め記録しておき、撮影した画像データを出力する際に、前記標準画像データ及び標準画像の識別データを出力してもよい。この場合には、カメラからの撮影画像データと前記標準画像データ及び標準画像の識別データとを読み取り、この標準画像データ及び標準画像の識別データに基づきカメラの撮影画像データを補正するための濃度又は色補正テーブルを作成し、この濃度又は色補正テーブルで補正された撮影画像データを用いてプリントを行うことが好ましい。また、標準画像データ及び標準画像の識別データに基づき前記濃度又は色補正データを求める代わりに、カメラの2次元幾何学歪みを検出して歪み補正量を算出し、この歪み補正量を用いて撮影画像データの2次元幾何学歪みを補正し、この補正された撮影画像データを用いてプリントを行うようにしてもよい。更には、標準画像データ及び標準画像の識別データに基づきカメラの濃度むらを検出し、この濃度むらを補正するシェーディング補正量を算出し、このシェーディング補正量を用いて撮影画像データを補正し、この補正された撮影画像データを用いてプリントを行うことが好ましい。
【0008】また、カメラは、前記標準画像を撮影したデータに基づき濃度又は色補正データを求める代わりに、2次元幾何学歪みを検出し、この歪みデータを記録媒体に予め記録しておき、撮影した画像データを出力する際に、この歪みデータも出力するようにしてもよい。更には、歪みデータの代わりに、濃度むらを検出し、この濃度むらデータを撮影画像データとともにプリンタ側に送るようにしてもよい。また、撮影した標準画像データに基づく各種データは、個々のカメラ毎に求めることが好ましく、更には、撮影した標準画像データに基づく各種データは、カメラの機種毎、又は生産ロット毎に求めてもよい。
【0009】
【作用】検査工程等において、カメラにより標準画像が撮影され、標準画像データに基づき濃度又は色バランスデータが算出される。この濃度又は色バランスデータは、例えば均一なグレーパターンからなる標準画像を濃度を変えて10段階程度用意しておき、これを順次撮影して、標準画像濃度値とカメラ測光濃度値との関係をR,G,Bの各色について求める。このようにして、各画素について、濃度又は色バランステーブルを求め、これがカメラの記録媒体、例えばROMに記録される。カメラによる撮影の後は、撮影した画像データとともに、予め記録されたカメラ固有の濃度又は色バランスデータが出力される。プリンタは、カメラからの撮影画像データと前記濃度又は色バランスデータとを読み取る。そして、濃度又は色バランスデータに基づき、カメラの撮影画像データが理想的特性になるように補正される。例えば、カメラ側の画像データと補正された濃度値との関係を示す補正テーブルが作成され、このテーブルデータに基づきカメラ側の画像データが補正画像データに補正される。そして、この補正画像データに基づきプリントが行われる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のカメラを示す概略図である。デジタルスチルカメラ10は、撮像部11、画像処理部12、バッファメモリ13、システムコントローラ14、画像データ書込み部15から構成されている。撮像部11は3板式のイメージエリアセンサから構成されており、被写体を撮像する。画像処理部12は、ガンマ変換や周知の画像処理を行った後にA/D変換し、これをバッファメモリ13に記憶する。バッファメモリ13は、2個のフレームメモリ13a,13bから構成されており、一方のフレームメモリ13aでデータ圧縮処理等を行っているときに、他方のフレームメモリ13bに画像処理部12からの画像データが書き込めるようになっている。
【0011】画像データ書込み部15は、バッファメモリ13a,13bの一方から1フレーム分のデジタル画像データを読みだして、画像データを1/10〜1/20程度の圧縮率で、JPEG(Joint Photgraphic Experts Group)圧縮する。圧縮された画像データはICメモリカード16に書き込まれる。なお、データ圧縮方式はJPEGに限定されることなく、他の周知の圧縮方式を用いてもよい。
