説明

カレンダー装置

【課題】スケジュール管理装置などに記憶された個人のスケジュールを手軽に確認することができるカレンダー装置を提供すること。
【解決手段】カレンダー装置に電池がセットされると、CPU10は、カレンダーIC15から現在の年、月に関する情報を取得し、当該年、月に対応するカレンダー画像をLCD2に表示させる。また、外部のPCにインストールされたスケジュール管理プログラムにおいてスケジュールの入力または更新が行われ、当該入力または更新されたスケジュールの情報が送信されると、アンテナ4を介して受信装置13が受信し、CPU10が、受信したスケジュールの情報に応じて、そのスケジュールの内容をLCD2に表示されているカレンダー内に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ひと月ごとのカレンダーを、各日付に対応したスケジュールとともに画像表示装置に表示するカレンダー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パーソナルコンピュータ(以下、PCという)や携帯型情報端末装置などを利用して、個人のスケジュールを記憶し、表示するスケジュール管理装置やスケジュール管理システムが数多く提案されている。また、近年では、ネットワークの普及に伴って、各種イベント情報などを配信し、PCや携帯型情報端末装置に表示された予定表内に反映させるものも提案されている。
【0003】
たとえば、特許文献1には、予定表機能として、対象年月日とその前後の月のカレンダーを表示する機能、スケジュールの入力/編集機能、および、対象年月日のスケジュールを表示する機能などを有する携帯情報通信端末装置が開示されている。また、特許文献2には、音声またはキーボードからスケジュールを入力することができる情報端末機が開示されている。また、特許文献3には、PCのモニタに表示された1つのウインドウ内の左半分に静止画像および広告文字情報を表示し、右半分に当月のカレンダーを表示するとともに、当該カレンダー内の各日付に対応して、その日のスケジュールが表示されるようにした電子広告カレンダーソフトが開示されている。
【0004】
また、特許文献4には、サーバから各種スポーツまたはコンサートの開催日や、映画・音楽ソフトの発売日などのスケジュールデータのうち、所望するスケジュールデータを選択してダウンロードし、情報端末装置の画面に表示された予定表の中に表示するようにしたスケジュール管理システムが開示されている。さらに、特許文献5には、携帯情報端末装置にスケジュールが入力されると、その時刻、内容、場所がサーバへ送信され、これを受信したサーバは、その時刻、内容、場所に関連したサービスインフォメーションを返信して上記携帯情報端末装置の予定表内に表示させるシステムが開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開平9−152955
【特許文献2】特開平11−232228
【特許文献3】特開2001−76047
【特許文献4】特開2002−351849
【特許文献5】特開2003−203084
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した各種装置におけるスケジュール管理機能は、いずれも情報端末装置やPCに搭載されたものであるため、スケジュールを確認する場合、それら装置の電源を投入し、スケジュール管理機能を呼び出さなければならないという手間が生じていた。特に、PCによって実現されるスケジュール管理機能の場合、PCの電源を投入してから実際に利用可能な状態となるまで時間がかかることがあり、即応性に欠けるという問題がある。
【0007】
また、上述した各種装置におけるスケジュール管理機能は、いずれもその装置における1つの機能に過ぎないため、他の機能を実行する場合は画面内に表示された予定表を一旦閉じなければならない。したがって、常時予定表を表示させておくことができず、手軽にスケジュールを確認することができないという問題がある。
【0008】
