説明

カラーフィルタ及びその製造方法

【課題】オーバーコート層あるいはMVAを使用しない場合であっても、液晶配向膜塗布によるITOクラックの発生が無く、かつ、面積の狭いBM遮光部上であっても、つぶれやクラック発生のない安定した積層フォトスペーサが形成されたカラーフィルタと、その製造方法を提供する。
【解決手段】透明基板上に、少なくとも、複数の画素を画定するブラックマトリックスと、前記ブラックマトリックスと直交連接する画素内遮光部と、前記画素内に着色層を配した複数色の着色画素と、を備えた液晶表示装置用カラーフィルタにおいて、前記着色画素の最大線幅Aと、前記着色層が連続する同色の着色画素の最小線幅Bとが、0.85<(B/A)≦1.0の関係式で表される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ受像機、コンピュータおよび携帯電話端末等の液晶表示装置に用いられるカラーフィルタ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カラーフィルタは、液晶表示装置のカラー化に必要不可欠な部品である。アクティブマトリックス方式の液晶表示装置では、一般に、ガラス基板上に各画素毎に薄膜トランジスタ(TFT)素子を形成したTFT基板と、ガラス基板上に着色層をストライプ状、モザイク状等に表示画面内に配列したカラーフィルタと一様な透明電極を形成したカラーフィルタ基板とが、間に液晶を挟んで対向して配置されている。そして、TFT基板の各TFT素子のスイッチング作用によって各画素の液晶のシャッター作用を制御している。
【0003】
カラーフィルタ基板は、透明基板を構造的支持体として備え、その画面観察者側には偏光膜が積層されている。また、その反対側(背面側)は多数の画素領域に区分され、画素領域と画素領域の境界に位置する画素間部位には遮光膜(いわゆるブラックマトリックス、以下BMと略称する)が設けられ、画素領域のそれぞれには透明な着色層が配置されている。着色層は、画素ごとに透過光を着色するもので、一般に、光の三原色に相当する赤色(R),緑色(G),青色(B)の三色の着色層を画素ごとに配列している。
【0004】
さらに、着色画素による段差を埋めるオーバーコート層が設けられ、透明電極と、配向膜が設けられた構成としている。さらに、液晶表示装置の大型化、高精細化、広い視野角や高コントラスト化などの高画質化にあわせて、液晶の配向を制御する配向制御用突起(MVA:Multi−domain Vertical Allignment)を透明電極上に形成したものが採用されてきた。
【0005】
他方、カラーフィルタ基板に対向して配置されるアレイ基板は、透明基板を構造的支持体として備え、その液晶側に電極と配向膜が設けられ、その反対側に偏光膜が設けられている。そして、前記透明電極とアレイ基板側の電極との間に画素ごとに電圧を印加して光の透過・不透過を制御して、バックライトからの透過光を表示光として画面表示する。
【0006】
カラーフィルタの製造方法としては、顔料分散法、印刷法、電着法、あるいはインクジェット法など様々な方法があるが、品質面で優れた顔料分散法が幅広く用いられている。顔料分散法によるカラーフィルタの製造は次のようにフォトリソグラフィ法で行なわれる。ガラスなどの透明基板に黒色顔料を分散した感光性樹脂組成物を塗布し、所定のパターンを有するマスクを介して露光、現像、焼成処理を施すことにより、BMを形成する。BMは液晶表示装置における表示領域を区画する額縁部と、表示領域内で個々の着色画素を区画する部分からなるのが一般的である。続いて、例えば赤色の顔料を分散した感光性樹脂組成物を塗布し、表示領域内のBM開口部に対応したマスクを介して露光、現像、焼成処理を施すことにより、赤色画素を形成する。同様の操作を緑色、青色の顔料を分散した感光性樹脂組成物を用いて行うことにより、赤色、緑色、青色の着色画素を有するカラーフィルタを製造することが出来る。
【0007】
TFTを用いた液晶表示装置は、TFT基板とカラーフィルタ基板を所定の間隔を設けて対向させて配置し、エポキシ樹脂等に補強用の繊維を混合したシール剤によってこれら基板を貼り合わせることにより構成される。カラーフィルタ基板とTFT基板との間には液晶が封入されているが、カラーフィルタ基板とTFT基板との間隔を正確に保持しないと、液晶層の厚みに差異が出て、液晶の旋光特性差による着色を生じたり、あるいは部分
的な色むらが生じて、正しく表示されなくなるという現象が生じる。そのため、従来は、液晶にスペーサと称する直径2μmないし10μmの樹脂、ガラス、アルミナ等からなる粒子あるいは棒状体を多数混合し、液晶のセルギャップ(挟持間隔)の保持を図っていた。
【0008】
それに対して、近年では、感光性樹脂をフォトリソグラフィ法にてパターン化して突部とした樹脂スペーサを、画面表示内の遮光部すなわちBMの部位に選択的に形成することで、液晶のセルギャップ(挟持間隔)の保持が図られている。この樹脂スペーサは、表示画面からは遮蔽される位置にあり、液晶の表示品位を損なわない利点がある。この樹脂スペーサのなかでも、カラーフィルタの着色層を積層した着色組成物積層スペーサはカラーフィルタの着色層を作る過程で同時に造ることができるので、製造工程が増えないという利点がある。すなわち、BMの開口部およびBMの上の一部に重なるようにR(赤色)、G(緑色)、B(青色)等のそれぞれの着色層を設ける際、同時にBM上の所望の部位に前記着色層のうち少なくともひとつを積層することにより対向電極との間隙を保つためのスペーサを形成する。
【0009】
例えば、特許文献1には、基板上にBM、3色の着色層を積み重ねた部分に、透明電極膜を介してスペーサを形成したカラーフィルタが開示されている。また、特許文献2には、着色層が積層された高さの異なる柱状スペーサが配置された液晶表示装置が開示されている。
【0010】
