説明

カラオケ提供方法、装置及びプログラム

【課題】カラオケを円滑に利用できるカラオケ提供方法を提供する。
【解決手段】カラオケ装置が、携帯端末からユーザIDを受付けて、その認証を行う認証ステップと、認証が成功した場合に、カラオケを使用可能状態とするとともに、前記携帯端末からの遠隔操作を受付可能状態とし、前記携帯端末に品書きを送信する初期化ステップと、前記携帯端末から前記品書きに含まれる品の注文を受付けて、注文のあった品の情報を出力する注文出力ステップと、注文のあった品及びカラオケの利用に係る料金を計算する料金計算ステップと、計算した料金を前記ユーザIDのユーザに課金する課金ステップと、を少なくとも実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケを提供するカラオケ提供方法、装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カラオケ装置に付属する専用のリモコンから料理等の注文をすることができるカラオケシステムを導入するカラオケ店が増えている。
【非特許文献1】[online]、カラオケ/パセラ詳細、[2008年10月21日検索]、インターネット<URL:http://wiki.tomocha.net/karaoke_pasela_orderlist.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来例においては、カラオケを円滑に利用することはできなかった。専用のリモコンをカラオケ店のフロントから受け取った後、このリモコンを介してカラオケの選曲をしたり、料理等の注文を行う必要があるからである。
【0004】
本発明は、このような事情を考慮して提案されるものであり、ユーザが所有する携帯端末を介してカラオケの選曲をしたり、料理等の注文を行うことにより、カラオケを円滑に利用できるカラオケ提供方法、装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明者は、所定のルールに従ってユーザが所有する携帯端末を介してカラオケの選曲をしたり、料理等の注文を行う仕組みを見出し、本発明を想到するに至った。
【0006】
本発明に係るカラオケ提供方法は、認証が成功した場合に、カラオケを使用可能状態とするとともに、前記携帯端末からの遠隔操作を受付可能状態とし、前記携帯端末に品書きを送信することにより、カラオケを円滑に利用できるものである。
【0007】
(1)カラオケ装置が、携帯端末からユーザIDを受付けて、その認証を行う認証ステップと、認証が成功した場合に、カラオケを使用可能状態とするとともに、前記携帯端末からの遠隔操作を受付可能状態とし、前記携帯端末に品書きを送信する初期化ステップと、前記携帯端末から前記品書きに含まれる品の注文を受付けて、注文のあった品の情報を出力する注文出力ステップと、注文のあった品及びカラオケの利用に係る料金を計算する料金計算ステップと、計算した料金を前記ユーザIDのユーザに課金する課金ステップと、を少なくとも実行することを特徴とするカラオケ提供方法。
【0008】
ここで、携帯端末としては、例えば、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートPC(Personal Computer)等が該当する。また、品書きとしては、例えば、料理等のメニューのほか、マラカス等のレンタル品の一覧等が該当する。さらに、注文のあった品の情報を出力する方法としては、例えば、表示装置に注文のあった料理の名称の一覧を表示したり、プリンタから注文のあった料理の名称の一覧を印刷したりすることが考えられる。
【0009】
(1)の発明によれば、認証が成功した場合に、カラオケを使用可能状態とするとともに、携帯端末からの遠隔操作を受付可能状態とし、携帯端末に品書きを送信することにより、ユーザが所有する携帯端末をカラオケのリモコンとして利用でき、かつ、料理等のオーダー端末として利用できる。このため、カラオケを円滑に利用できる。
【0010】
(2)カラオケに係る音声、画像又は映像を記録するカラオケ記録ステップと、前記携帯端末からカラオケに係る音声、画像又は映像の取得要求を受付けて、記録した前記取得要求に係る音声、画像又は映像を前記携帯端末に送信する記録情報送信ステップと、を実行することを特徴とする(1)に記載のカラオケ提供方法。
【0011】