そこで本発明は、たとえばスケジュール管理装置などに記憶された個人のスケジュールを手軽に確認することができるカレンダー装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は、画像を表示する画像表示装置と、カレンダー画像データを記憶したカレンダー記憶手段と、少なくとも年月日および用件に関する情報を含むスケジュール情報を記憶するスケジュール記憶手段と、前記カレンダー画像データに基づくカレンダー画像および該カレンダー画像の各日付に対応する前記スケジュール情報を、前記画像表示装置に表示させる表示制御手段とを有するカレンダー装置において、外部から送信された前記スケジュール情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信したスケジュール情報を、前記スケジュール記憶手段に記憶させる記憶更新手段とを有してなり、前記表示制御手段は、前記記憶更新手段により更新されたスケジュール情報を、前記画像表示装置に表示されたカレンダー画像内に表示させることを特徴としている。
【0010】
上述したカレンダー装置によれば、外部の画像表示装置にカレンダー画像を表示するとともに、当該カレンダー画像の各日付に対応して、たとえば外部から送信されたスケジュール情報が表示される。たとえば、送信装置を有するスケジュール管理装置などが上述したスケジュール情報を送信した場合、そのスケジュール情報が、カレンダー画像の各日付に対応して表示される。したがって、この場合、上記スケジュール管理装置と別体のカレンダー装置において、上記スケジュール管理装置に記録されているスケジュール情報を手軽に確認することができる。ここで、上述したスケジュール管理装置の例としては、スケジュール管理プログラムを実行するパーソナルコンピュータおよびスケジュール管理機能を有する情報端末装置などが挙げられる。
【0011】
また、内部にスケジュール管理プログラムを有し、当該スケジュール管理プログラム基づいてスケジュール情報を生成する制御手段を具備したパーソナルコンピュータから前記スケジュール情報を受信する受信手段を備えたカレンダー装置であって、画像を表示する画像表示装置と、カレンダー画像データを記憶したカレンダー記憶手段と、少なくとも年月日および用件に関する情報を含む、前記受信手段によって受信したスケジュール情報を記憶するスケジュール記憶手段と、前記カレンダー画像データに基づくカレンダー画像および該カレンダー画像の各日付に対応する前記スケジュール情報を、前記画像表示装置に表示させる表示制御手段と、前記パーソナルコンピュータの起動状態に関わらず、前記スケジュール情報を前記表示制御手段の制御の下で前記画像表示装置に表示するための駆動電源供給手段とを有してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、たとえば、スケジュール管理装置などからスケジュールに関する情報が送信された場合、そのスケジュールの内容を、当該スケジュール管理装置などの稼動状態に影響されることなく手軽に確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明のカレンダー装置に係る好適な実施の形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施の形態におけるカレンダー装置の外観を示す斜視図である。本実施の形態におけるカレンダー装置は、通常は机の上などに置いて使用される持ち運び可能な卓上型のカレンダー装置である。図1に示すように、カレンダー装置1の正面には、カレンダーを表示するための液晶画像表示装置(以下、LCDという)2が配置されている。また、LCD2の表面には、光透過性を有するアナログ抵抗膜方式のタッチパネル3が設けられている。タッチパネル3は、指やペンなどによりその表面に圧力がかけられると、当該圧力がかけられた位置に対応する座標値信号を出力する。
【0014】
カレンダー装置1の上部左側には、外部のPCから無線で送信されたデータを受信するためのアンテナ4が設けられている。LCD2の下側には、LCD2に表示されている月のカレンダーを、先月のカレンダー表示に切り替えるためのカーソルキー5Lと、来月のカレンダー表示に切り替えるためのカーソルキー5Rとが配設されている。また、カーソルキー5L,5Rの間には、カレンダー装置1内で計時している時刻および年月日を設定または修正するための時刻設定キー6が配設されている。
【0015】
