説明

カラオケ装置

【課題】タッチパネル式の入力表示装置を備えたカラオケ装置において、入力表示装置に他の画像と併せて特定のアイコンを表示する際、アイコンが接触入力可能であると見た目で判断しやすいようにする。
【解決手段】入力表示制御部12は、コンテンツ画像の映像情報と、コンテンツに対応付けられた合成情報とをメイン制御部14から取得する。合成イメージ生成部12cは、取得した合成情報に従って、アイコンを含む合成用画像をレイアウトしたフレーム画像を生成する。外部映像キャプチャ部12dは、取得したコンテンツ画像の映像情報を映像化したフレーム画像を生成する。アルファブレンディング部12hは、合成用のフレーム画像をコンテンツのフレーム画像の上に重ね合わせたオーバーレイ表示の合成画像を生成する。生成されたオーバーレイ合成画像の画像情報は入力表示部の表示パネル11aに出力され、表示パネル11aにおいて表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル式の入力装置を備えたカラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カラオケ演奏を初めとする各種映像・音声サービスを提供するカラオケ装置において、カラオケ装置本体とは分離したリモコン端末によってカラオケ装置本体の操作を行うことが広く実施されている(例えば特許文献1)。この種のリモコン端末としては、液晶ディスプレイ等の表示面上に取付けたタッチパネルを主要な入力装置として備え、無線LANインタフェースを実装した検索機能付き情報端末が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−49097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のようなリモコン端末において情報表示を行う他にも、外部から配信されるカラオケコンテンツの内容に合わせて、カラオケ装置本体側でユーザに対して有用な情報を提示することによって、カラオケ利用者の満足度を上げたいという要望がある。しかしながら、利用者によっては、カラオケ歌唱以外の情報提示を必要とせず、カラオケの歌唱のみを行いたいという要望もある。
【0005】
このため、カラオケ装置本体側で情報提示を行う場合、カラオケ装置の本体側にも表示モニタとタッチパネルからなる接触入力方式の入力表示装置を設けることが考えられる。タッチパネル式の入力表示装置に表示したアイコン等のGUI(Graphical User Interface)により様々な操作を行えるようにすることで、利用者の必要に応じて提示する情報の取捨選択を行えるようにできる。
【0006】
ところが、例えばカラオケ楽曲の演奏中においては、カラオケ装置本体に設けられた入力表示装置のモニタに、演奏中のカラオケ楽曲に対応した背景画像や歌詞画像、あるいは、カラオケ楽曲の演奏状態を調節する演奏操作(例えば、早送り、スピードコントロール、キーコントロール等)用のアイコンが表示される。ここで、カラオケコンテンツの内容に合わせた情報提示のイベント用に特化した機能選択アイコンを、演奏中に常時表示している他の演奏操作用アイコンと同様に表示しても、表示されたイベント用の機能選択アイコンがタッチパネルで操作可能であるか否かを利用者が容易に判別することができないといった問題があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、タッチパネル式の入力表示装置を備えたカラオケ装置において、入力表示装置に他の画像と併せて特定の機能選択アイコンを表示する際、機能選択アイコンが接触入力可能であると見た目で判断しやすいようにするための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明は、利用者が触れることによる接触入力操作が可能なタッチパネルが入力表示手段に設けられて構成されるカラオケ装置であって、コンテンツ画像取得手段と、付加情報取得手段と、描画手段と、表示制御手段と入力制御手段とを備える。
【0009】
コンテンツ画像取得手段は、入力表示手段に表示させるコンテンツ画像データを取得する。付加情報取得手段は、入力表示手段に表示されるコンテンツ画像上に所定の機能選択アイコンを表示して作動させるための仕組みに関する情報であって、当該コンテンツごとに対応付けられている付加情報を取得する。描画手段は、コンテンツ画像取得手段により取得したコンテンツ画像データに基づいてコンテンツ画像を描画する。
【0010】
そして、表示制御手段は、描画手段により描画したコンテンツ画像上に、付加情報取得手段により取得した付加情報に基づいて描画した機能選択アイコン画像をオーバーレイにより合成し、その合成画像を入力表示手段のディスプレイに表示させる。さらに、入力制御手段は、表示制御手段により入力表示手段のディスプレイに表示された機能選択アイコンの表示位置に対応した範囲で、当該機能選択アイコンで示される機能に対応する操作を入力表示手段のタッチパネルによって接触入力可能に設定する。
【0011】
このような構成によれば、タッチパネルを備える入力表示手段に機能選択アイコンを表示するための仕組みに関する情報であって、コンテンツごとに対応付けられた付加情報を取得し、その取得した付加情報に基づいてコンテンツ画像(例えば、カラオケ演奏時に表示する背景画像や演奏待ち期間に表示する情報提示画像)とは別個に機能選択アイコン画像を描画する。なお、付加情報には、例えば、機能選択画像の画像情報やレイアウト、機能、動作等を規定する情報が含まれる。
【0012】
そして、背景となるコンテンツ画像上に機能選択アイコン画像をオーバーレイにより合成した合成画像を入力表示手段のディスプレイに表示すると共に、その表示した機能選択アイコンに対する接触入力をタッチパネルにおいて設定する。このように、背景のコンテンツ画像上に機能選択アイコンの画像をオーバーレイ表示することで、その機能選択アイコンが接触入力可能であることを利用者に対して分かりやすく提示できる。
【0013】
あるいは、カラオケ楽曲の演奏の進行度合に応じて、表示する機能選択アイコンの内容を変更できるように構成してもよい。具体的には、請求項2に記載のように、カラオケ装置は、当該カラオケ装置が行うカラオケ楽曲の演奏中に、その演奏の進行度合を判定する判定手段を更に備える。そして、判定手段により判定された演奏の進行度合に応じた所定時期において、付加情報取得手段により進行度合に対応した所定の機能選択アイコンに関する付加情報を取得する。その取得した付加情報に基づいて表示制御手段により機能選択アイコン画像を描画してコンテンツ画像上に当該機能選択アイコン画像をオーバーレイで合成した合成画像を表示させる。
【0014】
このような構成によれば、カラオケ楽曲の前奏や本奏、間奏、後奏といった局面ごとに内容の異なる付加情報を取得することで、カラオケ楽曲の進行度合対応した機能に関する操作を、カラオケ装置が備えるタッチパネルを用いて行うことができる。例えば、カラオケ楽曲の本奏(歌詞のある部分の演奏)中には、カラオケ楽曲の演奏状態を調節するための機能選択アイコンを表示したり、間奏や後奏中には、利用者に対する各種の情報提示や投票等の機能を操作するための機能選択アイコンを表示するといった具合に、カラオケ楽曲の演奏の進行度合に応じた便利な機能をタッチパネルにより操作可能にすることができる。
