カラオケシステム
【課題】所定の店舗から送信された電子メールを当該店舗のみで受信するというユーザニーズを満足するカラオケシステムを提供する。
【解決手段】本発明のカラオケシステムは、ホストサーバ100と、カラオケ楽曲の再生を行うコマンダ300と、所定の入力手段及び表示部とを有し、ホストサーバ100と通信網を介して通信を行うと共にコマンド300の制御を行うリモコン端末200とからなり、リモコン端末200によってホストサーバ100を介した電子メールの送受信を行うカラオケシステムにおいて、1つ以上のリモコン端末が属する所定の集合単位に属する全てのリモコン端末からは、当該集合単位に属するいずれかのリモコン端末から発信された電子メールのみの受信が許可される設定を有することを特徴とする。
【解決手段】本発明のカラオケシステムは、ホストサーバ100と、カラオケ楽曲の再生を行うコマンダ300と、所定の入力手段及び表示部とを有し、ホストサーバ100と通信網を介して通信を行うと共にコマンド300の制御を行うリモコン端末200とからなり、リモコン端末200によってホストサーバ100を介した電子メールの送受信を行うカラオケシステムにおいて、1つ以上のリモコン端末が属する所定の集合単位に属する全てのリモコン端末からは、当該集合単位に属するいずれかのリモコン端末から発信された電子メールのみの受信が許可される設定を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットなどの通信網に接続されて用いられると共に、ユーザがログインすることによって提供されるアカウントサービスを備えるカラオケシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カラオケシステムがインターネットなどの通信網に接続され用いられるようになったことに伴い、ユーザが自ら登録しておいたアカウントに、カラオケシステムで用いられるリモコン端末などからログインして、これまで歌った曲情報の履歴を参照したり、或いは、あらかじめ登録しておいた十八番の曲を素早く選曲したり、といったサービスが提供されるようになってきた。このようなカラオケシステムにおけるアカウント制導入に伴い、提供可能となったサービスの1つとして、電子メールサービスを挙げることができる。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2007−122620号公報)には、会員情報データベースを管理する会員情報サーバー装置などを設けておき、宛先になっている会員がログインした際に、会員情報サーバーからこのメッセージが送信され、サブコンピュータの画面に表示されようにして、地理的に離れた店舗の利用者同士でも、通信システムのネットワークを利用して電子メールのやりとりを可能としたカラオケシステムが開示されている。
【特許文献1】特開2007−122620号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
パーソナルコンピュータや携帯電話によるメールサービスにおいては、ユーザは自分に都合の良い場所において、自分宛の電子メールの開封を行うことができた。これに対して、カラオケシステムにおける電子メールサービスでは、電子メールの開封を行うリモコン端末が、カラオケ店舗などの所定の場所に設置される関係上、ユーザは必ずしも自分に都合のよい場所でメールを開封することができない、という事情がある。
【0005】
このような事情があったため、カラオケシステムが提供する電子メールサービスにおいては、パーソナルコンピュータや携帯電話によるメールサービスのそれに比べて、秘匿性の点で劣ることが考えられる。そこで、ユーザによってはメールの受信を制限したい、というニーズが存在していたが、従来そのような受信制限機能を提供するカラオケシステムは存在しない、という問題があった。
【0006】
より具体的には、所定の店舗から送信された電子メールは、当該店舗のみで受信した、といったユーザニーズに対応することが従来のカラオケシステムではできずに問題であった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記のような課題を解決するものであって、本発明の請求項1に係る発明は、ホストサーバと、所定の入力手段及び表示手段とを有し、前記ホストサーバと通信網を介して通信を行うリモコン端末とからなり、前記リモコン端末によって前記ホストサーバを介した電子メールの送受信を行うカラオケシステムにおいて、
1つ以上のリモコン端末が属する所定の集合単位に属する全てのリモコン端末からは、当該集合単位に属するいずれかのリモコン端末から発信された電子メールのみの受信が許可される設定を有することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、ホストサーバと、カラオケ楽曲の再生を行う演奏装置と、所定の入力手段及び表示手段とを有し、前記ホストサーバと通信網を介して通信を行うと共に前記演奏装置の制御を行うリモコン端末とからなり、前記リモコン端末によって前記ホストサーバを介した電子メールの送受信を行うカラオケシステムにおいて、1つ以上のリモコン端末が属する所定の集合単位に属する全てのリモコン端末からは、当該集合単位に属するいずれかのリモコン端末から発信された電子メールのみの受信が許可される設定を有することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載のカラオケシステムにおいて、所定の集合単位に属する全てのリモコン端末とは、所定の店舗に属する全てのリモコン端末であることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のカラオケシステムにおいて、電子メールの送受信を行うためにログインする際の認証はパスワードにより行うことを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のカラオケシステムにおいて、電子メールの送受信を行うためにログインする際の認証は指紋認証により行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のカラオケシステムによれば、所定の店舗から送信された電子メールを、当該店舗のみで受信したい、というユーザニーズを満足することが可能となるなど、電子メールサービスにおける細かいニーズに対応することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係るカラオケシステムの全体構成を示す図であり、図2は本発明の実施の形態に係るカラオケシステムの運用形態イメージを示す図である。
【0014】
図1及び図2において、50は通信網、60はルータ、70は無線LANアクセスポイント、100はホストサーバ、200、200'、200''、200'''、200''''はリモコン端末、300、300'、300''、300'''はコマンダ、400はアンプ、401はスピーカー、402はマイクロフォン、450はディスプレイをそれぞれ示している。
【0015】
本発明のカラオケシステムは、インターネットなどの通信網50を利用したものである。このようなカラオケシステムは、ホストサーバ100と、カラオケ店等の各カラオケルームに設置されるコマンダ300及びコマンダ300に対応付けして設けられているリモコン端末200とが、インターネットなどの通信網50を介して通信可能に構成されることによって形成されている。なお、このコマンダは特許請求の範囲においては、「演奏装置」として表現されているものである。
【0016】
コマンダ300、300'、300''、300'''は、カラオケ店舗などの各カラオケルーム(空間1、空間2、空間3、空間4・・・)のそれぞれに1台ずつ設置されることが想定されるものである。また、コマンダ300、300'、300''、300'''に対応する形で、各カラオケルームには、リモコン端末が設置されている。通常、コマンダ300、300'、300''には、それぞれ1台ずつのリモコン端末200、200'、200''が対応付けされているが、空間4におけるコマンダ300'''のように、リモコン端末2
00'''、200''''が複数台対応付けされるように設定することも可能である。
【0017】
ホストサーバ100側のルータ(不図示)とカラオケ店舗側のルータ60との間でインターネットネットワーク上に形成されるVPN(virtual private network)を介して、カラオケ店舗側のLANに接続されている。ルータ60には、図示するように、コマンダ300、300'、300''、300'''が接続される。また、ルータ60には、無線LANアクセスポイント70が接続されており、この無線LANアクセスポイント70とリモコン端末200、200'、200''、200'''、200''''が無線LANによって通信するようになっている。つまり、ホストサーバ100と、コマンダ300及びリモコン端末200との間の通信は、通信網50上のVPN及びカラオケ店舗の有線LAN、無線LANを介して行われることとなる。なお、それぞれのリモコン端末200にはそれぞれ固有のIDが付されており、ホストサーバ100に対してアクセスを行うときなどに自らのIDをサーバ側に報知する。
【0018】
コマンダ300は、リモコン端末200からの要求に応じて、有線LAN、無線LANを介して制御され得るようになっている。例えば、ユーザは、リモコン端末200から歌いたい曲を要求すると、当該要求はLAN経由でコマンダ300に送られ、コマンダ300がカラオケ楽曲をスタートさせるようになっている。
【0019】
カラオケシステムのホストサーバ100は、カラオケ店舗などに設置されているコマンダ300に対して楽曲データ、映像データやユーザへ提供するためのコンテンツデータ等を配信する。すなわち、ホストサーバ100は、基本的なカラオケサービス用のホストサーバとして機能する。
