説明

カラーフィルタ製造ライン流動制御設定方法及びその方法を用いたカラーフィルタ製造ライン

【課題】ライン流動状況から統計値を求め、該統計値に基づいて流動制御設定を行う方法を提供する。
【解決手段】基板存在位置情報と、バッファ装置における空段数情報と、装置稼働情報と、を取得し、監視ポジションと監視ゾーンにおける前記3つの情報から基板数の統計値と、基板滞在時間の統計値と、基板搬送時間の統計値と、任意装置からの基板の払い出し時間間隔の統計値と、を算出し、算出した値から監視ポジションの基板滞留時間の上限値と、基板の払い出し停止対象装置への払い出し停止指示発令から解除までの払い出し停止時間と、監視ポジションで基板の滞留が解消するまでの払い出し停止指示間隔と、バッファ装置の空段数の上限値及び下限値と、監視ゾーンの基板滞留枚数の「上限値」と「下限値」を設定することを特徴とするカラーフィルタ製造ライン流動制御設定方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーフィルタ製造ラインにおける基板の流動制御設定方法及びその設定方法を用いたカラーフィルタ製造ラインにに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、カラーフィルタの一例を断面で示した図である。カラーフィルタ1は、ガラス基板2上にブラックマトリックス(以下、BM)3、赤Rの着色画素(以下、R画素)4−1、緑Gの着色画素(以下、G画素)4−2、青Bの着色画素(以下、B画素)4−3、透明電極5、及びフォトスペーサー(Photo Spacer)(以下、PS)6、バーテイカルアライメント(Vertical Alignment)(以下、VA)7が順次形成されたものである。
【0003】
上記構造のカラーフィルタの製造方法は、フォトリソグラフィ法、印刷法、インクジェット法が知られているが、図2は一般的に用いられているフォトリソグラフィ法の工程を示すフロー図である。カラーフィルタは、先ず、ガラス基板上にBMを形成処理する工程(C1)、ガラス基板を洗浄処理する工程(C2)、着色フォトレジストを塗布および予備乾燥処理する工程(C3)、着色フォトレジストを乾燥、硬化処理するプリベーク工程(C4)、露光処理する工程(C5)、現像処理する工程(C6)、着色フォトレジストを硬化処理する工程(C7)、透明電極を成膜処理する工程(C8)、PS、VAを形成処理する工程(C9)がこの順に行われ製造される。
【0004】
例えば、R画素、G画素、B画素の順にパターンが形成される場合には、カラーフィルタ用ガラス基板を洗浄処理する工程(C2)から、着色フォトレジストを硬化処理する工程間(C7)では赤R、緑G、青Bの順に着色レジストを変更して3回繰り返されてR画素、G画素、B画素が形成される。
【0005】
図3にカラーフィルタ製造ラインの一例を示す。図3に示される製造ライン11はある特定の1色の着色パターンを形成するためのもので、ストッカ装置12と、ストッカ装置からラインに投入する投入装置13と、洗浄装置14と、塗布装置15と、露光装置16と、現像装置17と、ベーク装置18と、基板をストッカ装置に搬出する搬出装置19とを備えている。また、塗布装置15の後には着色フォトレジストの膜厚や塗布ムラを検査する検査装置27が設けら、現像装置17の後には異物やパターンの欠けを検査する検査装置28が設けられている。上記各工程の処理を行う装置(以下、処理装置)や検査装置は搬送装置(1)21から搬送装置(6)26によって接続されている。更に、R画素、G画素、B画素の3色の画素が形成された後に、搬送装置(6)26の外に設けられた検査装置29や修正装置30によって検査や修正が行われ、その後搬出装置19を経てストッカ装置に搬出される。尚、搬入装置13からストッカ装置12へ空のカセットが回収され、また、ストッカ装置12は、空のカセットを搬出装置19に供給する。
【0006】
また、図4に示すように処理装置を複数台設けて、タクトタイムを速めたり、同時に異なった色のパターンを形成するといった製造ラインも導入されている。図4では、塗布装置15−1及び15−2、露光装置16−1及び16−2が設けられている。
【0007】
このような製造ラインでは、装置のトラブルやイレギュラー処理があった場合には処理時間が増加して、ライン内に基板が滞留する場合がある。そこで、予め滞留が予想される箇所の搬送装置には滞留基板を一時的に格納するバッファ装置を適宜配置することによっ
て、基板の滞留が緩和され、各処理装置の稼動効率を向上させることが出来る。
【0008】
しかしながら、バッファ装置に長時間格納されていたり、バッファ装置から溢れて搬送装置内に滞留している基板は、着色パターンの形成開始から完了までの処理時間が長くなるため、品質上好ましくない。
【0009】
また、処理装置及び搬送装置を仕掛かり状態の異なる基板で共用する構成の製造ラインの場合には、ある色の着色パターン形成処理で生じたトラブルにより基板の滞留が発生すると、他の色の着色パターン形成処理にも影響が及び、単純にバッファ装置のみで基板の滞留を吸収することは難しい。
【0010】
