説明

カラオケシステム、及び携帯機器用プログラム

【課題】セキュリティを維持しつつ、ユーザが携帯機器を用いて速やかにカラオケ曲に対する操作を行うことを可能としたカラオケシステム及び携帯機器用プログラムを提供する。
【解決手段】本発明では、リモコン1から入力されたユーザのユーザIDと、リモコン1にくくり付けられたコマンダ2のコマンダIDとを対応付けた対応付け情報を記憶しておき、携帯端末Tnから受信されたユーザIDが上記対応付け情報に含まれる場合、当該ユーザIDにより識別されるユーザのログインが許可され、コマンダ2が、携帯端末Tnのユーザのログイン期間中、当該携帯端末Tnにおいて選曲されたカラオケ曲に対する操作を受け付けるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ曲の選曲に用いられるリモコンと、カラオケ曲を演奏するカラオケ装置と、携帯機器がネットワークを介して接続されるサーバ装置と、を備えるカラオケシステムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のカラオケシステムにおいて、リモコンとカラオケ装置との間の無線通信は電波を用いて行われていることが多い。ところが、電波は一般建築物の室の壁などを透過する性質を有する。そのため、一般に、例えばカラオケボックスにおける同室内に設置されたリモコンとカラオケ装置とは、くくり付けが行われている。このくくり付けにより、ある部屋のリモコンから発信されたコマンド信号が、他室のカラオケ装置により受信された場合であっても、このコマンド信号は破棄されるようになっている。なお、くくり付けは、対応付け、又はペアリングとも呼ばれる。このようなくくり付けに関する技術が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された技術では、赤外線通信により、送信先のコマンダを認証し、認証できない場合に、リモコンとコマンダとの対応付けを解除することにより、コマンダの誤動作を防止することができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−288690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、スマートフォンやタブレットといった携帯機器を持つユーザが増えはじめている。このような携帯機器により、ユーザが歌唱したいカラオケ曲を登録する予約リストを、例えばカラオケ店舗に行く前に作成できれば便利である。しかしながら、従来の携帯機器はカラオケ装置とくくり付けられていないため、ユーザが予約リストを作成しても迅速にカラオケ曲を予約できなかった。また、仮に、例えば携帯機器に搭載されたWi-Fi機能(Wi-Fiの説明は後述する)を用いてカラオケ装置とくくり付けが可能になったとしても、例えばユーザがカラオケ店舗から退出した後に、例えばいたずら目的でカラオケ装置を操作されてしまうといったセキュリティ上の問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、以上の点等に鑑みてなされたものであり、セキュリティを維持しつつ、ユーザが携帯機器を用いて速やかにカラオケ曲の予約などを行うことを可能としたカラオケシステム及び携帯機器用プログラムを提供すること等を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、カラオケ曲の選曲に用いられる選曲装置と、予約されたカラオケ曲を演奏するカラオケ装置と、携帯機器がネットワークを介して接続されるサーバ装置と、を備えるカラオケシステムにおいて、前記選曲装置、前記カラオケ装置、前記携帯機器、及び前記サーバ装置のうちの少なくとも何れか1つが、前記携帯機器のユーザを識別するためのユーザ識別情報であって前記選曲装置から入力された前記ユーザ識別情報と、当該選曲装置に対応付けられた前記カラオケ装置を識別するためのカラオケ装置識別情報とを、取得する第1取得手段と、前記第1取得手段により取得された前記ユーザ識別情報と前記カラオケ装置識別情報とを対応付けた対応付け情報を記録する第1記録手段と、前記携帯機器から入力された前記ユーザ識別情報を取得する第2取得手段と、前記第2取得手段により取得されたユーザ識別情報に対応するユーザ識別情報が、前記第1記録手段により記録された前記対応付け情報に含まれる場合、当該ユーザ識別情報により識別される前記ユーザのログインを許可し、当該ユーザがログイン中であることを示すログイン情報を記録する第2記録手段と、を備え、前記カラオケ装置は、前記携帯機器のユーザの前記ログイン情報が記録されている期間中、前記携帯機器において選曲されたカラオケ曲に対する操作を受け付ける操作受付手段を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のカラオケシステムにおいて、前記第2記録手段は、ログイン中である前記ユーザについて所定のログアウト条件を満たす場合に、当該ユーザの前記ログイン情報に代えて当該ユーザがログアウトしたことを示すログアウト情報を記録し、前記携帯機器のユーザの前記ログアウト情報が記録された場合、前記カラオケ装置の前記操作受付手段による前記カラオケ曲に対する操作の受け付けが終了することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のカラオケシステムにおいて、前記サーバ装置は、前記携帯機器のユーザの前記ログイン情報が記録されている期間中に、当該ユーザが使用する前記携帯機器において選曲されたカラオケ曲に対する操作依頼を示す操作依頼情報と当該ユーザの前記ユーザ識別情報を、前記ネットワークを介して受信した場合、当該受信した前記ユーザ識別情報に対応付けられた前記カラオケ装置識別情報に対応するカラオケ装置に対して、前記操作依頼情報に示されるカラオケ曲に対する操作を受け付けさせる制御手段を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載のカラオケシステムにおいて、前記第2記録手段により前記ユーザがログイン中であることを示すログイン情報が記録された場合に、前記サーバ装置は、当該ユーザの前記ユーザ識別情報に対応付けられた前記カラオケ装置識別情報により識別される前記カラオケ装置へ接続するための接続情報を、前記ネットワークを介して前記携帯機器に送信する送信手段を備え、前記携帯機器は前記接続情報にしたがって無線LAN(Local Area