【0015】
ところで、スナックバー等のナイト(酒場)市場において接客員と利用客とが一緒にカラオケ装置を利用する場合、接客員がカラオケ装置を操作して利用客に関する情報を表示させて、その内容を閲覧するといった利用方法が考えられる。このようにする背景には、接客員と利用客とが一緒にカラオケ装置を利用していると、利用客がリモコン端末を使用している間、接客員はリモコン端末を使用できず必要な操作をすぐに行えないという事情もある。
【0016】
そこで、請求項3に記載のように構成するとよい。すなわち、付加情報取得手段が、当該カラオケ装置が保有する利用客に関する情報を入力表示手段のディスプレイに表示させることを指示する機能の利用客情報アイコンに関する付加情報を取得する。そして、表示制御手段が、コンテンツ画像データに基づいて描画されたコンテンツ画像上に、付加情報に基づいて描画された利用客情報アイコン画像をオーバーレイで合成した合成画像を表示させる。
【0017】
このような構成によれば、接客員がタッチパネルを操作することで利用客に関する情報を閲覧することができ、便利である。この利用客情報アイコンによって表示させる情報としては、例えば、利用客の好きなカラオケ楽曲や、好きな飲食物等といった利用客の嗜好に関するものが挙げられる。
【0018】
一方、カラオケボックス等のカラオケを主目的とする娯楽施設でカラオケサービスを提供するデイ市場では、利用客にカラオケサービスをより深く楽しんでもらうために、カラオケ楽曲やアーティストに関する情報提示を行うようにすることが考えられる。そこで、請求項4に記載のように構成するとよい。すなわち、付加情報取得手段が、当該カラオケ装置で演奏されるカラオケ楽曲又はそのカラオケ楽曲のアーティストに関するカラオケ情報を入力表示手段のディスプレイに表示させることを指示する機能のカラオケ情報アイコンに関する付加情報を取得する。そして、表示制御手段が、コンテンツ画像データに基づいて描画されたコンテンツ画像上に、付加情報に基づいて描画されたカラオケ情報アイコン画像をオーバーレイで合成した合成画像を表示させる。
【0019】
このような構成によれば、利用客がタッチパネルを操作することでカラオケ楽曲やアーティストに関する情報を閲覧することができ、便利である。このカラオケ情報アイコンによって表示させる情報としては、例えば、演奏予約中のカラオケ楽曲の情報や、演奏したカラオケ楽曲のアーティストに関する情報、演奏したカラオケ楽曲と関連のある他のカラオケ楽曲やアーティスト等が挙げられる。
【0020】
ところで、タッチパネルとディスプレイからなる入力表示手段を制御するための入力表示手段を備えるカラオケ装置においては、請求項5に記載のように、当該カラオケ装置が行うカラオケ楽曲の演奏を制御する制御デバイスと、表示制御手段及び入力制御手段の機能を担う制御デバイスとを別体に構成することが考えられる。このような構成によれば、入力表示手段を制御する機能を担う制御デバイス側で、コンテンツ画像と機能選択アイコン画像との合成を行い、合成画像をディスプレイに表示することができる。
【0021】
ところで、仕様の異なる複数機種のカラオケ装置を製造する際、本発明における入力表示手段を制御する機能を同じように備える機種同士であっても、タッチパネルとディスプレイからなる入力表示手段を実装した機種と、実装しない機種とを両方製造する場合が考えられる。また、最初から入力表示手段が実装されていなくても、後から任意で追加実装できるようにすることも考えられる。そこで、このような事情を鑑み、請求項6に記載のように構成することが考えられる。
【0022】
すなわち、当該カラオケ装置に入力表示手段が実装されているか否かを判定する実装判定手段を更に備える。そして、実装判定手段により入力表示手段が実装されていると判断された場合、入力制御手段による機能選択アイコンの表示を行う一方、入力表示手段が実装されていないと判断された場合、入力制御手段による機能選択アイコンの表示を行わないと共に、外部からの付加情報の取得を行わない。
【0023】
このように構成することで、タッチパネルとディスプレイからなる入力表示手段が実装されている場合と、実装されていない場合とで、カラオケ装置が備える表示制御手段や入力制御手段の動作を明確に区別できる。また、入力表示手段が後から追加された場合でも、コンテンツ画像上に機能選択アイコンを表示して、その機能選択アイコンに対する接触操作を入力可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施形態のカラオケ装置1の概略構成を示すブロック図である。
【図2】(a)は、メイン制御部及び入力表示制御部の機能的構成を示すブロック図であり、(b),(c),(d)は、描画された画像の一例を示す説明図である。
【図3】(a)は、合成レイアウト情報の内訳項目の一例を示す説明図であり、(b)は、合成レイアウト情報から生成される画面イメージの一例を示す説明図である。
【図4】楽曲演奏時における入力表示制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】CM再生時における入力表示制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】合成レイアウト情報取得処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】合成画像の表示例1を示す説明図である。
【図8】(a)は、別実施形態におけるメイン制御部の機能的構成を示すブロック図であり、(b),(c),(d)は、描画された画像の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
[カラオケ装置1の構成の説明]
図1に示すように、カラオケ装置1は、カラオケ装置1全体の制御を司る制御手段としてのメイン制御部14、及びこのメイン制御部14に接続された各部、すなわち、操作パネル10、入力表示部11、入力表示制御部12、ハードディスクドライブ(HDD)13、映像処理部15、音声処理部17、通信インタフェース18等を備える。
【0026】
操作パネル10は、カラオケ装置1に対する各種操作を行うための入力装置であり、カラオケ装置1本体の外装パネルに配置されたスイッチ類により構成される。
入力表示部11は、カラオケ装置1の本体に組込まれた表示パネル11aと、表示パネル11aの表示面上に一体に設置されたタッチパネル11bとからなる表示と入力との2つの機能を兼ね備えた電子装置である。表示パネル11aは、例えば、液晶パネル(LCD)等で構成され、入力表示制御部12から入力される画像情報によってカラオケ演奏中の背景画像や、演奏待ち期間における情報表示画像、あるいはそれらの画像に重畳して表示されるアイコン画像等が表示される。タッチパネル11bは、表示パネル11aの表示面の形状に合わせて薄板状に形成された透過性を有する樹脂材料により構成されており、操作者の指先やペン先等で触れるか至近距離まで接近する(以下、これらの動作を「タッチ」とも称する。)ことで、タッチされた画面位置の情報を感知して入力表示制御部12に入力する。入力表示制御部12では、タッチパネル11bから入力された位置情報が表示パネル11aに表示しているアイコンの画像位置に該当する場合、そのアイコンに割当てられているイベント情報がメイン制御部14に通知される。そして、メイン制御部14において、入力表示制御部12から通知されたイベント情報に該当の機能が実行される。