このような問題を解決するためにライン流動制御システム及びライン流動制御方法やカラーフィルタ製造ラインが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特願2009−035498号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記特許文献1に提案されているライン流動制御システム及びライン流動制御方法やカラーフィルタ製造ラインでは、基板滞留抑止、及びガラス基板の搬送ルート確保のために、以下のようなライン流動制御を行っている。
【0013】
図5は特許文献1に示されるライン流動制御を説明するための図である。ライン流動制御システム制御側では基板滞留時間、バッファ装置の空段数、特定ゾーン滞留時間、バッファ装置内基板滞留時間等を予めオペレータによって設定(制御設定)し(A)、ライン内装置側では上記設定された項目に対応する装置内の監視情報が「情報授受部」によりライン流動制御システム側へ常時通知され(B)、更にライン流動制御システム側は、上記監視情報と上記設定条件に基づいて制御設定の条件に合致した装置に対して、払い出し停止指示の発令/解除を行う(C)。
【0014】
基板滞留時間監視とは、監視対象装置内の特定ポジション(監視対象装置内に予め規定された所定のポジション)に同一の基板が存在する時間を監視することである。例えば、ライン流動制御システム側で制御の前提として以下を設定する。即ち、滞留時間を監視するポジションや該ポジションにおける基板の滞留時間の上限値や、更に上限値を超えた場合には払い出し停止指示を発令する対象装置や、払い出し停止指示発令から解除までの時間を予め設定する。一方、ライン内装置側は、情報授受部により基板存在位置情報をライン流動制御システム側へ常時通知する。ライン流動制御システム側は、特定ポジションの滞留時間を監視し、上記制御設定の条件に合致した装置に対して、払い出し停止指示の発令/解除を行う。
【0015】
バッファ装置の空段数監視は、監視対象としてバッファ装置が設定されている場合に使用される情報を監視することである。例えば、ライン流動制御システム側で制御の前提として以下を設定する。即ち、空段数を監視する対象バッファ装置や、空段数の下限値及び上限値や、空段数≦下限値の場合には制御対象である基板の払い出し装置に対して払い出し停止指示を発令することや、その後、空段数>上限値になった場合には払い出し停止指示を解除することや、バッファ空段数に基づいて、払い出し停止指示を発令する対象装置を設定する。一方、ライン内装置側は、情報授受部によりバッファ装置内空段数情報をライン流動制御システム側へ常時通知する。このようにしてライン流動制御システム側は、
制御設定の条件に合致した装置に対して、払い出し停止指示(バッファリング開始指示)の発令/解除を行う。
【0016】
特定ゾーン滞留監視は、特定したポジションの組み合わせによって設けられた監視ゾーンにおける基板の滞留時間を監視することであり、例えば、ライン流動制御システム側で制御の前提として以下を設定する。即ち、監視ゾーンや監視ゾーン内基板数の上限値及び下限値や、監視ゾーン内基板数に基づいて払い出し停止指示を発令する対象装置を予め設定しておき、基板数≧上限値の場合には対象装置に対して払い出し停止指示発令することや、基板数<下限値の場合には払い出し停止指示解除を行うことを設定する。一方、ライン内装置側は、「情報授受部」により基板存在位置情報をライン流動制御システム側へ常時通知する。ライン流動制御システムは、監視ゾーン内の基板数を監視し、制御設定の条件に合致した装置に対して、払い出し停止指示の発令/解除を行う。
【0017】
上記に示された監視のほかに、バッファ装置内基板滞留時間や、装置運転状態の監視が行われる。
【0018】
しかしながら上記方法では、制御の前提となる滞留時間の上限値、バッファ空段数の上限値/下限値、監視ゾーン内基板数の上限値/下限値等、制御の前提条件を事前にオペレータ判断で設定する必要があった。しかしこの設定はオペレータの経験によって設定されるのであって、設定値を見出すのに時間が掛かるという問題があった。また、製造ラインのタクト(基板流動間隔)が変化した場合は、再度設定をやり直さなければならないという問題もあった。
【0019】
そこで本発明は、このような問題点に鑑みてカラーフィルター製造ラインの流動制御において、ライン流動状況から統計値を求め、該統計値に基づいて流動制御設定を行うことによって、オペレータの作業負荷を軽減し、且つオペレータによる設定のバラツキを防いだ流動制御を行うことが出来、またその結果、基板の滞留が緩和され、各処理装置の稼動効率を向上させることが出来る。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決するための手段として、本発明の請求項1に係る発明は、複数の処理装置と、処理装置を接続する複数の搬送装置と、複数の基板を一時的に格納するバッファ装置と、を有するカラーフィルタ製造ラインを制御する方法であり、
処理装置及び搬送装置内に存在する基板の基板存在位置情報と、
バッファ装置における空段数情報と、
処理装置及び搬送装置の稼働状況を示す装置稼働情報と、を取得し、
処理装置、搬送装置及びバッファ装置内の1部または全てを監視ポジションとし、また複数の装置にまたがる部分を監視ゾーンとし、前記3つの情報から