Network)を介して前記カラオケ装置に接続し、前記カラオケ装置の前記操作受付手段は、前記携帯機器において選曲されたカラオケ曲に対する操作を前記無線LANを介して当該携帯機器から受け付けることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、カラオケ曲の選曲に用いられる選曲装置と、予約されたカラオケ曲を演奏するカラオケ装置と、携帯機器がネットワークを介して接続されるサーバ装置と、を備えるカラオケシステムであって、前記選曲装置、前記カラオケ装置、前記携帯機器、及び前記サーバ装置のうちの少なくとも何れか1つが、前記携帯機器のユーザを識別するためのユーザ識別情報であって前記選曲装置から入力されたユーザ識別情報と、前記選曲装置に対応付けられた前記カラオケ装置を識別するためのカラオケ装置識別情報とを対応付けた対応付け情報を記録するカラオケシステムにおいて前記携帯機器に含まれるコンピュータに、前記携帯機器のユーザのログインを行うための処理を実行するステップと、前記携帯機器から入力された前記ユーザ識別情報に対応するユーザ識別情報が前記対応付け情報に含まれると判定されることにより当該ユーザ識別情報により識別される前記ユーザのログインが許可された場合に、当該ログインの期間中、前記携帯機器において選曲されたカラオケ曲に対する操作要求を、当該ユーザの前記ユーザ識別情報に対応付けられた前記カラオケ装置識別情報により識別される前記カラオケ装置又は前記サーバ装置へ行うステップと、を実行させることを特徴とする携帯機器用プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、選曲装置から入力されたユーザのユーザ識別情報と当該選曲装置に対応付けられたカラオケ装置のカラオケ装置識別情報とを対応付けた対応付け情報を記憶しておき、携帯機器から入力されたユーザ識別情報に対応するユーザ識別情報が上記対応付け情報に含まれる場合、当該ユーザ識別情報により識別されるユーザのログインが許可され、カラオケ装置が、携帯機器のユーザのログイン期間中、当該携帯機器において選曲されたカラオケ曲に対する操作を受け付けるように構成したので、携帯機器からカラオケ曲に対する操作ができる期間をユーザのログイン期間中に制限することができ、その結果、セキュリティを維持しつつ、ユーザがログイン期間中に携帯機器を用いて速やかにカラオケ曲に対する操作を行うことができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、ユーザがカラオケ店舗から退出した後にカラオケ装置に対する操作が行われてしまうことを防止することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、セキュリティをより高めつつ、ユーザがログイン期間中に携帯機器を用いて、速やかにカラオケ曲に対する操作を行うことができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、ユーザがログイン期間中に携帯機器を用いて、より迅速にカラオケ曲に対する操作を行うことができる。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、携帯機器からカラオケ曲に対する操作ができる期間をユーザのログイン期間中に制限することができ、その結果、セキュリティを維持しつつ、ユーザがログイン期間中に携帯機器を用いて速やかにカラオケ曲に対する操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態に係るカラオケシステムSの概要構成例を示す図である。
【図2】(A)は、リモコン1の概要構成例を示すブロック図である。(B)は、コマンダ2の概要構成例を示すブロック図である。(C)は、管理サーバ3の概要構成例を示すブロック図である。(D)は、携帯端末Tnの概要構成例を示すブロック図である。
【図3】ユーザのログイン動作を示すシーケンス図である。
【図4】(A)は、実施例1における携帯端末Tnによるカラオケ曲予約動作を示すシーケンス図である。(B)は、実施例2における携帯端末Tnによるカラオケ曲予約動作を示すシーケンス図である。
【図5】ユーザのログアウト動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、例えばカラオケ店舗において利用されるカラオケシステムに対して、本発明を適用した場合の実施形態である。
【0018】
[1.カラオケシステムの構成及び動作の概要]
始めに、図1を参照して、本実施形態に係るカラオケシステムの構成の概要について説明する。図1は、本実施形態に係るカラオケシステムSの概要構成例を示す図である。なお、図1に示す例では、説明の便宜上、カラオケ店舗のカラオケルーム(客室)を1室のみ示し、リモコン1及びカラオケ装置2を夫々1台ずつ示している。なお、カラオケ装置を、以下、「コマンダ」という。
【0019】
図1に示すように、カラオケシステムSは、リモコン1、コマンダ2、及び管理サーバ3を含んで構成される。管理サーバ3には、カラオケ店舗の利用者であるユーザにより所有される携帯端末Tn(n=1、2、3、4)が携帯基地局B及びネットワークNWを介して接続可能になっている。ネットワークNWは、例えば、インターネット、携帯通信網、及びゲートウェイ等により構成される。
【0020】
リモコン1は、カラオケ曲(楽曲)の選曲に用いられる選曲装置である。なお、リモコン1は、ナビ端末又は検索端末ともいう。リモコン1には、リモコンIDが付与されている。リモコンIDは、リモコン1を識別するための識別情報である。リモコンIDは、リモコン1を一意に特定できる情報であれば、どのような情報であってもよいが、例えばリモコン1に割り当てられたIPアドレスがリモコンIDとされる。
【0021】
図2(A)は、リモコン1の概要構成例を示すブロック図である。図2(A)に示すように、リモコン1は、制御部11、記憶部12、ビデオRAM13、映像制御部14、表示部15、操作部16、操作処理部17、赤外線送信部18、及び無線LAN(Local Area Network)通信部19等を備えて構成される。制御部11は、CPU、ROM、及びRAM等により構成される。記憶部12は、不揮発性半導体メモリ等により構成される。記憶部12には、OS(オペレーティングシステム)及びリモコン処理プログラムが記憶されている。制御部11は、OS及びリモコン処理プログラムを実行することにより、リモコン1全体を統括制御する。また、記憶部12には、選曲対象となるカラオケ曲の情報を登録する楽曲リストが記憶されている。カラオケ曲の情報には、カラオケ曲番号、曲名、及び歌手名等が含まれる。カラオケ曲番号は、カラオケ曲ごとに付与される。カラオケ曲番号は、曲IDともいう。この楽曲リストに含まれるカラオケ曲の曲名等は、制御部11により、ビデオRAM13及び映像制御部14を介して表示部15に選択可能に表示される。また、制御部11は、ユーザによる操作部16からの指示を、操作処理部17を介して受け付ける。ユーザによる指示としては、ユーザID等の入力、又はカラオケ曲の選曲、音量調整等の指示がある。また、制御部11は、赤外線送信部18を介してコマンダ2の赤外線受信部29cへ各種指令を送信することができる。例えば、ユーザにより操作部16から選曲されたカラオケ曲の予約指令が送信される。