説明

カラオケシステム及びこれに使用される選曲目次本

【課題】本発明は、複数の楽曲から所望の楽曲を選曲させるカラオケシステム及び選曲目次本に関し、選曲目次本に新たな付加価値を与えて歌唱行為を喚起し、意匠性を損なわずに関連情報に関する情報提供、宣伝効果の向上を図ることを目的とする。
【解決手段】楽曲表示領域及び情報表示領域に対応の内容が印刷され、この領域上に、視覚的判別困難で光学的読取自在に当該内容を特定するドットコードを所定配列で複数印刷したドットコード領域を形成させた選曲目次本51を用いて、コード解析手段43が、光学的に読み取られたドットコードから関連情報格納手段に格納されている関連情報を特定し、表示制御手段46が当該特定された関連情報を関連情報DBより取得して表示部48に表示させる構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラオケ歌唱に際して目次本を用いて複数の楽曲から所望の楽曲を選曲させるカラオケシステム及び選曲目次本に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信カラオケの施設が全国的に広がりを見せ、記録技術の発展や表示装置の発展、また通信技術の発展により利用者に対して種々のサービスを提供することができるようになってきている。このようなカラオケシステムにおいては、楽曲の電子的な選曲機能を備えているものも多いが、機械操作の不慣れな利用者のために依然として選曲目次本を併存させている。このような選曲目次本に新たな付加価値を備えさせることも望まれ、これによって歌唱行為を喚起し、また、一方で利用者に対する選曲目次本による楽曲等に関する情報提供や宣伝効果の向上等が望まれる。
【0003】
従来、カラオケシステムで用いられている選曲目次本は選曲させることを主目的としており、選曲効率向上の要請から選曲の煩わしさを解消する選曲目次本が以下の特許公報で提案されている。当該特許文献で提案されている選曲目次本は、上記楽曲や楽曲コードが印刷される他に、当該楽曲コードと同じ情報のバーコードを並べて印刷しておくもので、選曲にあたって利用者がバーコードリーダでスキャンすることによって所望の楽曲を選択、予約させるというものである。一方で、選曲目次本には、歌唱対象の楽曲アーチスト等に関する情報提供や宣伝広告等の付加価値を備えさせることも検討されており、当該特許文献に記載されているようなバーコードを情報提供や宣伝広告等に関連付けて印刷しておくことも考えられる。
【0004】
【特許文献1】特開平09−218688号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、バーコードは主に商品や伝票等に施されるものとのイメージから、冊子と観念される選曲目次本にバーコードを印刷することは意匠性を損なうという問題があると共に、歌唱対象の楽曲が増大する中でバーコードを印刷するスペースを必要としてページ数の増大や印刷文字の縮小化を招き、使い勝手が悪くなるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は上記課題に鑑みなされたもので、選曲目次本に新たな付加価値を与えて歌唱行為を喚起し、意匠性を損なわずに関連情報に関する情報提供、宣伝効果の向上を図るカラオケシステム及び選曲目次本を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1の発明では、冊子状の各ページに、楽曲を選曲させるための楽曲表示領域及び楽曲関連情報を伝達するための情報表示領域に対応の内容がそれぞれ印刷される選曲目次本であり、少なくとも何れかの上記領域上の所定部に、微小なドットの形成位置情報を最小単位のコードとしてこれを所定数組み合わせたドットコードを上記対応の内容に関連付けた情報で構成して視覚的判別困難で光学的読取自在に所定配列で複数印刷したドットコード領域を形成させた選曲目次本を用いるカラオケシステムであって、前記楽曲表示領域及び情報表示領域に対応の内容に関連する関連情報がそれぞれ格納する関連情報格納手段と、前記関連情報格納手段に格納されている各関連情報と前記ドットコードが関連付けられたテーブルを備え、前記光学的に読み取られた前記ドットコードから上記テーブルを参照して上記関連情報格納手段に格納されている関連情報を特定するコード解析手段と、前記コード解析手段で特定された関連情報を前記関連情報格納手段より取得して表示させる表示制御手段と、を有する構成とする。
