説明

カルボキシアルキルセルロースポリマーネットワークの製造方法

【課題】高吸水性特性を有するカルボキシアルキルセルロースポリマーネットワークの製造方法の提供。
【解決手段】約1〜約65のカッパー値を有するパルプから得られたカルボキシアルキルセルロースを、カルボキシアルキルセルロースを水不溶性にするのに有効な量の架橋剤と反応させて架橋する。架橋剤としてはアルデヒド、ジアルデヒド、ジアルデヒド亜硫酸水素ナトリウム付加生成物、二ハロゲン化物、ジエン、ジエポキシド等が用いられる。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
発明の分野
本発明は、カルボキシアルキルセルロースポリマーネットワークの製造方法に関する。
【0002】
発明の背景
乳児用のおむつ、成人用失禁パッド、および、女性用ケア製品のようなパーソナルケア吸収製品は、典型的には、繊維マトリックス内に分散された高吸水性ポリマー粒子を含む吸収コアを含む。高吸水性は、水膨潤性の、一般的に、高い体液吸収能を有する水不溶性吸収材料である。一般的に用いられる高吸水性ポリマー(SAP)は、大部分がアクリル酸から誘導されており、アクリル酸それ自身は、油、再生不能な原材料から誘導される。一般的に、アクリル酸ポリマーおよびSAPは非生分解性と認識されている。それらの広範囲の使用にもかかわらず、吸収製品市場のいくつかの部門においては、再生不能な油から得られた材料の使用と、それらの非生分解性の性質が憂慮されている。また、アクリル酸ベースのポリマーも、おむつや失禁パッドのコスト構造において重要な部分を含む。SAPの使用者は、より低コストのSAPに関心を持っている。高コストは、部分的に、アクリル酸製造に係るコスト構造に起因しており、言い換えると、油の変動価格に依存している。また、おむつを使用後に捨てる際も、おむつの体液含有量は、一般的に、それらの最大または理論上の体液含有量より相当少ない量しか含んでいない。つまり、おむつは、それらのの流体を保持する能力に関して「過剰設計」である。この「過剰設計」が、SAPの使用における非効率性を構成している。この非効率性の原因の一つは、SAPが高いゲル強度を保持するように設計されていること(高い加重下吸収量またはAUL(absorbency under load)によって実証されている)である。現在用いられているSAP粒子の高いゲル強度(膨潤時の)によって、粒子間において、迅速な流体の吸収に役立つ多くの空間の保持が助長される。しかしながら、この高い「空隙容量」は同時に、飽和状態で、製品中に多くの間隙の(粒子間の)液体を存在させることになる。多くの間隙の液体が存在すると、吸収製品の「繰り返しの湿潤性」値または「湿潤時の感触」は劣化する。
【0003】
パーソナルケア吸収製品においては、SAPと共に、米国産のサザンパインのフラッフパルプが一般的に使用されている。このフラッフは、吸収製品に好ましい繊維と世界的に認識されている。好ましい理由は、フラッフパルプの有利な長い繊維長さ(約2.8mm)と、ウェットレイドのパルプシートから、エアレイドのウェブに至る加工が比較的容易なことに基づく。フラッフパルプはまた、再生可能で、かつ生分解性のセルロースパルプ繊維からも製造される。SAPと比較して、これらの繊維は、質量に基づく価格は安いが、液体保持量に基づく単位あたりの価格はより高価という傾向がある。これらのフラッフパルプ繊維の吸収は、大部分が繊維間の間隙内で起こる。この理由のために、繊維マトリックスは、圧力がかかると捕らえた液体を簡単に放出する。もっぱらセルロース系繊維で形成されたコアを含む吸収製品は、捕らえた液体を放出する傾向のために、その使用中に著しく皮膚を濡らしてしまう。またこのような製品は、このような繊維状の吸収コアでは液体が効果的に保持されないため、捕らえた液体を漏らす傾向も有する。
【0004】
従って、生分解性の再生可能資源のようなセルロースから製造され、費用効率が高い高吸水性組成物が必要である。それによって、高吸水性組成物は、着用者に濡れた感触を与えずにそれらの理論上の能力に近い状態で使用できるように、吸収製品の効率的な組織で用いることができる。本発明は、この必要性を満たそうとするものであり、関連するさらなる利点を提供する。
【0005】
発明の要約
本発明は、高吸水性特性を有するカルボキシアルキルセルロースポリマーネットワークの製造方法を提供する。本方法は、約1〜約65のカッパー値を有するパルプから得られたカルボキシアルキルセルロースを、カルボキシアルキルセルロースを水不溶性にするのに有効な量の架橋剤と反応させることを含み、一実施形態において、本方法は、約1〜約65のカッパー値を有するパルプから得られたカルボキシアルキルセルロースと、カルボキシアルキルセルロースを水不溶性にするのに有効な量の架橋剤とを、水溶液中で混合し、ポリマー混合物を提供すること;前記ポリマー混合物を水混和性溶媒の添加によって沈殿させ、沈殿した混合物を提供すること;前記沈殿した混合物を回収すること;および、前記沈殿した混合物を架橋させ、組成物を提供すること、を含む。
【0006】
図面の簡単な説明
前述の本発明の形態および付随する利点の多くは、添付の図面と共に以下の詳細な説明を参照することによって、同内容をより理解できるようになるため、より容易に理解されるであろう:
図1は、本発明のカルボキシルアルキルセルロースポリマーネットワークを包含し、捕捉層を有する吸収性構成物の断面図である;
図2は、本発明のカルボキシルアルキルセルロースポリマーネットワークを包含し、捕捉および拡散層を有する吸収性構成物の断面図である;
図3A〜Cは、本発明のカルボキシルアルキルセルロースポリマーネットワーク、および、吸収性構成物(それぞれ図1および2で説明)を含む複合材料を包含する吸収性物品の断面図である;および、
図4は、加重下吸収量(AUL)値を測定するための装置の概略図である。
【0007】
好ましい実施形態の詳細な説明
一形態において、本発明は、高吸水性特性を有するカルボキシアルキルセルロースポリマーネットワークを提供する。一実施形態において、本ポリマーネットワークは、水膨潤性、水不溶性の架橋されたカルボキシアルキルセルロース組成物である。本組成物において、本カルボキシアルキルセルロースは、約1〜約65のカッパー値を有するパルプから得られる。
【0008】
本発明において用いられるように、溶液が形成されるように過量の水中で材料が実質的に分子的に溶解し、その形状を失い、水溶液中に実質的に均一に分散されている場合、その材料は水溶性とみなされる。本発明において用いられるように、用語「水膨潤性」および「水不溶性」は、過量の水性媒体(例えば、尿または血液のような体液、水、合成尿、または、1重量パーセント塩化ナトリウム水溶液)と接触すると、平衡な容積まで膨潤するが、溶液には溶解しないセルロース製品を意味する。
【0009】
本ポリマーネットワーク(また、本発明においては、「組成物」または「高吸水性組成物」ともいう)は、約1〜約65のカッパー値を有するパルプから得られたカルボキシアルキルセルロースを、カルボキシアルキルセルロースを水不溶性にするのに有効な量の架橋剤と反応させることによって入手可能である。この架橋剤は、本カルボキシアルキルセルロースと反応し、本ネットワークを提供する。一実施形態において、本ポリマーネットワークは、カルボキシアルキルセルロースを、架橋剤で処理し、反応混合物を提供すること、および、前記反応混合物を架橋させ、組成物を提供すること、により得られる。その他の実施形態において、本ポリマーネットワークは、約1〜約65のカッパー値を有するパルプから得られたカルボキシアルキルセルロースと、カルボキシアルキルセルロースを水不溶性にするのに有効な量の架橋剤とを、水溶液中で混合し、反応混合物を提供すること;水混和性溶媒の添加によって、前記反応混合物を沈殿させ、沈殿した混合物を提供すること;前記沈殿した混合物を回収すること;および、前記沈殿した混合物を架橋させ、組成物を提供すること、により得られる。
【0010】
本ポリマーネットワーク製造において有用なカルボキシアルキルセルロースは、従来のカルボキシアルキルセルロース製造に用いられるパルプと比較して、高いリグニン含量、高いカッパー値、高いヘミセルロース含量、および、高い重合度を有するパルプから製造される。本ポリマーネットワーク製造において有用なカルボキシアルキルセルロースの製造において有用なパルプとしては、予備的な加水分解工程を含まないパルプ化プロセスで製造されたパルプが挙げられる。有用なパルプとしては、従来のパルプ化プロセスより煮沸時間が短く、従来のパルプ化プロセスより煮沸温度が低いプロセスによって製造されたパルプが挙げられる。その他の有用なパルプとしては、大規模な漂白段階を含まないプロセスによって製造されたパルプが挙げられる。
【0011】
本カルボキシアルキルセルロースを製造するためのパルプは、約1〜約65のカッパー値を有する。一実施形態において、本カルボキシアルキルセルロースを製造するためのパルプは、約2〜約40のカッパー値を有する。一実施形態において、本カルボキシアルキルセルロースを製造するためのパルプは、約35のカッパー値を有する。カッパー値は、標準的な方法のTAPPI T−236によって測定される。
【0012】
一実施形態において、本カルボキシアルキルセルロースを製造するためのパルプは、クラフトパルプである。
一実施形態において、本カルボキシアルキルセルロースは、カルボキシメチルセルロースである。一実施形態において、本カルボキシアルキルセルロースは、カルボキシエチルセルロースである。
【0013】
本発明のポリマーネットワークの製造において有用なカルボキシアルキルセルロースは、セルロースの重量に基づき約0.15〜約10重量パーセントのリグニン含量を有するパルプから製造される。リグニン含量は、実施例7および8に記載の方法で測定された。
【0014】
本発明のポリマーネットワークの製造において有用なカルボキシアルキルセルロースは、セルロースの重量に基づき約0.1〜約17重量パーセントのヘミセルロース含量を有するパルプから製造される。ヘミセルロース含量は、実施例7および8に記載の方法で測定された。
【0015】
本発明のポリマーネットワークの製造において有用なカルボキシアルキルセルロースは、未漂白パルプまたは軽度に漂白されたパルプから製造される。未漂白パルプおよび軽度に漂白されたパルプとしては、セルロース、ヘミセルロース、および、リグニンが挙げられる。それゆえに、本発明の、未漂白パルプまたは軽度に漂白されたパルプから製造された製品は、カルボキシアルキルセルロースに加えて、カルボキシアルキル ヘミセルロース、および、カルボキシアルキルリグニンを含んでいてもよい。