次に図2を参照して、カレンダー装置1内に収容されているハードウェア構成について説明する。図2において、CPU10は、ROM11に記憶されたプログラムに従って、カレンダー装置1内部の各構成を制御する。ROM11は、上述したプログラムに加え、カレンダー装置1に予め付与されているID情報、LCD2にカレンダー等の各種画像を表示するための文字、数字、画像データ、および、各種画像の表示位置に関する情報などが記憶されている。このほかにも、各年における各月の第一日目が何曜日になるかといった情報や、各月が大の月か小の月かを示す情報なども記憶されている。RAM12は、CPUが各種処理を行う際に参照または生成する各種データを一時的に格納する。
【0016】
受信装置13は、アンテナ4を介して受信したスケジュールデータ等をCPU10に対して出力する。EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)14は、外部のPCから送信されてきたスケジュールデータを記憶する。このスケジュールデータは、年・月・日を示すデータと、該データにより示される日付に対応する予定の件名、時間、内容、場所等を示すデータとが対応付けられたものである。カレンダーIC15は、内部に水晶発振子を有して常時計時を行い、CPU10からの要求に応じて現在の年月日、曜日、時刻データを出力する。画像表示制御IC16は、CPU10の指示に従ってLED2に表示する画像データをビデオRAM17に書き込むとともに、ビデオRAM17に書き込んだ画像データを、LCDドライバ18を介してLCD2へ表示させる。
【0017】
上述した各種デバイスと、タッチパネル3、カーソルキー5L,5R、および、時刻設定キー6とは、バス20を介してCPU10と接続されている。また、各種デバイスの電源は、乾電池などのバッテリー(図示略)によって供給される。
【0018】
次に図3および図4を参照して、LCD2に表示されるカレンダーの画像について説明する。図3は、LCD2の画面に表示されるカレンダーの内容を示す図であり、図4は、図3において一点鎖線で囲んだ部分を拡大して図示したものである。
【0019】
図3に示すように、LCD2の画面内には、図中、それぞれ破線で示す、西暦表示領域Yと、月表示領域Mと、カレンダー表示領域Cとが予め定められている。ここで、各表示領域を示す破線は、説明のために図示したものであり、実際にLCD2の画面に表示されるものではない(図4においても同様)。西暦表示領域Yおよび月表示領域Mには、図2に示したカレンダーIC15から取得した年および月を示すデータに従って、現在の年および月が数字で表示される。カレンダー表示領域Cには、日曜日から土曜日までの各曜日に対応する列と、1ヶ月間の各週に対応する行からなる表(以下、七曜表という)が表示されている。この七曜表は、1ヶ月間の第一週から最大第六週までを示す6行と、日曜日から土曜日までを示す7列とからなっている。また、西暦表示領域Yおよび月表示領域Mに応じて、七曜表の各欄に日付を示す数字が表示される。
【0020】
西暦表示領域Y、月表示領域M、および、カレンダー表示領域C以外の領域は、予めROM11に格納されている任意の文字または画像データCMが表示可能な領域となっている。図3は、カレンダー装置1のメーカ名が表示されている状態を示している。
【0021】
また、上述した七曜表の各欄には、図4に示すように、それぞれ日付を表示するための日付表示領域Dと、外部のPCから送信されたスケジュールの内容を表示するためのスケジュール表示領域Sとが設定されている。各日付表示領域Dおよびスケジュール表示領域Sは、各週を示す行の値と、曜日を示す列の値とによって各日付の表示領域を個々に識別可能になっている。すなわち、図3に示す七曜表において、第一週から第六週を示す各行には、それぞれ「1」〜「6」の値が対応づけられ、日曜日から土曜日を示す各列には、それぞれ「1」〜「7」の値が対応づけられている。したがって、たとえば2005年9月22日は9月第四週の木曜日に当たるため、その日の日付とスケジュールの内容は、図4に示すように、それぞれ日付表示領域D(4,5)およびスケジュール表示領域S(4,5)に表示されることになる。ここで、図3および図4に示した各表示領域の、LCD2の画面内における位置に関する情報は、ROM11内に記憶されている。
【0022】