また、無線LAN通信部19は、例えばIEEE 802.11の諸規格に準拠する無線LANの通信(例えばWi-Fi)を行うためのものである。これにより、制御部11は、無線LAN通信部19により無線LANのアクセスポイントAP、及び有線LANを介してコマンダ2と通信を行うことができる。制御部11は、ユーザにより操作部16から選曲されたカラオケ曲の予約指令を、無線LAN通信部19を介して送信することもできる。つまり、選曲されたカラオケ曲の予約指令は、無線LAN及び有線LANを介して、リモコン1とくくり付け状態にあるコマンダ2へ送信される。ここで、リモコン1は、同じカラオケルーム内に設置されたコマンダ2との間でくくり付けが行われている。なお、くくり付けは、対応付け、又はペアリングとも呼ばれる。記憶部12には、リモコン1のリモコンIDと、このリモコン1にくくり付け状態にあるコマンダ2のコマンダIDとが対応付けられて記憶されている。なお、記憶部12には、管理サーバ3のIPアドレスも記憶されている。これにより、リモコン1は、無線LAN、有線LAN、ルータR及びインターネットを介して管理サーバ3へ接続(アクセス)し、通信することができる。なお、記憶部12には、管理サーバ3のIPアドレスも記憶されている。これにより、リモコン1は、無線LAN、有線LAN、ルータR及びインターネットを介して管理サーバ3へ接続し、通信することができる。
【0022】
次に、コマンダ2は、予約されたカラオケ曲を演奏する演奏装置である。コマンダIDは、コマンダ2を識別するためのカラオケ装置識別情報の一例である。コマンダIDは、コマンダ2を一意に特定できる情報であれば、どのような情報であってもよいが、例えばコマンダ2に割り当てられたIPアドレスがコマンダIDとされる。この場合のコマンダIDは、例えば携帯端末Tnがコマンダ2へ接続するための接続情報にもなる。
【0023】
図2(B)は、コマンダ2の概要構成例を示すブロック図である。図2(B)に示すように、コマンダ2は、制御部21、記憶部22、ビデオRAM23、映像再生部24、映像制御部25、マイク制御部26、シンセサイザ27、ミキシングアンプ28、操作部29a、操作処理部29b、赤外線受信部29c、及びLAN通信部29d等を備えて構成される。制御部21は、CPU、ROM、及びRAM等により構成される。記憶部22は、ハードディスク等により構成される。記憶部22には、OS及びコマンダ処理プログラムが記憶されている。制御部21は、OS及びコマンダ処理プログラムを実行することにより、コマンダ2全体を統括制御する。また、記憶部22には、演奏予約されたカラオケ曲の演奏予約リストが記憶されている。この演奏予約リストには、例えば、カラオケ曲番号が予約順に記録(登録)される。また、記憶部22には、カラオケ曲に対応する楽曲データ、及び映像データ等が記憶される。シンセサイザ27は、楽曲データを用いてカラオケ曲の演奏を行い、演奏信号をミキシングアンプ28へ出力する。また、マイク制御部26は、マイクにより集音されたユーザの歌唱音声信号をミキシングアンプ28へ出力する。ミキシングアンプ28は、ユーザの歌唱音声とカラオケ曲とをミキシングしてスピーカへ出力する。また、映像データ等はビデオRAM23及び映像再生部24により再生される。そして、映像制御部25は、再生された映像信号をディスプレイへ出力する。また、制御部21は、ユーザによる操作部29aからの指示を、操作処理部29bを介して受け付ける。また、制御部21は、赤外線受信部29cを介して、リモコン1からの各種指令を受信することができる。例えば、制御部21は、リモコン1から予約指令を受信すると、カラオケ曲の予約を受け付け、カラオケ曲番号を演奏予約リストに記録する。また、制御部21は、LAN通信部29dを介して、コマンダ2とくくり付け状態にあるリモコン1からカラオケ曲の予約指令を受け付けることもできる。また、記憶部22には、コマンダ2のコマンダIDと、このコマンダ2とくくり付け状態にあるリモコン1のリモコンIDとが対応付けられて記憶されている。なお、記憶部22には、管理サーバ3のIPアドレスも記憶されている。これにより、コマンダ2は、有線LAN、ルータR及びインターネットを介して管理サーバ3へ接続し、通信することができる。更に、制御部21は、本発明における操作受付手段として機能し、携帯端末Tnのユーザのログイン期間中、携帯端末Tnにおいて選曲されたカラオケ曲の予約(カラオケ曲に対する操作の一例)を受け付け、カラオケ曲番号を演奏予約リストに記録するようになっている。
【0024】
次に、管理サーバ3は、本発明のサーバ装置の一例である。管理サーバ3は、インターネットに接続されており、Webサーバとしての機能を有する。
【0025】
図2(C)は、管理サーバ3の概要構成例を示すブロック図である。図2(C)に示すように、管理サーバ3は、制御部31、記憶部32、及び通信部33等を備えて構成される。制御部31は、CPU、ROM、及びRAM等により構成される。記憶部32は、ハードディスク等により構成される。記憶部32には、OS及びサーバプログラム等が記憶されている。制御部31は、OS及びサーバプログラムを実行することにより、管理サーバ3全体を制御する。そして、制御部31は、本発明における第1取得手段、第2取得手段、第1記録手段、第2記録手段、制御手段、及び送信手段等として機能し、後述する処理を行う。なお、本発明における第1取得手段、第2取得手段、第1記録手段、及び第2記録手段については、リモコン1の制御部11、コマンダ2の制御部21、管理サーバ3の制御部31、及び携帯端末Tnの制御部41のうちの少なくとも何れか1つが機能するように構成してもよい。
【0026】
更に、記憶部32には、登録ユーザリスト、ログインユーザリスト、及びコマンダ対応付けリストが記憶されている。登録ユーザリストは、会員登録されたユーザのユーザ情報を記録(登録)するリストである。このユーザ情報には、ユーザID、パスワード、氏名、ユーザが使用する携帯端末Tnの電話番号、及びメールアドレス等が含まれる。ここで、ユーザIDは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報の一例である。ログインユーザリストは、ユーザのログイン有無を管理するリストである。例えば、ログインユーザリストには、ユーザID、ログインフラグ、及びログイン履歴が対応付けられて記録される。例えば、ログインフラグが「1」のときは、ユーザがログイン中であることを示す。一方、ログインフラグが「0」のときは、ユーザがログアウトしたことを示す。ログイン履歴には、ユーザのログイン時刻及びログアウト時刻が含まれる。また、コマンダ対応付けリストは、コマンダIDとユーザIDとを対応付けた対応付け情報を記録するリストである。対応付け情報により、コマンダ2と携帯端末Tnとがくくり付けられる。なお、ユーザがログアウトした場合、コマンダ対応付けリストにおけるコマンダIDとユーザIDとの対応付けは解除される。例えば、ログアウトされたユーザIDを含む対応付け情報がコマンダ対応付けリストから削除される。ユーザがログアウトした場合、このユーザが使用する携帯端末Tnにおいて選曲されたカラオケ曲の予約はコマンダ2に受け付けられないように制御される。