【0012】システムコントローラ14は周知のマイクロコンピュータから構成されており、MPU17,RAM18,ROM19などを備えている。ROM19には、カメラ全体をシーケンス制御するプログラムの他に、バランスデータが書き込まれている。バランスデータは、検査工程で求められ、これがROM19の所定エリアに書き込まれている。
【0013】バランスデータは、ROM19をセットした状態で図2に示すような標準画像SI1〜SI8を撮影し、このとき得られた撮像部11のCCDの各ピクセルからの画像データに基づき算出される。標準画像SI1〜SI8としては、図2(A)〜(H)に示すような、例えば、均一な濃度を有するグレーパターンG1〜G8が用いられる。このグレーパターンG1〜G8は、例えば濃度を「0.2」ずつステップ的に変化させたものが用いられる。これら各濃度のグレーパターンG1〜G8を撮影し、得られた画像データに基づき、中性グレー濃度からのR,G,Bの各色のずれ量を各グレー濃度毎に求めることで、各ピクセルについてバランスデータを得る。
【0014】図3は赤色についてのバランスデータを示しており、S1は理想状態を示し、S2は実際のバランスデータの一例を示している。この他に、緑色及び青色についても同様にしてバランスデータが求められる。得られたバランスデータはROM19に書き込まれ、このバランスデータ書込み済みのROM19が先にセットされているROM19と取り替えられる。なお、カメラ固有のバランスデータを書き込んだROM19を再装填する代わりに、検査機によって、カメラ固有のバランスデータを求めて、これをROM19に書き込み、このROM19をカメラに装填してもよい。
【0015】ROM19に書き込まれたバランスデータは、システムコントローラ14によってICメモリカード16がカメラ10にセットされたときに、メモリカード16のバランスデータエリアに書き込まれるようになっている。図4は、ICメモリカード16の記録内容を示すメモリマップの一例であり、ICメモリカード16には、ROM19に記録されているバランスデータエリアBDAと、各コマの撮影画像データエリアIDA1,IDA2,IDA3,・・・とに分けられており、撮影画像データエリアIDA1,・・・には各撮影コマの画像データが例えば50コマほど記録される。
【0016】図1に示すように、デジタルプリンタ25は、画像データ入力部26、画像処理部27、プリント部28、システムコントローラ29から構成されている。このデジタルプリンタ25は、現像所に設置される。カメラユーザーは、撮影後にICメモリカード16を現像所に提出する。この提出されたICメモリカード16に基づき現像所はプリント写真を作成する。
【0017】前記画像データ入力部26には、カメラ10からのICメモリカード16が装着され、前記バランスデータ及び画像データが読み取られる。バランスデータは、画像処理部27の補正用テーブルデータ作成部30に送られる。補正用テーブルデータ作成部30は、バランスデータに基づきカメラにおける濃度及び色バランスの理想的特性からのずれに基づき補正量を算出し、この補正量に基づきカメラ測光濃度から補正後の濃度値(補正濃度値)に変換する補正用テーブルデータを作成する。
【0018】図5はこの補正用テーブルデータを示すものであり、S3は理想状態を示し、S4は実際の赤色補正用テーブルデータの一例を示している。この他に、緑色及び青色についても同様にして補正用テーブルデータが求められる。この補正用テーブルデータは、補正用ルックアップテーブルメモリ(LUT)31に書き込まれる。LUT31では、カメラ10からの画像データを補正濃度値に変換し、これにより、各カメラ固有の濃度及び色バランスのむらが無くなるようにされる。画像処理部27では、この他に、例えばガンマ補正、マトクリス補正、文字イラスト合成、拡大/縮小、トリミング等の周知の処理が行われる。