前記監視ポジションや監視ゾーンに存在する基板数の統計値と、
前記監視ポジションや監視ゾーン内の基板滞在時間の統計値と、
前記監視ポジションや監視ゾーンの基板搬送時間の統計値と、
任意装置からの基板の払い出し時間間隔の統計値と、を算出し、
前記算出した値を用いて、
監視ポジションの基板滞留時間の上限値と、
基板の払い出し停止対象装置への払い出し停止指示発令から解除までの払い出し停止時間と、
監視ポジションで基板の滞留が解消するまでの払い出し停止指示間隔と、
バッファ装置の空段数の上限値及び下限値と、
監視ゾーンの基板滞留枚数の「上限値」と「下限値」を設定することを特徴とするカラーフィルタ製造ライン流動制御設定方法である。
【0021】
また、本発明の請求項2に係る発明は、複数の処理装置と、処理装置を接続する複数の搬送装置と、複数の基板を一時的に格納するバッファ装置と、を有するカラーフィルタ製造ラインであり、
処理装置及び搬送装置内に存在する基板の基板存在位置情報を取得する手段と、
バッファ装置における空段数情報を取得する手段と、
処理装置及び搬送装置の稼働状況を示す装置稼働情報を取得する手段と、を備え、
処理装置、搬送装置及びバッファ装置内の1部または全てを監視ポジションとし、また複数の装置にまたがる部分を監視ゾーンとし、前記3つの情報から
前記監視ポジションや監視ゾーンに存在する基板数の統計値と、
前記監視ポジションや監視ゾーン内の基板滞在時間の統計値と、
前記監視ポジションや監視ゾーンの基板搬送時間の統計値と、
任意装置からの基板の払い出し時間間隔の統計値と、を算出する手段を備え、
前記算出する手段によって得られた算出値を用いて、
監視ポジションの基板滞留時間の上限値と、
基板の払い出し停止対象装置への払い出し停止指示発令から解除までの払い出し停止時間と、
監視ポジションで基板の滞留が解消するまでの払い出し停止指示間隔と、
バッファ装置の空段数の上限値及び下限値と、
監視ポジションの基板滞留枚数の上限値と下限値を設定する手段を備えたことを特徴とするカラーフィルタ製造ラインである。
【0022】
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記監視ポジションに設定された前記基板滞留時間の上限値を超えた場合には、前記基板の払い出し停止対象装置への払い出し停止指示を発行し、前記払い出し停止指示間隔時間が経過した後に停止解除の指示を発行することを特徴とする請求項2に記載のカラーフィルタ製造ラインである。
【0023】
また、本発明の請求項4に係る発明は、前記設定されたバッファ装置の空段数が下限値を下回った場合には払い出し停止対象装置に払い出し停止指示を発行し、その後、空き段数が設定された上限値を超えた場合に停止解除の指示を発行することを特徴とする請求項2に記載のカラーフィルタ製造ラインである。
【0024】
また、本発明の請求項5に係る発明は、前記設定された監視ゾーン内基板数が上限値を超えた場合には、払い出し停止対象装置に払い出し停止指示を発行し、その後、監視ゾーン内基板数が下限値を下回った場合には、払い出し停止指示対象装置に停止解除の指示を発行することを特徴とする請求項2に記載のカラーフィルタ製造ラインである。
【発明の効果】
【0025】
本発明によるカラーフィルタ製造ライン流動制御設定方法及びその設定方法を用いたカラーフィルタ製造ラインによれば、従来、オペレータの判断で行っていた基板の流動制御の設定を、基板存在位置情報と、バッファ装置内空段数情報と、処理装置及び搬送装置の稼働状況を示す装置稼働情報とを取得し、取得した情報に基づいて基板の流動制御の設定を行うことが可能となり、その結果、従来、オペレータの判断で行っていた設定のバラツキを無くすことが出来、基板の製造ライン内での滞留を解消することが出来、更に、製造ラインのタクトの変動があった場合には、タクトの変動に追従した設定が行われるため、基板の製造効率の低下を防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】カラー液晶表示装置に用いられるカラーフィルタの一例を断面で示した図。
【図2】一般的に用いられているフォトリソグラフィー法の工程のフロー図。
【図3】1色の着色パターンを形成するためのカラーフィルタ製造ラインの一例を示す図
【図4】処理装置を複数台設けてたカラーフィルタ製造ラインの一例を示す図。
【図5】従来のライン流動制御を説明するための図。
【図6】本発明に係るカラーフィルタ製造ラインの一例でその一部を示す模式図。
【図7】本発明に係るライン流動制御設定システムの全体構成を示した図。
【図8】本発明に係る制御設定の内、監視ポジションの「滞留時間上限値」、払い出し停止指示発令から解除までの「払い出し停止時間」、「払い出し停止指示間隔」を設定する場合を説明するための図。
【図9】本発明に係るバッファ装置の空段数の「上限値」及び「下限値」を設定する場合を説明するための図。
【図10】本発明に係るバッファ空段数の「上限値」及び「下限値」を設定する場合のフローを示す図。
【図11】本発明に係る監視ゾーン内の基板滞留枚数の「上限値」と「下限値」を設定する場合を説明するための図。