(2)の発明によれば、記録した音声、画像又は映像を携帯端末に送信することにより、携帯端末がカラオケに係る音声、画像又は映像を受信して記憶するので、これらのデータを持ち運ぶことが可能となる。このため、ユーザは自宅に戻ってから、自身のカラオケに係る音声、画像又は映像を携帯端末で再生して、レビューすることができる。
【0012】
(3)前記カラオケ装置が、さらに、前記携帯端末からカラオケに係る音声、画像又は映像のアップロード要求を受付けて、記録した前記アップロード要求に係る音声、画像又は映像を、前記アップロード要求で指定されたウェブサイトにアップロードするアップロードステップを実行することを特徴とする(2)に記載のカラオケ提供方法。
【0013】
(3)の発明によれば、アップロード要求に係る音声、画像又は映像を、アップロード要求で指定されたウェブサイトにアップロードすることにより、カラオケに係る音声、画像又は映像を公開することができるので、自分の歌声を容易に披露することができる。
【0014】
(4)前記カラオケ装置が、さらに、マイクから入力された音声を採点するカラオケ採点ステップと、前記携帯端末から採点結果の取得要求を受付けて、前記採点結果を前記携帯端末に送信する採点結果送信ステップと、を実行することを特徴とする(1)に記載のカラオケ提供方法。
【0015】
(4)の発明によれば、採点結果を前記携帯端末に送信することにより、携帯端末がカラオケに係る採点結果を受信して記憶するので、カラオケに係る採点結果のデータを持ち運ぶことができる。このため、ユーザはどこでも自身のカラオケに係る採点結果を携帯端末の表示部(液晶パネル)に表示して確認することができる。また、ユーザはどこでも携帯端末の表示部により他人にその採点結果を見せることもできる。
【0016】
(5)前記カラオケ装置が、さらに、前記携帯端末から音声又は楽曲の出力設定の取得要求を受付けて、前記音声又は楽曲の出力設定を前記携帯端末に送信する出力設定送信ステップを実行することを特徴とする請求項1に記載のカラオケ提供方法。
【0017】
ここで、出力設定としては、例えば、音声又は楽曲の音程の設定、テンポの設定、エコーの設定等が該当する。
【0018】
(5)の発明によれば、音声又は楽曲の出力設定を前記携帯端末に送信することにより、携帯端末がカラオケに係る音声又は楽曲の出力設定を受信して記憶するので、カラオケに係る音声又は楽曲の出力設定のデータを持ち運ぶことができる。
【0019】
ここで、出力設定は、楽曲毎に設定するようにしてもよい。これによると、特定の楽曲のみ音声又は楽曲の出力設定を変更することができる。
【0020】
(6)前記カラオケ装置が、さらに、前記携帯端末からカラオケに係る音声又は楽曲の出力設定要求を受付けて、前記携帯端末に記憶されたカラオケに係る音声又は楽曲の出力設定を受信し、該出力設定に従ってカラオケに係る音声又は楽曲の出力を設定する出力設定ステップを実行することを特徴とする(1)に記載のカラオケ提供方法。
【0021】
(6)の発明によれば、携帯端末から出力設定を受信することにより、携帯端末に記憶された出力設定に従ってカラオケ装置の出力を設定するので、カラオケに係る音声又は楽曲の出力を容易に変更することができる。
【0022】
(7)前記カラオケ装置は、前記携帯端末とBluetooth(登録商標)により通信することを特徴とする(1)乃至(6)のいずれかに記載のカラオケ提供方法。
【0023】
(7)の発明によれば、所定の周波数帯の電波で情報を送受信することにより、カラオケ装置が携帯端末から所定の距離にあれば通信が可能であるので、赤外線による通信のように携帯端末の向きによってカラオケ装置が情報を送受信できなくなることはない。
【0024】
(8)携帯端末と通信可能なカラオケ装置であって、前記携帯端末からユーザIDを受付けて、その認証を行う認証手段と、認証が成功した場合に、カラオケを使用可能状態とするとともに、前記携帯端末からの遠隔操作を受付可能状態とし、前記携帯端末に品書きを送信する初期化手段と、前記携帯端末から前記品書きに含まれる品の注文を受付けて、注文のあった品の情報を出力する注文出力手段と、前記注文のあった品及びカラオケの利用に係る料金を計算する料金計算手段と、計算した料金を前記ユーザIDのユーザに課金する課金手段と、を備えることを特徴とするカラオケ装置。
【0025】
(9)(1)に記載の方法を前記カラオケ装置に実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の効果】
【0026】