次に図5を参照して、カレンダー装置1内で実行される処理内容について説明する。まず、カレンダー装置1に乾電池がセットされ、図2に示した各種デバイスに電源が供給されると、CPU10は、初期カレンダー表示処理を行う(ステップS1)。すなわち、CPU10は、図3に示した七曜表のうち、日付を除く画像データをROM11から読み出し、その表示位置を示す情報とともに画像表示制御IC16へ送信する。これにより画像表示制御IC16は、入力された画像データを、表示位置を示す情報に基づいてビデオRAM17に書き込む。前記乾電池は、本発明における駆動電源供給手段に該当し、前記パーソナルコンピュータの起動状態に関わらず、前記スケジュール情報を前記表示制御手段の制御の下で前記画像表示装置に表示するように機能する。勿論、本実施形態に例示するように、前記駆動電源供給手段として乾電池を採用するものに限らず、充電可能な周知のバッテリであったり、PC用の商用電源とは異なる別電源であれば何でも良い。
【0023】
次にCPU10は、カレンダーIC15から年および月に関するデータを取得し、それらを表示するための数字および文字データをROM11から読み出して、それらの表示位置を示す情報とともに画像表示制御IC16へ出力する。これにより、画像表示制御IC16は、ビデオRAM17内の、西暦表示領域Yおよび月表示領域Mに相当する記憶領域に、年および月を表す数字および文字を表示するための画像データをビデオRAM17に書き込む。
【0024】
次にCPU10は、カレンダーIC15から取得した月が大の月であるか小の月であるか、また、その月の第一日目が何曜日に当たるのかを、ROM11に記憶されている情報に基づいて認識する。そして、各日付を示す数字データを、図3に示した七曜表のどの日付表示領域Dに表示すべきかを示す情報とともに画像表示制御IC16へ出力する。たとえば、カレンダーIC15から取得した年および月に関するデータが、2005年の9月を示していた場合、CPU10は、9月が小の月であり、2005年9月1日は木曜日であることを認識する。これにより、CPU10は、ROM11から「1」〜「30」を示す数字データを各々読み出し、数字データ「1」を日付表示領域D(1,5)へ、数字データ「2」を日付表示領域D(1,6)へ、といった各数字データを表示すべき日付表示領域を指定する情報とともに画像表示制御IC16へ出力する。また、CPU10は、各日付と、各日付が表示される七曜表内の各欄との対応をRAM12に記憶する。これにより、画像表示制御IC16は、ビデオRAM17内に、各日付を示す数字が指定された日付表示領域Dに表示されるような画像データをビデオRAM17に書き込む。
【0025】
次にCPU10は、EEPROM14内を検索し、カレンダーIC15から取得した年および月に対応して、何らかのスケジュールデータが記憶されているか否か判断する。もし、EEPROM14に、取得した年および月に対応して何らかのスケジュールデータが記憶されていた場合は、そのスケジュールデータに含まれる件名に関する情報を、そのスケジュール情報に含まれる日付に対応するスケジュール表示領域Sに表示する旨の指示とともに、画像表示制御IC16へ出力する。
【0026】
たとえば、EEPROM14内に、2005年9月13日のスケジュールデータが格納されていた場合、9月1日のスケジュール表示領域がS(1,5)であることから、9月13日のスケジュール表示領域がS(3,3)であることを算出する。そして、件名に関する情報(ここでは「打合せ」という文字データとする)とともに、当該件名に関する情報をスケジュール表示領域S(3,3)に表示する旨の指示を画像表示制御IC16に対して出力する。これにより、画像表示制御IC16は、ビデオRAM17のスケジュール表示領域S(3,3)に対応する記憶領域に、「打合せ」という文字列を表示するための画像データを書き込む。
【0027】
以上の処理を終えると、CPU10は、ビデオRAM17内に書き込んだ画像データをLCD2へ表示するよう画像表示制御IC16へ指示を出すとともに、これから表示されるカレンダーの年および月を示すデータをRAM12に記憶する。一方、画像表示制御IC16は、CPU10からの指示を受けて、ビデオRAM17に書き込んだ画像データを、LCDドライバ18を介してLCD2の画面に表示させる(図3参照)。
【0028】
このようにして、ステップS1の初期カレンダー表示処理を終えると、次にCPU10は、外部PCからスケジュールデータを受信したか否かを判断する(ステップS2)。
【0029】