【図12】本発明に係る監視ゾーン内の滞留基板数の「上限値」「下限値」を設定する場合のフローを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を用いて本発明を実施する形態を詳細に説明する。
【0028】
図6は本発明に係るカラーフィルタ製造ラインの一例でその一部を示す模式図である。図6に示すカラーフィルタ製造ライン31は、フォトリソグラフィ法によって基板上に複数色の着色パターンを形成するためのものであり、2色以上の着色パターン形成を平行して行うことが出来るように、各工程毎に2台または3台の処理装置が並列に設けられている。カラーフィルタ製造工程のうち、フォトリソグラフィ法によって4色の着色パターンを形成するための処理ラインのみが示されている。また、図6における矢印は、各装置間の接続関係と基板の搬送方向を表している。
【0029】
カラーフィルタ製造ライン31は、ストッカ装置32と、搬入装置33a及び33bと、洗浄装置34a及び34bと、塗布装置35a及び35bと、露光装置36a〜36cと、現像装置37a〜37cと、ベーク装置38a〜38cと、搬出装置39a〜39cと、を備えており、前記各装置間には搬送装置(11)41〜搬送装置(16)46で接続されている。また、塗布装置35a及び35bの後段と、現像装置37a〜37cの後段には、検査装置47及び48が設けられている。更に搬送装置(16)46には検査装置49及び修正装置50が接続されている。
【0030】
ストッカ装置32は、基板が収納された複数のカセット及び空の複数のカセットを格納する装置であり、例えば自動倉庫に相当するものである。ストッカ装置32は、カセットを移送するための移送装置を備えており、基板が収納されたカセットを搬入装置33a及び33bに供給し、空のカセットを搬入装置33a及び33bから回収する。また、ストッカ装置32は、空のカセットを搬出装置39a〜39cに供給し、基板が収納されたカセットを搬出装置39a〜39cから回収する。
【0031】
搬入装置33a及び33bは、ストッカ装置32から供給されたカセットから未処理の基板を取出し、取り出した基板を搬送装置(11)41に供給する。
【0032】
図6に示されるカラーフィルタ製造ラインには、洗浄装置は2台、塗布装置は2台、露光装置は3台、現像装置は3台、ベーク装置は3台設けられているが、着色パターンの色によって各処理工程において使われる処理装置は予め設定される。基板は、予め設定された処理装置へ該処理装置の前段の搬送装置を制御することによって搬送され処理される。
【0033】
以下にカラーフィルタのパターン形成処理は、赤(R)→緑(G)→青(B)の順で行われる場合について説明する。前記の順でパターン形成処理を行う場合、パターン形成処理される基板は先ず、ストッカ装置32から赤パターンを形成するための工程であるR工程に投入され、搬入装置33aまたは33bによって搬送装置(11)41に載置される。搬送装置(11)41は基板の搬送先設定に従い、洗浄装置34aまたは34bに基板を搬送する。洗浄された基板は次に搬送装置(12)42に載置され、搬送先設定に従い搬送装置(12)42によって、塗布装置35aまたは35bに搬送され、赤の着色フォトレジストが塗布される。塗布された基板は次に検査装置47で検査された後、搬送装置(13)43によって露光装置36a〜36cのいずれかに搬送され、露光される。同じように搬送装置(14)44によって、現像装置37a〜37cのいずれかに搬送され現像された後、検査装置38で検査され、搬送装置(15)45によって、ベーク37a〜37cのいずれかに搬送され、更に搬送装置(16)46を経て赤パターンのパターン形成処理が終了し、搬送装置(11)41に再び載置され、次の緑パターンを形成する為の工程であるG工程に投入される。
【0034】
G工程ではR工程と同様、前記基板は洗浄、搬送装置(12)、塗布、検査、搬送装置(13)、露光、搬送装置(14)、現像、検査、搬送装置(15)、ベーク、搬送装置(16)を経て緑パターンのパターン形成処理が行われ、搬送装置(11)に再び載置され、次の青パターンを形成する為の工程であるB工程に投入される。
【0035】
B工程では前記基板はR工程、G工程と同様、洗浄、搬送装置(12)、塗布、検査、搬送装置(13)、露光、搬送装置(14)、現像、検査、搬送装置(15)、ベークを経て青パターンのパターン形成処理が行われる。
【0036】
赤、緑、青の3色のパターン形成処理された前記基板は、搬送装置(16)46によって検査装置49、修正装置50に搬送され、検査、修正された結果によって搬出装置39a〜39cのいずれかを介してストッカ装置32のカセットに回収される。
【0037】
パターン形成処理される基板は、搬送装置によって次の処理装置に搬送先が選択されるが、カラーフィルタ製造装置を動作させる前に、搬送装置毎に搬送先は設定され、設定された搬送先は、例えば工場内ネットワークを介して搬送装置に送られ基板は搬送される。
【0038】
赤パターンを形成処理する工程であるR工程、緑パターンを形成処理するG工程、青パターンを形成処理する工程であるB工程の各工程の処理されるべき基板の搬送装置毎の前記搬送先設定の一例を表1に示す。
【0039】
【表1】