さらに、近年、画素密度の高精細化の要求や表示画像の明るさ向上の要請から、パネル輝度アップのため、開口率アップの方向で、BMの画線幅は年々細くなっており、RGBパターン形状もBMの遮光部を避けるように画素形状が複雑化し、例えば、特許文献3には、隣接する2本の線状遮光部間を所定の間隔をおいて連結する連結遮光部を有し、その連結遮光部を覆うように形成された着色層を有するカラーフィルタが開示されている。図1にその一例を示すように、着色層を横断する画素内遮光部が存在しているものがある。また、コストダウンのために、特許文献4に開示されているように、オーバーコート層を設けずに透明導電膜に液晶の配向を制御する開口部を形成したものや、特許文献5に開示されているように、MVAを作製しない方向がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第3651874号明細書
【特許文献2】特開2005−106856号公報
【特許文献3】特開2008−20517号公報
【特許文献4】特開2010−243810号公報
【特許文献5】特開2010−276658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記した、形状が複雑化したカラーフィルタの製造時、PI(ポリイミド)等の配向膜を塗布した際に、図2に示した、SEM(走査電子顕微鏡)画像に見られるように、透明電極のITO(酸化インジウムすず)膜にクラックが発生し、焼き付き不良が発生する問題がある。このITOクラックは、図3に示すように、BMと画素内遮光部近傍で発生し
やすく、図4に示すように、塗布されたPIはBMと画素内遮光部の際に沿って厚膜となり、PIが厚膜な箇所ほどクラックが発生しやすい。ITOクラックが発生している箇所は、図5に示す透過写真画像に見られるように、PIの膜厚差が表示ムラとなって検出される。
【0013】
また、BM線幅が細くなることで、BMの上に形成されるスペーサの径も小さくなっている。それにつれて、積層タイプのスペーサにあっては、着色層を重ね合わせることにより構成した着色組成物積層スペーサが先細り形状に形成され、十分な平坦部を持たない積層スペーサ上面に透明電極を形成することになり対向側基板と接触した際に、透明電極にクラックが入りやすく表示不良の原因となる問題があった。
【0014】
本発明は係る状況に鑑みてなされたものであり、本発明者らは、連続する同一の着色層の線幅差に着目し、製造において量産可能なレベルを検討した結果、画素形状とBM形状を最適化することにより、後工程でのITOクラック発生の不具合を防止することができるカラーフィルタを安定的に製造できることを見出し、本発明を完成させた。本発明は、オーバーコート層あるいはMVAを使用しない場合であっても、液晶配向膜塗布によるITOクラックの発生が無く、かつ、面積の狭いBM遮光部上であっても、つぶれやクラック発生のない安定した積層フォトスペーサが形成されたカラーフィルタと、それを得るための製造方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の請求項1に係る発明は、透明基板上に、少なくとも、複数の画素を画定するブラックマトリックスと、前記ブラックマトリックスと直交連接する画素内遮光部と、前記画素内に着色層を配した複数色の着色画素と、を備えた液晶表示装置用カラーフィルタにおいて、前記着色画素の最大線幅Aと、前記着色層が連続する同色の着色画素の最小線幅Bとが、0.85<(B/A)≦1.0の関係式で表されることを特徴とするカラーフィルタである。
【0016】
次に、本発明の請求項2に係る発明は、透明基板上に、少なくとも、複数の画素を画定するブラックマトリックスと、前記ブラックマトリックスと直交連接する画素内遮光部と、前記画素内に着色層を配した複数色の着色画素と、を備えた液晶表示装置用カラーフィルタにおいて、前記画素内遮光部を含み、前記ブラックマトリックスの直交方向に異なる前記着色画素の着色層をそれぞれ1つずつ含む領域Stと、前記領域St中の遮光領域Sbとが、面積比で0.08<(Sb/St)<0.85の関係式で表されることを特徴とするカラーフィルタである。
【0017】
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記画素内遮光部を含み、前記ブラックマトリックスの直交方向に異なる前記着色画素の着色層をそれぞれ1つずつ含む領域Stと、前記領域St中の遮光領域Sbとが、面積比で0.08<(Sb/St)<0.85の関係式で表されることを特徴とする請求項1に記載するカラーフィルタである。
【0018】
また、本発明の請求項4に係る発明は、前記画素内遮光部を含み、前記ブラックマトリックスの直交方向に異なる前記着色画素の着色層をそれぞれ1つずつ含む領域Stと、前記領域St中の遮光領域Sbとが、面積比で0.08<(Sb/St)<0.50の関係式を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載するカラーフィルタである。
【0019】
また、本発明の請求項5に係る発明は、前記画素内遮光部上に、前記着色層を積層した積層フォトスペーサが形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載するカラーフィルタである。
【0020】
また、本発明の請求項6に係る発明は、前記積層フォトスペーサは、対向基板と間隙を保つためのメインスペーサであり、前記着色層のうち少なくとも2つを積層することにより形成され、最上部の着色層が下層の着色層を上面から覆う保護層として設けられていることを特徴とする請求項5に記載するカラーフィルタである。
【0021】
次に、本発明の請求項7に係る発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載するカラーフィルタを製造する方法であって、少なくとも以下の(1)、(2)の工程を含み、かつこの工程順で製造することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
(1)画素内遮光部を含み、ブラックマトリックスの直交方向に異なる着色画素の着色層をそれぞれ1つずつ含む領域Stと、前記領域St中の遮光領域Sbとが、面積比で0.08<(Sb/St)<0.85の関係式に対応した開口を有するフォトマスクを介して、黒色感光性樹脂組成物からなる遮光層をプロキシミティ露光し、現像、焼成処理する段階を含む遮光部形成工程。