【0027】
なお、ログインユーザリスト及びコマンダ対応付けリストは、コマンダ2の記憶部22に記憶されるように構成してもよい。また、ログインユーザリスト及びコマンダ対応付けリストは、リモコン1の記憶部12に記憶されるように構成してもよい。
【0028】
次に、携帯端末Tnは、本発明における携帯機器の一例である。携帯端末Tnの例としては、スマートフォン、携帯電話機、又はタブレット等が挙げられる。
【0029】
図2(D)は、携帯端末Tnの概要構成例を示すブロック図である。図2(D)に示すように、携帯端末Tnは、制御部41、記憶部42、表示部43、操作部44、スピーカ45、マイク46、携帯無線通信部47、及び無線LAN通信部48等を備えて構成される。制御部41は、CPU、ROM、及びRAM等により構成される。記憶部42は、不揮発性半導体メモリ等により構成される。記憶部42には、OS及び端末処理プログラム等が記憶されている。制御部41は、OS及び端末処理プログラムを実行することにより、携帯端末Tn全体を制御する。端末処理プログラムには、カラオケ用アプリケーションプログラムが含まれる。カラオケ用アプリケーションプログラムは、本発明の携帯機器用プログラムの一例である。カラオケ用アプリケーションプログラムは、コンピュータとしての制御部41に、当該携帯端末Tnのユーザのログインを行うための処理を実行するステップ(例えば、ログイン要求を管理サーバ3へ送信するステップ)と、携帯端末Tnのユーザのログイン期間中、操作部44から選曲されたカラオケ曲の予約要求(カラオケ曲に対する操作要求の一例)をコマンダ2又は管理サーバ3へ行うステップと、を実行させることができる。なお、カラオケ用アプリケーションプログラムは、例えば、他のサーバからネットワークNWを介してダウンロードされるようにしても良いし、CD−ROM等の記録媒体に記録されてドライブを介して読み込まれるようにしても良い。また、制御部41は、ユーザによる操作部44からの指示を受け付ける。ユーザによる指示としては、ユーザID等の入力、又はカラオケ曲に対する操作等の指示がある。カラオケ曲に対する操作としては、例えば、カラオケ曲の選曲操作、カラオケ曲の予約操作、カラオケ曲の音量操作、音高キー変更操作などが挙げられる。なお、記憶部42には、管理サーバ3のIPアドレスも記憶されている。これにより、携帯端末Tnは、携帯無線通信部47、及びネットワークNWを介して管理サーバ3へ接続し、通信することができる。
【0030】
[2.カラオケシステムSの動作]
次に、カラオケシステムSの動作について説明する。なお、携帯端末Tnのうち、携帯端末T1を例にとるものとする。
【0031】
(2−1.ユーザのログイン動作)
先ず、図3を参照してユーザのログイン動作について説明する。図3は、ユーザのログイン動作を示すシーケンス図である。なお、リモコン1とコマンダ2のくくり付けは既に行われているものとする。
【0032】
カラオケルームにおいて、リモコン1を持つユーザAによる操作部16の操作により、ログイン画面が表示部15に表示される(ステップS1)。そして、ユーザAにより操作部16からログイン画面を通じてユーザID及びパスワードが入力されると(ステップS2)、リモコン1は、このリモコン1とくくり付けられたコマンダ2のコマンダIDを記憶部12から取得する。そして、リモコン1は、管理サーバ3のIPアドレスを用いて、無線LANのアクセスポイントAP、ルータR及びインターネットを介して管理サーバ3へ接続する。そして、リモコン1は、ユーザAにより入力されたユーザID及びパスワードと、記憶部12から取得したコマンダIDとを含むログイン要求を管理サーバ3へ送信する(ステップS3)。なお、リモコン1は、ログイン要求を、管理サーバ3へ送信する代わりに、コマンダ2へ送信するように構成してもよい。この構成の場合、コマンダ2は、リモコン1から受信されたログイン要求を管理サーバ3へ送信する。
【0033】
管理サーバ3は、リモコン1又はコマンダ2からログイン要求を受信すると、ユーザ認証処理を実行する(ステップS4)。このユーザ認証処理では、受信されたログイン要求に含まれるユーザID及びパスワードの組が登録ユーザリストに記録されているか否かが確認される。そして、ユーザID及びパスワードの組が登録ユーザリストに記録されている場合、認証成功と判定される。一方、ユーザID及びパスワードの組が登録ユーザリストに記録されていない場合、認証失敗と判定される。管理サーバ3は、認証成功と判定した場合(ステップS5:YES)、ログイン要求からユーザIDとコマンドIDを取得し、当該取得したユーザIDとコマンドIDとを対応付けた対応付け情報をコマンダ対応付けリストに記録する(ステップS6)。これにより、コマンダ2と携帯端末T1とがくくり付けられる。なお、対応付け情報には、ユーザIDとコマンドIDに、ログイン要求を送信したリモコン1のリモコンIDが対応付けられてもよい。また、管理サーバ3は、コマンダ対応付けリストをリモコン1又はコマンダ2へ送信し、リモコン1又はコマンダ2は、当該コマンダ対応付けリストを記憶するように構成してもよい。また、管理サーバ3によるユーザ認証処理を行わないように構成してもよい。この構成の場合、リモコン1又はコマンダ2は、リモコン1から入力されたユーザIDとコマンドID等を対応付けた対応付け情報をコマンダ対応付けリストに記録し、当該コマンダ対応付けリストを管理サーバ3へ送信する。
【0034】
次に、同じカラオケルームにおいて、携帯端末T1を持つユーザAによる操作部44の操作により、カラオケ用アプリケーションプログラムが起動すると、ログイン画面が表示部43に表示される(ステップS7)。そして、ユーザAにより操作部44からログイン画面を通じてユーザID及びパスワードが入力されると(ステップS8)、携帯端末T1は管理サーバ3のIPアドレスを用いて管理サーバ3へ、携帯基地局B及びネットワークNWを介して接続する。そして、携帯端末T1は、ログイン画面を通じて入力されたユーザID及びパスワードを含むログイン要求を管理サーバ3へ送信する(ステップS9)。
【0035】
なお、ステップS8で携帯端末T1から入力されるユーザIDは、ステップS2でリモコン1から入力されるユーザIDとは異なるものであってもよい。例えば、リモコン1から入力されるユーザIDは、例えばカラオケシステムSを利用するために会員登録を行ったユーザに対して発行されるID(以下、「カラオケ用ユーザID」という)である一方、携帯端末T1から入力されるユーザIDは、携帯端末T1から接続可能な例えば楽曲提供サイトで会員登録を行ったユーザに対して発行されるID(以下、「携帯端末用ユーザID」という)である場合が想定されるためである。この場合、双方のユーザIDは、登録ユーザリストに記録される。
【0036】
