説明

カラーフィルタ及びそれを用いた液晶表示装置

【課題】液晶表示装置の輸送時等における振動や衝撃等に起因する表示ムラの発生及び輝点不良の発生を防止可能なカラーフィルタを提供する。
【解決手段】カラーフィルタ1は、透明基板2と、透明基板2の一方の面上に、開口部を有する所定パターン状に形成された遮光部3と、開口部に設けられた複数色の着色部4と、遮光部3上に、複数色のうちの2色以上の着色部4を構成する各材料からなる着色層が柱状に積層された柱状積層部5と、着色部4及び柱状積層部5を被覆する透明樹脂からなる透明保護層6と、透明保護層6を被覆する配向膜7とを備え、柱状積層部5並びにその周囲を被覆する透明保護層6及び配向膜7により構成される柱状凸部8の頂部に9秒間で200mNまで透明基板2に対して垂直方向に荷重をかけ、そのままの状態で5秒間保持したときに、荷重前後における頂部の位置の、透明基板2に対して垂直方向における変位量が0.45μm以上である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーフィルタ及びそれを用いた液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラー液晶ディスプレイ等の液晶表示装置は、一般に駆動素子が形成された対向基板とカラーフィルタとを対向配置して周囲を封止し、その間隙に液晶材料を充填した構造を有する。このような液晶表示装置を構成するカラーフィルタは、一般に透明基板上に赤色、緑色、青色等の複数色の着色部を配設し、各着色部の周囲を取り囲むようにして遮光部が形成されてなる。
【0003】
かかる液晶表示装置においては、一般に、液晶材料からなる液晶層を所定の厚みに維持するために、対向基板とカラーフィルタとのセルギャップを維持するスペーサが備えられる。このようなスペーサとしては、従来、プラスチックビーズ、ガラスビーズ等のビーズスペーサが用いられているが、かかるビーズスペーサは、対向基板とカラーフィルタとの間の所定位置への配設が非常に困難であり、液晶表示装置における画像表示領域にスペーサが配設されてしまうと、液晶表示装置による画像品質が低下するおそれがある。
【0004】
そこで、従来、複数色の着色部を基板上にフォトリソグラフィーにより形成するのと同時に、遮光部上に当該着色部と同一材料からなる着色層の積層体を形成し、その積層体をスペーサとして用いるカラーフィルタを備える液晶表示装置が提案されている(特許文献1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−318950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の液晶表示装置のように、赤色、緑色、及び青色の着色層を遮光部(ブラックマスク)上に積層してなる積層体をスペーサとして用いる場合、着色層からの不純物イオン成分の溶出や脱ガス等による液晶の汚染を防止する目的で、かかる積層体を透明樹脂等からなる保護層にて被覆することがある。この場合において、透明樹脂等が硬化するまでの間に積層体上の透明樹脂等が着色部の存在する領域に流れ込む現象が生じ、所定の厚みの液晶層を形成するためのセルギャップを維持するのが困難となってしまうため、透明樹脂等の流れ込み現象を考慮して積層体の突出高さを設定する必要がある。そして、所望とする突出高さの積層体を形成するためには、積層体を構成する着色層が硬化するまでの流れ込み現象を考慮して、積層体の最下層に位置する着色層の上底部のサイズを大きくし、各着色層を構成する材料の積層量を多くする必要がある。しかしながら、積層する着色層の上底部のサイズを大きくすると、得られる積層体が太くなって硬度が増大し、この結果、かかるカラーフィルタを用いた液晶表示装置の輸送時等における振動や衝撃等に起因する表示ムラが生じてしまうという問題がある。
【0007】
一方で、積層体を透明樹脂等からなる保護層で被覆すると、液晶表示装置の輸送時等における振動や衝撃等に起因して積層体周囲の保護層が欠けて剥がれ落ちてしまうことがある。保護層と保護層に被覆されてなる積層体を構成する着色層とは、相互に良好な密着性を有するため、保護層が剥がれ落ちる際に保護層とともに着色層の一部が脱落することがある。また、仮に保護層のみが剥がれ落ちたとしても、保護層が剥がれ落ちることにより形成されたピンホールを通じて、着色層の一部が脱落することがある。このようにして脱落した着色層を含む破片が赤色、緑色、青色等の着色部上に落ちると、輝点不良が生じてしまうという問題がある。この輝点不良の問題を解決するために保護層の剥がれ落ちを防止する目的で保護膜の硬度を増大させると、保護層で被覆された積層体からなるスペーサが、全体として高硬度となってしまい、振動や衝撃等に起因する表示ムラが生じてしまうという問題がある。
【0008】
すなわち、積層体を低硬度にするために最下層に位置する着色層の上底部サイズを小さくすると、積層体の高さが低くなり、スペーサとしての所望の機能(所定のセルギャップを維持する機能)を果たすことが困難となってしまい、積層体の高さを高くしようとすると、積層体の硬度が増大し、振動等に起因する表示ムラが生じてしまう。一方、積層体を被覆する保護膜の欠け・剥がれ落ちを防止すべく保護層の硬度を増大させると、積層体を含むスペーサ全体としての硬度が増大し、やはり振動等に起因する表示ムラが生じてしまう。このように、振動等に起因する表示ムラの問題と、保護層の剥がれ落ちを原因とする輝点不良の問題とをともに解決し得るカラーフィルタは、未だに提案されていない。
【0009】
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、液晶表示装置の輸送時等における振動や衝撃等に起因する表示ムラの発生を防止することができるとともに、保護層の剥がれ落ちを原因とする輝点不良の発生を防止することのできるカラーフィルタ及びそれを用いた液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、透明基板と、前記透明基板の一方の面上に、開口部を有する所定パターン状に形成されてなる遮光部と、前記開口部に設けられた複数色の着色部と、前記遮光部上に、前記複数色のうちの2色以上の着色部を構成する各材料からなる着色層が柱状に積層されてなる柱状積層部と、少なくとも前記着色部及び前記柱状積層部を被覆する、透明樹脂からなる透明保護層と、前記透明保護層を被覆するようにして設けられてなる配向膜とを備え、前記柱状積層部、並びに当該柱状積層部の周囲を被覆する前記透明保護層及び前記配向膜により柱状凸部が構成され、前記柱状凸部の頂部に9秒間で200mNまで前記透明基板に対して垂直方向に荷重をかけ、そのままの状態で5秒間保持したときに、荷重前後における前記頂部の位置の、前記透明基板に対して垂直方向における変位量が0.45μm以上であることを特徴とするカラーフィルタを提供する(発明1)。
【0011】
なお、本発明において「透明」とは、波長400nmの光線の透過率が90%以上であることを意味し、好ましくは93%以上、特に好ましくは96%以上である。
【0012】
上記発明(発明1)においては、前記柱状凸部の上底部のサイズが、30μm以下であるのが好ましく(発明2)、前記柱状凸部の上底部のサイズが、5〜25μmであるのがより好ましい(発明3)。
【0013】
なお、本発明において「柱状凸部の上底部のサイズ」とは、柱状凸部の最上位(頂部)から柱状積層部の最下層に位置する着色層と同一色の着色部の中心部上の配向膜表面までの、当該最上位(頂部)から透明基板に対する垂直方向の長さを100%とした場合、柱状凸部の最上位(頂部)から透明基板に対する垂直方向(柱状積層部の軸方向)に5%の長さの点を含む、透明基板と略平行の平面における柱状凸部の大きさを意味し、柱状凸部が略円柱形状である場合には当該平面における柱状凸部の最大径を、柱状凸部が略方体形状である場合には当該平面における柱状凸部の対角長さを意味するものとする。かかる柱状凸部の上底部のサイズは、所定の測定装置(例えば、Super PSIS-6008(製品名),SNU Precision社製)を用いて測定することができる。
【0014】
上記発明(発明1〜3)においては、前記柱状積層部の最上層に位置する着色層の上底部のサイズが、5〜40μmであり、前記柱状積層部の最上層に位置する着色層の上底部のサイズと、前記柱状積層部の最下層に位置する着色層の上底部のサイズとの比が、1:1.5〜20であるのが好ましい(発明4)。
【0015】
なお、本発明において「着色層の上底部のサイズ」とは、当該着色層の最上位(頂部)から、柱状積層部の最下層に位置する着色層と同一色の着色部の中心部における表面までの、当該最上位(頂部)から透明基板に対する垂直方向の長さを100%とした場合、当該着色層の最上位(頂部)から透明基板に対して垂直方向(柱状積層部の軸方向)に5%の長さの点を含む、透明基板と略平行の平面における当該着色層の大きさを意味し、着色層が略円柱形状である場合には当該平面における着色層の最大径を、着色層が略方体形状である場合には当該平面における着色層の対角長さを意味するものとする。かかる着色層の上底部のサイズは、所定の測定装置(例えば、Super PSIS-6008(製品名),SNU Precision社製)を用いて測定することができる。
【0016】
上記発明(発明1〜4)においては、前記柱状積層部の上部における前記透明保護層の厚さが、0.35μm以上であるのが好ましい(発明5)。
【0017】