(2)着色画素の最大線幅Aと、着色層が連続する同色の前記着色画素の最小線幅Bとが、0.85<(B/A)≦1.0の関係式に対応した開口を有するフォトマスクを介して、着色感光性樹脂組成物からなる着色層をプロキシミティ露光し、現像、焼成処理する段階を、それぞれの色毎に含む、着色画素形成工程。
【発明の効果】
【0022】
本発明のカラーフィルタは、上記したように、画素形状とBM形状を特定の関係式で最適化することにより、製造において量産可能なレベルのカラーフィルタが作製できる。オーバーコート層あるいはMVAを使用しない場合であっても、液晶配向膜塗布によるITOクラックの発生が無く、かつ、面積の狭いBM遮光部上であっても、つぶれやITOクラック発生のない安定した積層フォトスペーサが形成されたカラーフィルタが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】カラーフィルタの一例の構造での画素形状を示す平面図である。
【図2】ITOクラック発生箇所のSEM画像である。
【図3】図1に示す構造のカラーフィルタでのITOクラック発生箇所を示す説明図である。
【図4】BMと画素内遮光部の際での塗布PIの厚膜部を示す説明図である。
【図5】PI異常部の透過写真画像である。
【図6】本発明のカラーフィルタの、一構造例での着色層の線幅差を平面で示す説明図である。
【図7】本発明のカラーフィルタの、他の構造例での画素内遮光部近傍の領域を平面で示す説明図である。
【図8】本発明のカラーフィルタに係る、積層フォトスペーサの例を断面で示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明のカラーフィルタを、その一実施形態に基づいて、以下に詳細に説明する。
【0025】
本発明のカラーフィルタは、透明基板上に、少なくとも、複数の画素を画定するBMと、このBMと直交連接する画素内遮光部と、画素内にR(赤色)、G(緑色)、B(青色
)等の着色層を配した、複数色の着色画素とを備えた構造を有している。なお着色層は画素内遮光部を乗り越えて覆う形で同一画素内で連続しており、その部分は画素中央部の着色層に比較して高くなっている。また、光漏れを避けるため、着色層はBM上の端部に乗り上げる形となっており、その部分も同様に画素中央部の着色層に比較して高くなっている。
【0026】
図6に示すように、本発明のカラーフィルタは、平面視で、着色画素の最大線幅Aと、着色層が連続する同色の着色画素の最小線幅Bとが、0.85<(B/A)≦1.0の関係式で表される構造を有することを特徴とする。ここで、AとBの線幅差があるほど、ITOクラックが入りやすく、B/Aは少なくとも0.85以上あることが望ましい。B/Aが1.0で線幅差がなければ、ITOクラックの起点が発生しないことになるが、実用的には、上記した関係式で表される構造とすることで、量産可能なカラーフィルタが得られる。
【0027】
また、図7に示すように、本発明のカラーフィルタは、平面視で、画素内遮光部を含み、BMの直交方向に異なる色の着色画素の着色層をそれぞれ1つずつ含む領域Stと、この領域St中の遮光領域Sbとが、面積比で0.08<(Sb/St)<0.85、より好ましくは、0.08<(Sb/St)<0.50の関係式で表される構造を有することを特徴とする。遮光領域Sbが広いと、PIはBM際で液溜まりになりやすく、ITOクラックの要因となる。そこで、遮光領域Sbを狭めることでPIの液溜まりを防ぐ。なお、図6、図7においては、遮光部の形状は縦横の交点が四角形となっているが、必ずしも四角形に限定するものではなく、後に述べる積層フォトスペーサ形成との関係で複雑な形状も取りうる。本発明においては、上記した関係式で現される面積比が効果的である。
【0028】
また、本発明のカラーフィルタは、画素内遮光部上に、着色層を積層した積層フォトスペーサが形成されていることを特徴としている。この積層フォトスペーサは、対向基板との間隙を保つためのメインスペーサであり、着色層のうち少なくとも2つを積層することにより形成され、最上部の着色層が下層の着色層を上面から覆う保護層として設けられていることを特徴としている。
【0029】
ここで、積層スペーサの形状は、透明基板間の間隙を一定に保つことが可能な形状であれば、特に限定されるものではない。例えば円柱状や角柱状のもの、頂部が切断された円錐状や角錐状のもの等とすることができる。図8(a)及び図8(b)に示すように、後順に入色する最上部の着色層が保護層として着色組成物積層部を覆うことにより、図8(c)に示す従来の着色組成物積層スペーサが有していた段差を解消することで、この段差を起点にITOクラックが発生することが抑制される。また、液晶表示装置に大きな荷重がかけられた場合、積層スペーサの広い上底面で、その荷重がスペーサ全体で支えられることとなり、荷重が分散することから、積層スペーサ単体の特性を向上することができ、図8(d)に示す、従来の保護層にASVを適用した積層スペーサと同等以上の特性を得ることが可能となる。
【0030】
透明基板上に着色画素やBMを形成する方法としては顔料分散法が主流となっている。顔料分散法は、有機顔料などの色材を分散した感光性着色組成物の塗布層を公知のフォトリソグラフィー法によってパターニングすることにより、カラーフィルタを複数の着色層(赤色、緑色、青色など)の画素に形成する方法である。本発明のカラーフィルタのBM及び着色層も同様に、フォトリソグラフィー法によってパターニングする。複数の着色層の入色順を限定するものでないが、アライメントの都合及び積層スペーサの形成性から、BM及び画素内遮光部のパターン形成後に、着色組成物の塗布、露光、現像等により赤色画素、緑色画素、青色画素などを順次形成し、画素形成と同時に所望の高さの積層スペーサをBM上に形成する。なお、以後の説明において画素内遮光部はBMと直交連接した同
材質で同時に形成されるものであるため、特に必要がない限りBMに呼称を統一して説明する。
【0031】