【0027】
リモコン端末において情報表示を行う場合、カラオケ店舗内に敷設された無線LANを通じて操作対象のカラオケ装置からデータを送るため、表示コンテンツの複雑化や利用頻度が高まるにつれて、無線LANのネットワークの通信負荷が高まることが発生し得るが、カラオケ装置1に備えられた表示パネル11aにより情報表示を行うことで通信負荷を低減することができる。
【0028】
入力表示制御部12は、CPU,ROM,RAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスライン等を中心に構成された情報処理装置(例えば、マイクロコンピュータ)からなる制御用デバイスであり、入力表示部11の作動を制御する。この入力表示制御部12は、メイン制御部14から入力される画像情報に基づき、カラオケ演奏中の背景画像や演奏待ち期間における情報表示画像等のコンテンツ画像上に、種々の機能選択を行うためのアイコン画像や情報提示画像からなる合成用画像をオーバーレイにより合成した合成画像を描画する。そして、その合成画像を入力表示部11の表示パネル11aに表示させると共に、表示パネル11aに表示されたアイコンに対するタッチ操作をタッチパネル11bにおいて受付可能に設定する。
【0029】
HDD13は、カラオケの楽曲データを多数収録したカラオケデータベースや、カラオケ装置1の動作を制御するシステムプログラムやアプリケーションプログラム、各種の情報コンテンツの提示に用いる動画や静止画等の画像データやテキストデータ等の各種データを記憶する記憶装置である。
【0030】
このHDD13には、カラオケ楽曲等のコンテンツごとに対応する内容の合成用画像を描画し、そこに含まれるアイコンを機能させるための仕組みに関するコンテンツレイアウト情報が各コンテンツに対応付けられて格納されている。また、このコンテンツレイアウト情報は、例えばカラオケ楽曲の演奏の進行度別(前奏、本奏、間奏、後奏等)や、カラオケ装置1の動作モード(ナイトモード又はデイモード)別に分類されて格納されている。また、HDD13には、個別のコンテンツに対応せず、様々な共通コンテンツに対して共用される合成用画像を描画するための素材となる共通合成データ(例えば、画像、映像、テキスト等)も格納されている。なお、カラオケ装置1には、HDD13に加え、不揮発性の半導体メモリ(例えばNAND型フラッシュメモリ等)が搭載される場合がある。このような不揮発性の半導体メモリは、ハードディスクドライブに比べて故障や破損の可能性が低いという利点がある。そこで、カラオケ装置1に不揮発性半導体メモリが搭載される場合には、HDD13に格納されているコンテンツレイアウト情報や共通合成データ及びプログラム等を故障・破損率の低い不揮発性半導体メモリに格納してもよい。
【0031】
映像処理部15は、画像情報を映像化するグラフィックエンジンや圧縮形式の映像データを再生するデコーダからなる映像処理装置であり、ビデオ出力端子に接続される外付けのメインモニタ20における表示画像を処理する。メインモニタ20には、カラオケ装置1が実行中のサービス(カラオケ演奏や演奏待ち期間における情報提示)に対応したコンテンツ画像が表示される。
【0032】
音声処理部17は、楽曲データに基づく演奏再生を行うと共に、演奏再生音とオーディオ入力端子に接続されるマイクロフォン(図示省略)から入力される歌唱者の歌声とをミキシングする等して適宜音声処理を施し、その音声処理された音声信号をオーディオ出力端子から出力する。また、カラオケ演奏以外の一般音源として、圧縮形式の音声データを再生してオーディオ出力端子から出力するデコーダとしての機能も有する。オーディオ出力端子から出力された音声信号は、オーディオ出力端子に接続されたアンプ(図示省略)で増幅された後にスピーカ(図示省略)から放音される。
【0033】
通信インタフェース18は、ネットワーク接続端子に接続された通信ネットワークを介して外部の配信サーバ等とデータ通信を行うための通信装置である。なお、カラオケ装置1が設置される商業施設としては、飲食を主目的とするスナックバー等のナイト市場と、カラオケサービスを主目的とするカラオケボックス等のデイ市場とがある。ナイト市場では、一般公衆回線等の低速な通信サービスを利用するナローバンド環境でカラオケ装置1をインターネット等の通信ネットワークに接続する小規模な店舗が比較的多い。一方、デイ市場では、多数のカラオケ装置1同士を店舗内のLANで相互接続した上で、店舗内のLANを光通信やADSL等の高速な通信サービスを利用するブロードバンド環境で外部の通信ネットワーク(例えば、ブロードバンドVPN等)に接続する大規模な店舗が多い。よって、カラオケ装置1をナイト市場及びデイ市場のどちらの市場にも対応して利用できるようにする場合、通信インタフェース18としては、ナローバンド環境及びブロードバンド環境の何れにも対応可能なものを採用する。
【0034】
メイン制御部14は、CPU,ROM,RAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスライン等を中心に構成された情報処理装置(例えば、マイクロコンピュータ)からなる制御用デバイスであり、HDD13から読込んだプログラムやデータに基づき、ユーザから指定されたカラオケ楽曲の伴奏音楽を演奏する処理を行う。このとき、映像処理部15を通じて、演奏対象の楽曲に対応する背景画像や歌詞テロップをメインモニタ20に表示する表示する。また、カラオケ楽曲の演奏を行っていない演奏待ち期間には、予め指定された動作モードに従って、メインモニタ20を用いた各種画像表示や、音声出力による情報提示を行う。また、メインモニタ20に表示させる各種コンテンツ画像の映像データをリアルタイムに入力表示制御部12に送信すると共に、このコンテンツ画像に重畳して表示するための合成用画像を描画するための合成情報(コンテンツレイアウト情報及び共通合成データ)を入力表示制御部12に送信する。
【0035】
なお、カラオケ装置1のその他の機能や構成については公知技術に従っているのでここでは詳細な説明を省略する。
ところで、本実施形態のカラオケ装置1は、ナイト市場での利用にもデイ市場での利用にも両方対応可能な機種として構成したものを想定している。しかしながら、ナイト市場とデイ市場とでは、その営業形態や客層の違いから要求されるカラオケサービスの内容にも差異がある。また、ナイト市場に比較的多いナローバンド環境の店舗と、デイ市場に多いブロードバンド環境の店舗とでは、通信速度の違いから提供できるサービスの内容に差異がある。そこで、本実施形態のカラオケ装置1では、演奏待ち期間においてメイン制御部14が実行するアプリケーションとしてナイト市場向けの機能とデイ市場向けの機能の何れも実装し、環境設定機能において実際に使用される市場に合わせた動作モード(ナイトモード又はデイモード)を指定することで、指定された市場向けの機能をメイン制御部14が実行する。
