説明

カーテンレールのジョイント

【課題】 外筒に内筒を移動自在に挿入し且つ外筒の内筒挿入側にジョイントを嵌合保持したカーテンレールにおいて、リングランナーが引っ掛からずに移動できるジョイントを提供する。
【解決手段】 ジョイント5は内筒4を左右移動自在に挿通支持する内筒支持部12を備え、該内筒支持部12の上面側に、ジョイント5の左右他側端部5bからジョイント5の左右中央側に向けて凹設した切欠部19Aを形成し、切欠部19Aの前後縁部20Aは、ジョイント5の左右他側端部5bからジョイント5の左右中央側に行くに従って上方に移行すると共に前後中央に移行するように形成され且つジョイント5の左右中央側においてジョイント5の外面上面と連続しており、切欠部19Aの前後縁部20Aの、ジョイント5の左右他側端部5b側を、リングランナー2のリング部6の内孔8上端が内筒4の上端に接当した状態で、リング部6内孔8と内筒4との間の隙間9に挿入可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リングランナーを移動自在に支持するカーテンレールのジョイントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、リングランナーを移動自在に支持する棒状の長尺なカーテンレールがある(特許文献1参照)。
このリングランナー用のカーテンレールとして、左右方向の軸心を有する外筒と該外筒の左右一端側から左右移動自在に挿入される内筒とを備えていて、内筒を外筒に対して左右方向に移動させることにより、長さ調整自在としたものがある。
【0003】
このカーテンレールには、外筒の一端側に筒状のジョイントが設けられる。
図7(b)に示すように、このジョイント5は、左右方向Xの軸心を有する筒状に形成されていて、左右一側が外筒3の一端側に嵌合保持される外筒嵌合部11とされると共に、左右他側が前記内筒4を左右移動自在に挿通支持する内筒支持部12とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−272199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図7(b)に示すジョイント5にあっては、リングランナー2が内筒4から外筒3へと移動する際に、リングランナー2のリング部6が、内筒支持部12の端部12aに引っ掛かる場合があるという問題がある。
そこで、本発明は、前記問題点に鑑み、リングランナーが引っ掛かることなくスムーズに移動することができるカーテンレールのジョイントを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために本発明が講じた技術的手段は、左右方向の軸心を有する外筒と、該外筒の左右一端側から左右移動自在に挿入される内筒とを備えていてリングランナーのリング部を左右移動自在に支持するカーテンレールの前記外筒の一端側に設けられるジョイントであって、
左右方向の軸心を有する筒状に形成されていて、左右一側が外筒の前記一端側に嵌合保持される外筒嵌合部とされると共に、左右他側が前記内筒を左右移動自在に挿通支持する内筒支持部とされたジョイントにおいて、
前記内筒支持部の上面側に、ジョイントの左右他側端部からジョイントの左右中央側に向けて凹設した切欠部を形成し、
この切欠部の前後の縁部は、ジョイントの左右他側端部からジョイントの左右中央側に行くに従って上方に移行すると共に前後方向中央に移行するように形成され、且つ、ジョイントの左右中央側においてジョイントの外面上面と連続しており、
該切欠部の前後の縁部の、ジョイントの左右他側端部側は、リングランナーのリング部の内孔上端が内筒の上端に接当した状態で、該リング部内孔と内筒との間の隙間に挿入可能とされていることを特徴とする。
【0007】
また、前記外筒嵌合部の上面側に、ジョイントの左右一側端部からジョイントの左右中央側に向けて凹設した切欠部を形成し、
この切欠部の前後の縁部は、ジョイントの左右一側端部からジョイントの左右中央側に行くに従って上方に移行すると共に前後方向中央に移行するように形成され、且つ、ジョイントの左右中央側においてジョイントの外面上面と連続しており、
該切欠部の前後の縁部の、ジョイントの左右一側端部側は、リングランナーのリング部の内孔上端が外筒の上端に接当した状態で、該リング部内孔と外筒との間の隙間に挿入可能とされているのがよい。