この発明によれば、認証が成功した場合に、カラオケを使用可能状態とするとともに、携帯端末からの遠隔操作を受付可能状態とし、携帯端末に品書きを送信することにより、ユーザが所有する携帯端末をカラオケのリモコンとして利用でき、かつ、料理等のオーダー端末として利用できる。このため、カラオケを円滑に利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
[カラオケ装置と関連要素の全体構成]
【0028】
図1は、本実施形態に係るカラオケ装置1と関連要素の全体構成を示す図である。
【0029】
本実施形態に係るカラオケ装置1、携帯端末2、店舗サーバ3、課金サーバ4及び楽曲サーバ5は、インターネット等の通信ネットワークNに接続されている。また、携帯端末2は、Bluetooth(登録商標)によりカラオケ装置1と通信することもできる。
【0030】
カラオケ装置1は、認証が成功した場合に、携帯端末2から遠隔操作を受付けて、カラオケの選曲や、料理等の注文を受付ける。
【0031】
携帯端末2は、認証が成功した場合に、カラオケ装置1を遠隔操作したり、料理等の注文を行う。携帯端末2は、ユーザが所有する携帯電話であって、カラオケ店舗に常備されているカラオケ装置1に付随した、カラオケ装置1を遠隔操作するためのリモコン機ではない。すなわち、携帯端末2は、日常生活で、ユーザが携帯して常備する端末である。
【0032】
本実施形態では、携帯端末2として、Bluetooth(登録商標)による通信機能を備えた携帯電話を採用している。なお、携帯端末2は、通信ネットワーク又はBluetooth(登録商標)を介して所定の外部サーバ(図示せず)から、カラオケ装置1を遠隔操作したり、料理等を注文したりするためのリモコンプログラムをダウンロードしてインストールしている。
【0033】
店舗サーバ3は、後述する店舗データベース31を備えた情報処理装置であって、一般的なコンピュータが該当する。
【0034】
課金サーバ4は、後述する課金データベース41を備えた情報処理装置であって、一般的なコンピュータが該当する。
【0035】
楽曲サーバ5は、後述する楽曲データベース51を備えた情報処理装置であって、一般的なコンピュータが該当する。
[カラオケ装置の機能構成]
【0036】
図2は、本実施形態に係るカラオケ装置1の機能構成の概要を示す図である。本実施形態に係るカラオケ装置1は、認証手段11と、初期化手段12と、注文出力手段13と、料金計算手段14と、課金手段15と、カラオケ記録手段16と、記録情報送信手段17と、アップロード手段18と、カラオケ採点手段19と、採点結果送信手段20と、出力設定送信手段21と、出力設定手段22と、楽曲再生手段23と、を備える。
【0037】
認証手段11は、携帯端末2からユーザIDを受付けて、その認証を行う。ここで、店舗データベース31のユーザ情報テーブル311は、認証手段11の一部を構成しており、カラオケ店を利用するユーザの情報を記憶している。ユーザ情報テーブル311の詳細については後述する。
【0038】
初期化手段12は、認証手段11が認証に成功した場合に、カラオケを使用可能状態とするとともに、携帯端末2からの遠隔操作を受付可能状態とする。そして、初期化手段12は、料理等の品書きを携帯端末2に送信する。ここで、店舗データベース31の品書きテーブル312は、初期化手段12の一部を構成しており、カラオケ店が提供する料理等の情報を記憶している。品書きテーブル312の詳細については後述する。
【0039】
注文出力手段13は、初期化手段12が送信した品書きに含まれる品の注文を携帯端末2から受付けて、注文のあった品の情報を出力する。ここで、店舗データベース31の注文テーブル313は、注文出力手段13の一部を構成しており、注文のあった品の情報を記憶している。注文テーブル313の詳細については後述する。
【0040】
料金計算手段14は、注文出力手段13が出力した注文のあった品及びカラオケの利用に係る料金を計算する。
【0041】
課金手段15は、料金計算手段14が計算した料金を認証手段11が認証に成功したユーザIDに対応するユーザに課金する。ここで、課金データベース41は、課金手段15の一部を構成しており、ユーザに対する課金の情報を記憶している。課金データベース41の詳細については後述する。
【0042】
カラオケ記録手段16は、カラオケに係る音声、画像又は映像を記録する。
【0043】
記録情報送信手段17は、携帯端末2からカラオケに係る音声、画像又は映像の取得要求を受付けて、カラオケ記録手段16が記録した取得要求に係る音声、画像又は映像を携帯端末2に送信する。
【0044】
