説明

カラー画像パネル、これを利用したカラー画像表示装置及び表示方法

【課題】大幅に向上した自然色及び印刷物に近い明度、明暗比及び色表現力をいずれも具現できるカラー画像パネル、これを利用したカラー画像表示装置及び表示方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るカラー画像パネルは、選択されたカラーの波長帯域の光を反射し、選択されたカラーの波長帯域以外の波長帯域の光は、実質的に透過するように、光バンドギャップが刺激によって調節される可変光結晶フィルタ20と、可変光結晶フィルタ20から反射されるカラー光に白色光を付加して、可変光結晶フィルタ20の可変光結晶21で表示されたカラーの彩度及び明度を調節する白色表示ユニットと、を備え、可変光結晶フィルタ20と白色表示ユニットとは、カラー画像を表示するカラーピクセルの各カラーピクセルに対応する領域に一対一で設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー画像パネル、これを利用したカラー画像表示装置及び表示方法に係り、さらに詳細には、可変光結晶を利用した反射型カラー画像パネル、これを利用したカラー画像表示装置及び表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カラー画像表示装置は、一般的に、階調を表示する画像パネルと、カラーを付与するカラーフィルタを備えているカラー画像パネルとを備えてカラー画像を表示する装置である。
【0003】
従来のカラー画像パネルは、画像を構成するピクセルのそれぞれに対して固定された3色毎の面積に分割されて、光を通過または反射させる方式のカラーフィルタを採用していた。このように、面積分割方式のカラーフィルタにおいて、原色(primary color)またはそれに近い色を表示する場合、残りの色領域を通過する光は、完全に遮断されて、それによる色損失が大きい。
【0004】
また、従来のカラー画像パネルに一般的に使われる吸収型カラーフィルタは、所望の色領域の光のみを通過させ、残りの色領域の光は吸収する。したがって、従来のカラー画像パネルの場合、吸収型カラーフィルタを通過しながら発生する光損失が大きい。また、吸収型カラーフィルタを反射型カラー画像パネルに使用する場合、反射方式の特性上、カラーフィルタを2回経由しなくてはならないので、カラーフィルタでの損失が二重発生して、明るい色の表現がさらに難しくなる。
【0005】
これに対し、吸収型カラーフィルタに対する代案として、光バンドギャップに当たる色領域の光は完全に反射し、残りの色領域の光は通過させる性質を有する光結晶を活用したカラーフィルタに関する研究がなされている。しかし、提案されている光結晶を活用したカラーフィルタは、依然として人間の認知可能な色座標空間上のすべての色を表示するために3原色表示原理を使用しているので、面積分割による問題点は、依然として解決されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、従来のカラーフィルタから発生する上記問題を解決できる、すなわち大幅に向上した自然色及び印刷物に近い明度、明暗比及び色表現力をいずれも具現できるカラー画像パネル、これを利用したカラー画像表示装置及び表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を達成するために、本発明の一側面によるカラー画像パネルは、選択されたカラーの波長帯域の光を反射し、選択されたカラーの波長帯域以外の波長帯域の光は実質的に透過するように、光バンドギャップが刺激によって調節される可変光結晶フィルタと、可変光結晶フィルタから反射されるカラー光に白色光を付加して、可変光結晶フィルタの可変光結晶により表示されたカラーの彩度及び明度を調節する白色表示ユニットと、を備え、可変光結晶フィルタと白色表示ユニットとは、カラー画像を表示するカラーピクセルの各カラーピクセルに対応する領域に一対一で設けられる。
【0008】