【0016】
本発明のポリマーネットワークの製造において有用なカルボキシアルキルセルロースは、約1200〜約3600の重合度を有するパルプから製造される。重合度は、標準的な方法のASTM D1795によって測定される。
【0017】
本発明のポリマーネットワークの製造において有用なカルボキシアルキルセルロースは、約0.4〜約1.4のカルボキシル置換度を有する。カルボキシ置換度は、滴定によって測定される。
【0018】
本発明のポリマーネットワークの製造において有用なカルボキシアルキルセルロースの1重量パーセント水溶液は、約100cPより大きい粘度を有する。一実施形態において、本カルボキシアルキルセルロースの1重量パーセント水溶液は、約600cPより大きい粘度を有する。一実施形態において、本カルボキシアルキルセルロースの1重量パーセント水溶液は、約1000cPより大きい粘度を有する。一実施形態において、本カルボキシアルキルセルロースの1重量パーセント水溶液は、約2000cPより大きい粘度を有する。一実施形態において、本カルボキシアルキルセルロースの1重量パーセント水溶液は、約4000cPより大きい粘度を有する。粘度は、標準的な方法のASTM D2196−99によって測定される。
【0019】
本発明のポリマーネットワークの製造において有用なカルボキシアルキルセルロースは、水溶性カルボキシアルキルセルロースである。本カルボキシアルキルセルロースは、約0.4〜約1.4のカルボキシ置換度を有するカルボキシアルキル化パルプを提供するのに十分な量のカルボキシアルキル化剤でパルプを処理することによって製造される。一実施形態において、本カルボキシアルキルセルロースは、架橋された水溶性カルボキシアルキルセルロースである。この架橋された水溶性カルボキシアルキルセルロースは、約0.4〜約1.4のカルボキシ置換度を有するカルボキシアルキル化パルプを提供するのに十分な量のカルボキシアルキル化剤で処理され、カルボキシルアルキルセルロースの水溶性を維持するのに十分なの量の架橋剤で処理されたパルプを含む。一実施形態において、本発明は、約0.4〜約1.4のカルボキシ置換度を有するカルボキシアルキル化パルプを提供するのに十分な量のカルボキシアルキル化剤で処理された架橋されたパルプを含む、水溶性カルボキシアルキルセルロースを提供する。その他の実施形態において、本発明は、カルボキシアルキル化パルプの水溶性を維持するのに十分なの量の架橋剤で処理された、約0.4〜約1.4のカルボキシ置換度を有するカルボキシアルキル化パルプを含む、水溶性カルボキシアルキルセルロースを提供する。上記の実施形態において、本カルボキシアルキルセルロースを製造するためのパルプは、約1〜約65のカッパー値を有する。
【0020】
実施例1において、本発明のポリマーネットワークの製造において有用なカルボキシメチルセルロースを製造するための一般的な方法を説明する。実施例3および4において、本発明のカルボキシメチルセルロースポリマーネットワークの代表的な製造方法を説明する。
【0021】
以下の表1および2において、本発明のポリマーネットワークの製造において有用なカルボキシメチルセルロース、そのカルボキシメチルセルロースを製造するためのパルプ、および、市販のカルボキシメチルセルロースの特性を比較する。
【0022】
表1において、本発明のポリマーネットワークの製造において有用なカルボキシメチルセルロース(項目A1〜O1)、十分に漂白されたサザンパインのパルプから製造されたカルボキシメチルセルロース(NB416)、および、十分に漂白されたスプルースのパルプ(PA)、および、市販のカルボキシメチルセルロースの、カッパー値、糖の組成、カルボキシ置換度(DS)、1重量パーセント水溶液の粘度、および、色を比較する。項目CMC(250,000)、および、CMC(700,000)は、アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Co.ミルウォーキー,ウィスコンシン州)から市販されている、それぞれ250,000、および、700,000の分子量を有するカルボキシメチルセルロースを意味する。項目CMC 9H4Fは、ハーキュレス社(Hercules Corp.,ホープウェル,バージニア州)からAQUALONという名称で市販されているカルボキシメチルセルロースを意味する。
【0023】
【表1】

【0024】
表1に関して、CMCのH、IおよびJは、実施例2で説明されている方法によって製造され、CMCの75〜98およびコントロール(PAより)は、実施例1で説明されている方法によって製造された。
【0025】
表2において、表1に記載のカルボキシメチルセルロースの製造において有用なパルプの特性を要約する。表2において、これらのパルプに関する漂白のシーケンス、カッパー値、ISO白色度および糖含量を要約する。項目A1は、62.4のカッパー値、および、2284の重合度(DP)を有するスプルースのパルプを煮沸したクラフトから始めた。項目A1a〜I1は、47.0のカッパー値、および、2453の重合度(DP)を有するスプルースのパルプを煮沸したクラフトから始めた。項目J1〜M1は、37.7のカッパー値、および、2327の重合度(DP)を有するパインのパルプを煮沸したクラフトから始めた。項目N1およびO1は、10.8のカッパー値、および、1918の重合度(DP)を有する混合された南方産広葉樹のパルプを煮沸したクラフトから始めた。
【0026】
【表2】

【0027】
表2において、一つのアスタリスク(*)は、Cuenへの可溶性が完全ではないパルプを意味し、二つのアスタリスク(**)は、Cuenへの可溶性が50%未満のパルプを意味する。表2において、漂白段階の略語は以下の通り:C=20〜40℃で0.5〜2時間の、1〜10%NaClO(パルプに対して、重量)処理;Ec(#)=5〜40℃で0.1〜1時間の、3〜25%(重量)濃度の低温NaOH処理(#=NaOH濃度)、Eb=50〜120℃で0.25〜2時間の、高温NaOH処理(NaOHは、パルプに対して1〜15重量%、NaBHは、パルプに対して0.1〜1%)、ここで、NaBHが存在しない場合は、E段階である);D=40〜90℃で0.2〜3時間の、ClO処理(ClOは、パルプに対して0.2〜3重量%);X=40〜120℃で0.2〜2時間、pH>7での、パルプに対して0.5〜4重量%のDCP(1,3−ジクロロ−2−ヒドロキシプロパノール)での架橋処理;および、Xp=40〜120℃で0.2〜2時間、pH>7での、パルプに対して0.5〜4重量%のPEGDE(ポリエチレンジグリシジルエーテル)架橋処理。
【0028】
一般的に、本発明のポリマーネットワークの製造において有用なカルボキシアルキルセルロースは、約1〜約65のカッパー値を有するパルプから、カルボキシアルキル化剤での処理によって製造される。一実施形態において、上記パルプは、カルボキシアルキル化の前に架橋される。一実施形態において、上記パルプは、カルボキシアルキル化中に架橋される。一実施形態において、本カルボキシアルキルセルロースは、カルボキシアルキル化の後に架橋される。
【0029】
一実施形態において、本方法は、約1〜約65のカッパー値を有するパルプをアルカリ化し、アルカリ化されたパルプを提供すること;および、アルカリ化されたパルプをカルボキシアルキル化剤でエーテル化し、カルボキシアルキルセルロースを提供することを含む。
【0030】
その他の実施形態において、本方法は、約1〜約65のカッパー値を有するパルプを架橋し、架橋されたパルプを提供すること;前記架橋されたパルプをアルカリ化し、アルカリ化されたパルプを提供するすること;および、前記アルカリ化されたパルプをカルボキシアルキル化剤でエーテル化し、カルボキシアルキルセルロースを提供することを含む。
【0031】
本方法の特定の実施形態において、上記パルプは、乾燥履歴のないパルプである。上述したように、上記パルプは、前記セルロースの約0.15〜約10重量パーセントのリグニン含量;および、前記セルロースの約0.1〜約17重量パーセントのヘミセルロース含量を有する。
【0032】
本カルボキシアルキルセルロースは、約0.4〜約1.4のカルボキシ置換度を有する。
適切なカルボキシアルキル化剤としては、クロロ酢酸およびその塩、3−クロロプロピオン酸およびその塩、ならびに、アクリルアミドが挙げられる。
【0033】
本発明の特定の実施形態において、本カルボキシアルキルセルロースは、架橋剤での架橋によって製造された、架橋されたカルボキシアルキルセルロースである。本発明のカルボキシアルキルセルロースの製造において有用な適切な架橋剤は、一般的に、水および/またはアルコールに可溶性である。
【0034】
カルボキシル化の前、または、その最中の架橋において有用な架橋剤としては、尿素ベースの架橋剤が挙げられ、例えば、メチロール化された尿素、メチロール化された環状尿素、メチロール化された低級アルキルで置換された環状尿素、メチロール化されたジヒドロキシ環状尿素、ジヒドロキシ環状尿素、および、低級アルキルで置換された環状尿素である。特に好ましい尿素ベースの架橋剤としては、ジメチロール尿素(DMU、ビス[N−ヒドロキシメチル]尿素)、ジメチロールエチレン尿素(DMEU、1,3−ジヒドロキシメチル−2−イミダゾリジノン)、ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素(DMDHEU、1,3−ジヒドロキシメチル−4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン)、ジメチロールプロピレン尿素(DMPU)、ジメチロールヒダントイン(DMH)、ジメチルジヒドロキシ尿素(DMDHU)、ジヒドロキシエチレン尿素(DHEU、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン)、および、ジメチルジヒドロキシエチレン尿素(DMeDHEU、4,5−ジヒドロキシ−1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン)が挙げられる。
【0035】