【0008】
請求項2の発明では、請求項1記載のカラオケシステムであって、前記関連情報格納手段に格納されている関連情報にはグッズコードで特定される関連グッズの情報が含まれたものであり、当該グッズコードと当該関連グッズに関連した情報及び当該関連グッズの提供者情報とを関連付けたグッズ対応テーブルを備え、前記表示制御手段が、前記表示された関連情報から所定の関連グッズが選択されたときに、前記グッズコードから前記グッズ対応テーブルを参照して当該関連グッズに関連した情報及び当該関連グッズの提供者情報を取得し、当該関連グッズ提供者に通信ネットワークを介してアクセス可能に表示させる構成である。
【0009】
請求項3の発明では、カラオケ演奏対象の複数の楽曲から所望の楽曲を選曲させる請求項1記載のカラオケシステムで使用される選曲目次本であって、冊子状の各ページに、楽曲を選曲させるための楽曲表示領域及び楽曲関連情報を伝達するための情報表示領域に対応の内容がそれぞれ印刷される選曲目次本であり、少なくとも何れかの上記領域上の所定部に、微小なドットの形成位置情報を最小単位のコードとしてこれを所定数組み合わせたドットコードを上記対応の内容に関連付けた情報で構成して視覚的判別困難で光学的読取自在に所定配列で複数印刷したドットコード領域を形成させる構成とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、冊子状の各ページに、楽曲を選曲させるための楽曲表示領域及び楽曲関連の情報を伝達するための情報表示領域に対応の内容がそれぞれ印刷され、少なくとも何れかの上記領域上の所定部に、微小なドットの形成位置情報を最小単位のコードとしてこれを所定数組み合わせたドットコードを上記対応の内容に関連付けた情報で構成して視覚的判別困難で光学的読取自在に所定配列で複数印刷したドットコード領域を形成させた選曲目次本を用いて、光学的に読み取られたドットコードから関連情報格納手段に格納されている関連情報を特定させることにより、選曲目次本に付加価値を与えて歌唱行為、システム利用を喚起させることができ、用いられる選曲目次本には視覚的判別困難なドットコードが印刷されることから意匠性を損なうことなく、また、特別な印刷領域を不要として省スペース化が図られ、関連情報に関する情報提供や宣伝効果の向上を図ることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の最良の実施形態を図により説明する。本実施形態では、カラオケシステムをスタンドアローンのカラオケ機能を備えるものとして示すが、通信カラオケシステムについても適用することができるものである。
【0012】
図1に本発明に係るカラオケシステムのブロック構成図を示すと共に、図2に本発明に係るカラオケシステムに付随する遠隔入出力端末のブロック構成図を示す。図1に示すカラオケシステム11は、主要装置としてのカラオケ装置12及び遠隔入出力端末13を有する。カラオケ装置12は、バス21、中央制御部22、ROM23、RAM24、RAM24の領域に形成される予約管理記憶部25、再生制御部26、音楽曲出力部27、記憶装置28(楽曲DB(データベース)29)、関連情報DB30、グッズ対応テーブル31)及び送受信部32,33を適宜備える。また、当該カラオケ装置12に有線及び無線で外部接続されるものとして、映像表示部34、ミキシングアンプ35、マイク36及びスピーカ37を備える。なお、上記各構成について、本発明の要旨と直接関連しない要素部分であっても、従前のカラオケ装置においても大部分が適用可能であることを示すために、装置全体を説明する。
【0013】