【0020】
また、ホストサーバ100は、リモコン端末200を介して、ID、パスワード、IDに対応したニックネームなどを登録することによって、自らのアカウントを取得したユーザに対する種々のサービスを提供する機能を有している。ここで、アカウントとは、本発明のカラオケシステムが提供するサービスを利用するために付与された、特定対象者に限定された権利のことである。
【0021】
このアカウントを取得したユーザ(以下、「アカウントユーザ」という)に対して、ホストサーバ100は、アカウントユーザがこれまで歌ってきた曲の履歴を保持しておいたり、アカウントユーザが得意とする曲のリストを保持しておいたり、アカウントユーザがこれから歌いたいとして登録した曲のリストを保持しておいたり、アカウントユーザ間などの電子メールの送受信を行ったり、といったサービスを提供する。
【0022】
本発明のカラオケシステムにおけるアカウントは、限定的な利用権とするために、特定の対象者を識別する必要があるが、本システムでは、パスワード又は指紋認証による方法が採用されている。しかしながら、アカウントの限定利用のための識別方法としては、このような方法によらず、他のバイオメトリック的手法を用いても構わない。
【0023】
次に、本発明のカラオケシステムにおけるコマンダ300についてより詳しく説明する。図3は本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるコマンダ及びその周辺のブロック構成を示す図である。図3において、301はバス、302は中央演算部、303は記憶部、304は第4通信部、305は第3通信部、306は入力部、307は表示制御部、310は音源部、330はミキサ部、400はアンプ、401はスピーカー、402はマイクロフォン、450はディスプレイをそれぞれ示している。
【0024】
カラオケルームなどの空間に配されるコマンダ300には、CRTやTFT等の映像表示装置であるディスプレイ450、音声増幅装置であるアンプ400が接続されており、
コマンダ300からの制御出力によりディスプレイ450に歌詞映像と背景画像を表示し、歌詞映像の表示と同期させてカラオケ楽曲の再生信号をアンプ400へ送出し、スピーカー401から演奏音が得られるようにしている。そして、前記アンプ400には、ミキサ部330を介してマイクロフォン402が接続されており、周知のようにカラオケシステムのユーザは、歌詞映像に合わせてこのマイクロフォン402から自身の発声を入力し、歌唱することになる。
【0025】
図3は、このように構成されたコマンダ300とその周辺の具体的構成を示すブロック図であり、バス301に接続された中央演算部302(CPU)がコマンダシステム全体の制御を司る。
【0026】
記憶部303には、ROM、RAM、HDDが用いられ、ROMには制御プログラムなどが格納され、RAMには制御処理の内容などの一時記憶が可能となるようにしている。HDDには、ホストサーバ100から受信した楽曲データ、映像データやカラオケ演奏以外の機能を実行させるデータであるデータを一時記憶させる。
【0027】
第4通信部304は、例えば赤外線通信が用いられ、リモコン端末200から送られてくる赤外線コード信号を受信し、コマンドデータに復元してバス301へ転送する。リモコン端末200からコマンダ300に対する指令信号は、カラオケ店舗内のLAN経由にても送信することができるが、「演奏スタート」や「唄い直し」などの比較的単純な指令信号は、この赤外線通信による通信部を利用することができる。
【0028】
第3通信部305は、周知の規格の有線LANが用いられ、ホストサーバ100からコマンダ300に対する制御命令や、楽曲データ、映像データやファームウエアデータなどをホストサーバ100からダウンロードするために利用される。また、第3通信部305は、コマンダ300を、LANを介して他のコマンダやその他の機器に接続するための接続器でもあり、コマンダ300はそのようにLAN24を介して接続されることで、他のコマンダや他の機器との間で情報の送受信が可能とされる。
【0029】
入力部306は、コマンダ300のフロントパネルに設けられた各種スイッチ機能であり、予約選曲、キーコントロール、歌唱プログラムなどカラオケ装置特有の機能をマニュアル設定が可能となるようにしている。表示制御部307は、カラオケ楽曲に伴う映像や、その他、コンテンツデータ、広告データなどの映像データをディスプレイ450により表示するための表示制御を行う。
【0030】
音源部310は、MIDI(Musical Instrument Digital
Interface)規格に基づく楽曲データから演奏可能な楽音信号を形成する。
【0031】
ミキサ部330は、音源部310が発声した複数の楽音信号とマイクロフォン402から入力される歌唱者の歌唱音声信号を適当なバランスでミキシングする。このミキサ部330でミキシングされた信号は、アンプ400に出力される。
【0032】
次に、本発明のカラオケシステムにおけるリモコン端末200についてより詳しく説明する。図4は本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末のブロック構成を示す図である。図4において、201はバス、202は中央演算部、203は記憶部、204はタッチパネル部、205は表示部、206は第1通信部、207は第2通信部、208は生体認証部をそれぞれ示している。
【0033】
リモコン端末200は、バス201に接続された中央演算部202(CPU)がリモコン端末全体の制御を司る。
【0034】
記憶部203には、ROM、RAM、不揮発性メモリが用いられ、ROMには制御プログラムなどが格納され、RAMには制御処理の内容などの一時記憶が可能となるようにしている。
【0035】
タッチパネル部204は、ユーザの指や図示しない備え付けのペン等による入力を行うものである。タッチパネル部204による入力を可能とするために、表示部205にはタッチパネル部204と連動した表示画像が表示されるようにプログラムされる。なお、本実施形態では、入力インターフェイス装置としてこのようなタッチパネル部204を用いる例について説明しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0036】
第1通信部206は、無線LANアクセスポイント70との間で無線LAN規格(例えば、IEEE802.11a/b/g規格など)に従った無線通信を行うための無線LAN信部である。
【0037】
第2通信部207は、例えば赤外線通信が用いられ、コマンダ300における第4通信部304との通信を行うものであり、所定の赤外線コード信号をコマンダ300に送出することが可能とされている。
【0038】
生体認証部208は、ユーザの指紋を読み取り、生体識別コードに変換するものであり、これによりアカウントを有するユーザを識別するものである。
【0039】
ところで、ユーザによってはアカウントへのログインのための認証方法として、指紋認証を好まないというような場合がある。そこで、本実施形態におけるカラオケシステムでは、生体認証部208の指紋による認証か、パスワードを使っての認証かをユーザが選択できるようになっている。
【0040】
次に、本実施形態に係るカラオケシステムが提供するアカウントユーザ間の電子メールの送受信サービスについてより詳しく説明する。図5は本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで提供される電子メールサービスの概念を示す図である。
【0041】
なお、図5においては、カラオケ店舗N1乃至N3が通信網50を介してホストサーバ100側に接続される形態でシステムが運用されている場合を示している。また、カラオケ店舗N1乃至N3には、リモコン端末がそれぞれ4台、2台、3台設置されていることを想定している。このような店舗数やリモコン端末数は例示的なものであり、本発明がこれに限定されるわけではない。なお、リモコン端末に付されている、例えばM2-1などは、そのリモコン端末に固有に付されるIDであるものとする。
【0042】
また、図示していないが、各カラオケ店舗の下には、これまで説明したコマンダ300が設置されるものである。また、図においてホストサーバ100には、アカウントユーザに提供されるアカウントサービスのみに関連する構成が示されており、その他のカラオケシステムとして機能に関連する構成については図示省略されている。
【0043】
図5において、110はメールサービス部、111は受信ボックス、112は送信ボックス、113はメール設定部、120は履歴情報設定部、130は登録曲設定部、140はリモコン端末情報データベースをそれぞれ示している。
【0044】
ホストサーバ100に登録したアカウントユーザは、例えば、ID=00000000001乃至ID=NNNNNNNNNNNのいずれかのユーザアカウントIDが付与され、そのようなIDの下で電子メールの送受信サービス、履歴情報の保存のサービスや、登
録曲の保存のサービスを受けるようになっており、それぞれのサービスは、図中のメールサービス部110、履歴情報設定部120、登録曲設定部130が担うようになっている。本実施形態では、履歴情報設定部120、登録曲設定部130によるサービスについては詳述を避け、メールサービス部110が担う機能について説明する。
【0045】
メールサービス部110は、カラオケシステムにおけるアカウントユーザ間のメールの送受信を担うものであり、メールサービス部110には、受信した電子メールを保存する受信ボックス111、送信した電子メールを保存する送信ボックス112、またアカウントユーザ個人毎の設定が保存されるメール設定部113が設けられている。このメール設定部113には、電子メールを受信することを可能とするリモコン端末を制限する設定などを保存することができる。