【0008】
また、前記内筒支持部の下面側に、ジョイントの左右他側端部からジョイントの左右中央側に向けて凹設した切欠部を形成し、
この切欠部の前後の縁部は、ジョイントの左右他側端部からジョイントの左右中央側に行くに従って下方に移行すると共に前後方向中央に移行するように形成され、且つ、ジョイントの左右中央側においてジョイントの外面下面と連続しており、
該切欠部の前後の縁部の、ジョイントの左右他側端部側は、リングランナーのリング部の内孔下端が内筒の下端に接当した状態で、該リング部内孔と内筒との間の隙間に挿入可能とされているのがよい。
【0009】
また、前記外筒嵌合部の下面側に、ジョイントの左右一側端部からジョイントの左右中央側に向けて凹設した切欠部を形成し、
この切欠部の前後の縁部は、ジョイントの左右一側端部からジョイントの左右中央側に行くに従って下方に移行すると共に前後方向中央に移行するように形成され、且つ、ジョイントの左右中央側においてジョイントの外面下面と連続しており、
該切欠部の前後の縁部の、ジョイントの左右一側端部側は、リングランナーのリング部の内孔下端が外筒の下端に接当した状態で、該リング部内孔と外筒との間の隙間に挿入可能とされているのがよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明のジョイントにあっては、リングランナーが内筒からジョイントを乗り越えて外筒へと移動する際において、リングランナーがジョイントの内筒挿入側の端部側に至ると、ジョイントの内筒支持部に形成した切欠部の前後の縁部の内筒挿入側の端部側が、リングランナーのリング部内孔と内筒との間の隙間に挿入することにより、リングランナーのリング部内孔の上部の前後が、内筒支持部の切欠部の前後の縁部上に乗り上げる。
【0011】
リングランナーが、さらに、ジョイントの左右中央側に移動すると、リングランナーのリング部が内筒支持部の切欠部の前後の縁部上を摺動して、ジョイントの左右中央側の外面上面へと移動する。
以上のようにして、リングランナーがジョイントに引っ掛かることなく、スムーズに内筒から外筒側へと移動する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(a)はリングランナーが套嵌されたカーテンレールの一部の斜視図、(b)はジョイントの斜視図である。
【図2】(a)はジョイントの正面図、(b)はジョイントを左右方向一側端部から見た側面図、(c)はジョイントを左右方向他側端部から見た側面図である。
【図3】カーテンレールのジョイント取付部分の正面断面図である。
【図4】カーテンレールのジョイント取付部分の平面図である。
【図5】(a)はカーテンレールのジョイント取付部分の平面断面図、(b)はカーテンレールのジョイント取付部分の左右他側の側面断面図である。
【図6】(a)はジョイント及びリングランナーを左右方向一側端部から見た側面図、(b)はジョイント及びリングランナーを左右方向他側端部から見た側面図である。
【図7】(a)は他の実施形態に係るカーテンレールのジョイント取付部分の正面断面図、(b)は従来のカーテンレールのジョイント取付部分の正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1(a)において、1はリングランナー2を移動自在に支持する長尺な棒状のカーテンレールである。
このカーテンレール1は、左右方向Xの軸心を有する円筒状の外筒3と、一端側がこの外筒3の一端側から同芯状に挿入された円筒状の内筒4と、前記外筒3の一端側に設けられるジョイント5とを備えている。
【0014】
前記内筒4は外筒3に対して左右方向X(長手方向)に移動自在であり、外筒3に対して内筒4を左右方向Xに相対移動させることにより、カーテンレール1が長さ調整自在とされている。
なお、外筒3及び内筒4の他端側には端具が設けられる。また、このカーテンレール1は、壁に取付ブラケットによって取り付けられる(カーテンレール1は対向する壁間で突っ張ることにより取り付けられるタイプのものであってもよい)。
【0015】
リングランナー2は、カーテンレール1が挿通される円環状のリング部6と、このリング部6の下端側に設けられた取付部7とを有し、前記取付部7に吊り具を介してカーテンが取り付けられる。