その他の適切な架橋剤としては、ジエポキシド類、例えば、ビニルシクロヘキセンジオキシド、ブタジエン二酸化物、および、ジグリシジルエーテル;スルホン類、例えば、ジビニルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホン、ビス(2−クロロエチル)スルホン、および、トリス(β−スルファトエチル)スルホニウム二ナトリウム分子内塩;および、ジイソシアネートが挙げられる。
【0036】
その他の適切な架橋剤としては、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、エピクロロヒドリン、ジビニルスルホン、および、ジハロコハク酸が挙げられる。
架橋剤の混合物および/またはブレンドを用いることもできる。
【0037】
架橋剤を用いて架橋されるカルボキシアルキルセルロースの実施形態では、架橋反応を促進する触媒を用いることができる。適切な触媒としては、酸性塩、例えば塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、および、リン含有酸のアルカリ金属塩が挙げられる。
【0038】
上記セルロースに適用される架橋剤の量は、個々の架橋剤に応じて様々であり、適切には、セルロースの総重量に基づき約0.01〜約8.0重量パーセントの範囲である。一実施形態において、適用される架橋剤の量は、セルロースの総重量に基づき約0.20〜約5.0重量パーセントの範囲である。一実施形態において、上記セルロースに適用される架橋剤の量は、適切には、本カルボキシアルキルセルロースの水溶性を保つのに必要な量である。
【0039】
本カルボキシアルキルセルロースポリマーネットワークは、カルボキシアルキルセルロースを、架橋剤で処理し、反応混合物を提供すること、および、前記反応混合物を架橋させ、組成物を提供することによって得ることができる。本カルボキシアルキルセルロースは、約1〜約65のカッパー値を有するパルプから得られる。
【0040】
適切なカルボキシアルキルセルロースとしては、カルボキシメチルセルロース、および、カルボキシエチルセルロースが挙げられる。
適切な架橋剤としては、カルボン酸基に対して反応性を有する架橋剤が挙げられる。代表的な有機性の架橋剤としては、ジオールおよびポリオール、ジアミンおよびポリアミン、ジエポキシドおよびポリエポキシド、ポリオキサゾリン官能化ポリマー、ならびに、1またはそれ以上のアミノ基と1またはそれ以上のヒドロキシ基を有するアミノールが挙げられる。代表的な無機性の架橋剤としては、多価カチオンおよびポリカチオン性ポリマーが挙げられる。典型的な無機性の架橋剤としては、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、および、炭酸ジルコニウムアンモニウムが挙げられ、これらは、コハク酸(ジカルボン酸)、クエン酸(トリカルボン酸)、ブタンテトラカルボン酸(テトラカルボン酸)のようなカルボン酸リガンドを有してもよいし、有していなくてもよい。架橋剤として、三価鉄および二価亜鉛および銅の水溶性の塩を用いることができる。ポリカルボキシル化ポリマーを架橋するために、カオリナイトおよびモンモリロナイトのようなクレイ材料を用いることもできる。ポリマー状カルボキシルおよび/またはヒドロキシル基と共有結合を形成するためには、デュポン(DuPont)からTYZORという名称で市販されているチタンアルコキシドを用いることができる。
【0041】
架橋剤の混合物を用いることができる。
代表的なジオール架橋剤としては、1,4−ブタンジオール、および、1,6−ヘキサンジオールが挙げられる。
【0042】
代表的なジアミン および ポリアミン架橋剤としては、ポリエーテルジアミン、例えばポリオキシプロピレンジアミン、および、ポリアルキレンポリアミンが挙げられる。適切なポリエーテルジアミンおよびポリエーテルポリアミンは、ハンツマン社(Huntsman Corp.,ヒューストン,テキサス州)からJEFFAMINEという名称で市販されている。代表的なジアミンおよびポリアミン(例えば、トリ−、テトラ−、および、ペンタアミン)としては、JEFFAMINE D−230(分子量230)、JEFFAMINE D−400(分子量400)、および、JEFFAMINE D−2000(分子量2000);JEFFAMINE XTJ−510(D−4000)(分子量4000)、JEFFAMINE XTJ−50(ED−600)(分子量600)、JEFFAMINE XTJ−501(ED−900)(分子量900)、および、JEFFAMINE XTJ−502(ED−2003)(分子量2000);JEFFAMINE XTJ−504(EDR−148)(分子量148);JEFFAMINE HK−511(分子量225);および、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、および、テトラエチレンペンタアミンが挙げられる。
【0043】
代表的なジエポキシド架橋剤としては、ビニルシクロヘキセンジオキシド、ブタジエン二酸化物、ならびに、ジグリシジルエーテル、例えばポリエチレングリコール(400)ジグリシジルエーテル、および、エチレングリコールジグリシジルエーテルが挙げられる。
【0044】
代表的なポリオキサゾリン官能化ポリマーとしては、日本触媒(Nippon Shokubai)によって製造されたEPOCROS WS−500が挙げられる。
代表的なアミノール架橋剤としては、トリエタノールアミンが挙げられる。
【0045】
代表的なポリカチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、および、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、例えばハーキュレス社によって製造されたKYMENE557Hが挙げられる。
【0046】
適切な架橋剤としては、本カルボキシアルキルセルロースのヒドロキシル基に対して反応性を有する架橋剤が挙げられる。本カルボキシアルキルセルロースのヒドロキシル基に対して反応性を有する代表的な架橋剤としては、アルデヒド、ジアルデヒド、ジアルデヒド亜硫酸水素ナトリウム付加生成物、二ハロゲン化物、ジエン、ジエポキシド、ハロエポキシド、ジカルボン酸、および、ポリカルボン酸架橋剤が挙げられる。架橋剤の混合物を用いることもできる。
【0047】
代表的なアルデヒド架橋剤としては、ホルムアルデヒドが挙げられる。
代表的なジアルデヒド架橋剤としては、グリオキサール、グルタルアルデヒド、および、ジアルデヒド亜硫酸水素ナトリウム付加生成物が挙げられる。
【0048】
代表的な二ハロゲン化物の架橋剤としては、1,3−ジクロロ−2−ヒドロキシプロパンが挙げられる。
代表的なジエン架橋剤としては、ジビニルエーテル、および、ジビニルスルホンが挙げられる。
【0049】
代表的なジエポキシド架橋剤としては、ビニルシクロヘキセンジオキシド、ブタジエン二酸化物、ならびに、ジグリシジルエーテル、例えばポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、および、エチレングリコールジグリシジルエーテルが挙げられる。
【0050】
代表的なハロエポキシド架橋剤としては、エピクロロヒドリンが挙げられる。
代表的なカルボン酸の架橋剤としては、ジ−およびポリカルボン酸が挙げられる。米国特許第5,137,537号、5,183,707号、および、5,190,563号は、架橋剤として、少なくとも3個のカルボキシル基を含むC2〜C9ポリカルボン酸(例えば、クエン酸、および、オキシジコハク酸)の使用を説明している。適切なポリカルボン酸架橋剤としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、グルタル酸、シトラコン酸、イタコン酸、酒石酸一コハク酸、マレイン酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、全てシス型のシクロペンタンテトラカルボン酸、テトラヒドロフランテトラカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸、および、ベンゼンヘキサカルボン酸が挙げられる。
【0051】
上述したように、カルボキシル化ポリマーは、ジアミンやポリアミンで架橋してもよい。ジアミンまたはポリアミンの種類に応じて、上記ポリマーは、ジアミドの架橋、または、アミド/イオン架橋によって架橋してもよい。複数のカルボキシル基を有する第一のカルボキシル化ポリマーと、複数のカルボキシル基を有する第二のカルボキシル化ポリマーの混合物を、トリアジンの架橋アクチベーター(例えば、2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン、またはシアヌル酸クロリド、および、2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジンとしても知られている)で処理し、第一および第二の活性化されたカルボキシル化ポリマーの混合物を提供することができる。一実施形態において、活性化されたカルボキシル化ポリマーの混合物は、第一および第二の活性化されたカルボキシル化ポリマーの活性化されたカルボキシル基に対して反応性を有する2つのアミノ基(例えば、第一および第二アミノ基)を有するジアミンまたはポリアミンと反応し、複数のジアミド架橋を形成し、架橋されたカルボキシル化ポリマーを提供することができる。その他の実施形態において、活性化されたカルボキシル化ポリマーの混合物は、複数のアミド結合を形成するための、第一および第二の活性化されたカルボキシル化ポリマーの活性化されたカルボキシル基に対して反応性を有する1つのアミノ基と、第一および第二の活性化されたカルボキシル化ポリマーの活性化されたカルボキシル基に対して共有結合による反応性を有さない第二アミノ基(例えば、第三および第四アミノ基)とを有するジアミンまたはポリアミンと反応し、カルボキシル基と複数のイオン結合を形成し、それによってポリマーを効果的に架橋し、架橋されたカルボキシル化ポリマーを提供することができる。用語「イオン架橋」は、アミド結合、および、イオン結合、または、アミノ基とカルボキシル基間の会合を含む架橋を意味する。イオン架橋は、第一の活性化されたカルボキシル基と、ジアミンまたはポリアミンとのの反応によって形成され、第一アミドを提供することができ、第二のカルボキシル基に対してイオン結合によって反応または会合する第二アミノ基を有するアミドを得ることができる。
【0052】