ここで、外部PCからスケジュールデータが送信されるまでの過程について、図6および図7を参照して簡単に説明する。この外部PCは、PC本体と、出力装置であるモニタと、入力装置であるキーボードおよびマウスとから構成されている。また、PC本体には、スケジュール管理プログラムがインストールされており、制御手段としてのCPUによって前記当該スケジュール管理プログラムに基づき前記入力装置への入力により記録され生成されたスケジュールデータを、カレンダー装置1へ送信するための送信装置も組み込まれている。
【0030】
図6は、上述したスケジュール管理プログラムを起動したときに、モニタに表示されるウインドウ画像を示している。外部PCにおいてスケジュール管理プログラムを起動すると、スケジュール管理プログラムウインドウ30がモニタに表示され、当該ウインドウの内部には、現在の年および月に対応するカレンダー画像が表示される。たとえば、2005年9月中に上記スケジュール管理プログラムを起動すると、ウインドウ画面30内には、図6に示すように、2005年9月のカレンダーが表示される。また、ウインドウ画面30内に表示された送りボタン31をクリックすると、翌月のカレンダーが表示され、戻りボタン32をクリックすると、先月のカレンダーが表示される。前記パーソナルコンピュータは、商用電源に接続されている。
【0031】
そして、表示されたカレンダーにおいて、スケジュールを入力する場合は、マウスによってモニタに表示されたポインタPを、所望する日付の領域内(図6では9月21日を示す)に移動させ、その位置でダブルクリックする。すると、図7に示すように、モニタ内にスケジュール入力ウインドウ40が出現する。スケジュール入力ウインドウ画面40内には、「日付」、「時間」、「件名」、「内容」、「場所」の5つの項目について任意の文字または数字が入力できる領域が表示されている。ここで、日付に対応する入力領域には、ウインドウ画面30に表示されたカレンダーにおいて、ダブルクリックした領域に対応する年月日が表示されている。
【0032】
そして、上述した各項目のうち、所望する項目に対応した入力領域をクリックすると、その入力領域内にカーソルが出現し、キーボードから各項目に対応した内容を適宜入力可能となる。そして所望する内容を入力し終えたら、スケジュール入力ウインドウ画面40内の確定ボタン41をクリックする。これにより、スケジュール管理プログラムは、入力されたスケジュールデータ(年月日、時間、件名、内容、場所に関するデータ)をPC本体内のハードディスクなどに記録するとともに、PC本体内に組み込まれた送信装置により、入力されたスケジュールデータを、目的のカレンダー装置1に付与されているID情報とともに送信する。このID情報は、スケジュール管理プログラムに関する各種設定項目の1つとして、ユーザにより予め設定されるものである。
【0033】
上記のように、外部PCにインストールされているスケジュール管理プログラムにおいてスケジュールの入力または更新が行われると、カレンダー装置1に対して入力または更新されたスケジュールデータを当該カレンダー装置のID情報とともに送信する。このスケジュールデータを、受信装置13がアンテナ4を介して受信すると、図5に示すフローチャートのステップS2における判断結果がYESとなり、EEPROM14に格納されているスケジュールデータの更新処理(予定更新処理)を行う(ステップS3)。この更新処理については、後に詳しく説明する。そして、ステップS3の予定更新処理を終えると、再びステップS2の処理に戻る。
【0034】
ステップS2で、受信装置13が外部PCからスケジュールデータを受信していなかった場合は、判断結果がNOとなり、カーソルキー5Lまたは5Rが押されたか否かを判断する(ステップS4)。もしカーソルキー5Lまたは5Rが押されたと判断した場合は、カレンダー表示切替処理を行う(ステップS5)。
【0035】
すなわちCPU10は、まず、RAM12に記憶されている、現在表示中のカレンダーの年および月を示すデータを読み取る。そして、カーソルキー5Rが押された場合は、CPU10は、前述した初期カレンダー表示処理と同様の処理を行って翌月のカレンダーをLCD2に表示させる。また、カーソルキー5Lが押された場合は、先月のカレンダーをLCD2に表示させる。そして、RAM12に記憶されている表示中のカレンダーの年および月を示すデータを更新する。
【0036】