通常のカラーフィルタにおいて、BMの厚さは0.5〜3μm、幅は3〜30μmの範囲である。また、赤色画素、緑色画素、青色画素のそれぞれの膜厚(厚さ)は0.5〜3μmである。この膜厚は、感光性着色組成物の組成や塗布方法で大きく左右されるが、BM及び画素内遮光部上に乗り上げ・形成する赤色層、緑色層、青色層の厚さは、平坦部の画素膜厚に対して薄く形成される傾向にある。
【0032】
BMは、黒色樹脂を用いて形成された液晶表示装置のコントラストアップのために各画素間に形成する細い遮光パターンである。BMを形成する方法としては、黒色非感光性樹脂を用いフォトリソグラフィー法によって保護レジストを形成し、エッチングによってマトリックス状あるいはストライプ状に形成する方法もあるが、本発明のカラーフィルタでは、黒色感光性樹脂を用いフォトリソグラフィー法によってマトリックス状あるいはストライプ状に形成することが好ましい。黒色の色材としては、カーボンブラックや酸化チタン、あるいは複数の有機顔料を用いることができる。
【0033】
本発明に係るBMの形成に用いる黒色感光性樹脂、及び着色画素の形成に用いる着色組成物は、樹脂バインダと開始剤を主成分として、樹脂バインダが光重合、又は熱重合、或いは光重合及び熱重合を経て、三次元架橋される。BM及び着色組成物の樹脂バインダを三次元架橋させることによって、パネル組み立て工程における荷重によりBM、着色画素及び積層スペーサの厚みが減じるのを抑制することができる。
【0034】
本発明に係る感光性樹脂組成物は、少なくとも、透明樹脂、光重合性モノマー、光重合開始剤、溶剤、顔料からなる。BM及び着色画素の形成に用いる黒色感光性樹脂及び感光性着色組成物は、例えば、透明樹脂バインダに顔料成分を、分散剤を用いて分散させ、この分散液に光重合性モノマー、光重合開始剤、増感剤、溶剤などを添加して調製される。
【0035】
本発明のカラーフィルタ基板及び、その積層スペーサを形成する場合には、着色組成物には、赤色、青色、緑色、黄色、紫色のいずれかの着色顔料、又はその混合物を用いることができる。
【0036】
赤色画素を形成するための赤色着色組成物には、例えばC.I.Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、179、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、246、254、255、264、272、279等の赤色顔料を用いることができる。赤色着色組成物には、黄色顔料、橙色顔料を併用することができる。
【0037】
黄色顔料としてはC.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、144、146、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214等が挙げられる。また、橙色顔料としてはC.I. Pigment Orange 36、43、51、55、59、61、71、73等が挙げられる。
【0038】
緑色画素を形成するための緑色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Green 7、10、36、37、58等の緑色顔料、を用いることができる。緑色着色組成物には赤色着色組成物と同様の黄色顔料を併用することができる。
【0039】
青色画素を形成するための青色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、80等の青色顔料、好ましくはC.I. Pigment Blue 15:6を用いることができる。また、青色着色組成物には、C.I. Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料、好ましくはC.I. Pigment Violet 23を併用することができる。
【0040】
また、上記有機顔料と組み合わせて、彩度と明度のバランスを取りつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するために、無機顔料を組み合わせて用いることも可能である。無機顔料としては、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑等の金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉等が挙げられる。さらに、調色のため、耐熱性を低下させない範囲内で染料を含有させることができる。
【0041】
遮光層を形成する遮光性着色組成物に用いられる遮光剤には、カーボンブラックや酸化チタンの他に、赤、青、緑、黄、紫色等の着色顔料の混合物を用いることが出来る。遮光剤として用いられるカーボンブラックとしては、三菱化学社製のカーボンブラック#2400、#2350、#2300、#2200、#1000、#980、#970、#960、#950、#900、#850、MCF88、#650、MA600、MA7、MA8、MA11、MA100、MA220、IL30B、IL31B、IL7B、IL11B、IL52B、#4000、#4010、#55、#52、#50、#47、#45、#44、#40、#33、#32、#30、#20、#10、#5、CF9、#3050、#3150、#3250、#3750、#3950、ダイヤブラックA、ダイヤブラックN220M、ダイヤブラックN234、ダイヤブラックI、ダイヤブラックLI、ダイヤブラックII、ダイヤブラック339、ダイヤブラックSH、ダイヤブラックSHA、ダイヤブラックLH、ダイヤブラックH、ダイヤブラックHA、ダイヤブラックSF、ダイヤブラックN550M、ダイヤブラックE、ダイヤブラックG、ダイヤブラックR、ダイヤブラックN760M、ダイヤブラックLR。キャンカーブ社製のカーボンブラックサーマックスN990、N991、N907、N908、N990、N991、N908。旭カーボン社製のカーボンブラック旭#80、旭#70、旭#70L、旭F−200、旭#66、旭#66HN、旭#60H、旭#60U、旭#60、旭#55、旭#50H、旭#51、旭#50U、旭#50、旭#35、旭#15、アサヒサーマル、デグサ社製のカーボンブラックColorBlack Fw200、ColorBlack Fw2、ColorBlack Fw2V、ColorBlack Fw1、ColorBlack