当然のことながら、架橋剤の混合物および/またはブレンドも使用できる。
架橋反応を促進するために、架橋触媒を用いることができる。適切な触媒としては、酸性塩、例えば塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、および、リン含有酸のアルカリ金属塩が挙げられる。
【0053】
上記ポリマーに適用される架橋剤の量は、望ましい吸収特性に応じて様々である。上記ポリマーに適用される架橋剤の量は、個々の架橋剤に応じて様々であり、適切には、本カルボキシアルキルセルロースの総重量に基づき約0.01〜約8.0重量パーセントの範囲である。一実施形態において、上記ポリマーに適用される架橋剤の量は、本カルボキシアルキルセルロースの総重量に基づき約0.50〜約5.0重量パーセントの範囲である。一実施形態において、上記ポリマーに適用される架橋剤の量は、本カルボキシアルキルセルロースの総重量に基づき約1.0〜約2.0重量パーセントの範囲である。
【0054】
本カルボキシアルキルセルロースポリマーネットワークは、少なくとも約20g/gの自由膨潤容量(Free swell Capacity)を有する。一実施形態において、本カルボキシアルキルセルロースポリマーネットワークは、約20g/g〜約90g/gの自由膨潤容量を有する。自由膨潤容量は、実施例5で説明されている方法によって測定される。
【0055】
本カルボキシアルキルセルロースポリマーネットワークは、少なくとも約5g/gの遠心分離機容量(Centrifuge Capacity)を有する。一実施形態において、本カルボキシアルキルセルロースポリマーネットワークは、約5g/g〜約50g/gの遠心分離機容量を有する。遠心分離機容量は、実施例5で説明されている方法によって測定される。
【0056】
本カルボキシアルキルセルロースポリマーネットワークは、少なくとも約10g/gの加重下吸収量(AUL)値を有する。一実施形態において、本カルボキシアルキルセルロースポリマーネットワークは、約10g/g〜約40g/gの加重下吸収量値を有する。加重下吸収量値は、実施例6で説明されている方法によって測定される。
【0057】
表3に、本発明のポリマーネットワーク(CMC SAP)に関する、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カッパー値、自由膨潤容量、および、遠心分離機容量、および、加重下吸収量(AUL)を要約する。実施例3および4において、代表的なポリマーネットワークを製造するための手法を説明する。
【0058】
【表3】

【0059】
表3において、「GA」は、グルタルアルデヒドを意味し、「AS」は、硫酸アルミニウム六水和物を意味し、「DCP」は、1,3−ジクロロ−2−プロパノールを意味し、「DS」は、ジビニルスルホンを意味し、「PEG/OA」は、ポリエチレンジグリシジルエーテル/シュウ酸(100/5w/w)を意味し、「JD」は、JEFFAMINE D−400を意味する。架橋剤の量は、カルボキシメチルセルロースの重量に基づき重量パーセントで示される。サンプル99Cについては、カルボキシメチルセルロースを溶解させるのに水/エタノール溶液を用いた。サンプル93Bと99Bについては、カルボキシメチルセルロースを溶解させるのに水/イソプロパノール溶液を用いた。パルプP1を、カッパー値25.6を有する軽度に漂白されたパルプから製造した。サンプル80A、80B、95C、99C、および、99Dを25℃で乾燥させた。サンプル80Bを150℃で1時間加熱した。他の全てのサンプルを105℃で15分間乾燥させ、次に、60〜80℃で2〜4時間乾燥させた。このポリマーネットワークは、ポリマーネットワークの吸収特性を増強するために、添加剤、例えば水不溶性添加剤を含んでいてもよい。例えば、サンプル79Aは、木粉(10重量%)を含む。
【0060】
さらなる形態において、本発明は、上述のポリマーネットワークの製造方法を提供する。
一実施形態において、本方法は、約1〜約65のカッパー値を有するパルプから得られたカルボキシアルキルセルロースを、カルボキシアルキルセルロースを水不溶性にするのに有効な量の架橋剤で処理し、反応混合物を提供すること、および、前記反応混合物を架橋させ、組成物を提供することを含む。
【0061】
その他の実施形態において、本方法は、約1〜約65のカッパー値を有するパルプから得られたカルボキシアルキルセルロースと、カルボキシアルキルセルロースを水不溶性にするのに有効な量の架橋剤とを、水溶液中で混合し、反応混合物を提供すること;水混和性溶媒の添加によって、前記反応混合物を沈殿させ、沈殿した混合物を提供すること;前記沈殿した混合物を回収すること;および、前記沈殿した混合物を、架橋を達成するのに十分な温度および時間で加熱し、組成物を提供すること、を含む。
【0062】
架橋剤として所定の金属イオンを用いる実施形態において、カルボキシアルキルセルロースの溶液と、金属イオン(例えば硫酸アルミニウム)とを混合することによって、室温で、またはその付近(すなわち約25℃)で、架橋された生成物の沈殿が生じる。
【0063】
その他の実施形態において、架橋は、架橋を達成するのに十分な温度および時間で加熱することによって達成することができる。架橋は、温度約50〜150℃で約5〜60分間加熱することによって達成することができる。架橋は、反応混合物の沈殿、反応混合物の溶媒抽出、または、沈殿した混合物の乾燥の最中に発生してもよい。
【0064】
その他の形態において、本発明は、上述のカルボキシアルキルセルロースポリマーネットワークを含む吸収製品を提供する。本カルボキシアルキルセルロースポリマーネットワークは、パーソナルケア吸収製品に包含させることができる。本カルボキシアルキルセルロースポリマーネットワークは、パーソナルケア吸収製品に包含させるために、複合材料に含ませることができる。複合材料は、本カルボキシアルキルセルロースポリマーネットワークを単独で含ませて、または、本カルボキシアルキルセルロースポリマーネットワークと、その他の材料(例えば、繊維状材料、結合材、その他の吸収材料、および、パーソナルケア吸収製品に一般的に用いられているその他の材料)とを混合して含ませて形成することができる。適切な繊維状材料としては、合成繊維、例えばポリエステル、ポリプロピレン、および、複合結合繊維;および、セルロース系繊維、例えばフラッフパルプ繊維、架橋されたセルロース系繊維、綿繊維、および、CTMP繊維が挙げられる。その他の適切な吸収材料としては、天然の吸収体、例えばミズゴケ、および、従来の合成高吸水体、例えばポリアクリレートが挙げられる。
【0065】
本発明のカルボキシアルキルセルロースポリマーネットワークから誘導された、または、それを含む吸収性複合材料は、多種多様な吸収性物品、例えば、おむつ(例えば使い捨てのおむつ)、および、トレーニングパンツ;女性用ケア製品、例えば生理用ナプキン、および、下着用ライナー;成人用失禁用製品;紙タオル;外科用および歯科用スポンジ;包帯;食品用トレイのパッド;などに、有利に包含させることができる。従って、その他の形態において、本発明は、本カルボキシアルキルセルロースポリマーネットワークを含む吸収性複合材料、構成物、および、吸収性物品を提供する。
【0066】
本カルボキシアルキルセルロースポリマーネットワークは、おむつのようなパーソナルケア吸収製品に包含させることができる。複合材料は、単独で用いてもよいし、または、有用な吸収性構成物を提供するために、1またはそれ以上のその他の層(例えば捕捉および/または拡散層)を吸収コアまたは保持層として連結させて用いてもよい。
【0067】
図1および2に、本発明のカルボキシアルキルセルロースポリマーネットワークを含む吸収性複合材料を包含する代表的な吸収性構成物を示す。図1に関して、構成物100は、上部の捕捉層20と組み合わせて保持層として用いられる複合材料10(すなわち、本カルボキシアルキルセルロースポリマーネットワークを含む複合材料)を含む。
【0068】
上記の吸収性複合材料と捕捉層との組み合わせを含む構成物に加えて、構成物はさらに、中間拡散層、捕捉層および複合材料を含んでもよい。図2は、捕捉層20と複合材料10との間に挟まれた中間層30(例えば拡散層)を有する構成物110を説明する。
【0069】
吸収性物品に、複合材料10ならびに構成物100および110を包含させることができる。一般的に、図3A〜Cに示される吸収性物品200、210および220は、それぞれ液体浸透性表面シート22、液体不浸透性裏当てシート24、および、複合材料10、構成物100、または、構成物110を含む。このような吸収性物品において、表面シートは、裏当てシートと結合させることができる。
【0070】
当然のことながら、本カルボキシアルキルセルロースポリマーネットワーク、および、本カルボキシアルキルセルロースポリマーネットワークを含む複合材料を包含するその他の吸収製品も設計することができる。
【0071】
以下の実施例は説明のために示すものであって、本発明を限定するものではない。
実施例
実施例1:一般的なカルボキシメチルセルロースの製造方法
この実施例において、本発明のカルボキシアルキルセルロースポリマーネットワークの製造において有用な代表的なカルボキシメチルセルロースの一般的な製造方法を説明する。
窒素雰囲気下で、軽度に漂白された乾燥履歴のないクラフトパルプ(25.0g、オーブンで乾燥させた)を、イソプロパノール(1.39L)と、0℃で30分間混合した。水酸化ナトリウム溶液(水中、40.56g、総重量94.74g)を、30分間かけて滴下して添加し、反応液を1時間撹拌しながら放置した。モノクロロ酢酸(22.69g)のイソプロパノール(55.55mL)溶液を、反応温度を55℃に高めながら、撹拌中のパルプに30分かけて滴下して添加した。この反応液を3時間撹拌し、次に、ろ過し、2Lのメタノール/水(70/30)溶液に入れ、酢酸で中和した。得られたスラリーをろ過によって回収し、2Lの70/30、80/20、および、90/10のエタノール/水の溶液、最後に100%メタノールでそれぞれ1回ずつ洗浄し、カルボキシメチルセルロース生成物を得た。
表3に、上述のようにしてパルプ(A1、B1、C1およびM1)から製造された水溶性カルボキシメチルセルロース(CMC SAP 75、77、78および98)の吸収特性を要約する。
【0072】
実施例2:カルボキシメチルセルロースの代表的な製造手順:白色度が低いパルプ
この実施例において、白色度が低いパルプからのカルボキシメチルセルロースの代表的な製造手順を説明する。