リング部6の内孔8の径は、カーテンレール1の外筒3の外径より、ひとまわり大きな径に形成され、図6に示すように、リングランナー2のリング部6の内孔8の上端が外筒3又は内筒4の上端に接当した状態で、リング部6の内孔8と、外筒3又は内筒4との間に、上端から下端側にかけて周方向に沿って漸次大となる隙間9が形成される。
【0016】
また、逆に、リングランナー2のリング部6の内孔8の下端が外筒3又は内筒4の下端に接当した状態においては、リング部6の内孔8と、外筒3又は内筒4との間に形成される隙間9は、下端から上端側にかけて周方向に沿って漸次大となる。
前記ジョイント5は、図1〜図5に示すように、左右方向Xの軸心を有する筒状に形成され、左右方向X両端が開口状に形成されている。
【0017】
このジョイント5の左右方向Xの一側が外筒3の前記一端側に嵌合される外筒嵌合部11とされ、左右方向Xの向他側が内筒4を挿通支持する内筒支持部12とされている。
外筒嵌合部11の内孔13は内筒支持部12の内孔14よりも径大に形成されており、ジョイント5の内部の孔は段付きの孔に形成されている。
外筒嵌合部11の内孔13に外筒3の一端側が同芯状に内嵌され、これによりジョイント5が外筒3の一端側に取付保持されている。
【0018】
内筒支持部12の内孔14には、内筒4がその一端側から挿入されて該内孔14に内筒4が軸心方向移動自在に(摺動自在に)支持されている。
外筒嵌合部11の外面は、ジョイント5の左右中央側(左右方向X中央側)の円柱面16と、この円柱面16からジョイント5の左右一側端部5a(左右方向X一側の端部)に行くに従って先細りとなるテーパ面17とから構成されている。
【0019】
内筒支持部12の外面は、ジョイント5の左右中央側(前記外筒嵌合部11の円柱面16)からジョイント5の左右他側端部5b(左右方向X他側の端部)に行くに従って先細りとなるテーパ面18に形成されている。
前記円柱面16と各テーパ面17,18とは、段差のない状態で接続されている(連続している)。
【0020】
ジョイント5の内筒支持部12の上面側及び下面側には、ジョイント5の左右他側端部5bからジョイント5の左右中央側に向けて凹設した切欠部19A,19Bが形成されている(上側の切欠部19Aを内筒側上切欠部といい、下側の切欠部19Bを内筒側下切欠部という)。
内筒側上切欠部19Aは、平面視で、ジョイント5の左右中央側で且つ前後中央側(前後方向Yの中央側)からジョイント5の左右他側端部5bに向けて拡開するV字状に形成されている。内筒側下切欠部19Bは、底面視で、ジョイント5の左右中央側で且つ前後中央側からジョイント5の左右他側端部5bに向けて拡開するV字状に形成されている。
【0021】
したがって、内筒側上切欠部19Aの前後の縁部20Aは、ジョイント5の左右他側端部5bからジョイント5の左右中央側に行くに従って、内筒4外面に沿って上方に移行すると共に前後中央側に移行するように形成されている。また、内筒側下切欠部19Bの前後の縁部20Bは、ジョイント5の左右他側端部5bからジョイント5の左右中央側に行くに従って、内筒4外面に沿って下方に移行すると共に前後中央側に移行するように形成されている。
【0022】
また、内筒側上切欠部19Aの前後の縁部20A及び内筒側下切欠部19Bの前後の縁部20Bは、ジョイント5の左右中央側において相互に接続され、内筒側上切欠部19Aの前後の縁部20Aの接続部分は平面視で円弧状に形成され、内筒側下切欠部19Bの前後の縁部20Bの接続部分は底面視で円弧状に形成されている。
なお、内筒側上切欠部19Aと内筒側下切欠部19Bとは、一方を上下に反転させると他方と同形状となるように形成されている。
【0023】
また、内筒側上切欠部19Aの前後の縁部20Aは、ジョイント5の左右中央側においてジョイント5の外面上面(内筒支持部12の外面上面)と連続しており、内筒側下切欠部19Bの前後の縁部20Bは、ジョイント5の左右中央側においてジョイント5の外面下面(内筒支持部12の外面下面)と連続している。
また、内筒側上切欠部19Aの前後の縁部20Aの、ジョイント5の左右他側端部5b側は、リングランナー2のリング部6の内孔8上端が内筒4の上端に接当した状態で、該リング部6の内孔8と内筒4との間の隙間9に挿入可能とされ、内筒側下切欠部19Bの前後の縁部20Bの、ジョイント5の左右他側端部5b側は、リングランナー2のリング部6の内孔8下端が内筒4の下端に接当した状態で、該リング部6内孔8と内筒4との間の隙間9に挿入可能とされている。