また、本発明は、透明基板と、前記透明基板の一方の面上に設けられた、開口部を有する所定パターン状に形成されてなる遮光部と、前記開口部に設けられた複数色の着色部と、前記遮光部上に設けられた、前記複数色のうちの1色の着色部を構成する材料からなる柱状突起又は前記複数色のうちの2色以上の着色部を構成する各材料からなる着色層が柱状に積層されてなる柱状積層部と、少なくとも前記着色部、及び前記柱状突起又は前記柱状積層部を被覆する、透明樹脂からなる透明保護層と、前記透明保護層を被覆するようにして設けられてなる配向膜とを備え、前記遮光部は、前記複数色の着色部のうちの2色以上が積層されて構成され、前記柱状突起又は柱状積層部は、前記遮光部として積層されている着色部と異なる色により構成され、前記柱状突起並びに当該柱状突起の周囲を被覆する前記透明保護層及び前記配向膜、又は前記柱状積層部並びに当該柱状積層部の周囲を被覆する前記透明保護層及び前記配向膜により柱状凸部が構成され、前記柱状凸部の頂部に9秒間で200mNまで前記透明基板に対して垂直方向に荷重をかけ、そのままの状態で5秒間保持したときに、荷重前後における前記頂部の位置の、前記透明基板に対して垂直方向における変位量が0.45μm以上であることを特徴とするカラーフィルタを提供する(発明6)。
【0018】
上記発明(発明6)においては、前記柱状凸部の上底部のサイズが、30μm以下であるのが好ましく(発明7)、前記柱状凸部の上底部のサイズが、5〜25μmであるのがより好ましい(発明8)。上記発明(発明6〜8)においては、前記柱状積層部の最上層に位置する着色層の上底部のサイズが、5〜40μmであり、前記柱状積層部の最上層に位置する着色層の上底部のサイズと、前記柱状積層部の最下層に位置する着色層の上底部のサイズとの比が、1:1.5〜20であるのが好ましい(発明9)。上記発明(発明6〜9)においては、前記柱状突起又は前記柱状積層部上に位置する前記透明保護層の厚さが、0.35μm以上であるのが好ましい(発明10)。
【0019】
さらに、本発明は、上記発明(発明1〜10)に係るカラーフィルタと、前記カラーフィルタと対向配置されてなる電極基板と、前記カラーフィルタと前記電極基板とにより形成される間隙に封入された液晶材料より構成される液晶層とを備えることを特徴とする液晶表示装置を提供する(発明11)。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、液晶表示装置の輸送時等における振動や衝撃等に起因する表示ムラの発生を防止することができるとともに、保護層の剥がれ落ちを原因とする輝点不良の発生を防止することのできるカラーフィルタ及びそれを用いた液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るカラーフィルタを示す部分断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るカラーフィルタの柱状凸部に所定の荷重をかけた後の状態を示す部分断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るカラーフィルタの柱状凸部を示す部分断面図であり、(A)は、当該柱状凸部を構成する柱状積層部の最上層に位置する青色着色層を、(B)は、当該柱状積層部の第2層である緑色着色層を、(C)は、当該柱状積層部の最下層に位置する赤色着色層を、(D)は、柱状凸部の上端部を示す部分断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るカラーフィルタの柱状凸部の上端部を示す斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す工程フロー図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るカラーフィルタの他の構成例を示す部分断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るカラーフィルタを示す部分断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るカラーフィルタの柱状凸部に所定の荷重をかけた後の状態を示す部分断面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係るカラーフィルタの非表示領域に設けられた柱状凸部を示す部分断面図であり、(A)は、当該柱状凸部を構成する柱状突起の上端部を、(B)は、当該柱状凸部の上端部を示す部分断面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るカラーフィルタの柱状凸部の上端部を示す斜視図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す工程フロー図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係るカラーフィルタの他の構成例を示す部分断面図である。
【図13】本発明の第1の実施形態に係るカラーフィルタを用いた液晶表示装置を示す部分断面図である。
【図14】本発明の第2の実施形態に係るカラーフィルタを用いた液晶表示装置を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
〔カラーフィルタ〕
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係るカラーフィルタを示す部分断面図であり、図2は、第1の実施形態に係るカラーフィルタの柱状凸部に所定の荷重をかけた後の状態を示す部分断面図であり、図3は、第1の実施形態に係るカラーフィルタの柱状凸部を示す部分断面図であり、図4は、第1の実施形態に係るカラーフィルタの柱状凸部の上端部を示す斜視図である。
【0023】
図1に示すように、第1の実施形態に係るカラーフィルタ1は、透明基板2と、透明基板2の一方の面上に、開口部を有する所定パターン状に形成されてなる遮光部3と、開口部を被覆するようにして設けられた複数色の着色部4(本実施形態においては、赤色着色部4R、緑色着色部4G、及び青色着色部4Bの3色)と、遮光部3上に設けられた柱状積層部5と、遮光部3、着色部4及び柱状積層部5を被覆する透明保護層6と、透明保護層6上に厚み0.15μm程度に形成されてなる、ポリイミド等からなる配向膜7とを備える。なお、第1の実施形態に係るカラーフィルタ1においては、柱状積層部5、並びにその周囲を被覆する透明保護層6及び配向膜7が、スペーサとしての機能を果たす柱状凸部8となる。
【0024】
かかるカラーフィルタ1においては、図2に示すように、所定のステージ(図示せず)上にカラーフィルタ1を載置し、柱状凸部8の頂部(柱状積層部5上の配向膜7の上部)に、超微小硬度測定装置(製品名:FISCHERSCOPE H100V,フィッシャー・インストルメンツ社製)を用いて9秒間で200mNまで一定の荷重速度で透明基板2に対して垂直方向に荷重をかけ、そのままの状態で5秒間保持したときに、荷重前後における柱状凸部8の頂部の位置の、透明基板2に対して垂直方向における変位量D1が0.45μm以上であり、好ましくは0.45〜2.0μmであり、特に好ましくは0.45〜0.8μmである。当該変位量D1が0.45μm未満であると、輸送時等の振動や衝撃等に起因する表示ムラが発生してしまう。
【0025】
透明基板2としては、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性を有しない透明なリジット材;透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材等を用いることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。かかる透明基板2の厚みは、例えば、200〜1500μmの範囲で適宜設定することができる。
【0026】
遮光部3は、例えば、カーボン微粒子等の遮光性粒子を含有する樹脂材料の硬化体、クロム等の金属材料の厚み1000〜2000Å程度の薄膜等として構成されることができる。なお、遮光部3のパターン形状は、複数の開口部を有するパターン形状であれば特に限定されるものではなく、例えば、平行に設けられた複数のストライプ形状、格子形状等であればよい。
【0027】
着色部4は、遮光部3の非形成部である開口部のそれぞれを被覆するようにして設けられる。かかる着色部4は、所望の着色材(顔料、染料等)を含む、公知のネガ型又はポジ型感光性樹脂材料等により構成される。また、着色部4の厚みは特に限定されるものではないが、後述するように、各着色部4R,4G,4Bと、柱状積層部5を構成する各着色層5R,5G,5Bとが同時に形成されることから、第1の実施形態に係るカラーフィルタ1を用いて製造される液晶表示装置における液晶層の厚さ(すなわち、柱状積層部5の突出高さ等)を考慮して適宜設定すればよい。
【0028】
柱状積層部5は、着色部4(赤色着色部4R、緑色着色部4G、青色着色部4B)を構成する各材料からなる赤色着色層5R、緑色着色層5G、及び青色着色層5Bが遮光部3上にこの順で積層されるようにして構成される。かかる柱状積層部5の高さは、第1の実施形態に係るカラーフィルタ1を用いて製造される液晶表示装置における液晶層の厚み、及び後述する透明保護層6の厚み(柱状積層部5上の厚み、着色部4上の厚み)等を考慮して適宜設定することができるが、例えば、3〜15μmとすることができる。
【0029】
柱状積層部5(赤色着色層5R、緑色着色層5G、及び青色着色層5B)の形状は、略円柱形状であってもよいし、略直方体形状、略立方体形状等の略方体形状であってもよい。なお、第1の実施形態においては、柱状積層部5の各着色層5R,5G,5Bの形状が円柱形状であるものを例に挙げて説明する。
【0030】