管理サーバ3は、携帯端末T1からログイン要求を受信すると、上記ステップS4と同じようにユーザ認証処理を実行する(ステップS10)。そして、ログイン要求に含まれるユーザID及びパスワードの組が登録ユーザリストに記録されている場合(ステップS11:YES)、管理サーバ3は、携帯端末T1から受信されたログイン要求からユーザIDを取得し、当該取得したユーザIDが、コマンダ対応付けリストに記録された対応付け情報に含まれるか否かを判定する(ステップS12)。なお、管理サーバ3は、ユーザ認証処理を行わずに、ユーザIDが対応付け情報に含まれるか否かを判定するように構成してもよい。そして、管理サーバ3は、ユーザID(携帯端末T1から入力されたユーザID)が対応付け情報に含まれると判定した場合には(ステップS12:YES)、ユーザIDにより識別されるユーザAのログインを許可(認証成功)し、当該ユーザAがログイン中であることを示すログイン情報をログインユーザリストに記録する(ステップS13)。より具体的には、ログインユーザリストにおいて、対応付け情報に含まれると判定されたユーザIDに対応付けられたログインフラグが「1」にセットされる。ログインユーザリストに携帯端末T1のユーザAのログイン情報が記録されている期間中、ユーザAが携帯端末T1から所望のカラオケ曲の予約を行うことが可能となる。また、このとき、ログイン時刻がログイン履歴としてログインユーザリストに記録される。
【0037】
なお、携帯端末T1から入力されるユーザID(カラオケ用ユーザID)が、リモコン1から入力されるユーザID(携帯端末用ユーザID)とは異なる場合、管理サーバ3等は、携帯端末T1から入力された携帯端末用ユーザIDに対応するカラオケ用ユーザIDが対応付け情報に含まれるか否かを判定する。そして、管理サーバ3等は、当該ユーザIDが対応付け情報に含まれると判定した場合には、このユーザIDにより識別されるユーザAのログインを許可することになる。ここで、「携帯端末用ユーザIDに対応するカラオケ用ユーザID」は、例えば登録ユーザリストから特定することができる。
【0038】
次いで、管理サーバ3は、ログイン情報が有効であることを示すワンタイムパスワードを発行する(ステップS14)。このワンタイムパスワードには、例えば有効期限が示される。なお、このワンタイムパスワードは発行されないように構成してもよい(この場合、ステップS14の処理は行われない)。一方、ユーザID及びパスワードの組が登録ユーザリストに記録されていない場合又はユーザIDが対応付け情報に含まれない場合(ステップS11、S12:NO)、認証失敗と判定され、ユーザAのログインが許可されない。なお、リモコン1のIPアドレス、コマンダ2のIPアドレス、及び携帯端末T1のIPアドレスは、この携帯端末T1が使用するユーザAのユーザIDに対応付けられて、当該ユーザAのログイン期間中、管理される。
【0039】
次いで、管理サーバ3は、ログイン結果(認証結果)及びユーザID等を、ログイン要求を送信したリモコン1へ返信する(ステップS15)。このログイン結果には、ログイン許可(認証成功)又はログイン不許可(認証失敗)が示される。ログイン結果がログイン許可の場合、ログイン結果には、上記ステップS14で発行されたワンタイムパスワードが付加される。リモコン1は、管理サーバ3からログイン結果及びユーザID等を受信すると、これをコマンダ2へ転送する(ステップS16)。コマンダ2は、リモコン1からログイン結果を受信すると、ログイン結果にログイン許可が示されるか否かを確認し、ログイン許可が示される場合には(ステップS17:YES)、受信されたユーザID及び当該ユーザAのログイン情報(例えば、ログインフラグ「1」)等をログインユーザリストに記録する(ステップS18)。そして、コマンダ2は、ログイン結果を受信したことを示すログイン結果確認をリモコン1へ返信する(ステップS19)。なお、上記ステップS15において、管理サーバ3は、ログイン結果及びユーザID等をコマンダ2へ送信するように構成してもよい。
【0040】
一方、管理サーバ3は、ログイン結果等を、ログイン要求を行った携帯端末T1へも返信する(ステップS20)。ログイン結果がログイン許可の場合、ログイン結果には、上記ステップS14で発行されたワンタイムパスワード、及びコマンダ情報が付加される。このコマンダ情報には、ログイン要求を行った携帯端末T1のユーザAのユーザIDに対応付けられたコマンダIDが含まれる。なお、ユーザIDは、管理サーバ3においてコマンダ対応付けリストでコマンダIDに対応付けられて管理されているので、ログイン結果と共にコマンダ情報が携帯端末T1へ送信されなくともよい。この場合、コマンダ情報がユーザに開示されないので、セキュリティ面で有効である。ただし、この場合、管理サーバ3は、後述するステップS31で携帯端末T1から予約依頼情報(予約要求)を受信した場合、ユーザIDに対応付けられたコマンダIDをコマンダ対応付けリストから検索する必要があるので、その分時間のロスが生じる。
【0041】
そして、携帯端末T1は、管理サーバ3からログイン結果を受信すると、ログイン結果にログイン許可が示されるか否かを確認する。そして、ログイン結果にログイン許可が示される場合(ステップS21:YES)、携帯端末T1は、受信されたコマンダ情報及びワンタイムパスワードを例えば記憶部42に記憶し、コマンダ予約機能をオンに設定する(ステップS22)。これにより、携帯端末T1は、カラオケ曲の予約を行うインターフェースを持つことになる。一方、ログイン結果にログイン不許可が示される場合(ステップS21:NO)、コマンダ予約機能をオンに設定されずにオフのままとなる。
【0042】
なお、ステップS12の別の例として、管理サーバ3は、コマンダ対応付けリストに記録された対応付け情報を参照して、当該ログイン要求を送信した携帯端末T1にくくり付けられたコマンダ2を特定し、当該特定したコマンダ2又は当該特定したコマンダ2にくくり付けられたリモコン1へ、携帯端末T1から受信されたログイン要求を送信するように構成してもよい。ここで、コマンダ2の特定は、携帯端末T1から受信されたログイン要求に含まれるユーザIDに対応付けられているコマンダIDを対応付け情報から特定することにより行われる。この構成の場合、リモコン1又はコマンダ2は、管理サーバ3から受信されたログイン要求に含まれるユーザID(携帯端末T1から入力されたユーザID)が、コマンダ対応付けリストに記録された対応付け情報に含まれるか否かを判定する。そして、リモコン1又はコマンダ2は、ユーザIDが対応付け情報に含まれると判定した場合には、当該ユーザIDにより識別されるユーザAのログインを許可し、当該ユーザAがログイン中であることを示すログイン情報をログインユーザリストに記録する。なお、この構成の場合、上記ステップS14〜S19の処理の代わりに、リモコン1又はコマンダ2は、ログイン結果及びユーザID等を、管理サーバ3へ送信する。そして、管理サーバ3は、ログイン結果及びユーザID等を受信すると、ログイン結果にログイン許可が示されるか否かを確認し、ログイン結果にログイン許可が示される場合、ワンタイムパスワードを発行し、当該ワンタイムパスワード及びコマンダ情報が付加されたログイン結果を、ログイン要求を行った携帯端末T1へ返信することになる(ステップS20)。