【0046】
リモコン端末情報データベース140は、それぞれのリモコン端末に固有に付与されているIDと、その所属先などを対応付けて記憶させるデータベースである。本実施形態においては、カラオケ店舗とそのカラオケ店舗に属するリモコン端末との対応を記憶する例について説明するが、必ずしもこのような例に限定されるものではない。
【0047】
上記のようなカラオケシステムでは、カラオケ店舗N1のリモコン端末M1-1でアカウントにログインして作成されたAAAAさんの電子メールのメッセージは、メールサービス部110の機能によって、例えばCCCCさんが保有するアカウントに配信される。そして、後刻、カラオケ店舗N3のリモコン端末M3-3でアカウントにログインしたCCCCさんは、AAAAさんからの電子メールのメッセージを受領し、参照することができる。
【0048】
ここで、リモコン端末200におけるタッチパネル部204を備えた表示部205によるユーザインターフェイス画面について説明する。図6及び図7は本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末におけるタッチパネル部・表示部のユーザインターフェイス画面例を示す図である。
【0049】
図6はリモコン端末200におけるログイン前のユーザインターフェイス画面例である。ここで、ユーザは生体認証部208による指紋認証か、或いはパスワード入力による認証かを行うことによって、自分のアカウントにログインする。図7は、ニックネーム「かとう たろう」さんが自らのアカウントにログインしたときの様子を示している。なお、アカウントに対する「ログイン」や「ログアウト」の概念は通常広く用いられているものと同様のものを用いることができる。
【0050】
本実施形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末200のユーザインターフェイス画面では、右側のカラムを中心として、アカウントに関わるメニュー表示がなされる。本ユーザインターフェイス画面例では、アカウントサービスの下では「マイメニュー」、「あなたへのオススメ」、「マイリスト」、「マイりれき」、「ログアウト」のいずれかを選択することができるようになっている。電子メールサービスに関連するサービスの選択は「マイメニュー」の下に存在するようになっている。
【0051】
次に、本実施形態に係るカラオケシステムで扱う種々のデータのデータ構造例について説明する。図8は本発明の実施の形態に係るカラオケシステムのメール設定部における設定データ構造例を示す図である。本実施形態のカラオケシステムにおいては、1つ以上のリモコン端末が属する所定の集合単位(例えば、カラオケ店舗N1)に属する全てのリモコン端末(M1-1、M1-2、M1-3、M1-4の4台)からは、その集合単位(カラオケ店舗N1)に属するいずれかのリモコン端末から発信された電子メールのみの受信が許可される受信制限設定を有するものであり、メール設定部113においては、このような受信制限を有効とするか、無効とするかの設定を保存するものである。図8に示される例では、メ
ール設定部113において、電子メールの受信制限がされている設定が示されている。
【0052】
次に、リモコン端末情報データベースのデータ構造例について説明する。図8は本発明の実施の形態に係るカラオケシステムのリモコン端末情報データベースにおけるデータ構造例を示す図である。本実施形態においては、図8に示すように、例えば、リモコン端末情報データベース140は、それぞれのリモコン端末に唯一無二に付与されているIDと、その所属先であるカラオケ店舗が対応付けられて記憶されている。なお、このリモコン端末情報データベースにおける記憶事項については、本発明の運用形態によって適宜変更することが可能である。本実施形態では、図示するような記憶事項によって、カラオケ店舗単位での受信制限を行うものであるが、本発明がこのような態様に限定されるわけではない。
【0053】
次に、本実施形態に係るカラオケシステムの受信ボックスにおけるデータ構造例ついて説明する。図10は本発明の実施の形態に係るカラオケシステムの受信ボックスにおけるデータ構造例を示す図である。受信ボックスにおいては、受信された1件毎のメールデータが格納されている。それぞれ1件毎のメールデータには、図示するように、少なくとも「受信日時」、「送信者 ID」、「送信元リモコン端末ID」、「メッセージ本文データ」の項目のデータが設けられている。「受信日時」、「送信者 ID」、「メッセージ本文データ」の各項目の下には、それぞれ電子メールの受信の日時、当該メールを送信した送信者のアカウントのID、当該メールの本体部分であるデータが記憶・保存されている。また、「送信元リモコン端末ID」の項目の下は、メールが送信されたリモコン端末のIDに係るデータが保存される。リモコン端末からメールを送信すると、送信メールの発信元のリモコン端末ID情報がホストサーバ100側には送信され、このような情報が受信ボックス側にもログされる。
【0054】
以上のように構成されるカラオケシステムにおいて、受信制限に係るホストサーバ100側の処理について説明する。アカウントユーザがリモコン端末からログインすると、ホストサーバ100側は当該アカウントにおける電子メールの状況を自動的にチェックする処理シーケンスが組まれている。この電子メールの状況チェックには、当該アカウントの受信ボックスをチェックした上で、メールをログインリモコン端末に配信する受信ボックス配信処理が含まれている。
【0055】
本発明では、この受信ボックス配信処理において、受信制限がかけられているときには、ログインしたリモコン端末が所定の集合単位のものであるとき、当該所定の集合単位に属するリモコン端末のいずれかから送信されたメールデータのみを配信するようにする。このような受信制限の設定は、所定の店舗に属するリモコン端末から配信されたメールは、当該店舗のみでしか閲覧することできないこととなる。これによれば、所定の店舗から送信された電子メールを、当該店舗のみで受信したい、というユーザニーズを満足することが可能となるなど、電子メールサービスにおける細かいニーズに対応することが可能となる。
【0056】
図11は本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるホストサーバにおける受信ボックス配信処理開始のフローチャートを示す図である。
【0057】
図11において、ステップS100で、受信ボックス配信処理が開始されると、続いて、ステップS101では、メール設定部113における設定が読み込まれる。
【0058】
次のステップS102では、メール設定部113における設定で、受信制限ありの設定がなされているか否かが判定される。
【0059】
ステップS102の判定結果がNOであり、受信制限がなされていない場合には、ステップS111に進み、ログインリモコン端末に対して、配信予定メール数を配信し、次のステップS113で受信ボックス配信処理を終了する。
【0060】
ステップS102の判定結果がYESであり、受信制限が設定されている場合には、ステップS103に進み、ログインし、メールを受信しようとしている受信対象リモコン端末IDの読み込みが行われる。リモコン端末IDは、メールの配信を受ける際には、自らのIDをホストサーバ100に通知するので、このような通知情報が本ステップで利用される。
【0061】
ステップS104では、リモコン端末情報データベース140が参照されて、受信対象リモコン端末が所属するカラオケ店舗に係る情報が抽出される。
【0062】
ステップS105では、受信ボックス112中の最新のメールの読み込みが実行される。
【0063】
続くステップS106では、当該メール(ステップS105又はステップS112で読み込まれたメール)の送信元リモコン端末IDの読み込みが行われる。このような送信元リモコン端末IDの読み込みは、図10に示すデータ構造の「送信元リモコン端末ID」の読み込みにより実現できる。
【0064】
次に、ステップS107では、リモコン端末情報データベース140が参照されて、送信元となるリモコン端末が所属するカラオケ店舗を抽出が抽出される。
【0065】
そして、ステップS108では、(受信リモコン端末が属する店舗)=(送信リモコン端末が属する店舗)が成立するか否かが判定される。ステップS108における判定結果がYESであるときにはステップS109に進み、ステップS109では、当該メールデータをリモコン端末側に配信する。
【0066】
また、ステップS108における判定結果がNOであるときにはステップS112に進み、ステップS112において、受信ボックス112から次のメールが読み込まれて、再びステップS106に戻る。
【0067】
ステップS110では、ログイン受信リモコン端末への配信予定メール数に達したか否かが判定される。ステップS110の判定結果がYESであるときにはステップS113に進み、受信ボックス配信の処理を終了する。
【0068】
ステップS110の判定結果がNOであるときにはステップS112に進み、受信ボックス112から次のメールが読み込まれて、再びステップS106に戻る。
【0069】
以上のような受信ボックス配信の処理によれば、受信制限がかけられているときには、所定の店舗に属するリモコン端末から配信されたメールは、当該店舗のみでしか閲覧することできないこととなり、所定の店舗から送信された電子メールを、当該店舗のみで受信したい、というユーザニーズを満足することが可能となるなど、電子メールサービスにおける細かいニーズに対応することが可能となる。
【0070】
次に、以上のように構成されるカラオケシステムにおけるリモコン端末での具体的操作例について説明する。まず、メール設定画面への移行するためのユーザインターフェイス画面について説明する。図11は本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末におけるタッチパネル部・表示部のユーザインターフェイス画面例を示す