アップロード手段18は、携帯端末2からカラオケに係る音声、画像又は映像のアップロード要求を受付けて、カラオケ記録手段16が記録したアップロード要求に係る音声、画像又は映像を、アップロード要求で指定されたウェブサイトにアップロードする。
【0045】
カラオケ採点手段19は、マイクから入力された音声を採点する。
【0046】
採点結果送信手段20は、携帯端末2から採点結果の取得要求を受付けて、カラオケ採点手段19が採点した採点結果を携帯端末2に送信する。
【0047】
出力設定送信手段21は、携帯端末2から音声又は楽曲の出力設定の取得要求を受付けて、音声又は楽曲の出力設定を携帯端末2に送信する。
【0048】
出力設定手段22は、携帯端末2からカラオケに係る音声又は楽曲の出力設定要求を受付けて、携帯端末2に記憶されたカラオケに係る音声又は楽曲の出力設定を受信し、この出力設定に従ってカラオケに係る音声又は楽曲の出力を設定する。
【0049】
楽曲再生手段23は、携帯端末2から楽曲の選曲要求を受付けて、この選曲要求に係る楽曲を再生してスピーカーから出力し、併せて、マイクから入力されたユーザの音声をスピーカーから出力する。また、楽曲再生手段23は、選曲要求に係る楽曲の歌詞を表示装置に表示する。ここで、楽曲データベース51は、楽曲再生手段23の一部を構成しており、楽曲の情報を記憶している。楽曲データベース51の詳細については後述する。
[店舗データベースの構成]
【0050】
図3は、店舗データベース31の構成の概要を示す図である。店舗データベース31は、ユーザ情報テーブル311と、品書きテーブル312と、注文テーブル313とを備えている。以下、それぞれのテーブルの構成について説明する。
[ユーザ情報テーブルの構成]
【0051】
ユーザ情報テーブル311は、予めユーザIDと、カラオケ装置1が認証する際に必要となるパスワードとを対応付けて記憶している。本実施形態では、ユーザIDとして、携帯端末2(携帯電話)の電話番号を採用している。なお、ユーザIDは、携帯端末2のIPアドレス、MACアドレス等であってもよい。
[品書きテーブルの構成]
【0052】
品書きテーブル312は、予め品IDと、カラオケ店が提供する品の名称及びその単価とをそれぞれ対応付けて記憶している。カラオケ店が提供する品としては、例えば、飲食物や、マラカス等のレンタル品が該当する。
[注文テーブルの構成]
【0053】
注文テーブル313は、注文を行ったユーザのユーザIDと、注文のあった品の品IDとを対応付けて記憶している。また、注文テーブル313は、注文のあった品の品IDと、注文のあった品の数量とを対応付けて記憶している。
[課金データベースの構成]
【0054】
図4は、課金データベース41の構成の概要を示す図である。課金データベース41は、課金テーブル411を備えている。以下、課金テーブル411の構成について説明する。
[課金テーブルの構成]
【0055】
課金テーブル411は、ユーザIDと、このユーザIDに対応するユーザに課金する金額とを対応付けて記憶している。
[楽曲データベースの構成]
【0056】
図5は、楽曲データベース51の構成の概要を示す図である。楽曲データベース51は、楽曲テーブル511を備えている。以下、楽曲テーブル511の構成について説明する。
[楽曲テーブルの構成]
【0057】
楽曲テーブル511は、予め楽曲IDと、楽曲の名称及び楽曲の動画ファイルとを、それぞれ対応付けて記憶している。
[カラオケ装置のハードウェア構成図]
【0058】
図6は、本実施形態に係るカラオケ装置1のハードウェア構成を示す図である。
【0059】
カラオケ装置1は、バスライン500、CPU(Central Processing Unit)501、メモリ502、ハードディスク503、通信I/F(I/F:インタフェース)504、表示装置505、ビデオカメラ506、スピーカー507、マイク508及び楽曲再生装置509を備える。
【0060】
CPU501は、カラオケ装置1を統括的に制御する部分であり、ハードディスク503(後述)に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0061】
メモリ502は、主としてプログラムやデータを一次的に保存する。また、メモリ502は、電源を切ってもデータが消えない不揮発性メモリを含む。
【0062】
ハードディスク503は、本ハードウェアをカラオケ装置1として機能させるための各種プログラム、本発明の機能を実行するプログラムを記憶する。なお、カラオケ装置1は、外部に別途設けたハードディスク(図示せず)を外部記憶装置として利用することもできる。
【0063】