白色表示ユニットは、可変光結晶フィルタの前面に配されて、外部から可変光結晶フィルタに入射される外光の量を可変的に調節する第1シャッターと、可変光結晶フィルタの背面に配されて、カラー表示ユニットを通過した光の量を可変的に調節する第2シャッターと、第2シャッターを通過した光を再び第2シャッターに反射させる反射板と、を備えうる。
【0009】
可変光結晶フィルタは、電気的または機械的な刺激によって光結晶の形態、体積及び有効屈折率のうち少なくともいずれか一つが変化して、光バンドギャップが変化する可変光結晶でありうる。例えば、可変光結晶フィルタは、帯電されたコロイド粒子が溶媒内に分散された光結晶層と光結晶層に電圧を印加する電極とを備えうる。
【0010】
反射板は、白色反射板でありうる。
【0011】
前記課題を達成するために、本発明の他の側面によるカラー画像表示装置は、カラー画像パネルと、カラー画像パネルを制御する制御部と、を備え、カラー画像パネルは、選択されたカラーの波長帯域の光を反射し、選択されたカラーの波長帯域以外の波長帯域の光は実質的に透過するように、光バンドギャップが刺激によって調節される可変光結晶フィルタと、可変光結晶フィルタから反射されるカラー光に白色光を付加して、可変光結晶フィルタの可変光結晶により表示されたカラーの彩度及び明度を調節する白色表示ユニットと、を備え、可変光結晶フィルタ及び白色表示ユニットは、カラー画像を表示するカラーピクセルの各カラーピクセルに対応する領域に一対一で設けられる。
【0012】
前記課題を達成するために、本発明のさらに他の側面によるカラー画像表示方法は、選択されたカラーの波長帯域の光を反射し、選択されたカラーの波長帯域以外の波長帯域の光は実質的に透過するように、光バンドギャップが刺激によって調節される可変光結晶フィルタと、可変光結晶フィルタから反射されるカラー光に白色光を付加して、可変光結晶フィルタの可変光結晶により表示されたカラーの彩度及び明度を調節する白色表示ユニットと、を備え、可変光結晶フィルタ及び白色表示ユニットは、カラー画像を表示するカラーピクセルの各カラーピクセルに対応する領域に一対一で設けられたカラー画像パネルを利用してカラー画像を表示する方法であって、可変光結晶フィルタを制御してカラー画像を形成するピクセルのカラーを調節するステップと、白色表示ユニットを制御してカラー画像を形成するピクセルの彩度及び明度を調節するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、既存のカラーフィルタでは表現できない明るく光る色を表現できる吸収型カラーフィルタにおいて、光損失が二重発生する問題点を解決できるだけではなく、従来の面積分割を利用してカラー表示方式における光損失の問題を解決できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態によるカラー画像表示装置の概略的な構成を示す図面である。
【図2】図1のカラー画像表示装置に採用される可変光結晶フィルタの一例を示す図面である。
【図3】図2の可変光結晶フィルタの動作を説明する図面である。
【図4】図2の可変光結晶フィルタから反射される光の色相が印加電圧によって可変される様子を示す図面である。
【図5】図2の可変光結晶フィルタから反射される光の色相を色座標空間で示す図面である。
【図6】図1のカラー画像表示装置で表示される色の合成を説明する図面である。
【図7】比較例のカラー画像表示装置における色合成の原理を例示的に示す図面である。
【図8】図1のカラー画像表示装置における色合成の原理を示す図面である。
【図9】図1のカラー画像表示装置における明度特性を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。図面で同じ参照符号は、同じ構成要素を表し、各構成要素のサイズや厚さは、説明の明瞭性のために誇張されている場合がある。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態によるカラー画像表示装置の概略的な構成を示す。
【0017】