図であり、ログイン後に「マイメニュー」にタッチしたときの状態を示している。
【0071】
このような画面表示においては、「マイメニュー」にタッチすると、図示するような対話用メッセージがポップアップ表示されるようになっている。この対話用メッセージにおいては、ユーザはメールを実際に行うための「メール」、当該アカウントにおけるメールをはじめとする種々の設定を行うための「登録・設定」、対話用メッセージを終了するための「閉じる」があり、ユーザはいずれかを選択することができるようになっている。
【0072】
ここで、ユーザが「メール」を選択してタッチすることによって、次に図13又は図14に示されるユーザインターフェイス画面に移行する。
【0073】
図13はメールの受信制限がない場合、又は、受信制限がある場合の表示画面であり、図14はメールの受信が制限されている場合の表示画面である。図13は受信ボックスの全ての内容がログイン端末側に配信されて、それが図示するように表示されるようになっている。これに対して、メールの受信制限が設定されている場合には、図14に示すように、あるリモコン端末でログインした時は、そのリモコン端末が属する同店舗からのメールのみに限り受信するようになっている。
【0074】
ユーザがメールの受信制限の設定の変更を行うときには「受信オプション」をタッチすることによって、例えば図15に示すようなユーザーインターフェイス画面表示に移行することで行う。
【0075】
図15は受信制限設定用の画面表示例である。いずれの画面においても「全ての店舗で受信(デフォルト)」を選択することで、全ての店舗、リモコン端末で電子メールの受信ができるように設定される。
【0076】
一方、図15に示す画面表示において「同じ店舗で送信されたメールのみ受信」を選択することによって、その店舗で発信されたメールをその店舗のみで受信する制限が設定される。
【0077】
また、電子メールの送信においては、「新規メッセージ作成」にタッチすることによって、図16に示すような画面表示に移行する。そして、図16に示すようなフォームにおいて、送信電子メールの作成を行うときにおいては、メールの送信先のIDやメッセージ本文を入力するが、このような入力は、例えば図17に示すような手書き入力などのユーザインターフェイスを用いることができる。
【0078】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図18は本発明の他の実施の形態に係るカラオケシステムの全体構成を示す図である。本実施形態においても、先の実施形態と同様にユーザアカウント制による電子メールサービスを行うものであるが、先の実施形態とは全体のシステム構成が異なっている。
【0079】
先の実施形態においては、無線LANアクセスポイント70が採用され、リモコン端末20は、このアクセスポイントを利用してLAN経由で、コマンダ300に対する指令信号などを送出していが、本実施形態では、この無線LANアクセスポイント70が省略され、リモコン端末200とコマンダ300との信号のやりとりはBluetooth規格などの無線通信を用いるようにしている。
【0080】
このような無線通信を用いると比較的大容量のデータ通信を無線によって行うことができるので、無線LANアクセスポイント70などの設置が不要となる。また、先の実施形態においては、リモコン端末200とコマンダ300と間の直接的な通信手段としては赤
外線通信による通信部が用いられていたが、本実施形態では、先のようなBluetooth規格などの無線通信が採用されるため、リモコン端末200及びコマンダ300に赤外線通信による通信部を設ける必要がなくなり、ハードウエア的に簡略化することができる、というメリットがある。
【0081】
なお、本明細書においては、種々の実施の形態について説明したが、それぞれの実施の形態の構成を適宜組み合わせて構成された実施形態も本発明の範疇となるものである。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムの全体構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムの運用形態イメージを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるコマンダ及びその周辺のブロック構成を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末のブロック構成を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで提供される電子メールサービスの概念を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末におけるタッチパネル部・表示部のユーザインターフェイス画面例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末におけるタッチパネル部・表示部のユーザインターフェイス画面例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムのメール設定部における設定データ構造例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムのリモコン端末情報データベースにおけるデータ構造例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムの受信ボックスにおけるデータ構造例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるホストサーバにおける受信ボックス配信処理開始のフローチャートを示す図である。
【図12】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末におけるタッチパネル部・表示部のユーザインターフェイス画面例を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末におけるタッチパネル部・表示部のユーザインターフェイス画面例を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末におけるタッチパネル部・表示部のユーザインターフェイス画面例を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末におけるタッチパネル部・表示部のユーザインターフェイス画面例を示す図である。
【図16】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末におけるタッチパネル部・表示部のユーザインターフェイス画面例を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末におけるタッチパネル部・表示部のユーザインターフェイス画面例を示す図である。
【図18】本発明の他の実施の形態に係るカラオケシステムの全体構成を示す図である。
【符号の説明】
【0083】
50は通信網、60・・・ルータ、70・・・無線LANアクセスポイント、100・・・ホストサーバ、110はメールサービス部、111・・・受信ボックス、112・・・送信ボックス、113・・・メール設定部、120・・・履歴情報設定部、130・・・登録曲設定部、140・・・リモコン端末情報データベース、200、200'、200''、200'''、200''''・・・リモコン端末、201・・・バス、202・・・中央演
算部、203・・・記憶部、204・・・タッチパネル部、205・・・表示部、206・・・第1通信部、207・・・第2通信部、208・・・生体認証部、300、300'、300''、300'''・・・コマンダ、301・・・バス、302・・・中央演算部、303・・・記憶部、304・・・第4通信部、305・・・第3通信部、306・・・入力部、307・・・表示制御部、310・・・音源部、330・・・ミキサ部、400・・・アンプ、401・・・スピーカー、402・・・マイクロフォン、450・・・ディスプレイ
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットなどの通信網に接続されて用いられると共に、ユーザがログインすることによって提供されるアカウントサービスを備えるカラオケシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カラオケシステムがインターネットなどの通信網に接続され用いられるようになったことに伴い、ユーザが自ら登録しておいたアカウントに、カラオケシステムで用いられるリモコン端末などからログインして、これまで歌った曲情報の履歴を参照したり、或いは、あらかじめ登録しておいた十八番の曲を素早く選曲したり、といったサービスが提供されるようになってきた。このようなカラオケシステムにおけるアカウント制導入に伴い、提供可能となったサービスの1つとして、電子メールサービスを挙げることができる。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2007−122620号公報)には、会員情報データベースを管理する会員情報サーバー装置などを設けておき、宛先になっている会員がログインした際に、会員情報サーバーからこのメッセージが送信され、サブコンピュータの画面に表示されようにして、地理的に離れた店舗の利用者同士でも、通信システムのネットワークを利用して電子メールのやりとりを可能としたカラオケシステムが開示されている。
【特許文献1】特開2007−122620号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