図3に示すように、柱状積層部5を構成する赤色着色層5Rの上底部の直径W3は、柱状積層部5が形成される遮光部3の短手方向の幅以下であって、かつ30μm以上であるのが好ましく、40〜100μmであるのがより好ましい。柱状積層部5の最下層に位置する赤色着色層5Rの上底部の直径W3が30μm未満であると、その上に積層される緑色着色層5G及び青色着色層5Bを構成する材料の流れ込み現象により、それらの着色層5G,5Bの積層量が少なくなってしまい、所望とする高さの柱状積層部5が得られなくなるおそれがある。
【0031】
一方で、柱状積層部5の高さを所望の高さとするためには、赤色着色層5R、緑色着色層5G及び青色着色層5Bの上底部の直径W1〜W3を大きくすることが考えられるが、このように柱状積層部5を構成する全ての着色層5R,5G,5Bの上底部の直径W1〜W3を大きくすると、柱状積層部5、並びにその周囲を被覆する透明保護層6及び配向膜7により構成される柱状凸部8が硬くなってしまい、結果として、振動や衝撃等に起因する表示ムラが生じてしまう。しかしながら、第1の実施形態に係るカラーフィルタ1においては、少なくとも柱状積層部5の最上層に位置する青色着色層5Bの上底部の直径W1を、最下層に位置する赤色着色層5Rの上底部の直径W3よりも小さくする。これにより、柱状積層部5、並びにその周囲を被覆する透明保護層6及び配向膜7により構成される柱状凸部8の硬度を低下させ、所定条件での荷重前後における柱状凸部8の頂部の変位量D1を0.45μm以上にすることができ、その結果、振動や衝撃等に起因する表示ムラの発生を抑制することができる。
【0032】
具体的には、柱状積層部5の最上層に位置する青色着色層5Bの上底部の直径W1が好ましくは5〜40μm、より好ましくは5〜35μm、特に好ましくは5〜30μmであって、当該直径W1と最下層に位置する赤色着色層5Rの上底部の直径W3との比が、好ましくは1:1.5〜20、より好ましくは1:2〜20、特に好ましくは1:2.5〜20となるように、各着色層5R,5G,5Bを積層して柱状積層部5を構成することができる。これにより、柱状積層部5の高さ(遮光部3面から最上層に位置する青色着色層5Bの頂部P1までの高さ)を3〜15μmとし、かつ後述するように柱状凸部8の上底部の直径W4を30μm以下にすることができる(図4参照)。その結果として、柱状凸部8を所望とする高さで形成してもなお、振動や衝撃等に起因する表示ムラの発生を抑制することができる。なお、緑色着色層5Gの上底部の直径W2は、最上層に位置する着色層である青色着色層5Bの直径W1以上、最下層に位置する着色層である赤色着色層5Rの直径W3以下であれば、特に限定されるものではなく、所望とする柱状積層部5の高さや柱状凸部8の硬度等に応じて適宜設定すればよい。
【0033】
なお、第1の実施形態において、着色層の上底部の直径とは、各着色層5B,5G,5Rの頂点P1〜P3から柱状積層部5の最下層に位置する着色層(第1の実施形態においては赤色着色層5R)と同一色の着色部(第1の実施形態においては赤色着色部4R)の中心部における表面までの、透明基板2に対する垂直方向における長さを100%とした場合、当該着色層5B,5G,5Rの頂点P1〜P3から透明基板2に対して垂直方向(柱状積層部5の軸方向)に5%の長さの点Q1〜Q3を含む、透明基板2と略平行な平面S1〜S3における各着色層5B,5G,5Rの直径を意味する(図3(A)〜(C)参照)。この着色層の上底部の直径は、所定の測定装置(例えば、Super PSIS-6008(製品名),SNU Precision社製)を用いて測定することができる。
【0034】
透明保護層6は、遮光部3、各着色部4及び柱状積層部5を被覆するようにして設けられている。透明保護層6が設けられていることにより、各着色部4及び柱状積層部5(赤色着色層5R、緑色着色層5G及び青色着色層5B)等からの不純物イオン成分の溶出や脱ガス等を防止することができる。
【0035】
透明保護層6を形成するために用いられる透明保護層形成用組成物としては、例えば、硬化温度が80〜160℃、好ましくは100〜140℃であって、粘性(25℃)が2〜10Pa・s、好ましくは2〜5Pa・sであるものが挙げられる。このような透明保護層形成用組成物を用いることで、所定条件での荷重前後による柱状凸部8の頂部の変位量D1を0.45μm以上にすることができる。具体的には、10時間半減期温度が60〜105℃の重合開始剤を含有する透明保護層形成用組成物等を用いることができる。なお、第1の実施形態において「硬化温度」とは、透明保護層形成用組成物を30℃で5分間保持した後10℃/分の昇温速度で230℃まで加熱したときに測定されるDSC(Differential scanning calorimetry(示差走査熱量測定))曲線における、発熱量のピークトップ時点での温度を意味するものとする。
【0036】
透明保護層6の膜厚は、柱状積層部5の上部における透明保護層6の厚みTOCが、好ましくは0.35μm以上、より好ましくは0.35〜5μm、特に好ましくは0.35〜1μmとなるように設定すればよい。具体的には、各着色部4R,4G,4Bの中心部における透明保護層6の膜厚を、好ましくは1〜10μm、より好ましくは1.2〜5μmに設定することで、柱状積層部5の上部における透明保護層6の厚みTOCを上記範囲にすることができる。一般に、カラーフィルタを用いた液晶表示装置の輸送時等における振動や衝撃等により、柱状積層部5を被覆する透明保護層6及び配向膜7が欠けて剥がれ落ちてしまうと、それらとともに柱状積層部5を構成する着色層5R,5G,5Bも脱落し、当該着色層5R,5G,5Bを含む破片が輝点不良の原因となってしまう。輝点不良が生じないように、透明保護層6の硬度を増大させると、柱状積層部5、透明保護層6及び配向膜7から構成される柱状凸部8(スペーサ)の硬度が増大してしまい、振動や衝撃等に起因する表示ムラが発生してしまうため、透明保護層6の硬度を増大させることはできない。そこで、表示ムラの問題及び輝点不良の問題をともに解決すべく、本発明者らが鋭意研究した結果、柱状積層部5の上部における透明保護層6の厚みが、振動や衝撃等により透明保護層6が欠けてしまうか否かのメルクマールであることが判明した。すなわち、柱状積層部5の上部における透明保護層6の厚みTOCが0.35μm未満であると、振動や衝撃等により透明保護層6及び配向膜7が欠けて剥がれ落ちてしまうことが判明した。そこで、第1の実施形態においては、柱状積層部5の上部における透明保護層6の厚みを0.35μm以上とすることで、透明保護層6及び配向膜7が欠けて剥がれ落ちるのを抑制し、振動や衝撃等に起因する輝点不良の発生をも抑制することができる。なお、仮に配向膜7のみが着色部4上に剥がれ落ちたとしても、配向膜7の厚みが0.15μm程度と薄いため、輝点不良を生じさせるおそれはない。
【0037】
なお、第1の実施形態において、柱状積層部5の上部における透明保護層6の厚みTOCとは、柱状積層部5の最上層に位置する着色層(第1の実施形態においては青色着色層5B)の最も高い位置P1上における、透明基板2の表面に垂直方向の厚みを意味する。後述するように、フォトリソグラフィーにより各着色層5R,5G,5Bを積層して柱状積層部5を形成する場合、各着色層5R,5G,5Bを構成する材料の流れ込み現象により、通常、柱状積層部5の軸芯部が最も高くなるため、当該厚みTOCとは、柱状積層部5の最上層に位置する青色着色層5Bの軸芯部における、透明基板2の表面に対して垂直方向の透明保護層6の厚み(点P14間の長さ)を意味するものとする(図3(D)参照)。
【0038】
図4に示すように、上記柱状積層部5、並びにその周囲を被覆する透明保護層6及び配向膜7により構成される柱状凸部8の上底部の直径W4(柱状凸部8の最上位点P4から柱状積層部5の最下層に位置する着色層(第1の実施形態においては赤色着色層5R)と同一色の着色部(第1の実施形態においては赤色着色部4R)の中心部上の配向膜8表面までの、透明基板2に対する垂直方向における長さを100%とした場合、柱状凸部8の最上位点P4から透明基板2に対して垂直方向(柱状積層部5の軸方向)に5%の長さの点Q4を含む、透明基板2と略平行の平面S4における柱状凸部8の直径)は、30μm以下であるのが好ましく、5〜28μmであるのがより好ましく、5〜25μmであるのが特に好ましい。当該直径W4が30μmを超えると、振動や衝撃等に起因する表示ムラが生じてしまうおそれがある。なお、図4においては、説明の都合上、配向膜7の図示を省略している。
【0039】
上述した第1の実施形態に係るカラーフィルタ1の製造方法を、以下に説明する。図5は、第1の実施形態に係るカラーフィルタ1の製造方法を示す工程フロー図である。
まず、透明基板2を用意し、当該透明基板2上に、遮光部3を形成するための樹脂組成物を、スピンコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法、スリットコート法等の公知の塗布方法により塗布して塗布膜を形成し、当該塗布膜を乾燥した後、所望のパターンのマスクを用いて露光、現像することで、開口部を有する所定のパターン形状の遮光部3を形成する(図5(A))。なお、遮光部3を金属クロム等により形成する場合、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法等の公知の手法を用いて薄膜を形成し、これをパターンエッチングすればよい。
【0040】
次に、所望のパターン形状を有する遮光部3が設けられた透明基板2上に、遮光部3及び開口部を被覆するようにして、赤色着色部4R及び赤色着色層5Rを形成するための樹脂組成物を塗布し、塗布膜L1を形成する(図5(B))。当該樹脂組成物の塗布方法としては、スピンコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法、スリットコート法等の公知の塗布方法が挙げられる。
【0041】