図1を参照すれば、本実施形態のカラー画像表示装置は、カラー画像パネル100と、該カラー画像パネル100を制御する制御部200と、を備える。カラー画像パネル100は、第1光シャッター10、可変光結晶フィルタ20、第2光シャッター30及び反射板40を備える。図1では、カラー画像パネル100は、明確性のために、一ピクセルに対応する領域の第1光シャッター10、可変光結晶フィルタ20及び第2光シャッター30のみを示す。
【0018】
第1光シャッター10は、入射される外光Liの透過率を0から1まで可変的に変化させて、光量を可変的に調節する素子である。第2光シャッター30は、可変光結晶フィルタ20の背面に配されて、可変光結晶フィルタ20を通過した光L2(図3)の量を可変的に調節する素子である。このような第1及び第2光シャッター10,30は、公知の光シャッターが採用される。一例として、第1及び第2光シャッター10,30は、高分子分散型液晶11,31と、高分子分散型液晶11,31に電圧を印加する電極13,33とからなる高分子分散型液晶パネルでありうる。
【0019】
反射板40は、第2シャッター30を通過した光を再び第2シャッター30に反射させる。このような反射板40は、可視光線スペクトルの光をいずれも反射できる白色反射板でありうる。もちろん、場合によっては、反射板40は、特定色相だけ反射する反射板でもありうる。
【0020】
可変光結晶フィルタ20は、外光Liから反射される光のカラーをリアルタイムで変調する可変カラーフィルタである。可変光結晶フィルタ20は、制御部200により制御される電気的または機械的な刺激によって、光結晶の形態、体積及び有効屈折率のうち少なくともいずれか一つが変化して、反射する光の波長帯域幅に対応する光バンドギャップを調節する可変光結晶素子でありうる。可変光結晶フィルタ20で独立して制御される基本単位は、カラー画像を表示するカラーピクセルに一対一で対応する。
【0021】
このような可変光結晶フィルタ20の一例が図2に示される。図2を参照すれば、可変光結晶フィルタ20は、電気的な刺激によって光バンドギャップが調節可能な可変光結晶層21と、可変光結晶層21に電圧Vを印加する電極22,23とを備えうる。可変光結晶層21は、帯電されたコロイド粒子211と、これらのコロイド粒子211が分散されている媒質212と、を含みうる。コロイド粒子211は、動電気的な現象によって規則的に分散されて光結晶構造を有する。可変光結晶層21の光バンドギャップは、反射する波長帯域を決定し、このような光バンドギャップは、コロイド粒子211のサイズ及びコロイド粒子211間の間隔に依存する。したがって、反射しようとする波長帯域によって、コロイド粒子211のサイズは、適切に選択される。例えば、コロイド粒子211は、数十nm〜数百nmのサイズを有し、特に可視光線帯域のカラーを表示するために、約300nmのサイズを有しうる。
【0022】
他の例として、可変光結晶フィルタ20は、電圧によって誘導される可逆酸化−還元反応による電解質の浸透(Infiltration)によって膨張/脱膨張(swell/deswell)する周辺環境内に、高屈折率誘電体のナノ粒子が結晶形態に分布された光結晶でありうる。それ以外に、可変光結晶フィルタ20は、物理的圧縮/ストレッチングによって格子間隔が調節されるポリマーマトリックスに光結晶がカプセル化された結晶体であるか、または温度、湿度、化学的な刺激、生物学的な刺激によって膨張/脱膨張するポリマーマトリックスに光結晶がカプセル化された結晶体でありうる。
【0023】
前記のような第1光シャッター10、可変光結晶フィルタ20及び第2光シャッター30は、カラー画像を形成するカラーピクセルのうちいずれか一つのカラーピクセルを表示するセル(cell)と解される。すなわち、第1光シャッター10、可変光結晶フィルタ20及び第2光シャッター30は、制御部200によって独立して制御される一つのセルであり、これらのセルが2次元行列に配列されてカラー画像を表示すると解される。なお、第1光シャッター10、可変光結晶フィルタ20、及び第2光シャッター30の電極12,13,22,23,32,33の一部は、共通して使われることもある。また、後述するように、可変光結晶フィルタ20は、カラーピクセルの色相を表示し、第1光シャッター10、第2光シャッター30及び反射板40は、カラーピクセルの彩度及び明度を表示する白色表示ユニットと解される。