Fw18、ColorBlackS170、ColorBlack S160、SpecialBlack6、SpecialBlack5、SpecialBlack4、SpecialBlack4A、PrintexU、PrintexV、Printex140U、Printex140V等が挙げられる。
【0042】
透明樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および感光性樹脂が含まれる。透明樹脂には、必要に応じて、その前駆体である、放射線照射により硬化して透明樹脂を生成する
モノマーもしくはオリゴマーを単独で、または2種以上混合して用いることができる。
【0043】
このような樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ノボラック樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、およびこれらを変性したもの等が挙げられる。これらの中でも、エポキシ樹脂と不飽和基含有カルボン酸またはその無水物の反応物にさらに多塩基性カルボン酸またはその無水物とを反応させて得られた光重合性不飽和基含有樹脂、あるいはノボラック樹脂、ポリビニルフェノール樹脂等のフェノール性水酸基を有する樹脂またはこれらの変性樹脂が、現像性、パターニング特性、コスト等の点から特に好ましい。
【0044】
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
【0045】
感光性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン-無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
【0046】
用いることのできる多官能重合性モノマーおよびオリゴマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メラミン(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。また、水酸基を有する(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得られる(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタンアクリレートを用いることが好ましい。なお、水酸基を有する(メタ)アクリレートと多官能イソシアネートとの組み合わせは任意であり、特に限定されるものではない。また、1種の多官能ウレタンアクリレートを単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらは、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
【0047】
着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化する場合には、光重合開始剤等が添加される。光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ-ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、O−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ-ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物等が用いられる。これらの光重合開始剤は1種または2種以上混合して用いることができる。光重合開始剤の使用量は、着色組成物の全固形分量を基準として0.5〜50質量%が好ましく、より好ましくは3〜30質量%である。
【0048】
さらに、増感剤として、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等の化合物、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン系化合物を併用することもできる。これらの増感剤は1種または2種以上混合して用いることができる。増感剤の使用量は、光重合開始剤と増感剤の合計量を基準として0.5〜60質量%が好ましく、より好ましくは3〜40質量%である。また、重合開始剤と光増感剤とを併用することが好ましい。増
感剤として、を併用することもできる。
【0049】
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0050】
さらに、着色組成物には、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有させることができる。多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。これらの多官能チオールは、1種または2種以上混合して用いることができる。多官能チオールの使用量は、着色組成物の全固形分量を基準として0.1〜30質量%が好ましく、より好ましくは1〜20質量%である。0.1質量%未満では多官能チオールの添加効果が不充分であり、30質量%を越えると感度が高すぎて逆に解像度が低下する。
【0051】
着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、トリエチルホスフィン、トリフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色組成物中の顔料100質量部に対して、0.1〜10質量部の量で含有させることができる。
【0052】