このようにして形成した塗布膜L1を乾燥し、所望のパターンのマスクを用いて露光、現像することで、透明基板2上の開口部に赤色着色部4Rを、遮光部3の所望位置に柱状積層部5の最下層を構成する赤色着色層5Rを形成する(図5(C))。このとき、形成しようとする柱状積層部5の高さ等を考慮して、柱状積層部5の最上層に位置する青色着色層5Bの上底部の直径W1と赤色着色層5Rの上底部の直径W3との比が所定の範囲になるように、かつ赤色着色層5Rの上底部の直径W3が所定の範囲となるように赤色着色層5Rを形成する。
【0042】
続いて、遮光部3、赤色着色部4R及び赤色着色層5Rが形成された透明基板2上に、それら及び開口部を被覆するようにして、緑色着色部4G及び緑色着色層5Gを形成するための樹脂組成物を塗布し、塗布膜L2を形成する(図5(D))。当該樹脂組成物の塗布方法としては、上述の塗布方法が挙げられる。このようにして形成した塗布膜L2を乾燥し、所望のパターンのマスクを用いて露光、現像することで、透明基板2上の赤色着色部4Rに隣接する開口部に緑色着色部4Gを、遮光部3上の赤色着色層5R上に緑色着色層5Gを形成する(図5(E))。
【0043】
さらに、遮光部3、赤色着色部4R、緑色着色部4G、赤色着色層5R及び緑色着色層5Gが形成された透明基板2上に、それら及び開口部を被覆するようにして、青色着色部4B及び青色着色層5Bを形成するための樹脂組成物を塗布し、塗布膜L3を形成する(図5(F))。当該樹脂組成物の塗布方法としては、上述の塗布方法が挙げられる。このようにして形成した塗布膜L3を乾燥し、所望のパターンのマスクを用いて露光、現像することで、透明基板2上の残りの開口部に青色着色部4Bを、遮光部3上の緑色着色層5G上に青色着色層5Bを形成する(図5(G))。このとき、青色着色層5Bの上底部の直径W1が所定の範囲となるように、かつ当該直径W1と赤色着色層5Rの上底部の直径W3との比が所定の範囲となるように青色着色層5Bを形成する。これにより、遮光部3上に3層構造からなる柱状積層部5が形成される。
【0044】
そして、遮光部3、着色部4及び柱状積層部5を被覆するようにして透明樹脂を所定の膜厚で塗布し、透明樹脂からなる透明保護層6を形成する(図5(H))。このとき、柱状積層部5を被覆する透明保護層6の、柱状積層部5の上部における厚みTOCが0.35μm以上となるように、透明保護層6を形成する。例えば、透明保護層形成用組成物として、硬化温度が80〜160℃、粘度(25℃)が2〜10Pa・sのものを使用し、各着色部4の中心部における透明保護層6の膜厚が1〜10μmとなるように透明保護層形成用組成物を塗布し、100〜230℃/minで15〜60分間硬化反応させることで、透明保護層6の厚みTOCを0.35μm以上とすることができる。
【0045】
最後に、透明保護層6上にポリイミド等からなる配向膜7を形成し、所望によりラビング処理を施す(図5(I))。
【0046】
上述のようにして得られたカラーフィルタ1は、柱状凸部8の頂部に超微小硬度測定装置(製品名:FISCHERSCOPE H100V,フィッシャー・インストルメンツ社製)を用いて9秒間で200mNまで一定の荷重速度で透明基板2に対して垂直方向に荷重をかけ、そのままの状態で5秒間保持したときに、荷重前後における柱状凸部8の頂部の位置の、透明基板2に対して垂直方向における変位量D1が0.45μm以上となる。したがって、後述する実施例において明らかなように、輸送時等における振動や衝撃等に起因する表示ムラを抑制することができる。しかも、柱状積層部5の周囲を被覆する透明保護層6の、柱状積層部5の上部における厚みTOCが0.35μm以上であることで、振動や衝撃等により当該透明保護層6及び配向膜7が欠けて剥がれ落ちるのを抑制することができるため、着色層5R,5G,5Bを含む破片による輝点不良の発生をも抑制することができる。
【0047】
以上説明した第1の実施形態において、着色部4は、赤色着色部4R、緑色着色部4G、及び青色着色部4Bの3色により構成されているが、少なくとも2色の着色部を含む限り特に制限されるものではなく、赤色着色部4Rと、緑色着色部4G又は青色着色部4Bとの2色により構成されていてもよい。また、上記3色の着色部4R,4G,4Bに加えて、イエロー、マゼンタ、シアン等の他の色の着色部のうちの1色以上が含まれていてもよいし、上記3色の着色部4R,4G,4Bのうちのいずれか1色以上に変えてイエロー、マゼンタ、シアン等の他の色の着色部のうちの1色以上が含まれていてもよい。
【0048】
また、第1の実施形態においては、柱状積層部5が下側(遮光部3側)から順に赤色着色層5R、緑色着色層5G及び青色着色層5Bの3層構造となっているが、柱状積層部5として所望の高さを得られるのであれば、2層構造であってもよいし、4層以上の積層構造であってもよい。柱状積層部5を4層以上の積層構造とする場合、例えば、赤色着色層5R、緑色着色層5G及び青色着色層5Bと、イエロー、マゼンタ、シアン等の色の着色層とを含むものとして構成することができる。また、それらの積層順も特に限定されるものではない。
【0049】
着色部4を4色により構成し、柱状積層部5を4層以上の積層構造とする場合、例えば、図6に示すように、青色着色部4Bに隣接してイエロー着色部4Yを設け、柱状積層部5の青色着色層5B上にイエロー着色層5Yを設ければよい。この場合において、イエロー着色層5Yの上底部の直径(イエロー着色層5Yの頂点から赤色着色部4Rの中心部における表面までの、透明基板2に対する垂直方向の長さを100%とした場合、当該イエロー着色層5Yの頂点から透明基板2に対して垂直方向(柱状積層部5の軸方向)に5%の長さの点を含む、透明基板2と略平行な平面におけるイエロー着色層5Yの直径)を好ましくは5〜40μm、より好ましくは5〜35μm、特に好ましくは5〜30μmとし、かつイエロー着色層5Yの上底部の直径と赤色着色層5Rの上底部の直径W3との比を好ましくは1:1.5〜40、より好ましくは1:2〜20、特に好ましくは1:2.5〜20とすることができる。
【0050】
第1の実施形態に係るカラーフィルタ1においては、透明基板2の裏面(着色部4等が形成されていない面)にITO層が形成されていてもよい。ITO層が形成されていることで、当該カラーフィルタ1を用いた液晶表示装置の製造工程において静電気が帯電するのを防止したり、かかる液晶表示装置(電極基板)の静電破壊を防止したりすることができる。
【0051】
〔第2の実施形態〕
以下、第2の実施形態に係るカラーフィルタについて説明する。図7は、第2の実施形態に係るカラーフィルタを示す部分断面図であり、図8は、第2の実施形態に係るカラーフィルタの柱状凸部に所定の荷重をかけた後の状態を示す部分断面図であり、図9は、第2の実施形態に係るカラーフィルタの非表示領域に設けられた柱状凸部を示す部分断面図であり、図10は、第2の実施形態に係るカラーフィルタの柱状凸部の上端部を示す斜視図である。
【0052】
図7に示すように、第2の実施形態に係るカラーフィルタ10は、透明基板12と、透明基板12の一方の面上に、開口部を有する所定パターン状に形成されてなる遮光部13と、開口部を被覆するようにして設けられた複数色の着色部14(本実施形態においては、赤色着色部14R、緑色着色部14G、青色着色部14Bの3色)と、遮光部13上に設けられた柱状突起15と、遮光部13、着色部14及び柱状突起15を被覆する透明保護層16と、透明保護層16上に厚み0.15μm程度に形成された、ポリイミド等からなる配向膜17とを備える。なお、第2の実施形態に係るカラーフィルタ10においては、柱状突起15、並びにその周囲を被覆する透明保護層16及び配向膜17が、スペーサとしての機能を果たす柱状凸部18となる。
【0053】
かかるカラーフィルタ10においては、図8に示すように、柱状凸部18の頂部(柱状突起15上の配向膜17の上部)に超微小硬度測定装置(製品名:FISCHERSCOPE H100V,フィッシャー・インストルメンツ社製))を用いて9秒間で200mNまで一定の荷重速度で透明基板12に対する垂直方向に荷重をかけ、そのままの状態で5秒間保持したときに、荷重前後における柱状凸部18の頂部の位置の、透明基板12に対して垂直方向における変位量D10が0.45μm以上であり、好ましくは0.45〜2.0μmであり、特に好ましくは0.45〜0.8μmである。当該柱状凸部18の頂部の変位量D10が0.45μm未満であると、輸送時等の振動や衝撃等に起因する表示ムラが発生してしまう。
【0054】
透明基板12としては、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性を有しない透明なリジット材;透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材等を用いることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。かかる透明基板12の厚みは、例えば、200〜1500μmの範囲で適宜設定することができる。
【0055】
遮光部13は、カラーフィルタ10の非表示領域19aに2色の着色部が積層された積層構造として構成される。第2の実施形態においては、図7に示すように、透明基板12上に設けられた赤色着色部14R及び緑色着色部14Gのうち、カラーフィルタ10の非表示領域19aに積層された赤色着色部14Rh及び緑色着色部14Ghの積層構造が遮光部13としての機能を果たすことになる。
【0056】