【0024】
次いで、図2及び図3を参照して、可変光結晶フィルタ20の動作原理について説明する。
【0025】
コロイド粒子211は、静電気的な反発力によって媒質212内に分散される。一方、電極22,23に電圧Vが印加されれば、媒質212内には電界Eが形成され、電気的な二重層を有するコロイド粒子211は、媒質212内で一方向に移動して静電気的な反発力と平行しつつ、規則的に分散されて、一定の格子間隔Dで配列された格子構造を形成する。
【0026】
このような可変光結晶層21の格子構造は、周期的な屈折率分布によって、特定波長の光を遮断または通過させうる光バンドギャップを有する。ブラッグ法則(Bragg’s Law)によれば、下記の数式1で与えられる所定波長λの光は、可変光結晶層21を通過できずに反射される。
【0027】
【数1】

【0028】
ここで、λは回折または反射される光の波長、nは可変光結晶層21の有効屈折率、Dは可変光結晶層21の格子間隔、mは整数、θは光の入射角をそれぞれ表す。
【0029】
電極22,23に印加される電圧Vの大きさを変えれば、静電気的な反発力との均衡状態が変動して、コロイド粒子211の格子間隔Dは変化する。したがって、電極22,23に印加される電圧Vを調節することによって、反射される光L1の波長λを調節できる。
【0030】
図4は、可変光結晶層21から反射される光L1の波長帯域のピーク位置が印加電圧によって可変される一例を示す。図4を参照すれば、印加電圧Vが大きくなるにつれて、可変光結晶層21から反射される光L1の波長帯域が次第に短い方向に移動して、印加電圧Vの範囲にわたって可視光線帯域の波長を万遍なく含むことが分かる。
【0031】
図5は、図2に図示された可変光結晶フィルタから反射された光の色相が、色座標空間に表現された場合を示している。印加電圧Vによって可変される反射光L1の色相は、図5に示したように、色座標空間に中心点Aを中心にその周りの少なくとも一部分を含む色表現曲線を形成する点Bで表示される。印加電圧Vが連続的に変われば、反射光L1の色相は、色座標空間で連続的に移動する。図5において、色座標空間の中心に位置した中心点Aは、白色を表す。図5に示された色表現曲線は、一例であって、可変光結晶層21のコロイド粒子211のサイズや格子間隔Dの素子特性によって変わり、本実施形態を限定するものではない。
【0032】
次いで、図1ないし図6を参照して、本実施形態のカラー画像表示装置の動作を説明する。
【0033】
第1光シャッター10は、外部から入射される外光Liの通過量を調節する。可変光結晶フィルタ20は、第1光シャッター10を通過した外光Liから選択された波長帯域の第1光L1を選択的に反射させ、残りの波長帯域の第2光L2を通過させる。可変光結晶フィルタ20から反射された第1光L1は、第1光シャッター10を再通過して外部に放出される。可変光結晶フィルタ20を通過した第2光L2は、第2光シャッター30を経て反射板40から反射され、再び第2光シャッター30、可変光結晶フィルタ20及び第1光シャッター10を順次に再通過する。このように、カラー画像パネル100に入射された光Liは、2つの経路を介して第1光L1及び第2光L2として進み、再びカラー画像パネル100の外部に放出される。
【0034】
図6に示されるように、カラー画像パネル100の外部に放出される第1光L1は、第1光シャッター10を往復しつつ調節された光量Iを有し、カラー画像パネル100の外部に放出される第2光L2は、第1及び第2光シャッター10,30をいずれも往復しつつ調節された光量Iを有する。第1及び第2光シャッター10,30は、独立して制御されるので、第1光L1の光量I及び第2光L2の光量Iも、独立して調節される。
【0035】
第1光L1の波長帯域と第2光L2の波長帯域とを合わせれば、可視光線帯域をいずれも含む。したがって、第1光L1と第2光L2とを合成すれば、可視光線波長全域に対して光量Iの白色光になる。一方、第1光L1の波長帯域に当たるカラーの光がさらに光量Iになる。すなわち、カラー画像パネル100は、光量Iのカラー光と光量Iの白色光とが合成された光を表示する。光量Iは、光量Iと光量Iとの差に相当する。第2光L2は、第1光L1に比べて、第2光シャッター30をさらに経るので、第2光L2の光量Iは、第1光L1の光量Iと同じであるか、または小さくなり、したがって、光量Iは、0と同等か、または正の値を有する。