実施例1で説明した一般的な方法に従って、25%粘稠度の白色度が低い乾燥履歴のない数種のパルプ(40g)を、160gのイソプロパノール、様々な量の50%水酸化ナトリウム水溶液、および、42gのモノクロロ酢酸と混合し、65℃で3.5時間加熱した。表1に、カルボキシメチルセルロース生成物の特性を示す(CMC H、IおよびJ)。
【0073】
実施例3:カルボキシメチルセルロースポリマー繊維ネットワークの代表的な製造手順
この実施例において、繊維カルボキシメチルセルロースポリマーネットワークの代表的な製造手順を説明する。
実施例1で説明したように製造されたカルボキシメチルセルロースに、洗浄中または洗浄後に、架橋剤を含浸させた(81A)。次に、架橋が起こっている間に、含浸されたセルロースを乾燥させた。
表3に、上述のようにして製造された繊維ポリマーネットワーク(CMC SAP 81A)(カルボキシメチルセルロースの重量に基づき、4重量パーセントのグルタルアルデヒド)の吸収特性を要約する。
【0074】
実施例4:カルボキシメチルセルロースポリマーネットワークの代表的な製造手順
この実施例において、カルボキシメチルセルロースポリマーネットワークの代表的な製造手順を説明する。この手順において、ポリマーネットワーク生成物は、水溶液から再生することによって(例えば、乾燥するまで蒸発させること、または、水混和性の非溶媒を用いて沈殿させること)製造された。
実施例1で説明したように製造されたカルボキシメチルセルロースを、水または水:水混和性溶媒の混合物に溶解させた。適切な水:水混和性溶媒の混合物としては、水:アルコールの混合物が挙げられ、例えば水:アルコール(2:3w/w)混合物である。このカルボキシメチルセルロース溶液に、架橋剤(および必要に応じて架橋触媒)を添加した。次に、混合された溶液を、乾燥するまで蒸発させるか、または、非溶媒で沈殿させた。沈殿した混合物を乾燥させた(必要に応じて加熱した)。
吸収力試験のために、これらの方法によって製造されたポリマーネットワークを粒子(例えば約200〜800ミクロン)に粉砕した。
表3に、上述のようにして沈殿によって製造されたポリマーネットワーク(CMC SAP 80A)(カルボキシメチルセルロースの重量に基づき、4.7重量パーセントのジビニルスルホン)の吸収特性を要約する。
表3に、上述のようにして水(水/水混和性溶媒)を蒸発させることによって製造されたポリマーネットワーク(CMC SAP 77A、77B、79A、80B、82A、83A、84A、84B、95A、95B、95C、97A、93A、93B、94、99A、99B、99C、および、99D)の吸収特性を要約する。
【0075】
実施例5
この実施例において、自由膨潤容量(g/g)と遠心分離機容量(g/g)の測定方法を説明する。
自由膨潤容量(g/g)と遠心分離機容量(g/g)を測定するための材料、手順および計算は以下の通りである。
【0076】
試験材料
日本製の作製済みの空のティーバッグ(Drugstore.comの、IN PURSUIT OF TEAより入手可能、折り重なったふたを有するポリエステル製ティーバッグ93mm×70mm)(http:www.mesh.ne.jp/tokiwa/)。
おもり(小数点第4位の精度、風乾させたポリマーネットワーク(AD SAP)には0.0001g、および、ティーバッグの重量)。
タイマー。
1%食塩水。
クリップを備えたしずく受けのラック(NLM211)
実験用遠心分離機(NLM211、Spin−X遠心抽出器、モデル776S、3,300RPM、120v)。
【0077】
試験手順
1.AD SAPの固体含量を測定する。
2.ティーバッグの重さを予めを量り(ほぼ0.0001g)、記録する。
3.サンプルポリマーネットワーク(SAP)の重さを正確に量り(0.2025g+/−0.0025g)、記録し、予め重さを量ったティーバッグ(風乾させた(AD)バッグの重量)に入れる。(AD SAPの重量+ADバッグの重量=総乾燥重量)。
4.閉じたバッグの上からティーバッグの端を折る。
5.少なくとも2インチのコンテナー(少なくとも3インチの深さ)に、1%食塩水を満たす。
6.ティーバッグ(試験サンプルを含む)を平らに固定し、試験材料がバッグ中に均等に分配されるように振盪する。
7.ティーバッグを食塩水の表面に置き、タイマーを開始させる。
8.バッグを、指定された時間(例えば30分間)浸す。
9.バッグからあらゆる内容物がこぼれないように気をつけながらティーバッグを慎重に取り除き、しずく受けのラックのクリップから3分間つるす。
10.各バッグを慎重に取り除き、重さを量り、記録する(しずくの重量)。
11.遠心分離機の壁に、ティーバッグが触れないように気をつけながら、さらに壁にわたって均等にバランスをとるよう気をつけながら、ティーバッグを置く。
12.ふたを閉めてロックし、タイマーを開始させる。75秒間遠心する。
13.ふたのロックをはずし、バッグを取り出す。各バッグの重さを量り、重量を記録する(遠心分離後の重量)。
【0078】
計算
ティーバッグ材は、以下のようにして決定された吸収力を有する:
自由膨潤容量、係数=5.78
遠心分離機容量、係数=0.50
Z=オーブン乾燥したSAPの重量(g)/空気乾燥したSAPの重量(g)
【0079】
【数1】

【0080】
【数2】

【0081】
実施例6:加重下吸収量(AUL)を測定する方法
この実施例において、加重下吸収量(AUL)の測定方法を説明する。
AULを測定するための材料、手順および計算は以下の通りである。図4を参照すること。
【0082】
試験材料
メトラー・トレド(Mettler Toledo)のPB3002天秤、および、BALANCE−LINKソフトウェア、または、その他の互換性のある天秤およびソフトウェア。ソフトウェアセットアップ:30秒ごとに天秤で重量を記録する(これは、負の数と予想される)。ソフトウェアは、各値をエクセル(EXCEL)のスプレッドシートに置くことができる。
スタンドに固定されたフリットガラス(粗)フィルタープレートを備えた、コンテス(Kontes)の90mmのULTRA−WAREフィルター。
ボトルの底近くに排出管を備えた2Lのガラス製ボトル。
ボトルに適合したストッパーを介してガラス製チューブが備えられたゴム製ストッパー(空気注入口)。
タイゴン(TYGON)の管材料。
ステンレス鋼のロッド/プレキシガラスプランジャーアセンブリ(直径71mm)。
プランジャー上の場所まで貫通した穴を有するステンレス鋼のおもり(プランジャー+おもり=867g)
VWRの9.0cmのろ紙(Qualitative413、カタログ番号28310−048)、80mmのサイズに切断にする。
スコッチ(SCOTCH)の両面テープ。
0.9%食塩水。
【0083】
試験手順
1.フィルターの配置を、低いレベルに合わせる。
2.フリットガラス製フィルターとボトル中の食塩水のレベルが同じ高さになるように、フィルターの高さまたはボトル中の流体レベルを調節する。
3.管材料のよじれ、または、管材料中またはフリットガラス製フィルタープレートの下に気泡がないか確認する。
4.フィルターの上にろ紙を置き、ろ紙の上にステンレス鋼のおもりを置く。
5.ろ紙が十分に湿潤し、重量をかけた状態で平衡に達する間、5〜10分間待つ。
6.天秤をゼロに合わせる。
7.ろ紙が平衡に達するまで待っている間、底に両面テープを貼ったプランジャーを準備する。
8.プランジャー(テープ付き)を別の目盛りに置き、目盛りをゼロに合わせる。
9.プランジャーを乾燥試験材料(ポリマーネットワークのサンプル)に置き、両面テープで材料の単一層を底に接着させる。
10.ゼロ合わせされた目盛りで、プランジャーと試験材料の重さを量り、乾燥試験材料の重量を記録する(乾燥材料の重量は0.15g+/−0.05g)。
11.そのころには、ろ紙は、平衡状態であり、目盛りはゼロであると予想される。
12.天秤の値を記録するソフトウェアを開始させる。
13.おもりを取り除き、プランジャーと試験材料をフィルターアセンブリに置く。
14.おもりをプランジャーアセンブリに置く。
15.試験が完了するまで待つ(30または60分間)。
16.天秤の値を記録するソフトウェアを停止させる。
【0084】
計算
A=天秤の測定値(g)−1(試験材料によって吸収された食塩水の重量)
B=試験材料の乾燥重量(これは、AD重量に固体%ををかけることによって水分を補正できる)
AUL(g/g)=A/B(g1%食塩水/1g試験材料)
【0085】
実施例7:木材パルプのパルプの糖/リグニンの測定方法
この実施例において、高速液体クロマトグラフィーによる木材パルプのパルプの糖/リグニンの測定方法を説明する。本方法は、パルプの糖類の濃度を0.01%〜100%の範囲で測定する。
本方法において、パルプのポリマーまたは木材の糖類を、硫酸での蒸解によって単量体に変換する。パルプを粉砕し、重さを量り、硫酸で加水分解し、最終容量200mLに希釈し、ろ過し(残留した固体はリグニンとみなす)、再び希釈し(1.0mL+8.0mLのHO)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で解析する。
【0086】
クロマトグラフィー器具
ダイオネクス(Dionex)の4つの溶媒注入口を供えたGP50金属非含有のグラジエントポンプ。
ダイオネクスの、金の作用電極と固体状態の参照電極を備えたED40パルス電流滴定検出器。
ダイオネクスの、全てのカラム、ED40セルおよびインジェクターループを含む熱区画を備えたオートサンプラーAS50。
ダイオネクスの、1Lのプラスチックボトルを備えたPC10空気圧溶媒添加装置。
ヘリウムタンク、最低でも99.99%。
ダイオネクスの、溶媒流出口とヘリウムガス注入口キャップを備えた4×2Lのポリエチレン溶媒ボトル。
4mm×250mmの、カーボパック(CarboPac)PA1(ダイオネクスのP/N035391)イオン交換カラム。
4mm×50mmの、カーボパックPA1ガードカラム(ダイオネクスのP/N043096)。
4mm×50mmの、アミノトラップカラム(ダイオネクスのP/N 046122)。
ミリポア(Millipore)の、タイプHA0.45μフィルターを備えた溶媒ろ過装置。
【0087】
クロマトグラフィー試薬
蒸留した脱イオン水。
JTベーカー(JT Baker)の50%水酸化ナトリウム溶液。