通信I/F504は、カラオケ装置1が、通信ネットワークN(図1)を介して楽曲サーバ5等(図1)と情報を送受信する場合のネットワーク・アダプタである。通信I/F504は、モデム、ケーブル・モデム及びイーサネット(登録商標)・アダプタを含んでよい。また、通信I/F504は、Bluetooth(登録商標)により通信を行うためのインターフェースを含む。
【0064】
表示装置505は、楽曲再生装置509が再生する楽曲のビデオ(歌詞を含む)の映像や、ビデオカメラ506で記録した映像等を表示する。
【0065】
ビデオカメラ506は、楽曲を歌っているユーザの映像を記録する。
【0066】
スピーカー507は、楽曲再生装置509が再生した楽曲及びマイクから入力された音声を出力する。
【0067】
マイクは508、楽曲を歌っているユーザの音声を入力する。
【0068】
楽曲再生装置509は、楽曲ファイルを再生する装置であって、MPEGデコーダーなどが該当する。
【0069】
なお、本発明でいうコンピュータとは、メモリ502等の記憶装置、CPU501等の制御部を備えた情報処理装置をいい、カラオケ装置1は、記憶装置、制御部等を備えた情報処理装置により構成され、この情報処理装置は、本発明のコンピュータの概念に含まれる。また、カラオケ装置1は、テレビ受信機に接続されたセットトップボックスであってもよい。
【0070】
このカラオケ装置1では、制御部が主として認証手段11、初期化手段12、注文出力手段13、料金計算手段14、課金手段15、アップロード手段18、カラオケ採点手段19、出力設定手段22、楽曲再生手段23に対応し、ビデオカメラが主としてカラオケ記録手段16に対応し、通信I/F330が主として記録情報送信手段17、採点結果送信手段20、出力設定送信手段21に対応する。
[初期化処理]
【0071】
図7は、本発明の実施形態に係る初期化処理のフローチャートを示している。
【0072】
S1:カラオケ装置1は、Bluetooth(登録商標)により、携帯端末2を検索してペアリングを確立する。
【0073】
S2:携帯端末2は、認証要求をカラオケ装置1に送信する。ここで、認証要求は、ユーザID「0901111XXXX」及びパスワード「****」を含んでいる。
【0074】
S3:認証手段11は、携帯端末2から認証要求を受付けて、「ユーザID」のフィールドの値が認証要求に係るユーザID「0901111XXXX」と一致し、かつ、「パスワード」フィールドの値が認証要求に係る「****」と一致するレコードをユーザ情報テーブル311から検索する。認証手段11は、検索条件を満たすレコードが発見された場合に、認証が成功したと判断する。なお、認証手段11は、セッション情報のように認証が成功したユーザIDを記憶装置に記憶する。
【0075】
S4:初期化手段12は、認証手段11が認証に成功した場合に、カラオケを使用可能状態とするとともに、携帯端末2からの遠隔操作を受付可能状態とする。具体的には、例えば、初期化手段12は、認証手段11が認証に成功したと判断した場合に、楽曲再生手段23への電源供給を行い、かつ、カラオケ装置1に対するコマンドの実行を許可する。
【0076】
S5:初期化手段12は、品書きテーブル312に記憶された品名フィールドの値及び単価フィールドの値に基づいて注文フォーム(品書き)を作成する。そして、初期化手段12は、作成した注文フォームを携帯端末2に送信する。
【0077】
S6:携帯端末2は、注文フォームをカラオケ装置1から受信して、メモリに記憶する。
[注文出力処理]
【0078】
図8は、本発明の実施形態に係る注文出力処理のフローチャートを示している。
【0079】
S11:携帯端末2は、所定のボタン等が押下された場合に、メモリから注文フォームを読み出して、液晶パネルに表示する。
【0080】
S12:携帯端末2は、注文フォームから注文の品「ビール」の品ID「001」及びその数量「2」を受付けて、カラオケ装置1に送信する。
【0081】
S13:注文出力手段13は、携帯端末2から上記注文の情報を受信する。そして、注文出力手段13は、受信した注文の情報を厨房等に設置された表示装置に表示する。また、注文出力手段13は、ユーザIDフィールドの値を認証手段11が記憶装置に記憶したユーザID「0901111XXXX」とし、品IDフィールドの値を受信した品ID「001」とし、数量フィールドの値を受信した数量「2」とするレコードを注文テーブル313に追加する。ここで、注文出力手段13は、携帯端末2から注文の情報と併せてユーザIDを再度受信するようにしてもよい。これによると、カラオケ装置1にユーザID等の個人情報を記憶する必要がないので、個人情報の漏洩のリスクを低減することができる。