【0036】
ナイトモードに対応した機能としては、例えば、サービスの対象を当該店舗の得意客に限定した機能や、当該店舗の接客員を対象とした機能、中高年層の利用客向けの機能等が実装される。また、ナローバンド環境で使用されることに配慮し、必要な通信データ量が比較的少ないサービスが実装される。一方、デイモードに対応した機能としては、全国の会員をサービスの対象とした機能や、チェーン展開する店舗に対応した機能、若年層の利用客向けの機能等が実装される。また、ブロードバンド環境で使用されることを考慮し、必要な通信データ量が比較的多いサービスも実装される。また、ナイトモードとデイモードとで兼用できる機能も実装される。
【0037】
[メイン制御部14及び入力表示制御部12の機能的構成の説明]
つぎに、入力表示部11の表示パネル11aにコンテンツ画像と合成用画像とによる合成画像を表示する際のメイン制御部14及び入力表示制御部の機能的構成について、図2を参照しながら説明する。
【0038】
図2(a)に示すとおり、メイン制御部14は、機能的構成として合成情報送信部14a及び映像送信部14bを備える。合成情報送信部14aは、コンテンツ画像上にオーバーレイ表示するための合成用画像を描画するための合成情報(コンテンツレイアウト情報及び共通合成データ)を入力表示制御部12に送信する。また、映像送信部14bは、再生中のコンテンツ画像の映像情報をリアルタイムに入力表示制御部12に送信する。
【0039】
一方、入力表示制御部12は、機能的構成として合成情報受信部12a、映像受信部12b、合成イメージ生成部12c、外部映像キャプチャ部12d、合成部12eを備える。合成情報受信部12aは、メイン制御部14の合成情報送信部14aから合成情報を受信し、合成イメージ生成部12cに入力する。映像受信部12bは、メイン制御部14の映像送信部14bからコンテンツ画像の映像情報を受信し、外部映像キャプチャ部12dに入力する。
【0040】
合成イメージ生成部12cは、入力されたコンテンツレイアウト情報及び共通合成データに従って、コンテンツ画像にオーバーレイ表示するための合成用画像がレイアウトされたフレーム画像を生成し、その生成したフレーム画像を合成部12eの第1フレームバッファ12fに描画する。第1フレームバッファ12fは、入力表示制御部12のRAMの所定領域に形成されたフレーム画像用の一時記憶領域である。第1フレームバッファ12fに描画されたフレーム画像の一例を図2(b)に示す。この図に示すとおり、第1フレームバッファ画像には、合成イメージ生成部12cによってレイアウトされた合成用画像121(アイコン)が描画されている。
【0041】
外部映像キャプチャ部12dは、入力されたコンテンツ画像の映像情報を映像化したフレーム画像を生成し、第2フレームバッファ12gに描画する。第2フレームバッファ12gは、入力表示制御部12のRAMの所定領域に形成されたフレーム画像用の一時記憶領域であり、第1フレームバッファ12fとは別に設けられる。第2フレームバッファ12gに描画されたフレーム画像の一例を図2(c)に示す。この図に示すとおり、第2フレームバッファ画像には、外部映像キャプチャ部12dによって描画されたコンテンツ画像122が描画されている。
【0042】
第1フレームバッファ12f及び第2フレームバッファ12gにそれぞれ描画されたフレーム画像は、アルファブレンディング部12hにより1つのフレーム画像に合成される。アルファブレンディング部12hは、第1フレームバッファ12fに描画された合成用画像を第2フレームバッファ12gに描画されたコンテンツ画像の上に重ね合わせたオーバーレイ表示の合成画像を生成する。アルファブレンディング部12hにより生成されたオーバーレイ合成画像の一例を図2(d)に示す。この図に示すとおり、オーバーレイ合成画像には、背景となるコンテンツ画像122(第2フレームバッファ画像)の上に、合成用画像121(第1フレームバッファ画像)のアイコンが重ねて描画されている。
【0043】
合成部12eのアルファブレンディング部12hによって合成されたオーバーレイ合成画像の画像情報は入力表示部11の表示パネル11aに出力される。その結果、表示パネル11aにおいてオーバーレイ合成画像が表示される。
【0044】
[合成レイアウト情報の説明]
つぎに、コンテンツ画像上にオーバーレイ表示する合成用画像の描画に用いる合成レイアウト情報の詳細な内容について、図3を参照しながら説明する。
【0045】
図3(a)に示すとおり、合成レイアウト情報には内訳として、「種類」、「エリア座標」、「表示データ」、「リンク」、「操作の可否」、及び「拡張情報」等の各項目に対応する情報が含まれている。
【0046】
「種類」の情報項目には、その合成用画像が映像や画像を表示するための映像・画像エリアや、テキストを表示するためのテキストエリア、表示内容を特に指定しない自由エリア等の種別を示す情報が含まれる。「エリア座標」の情報項目は、その合成用画像の表示位置及び表示範囲を示す座標情報が含まれる。「表示データ」の情報項目には、その合成用画像の表示エリアに表示される画像や映像、テキストのデータを示す情報が含まれる。「リンク」の情報項目には、その合成用画像が機能選択用のアイコンである場合に、タッチ操作された際に参照すべきリンク先や発生するイベントを示す情報が含まれる。「操作の可否」は、その合成用画像に対するタッチ操作を受付け可能であるか、すなわち、操作可能なアイコンであるか否かを示す情報が含まれる。「拡張情報」の情報項目には、その合成用画像に用いられる表示効果(エフェクト)に関する情報が含まれる。具体的には、エフェクトに用いられる画像の表示位置及び表示範囲を示す情報が含まれる「エリア座標」、エフェクトとして表示される画像や映像、テキストのデータを示す情報が含まれる「拡張表示データ」、タッチ操作時のアイコンの動作の内容等のエフェクトの種類を示す情報が含まれる「エフェクトの種類」といった情報項目がある。
【0047】
上述のような合成レイアウト情報から生成される画面イメージの一例を図3(b)に示す。この図に示すように、表示パネル11aの表示範囲内に、合成レイアウト情報に基づいて生成された各種の合成用画像が所定位置にレイアウトされる。
【0048】
[楽曲演奏時における入力表示制御処理の説明]
つぎに、カラオケ装置1の入力表示制御部12が実行する「楽曲演奏時における入力表示制御処理」の手順について、図4のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、メイン制御部14が実行するカラオケ演奏に関する各種処理や、演奏待ち期間に実行する情報提示に関する各種処理等と並行して実行される処理である。また、入力表示制御部12あるいはメイン制御部14においてカラオケ装置1に入力表示部11が実装されているか否かを判定し、実装されていることが確認された条件下において実行される。
【0049】