【0036】
図5を参照すれば、光量Iのカラー光は、色表現曲線上にある点Bに相当し、光量Iの白色光は、中心点Aに相当する。したがって、カラー画像パネル100で表現されるカラーは、中心点Aと色表現曲線上の点Bとをつなぐ線分のうちいずれか一つの点に相当する。すなわち、白色を表す点Aと色表現曲線上の点Bとをつなぐ線分上の任意の点に相当する色相の彩度は、点Aに相当する白色と点Bに相当する色相との混合で表示される。したがって、カラー画像表示装置に表示されるカラーは、可変光結晶フィルタ20によって決定され、表示されるカラーの彩度は、光量Iと光量Iとの混合比によって決定される。一方、表示されるカラーの明度は、光量Iの白色光によって主に決定される。
【0037】
白色は、第1及び第2光シャッター10,30と可変光結晶フィルタ20とをいずれも透明にすることによって表示される。可変光結晶フィルタ20は、反射帯域を可視光線帯域の外側(例えば、赤外線帯域や紫外線帯域)に移動させることによって、可視光線帯域に対して透明にできる。一方、黒色は、第1光シャッター10が光を完全に遮断することによって表示される。または、黒色は、第1光シャッター10と可変光結晶フィルタ20とを透明にしつつ、第2光シャッター10が光を完全に遮断することによって表示されもする。白色と黒色との中間に位置する灰色は、可変光結晶フィルタ20を透明にする一方、第1及び/または第2光シャッター10,30の光透過率を調節することによって表示される。
【0038】
制御部200は、入力されるカラー画像の各カラーピクセルに対して、色相情報に基づいて可変光結晶フィルタ20を制御し、明度情報に基づいて第1及び第2光シャッター10,30を制御することによって、カラー画像パネル100がカラーピクセルのカラー及び明度を表現可能にする。
【0039】
図7は、比較例としての反射型カラー画像表示装置における一つのピクセルに対するカラーフィルタを示したものであって、色合成の原理を例示的に示す。図8は、本実施形態のカラー画像表示装置で一つのピクセルに対する可変光結晶フィルタを示したものであって、色合成の原理を示す。
【0040】
図7を参照すれば、吸収式カラーフィルタを採用する一般的な反射型カラー画像表示装置の場合、吸収式カラーフィルタは、一つのピクセルごとに赤色領域R、緑色領域G及び青色領域Bに面積分割された構造を有する。これにより、外光Liは、赤色領域R、緑色領域G及び青色領域Bの各領域を通過して合成された光L’により1ピクセルのカラーを表示する。したがって、原色またはそれに近い色(例えば、赤色、緑色または青色)を表示する場合、残りの色領域を通過する光は、完全に遮断されて、それによる色損失が大きい。また、このような従来の吸収式カラーフィルタを反射型カラー画像表示装置に使用する場合、通過する光L’がカラーフィルタを往復することにより、カラーフィルタによる光の損失率は自乗され、明るい色を表すのに限界がある。
【0041】
一方、図8を参照すれば、本実施形態は、一つの可変光結晶フィルタ20から反射されるカラー光L1で、面積分割せずに1ピクセルのカラーを表示するので、従来の面積分割方式のカラー表示から発生する光損失問題が解決できる。さらに、可変光結晶フィルタ20を通過した光L2は、再反射されてカラー光L1に付加されるので、従来のカラーフィルタ方式では表現し難い、明るく光る色を表現できる。
【0042】
図9は、本実施形態のカラー画像表示装置における明度特性を概略的に要約して示したグラフである。図9に示したように、従来の3色分割方式に比べて、本実施形態の可変光結晶カラーフィルタを利用した1ピクセル可変方式は、可変光結晶フィルタ20を通過した光L2まで利用することによって、理論的限界値まで明度を確保できる。
【0043】
以上のように、本実施形態のカラー画像表示装置は、既存の面積分割方式で不可能な完壁に近い明るい白色から完壁な黒色まで表現可能であるので、従来の面積分割方式に比べて、大幅に向上した自然色及び印刷物に近い明度、明暗比及び色表現力をいずれも具現できる。