【0024】
また、内筒側上切欠部19Aと内筒側下切欠部19Bの前後の縁部20A,20Bは、断面円弧状に面取りされている。
前記内筒側上切欠部19Aと内筒側下切欠部19Bの前後の縁部20A,20Bの外延部21A,21B(内筒側上切欠部19A及び内筒側下切欠部19Bの縁部20A,20Bと内筒支持部12のテーパ面18との境界部)がリングランナー2のリング部6を左右方向Xに案内するガイドレールとされている。
【0025】
また、ジョイント5の外筒嵌合部11の上面側及び下面側には、ジョイント5の左右一側端部5aからジョイント5の左右中央側に向けて凹設した切欠部22A,22Bが形成されている(上側の切欠部22Aを外筒側上切欠部といい、下側の切欠部22Bを外筒側下切欠部という)。
外筒側上切欠部22Aは、平面視で、ジョイント5の左右中央側で且つ前後中央側からジョイント5の左右一側端部5bに向けて拡開するV字状に形成されている。また、外筒側下切欠部22Bは、底面視で、ジョイント5の左右中央側で且つ前後中央側からジョイント5の左右一側端部5aに向けて拡開するV字状に形成されている。
【0026】
したがって、外筒側上切欠部22Aの前後の縁部23Aは、ジョイント5の左右一側端部5aからジョイント5の左右中央側に行くに従って、外筒3外面に沿って上方に移行すると共に前後中央側に移行するように形成されている。また、外筒側下切欠部22Bの前後の縁部23Bは、ジョイント5の左右一側端部5aからジョイント5の左右中央側に行くに従って、外筒3外面に沿って下方に移行すると共に前後中央側に移行するように形成されている。
【0027】
また、外筒側上切欠部22Aの前後の縁部23A及び外筒側下切欠部22Bの前後の縁部23Bは、ジョイント5の左右中央側において相互に接続され、外筒側上切欠部22Aの前後の縁部23Aの接続部分は平面視で円弧状に形成され、外筒側下切欠部22Bの前後の縁部23Bの接続部分は底面視で円弧状に形成されている。
なお、外筒側上切欠部22Aと外筒側下切欠部22Bとは、一方を上下に反転させると他方と同形状となるように形成されている。
【0028】
また、外筒側上切欠部22Aの前後の縁部23Aは、ジョイント5の左右中央側においてジョイント5の外面上面(外筒嵌合部11の外面上面)と連続しており、外筒側下切欠部22Bの前後の縁部23Bは、ジョイント5の左右中央側においてジョイント5の外面下面(外筒嵌合部11の外面下面)と連続している。
また、外筒側上切欠部22Aの前後の縁部23Aの、ジョイント5の左右一側端部5a側は、リングランナー2のリング部6の内孔8上端が外筒3の上端に接当した状態で、該リング部6の内孔8と外筒3との間の隙間9に挿入可能とされ、外筒側下切欠部22Bの前後の縁部23Bの、ジョイント5の左右一側端部5a側は、リングランナー2のリング部6の内孔8下端が外筒3の下端に接当した状態で、該リング部6の内孔8と外筒3との間の隙間9に挿入可能とされている。
【0029】
また、外筒側上切欠部22A及び外筒側下切欠部22Bの前後の縁部23A,23Bは、断面円弧状に面取りされている。
前記外筒側上切欠部22Aと外筒側下切欠部22Bの前後の縁部23A,23Bの外延部24A,24B(外筒側上切欠部22A及び外筒側下切欠部22Bの前後の縁部23A,23Bと外筒嵌合部11のテーパ面17との境界部)がリングランナー2のリング部6を左右方向Xに案内するガイドレールとされている。
【0030】
前記構成のカーテンレール1にあっては、カーテンを左右移動させてリングランナー2のリング部6が内筒4から外筒3へと移動する際にあっては、ジョイント5を乗り越えてリングランナー2が内筒4から外筒3へと移動するが、このときにおいて、リングランナー2が内筒4上を摺動してジョイント5の左右他側端部5bに至ると、内筒側上切欠部19Aの前後の縁部20Aの、ジョイント5の左右他側端部5b側が、リングランナー2のリング部6の内孔8と内筒4との間の隙間9に挿入し、リングランナー2のリング部6の内孔8の上部側の前後が、内筒側上切欠部19Aの前後の縁部20Aの外延部21Aに接触する(図3及び図4に示すA位置において接触点aにて接触する)。
【0031】
リングランナー2がA位置からジョイント5の左右中央側へと、さらに移動すると、リングランナー2のリング部6は内筒側上切欠部19Aの前後の縁部20Aの外延部21A上を摺動して内筒側上切欠部19Aの前後の縁部20Aに沿って持ち上げられる。