【0040】
表1の搬送先設定例では、R工程の基板は、洗浄(1)→塗布(1)→露光(1)→現像(1)→ベーク(1)→搬送装置(11)の搬送先が設定される。G工程の基板は洗浄(2)→塗布(2)→露光(2)→現像(2)→ベーク(2)→搬送装置(11)の搬送先が設定される。B工程の基板は洗浄(1)→塗布(1)→露光(3)→現像(3)→ベーク(3)→検査、修正の搬送先が設定され、基板は前記搬送先設定の例に従って搬送される。
【0041】
このように基板は搬送装置が制御されて次の処理装置に搬送されるが、該処理装置が、基板を処理中であったり、故障を発生した場合には、一時的に基板を収納するために搬送装置(12)42〜46の搬送路の途中にはバッファ51〜55が設けられている。
【0042】
図7は、本発明に係るライン流動制御設定システムの全体構成を示したものである。ライン流動制御システム60は、基板存在情報記憶部64と、自動制御設定機能部65と、自動制御設定機能部65に接続された基板存在位置情報を取得する手段である基板存在位置情報取得部66とバッファ装置における空き段数を取得する手段である空き段数情報取得部67と処理装置及び搬送装置の稼働状況を示す装置稼働情報を取得する手段である装置稼働情報取得部68と前記3つの情報から各種統計値を算出する手段である統計値算出部69と、を含む制御装置61と、ネットワーク63を介して制御装置61と双方向通信可能に接続される複数のライン内装置62−1〜62−Nとから構成されている。ライン内装置62−1〜62−Nは、図6に示したカラーフィルタ製造ライン31を構成する各装置(即ち、処理装置、搬送装置、搬入装置、搬出装置、バッファ装置、検査装置、修正装置)に相当する。ライン内装置62−1〜62−Nは、情報を授受する情報授受部62−1−1〜62−N−1と、装置の動作を制御する動作制御部62−1−2〜62−N−2を備えている。制御装置61はネットワーク(ネットワーク形式は問わない)を介して、前記複数のライン内装置62−1〜62−Nの情報授受部62−1−1〜62−N−1と情報の授受を行う。ライン内装置62−1〜62−Nは、情報授受部により「基板存在位置情報」と、「バッファ装置内空段数情報」と、「処理装置及び搬送装置の稼働状況を示す装置稼働情報」を制御装置61へ通知する。
【0043】
制御装置61は、前記「基板存在位置情報」と、「バッファ装置内空段数情報」と、「処理装置及び搬送装置の稼働状況を示す装置稼働情報」を取得し、前記3つの情報からライン内装置のある装置内の1部または全ての部分(以下、監視ポジションという)、ないし複数の装置内に跨る部分(以下、監視ゾーンという)に存在する基板数や、監視ポジションや監視ゾーンの基板滞在時間や、監視ポジションや監視ゾーンの基板搬送時間や、基板の払い出し時間間隔や、監視ポジションや監視ゾーンの基板存在数を算出し、算出した値を用いて、制御を行う場合の設定値(制御用設定値)を決定する。該設定値は制御装置61内の記憶部(図示せず)に記憶される。
【0044】
該制御用設定値は、基板の製品の品種や使用される材料(基板の種類やサイズ、着色フォトレジストの種類)や、ライン毎に設定されることが望ましい。また、該制御用設定値は、過去に取得した統計値から決定した設定値を用いるか、または、製造中の基板の統計値に基づいて決定した設定値を用いても良い。
【0045】
制御装置61は、前記記憶部に記憶された制御用設定値と、ライン内装置62−1〜62−Nの稼働状況や基板の存在状況に基づいて、ライン内装置の動作制御部62−1〜62−Nに指示を発行する。
【0046】
制御装置61から発行される指示に従って各ライン内装置の動作制御部62−1−2〜62−N−2は、ライン内装置62−1〜62−Nの動作を制御する。より詳細には、動作制御部62−1−2〜62−N−2は、制御装置61から受け取った基板排出停止指示及び停止解除指示に応じてライン内装置62−1〜62−Nの内、払い出し停止指示対象装置からの基板の排出を制御する。
【0047】
また、ライン内装置がバッファ装置であった場合は、制御装置61によって発行されるバッファリング(基板を格納すること)指示を受け取り、指示された基板の格納動作を開始する。
【0048】
情報授受部により得られる「基板存在位置情報」を管理する基板存在履歴情報管理について説明する。
<1.基板存在履歴情報管理>
基板は、次に示す基板存在位置情報を取得する手段である基板存在位置情報取得部66
によって存在位置が取得される。即ち、基板は基板毎に発番される識別コードで管理され、ライン内装置62−1〜62−Nの情報授受部62−1−1〜62−N−1が基板存在位置(以下、ポジションという)の基板の識別コードを基板の物理的な移動に合わせて制御装置61へ通知することで、全基板の存在位置が確認できる。また、前記存在する基板のコードとは別に処理装置及び搬送装置の稼働状況を示す装置稼働情報を取得する手段である装置稼働情報取得部68によって装置稼働状況が取得され時系列で保存される(この場合、データ形式は問わない)。表2に保存された基板存在履歴情報の一例を示す。表2に示される装置101は例えば図6における搬送装置(11)41であって、装置102は洗浄装置34aまたは34bであって、装置3は搬送装置(12)42である。時刻1/1/12:00:00には装置101(搬送装置(11))内のポジションaにはコード1005の基板が存在し、ポジションbにはコード1004の基板が存在している。尚この時刻では装置101は正常運転中(正常運転中信号:1)であることを示している。次の時刻1/1/12:00:05では前記コード1005の基板は、装置101のポジションbに移行しており、また前記コード1004の基板は、装置102(洗浄装置34aまたは34b)のポジションaに移行している。