JTベーカーの酢酸ナトリウム三水和物の超高純度バイオ試薬(Ultrapure Bioreagent)の2Mストック溶液(136.1g/L)。
【0088】
手順
実施例7で説明した蒸解方法で説明されているように、サンプルを調整する。注意:ここでHOとは、全てミリポアのHOのことである。
溶媒を調製する。
ヘリウムのブランケットの下に導入する前に、溶媒Aを蒸留し、脱イオン水にヘリウムを20分間噴霧する。
溶媒Bは、400mMのNaOH(2L)である。1960mLの水にヘリウムを20分間噴霧する。噴霧し続けながら、50mLのプラスチック製ピペットを用いて41.6mLの50%NaOHを添加する。50%NaOHの障害を最小化し、液体の中央部からそれを引き抜いた。これから、Na2CO3の汚染が減少されていることを確認する。スパージャーを用いて、試薬を混合し、続いてボトルを溶媒Bの位置に移し、ヘリウムで包囲する。
溶媒Dは、200mMの酢酸ナトリウムである。約1500mLの水に、49gの酢酸ナトリウム三水和物(JTベーカーの超高純度バイオ試薬)を量って入れる。撹拌プレート上で溶解するまで撹拌する。これを、ミリポアの0.45μのタイプHAメンブレンを備えたろ過装置を用いて、1800mLのフィルターに調製して2000mLの枝付きフラスコに入れた。これを溶媒Dのボトルに添加し、次にヘリウムを20分間噴霧する。ボトルを溶媒Dの位置に移し、ヘリウムで包囲する。
溶媒添加溶媒は、200mMのNaOH(1L)である。これを、糖類をアニオンとして検出できるように、pH14でポストカラムに添加する。10.4mLの50%NaOHを、1Lの水に添加する。その前の溶出で多量の試薬が残留している場合、500mLの水と5.2mLの50%NaOHを用いてもよい。試薬をPC10空気圧溶媒添加装置に添加する。
クロマトグラフを設定する(機器パネル上のセレクトキーを使用して、リモート/ローカル、および、ダイレクト/スケジュールコントロールを切り替える)。
ポンプフロー複合材料を溶媒A40%、溶媒B30%および溶媒D30%に設定し、流速を1mL/分に設定する。圧力トランスデューサーの緩急弁を開き、次に、呼び水をブロックするルアーポートバルブ(Priming Block Luer Port valve)を開く。呼び水機能を有効にし、10mLの溶媒をプラスチック製シリンジを用いて取り除く。呼び水機能を無効にし、パージバルブを閉じ、次に、ドローオフバルブを閉じる。2回以上繰り返す。
ポンプを溶媒A/溶媒B(50/50)に設定する。1mL/分で20分間、または、0.2mL/分で2時間溶出させてカラムを洗浄する。ED40検出器セルを作動させる。AS50の温度機能を25℃に設定する。
AS50のスケジュールを設定する。パルプの糖類に関連する全てのPeakNetのメインメニューファイルは、サブフォルダ(方法、スケジュールおよびデータ)を含むpsugarフォルダにある。スケジュールは、extention.sasを含む。テンプレートとして優先式スケジュールを使用する。まず、HSOブランク(サンプルと同じ濃度に希釈)の3つのインジェクションを製造する;その他全てのバイアルは、それぞれ1つのインジェクションを有する。インジェクション容積は、全てのサンプルについて5μLであり、インジェクションのタイプは、「パーシャル(Partial)」であり、カット容積は10μLであり、シリンジの速度は3であり、全てのサンプルおよび標準は、サンプルタイプ「サンプル」に属し、目下の機器の方法は、sugarsgradient4.Metであり、データファイルストレージのラベルは「データ」であり、「Dilution(希釈)」、「Weight(重量)」および「Int.Std.(内部標準)」値は全て、1に等しく設定される。
サンプル群(4つより多くのサンプルで構成される)の最初と終わりに4つの標準を溶出させる。
サンプルを溶出させる。
溶媒添加ポンプスイッチをオンにし、基準線アイコンをクリックする。PC10の圧力ダイアルを用いて、合計の流速を、5mLのメスシリンダーとストップウォッチで1.5mL/分に調節する(カラムからは1mL/分、および、溶媒添加溶出液に関しては0.5mL/分)。シリンダーに3.0mL入るようにフローを2.0分間測定する。
基準線が確立された後に、「ラン(Run)」アイコンをクリックする。
溶出が完了した後に、オートサンプラー、ED40およびポンプを、ローカルおよびダイレクトコントロールに切り替える。オーブン温度を20℃、に変え、オーブンが冷えるまでフローを2〜3分間継続させる。ポンプフローを、2〜3分間、100%水で1mL/分に変え、蒸留水でポンプヘッドからNaOHを洗い落とす。
計算
【0089】
【数3】

【0090】
正規化領域を、y値対糖濃度x値(μg/mL)としてプロットする。スプレッドシート機能により、標準曲線の傾きと切片(ゼロは接点に含めない)を計算する。
【0091】
【数4】

【0092】
実施例8:パルプの糖類をクロマトグラフィーで解析するための木材パルプの製造方法
この実施例において、パルプの糖類をクロマトグラフィーで解析するための木材パルプの製造方法を説明する。
この方法は、パルプの糖類を高速液体クロマトグラフィーで解析するための木材パルプの製造に適用可能である。
パルプのポリマーまたは木材の糖類は、硫酸での蒸解によって単量体に変換される。パルプを粉砕し、重さを量り、硫酸で加水分解し、最終容量200mLに希釈し、ろ過し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で解析するための製造において再び希釈する(1.0mL+8.0mLのHO)。
60〜100mgのサンプルは、1回の解析に必要な最小限の量である。均質性に関するエラーを回避するためには、1〜2グラムが好ましい。
【0093】
サンプルの取り扱い
風乾させたサンプルは該当しない。サンプルが湿潤している場合、サンプルを空気乾燥させるか、または、オーブンに25+/−5℃で乾燥するまで入れることができる。
【0094】
器具
オートクレーブ。
クロマトグラフィー法のための10mLのポリエチレン製バイアル。
ジロトリー(Gyrotory)ウォーターバス振盪機、モデルG76。
±0.01mgまで重さを量ることができる天秤(例えばメトラーのHL52化学天秤)。
インターメディエイト・トーマス・ワイリー・ラボラトリーミル(Intermediate Thomas−Wiley Laboratory Mill)、20メッシュスクリーン。
NAC1506真空オーブン。
ブリンクマン(Brinkman)の化学耐性ボトルトップディスペンザー、容量5mL。
50mLのボトルトップディスペンザー、EMサイエンス(EM Sciences)。
10mLのプラスチック製使い捨てのシリンジ、VWR。
6cm角に切断したアルミニウムホイル。
5cm角に切断したキムワイプ(Kimwipe)。
16mLの褐色ガラス製の貯蔵バイアル。
0.45μのGHPフィルター、ジェルマン(Gelman)。
調節可能な1mLの容積式ピペットおよびチップ、ギルソン(Gilson)。
注ぎ口を有する厚肉の試験管、2.5×20cm。
【0095】
試薬
72%硫酸溶液(HSO):2Lのエルレンマイヤーフラスコに183mLの水を移す。氷槽中でフラスコを密封し、冷やす。このフラスコに、ゆっくり、かつ慎重に、470mLの96.6%HSOを回しながら注ぐ。
フコース、内部標準:2.0+/−1gのフコース[2438−80−4]を100.0mLのHOに溶解させ、20.0+/−1mg/mlの濃度にする。この標準を、LC冷蔵庫で保存する。
溶解したパルプ標準−T510コントロールパルプ。
クラフトコントロールパルプ標準。
有効数字4桁(mg)までそれぞれの糖の重さを別々に量り、100mLの容量式フラスコに移す。糖類を少量の水に溶解させる。水で容積を合わせ、よく混合し、清浄な4オンスの褐色ボトルに内容物を移す。
クラフトパルプ標準ストック溶液:有効数字4位まで(mg)それぞれの糖の重さ別々にを量り、100mLの容量式フラスコに移す。糖類を少量の水に溶解させる。水で容積を合わせ、よく混合し、清浄な4オンスの褐色ボトルに内容物を移す。
【0096】
手順
ここでHOとは、全てミリポアのHOのことである。
サンプル調整物:〜0.5〜1gのパルプを、ワイリー・ミル(20メッシュスクリーンサイズ)で粉砕し、粉砕されたサンプルを50mLのビーカーに回収する。〜200mgのサンプル(要請があれば二連で)を40mLのテフロン(登録商標)(TEFLON)コンテナーに置く。NAC1506真空オーブンに置く。扉の掛け金をかける。放出バルブ(真空オーブン上部の左側にある)を閉じる。温度スイッチをオンにし、適切な温度環境をチェックする。真空バルブ(真空オーブンの右側にある)を開ける。メインの真空バルブを開ける。真空オーブン中で、50+/−5℃、125mmHgで、一晩乾燥させる。
メインの真空バルブとオーブンの真空バルブをオフにする。放出バルブを開ける。温度スイッチをオフにする。圧力が760mmHgに戻るまで待つ。
サンプルを真空オーブンから取り出す。サンプルをデシケーター中で30分間冷却する。
標準を冷蔵庫から取り出し、室温に戻す。
ジロトリーのウォーターバス振盪機のヒーターをオンにする。その設定は以下の通り:
熱:高温
制御サーモスタット:30℃
安全サーモスタット:25℃
速度:1.48
振盪機:オフ。
ウォーターバスのレベルをチェックし、サンプルが水位より下になるように必要に応じて継ぎ足す。
テフロン(登録商標)製のコンテナーとサンプルの風袋を0.000にする。ピンセットを用いて、60〜100mgのサンプルを100mLの試験管に入れる。再度、コンテナーとサンプルの重さを量り、マイナスの重量を記録する。
1.0mLの72%HSOをブリンクマンのディスペンザーを用いて試験管に添加する。撹拌ロッドの回転端で1分間撹拌し、確実に繊維を湿潤させ、全ての塊が破砕させる。
試験管をジロトリーのウォーターバス振盪機に置く。各サンプルを、1回目は20〜40分間、次に40〜60分間、次に60〜80分間で3回撹拌する。90分後にサンプルを取り出す。
サンプルを加熱している間、ブリンクマンのディスペンザーを28mLの水を分取するために調整する。ビーカーの風袋を0.00gにする。28±0.1gの水を分取する。水の重さを量り、それに応じてブリンクマンのディスペンザーを調節する。
90分で、サンプルを撹拌しているロッドを28±0.1gのHOでゆすぐ。
自動式ピペットを1±0.001mLに調整する。サンプルに、1.000mLの内部標準(フコース)を投入する。この溶液をボルテックスで混合する。