入力表示制御部12は、まず、メイン制御部14において実行中のコンテンツの種別を判定する(S100)。実行中のコンテンツがカラオケ楽曲の演奏である場合(S100:楽曲演奏)、S104の処理に進む。一方、実行中のコンテンツがカラオケ楽曲の演奏以外の画像合成の対象となるコンテンツである場合(S100:その他合成対象)、本処理とは別の当該コンテンツ用の処理フローに移行する(S102)。あるいは、実行中のコンテンツが画像合成の対象外のコンテンツである場合(S100:合成対象外)、本処理を終了する。
【0050】
実行中のコンテンツがカラオケ楽曲の演奏である場合に進むS104では、カラオケ装置1の動作モードの設定において、入力表示部11で情報表示を行う情報表示モードがオンに設定されているか否かを判定する。情報表示モードがオンに設定されている場合(S104:YES)、S106の処理に進む一方、情報表示モードがオフに設定されている場合(S104:NO)、本処理を終了する。
【0051】
情報表示モードがオンに設定されている場合に進むS106では、カラオケ装置1の環境設定においてデイモードに設定されているか、あるいはナイトモードに設定されているかを判定する。デイモードに設定されている場合(S106:デイモード)に進むS108では、演奏中のカラオケ楽曲に対応付けられているコンテンツレイアウト情報のうちデイモードにおける画像合成に対応したデイモード用のコンテンツレイアウト情報や、共通合成データを取得する。コンテンツレイアウト情報及び共通合成データは、合成情報受信部12aを通じてメイン制御部14から取得する。一方、ナイトモードに設定されている場合(S106:ナイトモード)に進むS110では、演奏中のカラオケ楽曲に対応付けられているコンテンツレイアウト情報のうちナイトモードにおける画像合成に対応したデイモード用のコンテンツレイアウト情報や共通合成データを取得する。
【0052】
つぎに、S112では、メイン制御部14で行われている楽曲演奏の進行度合を判定する。ここでは、カラオケ楽曲の歌唱パートに入る前に演奏される「前奏」、歌唱パートで演奏される「本奏」、歌唱パートの合間に演奏される「間奏」、歌唱パートの終了後、楽曲の最後に演奏される「後奏」の何れかの段階を判定する。
【0053】
前奏を演奏中である場合(S112:前奏)に進むS114では、演奏中のカラオケ楽曲に対応付けられているコンテンツレイアウト情報のうち前奏中における画像合成に対応した前奏用のコンテンツレイアウト情報や共通合成データを取得する。一方、本奏を演奏中である場合(S112:本奏)に進むS116では、演奏中のカラオケ楽曲に対応付けられているコンテンツレイアウト情報のうち本奏中における画像合成に対応した本奏用のコンテンツレイアウト情報や共通合成データを取得する。一方、間奏を演奏中である場合(S112:間奏)に進むS118では、演奏中のカラオケ楽曲に対応付けられているコンテンツレイアウト情報のうち間奏中における画像合成に対応した間奏用のコンテンツレイアウト情報や共通合成データを取得する。一方、後奏を演奏中である場合(S112:後奏)に進むS120では、演奏中のカラオケ楽曲に対応付けられているコンテンツレイアウト情報のうち後奏中における画像合成に対応した後奏用のコンテンツレイアウト情報や共通合成データを取得する。
【0054】
つぎに、S122では、S108〜S120において取得した合成情報に基づいて生成した合成用画像と、カラオケ楽曲の演奏と同期して再生中の背景映像(コンテンツ画像)とを合成し、入力表示部11の表示パネル11aに表示するための合成画像を生成する。ここでは、上述したように、第1フレームバッファ12fに描画した合成用画像を、第2フレームバッファ12gに描画したカラオケ背景画像の上に重ね合わせたオーバーレイ表示の合成画像を生成する(図2参照)。そして、S122で生成した合成画像を入力表示部11の表示パネル11aに表示すると共に、その合成画像の生成に用いた合成レイアウト情報において操作可能と定義されたアイコンの画像位置に対するタッチ操作をタッチパネル11bにて受付け可能に設定する(S124)。
【0055】
つぎに、S126では、タッチパネル11bに対するタッチ操作を一定期間待ち受ける。一定期間のうちにタッチパネル11bに対するタッチ操作を感知した場合(S126:YES)、S128の処理に進み、一定期間のうちにタッチ操作がなかった場合(S126:NO)、本処理を終了する。タッチパネル11bに対するタッチ操作を感知した場合に進むS128では、そのタッチされた位置が、S124で表示した合成画像におけるアイコンの画像位置に相当するか否かを判定する。タッチされた位置がアイコンの画像位置に相当する場合(S128:YES)、S130の処理に進み、タッチされた位置がアイコンの画像位置ではない場合(S128:NO)、本処理を終了する。
【0056】
タッチされた位置がアイコンの画像位置である場合に進むS130では、対応する合成レイアウト情報において定義されたエフェクトを表示パネル11aに表示する。そして、そのタッチされたアイコンに割当てられているイベントの発生をメイン制御部14に対して通知し(S132)、本処理を終了する。
【0057】
[CM再生時における入力表示制御処理の説明]
つぎに、カラオケ装置1の入力表示制御部12が実行する「CM再生時における入力表示制御処理」の手順について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、メイン制御部14がカラオケ楽曲の演奏待ち期間に実行する情報提示に関する各種処理等と並行して実行される処理である。また、入力表示制御部12あるいはメイン制御部14においてカラオケ装置1に入力表示部11が実装されているか否かを判定し、実装されていることが確認された条件下において実行される。
【0058】
入力表示制御部12は、まず、メイン制御部14において実行中のコンテンツの種別を判定する(S200)。実行中のコンテンツがCM表示である場合(S200:CM表示)、S204の処理に進む。一方、実行中のコンテンツがCM表示以外の画像合成の対象となるコンテンツである場合(S200:その他合成対象)、本処理とは別の当該コンテンツ用の処理フローに移行する(S202)。あるいは、実行中のコンテンツが画像合成の対象外のコンテンツである場合(S200:合成対象外)、本処理を終了する。
【0059】
実行中のコンテンツがCM表示である場合に進むS204では、実行中のコンテンツが共通コンテンツであるか否かを判定する。ここでいう共通コンテンツとは、当該カラオケ装置1で独自に用いられるコンテンツではなく、共通の配信元から配信され多くのカラオケ装置で共通して利用されるコンテンツを指す。実行中のコンテンツが共通コンテンツである場合(S204:YES)、S206の処理に進む一方、共通コンテンツではない場合(S204:NO)、本処理を終了する。
【0060】
実行中のコンテンツが共通コンテンツである場合に進むS206では、カラオケ装置1の動作モードの設定において、入力表示部11で情報表示を行う情報表示モードがオンに設定されているか否かを判定する。情報表示モードがオンに設定されている場合(S206:YES)、S208の処理に進む一方、情報表示モードがオフに設定されている場合(S206:NO)、本処理を終了する。
【0061】