また、着色組成物には、基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。シランカップリング剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等が挙げられる。シランカップリング剤は、着色組成物中の顔料100質量部に対して、0.01〜100質量部の量で含有させることができる。
【0053】
着色組成物は、必要に応じて有機溶剤を含有することができる。有機溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。溶剤は、着色組成物中の顔料100質量部に対して、800〜4000質量部、好ましくは1000〜2500質量部の量で用いることができる。
【0054】
本発明において、黒色または着色組成物は、アルカリ現像型レジストの形態で調製することができる。顔料は、黒色または着色組成物の全固形分量を基準(100質量%)として5〜70質量%の割合で含有されることが好ましい。より好ましくは、20〜50質量%の割合で含有され、その残部は、顔料担体により提供される樹脂質バインダーから実質的になる。着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
【0055】
透明基板としては、可視光に対してある程度の透過率を有するものが好ましく、より好ましくは80%以上の透過率を有するものが好ましい。ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。
【0056】
透明基板上にBMまたは着色層を形成する場合はフォトリソグラフィ法を適用し、アルカリ現像型着色レジストとして調製した黒色または着色感光性組成物を、透明基板上に乾燥膜厚が0.2〜10μmとなるように塗布する。塗布する手段はスピンコート、ディップコート、ダイコートなどが通常用いられるが、基板上に均一な膜厚で塗布可能な方法ならばこれらに限定されるものではない。塗布膜を乾燥させる際には、減圧乾燥機、コンベクションオーブン、IRオーブン、ホットプレート等を使用してもよい。プリベークは50〜120℃で1〜20分ほどすることが好ましい。次に、黒色または着色感光性組成物を塗布し着色層を形成した基板に接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するフォトマスクを介して紫外線露光を行う。光源には通常の高圧水銀灯などを用いればよい。マスクとのアライメントマークを確認する際、赤外光(750nm〜1000nm)を使用する。
【0057】
続いて現像を行う。溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成する。現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。現像後、水洗、乾燥して任意の一色の画素と積層パターンが得られる。
さらに、着色レジストの重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。
【0058】
以上の一連の工程を、感光性組成物およびフォトマスクの露光パターンを替え、必要な数だけ繰り返すことで、BM遮光パターンと、この遮光パターンで区画された必要な色数の着色層が組み合わされた着色パターンすなわち複数色の着色画素を得ることができる。また、同時にこの着色層の少なくとも2色以上を用いて、積層スペーサが形成される。
【0059】
本発明のカラーフィルタでは画素及び積層スペーサの上に、さらにITO等の透明導電膜からなる透明電極を形成する。この場合には積層スペーサ上の透明電極の上か、又は、対向基板のスペーサが接触する部位に絶縁層を形成する。
【0060】
透明導電膜を形成する方法は、蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングと呼ばれる真空成膜の手法が一般的である。透明導電膜には、インジウム、スズ、ガリウム、亜鉛などの金属酸化物の複合酸化物を用いることができる。
【0061】
本発明のカラーフィルタを液晶表示装置に適用する場合、カラーフィルタ基板及びアレイ基板に配向処理を行う必要がある。配向処理は、配向膜を液晶表示装置用基板の液晶に接する面の側に形成し、必要に応じて、液晶表示装置用基板の液晶界面での液晶の方向を一様に揃える処理を実施する。
【0062】
配向膜は、液晶を所定の方向に配向させる性質をもつので、所定の液晶モードに合せて配向膜を選定する必要がある。配向膜の材料としては、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂などの感光性または非感光性のものが好ましく用いられるが、これらに限られるものではない。ただし、配向膜の耐熱性・信頼性の点からPI、ポリイミド系樹脂が好ましい。
【0063】
PI、ポリイミド系樹脂を用いた配向膜は、可溶性ポリイミド溶液やポリアミック酸溶液を液晶表示装置用基板上に形成した後に、必要に応じて乾燥、焼成や光照射して得られる。配向膜材料は基板上に、フレキソ印刷、スピンコート、ロールコート、スリットダイコート、シルク印刷、インクジェット印刷等により液晶表示装置用基板上に形成される。配向膜として好ましく用いられるポリイミド系樹脂としては、特に限定されるものではないが、ポリアミック酸を加熱または適当な触媒によってイミド化したものが好適に用いられる。
【0064】
配向膜の溶液に使用される溶剤としては、水、エタノール、メタノール、イソブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノールなどのアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトンなどのエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、2−ピロリドン、N−メチルピロリドンなどのピロリドン類、ブチルセロソルブなどを使用することができる。中でもポリイミド系配向膜の溶液としては、NMP溶剤(N−メチル−2−ピロリドン)が多用され、このNMP溶剤がアタックすることで、前述したITOクラックが多く発生することになる。
【実施例】
【0065】