【0019】画像処理された1フレーム分の画像データは、プリント部28のプリント用フレームメモリ33に書き込まれる。プリント部28はプリント用フレームメモリ33とプリンタ34とから構成されている。図6に示すように、プリンタ34はレーザー光による走査露光方式の焼付露光部40を備えている。プリンタ34は、プリント用フレームメモリ33から、画像データを読みだして、これに基づき光ビームを変調し、銀塩写真カラー感光材料(ポジ・ポジタイプのカラーペーパー)41の送りに同期させてカラーペーパーのイエロー、マゼンタ、シアンの各感光層を走査露光することにより、各コマを焼付露光する。この焼付露光済みのカラーペーパー41は周知のようにペーパープロセサ44で現像処理された後に、カットマークに基づき各コマ毎に切り離され、ハードコピィ45が作成される。以上の処理手順を図7にフローチャートとして示す。
【0020】なお、焼付露光部40は、レーザー光による走査露光方式の他に、他のCRTや液晶表示パネル等を用いた面露光方式又は線露光方式を用いてもよい。また、光ビームを変調する代わりに、マイクロミラー装置を用いて走査露光してもよい。マイクロミラー装置は、サイズが極めて小さいミラー(マイクロミラー)をライン又はマトリクスに配列し、各マイクロミラーの傾斜角を制御して入射光を偏向するものである。周知のように、カラーペーパーとして、ネガ・ポジタイプのものを用いる場合には画像データはポジ・ネガ変換される。このポジ・ネガ変換は画像処理部27で行う他に、プリント部28で行ってもよい。なお、プリント用フレームメモリ33から画像データを読み出して、これを図示しないカラーモニタにシミュレート表示してもよい。この場合には、このシミュレート画像を観察することで、更に濃度及び色補正を行うようにしてもよい。
【0021】上記実施形態では、濃度及び色バランスを各画素毎に検出してバランスデータを作成したが、この他に、上記グレーパターンG1〜G8からなる標準画像SI1〜SI8をカメラで撮影し、この撮影した画像データと、撮影した標準画像SI1〜SI8の識別番号とを各標準画像毎に記憶しておき、撮影後に画像データを写真プリンタ側に送る際に、この標準画像の撮影データと標準画像の識別データとを送るようにしてもよい。この場合には、デジタルプリンタ側で、標準画像識別番号から標準画像SI1〜SI8を特定し、この標準画像に基づき、上記実施形態と同じように図5に示すような補正用テーブルデータを作成し、この補正テーブルデータを用いて、カメラ側の画像データを補正する。なお、バランスデータまたは標準画像撮影データに対し、撮影条件情報(標準画像撮影時の照明条件、距離、カメラ側露出条件等)のデータを付加し、プリンタ側における濃度・色バランスデータ作成処理の条件確認に用いるようにしてもよい。
【0022】上記実施形態では、濃度及び色バランスについてのバランスデータを求めて、これに基づきカメラからの画像データを補正用テーブルデータにより補正したが、この他に、カメラ側で2次元幾何学歪みを検出するための標準画像を撮影し、この撮影データから歪み補正データを算出し、この歪み補正データをROM19に記憶しておき、これを画像データとともにプリンタ側に出力してもよい。
【0023】この2次元幾何学歪みを補正するための標準画像SI10として、図8に示すような方眼紙と同じような正方形に仕切った線L1を表示した方眼紙パターンP1を用い、この線の歪み状態から各画素の歪み量としての歪み補正ベクトルを求め、この歪み補正ベクトルを各画素毎に記録する。歪み補正ベクトルは、歪みのない理想状態における各画素の位置と、歪み状態における各画素の位置との距離及び方向を示すものである。なお、標準画像SI10の正方形に仕切った線L1の間にある画素については、線L1の上にある画素の補正ベクトルを用いて補完処理することで求める。また、この補完処理はデジタルプリンタ側で行うようにしてもよく、この場合には、標準画像SI10の線上にある代表的な画素のみについて、補正ベクトルを設けておき、その他の画素については、デジタルプリンタ側で補完処理により求めてもよい。この場合には、歪み補正データを全画素について記憶する必要がなく、カメラ側のメモリ容量が歪み補正データで圧迫されることがなくなる。なお、方眼紙パターンP1の他に図示は省略した同心円パターンや方眼紙パターンと同心円パターンとを組合せたもの等を用いてもよい。