そして、リングランナー2が図4のB位置に至ると、リングランナー2のリング部6の内孔8上端が内筒側上切欠部19Aの前後の縁部20Aの外延部21Aの最も高い点bで接触する。
【0032】
このB位置からリングランナー2がジョイント5の左右中央側へと移動すると、リングランナー2のリング部6内孔8上端が、内筒支持部12の上面から外筒嵌合部11の円柱面16へと摺動しながらスムーズに移動する。
以上のように、リングランナー2は内筒4からジョイント5の左右中央側の円柱面16へと、引っ掛かることなくスムーズに乗り上げる。
【0033】
また、リングランナー2のリング部6が外筒3から内筒4へと移動する際にあっては、前記の場合と同様に、リングランナー2が外筒3上を摺動してジョイント5の左右一側端部5aに至ると、外筒側上切欠部22Aの前後の縁部23Aの、ジョイント5の左右一側端部5a側が、リングランナー2のリング部6の内孔8と外筒3との間の隙間9に挿入し、リングランナー2のリング部6の内孔8の上部側の前後が、外筒側上切欠部22Aの前後の縁部23Aの外延部24Aに接触する(図3及び図4に示すC位置において接触点cにて接触する)。
【0034】
リングランナー2がC位置からジョイント5の左右中央側へと、さらに移動すると、リングランナー2のリング部6は外筒側上切欠部22Aの前後の縁部23Aの外延部24A上を摺動して外筒側上切欠部22Aの前後の縁部23Aに沿って持ち上げられる。
そして、リングランナー2が図4のD位置に至ると、リングランナー2のリング部6の内孔8上端が外筒側上切欠部22Aの前後の縁部23Aの外延部24Aの最も高い点dで接触する。
【0035】
このD位置からリングランナー2がジョイント5の左右中央側へと移動すると、リングランナー2のリング部6内孔8上端が、外筒嵌合部11のテーパ面17の上面から円柱面16へと摺動しながらスムーズに移動する。
以上のように、リングランナー2は外筒3からジョイント5の左右中央側の円柱面16へと、引っ掛かることなくスムーズに乗り上げる。
【0036】
なお、円柱面16からジョイント5の左右一側端部5a又は他側端部5bに移動する場合は、リングランナー2のリング部6が、外筒側上切欠部22Aの外延部24A上又は内筒側上切欠部19Aの外延部21A上を摺動してスムーズに降り、外筒3又は内筒4へと移動する。
また、例えば、カーテンを斜め上方に引きながら移動させる場合などにおいて、リングランナー2のリングの内孔8下端が内筒4又は外筒3の下端に接当しながら移動する場合は、内筒側下切欠部19B又は外筒側下切欠部22Bの前後の縁部19B,22Bの外延部21B,24B上を摺動して前記と同様に、リング部6がジョイント5の円柱面16へと、引っ掛かることなくスムーズに移動する。
【0037】
前記構成の実施形態において、リングランナー2のリング部6は、通常は、外筒3又は内筒4の上端に接触して左右移動するので、内筒側下切欠部19B及び/又は外筒側下切欠部22Bは設けられていなくてもよい。
また、図7(a)に示すように、ジョイント5の外筒嵌合部11が外筒3の一端側に内嵌されるように形成されていて、ジョイント5の左右方向X中央側の円柱面25と外筒3の外面とが面一状とされる場合は、外筒嵌合部11に前記切欠部を形成する必要はなく、内筒支持部12にのみ切欠部19A,19Bが形成される。
【0038】
また、切欠部は、少なくとも、ジョイント5の内筒支持部12の上面側に設けられていればよい。
【符号の説明】
【0039】
1 カーテンレール
2 リングランナー
3 外筒
4 内筒
5 ジョイント
5a 左右一側端部
5b 左右他側端部
6 リング部
8 リング部の内孔
9 隙間
11 外筒嵌合部
12 内筒支持部
19A 切欠部
19B 切欠部
20A 切欠部の前後の縁部
20B 切欠部の前後の縁部
22A 切欠部
22B 切欠部
23A 切欠部の前後の縁部
23B 切欠部の前後の縁部
X 左右方向
Y 前後方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右方向(X)の軸心を有する外筒(3)と、該外筒(3)の左右一端側から左右移動自在に挿入される内筒(4)とを備えていてリングランナー(2)のリング部(6)を左右移動自在に支持するカーテンレール(1)の前記外筒(3)の一端側に設けられるジョイントであって、
