説明

カードホッパー

【課題】ICカード等を収納するカードホッパーにおいて、セットしたカードを排出口側へ常に供給するように働いているスライドテーブルが無負荷状態時に急作動することを防止する。
【解決手段】スライドテーブルの急作動により加速度が発生した場合にはスライドテーブルに付随するストッパが軸に食いつき急停止し、等速で動く場合にはストッパが働かない機構を設ける。また、ホッパーの扉が開いている時にロックする機構も同時に設ける。これにより怪我や破損等のトラブルの原因をなくすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードホッパーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
定期券などを新規に発行するためのカード発行装置において、カードを積層するためのホッパーを備えた装置は数多く存在する。その多くのホッパーの配置は積層したカードを下部から排出する縦置きで、カードを排出口へ誘導するための負荷はカードやおもりの自重によって与えられる。
【0003】
しかし装置の構成上、カードホッパーの配置を横置き、または排出口が上部にある縦置きにした場合、カードを排出口側へ常に誘導するための負荷を与える機構が必要となる。
【0004】
また、負荷を与えるためにバネ力を用いた場合、カードが存在しない解放状態または無負荷状態時にはその負荷が一気に解放され急作動を起こし、ホッパーの破損または作業者の怪我などにつながる恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−4351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、カードを排出口側へ誘導するための負荷をバネ力によって行なうホッパーにおいて、カードが存在しない解放状態または無負荷状態になったときに急作動を起こす点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明によれば、ICカード等を収納するホッパーにおいて、スライドテーブルの急作動により加速度が発生した場合にはスライドテーブルに付随するストッパが軸に食いつき急停止し、等速で動く場合にはストッパが働かない機構を設け、また、ホッパーの扉が開いている時にロックする機構も同時に設けることにより、セットしたカードを排出口側へ常に供給するように働いているスライドテーブルが無負荷状態時に急作動することを防止することを特徴とするカードホッパーである。
【0008】
すなわち、本発明は、急作動によって発生する加速を利用してロックをかけること、およびホッパーの扉が開放している時にロックがかかることを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のカードホッパーは、加速と同時にロックされる機構なので、無意識に操作していても危険は無いという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】カードホッパーの実装形態を示すための説明図である。
【図2】加速時にロックがかかる機構の説明図
【図3】ホッパーの扉が開いている時にロックがかかる機構の説明図
【発明を実施するための形態】
【0011】
作業者が安全装置のロックを掛けるといった特別な操作をする必要はなく、一連の操作の中でブレーキユニットのロックおよび解除を実現した。
【実施例1】
【0012】
図1はカードホッパーの実装形態を示すための説明図である。ホッパーを横置きに配置した形態で、1はロックユニット、2はスライドテーブル、3はカード排出口である。図2は加速が発生したときにロックする機構を説明した図である。4は急作動防止ロック板、5はスライドシャフト、6はおもり、7はロック解除位置保持用バネである。図3はホッパーの扉が開いている時にロックする機構を説明した図である。8は位置保持用ロック板、9はレバー、10はロック位置保持用バネ、11はホッパーの扉である。
【0013】
スライドテーブル2はバネ力によりカード排出口3の方向に常に力が働いている。カードホッパーに装填されるカードはスライドテーブル2によって与えられる負荷によりカード排出口3の方向へ案内される。急作動防止等の機構を具備したロックユニット1はスライドテーブル2に取り付ける。
【0014】
ロックユニット1にスライドテーブル2に加速が発生した時にロックする機構とホッパーの扉11が開いている時にロックする機構を同時に設けている。
【0015】
進行方向にロック解除位置保持用バネ7で引っ張られていたおもり6はスライドテーブル2に加速が発生することにより慣性力を受け、そのバネ力に対抗する方向に運動する。おもり6に接続している急作動防止ロック板4が傾くことによりスライドシャフト5に齧りつく。一度齧りついた急作動防止ロック板4は進行方向の逆方向に動かさない限りその位置で保持される。
【0016】
レバー9はロック位置保持用バネ10によりホッパーの扉11側に引っ張られている。ホッパーの扉11が開いている時、位置保持用ロック板8はスライドシャフト5に齧りつき、スライドテーブル2はロックされる。ホッパーの扉11を閉じることによりレバー9が押され、位置保持用ロック板8も連動して移動し、ロックは解除される。
【産業上の利用可能性】
【0017】
発行前のICカード等を収納するカードホッパーにおいて、スライドテーブルの急作動により加速度が発生した場合にはスライドテーブルに付随するストッパが軸に食いつき急停止し、等速で動く場合にはストッパが働かない機構を設け、また、ホッパーの扉が開いている時にロックする機構も同時に設けることにより、セットしたカードを排出口側へ常に供給するように働いているスライドテーブルが無負荷状態時に急作動することを防止することができる。これにより怪我や破損等のトラブルの原因をなくすことができる。
ホッパーを具備したカード発行装置全般に適用できる。
【符号の説明】
【0018】
1 ロックユニット
2 スライドテーブル
3 カード排出口
4 急作動防止ロック板
5 スライドシャフト
6 おもり
7 ロック解除位置保持用バネ
8 位置保持用ロック板
9 レバー
10 ロック位置保持用バネ
11 ホッパーの扉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICカード等を収納するホッパーにおいて、スライドテーブルの急作動により加速度が発生した場合にはスライドテーブルに付随するストッパが軸に食いつき急停止し、等速で動く場合にはストッパが働かない機構を設け、また、ホッパーの扉が開いている時にロックする機構も同時に設けることにより、セットしたカードを排出口側へ常に供給するように働いているスライドテーブルが無負荷状態時に急作動することを防止することを特徴とするカードホッパー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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