中央制御部22は、このシステムを統括的に処理制御する物理的なCPUであり、ROM23に記憶されているプログラムに基づくアルゴリズム処理を行う。また、中央制御部22には、当該システムを統括的に制御処理する他に、図示しない表示ファイル作成手段のプログラムが含まれる。上記RAM24は、種々のプログラムを展開、実行させるための作業領域としての役割を有し、ここでは利用者により選曲された楽曲を当該楽曲コードで順番に予約記憶する予約管理記憶部25の領域を有するものであり、例えば半導体メモリで構成され、仮想的にハードディスク上に構築される場合をも含む概念である。
【0014】
上記再生制御部26は、演奏時に、選択されて楽曲DB29より抽出された楽曲データのうちのテロップデータ(歌詞文字データ)を当該楽曲の演奏データに同期させて映像表示部34に出力する電子回路である。当該映像表示部34としては例えば、ブラウン管(CRT)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)等がある。上記音楽曲出力部27は、楽曲コードで楽曲DB29より抽出された演奏データをデジタル再生し、アナログ変換してミキシングアンプ35に出力する電子回路である。当該ミキシングアンプ35は、マイク36より入力した歌唱者の歌唱音声と、当該音楽曲出力部27より送られてくる演奏データをミキシングし、増幅してスピーカ37より出力させるものである。
【0015】
上記記憶装置28は例えばハードディスクであり、当該記憶装置28に記憶される楽曲DB29は、演奏データ(ファイル)及びテロップデータ(ファイル)で構成される楽曲データ(ファイル)について楽曲コードをファイル名としてそれぞれ備え、これに付随した例えば歌い出し歌詞のデータ等をそれぞれ備える。
【0016】
また、上記記憶装置28に記憶される関連情報DB30は、後述の図3で説明する選曲目次本の各ページに印刷された楽曲を選曲させるための楽曲表示領域及び情報伝達のための情報表示領域に対応の内容に関連した関連情報を、ここではファイルとして備えるもので、当該関連情報ファイルの内容にはグッズコードで特定される関連グッズの情報が含まれる。当該情報表示領域に印刷されるものとしては、例えば写真、グラフィック広告、楽曲コラム等があり、これらに関連する関連情報としては例えばアーチストや楽曲の関連情報があり、関連情報の内容に含まれる関連グッズとしては例えばコンサートチケット、CD、装飾品等がある。
【0017】
さらに、上記記憶装置28に記憶されるグッズ対応テーブル31は、図6で説明するが、グッズコードに、例えば通販グッズ、価格、当該グッズの提供者のサプライサーバのサイトURL等が関連付けられたものである。
【0018】
上記送受信部32は、図2で説明する遠隔入出力端末13との間で有線方式ないし無線方式(IR方式やブルートゥース機構のピコネット接続方式など)を利用してデータ授受を行うためのもので、そのための回路基板およびプログラムを備える。また、送受信部33は、当該カラオケシステム11(遠隔入出力端末13からのアクセスを含む)を通信ネットワーク14に接続するための回路基板およびプログラムを備えるもので、少なくとも当該通信ネットワーク14上に接続されているグッズ提供者のサプライサーバ(図示せず)にアクセス自在とするものである。
【0019】
なお、図示しないが、当該カラオケ装置12には演奏楽曲、歌唱音声に対する種々の調節を行うボタンやツマミ類が可変抵抗器等の電子素子に直結された操作パネルも接続され、当該操作パネルはエコーや左右バランス、スピーカ37からの出力音量のボリウム等を備える。
【0020】
一方、上記遠隔入出力端末13は、図2に示すように、ユーザインタフェース機能を備えて対応のカラオケ装置12に対して利用者に楽曲を選択させる機能を主として備えるものであると共に、カラオケ装置12の送受信部32との通信で当該カラオケ装置12とデータ授受の自在なものであって、制御部41、プログラム格納部に格納されるものとしてのGUI制御手段42、コード解析手段43及び表示制御手段46、また、送受信部47、表示部48及びコード受信部49を備える。そして、当該遠隔入出力端末13に付随するものとしてコード読取部50が上記コード受信部49にデータ送信自在に設けられる。ここでは、無線式とするが、有線式であってもよい。
【0021】