【0049】
【表2】

【0050】
上記制御用設定値は、以下の項目が設定される。即ち、設定値は、「監視ポジションの滞留時間上限値」、払い出し停止指示発令から解除までの「払い出し停止時間」、「払い出し停止指示間隔」「バッファ装置の空段数の上限値」及び「下限値」、監視ゾーンの基板滞留枚数の「上限値」と「下限値」が設定手段である自動制御設定機能部65で設定される。
【0051】
次に、制御設定について説明する。
<2.制御設定の自動化>
【0052】
特定ポジション滞留監視について説明する。
<2−1.特定ポジション滞留監視>
基板存在履歴情報に基づいて以下の方法で、制御設定のための各統計量を算出する手段である統計値算出部69で算出する。ここで云う特定ポジションとは、ライン内装置の内、監視対象装置内に予め規定された所定のポジションを指す。制御設定を算出する際に使用される統計量は、「平均値」「中央値」「最小値」「最頻値」のいずれか選択可能とする。尚、装置が運転停止中の際に該当装置に存在していた基板は算出から除外する。
【0053】
次に、制御設定の内、監視ポジションの「滞留時間上限値」、払い出し停止指示発令から解除までの「払い出し停止時間」、「払い出し停止指示間隔」を設定する場合を図8を用いて説明する。図8において、装置101は例えば図6における搬送装置(11)41であって、装置102は洗浄装置34aまたは34bであって、装置Nはベーク装置38a〜38cを示す。図8ではベーク装置は基板の流れ方向にポジションが3分割され、3つ目の分割ポジションが滞留監視ポジション70となっている。
「滞留時間上限値」は、滞留監視ポジション70における基板滞在時間の平均値(A)とする。
「払い出し停止時間」は、滞留監視ポジション70が所属する装置(図8では、装置N)からの平均基板払い出し間隔の平均値(B)とする。
「払い出し停止指示間隔」は、払い出し停止指示先装置71から滞留監視ポジション70まで(即ち、矢印72で示される間隔)の基板搬送時間の平均値(C)とする。
尚、ここで云う「払い出し停止指示間隔」は、滞留監視ポジション70の滞留が解消するまでの予測時間を指す。また、ここでは、前記(A)、(B)、(C)はいずれも平均値を用いたが、前述したように制御設定を算出する際に使用される統計量は、「平均値」
「中央値」「最小値」「最頻値」のいずれかを選択することができる。
【0054】
このようにして滞留監視ポジション(図8では、例えばベーク装置の3つ目の分割ポジションが滞留監視ポジション70となっている)の「滞留時間上限値」が設定手段である自動制御設定機能部65で設定され、「滞留時間上限値」を超えた場合には、制御装置61は払い出し停止指示先(装置101)に払い出し停止指示を発行し、停止解除条件として排出停止からの所定時間(即ち、払い出し停止時間)後に停止解除を指示することが出来る。
【0055】
次に、制御設定の内、バッファ装置の空段数の「上限値」及び「下限値」を設定する場合を図9を用いて説明する。
バッファ装置の空段数の「上限値」及び「下限値」を設定する場合にはバッファ装置における空段数監視を行う。
<2−2.バッファ装置空段数監視>
制御設定の準備として、基板存在履歴情報に基づいて以下の項目を算出する手段である統計値算出部69で算出する。算出に使用する統計量は「平均値」「中央値」「最大値」「最頻値」のいずれか選択可能とする。尚、装置が運転停止中の時間帯は算出対象から除外する。また、図9に示す装置101、装置102、装置Nは例えば、図8に示す装置と同じとする。
払い出し停止指示先から監視バッファまでのゾーン73の基板存在枚数の平均値を(D)とし、(D)を用い図10に示すフローに従って、バッファ空段数の「上限値」及び「下限値」を設定手段である自動制御設定機能部65で設定する。
説明のために用いられる各項目を述べる。
(D)は払い出し停止指示先から監視バッファまでの基板存在枚数統計量、
(P)は計算用変数、
(K1)は算出エラー時下限値割合(定数)、
(K2)は算出エラー時上限値割合(定数)、
(M)は監視対象バッファ装置の最大段数を示す。
【0056】
図10において、払い出し停止指示先から監視バッファまで(ゾーン73)の基板存在枚数統計量Dを算出し(S1)、D<Mの場合は(S2のYES)、M−DをPとする(S3)。求めたPがD<Pの場合は(S4のYES)、バッファ空段数の「下限値」をDとし、「上限値」をPとする(S5)。一方ステップ(S4)でNOの場合は、「下限値」をDとし、「上限値」をD+1とする(S6)。また、ステップ(S2)でNOの場合は、「下限値」をM*K1とし、「上限値」をM*K2とする(S7)。尚、ステップ(S3)は、監視対象バッファ内の全基板の排出が完了した直後に、上流装置から基板が到着するタイミングを狙うための設定を算出するものである。