パーソナルコンピュータや携帯電話によるメールサービスにおいては、ユーザは自分に都合の良い場所において、自分宛の電子メールの開封を行うことができた。これに対して、カラオケシステムにおける電子メールサービスでは、電子メールの開封を行うリモコン端末が、カラオケ店舗などの所定の場所に設置される関係上、ユーザは必ずしも自分に都合のよい場所でメールを開封することができない、という事情がある。
【0005】
このような事情があったため、カラオケシステムが提供する電子メールサービスにおいては、パーソナルコンピュータや携帯電話によるメールサービスのそれに比べて、秘匿性の点で劣ることが考えられる。そこで、ユーザによってはメールの受信を制限したい、というニーズが存在していたが、従来そのような受信制限機能を提供するカラオケシステムは存在しない、という問題があった。
【0006】
より具体的には、所定の店舗から送信された電子メールは、当該店舗のみで受信した、といったユーザニーズに対応することが従来のカラオケシステムではできずに問題であった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記のような課題を解決するものであって、本発明の請求項1に係る発明は、ホストサーバと、所定の入力手段及び表示手段とを有し、前記ホストサーバと通信網を介して通信を行うリモコン端末とからなり、前記リモコン端末によって前記ホストサーバを介した電子メールの送受信を行うカラオケシステムにおいて、
1つ以上のリモコン端末が属する所定の集合単位に属する全てのリモコン端末からは、当該集合単位に属するいずれかのリモコン端末から発信された電子メールのみの受信が許可される設定を有することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、ホストサーバと、カラオケ楽曲の再生を行う演奏装置と、所定の入力手段及び表示手段とを有し、前記ホストサーバと通信網を介して通信を行うと共に前記演奏装置の制御を行うリモコン端末とからなり、前記リモコン端末によって前記ホストサーバを介した電子メールの送受信を行うカラオケシステムにおいて、1つ以上のリモコン端末が属する所定の集合単位に属する全てのリモコン端末からは、当該集合単位に属するいずれかのリモコン端末から発信された電子メールのみの受信が許可される設定を有することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載のカラオケシステムにおいて、所定の集合単位に属する全てのリモコン端末とは、所定の店舗に属する全てのリモコン端末であることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のカラオケシステムにおいて、電子メールの送受信を行うためにログインする際の認証はパスワードにより行うことを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のカラオケシステムにおいて、電子メールの送受信を行うためにログインする際の認証は指紋認証により行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のカラオケシステムによれば、所定の店舗から送信された電子メールを、当該店舗のみで受信したい、というユーザニーズを満足することが可能となるなど、電子メールサービスにおける細かいニーズに対応することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係るカラオケシステムの全体構成を示す図であり、図2は本発明の実施の形態に係るカラオケシステムの運用形態イメージを示す図である。
【0014】
図1及び図2において、50は通信網、60はルータ、70は無線LANアクセスポイント、100はホストサーバ、200、200'、200''、200'''、200''''はリモコン端末、300、300'、300''、300'''はコマンダ、400はアンプ、401はスピーカー、402はマイクロフォン、450はディスプレイをそれぞれ示している。
【0015】
本発明のカラオケシステムは、インターネットなどの通信網50を利用したものである。このようなカラオケシステムは、ホストサーバ100と、カラオケ店等の各カラオケルームに設置されるコマンダ300及びコマンダ300に対応付けして設けられているリモコン端末200とが、インターネットなどの通信網50を介して通信可能に構成されることによって形成されている。なお、このコマンダは特許請求の範囲においては、「演奏装置」として表現されているものである。
【0016】
コマンダ300、300'、300''、300'''は、カラオケ店舗などの各カラオケルーム(空間1、空間2、空間3、空間4・・・)のそれぞれに1台ずつ設置されることが想定されるものである。また、コマンダ300、300'、300''、300'''に対応する形で、各カラオケルームには、リモコン端末が設置されている。通常、コマンダ300、300'、300''には、それぞれ1台ずつのリモコン端末200、200'、200''が対応付けされているが、空間4におけるコマンダ300'''のように、リモコン端末2
00'''、200''''が複数台対応付けされるように設定することも可能である。
【0017】
ホストサーバ100側のルータ(不図示)とカラオケ店舗側のルータ60との間でインターネットネットワーク上に形成されるVPN(virtual private network)を介して、カラオケ店舗側のLANに接続されている。ルータ60には、図示するように、コマンダ300、300'、300''、300'''が接続される。また、ルータ60には、無線LANアクセスポイント70が接続されており、この無線LANアクセスポイント70とリモコン端末200、200'、200''、200'''、200''''が無線LANによって通信するようになっている。つまり、ホストサーバ100と、コマンダ300及びリモコン端末200との間の通信は、通信網50上のVPN及びカラオケ店舗の有線LAN、無線LANを介して行われることとなる。なお、それぞれのリモコン端末200にはそれぞれ固有のIDが付されており、ホストサーバ100に対してアクセスを行うときなどに自らのIDをサーバ側に報知する。
【0018】
コマンダ300は、リモコン端末200からの要求に応じて、有線LAN、無線LANを介して制御され得るようになっている。例えば、ユーザは、リモコン端末200から歌いたい曲を要求すると、当該要求はLAN経由でコマンダ300に送られ、コマンダ300がカラオケ楽曲をスタートさせるようになっている。
【0019】
カラオケシステムのホストサーバ100は、カラオケ店舗などに設置されているコマンダ300に対して楽曲データ、映像データやユーザへ提供するためのコンテンツデータ等を配信する。すなわち、ホストサーバ100は、基本的なカラオケサービス用のホストサーバとして機能する。
【0020】
また、ホストサーバ100は、リモコン端末200を介して、ID、パスワード、IDに対応したニックネームなどを登録することによって、自らのアカウントを取得したユーザに対する種々のサービスを提供する機能を有している。ここで、アカウントとは、本発明のカラオケシステムが提供するサービスを利用するために付与された、特定対象者に限定された権利のことである。
【0021】
このアカウントを取得したユーザ(以下、「アカウントユーザ」という)に対して、ホストサーバ100は、アカウントユーザがこれまで歌ってきた曲の履歴を保持しておいたり、アカウントユーザが得意とする曲のリストを保持しておいたり、アカウントユーザがこれから歌いたいとして登録した曲のリストを保持しておいたり、アカウントユーザ間などの電子メールの送受信を行ったり、といったサービスを提供する。
【0022】
本発明のカラオケシステムにおけるアカウントは、限定的な利用権とするために、特定の対象者を識別する必要があるが、本システムでは、パスワード又は指紋認証による方法が採用されている。しかしながら、アカウントの限定利用のための識別方法としては、このような方法によらず、他のバイオメトリック的手法を用いても構わない。
【0023】
次に、本発明のカラオケシステムにおけるコマンダ300についてより詳しく説明する。図3は本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるコマンダ及びその周辺のブロック構成を示す図である。図3において、301はバス、302は中央演算部、303は記憶部、304は第4通信部、305は第3通信部、306は入力部、307は表示制御部、310は音源部、330はミキサ部、400はアンプ、401はスピーカー、402はマイクロフォン、450はディスプレイをそれぞれ示している。
【0024】
カラオケルームなどの空間に配されるコマンダ300には、CRTやTFT等の映像表示装置であるディスプレイ450、音声増幅装置であるアンプ400が接続されており、
コマンダ300からの制御出力によりディスプレイ450に歌詞映像と背景画像を表示し、歌詞映像の表示と同期させてカラオケ楽曲の再生信号をアンプ400へ送出し、スピーカー401から演奏音が得られるようにしている。そして、前記アンプ400には、ミキサ部330を介してマイクロフォン402が接続されており、周知のようにカラオケシステムのユーザは、歌詞映像に合わせてこのマイクロフォン402から自身の発声を入力し、歌唱することになる。
【0025】
図3は、このように構成されたコマンダ300とその周辺の具体的構成を示すブロック図であり、バス301に接続された中央演算部302(CPU)がコマンダシステム全体の制御を司る。
【0026】