上記制御部41は、図示しないROMに格納されているプログラムを実行処理して当該遠隔入出力端末13を統括的な処理を行うものであり、GUI処理手段42及びコード解析手段43のプログラムを実行する。GUI処理手段42は、図示しないRAMに展開されるもので、ユーザインタフェース機能として、例えば表示部48と相俟って液晶ディスプレイ(LCD)とタッチセンサとを積層した入出力用を可能とし、表示されるアイコン等に対応して当該タッチセンサにより楽曲の選択などのデータを入力することができるGUIである。
【0022】
上記コード解析手段43は、所定のドット形成位置情報と最小単位のコードが関連付けられた第1テーブル44(図5(A)で説明する)を備えると共に、関連情報DB30に格納されている関連情報とドットコードが関連付けられた第2テーブル45(図5(B)で説明する)を備え、コード受信部49でコード読取部50より取得した総てのドット形成位置情報から、含まれるドットコードを構成する一群のドットを特定し、当該特定された一群のドットの形成位置情報から第1テーブル44を参照してドットコードを特定し、当該特定したドットコードから第2テーブル45を参照して当該関連情報DB30に格納されている関連情報を特定するプログラムであり、図示しないRAMに展開されて実行される。ここでは、当該第1テーブル44及び第2テーブル45を、コード解析手段43のプログラムの中に含ませる場合としたが、別途メモリ領域に記憶させておくこととしてもよい。
【0023】
上記表示制御手段46は、コード解析手段43で特定された関連情報を関連情報DB30より取得して表示させ、また、表示部48に表示された関連情報から所定の関連グッズが選択されたときに、グッズコードからグッズ対応テーブル31を参照して当該関連グッズに関連する情報及び当該関連グッズの提供者情報を取得し、通信ネットワーク14を介して提供者のサプライサーバにアクセス可能に表示部48に表示させるプログラムであり、図示しないRAMに展開されて実行される。
【0024】
上記送受信部47は、カラオケ装置12の送受信部32との間で有線方式ないし無線方式(IR方式やブルートゥース機構のピコネット接続方式など)を利用してデータ授受を行うためのもので、そのための回路基板およびプログラムを備える。そして、コード受信部49は、コード読取部50が後述する選曲目次本51の所望楽曲の楽曲表示領域及び情報表示領域上より読み取った所定エリアにおける総てのドット形成位置情報のイメージ画像を、ここでは無線式(IR方式やブルートゥース機構のピコネット接続方式など)を利用して取得するためのもので、そのための回路基板およびプログラムを備える。
【0025】
ここで、上記選曲目次本51は、一例を図3で説明するが、冊子状の各ページに、楽曲を選曲させるための楽曲表示領域及び情報伝達のための情報表示領域に対応の内容がそれぞれ印刷され、少なくとも何れかの上記領域上に、微小なドットの形成位置情報を最小単位のコードとしてこれを所定数組み合わせたドットコードを上記対応の内容に関連付けた情報で構成して視覚的判別困難で光学的読取自在なインキにより所定配列で複数印刷させたものである。
【0026】
上記コード読取部50は、選曲目次本51の所望の楽曲が印刷された上記楽曲表示領域及び情報表示領域上で後述のドットコードが含まれるエリアを光学的な読み取りエリアとする(後述する)、例えば赤外線イメージセンサである。
【0027】
ここで、図3に本発明に係る選曲目次本の内容の概念図を示すと共に、図4に本発明におけるドットコードの原理図を示す。本発明に係る選曲目次本51は、図3(A)、(B)に示すように、各ページの台紙61上に例えばアーチスト名、曲名、当該曲の楽曲コードが通常の印刷インキで印刷されると共に、ここでは当該ページに音楽関連情報の広告が印刷インキで印刷されるものとする。この場合、アーチスト名欄及び曲名欄を楽曲表示領域62とし、広告掲載部分を楽曲関連情報伝達のための情報表示領域63とする。なお、情報表示領域63として、ここでは図示しないが、上述のように写真、楽曲コラム等を適宜掲載してもよく、またページ全体に掲載してもよい。そして、この楽曲表示領域62及び情報表示領域63上の所定部分に当該当該掲載された内容と関連する情報を特定するための情報のドットコード領域64として所定数のドットコードが視覚的判別困難で光学的読取自在なインキにより所定配列で複数印刷されたものである。なお、上記ドットコード領域64の形成は、必ずしも楽曲表示領域、情報表示領域の全部でなくともよく、一部であってもよい。