着色部14は、カラーフィルタ10の表示領域19bとしての開口部のそれぞれを被覆するようにして設けられる。かかる着色部14は、所望の着色材(顔料、染料等)を含む、公知のネガ型又はポジ型感光性樹脂材料等により構成される。また、着色部14の厚みは特に限定されるものではないが、後述するように、表示領域19bに赤色着色部14Rd及び緑色着色部14Gdを形成すると同時に非表示領域19aに赤色着色部14Rh及び緑色着色部14Ghの積層構造を形成し、表示領域19bに青色着色部14Bを形成すると同時に上記積層構造(赤色着色部14Rhと緑色着色部14Ghとの積層構造)上に柱状突起15を形成することから、第2の実施形態に係るカラーフィルタ10を用いて製造される液晶表示装置における液晶層の厚さ等を考慮して着色部14の厚みを適宜設定すればよい。
【0057】
柱状突起15は、赤色着色部14Rh及び緑色着色部14Ghの積層構造からなる遮光部13上に青色着色層15Bが柱状に形成されて構成される。かかる柱状突起15の高さは、第2の実施形態に係るカラーフィルタ10を用いて製造される液晶表示装置における液晶層の厚み、非表示領域19aに積層されている赤色着色部14Rh及び緑色着色部14Ghの厚み、並びに後述する透明保護層16の厚み等を考慮して適宜設定することができるが、例えば、2〜15μmとすることができる。
【0058】
柱状突起15の形状は、略円柱形状であってもよいし、略直方体形状、略立方体形状等の略方体形状であってもよい。なお、第2の実施形態においては、柱状突起15の形状が円柱形状であるものを例に挙げて説明する。
【0059】
図9に示すように、柱状突起15を構成する青色着色層15Bの上底部の直径W11は、5〜40μmであるのが好ましく、5〜35μmであるのがより好ましく、5〜30μmであるのが特に好ましい。当該直径W11が40μmを超えると、柱状突起15の硬度が増大し、振動や衝撃等に起因する表示ムラの発生を抑制するのが困難となるおそれがあり、5μm未満であると、柱状突起15(青色着色層15B)を構成する材料の流れ込み現象により、青色着色層15Bの積層量が少なくなってしまい、所望とする高さの柱状突起15が得られなくなるおそれがある。
【0060】
なお、第2の実施形態において、着色層の上底部の直径とは、着色層15Bの頂点P11から透明基板12上の非表示領域に設けられた着色部(第2の実施形態においては赤色着色部14Rh)と同一色の着色部(第2の実施形態においては赤色着色部14Rd)の中心部における表面までの、透明基板12に対して垂直方向における長さを100%とした場合、当該着色層15Bの頂点P11から透明基板12に対して垂直方向(柱状突起15の軸方向)に5%の長さの点Q11を含む、透明基板12と略平行な平面S11における着色層15Bの直径を意味する(図9(A)参照)。この着色層の上底部の直径は、所定の測定装置(例えば、Super PSIS-6008(製品名),SNU Precision社製)を用いて測定することができる。
【0061】
透明保護層16は、遮光部13、各着色部14及び柱状突起15を被覆するようにして設けられている。透明保護層16が設けられていることにより、各着色部14及び柱状突起15(青色着色層15B)等からの不純物イオン成分の溶出や脱ガス等を防止することができる。
【0062】
透明保護層16を形成するために用いられる透明保護層形成用組成物としては、例えば、硬化温度が80〜160℃、好ましくは100〜140℃であって、粘性(25℃)が2〜10Pa・s、好ましくは2〜5Pa・sであるものが挙げられる。このような透明保護層形成用組成物を用いることで、所定条件での荷重前後による柱状凸部18の頂部の変位量D10を0.45μm以上にすることができる。具体的には、10時間半減期温度が60〜105℃の重合開始剤を含有する透明保護層形成用組成物等を用いることができる。なお、第2の実施形態において「硬化温度」とは、透明保護層形成用組成物を30℃で5分間保持した後10℃/分の昇温速度で230℃まで加熱したときに測定されるDSC(Differential scanning calorimetry(示差走査熱量測定))曲線における、発熱量のピークトップ時点での温度のことを意味するものとする。
【0063】
透明保護層16の膜厚は、柱状突起15の上部における透明保護層16の厚みTOCが、好ましくは0.35μm以上、より好ましくは0.35〜5μm、特に好ましくは0.35〜1μmとなるように設定すればよい。具体的には、各着色部14Rd,14Gd,14Bの中心部における透明保護層16の膜厚を、好ましくは1〜10μm、より好ましくは1.2〜5μmに設定することで、柱状突起15の上部における透明保護層16の厚みTOCを上記範囲にすることができる。一般に、カラーフィルタを用いた液晶表示装置の輸送時等における振動や衝撃等により、柱状突起15を被覆する透明保護層16及び配向膜17が欠けて剥がれ落ちてしまい、それらとともに柱状突起15を構成する着色層(青色着色層15B)が脱落し、当該着色層を含む破片が輝点不良の原因となってしまう。輝点不良が生じないように、透明保護層16の硬度を増大させると、柱状突起15、並びに透明保護層16及び配向膜17から構成される柱状凸部18の硬度が増大してしまい、振動や衝撃等に起因する表示ムラが発生してしまうため、透明保護層16の硬度を増大させることはできない。そこで、表示ムラの問題及び輝点不良の問題をともに解決すべく、本発明者らが鋭意研究した結果、柱状突起15の上部における透明保護層16の厚みが、振動や衝撃等により透明保護層16及び配向膜17が欠けてしまうか否かのメルクマールであることが判明した。すなわち、柱状突起15の上部における透明保護層16の厚みTOCが0.35μm未満であると、振動や衝撃等により透明保護層16及び配向膜17が欠けてしまうことが判明した。そこで、第2の実施形態においては、柱状突起15の上部における透明保護層16の厚みを0.35μm以上とすることで、透明保護層16及び配向膜17が欠けて剥がれ落ちるのを抑制し、振動や衝撃等に起因する表示ムラ及び輝点不良の発生を抑制することができる。なお、仮に配向膜17のみが着色部14上に剥がれ落ちたとしても、配向膜17の厚みが0.15μm程度と薄いため、輝点不良を生じさせるおそれはない。
【0064】
なお、第2の実施形態において、柱状突起15の上部における透明保護層16の厚みTOCとは、柱状突起15(青色着色層15B)の最も高い位置P11上における、透明基板12の表面に対して垂直方向の厚みを意味する。後述するように、フォトリソグラフィーにより透明基板12の非表示領域19aに赤色着色部14Bh及び緑色着色部14Ghを積層して遮光部13を形成し、その遮光部13上に柱状突起15を形成する場合、柱状突起15(青色着色層15B)を構成する材料の流れ込み現象により、通常、柱状突起15の軸芯部が最も高くなる。そのため、透明保護層16の厚みTOCとは、柱状突起15(青色着色層15B)の軸芯部における、透明基板12の表面に対して垂直方向の透明保護層16の厚み(点P1114間の距離)を意味するものとする(図9(B)参照)。
【0065】
図10に示すように、上記柱状突起15及びその周囲を被覆する透明保護層16により構成される柱状凸部18の上底部の直径W14(柱状凸部18の最上位点P14から透明基板12上の非表示領域に設けられた着色部(第2の実施形態においては赤色着色部14Rh)と同一色の着色部(第2の実施形態においては赤色着色部14Rd)の中心部上の配向膜18表面までの、透明基板12に対する垂直方向における長さを100%とした場合、柱状凸部18の最上位点P14から透明基板12に対して垂直方向(柱状突起15の軸方向)に5%の長さの点Q14を含む、透明基板12と略平行の平面S14における柱状凸部18の直径)は、30μm以下であるのが好ましく、5〜28μmであるのがより好ましく、5〜25μmであるのが特に好ましい。当該直径W14が30μmを超えると、振動や衝撃等に起因する表示ムラが生じてしまうおそれがある。
【0066】
上述した第2の実施形態に係るカラーフィルタ10の製造方法を、以下に説明する。図11は、第2の実施形態に係るカラーフィルタ10の製造方法を示す工程フロー図である。
【0067】
まず、透明基板12を用意し、当該透明基板12上の非表示領域19a及び表示領域19bを被覆するようにして、赤色着色部14Rd,14Rhを形成するための樹脂組成物を塗布し、塗布膜L11を形成する(図11(A))。当該樹脂組成物の塗布方法としては、スピンコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法、スリットコート法等の公知の塗布方法が挙げられる。
【0068】
このようにして形成した塗布膜L11を乾燥し、所望のパターンのマスクを用いて露光、現像することで、透明基板12上の非表示領域19a及び表示領域19bの所定の位置に赤色着色部14Rd,14Rhを形成する(図11(B))。
【0069】
続いて、赤色着色部14Rd,14Rhが形成された透明基板12上に、赤色着色部14Rd,14Rh及び表示領域19bを被覆するようにして、緑色着色部14Gd,14Ghを形成するための樹脂組成物を塗布し、塗布膜L12を形成する(図11(C))。当該樹脂組成物の塗布方法としては、上述の塗布方法が挙げられる。このようにして形成した塗布膜L12を乾燥し、所望のパターンのマスクを用いて露光、現像することで、表示領域19b(開口部)のうちの赤色着色部14Rdに隣接する所定の位置に緑色着色部14Gdを形成するとともに、非表示領域19a上の赤色着色部14Rh上にも緑色着色部14Ghを形成する(図11(D))。このようにして、非表示領域19a上に赤色着色部14Rh及び緑色着色部14Ghの積層構造が形成され、当該積層構造が遮光部13としての機能を果たすことになる。
【0070】