情報表示モードがオンに設定されている場合に進むS208では、表示中のCMが合成画像の表示による操作を許可されたコンテンツであるか否かを判定する。操作を許可されたコンテンツである場合(S208:YES)、S210の処理に進み、操作を許可されていないコンテンツである場合(S208:NO)、本処理を終了する。
【0062】
表示中のCMが操作を許可されたコンテンツである場合に進むS210では、表示中のCMコンテンツに対応付けられているコンテンツレイアウト情報や共通合成データを取得する。そして、S210で取得したコンテンツレイアウト情報や共通合成データに基づいて生成した合成用画像と、表示中のCM画像(コンテンツ画像)とを合成し、入力表示部11の表示パネル11aに表示するための合成画像を生成する(S212)。ここでは、上述したように、第1フレームバッファ12fに描画した合成用画像を、第2フレームバッファ12gに描画したCM画像の上に重ね合わせたオーバーレイ表示の合成画像を生成する(図2参照)。そして、S212で生成した合成画像を入力表示部11の表示パネル11aに表示すると共に、その合成画像の生成に用いた合成レイアウト情報において操作可能と定義されたアイコンの画像位置に対するタッチ操作をタッチパネル11bにて受付け可能に設定する(S214)。
【0063】
つぎに、S216では、タッチパネル11bに対するタッチ操作を一定期間待ち受ける。一定期間のうちにタッチパネル11bに対するタッチ操作を感知した場合(S216:YES)、S218の処理に進み、一定期間のうちにタッチ操作がなかった場合(S216:NO)、本処理を終了する。タッチパネル11bに対するタッチ操作を感知した場合に進むS218では、そのタッチされた位置が、S214で表示した合成画像におけるアイコンの画像位置に相当するか否かを判定する。タッチされた位置がアイコンの画像位置に相当する場合(S218:YES)、S220の処理に進み、タッチされた位置がアイコンの画像位置ではない場合(S218:NO)、本処理を終了する。
【0064】
タッチされた位置がアイコンの画像位置である場合に進むS220では、対応する合成レイアウト情報において定義されたエフェクトを表示パネル11aに表示する。そして、そのタッチされたアイコンに割当てられているイベントの発生をメイン制御部14に対して通知し(S222)、本処理を終了する。
【0065】
[合成レイアウト情報取得処理の説明]
つぎに、カラオケ装置1のメイン制御部14が実行する「合成レイアウト情報取得処理」の手順について、図6のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、カラオケ装置1で利用されるカラオケ楽曲やCM表示等のコンテンツデータを取得する処理と併せて実行される処理である。
【0066】
メイン制御部14は、まず、コンテンツデータを所定の取得先から取得する(S300)。コンテンツデータの取得は、通信ネットワークを通じてコンテンツ配信用のカラオケサーバや、当該コンテンツを保有する他のカラオケ装置との通信により行う。
【0067】
つぎに、自カラオケ装置1が入力表示部11を搭載した機種であるか否かを判定する(S302)。入力表示部11を搭載しているか否かについては、例えば、カラオケ装置1に予め登録されている設定情報を参照することで判定できる。自カラオケ装置1が入力表示部11を搭載している場合(S302:YES)、S304の処理に進む一方、入力表示部11を搭載していない場合(S302:NO)、本処理を終了する。
【0068】
自カラオケ装置1が入力表示部11を搭載している場合に進むS304では、S300で取得したコンテンツに対応する合成レイアウト情報を同じ配信元から取得し、当該コンテンツと対応付けてHDD13に格納する。また、S306では、S304で取得した合成レイアウト情報に基づいて合成用画像を生成する際に用いる合成素材(画像、映像、テキスト等)のデータを同じ配信元から取得し、HDD13に格納する。データの取得後、本処理を終了する。
【0069】
[合成画像の表示例の説明]
つぎに、本実施形態において入力表示部11に表示する合成画像の具体例について、図7を参照しながら説明する。
【0070】
(合成画像表示例1)
図7に示すのは、ナイトモードにおいてカラオケ楽曲を演奏しているときに、楽曲の間奏のタイミングで当該カラオケ装置1が設置された店舗(ナイト市場)の顧客に関する情報を入力表示部11に表示する事例である。この機能は、顧客と共にカラオケ装置1を利用する接客員が利用することを想定したものである。
【0071】
この事例では、図7(a)に示すとおり、間奏中のタイミングでカラオケの背景画像であるコンテンツ画像123上に、顧客情報の表示を呼び出す情報表示用のアイコンを含むオーバーレイ画像群124が表示される。この画面上において利用者(例えば、接客員)が、オーバーレイ画像131として表示される「顧客情報」の情報表示用のアイコンをタッチすると背景画像上に、オーバーレイ画像132として顧客情報が表示される(図7(b)参照)。
【0072】
図7(b)に示す事例では、来店中の顧客名や、その顧客の好む楽曲名や飲食物といった情報が含まれたオーバーレイ画像132を含むオーバーレイ画像群125が、間奏時のコンテンツ画像123上に表示されている。来客中の顧客に関する情報は、予めカラオケ装置1のHDD13等に登録されている常連客のデータデータベースから、来店して当該カラオケ装置1にログインした顧客に該当のデータを読出して表示する。
【0073】
(合成画像表示例2)
図7の変形例として、ナイトモードにおいてカラオケ楽曲を演奏しているときに、図7(a)に示すオーバーレイ画像131「顧客情報」の代わりに、「次曲予約候補」の情報表示用のアイコンがオーバーレイ画像131として表示されてもよい。この画面上において利用者(顧客や接客員)が「次曲予約候補」の情報表示用のアイコンをタッチすると背景画像上に関連アーティスト情報が表示される。
【0074】
この場合、図7(b)に示すオーバーレイ画像132の代わりに、関連アーティスト情報として、演奏中の楽曲と関連性のあるアーティスト名や、演奏中の楽曲のアーティストの他の楽曲名といった情報が、間奏時のコンテンツ画像123上に表示される。例えば、関連アーティスト名をタッチすることで、そのアーティストの楽曲名を表示するようにしたり、表示中の楽曲名をタッチすることで、その楽曲を次以降の演奏予約曲に指定できるようにする。このような関連アーティスト情報は、当該カラオケ楽曲に対応付けて配信された情報に基づいて表示する。
【0075】
(合成画像表示例3)
合成画像表示例2の変形例として、楽曲の後奏のタイミングで、上述の「次曲予約候補」の情報表示用のアイコンが、図7(a)に示すオーバーレイ画像131として表示されてもよい。この画面上において利用者(顧客や接客員)が「次曲予約候補」の情報表示用のアイコンをタッチすると背景画像上に、上述の関連アーティスト情報が表示される。
【0076】
(合成画像表示例4)