【0028】
上記ドットコード領域64を印刷する視覚的判別困難で光学的読取自在なインキは、例えば従前より知られている赤外線吸収ステルスインキ又はカーボンブラックインキで実現することができる。この場合、上記楽曲表示領域及び情報伝達領域上の該当内容を印刷する印刷インキは、白黒及び多色を問わず、黒色については赤外線吸収性の低いノンカーボンブラックを使用することにより当該ドットコードの誤読を防止することができるものである。ドットコードについては、微小なドットの形成位置情報を最小単位のコードとしてこれを所定数組み合わせたものとして、詳細は特許第3706385号公報に記載されている。
【0029】
すなわち、図4(A)に示すように、ドットコード71は、キードット72の周辺に格子ドット73を例えば5×5で設けてこれを16のブロック1〜16とし、各ブロックに情報ドット74をそれぞれ配置させたものである。この場合、格子ドット73間を例えば1mmとし、各ドットを例えば0.1mmとする。また、当該情報ドット74は、図4(B)に示すように、上記各ブロック内で仮想的に定めた中心に対してその形成位置によって情報(ベクトル情報)を持たせている。例えば、仮想中心から所定距離(例えば0.2mm)で45度ずつずらせた8つの形成位置(ベクトル位置)でそれぞれ3ビットを最小単位のコード情報としている。この各情報ドット74を図4(A)の各ブロック1〜16内に配置させることで4mm四方の48ビットのドットコード71が生成されるものである。
【0030】
そして、図4(A)に示すドットコード71を、図3(A)に示す選曲目次本51の楽曲表示領域62及び情報表示領域63上に、当該当該掲載された内容と関連する情報を特定するための情報のドットコード領域64として視覚的判別困難で光学的読取自在なインキにより繰り返し配列で複数印刷されるものである。この場合、楽曲表示領域62及び情報表示領域63上に上記のようなドットコード71が所定数形成されたドットコード領域64に対し、コード読取部50の読み取りエリアを例えば10mm四方とすると、面積的には4つのドットコード71が認識可能であり、その中で一のドットコード71が必ず含まれることとなる。したがって、上記楽曲表示領域の一点をコード読取部50で読み取りを行えば一のドットコード71が確実に読み取られることとなるものである。
【0031】
続いて、図5にコード解析手段の備える第1テーブル及び第2テーブルの一例の概念説明図を示すと共に、図6に本発明に係るカラオケシステムの備えるグッズ対応テーブルの説明図を示す。図5(A)において、第1テーブル44は、図4(B)に示す情報ドット74を、仮想中心点からのベクトルとして、ベクトル1に対する最小単位コード「000」から、時計方向に45度ずつずらせたベクトル8に対する最小単位コード「111」までを対応付けたテーブルであり、ベクトル1〜ベクトル8は上記コード解析手段43が図形認識して特定する。
【0032】
また、図5(B)において、第2テーブル45は、例えば上記のような48ビットのドットコード71を、関連情報DB30に格納されている関連情報ファイル名と対応付けたテーブルである。換言すれば、図2に示す選曲目次本51における楽曲表示領域62及び情報表示領域63上に形成されるドットコード領域64のドットコード71は、当該領域毎に対応させて、図4(A)に示すような形態で構成させるものである。なお、関連情報ファイルの内容は、図8(A)で一例を説明する。
【0033】
また、図6に示すグッズ対応テーブル31は、グッズコードに当該関連グッズ、価格、グッズ画像のファイル名及び通信ネットワーク14に接続されたグッズ提供者のサプライサーバのサイトURL情報が関連付けられたものである。この場合、上記のように関連情報DB30に格納されている関連情報ファイルの内容には関連グッズの情報表示(図8(A)で示す)がグッズコードの情報にリンク状態で含まれる。
【0034】