【0043】
更に、ステップS12の別の例として、管理サーバ3は、携帯端末T1から受信されたログイン要求に含まれるユーザIDに対応付けられているコマンダIDを含む対応付け情報を特定し、当該特定した対応付け情報を携帯端末T1へ送信するように構成してもよい。この構成の場合、携帯端末T1は、管理サーバ3から受信された対応付け情報を参照して、入力されたユーザIDが、当該対応付け情報に含まれるか否かを判定する。そして、携帯端末T1は、ユーザIDが対応付け情報に含まれると判定した場合には、当該ユーザIDにより識別されるユーザAのログインを許可し、当該ユーザAがログイン中であることを示すログイン情報を記録する。そして、携帯端末T1は、ログイン結果及びユーザID等を、管理サーバ3へ送信する。そして、管理サーバ3は、ログイン結果及びユーザID等を受信すると、ログイン結果にログイン許可が示されるか否かを確認し、ログイン結果にログイン許可が示される場合、ワンタイムパスワードを発行し、当該ワンタイムパスワード及びコマンダ情報を、ログイン要求を行った携帯端末T1へ返信する。そして、携帯端末T1は、管理サーバ3からコマンダ情報等を受信すると、コマンダ予約機能をオンに設定することになる。
【0044】
なお、上記動作は、同じカラオケルームを利用するユーザごとに行われる。その結果、各ユーザのユーザIDが、1台のコマンダ2のコマンダIDに対応付けられることになる。
【0045】
(2−2.カラオケ曲予約動作)
次に、携帯端末T1によるカラオケ曲予約動作について、実施例1と実施例2に分けて説明する。
【0046】
(実施例1)
先ず、図4(A)を参照して、実施例1におけるカラオケ曲予約動作を説明する。実施例1は、携帯端末T1から管理サーバ3を介してコマンダ2へ予約指令が送信される動作例である。図4(A)は、実施例1における携帯端末T1によるカラオケ曲予約動作を示すシーケンス図である。
【0047】
携帯端末T1において、コマンダ予約機能がオンに設定されると、ユーザAは携帯端末T1からカラオケ曲の選曲及び予約操作を行うことが可能となる。なお、選曲候補のカラオケ曲の楽曲リストは、例えば管理サーバ3から送信される。そして、ユーザAは携帯端末T1において操作部44を操作して所望のカラオケ曲を選曲する指示(カラオケ曲の予約の指示も伴う)を行うと、携帯端末T1は、選曲されたカラオケ曲の予約依頼を示す予約依頼情報であってカラオケ曲番号を含む予約依頼情報(予約要求)を、ネットワークNWを介して管理サーバ3へ送信する(ステップS31)。この予約依頼情報には、携帯端末T1のユーザAのユーザIDと、ログイン時に記憶部42に記憶されたコマンダ情報及びワンタイムパスワードとが付加される。なお、選曲されたカラオケ曲の予約依頼を示す予約依頼情報は、カラオケ曲に対する操作依頼を示す操作依頼情報の一例である。この操作依頼情報は、カラオケ曲の音量操作指示による音量変更依頼、又はカラオケ曲の音高キー変更操作指示によるキー変更依頼等を示すものであってもよく、この場合、ユーザAは、携帯端末T1からカラオケ曲の音量変更、又はカラオケ曲の音高キー変更等を行うことができる。
【0048】
管理サーバ3は、携帯端末T1から予約依頼情報、ユーザID、コマンダ情報、及びワンタイムパスワードを受信すると、予約依頼受付通知を携帯端末T1へ返信する(ステップS32)。そして、管理サーバ3は、ログインユーザリストを参照して、予約依頼情報と共に受信されたユーザIDに対応するユーザAがログイン中であるか否かを判定する(ステップS33)。つまり、ログインユーザリストにおいて、ユーザIDに対応付けられたログインフラグが「1」であれば、ユーザAがログイン中ということになる。そして、管理サーバ3は、ユーザAがログイン中であると判定した場合には(ステップS33:YES)、予約依頼情報と共に受信されたワンタイムパスワードが有効であるか否かを判定する(ステップS34)。なお、ワンタイムパスワードが発行されない構成では、ステップS33の処理はスキップされる。例えば、受信されたワンタイムパスワードが、管理サーバ3が発行したものであり、且つ有効期限内であれば、ワンタイムパスワードが有効であると判定される。そして、管理サーバ3は、ワンタイムパスワードが有効であると判定した場合には(ステップS34:YES)、予約依頼情報と共に受信されたコマンダ情報に対応するコマンダ2へ、予約依頼情報に示されるカラオケ曲の予約指令を送信する(ステップS35)。つまり、管理サーバ3は、予約指令を送信することで、コマンダ2に対してカラオケ曲の予約を受け付けさせる。この予約指令には、予約依頼情報に含まれるカラオケ曲番号が含まれる。また、予約指令には、予約依頼情報と共に受信されたユーザIDが付加される。この予約指令は、カラオケ曲の音量変更指令、又はカラオケ曲の音高キー変更指令等である場合もある。なお、上記ステップS20においてログイン結果と共にコマンダ情報が携帯端末T1に送信されていない場合、管理サーバ3は、予約依頼情報と共に受信されたユーザIDに対応付けられたコマンダIDをコマンダ対応付けリストから検索して抽出する必要がある。
【0049】
一方、管理サーバ3は、ユーザAがログイン中でないと判定した場合(ステップS33:NO)、又はワンタイムパスワードが有効でないと判定した場合(ステップS34:NO)、予約指令をコマンダ2へ送信することなく、例えば携帯端末T1へエラー通知を返信する(ステップS36)。
【0050】
そして、コマンダ2は、管理サーバ3から予約指令を受信すると、予約指令に示されるカラオケ曲の予約を受け付け、そのカラオケ曲番号を演奏予約リストに記録する(ステップS37)。こうして演奏予約リストにカラオケ曲番号が記録されたカラオケ曲は、例えば予約順に演奏されることになる。そして、コマンダ2は、予約結果を管理サーバ3に返信する(ステップS38)。この予約結果には、予約が受け付けられたか否かが示される。予約が受け付けられない場合としては、例えば予約指令に含まれるカラオケ曲番号が存在しない場合、又はコマンダ2が予約受付可能な最大数を超えている場合等が該当する。なお、管理サーバ3は、コマンダ2から予約結果を受信した場合、この予約結果を携帯端末T1へ返信するように構成してもよい。
【0051】
以上説明したように、実施例1におけるカラオケ曲予約動作によれば、携帯端末T1から管理サーバ3を介してコマンダ2へ予約指令が送信されるため、セキュリティをより高めつつ、ユーザAがログイン期間中に携帯端末T1を用いて、速やかにカラオケ曲の予約を行うことができる。
【0052】
(実施例2)
次に、図4(B)を参照して、実施例2におけるカラオケ曲予約動作を説明する。実施例2は、携帯端末T1からコマンダ2へ予約指令が直接送信される動作例である。図4(B)は、実施例2における携帯端末T1によるカラオケ曲予約動作を示すシーケンス図である。