【0057】
このようにしてバッファ空段数の「上限値」及び「下限値」を設定し、バッファ空段数が下限値を下回った場合(バッファに余裕がなくなった場合)には払い出し停止指示先(装置101)に払い出し停止指示が発行され、その後、停止解除条件として空き段数が設定された上限値を超えた場合に停止解除の指示を発行することが出来る。
【0058】
次に、制御設定の内、監視ゾーン内の基板滞留枚数の「上限値」と「下限値」を設定する場合を図11を用いて説明する。
【0059】
<2−3.特定ゾーン滞留監視>
制御設定の準備として、基板存在履歴情報に基づいて以下の項目を統計値算出部69で算出する。
算出に使用する統計量は、基板枚数に関するものは「平均値」「中央値」「最大値」「
最頻値」のいずれか選択可能とし、搬送時間に関するものは「平均値」「中央値」「最小値」「最頻値」のいずれか選択可能とする。
但し、装置が運転停止中の際に該当装置に存在していた基板及び、装置が運転停止中の時間帯は算出対象から除外する。例えば、図11に示す装置101、装置102、装置Nは図8に示す装置と同じとする。
滞留監視ゾーンの平均基板存在枚数を(E)とし(ここで、監視ゾーンは装置N−1と装置Nを含む停滞監視ゾーン74を指す)、監視ゾーンが所属する装置からの平均基板払い出し間隔を(F)とし、更に払い出し停止指示先装置〜停滞監視ゾーン直前(矢印75で示されるゾーン)までの平均基板搬送時間を(G)とする。
【0060】
上記算出する手段である統計値算出部69によって算出された(E)、(F)、(G)を用い、図12に示すフローに従って監視ゾーン内の滞留基板数の「上限値」「下限値」を設定手段である自動制御設定機能部65で設定する。
説明のために用いられる各項目を述べる。
(E)は監視ゾーンの平均基板存在枚数、
(F)は監視ゾーンが所属する装置からの平均基板払い出し間隔、
(G)は払い出し停止指示先装置〜停滞監視ゾーン直前までの平均基板搬送時間
(Q)は計算用変数、
(L)は監視ゾーンの存在可能ポジション数である。
【0061】
監視ゾーン内の平均基板存在枚数(E)と、監視ゾーンが所属する装置からの平均基板払い出し間隔(F)と、払い出し停止指示先装置〜監視ゾーン直前までの平均基板搬送時間(G)を算出し(T1)、次にQ=G÷Fを求める(T2)。このQがQ<Lの場合で(T3のYES)、更にQ<(E+1)の場合は(T4のYES)、監視ゾーン内基板数の「下限値」をQとし、「上限値」を(E+1)とする(T5)。一方ステップ(T3)でNOの場合及びステップ(T4)でNOの場合は、「下限値」をEとし、「上限値」をE+1とする(T6)。尚、ステップ(T2)は、監視ゾーン内の全基板の排出が完了した直後に、上流装置から基板が到着するタイミングを狙うための設定を算出するものである。
【0062】
このようにして設定手段である自動制御設定機能部65で監視ゾーン内基板数の「上限値」及び「下限値」を設定し、監視ゾーン内基板数が上限値を超えた場合には、払い出し停止指示先(装置101)に払い出し停止指示を発行し、その後、停止解除条件として監視ゾーン内基板数が下限値を下回った場合には、払い出し停止指示先(装置101)に停止解除の指示を発行することが出来る。
【0063】
上記実施の形態では、カラーフィルタの製造ラインの場合を例示したが、これに限定されるものではなく、複数の搬送装置や、処理装置や、バッファ装置によって構成される製造ラインやに広く適用することが出来る。
【0064】
以上のように、本発明によるカラーフィルタ製造ライン流動制御設定方法及びその方法を用いたカラーフィルタ製造ラインによれば、従来、オペレータの判断で行っていた基板の流動制御の設定を、「基板存在位置情報」と、「バッファ装置内空段数情報」と、「処理装置及び搬送装置の稼働状況を示す装置稼働情報」と、を取得し、取得した情報に基づいて行うことが可能となり、その結果、オペレータによる設定のバラツキを無くすことが出来、基板の製造ライン内での滞留を解消することが出来、更に、製造ラインのタクトの変動があった場合には、タクトの変動に追従した設定が行われるため、基板の製造効率の低下を防止することが出来る。
【符号の説明】
【0065】
1・・・カラーフィルタ
2・・・ガラス基板
3・・・ブラックマトリックス(BM)
4−1・・・赤Rの着色画素(R画素)
4−2・・・緑Gの着色画素(G画素)
4−3・・・青Bの着色画素(B画素)
5・・・透明電極
6・・・フォトスペーサー(PS)
7・・・バーテイカルアライメント(VA)
11・・・製造ライン
12・・・ストッカ装置
13・・・投入装置
14・・・洗浄装置
15・・・塗布装置
15−1、15−2・・・塗布装置
16・・・露光装置
16−1、16−2・・・露光装置
17・・・現像装置
18・・・ベーク装置
19・・・搬出装置
21〜26・・・搬送装置(1)〜搬送装置(6)
27、28・・・検査装置
29・・・搬送装置(6)の外に設けられた検査装置
30・・・搬送装置(6)の外に設けられた修正装置
31・・・カラーフィルタ製造ライン
32・・・ストッカ装置
33a、33b・・・搬入装置
34a、34b・・・洗浄装置
35a、35b・・・塗布装置