左右方向(X)の軸心を有する筒状に形成されていて、左右一側が外筒(3)の前記一端側に嵌合保持される外筒嵌合部(11)とされると共に、左右他側が前記内筒(4)を左右移動自在に挿通支持する内筒支持部(12)とされたジョイントにおいて、
前記内筒支持部(12)の上面側に、ジョイント(5)の左右他側端部(5b)からジョイント(5)の左右中央側に向けて凹設した切欠部(19A)を形成し、
この切欠部(19A)の前後の縁部(20A)は、ジョイント(5)の左右他側端部(5b)からジョイント(5)の左右中央側に行くに従って上方に移行すると共に前後中央に移行するように形成され、且つ、ジョイント(5)の左右中央側においてジョイント(5)の外面上面と連続しており、
該切欠部(19A)の前後の縁部(20A)の、ジョイント(5)の左右他側端部(5b)側は、リングランナー(2)のリング部(6)の内孔(8)上端が内筒(4)の上端に接当した状態で、該リング部(6)内孔(8)と内筒(4)との間の隙間(9)に挿入可能とされていることを特徴とするカーテンレールのジョイント。
【請求項2】
前記外筒嵌合部(11)の上面側に、ジョイント(5)の左右一側端部(5a)からジョイント(5)の左右中央側に向けて凹設した切欠部(22A)を形成し、
この切欠部(22A)の前後の縁部(23A)は、ジョイント(5)の左右一側端部(5a)からジョイント(5)の左右中央側に行くに従って上方に移行すると共に前後中央に移行するように形成され、且つ、ジョイント(5)の左右中央側においてジョイント(5)の外面上面と連続しており、
該切欠部(22A)の前後の縁部(23A)の、ジョイント(5)の左右一側端部(5a)側は、リングランナー(2)のリング部(6)の内孔(8)上端が外筒(3)の上端に接当した状態で、該リング部(6)内孔(8)と外筒(3)との間の隙間(9)に挿入可能とされていることを特徴とする請求項1に記載のカーテンレールのジョイント。
【請求項3】
前記内筒支持部(12)の下面側に、ジョイント(5)の左右他側端部(5b)からジョイント(5)の左右中央側に向けて凹設した切欠部(19B)を形成し、
この切欠部(19B)の前後の縁部(20B)は、ジョイント(5)の左右他側端部(5b)からジョイント(5)の左右中央側に行くに従って下方に移行すると共に前後中央に移行するように形成され、且つ、ジョイント(5)の左右中央側においてジョイント(5)の外面下面と連続しており、
該切欠部(19B)の前後の縁部(20B)の、ジョイント(5)の左右他側端部(5b)側は、リングランナー(2)のリング部(6)の内孔(8)下端が内筒(4)の下端に接当した状態で、該リング部(6)内孔(8)と内筒(4)との間の隙間(9)に挿入可能とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載のカーテンレールのジョイント。
【請求項4】
前記外筒嵌合部(11)の下面側に、ジョイント(5)の左右一側端部(5a)からジョイント(5)の左右中央側に向けて凹設した切欠部(22B)を形成し、
この切欠部(22B)の前後の縁部(23B)は、ジョイント(5)の左右一側端部(5a)からジョイント(5)の左右中央側に行くに従って下方に移行すると共に前後中央に移行するように形成され、且つ、ジョイント(5)の左右中央側においてジョイント(5)の外面下面と連続しており、
該切欠部(22B)の前後の縁部(23B)の、ジョイント(5)の左右一側端部(5a)側は、リングランナー(2)のリング部(6)の内孔(8)下端が外筒(3)の下端に接当した状態で、該リング部(6)内孔(8)と外筒(3)との間の隙間(9)に挿入可能とされていることを特徴とする請求項2又は3に記載のカーテンレールのジョイント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−244892(P2011−244892A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−118614(P2010−118614)
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【出願人】(000152572)株式会社日中製作所 (30)
【Fターム(参考)】