次に、ステップS4でカーソルキー5L,5Rが操作されていないと判断された場合、判断結果がNOとなり、CPU10はタッチパネル3から座標値信号が出力されたか否か、すなわち、ユーザがLCD2の画面に触れたか否かを判断する(ステップS6)。もし、タッチパネル3から座標値信号が出力された場合は、判断結果がYESとなって、詳細スケジュール表示処理を行う(ステップS7)。
【0037】
すなわち、CPU10は、タッチパネル3から出力された座標値信号から、ユーザが、LCD2の画面のどの位置に触れたのかを判断する。そして、カレンダー表示領域Cに表示された七曜表のうち日付が表示されている欄以外の領域に触れたと判断した場合は、詳細スケジュール表示処理を終了して、ステップS2の処理へ戻る。一方、カレンダー表示領域Cに表示された七曜表のうち、日付が表示されている欄のいずれかに触れたと判断した場合は、RAM12に記憶されている、各日付と、各日付が表示される七曜表内の各欄との対応を参照して、触れられた欄に対応する日付を認識する。
【0038】
そして、ユーザによって触れられた欄に対応する日付を認識すると、ROM11から図8に示す詳細スケジュール表示フォーマットの画像データを読み出し、現在表示しているカレンダーの年および月、ならびに、認識した日付に対応する数字データとともに、画像表示制御IC16へ出力する。この詳細スケジュール表示フォーマットは、ユーザが触れた欄に対応する年月日を表示する年月日表示領域DATEと、「時間」、「件名」、「内容」、「場所」の欄が設けられた表45からなっている。これにより、画像表示制御IC16は、図8に示す詳細スケジュール表示フォーマットをLCD2の画面に表示するための画像データをビデオRAM17に書き込む。また、このとき、年月日表示領域DATEに、現在表示しているカレンダーの年および月、ならびに、認識した日付に対応する数字データを表示するための画像データも合わせてRAM17に書き込む。
【0039】
次いで、CPU10は、EEPROM14にアクセスし、認識した日付に対応するスケジュールデータが格納されているか否かをチェックする。認識した日付に対応するスケジュールデータが格納されていなかった場合は、画像表示制御IC16に、ビデオRAM17に書き込んだ画像データをそのままLCD2に表示するよう指示を出す。これにより、LCD2の画面には、年月日表示領域DATEにユーザが触れた欄に対応する年月日が表示されているが、表45の内容が空欄になっている詳細スケジュールが表示される。
【0040】
一方、EEPROM14に判断した日付に対応するスケジュールデータが格納されていた場合は、画像表示制御IC16に対し、当該スケジュールデータに含まれる、時間、件名、内容、場所に関する情報とともに、各情報を、図8に示す表45の各項目に対応する欄内に表示する旨の指示を出力する。これにより、画像表示制御IC16は、年月日表示領域DATEに、ユーザが触れた欄に対応する年月日が表示され、さらに、表45の各項目の欄に、EEPROM14に記憶されていた、時間、件名、内容、場所の内容が表示される。以上のように、詳細スケジュール表示処理が終了すると、CPU10はステップS2の処理へ戻る。
【0041】
次に、ステップS6でユーザがタッチパネル3に触れていないと判断された場合、判断結果がNOとなり、CPU10は時刻設定キー6が操作されたか否かを判断する(ステップS8)。もし、時刻設定キー6が操作されていないと判断した場合は、判断結果がNOとなり、ステップS2の処理へ戻る。一方、時刻設定キー6が操作されたと判断した場合は、判断結果がYESとなり、時刻設定処理を実行する(ステップS9)。
【0042】
すなわち、時刻設定処理が開始されると、まず、CPU10は、カレンダーIC15から、現在の年、月、日、時、分の情報(以下、時刻情報という)を取得してRAM12に格納する。そして、取得した時刻情報に対応する数字データをROM11から読み出して、その表示位置を示す情報とともに画像表示制御IC16へ出力する。これにより、画像表示制御IC16は、入力された数字データを指定された表示位置に表示するための画像データをビデオRAM17に書き込み、LCDドライバ18を介してLCD2に表示させる(図9参照)。
【0043】