記憶部303には、ROM、RAM、HDDが用いられ、ROMには制御プログラムなどが格納され、RAMには制御処理の内容などの一時記憶が可能となるようにしている。HDDには、ホストサーバ100から受信した楽曲データ、映像データやカラオケ演奏以外の機能を実行させるデータであるデータを一時記憶させる。
【0027】
第4通信部304は、例えば赤外線通信が用いられ、リモコン端末200から送られてくる赤外線コード信号を受信し、コマンドデータに復元してバス301へ転送する。リモコン端末200からコマンダ300に対する指令信号は、カラオケ店舗内のLAN経由にても送信することができるが、「演奏スタート」や「唄い直し」などの比較的単純な指令信号は、この赤外線通信による通信部を利用することができる。
【0028】
第3通信部305は、周知の規格の有線LANが用いられ、ホストサーバ100からコマンダ300に対する制御命令や、楽曲データ、映像データやファームウエアデータなどをホストサーバ100からダウンロードするために利用される。また、第3通信部305は、コマンダ300を、LANを介して他のコマンダやその他の機器に接続するための接続器でもあり、コマンダ300はそのようにLAN24を介して接続されることで、他のコマンダや他の機器との間で情報の送受信が可能とされる。
【0029】
入力部306は、コマンダ300のフロントパネルに設けられた各種スイッチ機能であり、予約選曲、キーコントロール、歌唱プログラムなどカラオケ装置特有の機能をマニュアル設定が可能となるようにしている。表示制御部307は、カラオケ楽曲に伴う映像や、その他、コンテンツデータ、広告データなどの映像データをディスプレイ450により表示するための表示制御を行う。
【0030】
音源部310は、MIDI(Musical Instrument Digital
Interface)規格に基づく楽曲データから演奏可能な楽音信号を形成する。
【0031】
ミキサ部330は、音源部310が発声した複数の楽音信号とマイクロフォン402から入力される歌唱者の歌唱音声信号を適当なバランスでミキシングする。このミキサ部330でミキシングされた信号は、アンプ400に出力される。
【0032】
次に、本発明のカラオケシステムにおけるリモコン端末200についてより詳しく説明する。図4は本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末のブロック構成を示す図である。図4において、201はバス、202は中央演算部、203は記憶部、204はタッチパネル部、205は表示部、206は第1通信部、207は第2通信部、208は生体認証部をそれぞれ示している。
【0033】
リモコン端末200は、バス201に接続された中央演算部202(CPU)がリモコン端末全体の制御を司る。
【0034】
記憶部203には、ROM、RAM、不揮発性メモリが用いられ、ROMには制御プログラムなどが格納され、RAMには制御処理の内容などの一時記憶が可能となるようにしている。
【0035】
タッチパネル部204は、ユーザの指や図示しない備え付けのペン等による入力を行うものである。タッチパネル部204による入力を可能とするために、表示部205にはタッチパネル部204と連動した表示画像が表示されるようにプログラムされる。なお、本実施形態では、入力インターフェイス装置としてこのようなタッチパネル部204を用いる例について説明しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0036】
第1通信部206は、無線LANアクセスポイント70との間で無線LAN規格(例えば、IEEE802.11a/b/g規格など)に従った無線通信を行うための無線LAN信部である。
【0037】
第2通信部207は、例えば赤外線通信が用いられ、コマンダ300における第4通信部304との通信を行うものであり、所定の赤外線コード信号をコマンダ300に送出することが可能とされている。
【0038】
生体認証部208は、ユーザの指紋を読み取り、生体識別コードに変換するものであり、これによりアカウントを有するユーザを識別するものである。
【0039】
ところで、ユーザによってはアカウントへのログインのための認証方法として、指紋認証を好まないというような場合がある。そこで、本実施形態におけるカラオケシステムでは、生体認証部208の指紋による認証か、パスワードを使っての認証かをユーザが選択できるようになっている。
【0040】
次に、本実施形態に係るカラオケシステムが提供するアカウントユーザ間の電子メールの送受信サービスについてより詳しく説明する。図5は本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで提供される電子メールサービスの概念を示す図である。
【0041】
なお、図5においては、カラオケ店舗N1乃至N3が通信網50を介してホストサーバ100側に接続される形態でシステムが運用されている場合を示している。また、カラオケ店舗N1乃至N3には、リモコン端末がそれぞれ4台、2台、3台設置されていることを想定している。このような店舗数やリモコン端末数は例示的なものであり、本発明がこれに限定されるわけではない。なお、リモコン端末に付されている、例えばM2-1などは、そのリモコン端末に固有に付されるIDであるものとする。
【0042】
また、図示していないが、各カラオケ店舗の下には、これまで説明したコマンダ300が設置されるものである。また、図においてホストサーバ100には、アカウントユーザに提供されるアカウントサービスのみに関連する構成が示されており、その他のカラオケシステムとして機能に関連する構成については図示省略されている。
【0043】
図5において、110はメールサービス部、111は受信ボックス、112は送信ボックス、113はメール設定部、120は履歴情報設定部、130は登録曲設定部、140はリモコン端末情報データベースをそれぞれ示している。
【0044】
ホストサーバ100に登録したアカウントユーザは、例えば、ID=00000000001乃至ID=NNNNNNNNNNNのいずれかのユーザアカウントIDが付与され、そのようなIDの下で電子メールの送受信サービス、履歴情報の保存のサービスや、登
録曲の保存のサービスを受けるようになっており、それぞれのサービスは、図中のメールサービス部110、履歴情報設定部120、登録曲設定部130が担うようになっている。本実施形態では、履歴情報設定部120、登録曲設定部130によるサービスについては詳述を避け、メールサービス部110が担う機能について説明する。
【0045】
メールサービス部110は、カラオケシステムにおけるアカウントユーザ間のメールの送受信を担うものであり、メールサービス部110には、受信した電子メールを保存する受信ボックス111、送信した電子メールを保存する送信ボックス112、またアカウントユーザ個人毎の設定が保存されるメール設定部113が設けられている。このメール設定部113には、電子メールを受信することを可能とするリモコン端末を制限する設定などを保存することができる。
【0046】
リモコン端末情報データベース140は、それぞれのリモコン端末に固有に付与されているIDと、その所属先などを対応付けて記憶させるデータベースである。本実施形態においては、カラオケ店舗とそのカラオケ店舗に属するリモコン端末との対応を記憶する例について説明するが、必ずしもこのような例に限定されるものではない。
【0047】
上記のようなカラオケシステムでは、カラオケ店舗N1のリモコン端末M1-1でアカウントにログインして作成されたAAAAさんの電子メールのメッセージは、メールサービス部110の機能によって、例えばCCCCさんが保有するアカウントに配信される。そして、後刻、カラオケ店舗N3のリモコン端末M3-3でアカウントにログインしたCCCCさんは、AAAAさんからの電子メールのメッセージを受領し、参照することができる。
【0048】
ここで、リモコン端末200におけるタッチパネル部204を備えた表示部205によるユーザインターフェイス画面について説明する。図6及び図7は本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末におけるタッチパネル部・表示部のユーザインターフェイス画面例を示す図である。
【0049】
図6はリモコン端末200におけるログイン前のユーザインターフェイス画面例である。ここで、ユーザは生体認証部208による指紋認証か、或いはパスワード入力による認証かを行うことによって、自分のアカウントにログインする。図7は、ニックネーム「かとう たろう」さんが自らのアカウントにログインしたときの様子を示している。なお、アカウントに対する「ログイン」や「ログアウト」の概念は通常広く用いられているものと同様のものを用いることができる。
【0050】
本実施形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末200のユーザインターフェイス画面では、右側のカラムを中心として、アカウントに関わるメニュー表示がなされる。本ユーザインターフェイス画面例では、アカウントサービスの下では「マイメニュー」、「あなたへのオススメ」、「マイリスト」、「マイりれき」、「ログアウト」のいずれかを選択することができるようになっている。電子メールサービスに関連するサービスの選択は「マイメニュー」の下に存在するようになっている。
【0051】
次に、本実施形態に係るカラオケシステムで扱う種々のデータのデータ構造例について説明する。図8は本発明の実施の形態に係るカラオケシステムのメール設定部における設定データ構造例を示す図である。本実施形態のカラオケシステムにおいては、1つ以上のリモコン端末が属する所定の集合単位(例えば、カラオケ店舗N1)に属する全てのリモコン端末(M1-1、M1-2、M1-3、M1-4の4台)からは、その集合単位(カラオケ店舗N1)に属するいずれかのリモコン端末から発信された電子メールのみの受信が許可される受信制限設定を有するものであり、メール設定部113においては、このような受信制限を有効とするか、無効とするかの設定を保存するものである。図8に示される例では、メ