【0082】
[課金処理]
【0083】
図9は、本発明の実施形態に係る課金処理のフローチャートを示している。
【0084】
S21:携帯端末2は、所定のボタン等が押下された場合に、勘定要求をカラオケ装置1に送信する。
【0085】
S22:料金計算手段14は、勘定要求を携帯端末2から受信して、ユーザIDフィールドの値が、認証手段11が記憶装置に記憶したユーザID「0901111XXXX」と一致するレコードを注文テーブル313から抽出する。また、料金計算手段14は、品IDフィールドの値が注文テーブル313から抽出したレコードの品IDの値(「001」、「002」等)と一致するレコードを品書きテーブル312から抽出する。そして、料金計算手段14は、注文テーブル313から抽出したレコードの数量フィールドの値(「2」、「1」等)に品書きテーブル312から抽出したレコードの単価フィールドの値(「500」、「700」等)を乗じた額の総和「1700」(円)を計算する。料金計算手段14は、計算結果「1700」に記憶装置に予め記憶された店舗毎のカラオケの利用料金「1500」(固定)を加算した額「3200」(円)を合計金額とする。ここで、予め記憶装置に記憶された時間あたりのカラオケの利用単価に認証が成功してから勘定要求を受信するまでの時間を乗じた額をカラオケの利用料金としてもよい。料金計算手段14は、計算した合計金額「3200」円を課金手段15に渡す。
【0086】
ここで、料金計算手段14は、勘定要求に係るユーザIDを再度受信するようにしてもよい。これによると、カラオケ装置1にユーザID等の個人情報を記憶する必要がないので、個人情報の漏洩のリスクを低減することができる。
【0087】
S23:課金手段15は、ユーザIDフィールドの値を、認証手段11が記憶装置に記憶したユーザID「0901111XXXX」とし、金額フィールドの値を料金計算手段14から受け取った合計金額「3200」(円)とするレコードを課金テーブル411に追加する。課金手段15は、定期的に課金テーブル411のレコードを抽出して、外部の決済システムに送信する。外部の決済システムとしては、例えば、クレジット会社や携帯電話会社の決済システム等が該当する。特に、外部の決済システムが、携帯電話会社の決済システムである場合には、ユーザIDが携帯電話の電話番号であるので、携帯電話の利用料金にカラオケに係る合計金額を加算して決済することができる。
【0088】
[記録情報送信処理]
【0089】
図10は、本発明の実施形態に係る記録情報送信処理のフローチャートを示している。
【0090】
S31:携帯端末2は、所定のボタン等が押下された場合に、カラオケに係る音声、画像又は映像の記録要求をカラオケ装置1に送信する。
【0091】
S32:カラオケ記録手段16は、記録要求を携帯端末2から受信して、ビデオカメラから入力された映像と、楽曲再生手段23が再生した楽曲と、マイクから入力された音声とを動画ファイルとして記憶装置に記憶する。
【0092】
S33:携帯端末2は、所定のボタン等が押下された場合に、カラオケに係る音声、画像又は映像の取得要求をカラオケ装置1に送信する。
【0093】
S34:記録情報送信手段17は、カラオケに係る音声、画像又は映像の取得要求を携帯端末2から受信して、カラオケ記録手段16が記憶装置に記憶した動画ファイルを携帯端末2に送信する。
【0094】
S35:携帯端末2は、動画ファイルをカラオケ装置1から受信して、メモリに記憶する。
【0095】
S36:携帯端末2は、所定のボタン等が押下された場合に、メモリに記憶した動画ファイルを再生する。ここで、携帯端末2は、外部のテレビ受信機への出力インターフェース(音声及び映像の出力端子等)を備え、音声ケーブル及びディスプレイケーブルによりテレビ受信機と接続するようにしてもよい。これによると、携帯端末2で再生したカラオケに係る音声、画像又は映像をテレビ受信機に出力することができる。また、携帯端末2は、外部のPCへの接続インターフェース(USB等)を備え、USBケーブル等によりPCと接続するようにしてもよい。これによると、携帯端末2が、メモリに記憶した動画ファイルをPCに転送してPCの記憶装置に記憶することにより、PCでこの動画ファイルを再生することができる。
【0096】
なお、携帯端末2が、付属するカメラ及びマイクにより、カラオケに係る音声、画像又は映像を動画ファイルとしてメモリに記憶してもよい。
[アップロード処理]
【0097】