【0044】
また、面積分割方式で混合色を表現するためには、原色の組合せのためのアルゴリズムが必要である一方、本実施形態のカラー画像表示装置は、混合色を純色と白色との混合で表現するので、このためのアルゴリズムが相当に簡単になる。
【0045】
前記のようなカラー画像表示装置は、外光を利用するカラー画像を表示するので、野外環境で使われるe−ブックや車両用ナビゲーションのようなディスプレイ装置や、室内及び室外広告看板のような低電力使用の常時使用ディスプレイ装置に好適に使われうる。
【0046】
前述した本発明のカラー画像表示装置及びその表示方法は、理解を助けるために、図面に示された実施形態を参照して説明したが、これは、例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるということが分かるであろう。したがって、本発明の真の保護範囲は、特許請求の範囲によって決定されねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、表示装置関連の技術分野に好適に適用可能である。
【符号の説明】
【0048】
10 第1光シャッター、
11,31 高分子分散型液晶、
12,13,22,23,32,33 電極、
20 可変光結晶フィルタ、
21 可変光結晶層、
30 第2光シャッター、
40 反射板、
100 カラー画像パネル、
200 制御部、
211 コロイド粒子、
212 媒質、
D 格子間隔、
Li 外光、
V 電圧。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択されたカラーの波長帯域の光を反射し、前記選択されたカラーの波長帯域以外の波長帯域の光は実質的に透過するように、光バンドギャップが刺激によって調節される可変光結晶フィルタと、
前記可変光結晶フィルタから反射されるカラー光に白色光を付加して、前記可変光結晶フィルタの可変光結晶により表示されたカラーの彩度及び明度を調節する白色表示ユニットと、を備え、
前記可変光結晶フィルタと前記白色表示ユニットとは、カラー画像を表示するカラーピクセルの各カラーピクセルに対応する領域に一対一で設けられたことを特徴とするカラー画像パネル。
【請求項2】
前記白色表示ユニットは、
前記可変光結晶フィルタの前面に配されて、外部から前記可変光結晶フィルタに入射される外光の量を可変的に調節する第1シャッターと、
前記可変光結晶フィルタの背面に配されて、前記カラー表示ユニットを通過した光の量を可変的に調節する第2シャッターと、
前記第2シャッターを通過した光を再び前記第2シャッターに反射させる反射板と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のカラー画像パネル。
【請求項3】
前記反射板は、白色反射板であることを特徴とする請求項2に記載のカラー画像パネル。
【請求項4】
前記可変光結晶フィルタは、電気的または機械的な刺激によって光結晶の形態、体積及び有効屈折率のうち少なくともいずれか一つが変化して、光バンドギャップが変化する可変光結晶であることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のうちいずれか1項に記載のカラー画像パネル。
【請求項5】
前記可変光結晶フィルタは、帯電されたコロイド粒子が溶媒内に分散された光結晶層と、前記光結晶層に電圧を印加する電極と、を含む可変光結晶であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のうちいずれか1項に記載のカラー画像パネル。
【請求項6】
選択されたカラーの波長帯域の光を反射し、前記選択されたカラーの波長帯域以外の波長帯域の光は実質的に透過するように、光バンドギャップが刺激によって調節される可変光結晶フィルタと、前記可変光結晶フィルタから反射されるカラー光に白色光を付加して、前記可変光結晶フィルタの可変光結晶により表示されたカラーの彩度及び明度を調節する白色表示ユニットと、を備え、前記可変光結晶フィルタと前記白色表示ユニットとは、カラー画像を表示するカラーピクセルの各カラーピクセルに対応する領域に一対一で設けられたカラー画像パネル;