ール設定部113において、電子メールの受信制限がされている設定が示されている。
【0052】
次に、リモコン端末情報データベースのデータ構造例について説明する。図8は本発明の実施の形態に係るカラオケシステムのリモコン端末情報データベースにおけるデータ構造例を示す図である。本実施形態においては、図8に示すように、例えば、リモコン端末情報データベース140は、それぞれのリモコン端末に唯一無二に付与されているIDと、その所属先であるカラオケ店舗が対応付けられて記憶されている。なお、このリモコン端末情報データベースにおける記憶事項については、本発明の運用形態によって適宜変更することが可能である。本実施形態では、図示するような記憶事項によって、カラオケ店舗単位での受信制限を行うものであるが、本発明がこのような態様に限定されるわけではない。
【0053】
次に、本実施形態に係るカラオケシステムの受信ボックスにおけるデータ構造例ついて説明する。図10は本発明の実施の形態に係るカラオケシステムの受信ボックスにおけるデータ構造例を示す図である。受信ボックスにおいては、受信された1件毎のメールデータが格納されている。それぞれ1件毎のメールデータには、図示するように、少なくとも「受信日時」、「送信者 ID」、「送信元リモコン端末ID」、「メッセージ本文データ」の項目のデータが設けられている。「受信日時」、「送信者 ID」、「メッセージ本文データ」の各項目の下には、それぞれ電子メールの受信の日時、当該メールを送信した送信者のアカウントのID、当該メールの本体部分であるデータが記憶・保存されている。また、「送信元リモコン端末ID」の項目の下は、メールが送信されたリモコン端末のIDに係るデータが保存される。リモコン端末からメールを送信すると、送信メールの発信元のリモコン端末ID情報がホストサーバ100側には送信され、このような情報が受信ボックス側にもログされる。
【0054】
以上のように構成されるカラオケシステムにおいて、受信制限に係るホストサーバ100側の処理について説明する。アカウントユーザがリモコン端末からログインすると、ホストサーバ100側は当該アカウントにおける電子メールの状況を自動的にチェックする処理シーケンスが組まれている。この電子メールの状況チェックには、当該アカウントの受信ボックスをチェックした上で、メールをログインリモコン端末に配信する受信ボックス配信処理が含まれている。
【0055】
本発明では、この受信ボックス配信処理において、受信制限がかけられているときには、ログインしたリモコン端末が所定の集合単位のものであるとき、当該所定の集合単位に属するリモコン端末のいずれかから送信されたメールデータのみを配信するようにする。このような受信制限の設定は、所定の店舗に属するリモコン端末から配信されたメールは、当該店舗のみでしか閲覧することできないこととなる。これによれば、所定の店舗から送信された電子メールを、当該店舗のみで受信したい、というユーザニーズを満足することが可能となるなど、電子メールサービスにおける細かいニーズに対応することが可能となる。
【0056】
図11は本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるホストサーバにおける受信ボックス配信処理開始のフローチャートを示す図である。
【0057】
図11において、ステップS100で、受信ボックス配信処理が開始されると、続いて、ステップS101では、メール設定部113における設定が読み込まれる。
【0058】
次のステップS102では、メール設定部113における設定で、受信制限ありの設定がなされているか否かが判定される。
【0059】
ステップS102の判定結果がNOであり、受信制限がなされていない場合には、ステップS111に進み、ログインリモコン端末に対して、配信予定メール数を配信し、次のステップS113で受信ボックス配信処理を終了する。
【0060】
ステップS102の判定結果がYESであり、受信制限が設定されている場合には、ステップS103に進み、ログインし、メールを受信しようとしている受信対象リモコン端末IDの読み込みが行われる。リモコン端末IDは、メールの配信を受ける際には、自らのIDをホストサーバ100に通知するので、このような通知情報が本ステップで利用される。
【0061】
ステップS104では、リモコン端末情報データベース140が参照されて、受信対象リモコン端末が所属するカラオケ店舗に係る情報が抽出される。
【0062】
ステップS105では、受信ボックス112中の最新のメールの読み込みが実行される。
【0063】
続くステップS106では、当該メール(ステップS105又はステップS112で読み込まれたメール)の送信元リモコン端末IDの読み込みが行われる。このような送信元リモコン端末IDの読み込みは、図10に示すデータ構造の「送信元リモコン端末ID」の読み込みにより実現できる。
【0064】
次に、ステップS107では、リモコン端末情報データベース140が参照されて、送信元となるリモコン端末が所属するカラオケ店舗を抽出が抽出される。
【0065】
そして、ステップS108では、(受信リモコン端末が属する店舗)=(送信リモコン端末が属する店舗)が成立するか否かが判定される。ステップS108における判定結果がYESであるときにはステップS109に進み、ステップS109では、当該メールデータをリモコン端末側に配信する。
【0066】
また、ステップS108における判定結果がNOであるときにはステップS112に進み、ステップS112において、受信ボックス112から次のメールが読み込まれて、再びステップS106に戻る。
【0067】
ステップS110では、ログイン受信リモコン端末への配信予定メール数に達したか否かが判定される。ステップS110の判定結果がYESであるときにはステップS113に進み、受信ボックス配信の処理を終了する。
【0068】
ステップS110の判定結果がNOであるときにはステップS112に進み、受信ボックス112から次のメールが読み込まれて、再びステップS106に戻る。
【0069】
以上のような受信ボックス配信の処理によれば、受信制限がかけられているときには、所定の店舗に属するリモコン端末から配信されたメールは、当該店舗のみでしか閲覧することできないこととなり、所定の店舗から送信された電子メールを、当該店舗のみで受信したい、というユーザニーズを満足することが可能となるなど、電子メールサービスにおける細かいニーズに対応することが可能となる。
【0070】
次に、以上のように構成されるカラオケシステムにおけるリモコン端末での具体的操作例について説明する。まず、メール設定画面への移行するためのユーザインターフェイス画面について説明する。図11は本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末におけるタッチパネル部・表示部のユーザインターフェイス画面例を示す
図であり、ログイン後に「マイメニュー」にタッチしたときの状態を示している。
【0071】
このような画面表示においては、「マイメニュー」にタッチすると、図示するような対話用メッセージがポップアップ表示されるようになっている。この対話用メッセージにおいては、ユーザはメールを実際に行うための「メール」、当該アカウントにおけるメールをはじめとする種々の設定を行うための「登録・設定」、対話用メッセージを終了するための「閉じる」があり、ユーザはいずれかを選択することができるようになっている。
【0072】
ここで、ユーザが「メール」を選択してタッチすることによって、次に図13又は図14に示されるユーザインターフェイス画面に移行する。
【0073】
図13はメールの受信制限がない場合、又は、受信制限がある場合の表示画面であり、図14はメールの受信が制限されている場合の表示画面である。図13は受信ボックスの全ての内容がログイン端末側に配信されて、それが図示するように表示されるようになっている。これに対して、メールの受信制限が設定されている場合には、図14に示すように、あるリモコン端末でログインした時は、そのリモコン端末が属する同店舗からのメールのみに限り受信するようになっている。
【0074】
ユーザがメールの受信制限の設定の変更を行うときには「受信オプション」をタッチすることによって、例えば図15に示すようなユーザーインターフェイス画面表示に移行することで行う。
【0075】
図15は受信制限設定用の画面表示例である。いずれの画面においても「全ての店舗で受信(デフォルト)」を選択することで、全ての店舗、リモコン端末で電子メールの受信ができるように設定される。
【0076】
一方、図15に示す画面表示において「同じ店舗で送信されたメールのみ受信」を選択することによって、その店舗で発信されたメールをその店舗のみで受信する制限が設定される。
【0077】
また、電子メールの送信においては、「新規メッセージ作成」にタッチすることによって、図16に示すような画面表示に移行する。そして、図16に示すようなフォームにおいて、送信電子メールの作成を行うときにおいては、メールの送信先のIDやメッセージ本文を入力するが、このような入力は、例えば図17に示すような手書き入力などのユーザインターフェイスを用いることができる。
【0078】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図18は本発明の他の実施の形態に係るカラオケシステムの全体構成を示す図である。本実施形態においても、先の実施形態と同様にユーザアカウント制による電子メールサービスを行うものであるが、先の実施形態とは全体のシステム構成が異なっている。
【0079】
