説明

カメラ

【課題】本発明は、監視者が監視室を離れても監視映像を閲覧することができる映像配信システムにおけるカメラを提供することを目的とする。
【解決手段】カメラ1は監視対象エリアを撮像し、映像信号をネットワーク3へ伝送する。映像信号はネットワーク3を介して、図示しないが表示装置や画像記録装置等に配信される。また、カメラ1は映像信号をワンセグ用のコンテンツに変換し、エリアワンセグとしてアンテナ2から限定された地域に電波が届くレベルでワンセグ放送波を無線伝送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像した映像をネットワークや無線で伝送するカメラ関する。
【背景技術】
【0002】
映像監視システムは、ホテルやビル、コンビニエンスストア金融機関、ダムまたは道路等といった様々な公共施設等において、犯罪抑止や事故防止等の目的で設置されている。この様な施設で映像監視システムを運用する場合、通常、各所に設けられたネットワークカメラやアナログカメラから、ネットワークや専用線を介して撮像映像を監視室に伝送し、監視室のモニタに表示したり記録装置に記録したりしている。
【0003】
例えば、特許文献1には、複数の監視カメラが監視映像を、ネットワークを介して配信し、監視局にて纏めて閲覧する映像監視システムが記載されている。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、限定された地域で利用される情報を、ミニTV放送局からワンセグ放送を利用して限定された地域に電波が届くレベルで無線伝送することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−288773号公報
【特許文献2】特開2006−279376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この様な映像監視システムの場合、監視者が監視室でモニタを見ている分には良いが、見回り等で監視室から離れる際に監視映像を見ることができなくなり、何か起こった際に気付くのが遅れたり気付かなかったりすることがある。
【0007】
この様な課題を鑑み、本発明は、監視者が監視室を離れても監視映像を閲覧することができる映像配信システムにおけるカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のカメラ装置は、入射した光を光電変換して映像信号を出力する撮像部と、前記映像信号を所定の圧縮方式で圧縮して映像データに変換する圧縮部と、前記圧縮部で圧縮された映像データをワンセグ放送波に変換し、限定された地域に電波が届くレベルで無線伝送するワンセグ出力部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、カメラ自身にワンセグ配信機能を持たせ、限定された地域に電波が届くレベルでワンセグ放送波を無線伝送すること(以降、エリアワンセグ)で、限定された地域の中であればどこにいてもカメラで撮像した映像を閲覧することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例の映像監視システムのブロック図である。
【図2】本発明の一実施例のカメラの内部ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施例の映像監視システムのブロック図である。図1において、1は監視エリアを撮像して映像信号を出力するカメラ、2はカメラ1が作成した映像コンテンツをエリアワンセグ配信する電波を輻射するアンテナ、3はLAN(Local Area Network)等のネットワーク、4はワンセグモジュールを備え、ワンセグ放送を視聴可能な携帯電話やメディアプレイヤー等の受信端末である。
【0013】
カメラ1は監視対象エリアを撮像し、映像信号をネットワーク3へ伝送する。映像信号はネットワーク3を介して、図示しないが表示装置や画像記録装置等に配信される。また、カメラ1は映像信号をワンセグ用のコンテンツに変換し、エリアワンセグとしてアンテナ2から限定された地域に電波が届くレベルでワンセグ放送波を無線伝送する。
【0014】
アンテナ2から無線伝送されたワンセグ放送波は、受信端末4で受信され、番組として再生される。
【0015】
なお、カメラ1によるネットワークへの伝送と、エリアワンセグとしての無線伝送は、同時になされても良く、どちらか一方のみでも良い。また、カメラが複数である場合、それぞれ周波数を変えて別チャンネルとして伝送する様にしても良い。
【0016】
図2は、本発明の一実施例のカメラの内部ブロック図である。図2において、101は前方のからの入射光を光電変換して映像信号を出力する撮像部、102は撮像部1から出力された映像信号をJPEG(Joint Photographic Experts Group)やMPEG−4(Moving Picture Experts Group phase 4)、H.264等のデジタルデータへ圧縮するための映像圧縮部、103は映像圧縮部102によりデジタルデータへ圧縮された映像データをネットワークで配信するためにパケット化等の処理をするネットワーク処理部、104はネットワーク処理部103で処理された配信データをネットワーク3へ配信するためのインターフェース部、105は撮像部101で取得した映像信号をアナログ映像のまま配信するための処理をするアナログ処理部、106はアナログ処理部105で処理されたアナログ映像信号を専用ケーブルを介して接続された表示装置等へ出力するためのアナログ出力部、107は映像圧縮部102で圧縮された映像データをコンテンツとしてワンセグ放送用の信号に変換するエリアワンセグ処理部、108はエリアワンセグ処理部107で変換されたワンセグ放送用のコンテンツ信号を送信するためにアンテナ2へ出力するエリアワンセグ出力部、109はカメラ1の各部を制御する制御部、110は各部間のデータ受け渡しや設定データの保持のためのメモリである。
【0017】
撮像部1は前方の監視エリアからの入射光を光電変換して映像信号を生成し、映像圧縮部102および/またはアナログ処理部105に出力する。映像圧縮部102は映像信号をJPEGやMPEG−4、H.264等の規格に沿って圧縮し、ネットワーク処理部103および/またはエリアワンセグ処理部107へ出力する。
【0018】
ネットワーク処理部103は圧縮された映像データをネットワークで配信するためにパケット化等の処理をし、インターフェース部104へ出力する。インターフェース部104はネットワーク処理された映像データパケットをネットワーク3へ出力する。
【0019】
アナログ処理部105は撮像部1から出力されたアナログ映像信号を専用ケーブルへ出力するために所定の処理をし、アナログ出力部106へ出力する。アナログ出力部106はアナログ映像信号を専用ケーブルへ出力する。
【0020】
エリアワンセグ処理部107は圧縮処理された映像データを、ワンセグ放送用のコンテンツとして、
UHF帯470MHz〜770MHzの内の空きチャンネルの周波数の信号に変換し、エリアワンセグ出力部108へ出力する。このとき、映像に文字情報や視覚効果等を付加しておいても良い。エリアワンセグ出力部108はメモリ110に記憶された設定値に従って、限定された地域に電波が届くレベルでワンセグ放送波を輻射できる様にアンテナ2へ出力し、アンテナ2より限定された地域に電波が届くレベルでワンセグ放送波が輻射される。
【0021】
以上に説明した様に、本発明によれば、カメラ自身にワンセグ配信機能を持たせ、エリアワンセグとして限定された地域に電波が届くレベルでワンセグ放送波を無線伝送することで、限定された地域の中であればどこにいてもカメラで撮像した映像を閲覧することが可能となる。
【0022】
要するに本発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0023】
1:カメラ、2:アンテナ、3:ネットワーク、4:受信端末、101:撮像部、102:映像圧縮部、103:ネットワーク処理部、104:インターフェース部、105:アナログ処理部、106:アナログ出力部、107:エリアワンセグ処理部、108:エリアワンセグ出力部、109:制御部、110:メモリ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射した光を光電変換して映像信号を出力する撮像部と、
前記映像信号を所定の圧縮方式で圧縮して映像データに変換する圧縮部と、
前記圧縮部で圧縮された映像データをワンセグ放送波に変換し、限定された地域に電波が届くレベルで無線伝送するワンセグ出力部と、
を備えることを特徴とするカメラ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−85151(P2012−85151A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230508(P2010−230508)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】