36a〜36c・・・露光装置
37a〜37c・・・現像装置
38a〜38c・・・ベーク装置
39a〜39c・・・搬出装置
41〜46・・・搬送装置(11)〜搬送装置(16)
47、48、49・・・検査装置
50・・・修正装置
60・・・ライン流動制御システム
61・・・制御装置
62−1〜62−N・・・ライン内装置
62−1−1〜62−N−1・・・情報授受部
62−1−2〜62−N−2・・・動作制御部
63・・・ネットワーク
64・・・基板存在情報記憶部
65・・・自動制御設定機能部
66・・・基板存在位置情報取得部
67・・・空き段数情報取得部
68・・・装置稼働情報取得部
69・・・統計値算出部
70・・・滞留監視ポジション
71・・・払い出し停止指示先装置
72・・・払い出し停止指示先装置から滞留監視ポジションまでの範囲を示す矢印
73・・・払い出し停止指示先から監視バッファまでのゾーン
74・・・停滞監視ゾーン
75・・・払い出し停止指示先装置から停滞監視ゾーン直前までの範囲を示す矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の処理装置と、処理装置を接続する複数の搬送装置と、複数の基板を一時的に格納するバッファ装置と、を有するカラーフィルタ製造ラインを制御する方法であり、
処理装置及び搬送装置内に存在する基板の基板存在位置情報と、
バッファ装置における空段数情報と、
処理装置及び搬送装置の稼働状況を示す装置稼働情報と、を取得し、
処理装置、搬送装置及びバッファ装置内の1部または全てを監視ポジションとし、また複数の装置にまたがる部分を監視ゾーンとし、前記3つの情報から
前記監視ポジションや監視ゾーンに存在する基板数の統計値と、
前記監視ポジションや監視ゾーン内の基板滞在時間の統計値と、
前記監視ポジションや監視ゾーンの基板搬送時間の統計値と、
任意装置からの基板の払い出し時間間隔の統計値と、を算出し、
前記算出した値を用いて、
監視ポジションの基板滞留時間の上限値と、
基板の払い出し停止対象装置への払い出し停止指示発令から解除までの払い出し停止時間と、
監視ポジションで基板の滞留が解消するまでの払い出し停止指示間隔と、
バッファ装置の空段数の上限値及び下限値と、
監視ゾーンの基板滞留枚数の「上限値」と「下限値」を設定することを特徴とするカラーフィルタ製造ライン流動制御設定方法。
【請求項2】
複数の処理装置と、処理装置を接続する複数の搬送装置と、複数の基板を一時的に格納するバッファ装置と、を有するカラーフィルタ製造ラインであり、
処理装置及び搬送装置内に存在する基板の基板存在位置情報を取得する手段と、
バッファ装置における空段数情報を取得する手段と、
処理装置及び搬送装置の稼働状況を示す装置稼働情報を取得する手段と、を備え、
処理装置、搬送装置及びバッファ装置内の1部または全てを監視ポジションとし、また複数の装置にまたがる部分を監視ゾーンとし、前記3つの情報から
前記監視ポジションや監視ゾーンに存在する基板数の統計値と、
前記監視ポジションや監視ゾーン内の基板滞在時間の統計値と、
前記監視ポジションや監視ゾーンの基板搬送時間の統計値と、
任意装置からの基板の払い出し時間間隔の統計値と、を算出する手段を備え、
前記算出する手段によって得られた算出値を用いて、
監視ポジションの基板滞留時間の上限値と、
基板の払い出し停止対象装置への払い出し停止指示発令から解除までの払い出し停止時間と、
監視ポジションで基板の滞留が解消するまでの払い出し停止指示間隔と、
バッファ装置の空段数の上限値及び下限値と、
監視ポジションの基板滞留枚数の上限値と下限値を設定する手段を備えたことを特徴とするカラーフィルタ製造ライン。
【請求項3】
前記監視ポジションに設定された前記基板滞留時間の上限値を超えた場合には、前記基板の払い出し停止対象装置への払い出し停止指示を発行し、前記払い出し停止指示間隔時間が経過した後に停止解除の指示を発行することを特徴とする請求項2に記載のカラーフィルタ製造ライン。
【請求項4】
前記設定されたバッファ装置の空段数が下限値を下回った場合には払い出し停止対象装置に払い出し停止指示を発行し、その後、空き段数が設定された上限値を超えた場合に停止解除の指示を発行することを特徴とする請求項2に記載のカラーフィルタ製造ライン。
【請求項5】
前記設定された監視ゾーン内基板数が上限値を超えた場合には、払い出し停止対象装置に払い出し停止指示を発行し、その後、監視ゾーン内基板数が下限値を下回った場合には、払い出し停止指示対象装置に停止解除の指示を発行することを特徴とする請求項2に記載のカラーフィルタ製造ライン。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図1】
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【公開番号】特開2011−227393(P2011−227393A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−99010(P2010−99010)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】