そこで、図7に図2の選曲目次本で指定された関連情報表示の処理フローチャートを示すと共に、図8に関連情報表示された内容の説明図を示す。まず、図1に示すカラオケシステム11のカラオケ装置12が起動され、遠隔入出力端末13も起動されている状態で、利用者が選曲目次本51の所定ページを開き、楽曲表示領域62又は情報表示領域63上のドットコード領域64の一点をコード読取部50で読み取りを行うと、読み取った所定数のドットコード71を含んだドット形成位置情報のイメージ画像が送信されて遠隔入出力端末13のコード受信部46が取得する(ステップ(S)1)。
【0035】
そこで、コード解析手段43が、取得された読み取りエリアの総てのドット形成情報のイメージ画像に基づいて、上記図4(A)のキードット72を特定し、当該キードット72の周辺に配置された格子ドット73を特定することで、外側格子ドット73の範囲内に含まれるドットコード71を構成する一群のドットを特定する(S2)。当該特定した一群のドットが図4(A)に示されたドット構成である。
【0036】
上記ドットコード71を構成する一群のドットが特定されると、4つの各格子ドット73で形成されるブロック1〜16内の各情報ドット74の形成位置情報から上記ベクトル(1〜8)を特定し、上記図5(A)の第1テーブル44を参照してそれぞれの情報ドット74の最小単位コードを特定する(S3)。続いて、図4(A)に示す各ブロック内において、キードット72を基準としたブロック1の最小単位コードから、時計方向の外渦巻き状にブロック16までの各最小単位コードを組み合わせて48ビットのドットコード71を特定し、当該特定したドットコードから上記図5(B)の第2テーブル45を参照して関連情報ファイル名を特定する(S4)。
【0037】
そして、表示制御手段46が、特定された関連情報ファイル名に基づいて送受信部47,28を介してカラオケ装置12の関連情報DB30より当該関連情報ファイルを抽出させ、当該ファイルの情報を取得して、図8(A)に示すように、遠隔入出力端末13の表示部48に表示させる(S5)。例えば、図3(A)に示す選曲目次本51の所定のアーチストの楽曲表示領域62上でコード読取部50によりコード読み取りが行われたとすると、特定されたドットコード71で表示させる関連情報ファイル(******.html)が関連情報DB30より抽出されてその内容が図8(A)に示すように表示され、その内容には関連グッズとして例えばアルバムCD、コンサート(チケット)が図6のグッズ対応テーブル31で示すようなグッズコードとリンク状態で表示されるものである。
【0038】
そこで、利用者が、例えばアルバムCDの関連グッズを指定すれば(S6)、表示制御手段46が指定された文章中の関連グッズにリンク関係にあるグッズコードに基づいてグッズ対応テーブル31を参照して、関連グッズ名、グッズ画像、価格、サイトURLを取得し、該当情報を図8(B)に示すように表示部48に表示させる(S7)。このとき、利用者が表示された関連グッズの内容の中からグッズ提供者の販売サイトのURLをタッチ等で指定すると(S8)、表示制御手段46が指定された関連グッズのサイトURLに送受信部47,32,33、通信ネットワーク14を介して接続し、そのサプライサーバのサイト画面を表示部48に表示させるものである(S9)。なお、サイト画面上で利用者が所定の購入内容を入力すると当該関連グッズが購入されることとなる。
【0039】
このように、利用者が選曲目次本51からコード読取部50により容易に関連情報を表示することができ、また所定領域の一点で読み取りさせることから、機械操作に不慣れな利用者であっても簡便な操作で関連情報を取得することができるという当該選曲目次本51に付加価値を与えることで歌唱行為、システム利用を喚起させることができ、一方で、当該選曲目次本51では視覚的判別困難なドットコードが印刷されることから意匠性を損なうことなく、また、特別な印刷領域を不要として省スペース化が図られ、関連情報に関する情報提供や宣伝効果の向上を図ることができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明のカラオケシステム及び選曲目次本は、主にカラオケ歌唱に際して複数の楽曲から所望の楽曲を選曲させる通信又はスタンドアローンのカラオケ機能を備えるアミューズメント産業上での利用に適する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係るカラオケシステムのブロック構成図である。