【0053】
実施例2の場合、携帯端末T1は管理サーバ3からコマンダ情報としてコマンダIDを受信すると、携帯端末T1は、無線LAN通信部48により無線LANのアクセスポイントAPに接続する。これにより、携帯端末T1は、無線LAN通信が可能になると、管理サーバ3から取得したコマンダID(コマンダ2のIPアドレス)に基づき無線LAN及び有線LANを介してコマンダ2に接続する。そして、実施例1と同様にユーザAが携帯端末T1において操作部44を操作して所望のカラオケ曲を選曲すると、携帯端末T1は、選曲されたカラオケ曲の予約依頼を示す予約依頼情報であってカラオケ曲番号を含む予約依頼情報を、無線LAN及び有線LANを介してコマンダ2へ送信する(ステップS41)。この予約依頼情報には、携帯端末T1のユーザAのユーザIDとワンタイムパスワードが付加される。なお、選曲されたカラオケ曲の予約依頼を示す予約依頼情報は、実施例1と同様、カラオケ曲に対する操作依頼を示す操作依頼情報の一例である。この操作依頼情報は、カラオケ曲の音量操作指示による音量変更依頼、又はカラオケ曲の音高キー変更操作指示によるキー変更依頼等を示すものであってもよく、この場合、ユーザAは、携帯端末T1からカラオケ曲の音量変更、又はカラオケ曲の音高キー変更等を行うことができる。
【0054】
そして、コマンダ2は、上記ステップS33と同じように、ログインユーザリストを参照して、予約依頼情報と共に受信されたユーザIDに対応するユーザAがログイン中であるか否かを判定する(ステップS42)。そして、コマンダ2は、ユーザAがログイン中であると判定した場合には(ステップS42:YES)、予約依頼情報と共に受信されたワンタイムパスワードが有効であるか否かを判定する(ステップS43)。なお、ワンタイムパスワードが発行されない構成では、ステップS43の処理はスキップされる。そして、コマンダ2は、ユーザAがログイン中でないと判定した場合(ステップS42:NO)、又はワンタイムパスワードが有効でないと判定した場合(ステップS43:NO)、カラオケ曲の予約を受け付けることなく、例えば携帯端末T1へエラー通知を返信する(ステップS44)。
【0055】
一方、コマンダ2は、ワンタイムパスワードが有効であると判定した場合には(ステップS43:YES)、予約依頼情報に示されるカラオケ曲の予約を受け付け、そのカラオケ曲番号を演奏予約リストに記録する(ステップS45)。次いで、コマンダ2は、予約結果を携帯端末T1に返信する(ステップS46)。
【0056】
以上説明したように、実施例2におけるカラオケ曲予約動作によれば、携帯端末T1からコマンダ2へ予約指令が直接送信されるため、ユーザAはログイン期間中に携帯端末T1を用いて、管理サーバ3を介してカラオケ曲を予約させるよりも、より迅速にカラオケ曲の予約を行うことができる。
【0057】
(2−3.ユーザのログアウト動作)
次に、図5を参照してユーザのログアウト動作について説明する。図5は、ユーザのログアウト動作を示すシーケンス図である。
【0058】
管理サーバ3は、ログイン中であるユーザについて所定のログアウト条件を満たすか否かを判定する(ステップS51)。なお、この判定は所定時間間隔で行われる。例えば、管理サーバ3は、ログアウト要求を受信するとログアウト条件を満たすと判定する。ログアウト要求は、例えば、ユーザAによりリモコン1の操作部16からログアウトが指定されることにより管理サーバ3へ送信される。或いは、ログアウト要求は、ユーザAがカラオケ店舗から退出する際にカラオケ店舗の定員により店舗端末(図示せず)からユーザAのログアウトが指定されることにより管理サーバ3に送信される。なお、ログアウト要求には、ログアウト対象のユーザAのユーザIDが含まれる。また、管理サーバ3は、例えばコマンダ2からの信号が所定時間ない場合に、このコマンダ2のコマンダIDに対応付けられたユーザIDについてログアウト条件を満たす(タイムアウト)と判定するように構成してもよい。
【0059】
そして、管理サーバ3は、ログアウト条件を満たすと判定した場合(ステップS51:YES)、ログアウト対象のユーザAのログイン情報に代えて当該ユーザAがログアウトしたことを示すログアウト情報をログインユーザリストに記録する(ステップS52)。より具体的には、ログインユーザリストにおいて、ログアウト対象のユーザAのユーザIDに対応付けられたログインフラグが「0」にセットされる。また、このとき、ログアウト時刻がログイン履歴としてログインユーザリストに記録される。そして、管理サーバ3は、コマンダ対応付けリストにおけるコマンダIDとユーザIDとの対応付けを解除する(ステップS53)。例えば、ログアウトされたユーザIDを含む対応付け情報がコマンダ対応付けリストから削除される。これにより、コマンダ2と携帯端末T1とのくくり付けが解除される。このように、ログアウト情報が記録された場合、コマンダ2によるカラオケ曲の予約の受け付けが終了することになる。これにより、ユーザAがカラオケ店舗から退出した後に、例えばいたずら目的でコマンダ2を操作されてしまうことを防止することができる。
【0060】
次いで、管理サーバ3は、ログアウト対象のユーザAのユーザIDに対応付けられたリモコン1のIPアドレスにしたがって、このリモコン1へログアウト情報を送信する(ステップS54)。このログアウト情報には、ログアウト対象のユーザAのユーザID及びこれに対応付けられたコマンダIDが付加される。そして、リモコン1は、管理サーバ3からログアウト情報を受信すると、このリモコン1にくくり付けられたコマンダ2へログアウト情報、ユーザID及びコマンダIDを転送する(ステップS55)。コマンダ2は、リモコン1からログアウト情報等を受信すると、ログアウト対象のユーザAのログイン情報に代えて当該ユーザAがログアウトしたことを示すログアウト情報をログインユーザリストに記録する(ステップS56)。また、ログインユーザリストがリモコン1に記憶されている場合、ログアウト対象のユーザAのログイン情報に代えて当該ユーザAがログアウトしたことを示すログアウト情報が当該ログインユーザリストに記録される。また、このログアウト情報は、携帯端末T1に記録されるように構成してもよい。なお、管理サーバ3は、ログアウト対象のユーザAのユーザIDに対応付けられたコマンダ2のIPアドレスにしたがって、このコマンダ2へログアウト情報等を送信するように構成してもよい。
【0061】
一方、管理サーバ3は、ログアウト対象のユーザAのユーザIDに対応付けられた携帯端末T1のIPアドレスにしたがって、この携帯端末T1へログアウト情報、ユーザID及びコマンダIDを送信する(ステップS57)。そして、携帯端末T1は、管理サーバ3からログアウト情報等を受信すると、コマンダ情報及びワンタイムパスワードを削除し、コマンダ予約機能をオフに設定する(ステップS58)。
【0062】