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例中、「部」および「%」は「質量部」および「質量%」をそれぞれ意味する。
【0066】
まず、以下の実施例及び比較例で用いたアクリル樹脂溶液、顔料分散体及び感光性樹脂組成物の調整方法について説明する。ここで、樹脂の分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
【0067】
[アクリル樹脂溶液の合成]
反応容器にシクロヘキサノン370部を収容し、この容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でメタクリル酸20.0部、メチルメタクリレート10.0部、n−ブチルメタクリレート55.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル4.0部の混合物を1時間かけて滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、アクリル樹脂共重合体溶液を得た。室温まで冷却した後、アクリル樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃で、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成したアクリル樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにシクロヘキサノンを添加して、アクリル樹脂溶液を調製した。得られたアクリル樹脂の質量平均分子量Mwは40,000であった。
【0068】
[顔料分散体の調製]
表1に示す組成の混合物を均一に攪拌混合し、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、赤色顔料分散体R−1、緑色顔料分散体G−1、青色顔料分散体B−1、および黒色顔料分散体BM−1を調製した。
【0069】
【表1】

PR254:ジケトピロロピロール系顔料
(C.I.Pigment Red 254)(チバ・ジャパン社製「イルガフォーレッドB−CF」)
PR177:アントラキノン系顔料
(C.I.Pigment Red 177)(BASF社製「クロモフタールレッドA2B」)
PG36:ハロゲン化銅フタロシアニン系顔料
(C.I.Pigment Green 36)(東洋インキ製造社製「リオノールグリーン6YK」)
PB15:6:ε型銅フタロシアニン顔料
(C.I.Pigment Blue 15:6)(BASF社製「ヘリオゲンブルーL−6700F」)
PY150:ニッケルアゾ錯体系顔料
(C.I.Pigment Yellow 150)(ランクセス社製「E4GN」)
CB:カーボンブラック(C.I.Pigment Black 7)(三菱化学社製「MA11」)
顔料分散剤:日本ルーブリゾール社製「ソルスパース20000」)
アクリル樹脂溶液:先に調製したアクリル樹脂溶液
溶剤:シクロヘキサノン
[感光性樹脂組成物の調製]
先に調製した顔料分散体R−1、G−1、B−1、BM−1を用いて、表2に示す処方の
混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、赤色(R1)、緑色(G1),青色(B1)および黒色(BM1)の各感光性樹脂組成物を得た。
【0070】
【表2】

顔料分散体:先に調製した顔料分散体
アクリル樹脂溶液:先に調製したアクリル樹脂溶液
モノマー:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(東亞合成社製「アロニックスM−402」)
有機溶剤:シクロヘキサノン
光重合開始剤:α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(BASF社製「イルガキュア379」)
[BMおよび着色画素のパタ−ン形成]
まず、パターン形成用フォトマスクとして、表3に示す、領域Stと領域St中の遮光領域の面積比が異なるBM版1,2,3を用意した。また、表4に示す、着色画素の最大線幅Aと最小線幅Bの比が異なるRGB版1,2,3を用意した。そのマスク設計値をそれぞれ表3及び表4に示す。
【0071】
【表3】

【0072】
【表4】

<実施例1>
BM形成用の黒色感光性樹脂組成物(BM1)を、10cm×10cmのガラス基板上にスピンコーターで塗工し、70℃のオーブン内に15分間静置し、余剰の溶剤を除去乾燥させた。次いで、感光性樹脂組成物(BM1)の塗膜から150μmの間隔をあけて、表3に示す3種のBMパターン形成用フォトマスクのうちBM版1を用い、光源として超高圧水銀灯ランプを用いて100mJ/cm照射してパターン露光し、その後2.5%炭酸ナトリウム水溶液で60秒間現像し、現像後よく水洗し、さらに、乾燥後、230℃で60分加熱処理してパターンを定着させた。BMの膜厚は、1.0μmであった。次に、赤色感光性樹脂組成物(R1)を、10cm×10cmのガラス基板上にスピンコーターで塗工し、70℃のオーブン内に15分間静置し、余剰の溶剤を除去乾燥させた。次いで、赤色感光性樹脂組成物(R1)の塗膜から150μmの間隔をあけて、表4に示す3種のRGBパターン形成用フォトマスクのうちRGB版1を用い、光源として超高圧水銀灯ランプを用いて100mJ/cm照射してパターン露光し、その後2.5%炭酸ナトリウム水溶液で60秒間現像し、現像後よく水洗し、さらに、乾燥後、230℃で60分加熱処理してパターンを定着させた。赤色層の膜厚は、2.5μmであった。赤色層と同様にして、緑色感光性樹脂組成物(G1)で緑色層を、青色感光性樹脂組成物(B1)で青色層を形成し、BM層、RGB層からなる実施例1のカラーフィルタを得た。
【0073】
<実施例2、3、比較例1〜6>
パターン形成用フォトマスクを変更する以外は実施例1と同様な条件で、表3及び表4に示すフォトマスクを使用し、表5に示すように、前記した実施例1に加えて、実施例2,3及び比較例1〜6のそれぞれのカラーフィルタを得た。
【0074】
【表5】

[透明電極層の形成]