さらにCPU10は、年を示している数値(図9中、「2005」)を点滅表示するよう、画像表示制御IC16に対して指示を出し、これを受けて画像表示制御IC16は、年を示している数値を点滅表示させる。この状態でカーソルキー5Rが操作されると、CPU10は、画像表示制御IC16を介してLCD2に表示された年の値を1つ増加させ、カーソルキー5Lが操作されると、年の値を1つ減少させる。そして、次に時刻設定キー6が操作されると、CPU10は年に対応する数値の点滅表示を停止し、月に対応する数値(図9中、「9」)を点滅表示させる。この状態で、カーソルキー5Rが操作されると、CPU10は、画像表示制御IC16を介してLCD2に表示された月の値を1つ増加させ、カーソルキー5Lが操作されると、月の値を1つ減少させる。以下、同様にして、時刻設定キー6が操作されるごとに、日、時、分の表示を順次点滅表示させていくとともに、点滅表示されているときにカーソルキー5Lまたは5Rが操作されると、それに応じて点滅表示されている数値を増減させる。
【0044】
そして、分に対応する数値が点滅表示されているときに時刻設定キー6が操作されると、CPU10は、その時点でLCDに表示されていた年、月、日、時、分の情報をカレンダーIC15へ出力する。これにより、カレンダーIC15は、入力された年、月、日、時、分から改めて計時を開始する。また、CPU10は、画像表示制御IC16を介して、設定された年および月に対応するカレンダーをLCD2に表示させる。このようにして時刻設定処理が終了すると、CPU10は、ステップS2の処理へ戻る。
【0045】
以上説明したように、カレンダー装置1に乾電池がセットされると、CPU10は、まず、初期状態のカレンダー表示を行い(ステップS1)、以下、外部PCから送信されたスケジュールデータの受信、および、カーソルキー5L,5R、タッチパネル3、時刻設定キー6に対する操作を順次監視する(ステップS2,S4,S6,S8)。そして、スケジュールデータの受信、各キーまたはタッチパネル3への操作を検出すると、検出した内容に対応する処理を実行する。(ステップS3,S5,S7,S9)
【0046】
次に、図10を参照して、図5に示したメインフローチャートにおけるステップS3、予定更新処理の詳しい処理内容について説明する。図5のステップS2において、受信装置13がアンテナ4を介して外部PCからスケジュールデータを受信したと判断すると、CPU10は、図10に示す予定更新処理を開始する。まず、CPU10は、スケジュールデータとともに受信したID情報を認識し(ステップS10)、ROM11に格納されている、予め自装置に付与されたID情報と比較する(ステップS11)。そして、受信したID情報が、自装置のID情報と一致しなかった場合は、受信したスケジュールデータは自装置宛てではなかったとみなして判断結果がNOとなり、予定更新処理を終え、図5のステップS2の処理へ戻る。一方、自装置のID情報と一致した場合は、受信したスケジュールデータに含まれる、年、月、日、件名、時刻、内容、場所に関する情報をEEPROM14に格納する(ステップS12)。
【0047】
次に、CPU10は、現在LCD2に表示されているカレンダーの年および月が、受信したスケジュールデータに含まれていた年および月と一致するか否かを判断する(ステップS13)。そして、一致していなかった場合は、予定更新処理を終え、図5のステップS2の処理へ戻る。一方、一致していた場合は、受信したスケジュールデータに含まれていた日付に対応するスケジュール表示領域Sを認識する。そして、認識したスケジュール表示領域Sに、受信したスケジュールデータに含まれていた件名に関する情報をLCD2に表示するよう、画像表示制御IC16へ指示を出す。これにより、画像表示制御IC16は、ビデオRAM17にCPU10から指示された件名に関する情報を表示するための画像データをビデオRAM17に書き込み、LCDドライバ18を介してLCD2の画面に表示させる(ステップS14)。そして、ステップS14の処理を終えると、図5に示すステップS2の処理へ戻る。
【0048】
上述した予定更新処理を行うカレンダー装置1によれば、外部PCからスケジュールデータを受信すると、受信したスケジュールデータが自装置に宛てて送信されたものだった場合にのみ、そのスケジュールデータを記憶する。さらに、受信したスケジュールデータが、現在表示しているカレンダーの月における予定を示していた場合は、その内容(件名に関する情報)が、表示中のカレンダーの対応する日の欄内に表示される。したがって、外部PCのスケジュール管理プログラムにおいて、スケジュールが新たに入力または更新された場合、直ちにカレンダー装置1が表示しているカレンダー内に表示されることとなる。また、カレダー装置1は乾電池で独立して稼動しているため、外部PCがOFFになっていた場合でも、上述したスケジュール管理プログラムによって記録されたスケジュールの内容を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施の形態におけるカレンダー装置の外観を示す斜視図である。