前記カラー画像パネルを制御する制御部;を備えることを特徴とするカラー画像表示装置。
【請求項7】
前記白色表示ユニットは、
前記可変光結晶フィルタの前面に配されて、外部から前記可変光結晶フィルタに入射される外光の量を可変的に調節する第1シャッターと、
前記可変光結晶フィルタの背面に配されて、前記カラー表示ユニットを通過した光の量を可変的に調節する第2シャッターと、
前記第2シャッターを通過した光を再び前記第2シャッターに反射させる反射板と、を備えることを特徴とする請求項6に記載のカラー画像表示装置。
【請求項8】
前記可変光結晶フィルタは、電気的または機械的な刺激によって光結晶の形態、体積及び有効屈折率のうち少なくともいずれか一つが変化して、光バンドギャップが変化する可変光結晶であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のカラー画像表示装置。
【請求項9】
前記可変光結晶フィルタは、帯電されたコロイド粒子が溶媒内に分散された光結晶層と前記光結晶層に電圧を印加する電極とを含む可変光結晶であることを特徴とする請求項8に記載のカラー画像表示装置。
【請求項10】
前記反射板は、白色反射板であることを特徴とする請求項7ないし請求項9のうちいずれか1項に記載のカラー画像表示装置。
【請求項11】
選択されたカラーの波長帯域の光を反射し、前記選択されたカラーの波長帯域以外の波長帯域の光は、実質的に透過するように、光バンドギャップが刺激によって調節される可変光結晶フィルタと、前記可変光結晶フィルタから反射されるカラー光に白色光を付加して、前記可変光結晶フィルタの可変光結晶により表示されたカラーの彩度及び明度を調節する白色表示ユニットと、を備え、前記可変光結晶フィルタと前記白色表示ユニットとは、カラー画像を表示するカラーピクセルの各カラーピクセルに対応する領域に一対一で設けられたカラー画像パネルを利用してカラー画像を表示する方法であって、
前記可変光結晶フィルタを制御してカラー画像を形成するピクセルのカラーを調節するステップと、
前記白色表示ユニットを制御してカラー画像を形成するピクセルの彩度及び明度を調節するステップと、を含むカラー画像表示方法。
【請求項12】
前記白色表示ユニットは、前記可変光結晶フィルタの前面に配される第1シャッターと、前記可変光結晶フィルタの背面に配される第2シャッターと、前記第2シャッターを通過した光を再び前記第2シャッターに反射させる反射板と、を備え、
前記第1シャッターを制御して外部から前記可変光結晶フィルタに入射された外光の量を可変的に調節するステップと、
前記第2シャッターを制御して前記カラー表示ユニットを通過した光の量を可変的に調節するステップと、
前記反射板を利用して前記第2シャッターを通過した光を再び前記第2シャッターに反射させるステップと、を含むことを特徴とする請求項11に記載のカラー画像表示方法。
【請求項13】
前記反射板は、白色反射板であることを特徴とする請求項12に記載のカラー画像表示方法。
【請求項14】
前記可変光結晶フィルタは、電気的または機械的な刺激によって光結晶の形態、体積及び有効屈折率のうち少なくともいずれか一つが変化して、光バンドギャップが変化する可変光結晶であることを特徴とする、請求項11ないし請求項13のうちいずれか1項に記載のカラー画像表示方法。
【請求項15】
前記可変光結晶フィルタは、帯電されたコロイド粒子が溶媒内に分散された光結晶層と前記光結晶層に電圧を印加する電極とを含む可変光結晶であることを特徴とする請求項14に記載のカラー画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−45113(P2013−45113A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−183432(P2012−183432)
【出願日】平成24年8月22日(2012.8.22)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】