【0024】上記実施形態では、R,G,Bの各色について濃度補正データを求めて、濃度及び色バランスを補正するようにしたが、単に濃度むらのみを補正するようにしてもよい。この場合にも、均一なグレーパターンからなる標準画像を撮影して各画素についての濃度むらを検出し、この濃度むらデータを画像データとともにプリンタ側に送るようにする。この場合には、プリンタ側で前記濃度むらに基づきシェーディング補正を行う。なお、単に濃度むらデータをプリンタ側に送る他に、カメラ側で濃度むらデータに基づき、この濃度むらを無くすシェーディング補正データを求めて、これを画像データとともにプリンタ側に送るようにしてもよい。
【0025】また、濃度むら等をカメラ側で求めることなく、図9に示すように、単に標準画像の撮影データとこれの識別番号とを、画像データとともにプリンタ側に送るようにしてもよい。この場合には、この標準画像の撮影データと標準画像の識別番号とに基づき、プリンタ側で、カメラの濃度及び色バランスのむらを無くす補正テーブルデータを作成し、この補正テーブルデータを用いてカメラからの画像データを補正する。更には、濃度及び色補正の他に、2次元幾何学歪み補正、シェーディング補正を行うようにしてもよい。
【0026】上記実施形態では、撮影した標準画像データに基づく各種データは、個々のカメラ毎に求めるようにしたが、この他に、カメラの機種毎、又は生産ロット毎に求めるようにしてもよく、この場合にはカメラ個々について、上記標準画像データに基づきバランスデータ等を算出する必要がなくなり、構成が簡単になる。
【0027】なお、濃度又は色バランスデータを作成する際の解像度は任意でよい。例えば、1画素単位データ、1画面平均データ、またはその中間解像度データ(m×n画素を1つのエリアとしてまとめることにより、1画面を複数個のエリアに分割し、各エリアの例えば平均値を用いる)を用いてよい。また、濃度又は色バランスデータを作成する際の1画面内の範囲を、例えば画面中心付近に限定してもよい。このようにして求めた濃度又は色バランスデータから補正テーブルを作成し、全画面の補正に適用する。更には、単に1画面を複数のエリアに分割し、各分割エリア毎に上記同様に濃度又は色バランスデータを求め、各分割エリア内の各画素の補正に適用してもよい。
【0028】上記実施形態では、ICメモリカード16を用いて画像データやバランスデータをプリンタ側に出力したが、この他に、カメラ内のRAMに画像データを記憶しておき、ケーブルを介してデジタルプリンタ25に接続することで、画像データ及びバランスデータ等をプリンタ側に出力してもよい。
【0029】上記実施形態では、デジタルカメラに実施したものであるが、この他に、写真フイルムを用いるカメラに対し、上記2次元幾何学歪み補正やシェーディング補正を行うようにしてもよい。この場合には、歪み補正データ、シェーディング補正データ、又はこれらを求めるための標準画像撮影データ,識別データ等をICメモリカードや写真フイルムの透明磁気記録層に記録する。
【0030】上記実施形態では、走査露光によりカラーペーパーにプリントする銀塩式プリンタに実施したが、この他に、熱現像転写方式のカラープリンタ、カラーインクジェットプリンタ、カラー感熱プリンタ、カラーレーザープリンタに本発明を実施してもよい。
【0031】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、予め、標準画像を撮影しこの撮影した標準画像データに基づき濃度又は色バランスデータを算出しておき、この濃度又は色バランスデータをカメラの記録媒体に予め記録しておき、撮影した画像データを出力する際に、前記濃度又は色バランスデータも出力したから、プリンタ側で濃度又は色バランスデータに基づきカメラからの画像データを補正することにより、カメラの機種差や機差に起因する濃度又は色バランスのむらを補正することができるので、プリント品質を向上させることができる。