さらに、赤色着色部14Rd,14Rh及び緑色着色部14Gd,14Ghが形成された透明基板12上に、それら及び表示領域19bを被覆するようにして、青色着色部14B及び柱状突起15(青色着色層15B)を形成するための樹脂組成物を塗布し、塗布膜L13を形成する(図11(E))。当該樹脂組成物の塗布方法としては、上述の塗布方法が挙げられる。このようにして形成した塗布膜L13を乾燥し、所望のパターンのマスクを用いて露光、現像することで、表示領域19bのうちの残りの開口部に青色着色部14Bを形成し、非表示領域19aに形成された赤色着色部14Rh及び緑色着色部14Ghの積層構造からなる遮光部13上に柱状突起15(青色着色層15B)を形成する(図11(F))。このとき、柱状突起15(青色着色層15B)の上底部の直径W1が所定の範囲となるように柱状突起15(青色着色層15B)を形成する。
【0071】
そして、赤色着色部14Rd,14Rh、緑色着色部14Gd,14Gh、青色着色部14B及び柱状突起15(青色着色層15B)を被覆するようにして透明樹脂材料を所定の膜厚で塗布し、透明保護層16を形成する(図11(G))。このとき、柱状突起15を被覆する透明保護層16の、柱状突起15の上部における厚みTOCが0.35μm以上となるように、透明保護層16を形成する。例えば、透明保護層形成用組成物として、硬化温度が80〜160℃、粘度(25℃)が2〜10Pa・sのものを使用し、少なくとも各着色部14(赤色着色部14Rd、緑色着色部14Gd、青色着色部14B)のうちのいずれかの中心部における透明保護層16の膜厚が1〜10μmとなるように透明保護層形成用組成物を塗布し、昇温速度100〜230℃/minで15〜60分間加熱して硬化させることで、透明保護層16の厚みTOCを0.35μm以上とすることができる。
【0072】
最後に、透明保護層16上にポリイミド等からなる配向膜17を形成し、所望によりラビング処理を施す(図11(H))。
【0073】
上述のようにして得られたカラーフィルタ10は、柱状凸部18の頂部に超微小硬度測定装置(製品名:FISCHERSCOPE H100V,フィッシャー・インストルメンツ社製))を用いて9秒間で200mNまで一定の荷重速度で透明基板12に対する垂直方向に荷重をかけ、そのままの状態で5秒間保持したときに、荷重前後における柱状凸部18の頂部の位置の、透明基板12に対して垂直方向における変位量D10が0.45μm以上となる。したがって、後述する実施例において明らかなように、輸送時等における振動や衝撃等に起因する表示ムラを抑制することができる。しかも、柱状突起15の周囲を被覆する透明保護層16の、柱状突起15の上部における厚みTOCが0.35μm以上であることで、振動や衝撃等により当該透明保護層16及び配向膜17が欠けて剥がれ落ちるのを抑制することができるため、柱状突起15(青色着色層15B)を含む破片による輝点不良をも抑制することができる。
【0074】
以上説明した第2の実施形態において、着色部14は、赤色着色部14Rd、緑色着色部14Gd、及び青色着色部14Bの3色により構成されているが、上記3色の着色部14Rd,14Gd,14Bに加えて、イエロー、マゼンタ、シアン等の他の色の着色部のうちの1色以上が含まれていてもよいし、上記3色の着色部14Rd,14Gd,14Bのうちのいずれか1色以上に変えてイエロー、マゼンタ、シアン等の他の色の着色部のうちの1色以上が含まれていてもよい。
【0075】
また、第2の実施形態においては、柱状突起15が青色着色層15Bにより構成されているが、赤色着色層又は緑色着色層により構成されていてもよいし、2色以上の着色層の積層構造を有する柱状積層部として構成されていてもよい。柱状突起15を2色以上の着色層の積層構造を有する柱状積層部として構成する場合、赤色着色層、緑色着色層又は青色着色層15Bと、イエロー、マゼンタ、シアン等の色の着色層とを含むものとして構成することができる。また、それらの積層順も特に限定されるものではない。
【0076】
例えば、柱状突起15を2色の着色層の積層構造を有する柱状積層部として構成する場合には、着色部14を4色により構成すればよい。具体的には、図12に示すように、青色着色部14Bに隣接してイエロー着色部14Yを設け、柱状突起15を青色着色層15B上にイエロー着色層15Yを積層した積層構造を有する柱状積層部として構成すればよい。この場合において、イエロー着色層15Yの上底部の直径(イエロー着色層15Yの頂点から赤色着色部14Rdの中心部における表面までの、透明基板12に対する垂直方向の長さを100%とした場合、当該イエロー着色層15Yの頂点から透明基板12に対して垂直方向(柱状積層部の軸方向)に5%の長さの点を含む、透明基板12と略平行な平面におけるイエロー着色層15Yの直径)を好ましくは5〜40μm、より好ましくは5〜35μm、特に好ましくは5〜30μmとすることができ、柱状積層部の最上層に位置するイエロー着色層15Yの上底部の直径と最下層に位置する青色着色層15Bの上底部の直径W11との比が、好ましくは1:1.5〜20、より好ましくは1:2〜20、特に好ましくは1:5〜20となるように、各着色層15B,15Yを積層することができる。これにより、柱状積層部の高さ(着色部14上面から最上層に位置するイエロー着色層15Yの頂部までの高さ)を2〜15μmとし、かつ柱状凸部18の上底部の直径W14を30μm以下にすることができる(図10参照)。その結果として、柱状凸部18を所望とする高さで形成してもなお、振動や衝撃等に起因する表示ムラの発生を抑制することができる。
【0077】
第2の実施形態に係るカラーフィルタ10においては、透明基板12の裏面(着色部14等が形成されていない面)にITO層が形成されていてもよい。ITO層が形成されていることで、当該カラーフィルタ10を用いた液晶表示装置の製造工程において静電気が帯電するのを防止したり、かかる液晶表示装置(電極基板)の静電破壊を防止したりすることができる。
【0078】
〔液晶表示装置〕
上述した第1及び第2の実施形態に係るカラーフィルタ1,10は、横電界駆動(In Plane Switching,IPS)方式液晶表示装置用カラーフィルタとして好適に用いることができる。以下、第1及び第2の実施形態に係るカラーフィルタ1,10を用いたIPS方式液晶表示装置について説明する。図13は、第1の実施形態に係るカラーフィルタ1を用いたIPS方式液晶表示装置を示す部分断面図であり、図14は、第2の実施形態に係るカラーフィルタ10を用いたIPS方式液晶表示装置を示す部分断面図である。
【0079】
図13及び14に示すように、IPS方式液晶表示装置20,30は、第1又は第2の実施形態に係るカラーフィルタ1,10と、当該カラーフィルタ1,10と対向配置させてなる電極基板21,31と、カラーフィルタ1,10と電極基板21,31との間隙に液晶材料が封入されてなる液晶層22,32とを備え、カラーフィルタ1,10と電極基板21,31とはシール材(図示せず)により封止されている。
【0080】
電極基板21,31は、透明基板21a,31aと、透明基板21a,31a上に設けられたTFT21b,31bと、TFT21b,31bのドレイン電極に接続される画素電極21c,31cと、共通電極21d,31dとを有する。電極基板21,31におけるTFT21b,31bは、電極基板21,31をカラーフィルタ1,10と対向配置させた際にカラーフィルタ1,10の遮光部3,13が設けられている領域に位置するように、かつカラーフィルタ1,10の柱状凸部8,18とTFT21b,31bの上部とが当接するように、透明基板21a,31a上に設けられている。なお、電極基板21,31上には、配向膜が設けられていてもよいし、設けられていなくてもよい。
【0081】
画素電極21c,31c及び共通電極21d,31dは、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等やその合金等を用いて、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法等の一般的な成膜方法により薄膜を形成し、その後パターニングを行うことにより形成されてなるものである。
【0082】
なお、カラーフィルタ1,10の裏面(着色部4,14等が設けられていない面)及び電極基板21,31の裏面(TFT21a,31a等が設けられていない面)には、ポリビニルアルコールフィルムに2色性を有するヨウ素錯体等の異方性材料を吸着配向させたもの等の公知の偏光材料からなる偏光膜(図示せず)が設けられている。
【0083】
上述したような構成を有するIPS方式液晶表示装置20,30は、カラーフィルタ1,10の柱状凸部8,18の頂部に超微小硬度測定装置(製品名:FISCHERSCOPE H100V,株式会社フィッシャー・インストルメンツ社製))を用いて9秒間で200mNまで一定の荷重速度で透明基板2,12に対する垂直方向に荷重をかけ、そのままの状態で5秒間保持したときに、荷重前後における柱状凸部8,18の頂部の位置の、透明基板2,12に対して垂直方向における変位量D1,D10が0.45μm以上となるカラーフィルタ1,10を用いてなるものであるため、輸送時等における振動や衝撃等に起因する表示ムラの発生を抑制することができる。また、当該柱状凸部8,18の上部における透明保護層6,16の厚みTOCが0.35μm以上であるため、振動や衝撃等に起因する輝点不良の発生をも抑制することができる。
【0084】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【実施例】
【0085】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例等に何ら限定されるものではない。
【0086】
[カラーフィルタの製造例]
(赤色着色部用感光性塗料の調製)
