説明

カルシウム吸収米、及びクエン酸カルシウムを吸収させる方法

【課題】米全般にカルシウムを吸収させたカルシウム吸収米とその方法。
【解決手段】米を精米機で循環させたのち、前記米の米ぬか層の表皮部分を研削し、その研削した所定量の米に対し、必要な量のクエン酸カルシウムを混入し攪拌したのち米にクエン酸カルシウムを吸収させるため、温度と湿度を調整しながら長時間吸収熟成することにより、クエン酸カルシウムを吸収させる方法。米の米ぬか層の表皮部分の研削と、クエン酸カルシウムの混入攪拌および吸収熟成は2回以上繰り返して行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現代人が不足しているカルシウムを、主食である米から補給するための、カルシウム吸収米およびクエン酸カルシウムを吸収させる方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年における日本人の食生活は欧米化や簡素化等によりカルシウム摂取量が低下傾向にあり、骨祖鬆症や高血圧、歯槽膿漏、糖尿病等、極めて深刻な問題を引き起こしている。このため、米を主食とした、カルシウム摂取量の増加を計るための技術も、提案されている。例えば特許文献1では、米粒とほぼ同一に調整されたカルシウム成分粒を均一に分散混入したカルシウム強化米だが、この場合に使用する米は無洗米に限定されている。また特許文献2に記載のものは、玄米に30%〜40%の水分を含有させた発芽玄米にミネラルを溶解させた水溶液を添加した玄米または発芽玄米の栄養機能食品であり、あくまでも玄米または発芽玄米に限定されている。
【0003】
【特許文献1】特開平9−94071号公報
【特許文献2】特開2006−288331号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば特許文献1に記載の手段は、無洗米に米粒とほぼ同一に調整されたカルシウム成分粒を分散混入する方法であるが、殆どの家庭は洗米した後に炊飯する方法であり馴染まない。また特許文献2に記載のものは玄米または発芽玄米にミネラルを添加させた栄養機能食品であり、その他の特許文献にも、玄米から白米に至るまでにカルシウムを吸収させる方式のものはなく、一般的な白米のご飯からのカルシウム摂取方法ではない。
そのために本発明は米自体にカルシウムを吸収させるものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
米を精米機で循環させた後、前記米の米ぬか層の表皮部分を研削し、研削した所定量の米に対し、必要な量のクエン酸カルシウムを混入し攪拌したのち、必要時間吸収熟成させることによりカルシウムを吸収させたカルシウム吸収米。
【0006】
米60kgに対しクエン酸カルシウムを必要量混入し吸収させた請求項1に記載のカル
シウム吸収米。
【0007】
米の米ぬか層表皮部分の研削とクエン酸カルシウムの混入攪拌および吸収熟成は2回以上繰り返して行う。
【0008】
米を精米機で循環させたのち、前記米の米ぬか層の表皮部分を研削し、その研削した所定量の米に対し、必要な量のクエン酸カルシウムを混入し攪拌したのち、米にクエン酸カルシウムを吸収させるため、温度と湿度を調整しながら長時間吸収熟成することによりクエン酸カルシウムを吸収させる方法。
【0009】
米60kgに対しクエン酸カルシウムを必要量混入し、吸収させた請求項3および請求
項4に記載の方法。
【発明の効果】
【0010】
上述したように本発明の米、およびクエン酸カルシウムを吸収させる方法では、白度の割合に関係なくカルシウムを吸収させることが出来、現代の日本人に不足しているカルシウム量を大巾に補なう事となり身体の健康を取り戻し回復させるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
米を覚醒させるために精米機によって米60kgに対し5分間程度(600kgの場合は
15分間程度)図1の(1)に示すように循環させたのち、クエン酸カルシウムを吸収しやすくするため図1の(2)に示すように前記米の米ぬか層の表皮部分の体積を10%〜20%研削し、研削した前記米60kgに対し図1の(3)(4)に示すように36
0gのクエン酸カルシウムを混入し5分間程度攪拌して、図1の(5)に示すようにその日の気温により温度と湿度を調整しながら24時間吸収熟成させる。さらに第2段階以降も必要に応じ図1の(6)に示すように前記米の米ぬか層の表皮部分の体積を研削し、図1の(7)(8)に示すようにクエン酸カルシウムを必要量追加補給し攪拌したのち、図1の(9)に示すように温度と湿度を調整しながら必要時間吸収熟成させ、充分にクエン酸カルシウムを吸収させた後に図1の(10)に示すように最終仕上げ精米を行い、クエン酸カルシウム吸収米を完成させる。上記工程を繰り返し行った米にはクエン酸カルシウムを20mg/100g以上自由に吸収させることができる。
【0012】
次に図1の工程図を参照しながら本発明にかかるカルシウム吸収米の製造方法を説明する。
まず眠っている米を覚醒させるために米60kgに対し5分間程度精米機で循環する。
【0013】
クエン酸カルシウムを吸収しやすくするため、米ぬか層の表皮部分を10%〜20%研削する。
【0014】
研削した米60kgに対し360gのクエン酸カルシウムを混入し、攪拌機で5分間程度攪拌する。
【0015】
クエン酸カルシウムを混入した米を、その日の気温によって、温度、湿度を調整しながら24時間前後吸収熟成させる。
【0016】
第二段階以降として米ぬか層の表皮部分を、再度必要な割合で研削する。
【0017】
クエン酸カルシウムを米60kgに対して必要量を追加補給し、攪拌機で必要時間攪拌する。
【0018】
その日の気温によって温度、湿度を調整しながら必要時間熟成させる。
【0019】
クエン酸カルシウムを吸収熟成させた米を精白仕上げする。
【0020】
製品化された米にはクエン酸カルシウムが20mg/100g以上吸収されている。
【0021】
本発明は、玄米から白米に至るすべての米にカルシウムを吸収させるものである。米の米ぬか層の表皮部分の研削とカルシウムの混入攪拌、および吸収熟成を繰り返すことによりカルシウムをより以上吸収浸透させるものである。カルシウム吸収米のカルシウム吸収量は、カルシウムの混入割合によって上昇する。
炊飯後の米飯を試食をした結果、光沢も良く食味も上がっていた。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】米にクエン酸カルシウムを吸収させるための工程図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
米を精米機で循環させたのち、前記米の米ぬか層の表皮部分を研削し、その研削した所定量の米に対し、必要な量のクエン酸カルシウムを混入し攪拌したのち、必要時間吸収熟成させるカルシウムを吸収させたカルシウム吸収米。
【請求項2】
前記表皮部分を研削した米60kgに対し、クエン酸カルシウムを必要量混入し吸収させた請求項1に記載のカルシウム吸収米。
【請求項3】
米の米ぬか層の表皮部分の研削と、クエン酸カルシウムの混入攪拌および吸収熟成は2回以上繰り返して行う請求項1記載のカルシウム吸収米。
【請求項4】
米を精米機で循環させたのち、前記米の米ぬか層の表皮部分を研削し、その研削した所定量の米に対し、必要な量のクエン酸カルシウムを混入し攪拌したのち米にクエン酸カルシウムを吸収させるため、温度と湿度を調整しながら長時間吸収熟成することにより、クエン酸カルシウムを吸収させる方法。
【請求項5】
米60kgに対しクエン酸カルシウムを必要量混入し、吸収させた請求項4に記載の方法。

【図1】
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【公開番号】特開2008−307043(P2008−307043A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−248440(P2007−248440)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(307017095)
【Fターム(参考)】