アルミニウムホイルできつく覆いをし、ホイルがオートクレーブで外れないようにする。
オートクレーブの排水溝を閉じる。オートクレーブに4Lの水を添加する。サンプルと標準が入った試験管ラックをオートクレーブ内の棚に置く。扉を閉じ、ロックする。タイマーを「0」に調整する。タイマーは、60分間に設定されると予想される。20分後に、圧力を14〜16psi(95〜105kPa)、温度を>260°F(127℃)になるようにオートクレーブをチェックする。
75分後に、サンプルをオートクレーブから取り出す。
サンプルを1時間冷却する。
サンプルを200mLの容量式フラスコに注ぐ。調整されたブリンクマンのディスペンザーを用いて、試験管の側面を28.0mLのHOのアリコートで洗い落とす。ボルテックスで混合する。容量式フラスコに注ぐ。2つ以上のHOのアリコートで繰り返し試験管の側面を洗い落とす。蒸解の前に、各サンプルと標準が正確に同じ方法で処理されるように、調整された容積のディスペンザーの水を用いる。蒸解後に、ディスペンザーを予め28.0mLに設定する。この量で洗い落とすことにより、確実に試験管の側面がよく洗い落とされる。
フラスコにビーカーからHOを注ぎ、使い捨てのピペットでメニスカスを調節することで、フラスコを最終容量にする。ストッパーを転回させ、3回振盪する。
ブリンクマンのディスペンザーを8.0±0.01mLに調整する。8.0mLのHOをダイオネクスのバイアルに投入する。
使い捨ての10mLのシリンジを用いて、サンプルのアリコートを、GHP0.45μのフィルターで、ラベルを付した16mLの琥珀色のバイアルにろ過する。容量式フラスコからバイアルにラベルをを移す。
1.000mLのシリンジを用いて、1.000mLのサンプルのアリコートをダイオネクスのバイアルに添加する。ダイオネクスのバイアルと琥珀色のバイアルの蓋をする。
【0097】
クラフトパルプ標準:4つの25mLの容量式フラスコに、クラフトパルプ標準をそれぞれ添加する:
0.400mL
0.800mL
1.200mL
1.600mL
125μLの72%HSOを各標準に添加する。125μLのフコース内部標準を各標準に添加する。7mLのHOを各標準に添加する。アルミニウムホイルで覆いをし、サンプルをオートクレーブする。
Oで最終容量にする。
使い捨ての10mLのシリンジを用いて、標準を、ラベルを付した16mLの琥珀色のバイアルにGHPフィルターでろ過する。
1.000mLのシリンジを用いて、ダイオネクスのバイアル中で1.000mLの標準を8.0mLのHOに添加する。ダイオネクスのバイアルと琥珀色のバイアルの蓋をする。
【0098】
T510コントロール溶解パルプ標準
4つの25mLの容量式フラスコに、T510コントロール溶解パルプストックをそれぞれ添加する:
0.400mL
0.800mL
1.200mL
1.600mL
125μLの72%HSOを各標準に添加する。125μLのフコース内部標準を各標準に添加する。7mLのHOを各標準に添加する。アルミニウムホイルで覆いをし、サンプルをオートクレーブする。HOで最終容量にする。
使い捨ての10mLのシリンジを用いて、標準を、ラベルを付した16mLの琥珀色のバイアルにGHPフィルターでろ過する。1.0mLのハミルトン(Hamilton)のシリンジを用いて、ダイオネクスのバイアル中で、1.0mLの標準を8.0mLのHOに添加する。ダイオネクスのバイアルと琥珀色のバイアルの蓋をする。
【0099】
本発明の好ましい実施形態を図説し、説明したが、当然のことながら、そこに本発明の本質と範囲から逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0100】
本発明の限定的な特性または権利を特許請求する実施形態は、以下のように定義される:
(1) 約1〜約65のカッパー値を有するパルプから得られたカルボキシアルキルセルロースを、カルボキシアルキルセルロースを水不溶性にするのに有効な量の架橋剤と反応させることを含む、架橋されたカルボキシアルキルセルロースの製造方法。
(2) 前記カルボキシアルキルセルロースは、カルボキシメチルセルロース、および、カルボキシエチルセルロースからなる群より選択される、(1)に記載の方法。
(3) 前記カルボキシアルキルセルロースは、未漂白セルロースまたは軽度に漂白されたセルロースから得られる、(1)に記載の方法。
(4) 前記パルプは、前記セルロースの約0.15〜約10重量パーセントのリグニン含量を有する、(1)に記載の方法。
(5) 前記パルプは、前記セルロースの約0.1〜約17重量パーセントのヘミセルロース含量を有する、(1)に記載の方法。
(6) 前記カルボキシアルキルセルロースは、約0.4〜約1.4のカルボキシル置換度を有する、(1)に記載の方法。
(7) 前記架橋剤は、アルデヒド、ジアルデヒド、ジアルデヒド亜硫酸水素ナトリウム付加生成物、二ハロゲン化物、ジエン、ジエポキシド、ハロエポキシド、ジカルボン酸、ポリカルボン酸、ジオール、ジアミン、アミノール、ポリオキサゾリン官能化ポリマー、多価カチオン、ポリカチオン性ポリマー、および、それらの混合物からなる群より選択される、(1)に記載の方法。
(8) 架橋されたカルボキシアルキルセルロースの製造方法であって、(a)約1〜約65のカッパー値を有するパルプから得られたカルボキシアルキルセルロースと、カルボキシアルキルセルロースを水不溶性にするのに有効な量の架橋剤とを、水溶液中で混合し、反応混合物を提供すること;(b)水混和性溶媒の添加によって、前記反応混合物を沈殿させ、沈殿した混合物を提供すること;(c)前記沈殿した混合物を回収すること;および、(d)前記沈殿した混合物を架橋させ、架橋されたカルボキシアルキルセルロースを提供すること、を含む、前記製造方法。
(9) 前記カルボキシアルキルセルロースは、カルボキシメチルセルロース、および、カルボキシエチルセルロースからなる群より選択される、(8)に記載の方法。
(10) 前記カルボキシアルキルセルロースは、未漂白セルロースまたは軽度に漂白されたセルロースから得られる、(8)に記載の方法。
(11) 前記パルプは、前記セルロースの約0.15〜約10重量パーセントのリグニン含量を有する、(8)に記載の方法。
(12) 前記パルプは、前記セルロースの約0.1〜約17重量パーセントのヘミセルロース含量を有する、(8)に記載の方法。
(13) 前記カルボキシアルキルセルロースは、約0.4〜約1.4のカルボキシル置換度を有する、(8)に記載の方法。
(14) 前記架橋剤は、アルデヒド、ジアルデヒド、ジアルデヒド亜硫酸水素ナトリウム付加生成物、二ハロゲン化物、ジエン、ジエポキシド、ハロエポキシド、ジカルボン酸、ポリカルボン酸、ジオール、ジアミン、アミノール、ポリオキサゾリン官能化ポリマー、多価カチオン、ポリカチオン性ポリマー、および、それらの混合物からなる群より選択される、(8)に記載の方法。
(15) 架橋されたカルボキシアルキルセルロースの製造方法であって:(a)約1〜約65のカッパー値を有するパルプから得られたカルボキシアルキルセルロースを、カルボキシアルキルセルロースを水不溶性にするのに有効な量の架橋剤で処理し、反応混合物を提供すること;および、(b)前記反応混合物を架橋させ、架橋されたカルボキシアルキルセルロースを提供すること、を含む、前記方法。
(16) 前記カルボキシアルキルセルロースは、カルボキシメチルセルロース、および、カルボキシエチルセルロースからなる群より選択される、(15)に記載の方法。
(17) 前記パルプは、前記セルロースの約0.15〜約10重量パーセントのリグニン含量を有する、(15)に記載の方法。
(18) 前記パルプは、前記セルロースの約0.1〜約17重量パーセントのヘミセルロース含量を有する、(15)に記載の方法。
(19) 前記カルボキシアルキルセルロースは、約0.4〜約1.4のカルボキシル置換度を有する、(15)に記載の方法。
(20) 前記架橋剤は、アルデヒド、ジアルデヒド、ジアルデヒド亜硫酸水素ナトリウム付加生成物、二ハロゲン化物、ジエン、ジエポキシド、ハロエポキシド、ジカルボン酸、ポリカルボン酸、ジオール、ジアミン、アミノール、ポリオキサゾリン官能化ポリマー、多価カチオン、ポリカチオン性ポリマー、および、それらの混合物からなる群より選択される、(15)に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明のカルボキシルアルキルセルロースポリマーネットワークを包含し、捕捉層を有する吸収性構成物の断面図である。
【図2】本発明のカルボキシルアルキルセルロースポリマーネットワークを包含し、捕捉および拡散層を有する吸収性構成物の断面図である。
【図3】図3A−Cは、本発明のカルボキシルアルキルセルロースポリマーネットワーク、および、吸収性構成物(それぞれ図1および2で説明)を含む複合材料を包含する吸収性物品の断面図である。
【図4】加重下吸収量(AUL)値を測定するための装置の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約1〜約65のカッパー値を有するパルプから得られたカルボキシアルキルセルロースを、カルボキシアルキルセルロースを水不溶性にするのに有効な量の架橋剤と反応させることを含む、架橋されたカルボキシアルキルセルロースの製造方法。
【請求項2】
前記カルボキシアルキルセルロースは、カルボキシメチルセルロース、および、カルボキシエチルセルロースからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カルボキシアルキルセルロースは、未漂白セルロースまたは軽度に漂白されたセルロースから得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記パルプは、前記セルロースの約0.15〜約10重量パーセントのリグニン含量を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記パルプは、前記セルロースの約0.1〜約17重量パーセントのヘミセルロース含量を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記カルボキシアルキルセルロースは、約0.4〜約1.4のカルボキシル置換度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記架橋剤は、アルデヒド、ジアルデヒド、ジアルデヒド亜硫酸水素ナトリウム付加生成物、二ハロゲン化物、ジエン、ジエポキシド、ハロエポキシド、ジカルボン酸、ポリカルボン酸、ジオール、ジアミン、アミノール、ポリオキサゾリン官能化ポリマー、多価カチオン、ポリカチオン性ポリマー、および、それらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