重合槽中に、メタクリル酸メチル(MMA;63質量部)、アクリル酸(AA;12質量部)、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA;6質量部)、及びジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG;88質量部)を仕込み、攪拌・溶解させた後、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(7質量部)を添加し、均一に溶解させた。得られた溶液に、さらにメタクリル酸グリシジル(GMA;7質量部)、トリエチルアミン(0.4質量部)、及びハイドロキノン(0.21質量部)を添加し、100℃で5時間攪拌して共重合樹脂溶液(固形分50%)を調製した。
【0087】
得られた共重合樹脂溶液(16質量部)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社製,SR399;24質量部)、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製,エピコート180S70;4質量部)、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モノフォリノプロパン−1−オン(4質量部)、及びジエチレングリコールジメチルエーテル(52質量部)を室温で攪拌・混合して硬化性樹脂組成物を調製した。
【0088】
得られた硬化性樹脂組成物(5質量部)、C.Iピグメントレッド177(大日精化工業社製,Chromofine Red 6605;10質量部)、ポリスルホン酸型高分子分散剤(3質量部)、及び酢酸−3−メトキシブチル(82質量部)を常法により混合し、赤色着色部形成用感光性塗料を調製した。
【0089】
(緑色着色部形成用感光性塗料の調製)
上記赤色着色部形成用感光性塗料の調製において、C.Iピグメントレッド177に代えてC.Iピグメントグリーン36(BASF社製,Heliogen Green D9360;10質量部)を用いた以外は上記と同様にして緑色着色部形成用感光性塗料を調製した。
【0090】
(青色着色部形成用感光性塗料の調製)
上記赤色着色部形成用感光性塗料の調製において、C.Iピグメントレッド177に代えてC.Iピグメントブルー15:6(DIC社製,Fastogen Blue EP-7;10質量部)を用いた以外は上記と同様にして青色着色部形成用感光性塗料を調製した。
【0091】
(遮光部用感光性塗料の調製)
黒色顔料(23質量部)、高分子分散剤(ビックケミー・ジャパン社製,Disperbyk111;2質量部)、及びジエチレングリコールメチルエーテル(75質量部)を常法により混合し、サンドミルにて十分に分散して黒色顔料分散液を調製した。得られた黒色顔料分散液(61質量部)、上記硬化性樹脂組成物(20質量部)、及びジエチレングリコールジメチルエーテル(30質量部)を常法により混合して遮光部用感光性塗料を調製した。
【0092】
(透明保護層形成用組成物の調製)
まず、透明保護層形成用組成物の調製に用いるバインダー樹脂を、以下のようにして調製した。500mLの四口フラスコ中に、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂231g(エポキシ当量231)、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド450mg、2,6−ジ−イソブチルフェノール100mg、及びアクリル酸72.0gを仕込んで混合し、空気を吹き込みながら(25mL/分)90〜100℃で加熱して溶解させた。続いて、溶液が白濁したままの状態で徐々に昇温させ、120℃に加熱して完全に溶解させた。溶液は次第に透明粘稠になり、そのまま攪拌を継続した。この溶液の酸価を測定し、酸価が2.0mgKOH/g未満になるまで加熱攪拌を続けた。この酸価が目標に達するまで8時間を要した(酸価0.8)。その後、室温まで冷却し、無色透明な固体を得た。次に、上記で得られたビスフェノールフルオレン型エポキシアクリレート樹脂303gにセロソルブアセテート2kgを加えて溶液とした後、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸38g、ベンゾフェノンテトラカルボン二酸無水物80.5g、及び臭化テトラエチルアンモニウム1gを添加して混合し、徐々に昇温させて110〜115℃で2時間反応させ、化合物A(m/n=50/50)を得た。この酸無水物の反応はIRスペクトルの1780cm-1ピークの消失により確認した。また、得られた化合物Aのインヘレント粘度は0.3dL/gであった(ηinh=0.3)。得られた化合物Aをバインダー樹脂Aとした。そして、バインダー樹脂A(20質量部)、ナイパーBW(重合開始剤,主成分:ジベンゾイルパーオキサイド,日本油脂社製)(0.7質量部)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(79.3質量部)を常法により混合して、透明保護層形成用組成物(硬化温度:128℃,粘度:2.5Pa・s(25℃))を調製した。
【0093】
〔試料1〕
透明基板として厚み1.1mmのガラス基板(旭硝子社製,AN材,100mm×100mm)を用意し、当該ガラス基板上に遮光部用感光性塗料をスピンコート法により塗布し、100℃で30分間乾燥させ、膜厚2.2μmの遮光部形成用層を形成した。この遮光部形成用層を、超高圧水銀ランプで所望の遮光部形状パターンに露光した後、0.05質量%水酸化カリウム水溶液で現像し、当該ガラス基板を180℃の雰囲気下に30分間放置することにより加熱して、遮光部(厚み:2μm)を形成した。
【0094】
上述のようにして遮光部を形成したガラス基板上に、赤色着色部形成用感光性塗料をスピンコート法により塗布し、70℃のオーブン中で3分間乾燥して赤色着色部形成用層を形成した。この赤色着色部形成用層から100μm離間した位置にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いて赤色着色部の形成領域に相当する領域、及び柱状積層部の最下層を構成する赤色着色層の形成領域に相当する領域にのみ紫外線を10秒間照射した。照射後、0.05質量%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、赤色着色部形成用層の未硬化部分のみを除去した。その後、ガラス基板を180℃の雰囲気下に30分間放置することにより加熱した。これにより、開口部の所定の位置に赤色着色部(厚み:2.8μm)を形成し、遮光部上の所定の位置に柱状積層部の最下層を構成する赤色着色層(厚み:2.5μm,上底部の直径:70μm)を形成した。
【0095】
続いて、赤色着色部及び赤色着色層を形成したガラス基板上に、緑色着色部形成用感光性塗料をスピンコート法により塗布し、赤色着色部及び赤色着色層の形成工程と同様の工程により、開口部の所定の位置に緑色着色部(厚み:2.8μm)を形成し、遮光部上の赤色着色層上に緑色着色層(厚み:1.5μm,上底部の直径:60μm)を形成した。
【0096】
次に、赤色着色部、赤色着色層、緑色着色部及び緑色着色層を形成したガラス基板上に、青色着色部形成用感光性塗料をスピンコート法により塗布し、赤色着色部及び赤色着色層の形成工程と同様の工程により、開口部の所定の位置に青色着色部(厚み:3μm)を形成し、遮光部上の緑色着色層上に青色着色層(厚み:1.2μm,上底部の直径:40μm)を形成した。
【0097】
最後に、各着色部及び各着色層を形成したガラス基板上に、透明保護層形成用組成物2mLをスピンコート法により塗布し、昇温速度150℃/minで25分間加熱して硬化させ、各着色層及び柱状積層部を被覆する透明保護層(着色部上の膜厚:1.5μm,柱状凸部の上部における厚みTOC:0.41μm,柱状凸部の上底部の直径:29.5μm)を形成した。その後、ポリイミド樹脂塗料(JSR社製,JALS−204)を塗布、乾燥して配向膜(0.15μm)を形成した。このようにしてカラーフィルタを作製した(試料1)。
【0098】
〔試料2〕
透明保護層形成用組成物中の重合開始剤をパーヘキシルZ(主成分:t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、日本油脂社製,0.7質量部)とし、透明保護層形成用組成物の硬化温度を147℃にした以外は、試料1と同様にしてカラーフィルタ(試料2)を作製した(柱状凸部の上底部の直径:20.4μm,柱状凸部の上部における透明保護層の厚みTOC:0.39μm)。
【0099】
〔試料3〕
緑色着色層上に形成した青色着色層の上底部の直径を20μmとし、着色部上の透明保護層の膜厚が1.46μmとなるように透明保護層形成用組成物を塗布した以外は、試料1と同様にしてカラーフィルタ(試料3)を作製した(柱状凸部の上底部の直径:10.9μm,柱状凸部の上部における透明保護層の厚みTOC:0.35μm)。
【0100】
〔試料4〕
透明保護層形成用組成物中の重合開始剤をパーブチルNHP(主成分:t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート)、日本油脂社製,0.7質量部))とし、透明保護層形成用組成物の硬化温度を100℃とした以外は、試料1と同様にしてカラーフィルタ(試料4)を作製した(柱状凸部の上底部の直径:34.7μm,柱状凸部の上部における透明保護層の厚みTOC:0.39μm)。
【0101】
〔試料5〕
緑色着色層上に形成した青色着色層の上底部の直径を60μmとした以外は、試料1と同様にしてカラーフィルタ(試料5)を作製した(柱状凸部の上底部の直径:40.2μm,柱状凸部の上部における透明保護層の厚みTOC:0.40μm)。
【0102】
〔試料6〕