【0032】請求項2記載の発明によれば、カメラからの撮影画像データと濃度又は色バランスデータとを読み取り、この濃度又は色バランスデータに基づきカメラの撮影画像データを補正し、この補正された撮影画像データを用いてプリントを行うから、カメラの機種差や機差に起因する濃度又は色バランスのむらを補正することができる。
【0033】請求項3記載の発明によれば、標準画像を撮影し、この撮影した標準画像データと標準画像の識別データとを記録媒体に予め記録しておき、撮影した画像データを出力する際に、前記標準画像データ及び標準画像の識別データも出力したから、カメラの機差等に起因する濃度又は色バランスのむらを効率よく抑えることができる。しかも、カメラ側では単に画像データを記録するだけでよく、カメラの構成を簡単にすることができる。
【0034】請求項4記載の発明によれば、カメラからの撮影画像データと前記標準画像データ及び標準画像の識別データとを読み取り、この標準画像データ及び標準画像の識別データに基づきカメラの撮影画像データを補正するための濃度又は色補正テーブルを作成し、この濃度又は色補正テーブルで補正された撮影画像データを用いてプリントを行うので、カメラの機差等に起因する濃度又は色バランス補正をカメラ側の構成を簡単にして行うことができる。
【0035】また、標準画像を撮影し、この撮影した標準画像データに基づき2次元幾何学歪みを検出し、この歪みデータを記録媒体に予め記録しておき、撮影した画像データを出力する際に、前記歪みデータも出力することにより、カメラの2次元幾何学歪みを補正することができるようになる。
【0036】また、請求項7記載の発明は、カメラからの撮影画像データと標準画像データ及び標準画像の識別データとを読み取り、この標準画像データ及び標準画像の識別データに基づきカメラの2次元幾何学歪みを検出して歪み補正量を算出し、この歪み補正量を用いて撮影画像データの2次元幾何学歪みを補正し、この補正された撮影画像データを用いてプリントを行うから、カメラの機差による2次元歪みを無くすことができる。
【0037】また、請求項8記載の発明は、標準画像を撮影し、この撮影した標準画像データに基づき濃度むらを検出し、この濃度むらデータを記録媒体に予め記録しておき、撮影した画像データを出力する際に、前記濃度むらデータも出力することにより、濃度むらを抑えることができ、プリント品質を向上させることができる。
【0038】撮影した標準画像データに基づく各種データは、個々のカメラ毎に求めることにより、機差に基づく濃度むら、色むら、2次元幾何学歪みなどを無くすことができる。更に、撮影した標準画像データに基づく各種データは、カメラの機種毎、又は生産ロット毎に求めてもよく、この場合には、個々に補正データを用いるものに比べて補正精度が低下するものの、カメラ個々について各補正データを用いる必要がないので、効率よく濃度むら、色むら、2次元幾何学歪み等を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したカメラ及びプリンタを示す機能ブロック図である。
【図2】濃度・色バランスの補正データを得るための標準画像の一例を示す説明図である。
【図3】標準画像の撮影データに基づき作成したバランステーブルの一例を示す線図である。
【図4】カメラのICメモリカードの記録内容を示すメモリマップの一例である。
【図5】デジタルプリンタ側でバランスデータに基づき求めた補正テーブルデータの一例を示す線図である。
【図6】デジタルプリンタの一例を示す機能ブロック図である。
【図7】カメラ側で、標準画像の撮影データに基づき補正テーブルデータを作成する他の実施形態における処理手順を示すフローチャートである。
【図8】2次元幾何学歪みを補正するための正方形パターンからなる基準画像の一例を示す線図である。
【図9】プリンタ側で、標準画像の識別番号及び撮影データに基づき補正テーブルデータを作成する他の実施形態における処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 デジタルスチールカメラ
11 撮像部
12 画像処理部