図11は、本発明の実施形態に係るアップロード処理のフローチャートを示している。
【0098】
S41:携帯端末2は、所定のボタン等が押下された場合に、カラオケに係る音声、画像又は映像のアップロード要求をカラオケ装置1に送信する。ここで、アップロード要求は、アップロードする画像ファイルのファイルIDと、アップロード先のウェブサイトのサイトIDとを含んでいる。
【0099】
S42:アップロード手段18は、アップロード要求を携帯端末2から受信して、アップロード要求に係るファイルIDに対応する動画ファイルを記憶装置から読み出して、アップロード要求に係るサイトIDに対応するウェブサイトにアップロードする。
【0100】
なお、アップロード手段18は、アップロード要求に係る動画ファイルを携帯端末2から受信して、この動画ファイルをアップロード要求に係るサイトIDに対応するウェブサイトにアップロードするようにしてもよい。
[採点結果送信処理]
【0101】
図12は、本発明の実施形態に係る採点結果送信処理のフローチャートを示している。
【0102】
S51:カラオケ採点手段19は、マイクから入力された音声を予め記憶装置に記憶された模範音声のデータと比較して採点を行い、その採点結果を記憶装置に記憶する。
【0103】
S52:携帯端末2は、所定のボタン等が押下された場合に、採点結果の取得要求をカラオケ装置1に送信する。
【0104】
S53:採点結果送信手段20は、採点結果の取得要求を携帯端末2から受信して、カラオケ採点手段19が記憶装置に記憶した採点結果を携帯端末2に送信する。
【0105】
S54:携帯端末2は、採点結果をカラオケ装置1から受信して、メモリに記憶する。
【0106】
S55:携帯端末2は、所定のボタン等が押下された場合に、メモリに記憶した採点結果を液晶パネルに表示する。
[出力設定処理]
【0107】
図13は、本発明の実施形態に係る出力設定処理のフローチャートを示している。
【0108】
S61:携帯端末2は、所定のボタン等が押下された場合に、音声又は楽曲の出力設定の取得要求をカラオケ装置1に送信する。
【0109】
S62:出力設定送信手段21は、音声又は楽曲の出力設定の取得要求を携帯端末2から受信して、楽曲再生手段23が再生している楽曲及びマイクから入力された音声の出力設定を携帯端末2に送信する。
【0110】
S63:携帯端末2は、出力設定をカラオケ装置1から受信して、メモリに記憶する。
【0111】
S64:その後、携帯端末2は、所定のボタン等が押下された場合に、音声又は楽曲の出力設定要求をカラオケ装置1に送信する。ここで、出力設定要求は、メモリに記憶した出力設定の情報を含む。
【0112】
S65:出力設定手段22は、音声又は楽曲の出力設定要求を携帯端末2から受信して、出力設定要求に係る受信した出力設定に従って、音声又は楽曲の出力を設定する。
【0113】
以上説明したように、認証が成功した場合に、カラオケを使用可能状態とするとともに、携帯端末からの遠隔操作を受付可能状態とし、携帯端末に注文フォーム(品書き)を送信することにより、ユーザが所有する携帯端末をカラオケのリモコンとして利用でき、かつ、料理等のオーダー端末として利用できる。このため、カラオケを円滑に利用できる。
【0114】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。
【0115】
例えば、本発明の実施形態では、リモコンプログラム(専用アプリ)をダウンロードしてインストールしているが、リモコンプログラムの代わりにウェブアプリを採用してもよい。
【0116】
本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本実施形態に係るカラオケ装置と関連要素の全体構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係るカラオケ装置の機能構成の概要を示す図である。
【図3】店舗データベースの構成の概要を示す図である。
【図4】課金データベースの構成の概要を示す図である。
【図5】楽曲データベースの構成の概要を示す図である。
【図6】本実施形態に係るカラオケ装置のハードウェア構成を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る初期化処理のフローチャートを示している。
【図8】本発明の実施形態に係る注文出力処理のフローチャートを示している。
【図9】本発明の実施形態に係る課金処理のフローチャートを示している。
【図10】本発明の実施形態に係る記録情報送信処理のフローチャートを示している。