着色部上の透明保護層の膜厚が1.6μmとなるように透明保護層形成用組成物を塗布した以外は、試料1と同様にしてカラーフィルタ(試料6)を作製した(柱状凸部の上底部の直径:29.8μm,柱状凸部の上部における透明保護層の厚みTOC:0.44μm)。
【0103】
〔試料7〕
着色部上の透明保護層の膜厚が1.65μmとなるように透明保護層形成用組成物を塗布した以外は、試料1と同様にしてカラーフィルタ(試料7)を作製した(柱状凸部の上底部の直径:29.4μm,柱状凸部の上部における透明保護層の厚みTOC:0.49μm)。
【0104】
〔試料8〕
着色部上の透明保護層の膜厚が1.15μmとなるように透明保護層形成用組成物を塗布した以外は、試料1と同様にしてカラーフィルタ(試料8)を作製した(柱状凸部の上底部の直径:29.7μm,柱状凸部の上部における透明保護層の厚みTOC:0.31μm)。
【0105】
〔試料9〕
透明保護層形成用組成物中の重合開始剤をパークミルD(主成分:ジクミルパーオキサイド,日本油脂社製,0.7質量部)とし、透明保護層形成用組成物の硬化温度を160℃とした以外は、試料1と同様にしてカラーフィルタ(試料9)を作製した(柱状凸部の上底部の直径:29.9μm,柱状凸部の上部における透明保護層の厚みTOC:0.18μm)。
【0106】
[液晶表示装置の製造例]
ガラス基板を常法により洗浄した後、ガラス基板上の所定の複数の箇所に駆動素子として薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、各TFTのドレイン電極に接続する画素電極、及び共通電極を酸化インジウムスズ(ITO)により形成した。TFT、画素電極及び共通電極が設けられた透明基板上にポリイミド樹脂塗料(JSR社製,JALS−204)を塗布、乾燥して配向層を形成し、ラビング処理を施した。そして、上述のようにして作製されたカラーフィルタ(試料1〜9)と電極基板とを対向配置させてシール材で封止し、それらの間隙に液晶を充填して液晶表示装置を作製した。
【0107】
〔試験例1〕荷重試験
上記のようにして得られたカラーフィルタ(試料1〜9)について、所定の荷重をかけたときにおける柱状凸部の頂部の変位量を測定した。具体的には、超微小硬度測定装置(製品名:FISCHERSCOPE H100V,フィッシャー・インストルメンツ社製)において100μm角の平面圧子を用いて、カラーフィルタ(試料1〜9)の柱状凸部の頂部に9秒間で200mNまで一定の荷重速度で透明基板に対して垂直方向に荷重をかけ、そのままの状態で5秒間保持したときに、当該柱状凸部の頂部の位置の変位量(透明基板に対する垂直方向の変位量)を測定した。
結果を表1に示す。
【0108】
〔試験例2〕耐振動試験
上述のようにして得られたカラーフィルタ(試料1〜9)を用いて作製された液晶表示装置をXYZ軸方向に50Hz、1.5Gの加速度にて120分間振動させた後、バックライトを点灯させて白色表示にし、当該液晶表示装置の外観(表示ムラ及び輝点不良の有無)を目視で確認した。
結果を表1にあわせて示す。なお、表1において、表示ムラ及び輝点不良が確認されなかったものを「○」で、表示ムラ及び輝点不良が確認されたものを「×」で表す。
【0109】
【表1】

【0110】
表1に示すように、所定の荷重をかけたときの柱状凸部の頂部の変位量(D1,D10)が0.45μm以上であれば、振動や衝撃等に起因する表示ムラの発生を抑制し得ることが確認された(試料1〜3,6〜9)。そして、柱状凸部の上底部の直径を30μm以下にすることで、この変位量(D1,D10)を0.45μm以上にすることができることが判明した。
【0111】
また、柱状凸部の上部における透明保護層の厚みTOCが0.35μm以上であれば、振動等により輝点不良が生じるのを抑制し得ることが確認された(試料1〜7)。輝点不良が生じていた液晶表示装置(試料8,9)においては、当該厚みTOCが0.35μm未満であることで、振動等により透明保護層及び配向膜が欠けて剥がれ落ちてしまい、それとともに柱状積層部を構成する着色層も脱落し、当該着色層を含む破片が輝点不良の原因となっていることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0112】
液晶表示装置に用いるカラーフィルタの製造と、液晶表示装置の製造において有用である。
【符号の説明】
【0113】
1,10…カラーフィルタ
2,12…透明基板
3,13…遮光部
4,14…着色部
4R,14Rd,14Rh…赤色着色部
4G,14Gd,14Gh…緑色着色部
4B,14B…青色着色部
5…柱状積層部
15…柱状突起
5R…赤色着色層
5G…緑色着色層
5B,15B…青色着色層
6,16…透明保護層
8,18…柱状凸部
19a…非表示領域
19b…表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板と、
前記透明基板の一方の面上に、開口部を有する所定パターン状に形成されてなる遮光部と、
前記開口部に設けられた複数色の着色部と、
前記遮光部上に、前記複数色のうちの2色以上の着色部を構成する各材料からなる着色層が柱状に積層されてなる柱状積層部と、
少なくとも前記着色部及び前記柱状積層部を被覆する、透明樹脂からなる透明保護層と、
前記透明保護層を被覆するようにして設けられてなる配向膜と
を備え、
前記柱状積層部、並びに当該柱状積層部の周囲を被覆する前記透明保護層及び前記配向膜により柱状凸部が構成され、
前記柱状凸部の頂部に9秒間で200mNまで前記透明基板に対して垂直方向に荷重をかけ、そのままの状態で5秒間保持したときに、荷重前後における前記頂部の位置の、前記透明基板に対して垂直方向における変位量が0.45μm以上であることを特徴とするカラーフィルタ。
【請求項2】
前記柱状凸部の上底部のサイズが、30μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
【請求項3】
前記柱状凸部の上底部のサイズが、5〜25μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のカラーフィルタ。
【請求項4】
前記柱状積層部の最上層に位置する着色層の上底部のサイズが、5〜40μmであり、
前記柱状積層部の最上層に位置する着色層の上底部のサイズと、前記柱状積層部の最下層に位置する着色層の上底部のサイズとの比が、1:1.5〜20であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルタ。
【請求項5】
前記柱状積層部の上部における前記透明保護層の厚さが、0.35μm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィルタ。
【請求項6】
透明基板と、
前記透明基板の一方の面上に設けられた、開口部を有する所定パターン状に形成されてなる遮光部と、
前記開口部に設けられた複数色の着色部と、
前記遮光部上に設けられた、前記複数色のうちの1色の着色部を構成する材料からなる柱状突起又は前記複数色のうちの2色以上の着色部を構成する各材料からなる着色層が柱状に積層されてなる柱状積層部と、
少なくとも前記着色部、及び前記柱状突起又は前記柱状積層部を被覆する、透明樹脂からなる透明保護層と、
前記透明保護層を被覆するようにして設けられてなる配向膜と
を備え、
前記遮光部は、前記複数色の着色部のうちの2色以上が積層されて構成され、
前記柱状突起又は柱状積層部は、前記遮光部として積層されている着色部と異なる色により構成され、
前記柱状突起並びに当該柱状突起の周囲を被覆する前記透明保護層及び前記配向膜、又は前記柱状積層部並びに当該柱状積層部の周囲を被覆する前記透明保護層及び前記配向膜により柱状凸部が構成され、
前記柱状凸部の頂部に9秒間で200mNまで前記透明基板に対して垂直方向に荷重をかけ、そのままの状態で5秒間保持したときに、荷重前後における前記頂部の位置の、前記透明基板に対して垂直方向における変位量が0.45μm以上であることを特徴とするカラーフィルタ。
【請求項7】
前記柱状凸部の上底部のサイズが、30μm以下であることを特徴とする請求項6に記載のカラーフィルタ。
【請求項8】
前記柱状凸部の上底部のサイズが、5〜25μmであることを特徴とする請求項6又は7に記載のカラーフィルタ。
【請求項9】
前記柱状積層部の最上層に位置する着色層の上底部のサイズが、5〜40μmであり、
前記柱状積層部の最上層に位置する着色層の上底部のサイズと、前記柱状積層部の最下層に位置する着色層の上底部のサイズとの比が、1:1.5〜20であることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のカラーフィルタ。
【請求項10】
前記柱状突起又は前記柱状積層部の上部における前記透明保護層の厚さが、0.35μm以上であることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載のカラーフィルタ。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載のカラーフィルタと、
前記カラーフィルタと対向配置されてなる電極基板と、
前記カラーフィルタと前記電極基板とにより形成される間隙に封入された液晶材料により構成される液晶層と
を備えることを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−133293(P2012−133293A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287440(P2010−287440)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】