図7の変形例として、デイモードにおいてカラオケ楽曲を演奏しているときに、上述の「次曲予約候補」の情報表示用のアイコンが、図7(a)に示すオーバーレイ画像131として表示されてもよい。この画面上において利用者(例えば、顧客)が「次曲予約候補」の情報表示用のアイコンをタッチすると背景画像上に、上述の関連アーティスト情報が表示される。この事例では、間奏中のタイミングでカラオケの背景画像であるコンテンツ画像123上に、「演奏中の楽曲のアーティストの他の楽曲に関する情報」や、「アーティストのライブスケジュールに関する情報」、「演奏中楽曲に関連性のある他のアーティストに関する情報」等を呼び出す情報表示用のアイコンが、関連アーティスト情報としてオーバーレイ画像132により表示されてもよい。
【0077】
そして、「演奏中の楽曲のアーティストの他の楽曲に関する情報」の表示アイコンがタッチされると、演奏中の楽曲のアーティストの他の楽曲に関する情報が含まれたオーバーレイ画像が、間奏時のコンテンツ画像123上に表示される。また、「アーティストのライブスケジュールに関する情報」の表示アイコンがタッチされると、演奏中の楽曲のアーティストのライブスケジュール等の情報が含まれたオーバーレイ画像が、間奏時のコンテンツ画像123上に表示される。また、「演奏中楽曲に関連性のある他のアーティストに関する情報」の表示アイコンがタッチされると、演奏中の楽曲に関連性のある他のアーティストに関する情報が含まれたオーバーレイ画像が、間奏時のコンテンツ画像123上に表示される。これらのアーティスト情報は、当該カラオケ楽曲に対応付けて配信された情報に基づいて表示する。
【0078】
(合成画像表示例5)
合成画像表示例4の変形例として、デイモードやナイトモードにおいてカラオケ楽曲を演奏しているときに、楽曲の後奏のタイミングで、合成画像表示例4で表示した「演奏中の楽曲のアーティストの他の楽曲に関する情報」や、「アーティストのライブスケジュールに関する情報」、「演奏中楽曲に関連性のある他のアーティストに関する情報」等を呼び出す情報表示用のアイコンが、関連アーティスト情報としてオーバーレイ画像131により表示されてもよい。
【0079】
(合成画像表示例6)
合成画像表示例5の変形例として、デイモードにおいてカラオケ楽曲を演奏しているときに、楽曲の間奏のタイミングで、「演奏された楽曲に関連性のあるアーティストに関する情報」の表示用のアイコンが、オーバーレイ画像131として入力表示部11に表示されてもよい。この事例では、利用者(例えば、顧客)が、「演奏された楽曲に関連性のあるアーティストに関する情報」の表示用のアイコンをタッチすると背景画像上にそのアイコンに対応したアーティスト情報が、オーバーレイ画像132として表示される。具体的には、演奏中の楽曲と関連性のあるアーティスト名や、演奏中の楽曲のアーティストの他の楽曲名といった情報が含まれたオーバーレイ画像群132が、間奏時のコンテンツ画像123上に表示される。この画面上においては、例えば、関連アーティスト名をタッチすることで、そのアーティストの楽曲名を表示するようにしたり、表示中の楽曲名をタッチすることで、その楽曲を次以降の演奏予約曲に指定できるようにする。このような関連アーティスト情報は、当該カラオケ楽曲に対応付けて配信された情報に基づいて表示する。
【0080】
(合成画像表示例7)
図7の変形例として、デイモードやナイトモードにおいてカラオケ楽曲を演奏しているときに、楽曲の本奏において特定の歌詞のフレーズが演奏されるタイミングで「歌詞のフレーズを支持する利用者からの投票結果に関する情報」の表示用アイコンが、オーバーレイ画像131として表示されてもよい。この事例では、利用者(例えば、顧客)が、「歌詞のフレーズを支持する利用者からの投票結果に関する情報」の表示用のアイコンをタッチすると背景画像上に、そのアイコンに対応した投票結果情報がオーバーレイ画像132として表示される。このような投票結果の情報は、カラオケ装置1で別途実施される投票機能によって集計された投票結果から、当該カラオケ楽曲の歌詞フレーズ対応する情報を取得して表示する。
【0081】
(合成画像表示例8)
図7の変形例として、デイモードやナイトモードにおいてカラオケ楽曲を演奏しているときに、楽曲の後奏のタイミングで「楽曲のアーティストからの告知に関する情報」の表示用のアイコンが、オーバーレイ画像131として表示されてもよい。この事例では、利用者(例えば、顧客)が「楽曲のアーティストからの告知に関する情報」の表示用のアイコンをタッチすると背景画像上にそのアイコンに対応したアーティスト情報が、オーバーレイ画像132として表示される。具体的には、演奏中の楽曲のアーティストからの告知情報として、当該アーティストの最新CDアルバムの宣伝に関する情報が含まれたオーバーレイ画像132が、後奏時のコンテンツ画像123上に表示される。このオーバーレイ画像132には、アーティストのCDアルバムを紹介するテキストに加え、当該CDアルバムのジャケット等の画像が含まれている。このような告知情報は、当該カラオケ楽曲に対応付けて配信された情報に基づいて表示する。
【0082】
[実施形態の構成と特許請求の範囲に記載の構成との対応]
実施形態のカラオケ装置1の各構成と、特許請求の範囲に記載の構成との対応は次のとおりである。実施形態の入力表示部11が、特許請求の範囲における入力表示手段に相当する。また、入力表示制御部12が、コンテンツ画像取得手段、付加情報取得手段、描画手段、表示制御手段、入力制御手段、及び判定手段に相当する。また、入力表示制御部12又はメイン制御部14が実装判定手段に相当する。
【0083】
[別実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく様々な態様にて実施することが可能である。
【0084】
例えば、上記実施形態においては、カラオケ装置1の全体の統括的な制御やカラオケ演奏等の主要な処理を司るメイン制御部14と、入力表示部11の制御を主に司る入力表示制御部12とが別体の制御デバイスとして構成された事例について説明した。これに対して、メイン制御部14が上記入力表示制御部12としての機能を併せ持つような構成であってもよい。
【0085】
以下、別実施形態のメイン制御部14の機能的構成について、図8を参照しながら説明する。
図8(a)に示すとおり、メイン制御部14は、機能的構成として映像生成部14c、第1フレームバッファ14d、第2フレームバッファ14e、アルファブレンディング部14f、第1映像送信部14g、及び第2映像送信部14hを備える。
【0086】
映像生成部14cは、再生中のコンテンツ画像の映像情報をリアルタイムに映像化したフレーム画像を生成し、第1フレームバッファ14dに描画する。第1フレームバッファ14dは、メイン制御部14のRAMの所定領域に形成されたフレーム画像用の一時記憶領域である。第1フレームバッファ14dに描画されたフレーム画像の一例を図8(b)に示す。この図に示すとおり、第1フレームバッファ画像には、映像生成部14cによって描画されたコンテンツ画像141が描画されている。
【0087】