【図2】本発明に係るカラオケシステムに付随する遠隔入出力端末のブロック構成図である。
【図3】本発明に係る選曲目次本の内容の概念図である。
【図4】本発明におけるドットコードの原理図である。
【図5】コード解析手段の備える第1テーブル及び第2テーブルの一例の概念説明図である。
【図6】本発明に係るカラオケシステムの備えるグッズ対応テーブルの説明図である。
【図7】図2の選曲目次本で指定された関連情報表示の処理フローチャートである。
【図8】関連情報表示された内容の説明図である。
【符号の説明】
【0042】
11 カラオケシステム
12 カラオケ装置
13 遠隔入出力端末
30 関連情報DB
31 グッズ対応テーブル
43 コード解析手段
44 第1テーブル
45 第2テーブル
49 コード受信部
50 コード読取部
51 選曲目次本
64 ドットコード領域
71 ドットコード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冊子状の各ページに、楽曲を選曲させるための楽曲表示領域及び楽曲関連情報を伝達するための情報表示領域に対応の内容がそれぞれ印刷される選曲目次本であり、少なくとも何れかの上記領域上の所定部に、微小なドットの形成位置情報を最小単位のコードとしてこれを所定数組み合わせたドットコードを上記対応の内容に関連付けた情報で構成して視覚的判別困難で光学的読取自在に所定配列で複数印刷したドットコード領域を形成させた選曲目次本を用いるカラオケシステムであって、
前記楽曲表示領域及び情報表示領域に対応の内容に関連する関連情報がそれぞれ格納する関連情報格納手段と、
前記関連情報格納手段に格納されている各関連情報と前記ドットコードが関連付けられたテーブルを備え、前記光学的に読み取られた前記ドットコードから上記テーブルを参照して上記関連情報格納手段に格納されている関連情報を特定するコード解析手段と、
前記コード解析手段で特定された関連情報を前記関連情報格納手段より取得して表示させる表示制御手段と、
を有することを特徴とするカラオケシステム。
【請求項2】
請求項1記載のカラオケシステムであって、
前記関連情報格納手段に格納されている関連情報にはグッズコードで特定される関連グッズの情報が含まれたものであり、
当該グッズコードと当該関連グッズに関連した情報及び当該関連グッズの提供者情報とを関連付けたグッズ対応テーブルを備え、
前記表示制御手段が、前記表示された関連情報から所定の関連グッズが選択されたときに、前記グッズコードから前記グッズ対応テーブルを参照して当該関連グッズに関連した情報及び当該関連グッズの提供者情報を取得し、当該関連グッズ提供者に通信ネットワークを介してアクセス可能に表示させることを特徴とするカラオケシステム。
【請求項3】
カラオケ演奏対象の複数の楽曲から所望の楽曲を選曲させる請求項1記載のカラオケシステムで使用される選曲目次本であって、
冊子状の各ページに、楽曲を選曲させるための楽曲表示領域及び楽曲関連情報を伝達するための情報表示領域に対応の内容がそれぞれ印刷される選曲目次本であり、少なくとも何れかの上記領域上の所定部に、微小なドットの形成位置情報を最小単位のコードとしてこれを所定数組み合わせたドットコードを上記対応の内容に関連付けた情報で構成して視覚的判別困難で光学的読取自在に所定配列で複数印刷したドットコード領域を形成させることを特徴とする選曲目次本。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−9219(P2008−9219A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−180896(P2006−180896)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(390004710)株式会社第一興商 (537)
【Fターム(参考)】