なお、上記ステップS51〜S53の処理は、リモコン1又はコマンダ2により行われるように構成してもよい。この場合、ログアウト情報は、リモコン1又はコマンダ2から管理サーバ3へ送信される。また、この場合、ログアウト情報は、管理サーバ3から携帯端末T1へ送信されるように構成してもよいし、コマンダ2から携帯端末T1へ送信されるように構成してもよい。
【0063】
以上説明したように、上記実施形態によれば、リモコン1から入力されたユーザのユーザIDと、リモコン1にくくり付けられたコマンダ2のコマンダIDとを対応付けた対応付け情報を記憶しておき、携帯端末Tnから入力されたユーザIDが上記対応付け情報に含まれる場合、当該ユーザIDにより識別されるユーザのログインを許可し、コマンダ2が、携帯端末Tnのユーザのログイン期間中、当該携帯端末Tnにおいて選曲されたカラオケ曲の予約などを受け付けるように構成した。そのため、顧客が入れ替わることが前提となるカラオケ店舗において、携帯端末Tnからカラオケ曲の予約ができる期間をユーザのログイン期間中に制限することができ、その結果、セキュリティを維持しつつ、ユーザがログイン期間中に携帯端末Tnを用いて速やかにカラオケ曲の予約を行うことができる。
【0064】
また、上記カラオケ曲に対する操作は、カラオケ曲の予約(予約操作)の他にも、上述したように、例えば、携帯端末Tnによる予約の指示を、カラオケ曲の音量操作指示や、音高キー変更操作指示などへ置き換えることで、これら操作指示を受け付けるコマンダ2の応答処理を、各操作指示それぞれに対応した処理へ、と変更すれば、携帯端末Tnを用いて、コマンダ2で演奏するカラオケ曲に対する各種操作を受け付けるともできる。この場合、携帯端末Tnからカラオケ曲に対する操作ができる期間をユーザのログイン期間中に制限することができ、その結果、セキュリティを維持しつつ、ユーザがログイン期間中に携帯端末Tnを用いて速やかにカラオケ曲に対する操作を行うことができる。
【符号の説明】
【0065】
1 リモコン
2 コマンダ
3 管理サーバ
Tn 携帯端末
S カラオケシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケ曲の選曲に用いられる選曲装置と、予約されたカラオケ曲を演奏するカラオケ装置と、携帯機器がネットワークを介して接続されるサーバ装置と、を備えるカラオケシステムにおいて、
前記選曲装置、前記カラオケ装置、前記携帯機器、及び前記サーバ装置のうちの少なくとも何れか1つが、
前記携帯機器のユーザを識別するためのユーザ識別情報であって前記選曲装置から入力された前記ユーザ識別情報と、当該選曲装置に対応付けられた前記カラオケ装置を識別するためのカラオケ装置識別情報とを取得する第1取得手段と、
前記第1取得手段により取得された前記ユーザ識別情報と前記カラオケ装置識別情報とを対応付けた対応付け情報を記録する第1記録手段と、
前記携帯機器から入力された前記ユーザ識別情報を取得する第2取得手段と、
前記第2取得手段により取得されたユーザ識別情報に対応するユーザ識別情報が、前記第1記録手段により記録された前記対応付け情報に含まれる場合、当該ユーザ識別情報により識別される前記ユーザのログインを許可し、当該ユーザがログイン中であることを示すログイン情報を記録する第2記録手段と、
を備え、
前記カラオケ装置は、前記携帯機器のユーザの前記ログイン情報が記録されている期間中、前記携帯機器において選曲されたカラオケ曲に対する操作を受け付ける操作受付手段を備えることを特徴とするカラオケシステム。
【請求項2】
前記第2記録手段は、ログイン中である前記ユーザについて所定のログアウト条件を満たす場合に、当該ユーザの前記ログイン情報に代えて当該ユーザがログアウトしたことを示すログアウト情報を記録し、
前記携帯機器のユーザの前記ログアウト情報が記録された場合、前記カラオケ装置の前記操作受付手段による前記カラオケ曲に対する操作の受け付けが終了することを特徴とする請求項1に記載のカラオケシステム。
【請求項3】
前記サーバ装置は、前記携帯機器のユーザの前記ログイン情報が記録されている期間中に、当該ユーザが使用する前記携帯機器において選曲されたカラオケ曲に対する操作依頼を示す操作依頼情報と当該ユーザの前記ユーザ識別情報を、前記ネットワークを介して受信した場合、当該受信した前記ユーザ識別情報に対応付けられた前記カラオケ装置識別情報に対応するカラオケ装置に対して、前記操作依頼情報に示されるカラオケ曲に対する操作を受け付けさせる制御手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のカラオケシステム。
【請求項4】
前記第2記録手段により前記ユーザがログイン中であることを示すログイン情報が記録された場合に、前記サーバ装置は、当該ユーザの前記ユーザ識別情報に対応付けられた前記カラオケ装置識別情報により識別される前記カラオケ装置へ接続するための接続情報を、前記ネットワークを介して前記携帯機器に送信する送信手段を備え、
前記携帯機器は前記接続情報にしたがって無線LAN(Local Area Network)を介して前記カラオケ装置に接続し、
前記カラオケ装置の前記操作受付手段は、前記携帯機器において選曲されたカラオケ曲に対する操作を前記無線LANを介して当該携帯機器から受け付けることを特徴とする請求項1又は2に記載のカラオケシステム。
【請求項5】
カラオケ曲の選曲に用いられる選曲装置と、
予約されたカラオケ曲を演奏するカラオケ装置と、
携帯機器がネットワークを介して接続されるサーバ装置と、を備えるカラオケシステムであって、前記選曲装置、前記カラオケ装置、前記携帯機器、及び前記サーバ装置のうちの少なくとも何れか1つが、前記携帯機器のユーザを識別するためのユーザ識別情報であって前記選曲装置から入力されたユーザ識別情報と、前記選曲装置に対応付けられた前記カラオケ装置を識別するためのカラオケ装置識別情報とを対応付けた対応付け情報を記録するカラオケシステムにおいて前記携帯機器に含まれるコンピュータに、
前記携帯機器のユーザのログインを行うための処理を実行するステップと、
前記携帯機器から入力された前記ユーザ識別情報に対応するユーザ識別情報が前記対応付け情報に含まれると判定されることにより当該ユーザ識別情報により識別される前記ユーザのログインが許可された場合に、当該ログインの期間中、前記携帯機器において選曲されたカラオケ曲に対する操作要求を、当該ユーザの前記ユーザ識別情報に対応付けられた前記カラオケ装置識別情報により識別される前記カラオケ装置又は前記サーバ装置へ行うステップと、
を実行させることを特徴とする携帯機器用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−37146(P2013−37146A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172401(P2011−172401)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】