【図2】同カレンダー装置内部のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】同カレンダー装置が表示するカレンダーの一例を説明するための説明図である。
【図4】同カレンダー装置が表示するカレンダーの一例を説明するための説明図である。
【図5】同カレンダー装置が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】同カレンダー装置に対してスケジュールデータを送信する外部パーソナルコンピュータにおけるスケジュール管理プログラムの起動画面の内容を説明するための説明図である。
【図7】同カレンダー装置に対してスケジュールデータを送信する外部パーソナルコンピュータにおけるスケジュール管理プログラムのスケジュール入力画面の内容を説明するための説明図である。
【図8】同カレンダー装置における詳細スケジュール表示画面の内容を説明するための説明図である。
【図9】同カレンダー装置における時刻設定画面の内容を説明するための説明図である。
【図10】同カレンダー装置において実行される予定更新処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
1 カレンダー装置
2 液晶画像表示装置(画像表示装置)
4 アンテナ(受信手段)
10 CPU(表示制御手段)
11 ROM(カレンダー記憶手段)
12 RAM
13 受信装置(受信手段)
14 EEPROM(スケジュール記憶手段)
15 カレンダーIC
16 画像表示制御IC(表示制御手段)
17 ビデオRAM
18 LCDドライバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する画像表示装置と、カレンダー画像データを記憶したカレンダー記憶手段と、少なくとも年月日および用件に関する情報を含むスケジュール情報を記憶するスケジュール記憶手段と、前記カレンダー画像データに基づくカレンダー画像および該カレンダー画像の各日付に対応する前記スケジュール情報を、前記画像表示装置に表示させる表示制御手段とを有するカレンダー装置において、
外部から送信された前記スケジュール情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信したスケジュール情報を、前記スケジュール記憶手段に記憶させる記憶更新手段と
を有してなり、前記表示制御手段は、前記記憶更新手段により記憶されたスケジュール情報を、前記画像表示装置に表示されたカレンダー画像内に表示させる
ことを特徴とするカレンダー装置。
【請求項2】
内部にスケジュール管理プログラムを有し、当該スケジュール管理プログラム基づいてスケジュール情報を生成する制御手段を具備したパーソナルコンピュータから前記スケジュール情報を受信する受信手段を備えたカレンダー装置であって、
画像を表示する画像表示装置と、
カレンダー画像データを記憶したカレンダー記憶手段と、
少なくとも年月日および用件に関する情報を含む、前記受信手段によって受信したスケジュール情報を記憶するスケジュール記憶手段と、
前記カレンダー画像データに基づくカレンダー画像および該カレンダー画像の各日付に対応する前記スケジュール情報を、前記画像表示装置に表示させる表示制御手段と、
前記パーソナルコンピュータの起動状態に関わらず、前記スケジュール情報を前記表示制御手段の制御の下で前記画像表示装置に表示するための駆動電源供給手段とを有してなることを特徴とするカレンダー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−79755(P2007−79755A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−264720(P2005−264720)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】