13 バッフアメモリ
15 画像データ書込み部
16 ICメモリカード
25 デジタルプリンタ
26 画像データ入力部
27 画像処理部
28 プリント部
30 補正用テーブルデータ作成部
31 補正用LUT
SI1〜SI8,SI10 標準画像
G1〜G8 グレーパターン
P1 方眼紙パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】 標準画像を撮影した標準画像データに基づき算出された濃度又は色バランスデータを予め記録した記録媒体を有し、撮影した画像データを出力する際に、前記記録媒体から前記濃度又は色バランスデータも出力することを特徴とするカメラ。
【請求項2】 請求項1記載のカメラからの撮影画像データと前記濃度又は色バランスデータとを読み取り、この濃度又は色バランスデータに基づきカメラからの撮影画像データを補正し、この補正された撮影画像データを用いてプリントを行うことを特徴とするプリンタ。
【請求項3】 標準画像を撮影した標準画像データに基づき算出された濃度又は色バランスデータを予め記録した記録媒体を有し、撮影した画像データを出力する際に、前記標準画像データ及び標準画像の識別データも出力することを特徴とするカメラ。
【請求項4】 請求項3記載のカメラからの撮影画像データと前記標準画像データ及び標準画像の識別データとを読み取り、この標準画像データ及び標準画像の識別データに基づきカメラの撮影画像データを補正するための濃度又は色補正テーブルを作成し、この濃度又は色補正テーブルで補正された撮影画像データを用いてプリントを行うことを特徴とするプリンタ。
【請求項5】 標準画像を撮影した標準画像データに基づき算出された濃度又は色バランスデータを予め記録した記録媒体を有し、撮影した画像データを出力する際に、前記歪みデータも出力することを特徴とするカメラ。
【請求項6】 請求項5記載のカメラからの撮影画像データと前記歪みデータとを読み取り、この歪みデータに基づきカメラの撮影画像データを補正し、この補正された撮影画像データを用いてプリントを行うことを特徴とするプリンタ。
【請求項7】 請求項3記載のカメラからの撮影画像データと前記標準画像データ及び標準画像の識別データとを読み取り、この標準画像データ及び標準画像の識別データに基づきカメラの2次元幾何学歪みを検出して歪み補正量を算出し、この歪み補正量を用いて撮影画像データの2次元幾何学歪みを補正し、この補正された撮影画像データを用いてプリントを行うことを特徴とするプリンタ。
【請求項8】 標準画像を撮影した標準画像データに基づき算出された濃度又は色バランスデータを予め記録した記録媒体を有し、撮影した画像データを出力する際に、前記濃度むらデータも出力することを特徴とするカメラ。
【請求項9】 請求項8記載のカメラからの撮影画像データと前記濃度むらデータとを読み取り、この濃度むらデータに基づきカメラの撮影画像データをシェーディング補正し、この補正された撮影画像データを用いてプリントを行うことを特徴とするプリンタ。
【請求項10】 請求項3記載のカメラからの撮影画像データと前記標準画像データ及び標準画像の識別データとを読み取り、この標準画像データ及び標準画像の識別データに基づきカメラの濃度むらを検出し、この濃度むらを補正するシェーディング補正量を算出し、このシェーディング補正量を用いて撮影画像データを補正し、この補正された撮影画像データを用いてプリントを行うことを特徴とするプリンタ。
【請求項11】 請求項1、3、5、8いずれか1つ記載のカメラにおいて、撮影した標準画像データに基づく各種データは、個々のカメラ毎に求めることを特徴とするカメラ。
【請求項12】 請求項1、3、5、8いずれか1つ記載のカメラにおいて、撮影した標準画像データに基づく各種データは、カメラの機種毎、又は生産ロット毎に求めることを特徴とするカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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