架橋されたカルボキシアルキルセルロースの製造方法であって、
(a)約1〜約65のカッパー値を有するパルプから得られたカルボキシアルキルセルロースと、カルボキシアルキルセルロースを水不溶性にするのに有効な量の架橋剤とを、水溶液中で混合し、反応混合物を提供すること;
(b)水混和性溶媒の添加によって、前記反応混合物を沈殿させ、沈殿した混合物を提供すること;
(c)前記沈殿した混合物を回収すること;および、
(d)前記沈殿した混合物を架橋させ、架橋されたカルボキシアルキルセルロースを提供すること、
を含む、前記製造方法。
【請求項9】
前記カルボキシアルキルセルロースは、カルボキシメチルセルロース、および、カルボキシエチルセルロースからなる群より選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記カルボキシアルキルセルロースは、未漂白セルロースまたは軽度に漂白されたセルロースから得られる、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記パルプは、前記セルロースの約0.15〜約10重量パーセントのリグニン含量を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記パルプは、前記セルロースの約0.1〜約17重量パーセントのヘミセルロース含量を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記カルボキシアルキルセルロースは、約0.4〜約1.4のカルボキシル置換度を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記架橋剤は、アルデヒド、ジアルデヒド、ジアルデヒド亜硫酸水素ナトリウム付加生成物、二ハロゲン化物、ジエン、ジエポキシド、ハロエポキシド、ジカルボン酸、ポリカルボン酸、ジオール、ジアミン、アミノール、ポリオキサゾリン官能化ポリマー、多価カチオン、ポリカチオン性ポリマー、および、それらの混合物からなる群より選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
架橋されたカルボキシアルキルセルロースの製造方法であって:
(a)約1〜約65のカッパー値を有するパルプから得られたカルボキシアルキルセルロースを、カルボキシアルキルセルロースを水不溶性にするのに有効な量の架橋剤で処理し、反応混合物を提供すること;および、
(b)前記反応混合物を架橋させ、架橋されたカルボキシアルキルセルロースを提供すること、
を含む、前記方法。
【請求項16】
前記カルボキシアルキルセルロースは、カルボキシメチルセルロース、および、カルボキシエチルセルロースからなる群より選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記パルプは、前記セルロースの約0.15〜約10重量パーセントのリグニン含量を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記パルプは、前記セルロースの約0.1〜約17重量パーセントのヘミセルロース含量を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記カルボキシアルキルセルロースは、約0.4〜約1.4のカルボキシル置換度を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記架橋剤は、アルデヒド、ジアルデヒド、ジアルデヒド亜硫酸水素ナトリウム付加生成物、二ハロゲン化物、ジエン、ジエポキシド、ハロエポキシド、ジカルボン酸、ポリカルボン酸、ジオール、ジアミン、アミノール、ポリオキサゾリン官能化ポリマー、多価カチオン、ポリカチオン性ポリマー、および、それらの混合物からなる群より選択される、請求項15に記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
5のカッパー値を有するパルプから得られたカルボキシアルキルセルロースを、カルボキシアルキルセルロースを水不溶性にするのに有効な量の架橋剤と反応させることを含む、架橋されたカルボキシアルキルセルロースの製造方法。
【請求項2】
前記カルボキシアルキルセルロースは、カルボキシメチルセルロース、および、カルボキシエチルセルロースからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カルボキシアルキルセルロースは、未漂白セルロースまたは軽度に漂白されたセルロースから得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記パルプは、前記セルロースの.15〜0重量パーセントのリグニン含量を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記パルプは、前記セルロースの.1〜7重量パーセントのヘミセルロース含量を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記カルボキシアルキルセルロースは、.4〜.4のカルボキシル置換度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記架橋剤は、アルデヒド、ジアルデヒド、ジアルデヒド亜硫酸水素ナトリウム付加生成物、二ハロゲン化物、ジエン、ジエポキシド、ハロエポキシド、ジカルボン酸、ポリカルボン酸、ジオール、ジアミン、アミノール、ポリオキサゾリン官能化ポリマー、多価カチオン、ポリカチオン性ポリマー、および、それらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
架橋されたカルボキシアルキルセルロースの製造方法であって、
(a)5のカッパー値を有するパルプから得られたカルボキシアルキルセルロースと、カルボキシアルキルセルロースを水不溶性にするのに有効な量の架橋剤とを、水溶液中で混合し、反応混合物を提供すること;
(b)水混和性溶媒の添加によって、前記反応混合物を沈殿させ、沈殿した混合物を提供すること;
(c)前記沈殿した混合物を回収すること;および、
(d)前記沈殿した混合物を架橋させ、架橋されたカルボキシアルキルセルロースを提供すること、
を含む、前記製造方法。
【請求項9】
前記カルボキシアルキルセルロースは、カルボキシメチルセルロース、および、カルボキシエチルセルロースからなる群より選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記カルボキシアルキルセルロースは、未漂白セルロースまたは軽度に漂白されたセルロースから得られる、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記パルプは、前記セルロースの.15〜0重量パーセントのリグニン含量を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記パルプは、前記セルロースの.1〜7重量パーセントのヘミセルロース含量を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記カルボキシアルキルセルロースは、.4〜.4のカルボキシル置換度を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記架橋剤は、アルデヒド、ジアルデヒド、ジアルデヒド亜硫酸水素ナトリウム付加生成物、二ハロゲン化物、ジエン、ジエポキシド、ハロエポキシド、ジカルボン酸、ポリカルボン酸、ジオール、ジアミン、アミノール、ポリオキサゾリン官能化ポリマー、多価カチオン、ポリカチオン性ポリマー、および、それらの混合物からなる群より選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
架橋されたカルボキシアルキルセルロースの製造方法であって:
(a)5のカッパー値を有するパルプから得られたカルボキシアルキルセルロースを、カルボキシアルキルセルロースを水不溶性にするのに有効な量の架橋剤で処理し、反応混合物を提供すること;および、
(b)前記反応混合物を架橋させ、架橋されたカルボキシアルキルセルロースを提供すること、
を含む、前記方法。
【請求項16】
前記カルボキシアルキルセルロースは、カルボキシメチルセルロース、および、カルボキシエチルセルロースからなる群より選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記パルプは、前記セルロースの.15〜0重量パーセントのリグニン含量を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記パルプは、前記セルロースの約.1〜7重量パーセントのヘミセルロース含量を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記カルボキシアルキルセルロースは、.4〜.4のカルボキシル置換度を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記架橋剤は、アルデヒド、ジアルデヒド、ジアルデヒド亜硫酸水素ナトリウム付加生成物、二ハロゲン化物、ジエン、ジエポキシド、ハロエポキシド、ジカルボン酸、ポリカルボン酸、ジオール、ジアミン、アミノール、ポリオキサゾリン官能化ポリマー、多価カチオン、ポリカチオン性ポリマー、および、それらの混合物からなる群より選択される、請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−188697(P2006−188697A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−376879(P2005−376879)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(302009279)ウェヤーハウザー・カンパニー (36)
【Fターム(参考)】