得られた実施例1〜3、比較例1〜6のカラーフィルタの表面に、スパッタリング法によりITO膜を形成した。ITOの膜厚は140nm、表面抵抗は15Ω/cmであった。
【0075】
[ITOクラックの発生状態観察]
表面に透明電極層としてのITO膜を形成した実施例1〜3、比較例1〜6のカラーフィルタを、配向膜として多用されるPI、ポリイミド系樹脂の溶剤であるNMP溶剤に30分間浸漬させ、ITOクラックの発生状態を顕微鏡にて観察した。その評価結果を、表5にあわせて示す。
【0076】
[カラーフィルタの品質評価]
表5に示すように、実施例1、実施例2は、着色画素線幅の比(B/A)が1.0であるRGB版3を使用しており、かつ、遮光領域Sbの面積比が0.446、0.476と小さいBM版1、BM版2を使用しているため、ITOクラックが発生せず、良好であった。また、実施例3は、着色画素線幅の比(B/A)が1.0であるRGB版3を使用しているが、遮光領域Sbの面積比が0.861と大きいBM版3を使用しているため、わずかにITOクラックが発生した。しかし、発生の程度が弱く、品質的に問題が無く、量産可能なレベルであった。
【0077】
比較例1、2は、着色画素線幅の比(B/A)が0.790と小さなRGB版2を使用しているが、遮光領域Sbの面積比が0.446、0.476と小さいBM版1、BM版2を使用しているため、わずかにITOクラックが発生しているものの、量産可能なレベルであった。同様にして、比較例4、5は、着色画素線幅の比(B/A)が0.739と小さなRGB版3を使用しているが、遮光領域Sbの面積比が0.446、0.476と小さいBM版1、BM版2を使用しているため、わずかにITOクラックが発生しているものの、量産可能なレベルであった。それに対して、比較例3及び比較例6は、それぞれ、着色画素線幅の比(B/A)が0.790、0.739と小さなRGB版2、RGB版3を使用し、かつ、遮光領域Sbの面積比が0.861と大きいBM版3を使用していることで、ITOクラックが多発し、量産できないレベルであった。
【0078】
本発明のカラーフィルタ及びその製造方法を用いることにより、ITOクラックが発生せず、製造において量産可能なレベルのカラーフィルタが作成できた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板上に、少なくとも、複数の画素を画定するブラックマトリックスと、前記ブラックマトリックスと直交連接する画素内遮光部と、前記画素内に着色層を配した複数色の着色画素と、を備えた液晶表示装置用カラーフィルタにおいて、前記着色画素の最大線幅Aと、前記着色層が連続する同色の着色画素の最小線幅Bとが、0.85<(B/A)≦1.0の関係式で表されることを特徴とするカラーフィルタ。
【請求項2】
透明基板上に、少なくとも、複数の画素を画定するブラックマトリックスと、前記ブラックマトリックスと直交連接する画素内遮光部と、前記画素内に着色層を配した複数色の着色画素と、を備えた液晶表示装置用カラーフィルタにおいて、前記画素内遮光部を含み、前記ブラックマトリックスの直交方向に異なる前記着色画素の着色層をそれぞれ1つずつ含む領域Stと、前記領域St中の遮光領域Sbとが、面積比で0.08<(Sb/St)<0.85の関係式で表されることを特徴とするカラーフィルタ。
【請求項3】
前記画素内遮光部を含み、前記ブラックマトリックスの直交方向に異なる前記着色画素の着色層をそれぞれ1つずつ含む領域Stと、前記領域St中の遮光領域Sbとが、面積比で0.08<(Sb/St)<0.85の関係式で表されることを特徴とする請求項1に記載するカラーフィルタ。
【請求項4】
前記画素内遮光部を含み、前記ブラックマトリックスの直交方向に異なる前記着色画素の着色層をそれぞれ1つずつ含む領域Stと、前記領域St中の遮光領域Sbとが、面積比で0.08<(Sb/St)<0.50の関係式を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載するカラーフィルタ。
【請求項5】
前記画素内遮光部上に、前記着色層を積層した積層フォトスペーサが形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載するカラーフィルタ。
【請求項6】
前記積層フォトスペーサは、対向基板と間隙を保つためのメインスペーサであり、前記着色層のうち少なくとも2つを積層することにより形成され、最上部の着色層が下層の着色層を上面から覆う保護層として設けられていることを特徴とする請求項5に記載するカラーフィルタ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載するカラーフィルタを製造する方法であって、少なくとも以下の(1)、(2)の工程を含み、かつこの工程順で製造することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
(1)画素内遮光部を含み、ブラックマトリックスの直交方向に異なる着色画素の着色層をそれぞれ1つずつ含む領域Stと、前記領域St中の遮光領域Sbとが、面積比で0.08<(Sb/St)<0.85の関係式に対応した開口を有するフォトマスクを介して、黒色感光性樹脂組成物からなる遮光層をプロキシミティ露光し、現像、焼成処理する段階を含む遮光部形成工程。
(2)着色画素の最大線幅Aと、着色層が連続する同色の前記着色画素の最小線幅Bとが、0.85<(B/A)≦1.0の関係式に対応した開口を有するフォトマスクを介して、着色感光性樹脂組成物からなる着色層をプロキシミティ露光し、現像、焼成処理する段階を、それぞれの色毎に含む、着色画素形成工程。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−20041(P2013−20041A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152580(P2011−152580)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】