また、映像生成部14cは、再生中のコンテンツ画像上にオーバーレイ表示するための合成用画像を描画するための合成情報(コンテンツレイアウト情報及び共通合成データ)を読出し、その合成情報に基づいて合成用画像をレイアウトしたフレーム画像を生成する。そして、その生成したフレーム画像を第2フレームバッファ14eに描画する。第2フレームバッファ14eは、メイン制御部14のRAMの所定領域に形成されたフレーム画像用の一時記憶領域であり、第1フレームバッファ14dとは別に設けられる。第2フレームバッファ14eに描画されたフレーム画像の一例を図8(c)に示す。この図に示すとおり、第2フレームバッファ画像には、映像生成部14cによってレイアウトされた合成用画像142(アイコン)が描画されている。
【0088】
第1映像送信部14gは、第1フレームバッファ14dに描画された第1フレームバッファ画像(コンテンツ画像)の画像情報はメインモニタ20に出力される。その結果、メインモニタ20においてコンテンツ画像が表示される。
【0089】
一方、第1フレームバッファ14d及び第2フレームバッファ14eにそれぞれ描画されたフレーム画像は、アルファブレンディング部14fにより1つのフレーム画像に合成される。アルファブレンディング部14fは、第2フレームバッファ14eに描画された合成用画像を第1フレームバッファ14dに描画されたコンテンツ画像の上に重ね合わせたオーバーレイ表示の合成画像を生成する。アルファブレンディング部14fにより生成されたオーバーレイ合成画像の一例を図8(d)に示す。この図に示すとおりオーバーレイ合成画像には、背景となるコンテンツ画像141(第1フレームバッファ画像)の上に、合成用画像142(第2フレームバッファ画像)のアイコンが重ねて描画されている。
【0090】
第2映像送信部14hは、アルファブレンディング部12hによって合成されたオーバーレイ合成画像の画像情報を入力表示部11の表示パネル11aに出力する。その結果、表示パネル11aにおいてオーバーレイ合成画像が表示される。
【符号の説明】
【0091】
1…カラオケ装置、10…操作パネル、11…入力表示部、11a…表示パネル、11b…タッチパネル、12…入力表示制御部、12a…合成情報受信部、12b…映像受信部、12c…合成イメージ生成部、12d…外部映像キャプチャ部、12e…合成部、12f…第1フレームバッファ、12g…第2フレームバッファ、12h…アルファブレンディング部、13…ハードディスクドライブ(HDD)、14…メイン制御部、14a…合成情報送信部、14b…映像送信部、14c…映像生成部、14d…第1フレームバッファ、14e…第2フレームバッファ、14f…アルファブレンディング部、14g…第1映像送信部、14h…第2映像送信部、15…映像処理部、17…音声処理部、18…通信インタフェース、20…メインモニタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が触れることによる接触入力操作が可能なタッチパネルが入力表示手段に設けられて構成されるカラオケ装置であって、
前記入力表示手段に表示させるコンテンツ画像データを取得するコンテンツ画像取得手段と、
前記入力表示手段に表示されるコンテンツ画像上に所定の機能選択アイコンを表示して作動させるための仕組みに関する情報であって、当該コンテンツごとに対応付けられている付加情報を取得する付加情報取得手段と、
前記コンテンツ画像取得手段により取得したコンテンツ画像データに基づいてコンテンツ画像を描画する描画手段と、
前記描画手段により描画したコンテンツ画像上に、前記付加情報取得手段により取得した付加情報に基づいて描画した機能選択アイコン画像をオーバーレイにより合成し、その合成画像を前記入力表示手段のディスプレイに表示させる表示制御手段と、
前記表示制御手段により前記入力表示手段のディスプレイに表示された前記機能選択アイコンの表示位置に対応した範囲で、当該機能選択アイコンで示される機能に対応する操作を前記入力表示手段のタッチパネルによって接触入力可能に設定する入力制御手段と、 を備えることを特徴とするカラオケ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のカラオケ装置において、
当該カラオケ装置が行うカラオケ楽曲の演奏中に、その演奏の進行度合を判定する判定手段を更に備え、
前記判定手段により判定された演奏の進行度合に応じた所定時期において、前記付加情報取得手段により前記進行度合に対応した所定の機能選択アイコンに関する前記付加情報を取得し、その取得した付加情報に基づいて前記表示制御手段により機能選択アイコン画像を描画して前記コンテンツ画像上に当該機能選択アイコン画像をオーバーレイで合成した合成画像を表示させること
を特徴とするカラオケ装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のカラオケ装置において、
前記付加情報取得手段は、当該カラオケ装置が保有する利用客に関する情報を前記入力表示手段のディスプレイに表示させることを指示する機能の利用客情報アイコンに関する前記付加情報を取得し、
前記表示制御手段は、前記コンテンツ画像データに基づいて描画されたコンテンツ画像上に、前記付加情報に基づいて描画された利用客情報アイコン画像をオーバーレイで合成した合成画像を表示させること
を特徴とするカラオケ装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のカラオケ装置において、
前記付加情報取得手段は、当該カラオケ装置で演奏されるカラオケ楽曲又はそのカラオケ楽曲のアーティストに関するカラオケ情報を前記入力表示手段のディスプレイに表示させることを指示する機能のカラオケ情報アイコンに関する前記付加情報を取得し、
前記表示制御手段は、前記コンテンツ画像データに基づいて描画されたコンテンツ画像上に、前記付加情報に基づいて描画されたカラオケ情報アイコン画像をオーバーレイで合成した合成画像を表示させること
を特徴とするカラオケ装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載のカラオケ装置において、
当該カラオケ装置が行うカラオケ楽曲の演奏をする機能を担う制御デバイスと、前記表示制御手段及び前記入力制御手段の機能を担う制御デバイスとが別体で構成されていること
を特徴とするカラオケ装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載のカラオケ装置において、
当該カラオケ装置に前記入力表示手段が実装されているか否かを判定する実装判定手段を更に備え、
前記実装判定手段により前記入力表示手段が実装されていると判断された場合、前記入力制御手段による前記機能選択アイコンの表示を行う一方、前記入力表示手段が実装されていないと判断された場合、前記入力制御手段による前記機能選択アイコンの表示を行わないと共に、外部からの前記付加情報の取得を行わないこと
を特徴とするカラオケ装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図2】
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【図7】
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【図8】
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