【図11】本発明の実施形態に係るアップロード処理のフローチャートを示している。
【図12】本発明の実施形態に係る採点結果送信処理のフローチャートを示している。
【図13】本発明の実施形態に係る出力設定処理のフローチャートを示している。
【符号の説明】
【0118】
1 カラオケ装置
2 携帯端末
3 店舗サーバ
4 課金サーバ
5 楽曲サーバ
11 認証手段
12 初期化手段
13 注文出力手段
14 料金計算手段
15 課金手段
16 カラオケ記録手段
17 記録情報送信手段
18 アップロード手段
19 カラオケ採点手段
20 採点結果送信手段
21 出力設定送信手段
22 出力設定手段
23 楽曲再生手段
31 店舗データベース
41 課金データベース
51 楽曲データベース
311 ユーザ情報テーブル
312 品書きテーブル
313 注文テーブル
411 課金テーブル
511 楽曲テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケ装置が、
携帯端末からユーザIDを受付けて、その認証を行う認証ステップと、
認証が成功した場合に、カラオケを使用可能状態とするとともに、前記携帯端末からの遠隔操作を受付可能状態とし、前記携帯端末に品書きを送信する初期化ステップと、
前記携帯端末から前記品書きに含まれる品の注文を受付けて、注文のあった品の情報を出力する注文出力ステップと、
注文のあった品及びカラオケの利用に係る料金を計算する料金計算ステップと、
計算した料金を前記ユーザIDのユーザに課金する課金ステップと、
を少なくとも実行することを特徴とするカラオケ提供方法。
【請求項2】
前記カラオケ装置が、さらに、
カラオケに係る音声、画像又は映像を記録するカラオケ記録ステップと、
前記携帯端末からカラオケに係る音声、画像又は映像の取得要求を受付けて、記録した前記取得要求に係る音声、画像又は映像を前記携帯端末に送信する記録情報送信ステップと、
を実行することを特徴とする請求項1に記載のカラオケ提供方法。
【請求項3】
前記カラオケ装置が、さらに、
前記携帯端末からカラオケに係る音声、画像又は映像のアップロード要求を受付けて、記録した前記アップロード要求に係る音声、画像又は映像を、前記アップロード要求で指定されたウェブサイトにアップロードするアップロードステップを実行することを特徴とする請求項2に記載のカラオケ提供方法。
【請求項4】
前記カラオケ装置が、さらに、
マイクから入力された音声を採点するカラオケ採点ステップと、
前記携帯端末から採点結果の取得要求を受付けて、前記採点結果を前記携帯端末に送信する採点結果送信ステップと、
を実行することを特徴とする請求項1に記載のカラオケ提供方法。
【請求項5】
前記カラオケ装置が、さらに、
前記携帯端末から音声又は楽曲の出力設定の取得要求を受付けて、前記音声又は楽曲の出力設定を前記携帯端末に送信する出力設定送信ステップを実行することを特徴とする請求項1に記載のカラオケ提供方法。
【請求項6】
前記カラオケ装置が、さらに、
前記携帯端末からカラオケに係る音声又は楽曲の出力設定要求を受付けて、前記携帯端末に記憶されたカラオケに係る音声又は楽曲の出力設定を受信し、該出力設定に従ってカラオケに係る音声又は楽曲の出力を設定する出力設定ステップを実行することを特徴とする請求項1に記載のカラオケ提供方法。
【請求項7】
前記カラオケ装置は、前記携帯端末とBluetooth(登録商標)により通信することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のカラオケ提供方法。
【請求項8】
携帯端末と通信可能なカラオケ装置であって、
前記携帯端末からユーザIDを受付けて、その認証を行う認証手段と、
認証が成功した場合に、カラオケを使用可能状態とするとともに、前記携帯端末からの遠隔操作を受付可能状態とし、前記携帯端末に品書きを送信する初期化手段と、
前記携帯端末から前記品書きに含まれる品の注文を受付けて、注文のあった品の情報を出力する注文出力手段と、
前記注文のあった品及びカラオケの利用に係る料金を計算する料金計算手段と、
計算した料金を前記ユーザIDのユーザに課金する課金手段と、
を備えることを特徴とするカラオケ装置。
【請求項9】
請求項1に記載の方法を前記カラオケ装置に実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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