先の実施形態においては、無線LANアクセスポイント70が採用され、リモコン端末20は、このアクセスポイントを利用してLAN経由で、コマンダ300に対する指令信号などを送出していが、本実施形態では、この無線LANアクセスポイント70が省略され、リモコン端末200とコマンダ300との信号のやりとりはBluetooth規格などの無線通信を用いるようにしている。
【0080】
このような無線通信を用いると比較的大容量のデータ通信を無線によって行うことができるので、無線LANアクセスポイント70などの設置が不要となる。また、先の実施形態においては、リモコン端末200とコマンダ300と間の直接的な通信手段としては赤
外線通信による通信部が用いられていたが、本実施形態では、先のようなBluetooth規格などの無線通信が採用されるため、リモコン端末200及びコマンダ300に赤外線通信による通信部を設ける必要がなくなり、ハードウエア的に簡略化することができる、というメリットがある。
【0081】
なお、本明細書においては、種々の実施の形態について説明したが、それぞれの実施の形態の構成を適宜組み合わせて構成された実施形態も本発明の範疇となるものである。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムの全体構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムの運用形態イメージを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるコマンダ及びその周辺のブロック構成を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末のブロック構成を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで提供される電子メールサービスの概念を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末におけるタッチパネル部・表示部のユーザインターフェイス画面例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末におけるタッチパネル部・表示部のユーザインターフェイス画面例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムのメール設定部における設定データ構造例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムのリモコン端末情報データベースにおけるデータ構造例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムの受信ボックスにおけるデータ構造例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるホストサーバにおける受信ボックス配信処理開始のフローチャートを示す図である。
【図12】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末におけるタッチパネル部・表示部のユーザインターフェイス画面例を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末におけるタッチパネル部・表示部のユーザインターフェイス画面例を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末におけるタッチパネル部・表示部のユーザインターフェイス画面例を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末におけるタッチパネル部・表示部のユーザインターフェイス画面例を示す図である。
【図16】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末におけるタッチパネル部・表示部のユーザインターフェイス画面例を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末におけるタッチパネル部・表示部のユーザインターフェイス画面例を示す図である。
【図18】本発明の他の実施の形態に係るカラオケシステムの全体構成を示す図である。
【符号の説明】
【0083】
50は通信網、60・・・ルータ、70・・・無線LANアクセスポイント、100・・・ホストサーバ、110はメールサービス部、111・・・受信ボックス、112・・・送信ボックス、113・・・メール設定部、120・・・履歴情報設定部、130・・・登録曲設定部、140・・・リモコン端末情報データベース、200、200'、200''、200'''、200''''・・・リモコン端末、201・・・バス、202・・・中央演
算部、203・・・記憶部、204・・・タッチパネル部、205・・・表示部、206・・・第1通信部、207・・・第2通信部、208・・・生体認証部、300、300'、300''、300'''・・・コマンダ、301・・・バス、302・・・中央演算部、303・・・記憶部、304・・・第4通信部、305・・・第3通信部、306・・・入力部、307・・・表示制御部、310・・・音源部、330・・・ミキサ部、400・・・アンプ、401・・・スピーカー、402・・・マイクロフォン、450・・・ディスプレイ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホストサーバと、所定の入力手段及び表示手段とを有し、前記ホストサーバと通信網を介して通信を行うリモコン端末とからなり、前記リモコン端末によって前記ホストサーバを介した電子メールの送受信を行うカラオケシステムにおいて、
1つ以上のリモコン端末が属する所定の集合単位に属する全てのリモコン端末からは、当該集合単位に属するいずれかのリモコン端末から発信された電子メールのみの受信が許可される設定を有することを特徴とするカラオケシステム。
【請求項2】
ホストサーバと、カラオケ楽曲の再生を行う演奏装置と、所定の入力手段及び表示手段とを有し、前記ホストサーバと通信網を介して通信を行うと共に前記演奏装置の制御を行うリモコン端末とからなり、前記リモコン端末によって前記ホストサーバを介した電子メールの送受信を行うカラオケシステムにおいて、
1つ以上のリモコン端末が属する所定の集合単位に属する全てのリモコン端末からは、当該集合単位に属するいずれかのリモコン端末から発信された電子メールのみの受信が許可される設定を有することを特徴とするカラオケシステム。
【請求項3】
所定の集合単位に属する全てのリモコン端末とは、所定の店舗に属する全てのリモコン端末であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカラオケシステム。
【請求項4】
電子メールの送受信を行うためにログインする際の認証はパスワードにより行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のカラオケシステム。
【請求項5】
電子メールの送受信を行うためにログインする際の認証は指紋認証により行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のカラオケシステム。
【請求項1】
ホストサーバと、所定の入力手段及び表示手段とを有し、前記ホストサーバと通信網を介して通信を行うリモコン端末とからなり、前記リモコン端末によって前記ホストサーバを介した電子メールの送受信を行うカラオケシステムにおいて、
1つ以上のリモコン端末が属する所定の集合単位に属する全てのリモコン端末からは、当該集合単位に属するいずれかのリモコン端末から発信された電子メールのみの受信が許可される設定を有することを特徴とするカラオケシステム。
【請求項2】
ホストサーバと、カラオケ楽曲の再生を行う演奏装置と、所定の入力手段及び表示手段とを有し、前記ホストサーバと通信網を介して通信を行うと共に前記演奏装置の制御を行うリモコン端末とからなり、前記リモコン端末によって前記ホストサーバを介した電子メールの送受信を行うカラオケシステムにおいて、
1つ以上のリモコン端末が属する所定の集合単位に属する全てのリモコン端末からは、当該集合単位に属するいずれかのリモコン端末から発信された電子メールのみの受信が許可される設定を有することを特徴とするカラオケシステム。
【請求項3】
所定の集合単位に属する全てのリモコン端末とは、所定の店舗に属する全てのリモコン端末であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカラオケシステム。
【請求項4】
電子メールの送受信を行うためにログインする際の認証はパスワードにより行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のカラオケシステム。
【請求項5】
電子メールの送受信を行うためにログインする際の認証は指紋認証により行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のカラオケシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−2728(P2010−2728A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−162007(P2008−162007)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(301027292)株式会社BMB (32)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(301027292)株式会社BMB (32)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]