説明

カードホルダー、装置

【課題】薄型化に対応できるカードホルダーを提供する。
【解決手段】カードホルダー11は、第1の面を有する第1のプリント配線板と、第1のプリント配線板の第1の面に固定されるとともに、カード32が差し込まれる薄型のコネクタと、第1のプリント配線板とは分離して設けられるとともに、カード32を第1のコネクタの方向に向けて案内する本体37を有するガイド16と、第1のプリント配線板を厚み方向に貫通して設けられた第1の溝部と、本体37からコネクタの方向に向けて突出するとともに、第1の溝部の内側に嵌め入れられて第1のプリント配線板の第1の面27から突出した第1の突出片と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ方向にカードを案内するためのガイドを備えたカードホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
ICカードを抜き差し自在に装着した電子機器が開示されている。この電子機器は、ケースに設けられた挿入口と、挿入口に隣接した位置に設けられ下面を開放した箱状の案内部材と、案内部材の奥部に設けられるコネクタと、コネクタを実装した回路基板と、を備えている。案内部材は、回路基板上に固定されている。案内部材は、回路基板の表面に沿って延びた下案内リブと、天井面から下方に突出した上案内リブと、を有しており、プラスチックによって一体に成形されている。
【0003】
この電子機器では、ICカードは、下案内リブおよび上案内リブにガイドされて、奥部にあるコネクタに確実に差し込まれる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−246793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電子機器を薄型化するためにコネクタを薄型化すると、下案内リブの厚みを薄くする必要がある。しかしながら、案内部材は、プラスチックの成形品であるため、下案内リブを成形するには、ある一定以上の厚み寸法を確保する必要がある。このため、上記従来の電子機器では、近年のカードホルダーの薄型化の要請に十分に対応できなくなっていた。
【0006】
本発明の目的は、薄型化に対応できるカードホルダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係るカードホルダーは、第1の面を有する第1のプリント配線板と、前記第1のプリント配線板の前記第1の面に固定されるとともに、カードが差し込まれる薄型のコネクタと、前記第1のプリント配線板とは分離して設けられるとともに、前記カードを前記第1のコネクタの方向に向けて案内するガイドと、前記第1のプリント配線板を厚み方向に貫通して設けられた第1の溝部と、前記ガイドから前記コネクタの方向に向けて突出するとともに、前記第1の溝部の内側に嵌め入れられて前記第1のプリント配線板の前記第1の面から突出した第1の突出片と、を具備する。
【発明の効果】
【0008】
上記の構成によれば、薄型化に対応できるカードホルダーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態に係るカードホルダーを示す斜視図。
【図2】図1に示すカードホルダーの縦方向に沿った断面図。
【図3】図1に示すカードホルダーの第1のコネクタ周辺を拡大して示した斜視図。
【図4】図1に示すカードホルダーの支持部材をベースから分離して示した斜視図。
【図5】図1に示すカードホルダーのベースおよび第6のプリント配線板を示す斜視図。
【図6】図5に示すカードホルダーのベースに第1から第5のプリント配線板を取り付けた後に支持部材を取り付ける工程を示した斜視図。
【図7】図6に示すカードホルダーの取付け工程の次の工程を示した斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図1から図7を参照して、表示装置の一例であるカードホルダーの実施形態について説明する。このカードホルダー11は、例えば地上波デジタル放送、BSデジタル放送、CSデジタル放送をテレビ等で受信する際に必要なB−CAS(BS-Conditional Access Systems)カードを差し込んで保持するものである。また、このカードホルダー11は、テレビの録画装置等に内蔵されており、種類の異なるB−CASカードを最大で6枚同時に差し込んで保持することができる。
【0011】
図1、図2に示すように、カードホルダー11は、互いに対向するように設けられた第1から第6のプリント配線板12A〜Fと、第1から第6のプリント配線板12A〜Fの間にそれぞれ介在される第1から第5のスタッキングコネクタ13A〜Eと、を備えている。第1から第6のプリント配線板12A〜Fによって、プリント配線板ユニット14が構成されている。カードホルダー11は、さらに、このプリント配線板ユニット14の底部および側部を取り囲むベース15と、プリント配線板ユニット14の前部に取り付けられるガイド16と、第1から第6のプリント配線板12A〜Fをベース15に固定するための一対の支持部材17と、を備えている。
【0012】
図5に示すように、ベース15は、金属板金で形成されており、「U」字状の断面形状をなしている。ベース15は、底壁15Aと、底壁15Aの対向する一対の辺部からそれぞれ立ち上がった側壁15Bと、側壁15Bの前部上端に設けられた受け片18と、を有している。図3と図5に示すように、側壁15Bは、複数の横長の貫通孔21と、複数の方形の開口部22と、を有している。受け片18は、後述する取付部38の通孔45に通されたねじを固定するためのねじ穴18Aを有している。
【0013】
図4と図6に示すように、一対の支持部材17は、方形の板状をなしており、第1から第5のプリント配線板12A〜Eに向けて突出した5個の保持爪23をそれぞれ有している。各保持爪23は、断面「U」字状をなしており、第1から第5のプリント配線板12A〜Eを上下から挟んで保持することができる。さらに、各支持部材17は、側壁15Bの複数の開口部22のうちの一部に嵌る4個の爪部24と、側壁15Bの複数の開口部22のうちの一部に嵌る位置決め用の3個のピン25と、側壁15Bの複数の開口部22のうちの1個に嵌りこむフック26と、を有している。一対の支持部材17は、フック26を持ち上げてベース15との間の係合を解除した後に、爪部24が外れる方向にスライドさせることで、ベース15から簡単に取り外すことができる。
【0014】
また、支持部材17は、それぞれ折り曲げ部19を有しており、折り曲げ部19は、第1から第5のプリント配線板12A〜Eの後ろ側の端部に突き当たってこれらの位置決めを行っている。
【0015】
図2に示すように、第1から第6のプリント配線板12A〜Fは、それぞれ上面である第1の面27と、下面である第2の面28と、を備えている。図6に示すように、第1から第6のプリント配線板12A〜Fは、後述するガイド16の第1から第6の突出片42A〜Fがそれぞれ差し込まれる第1から第6の溝部31A〜Fを一対に有している。第1から第6の溝部31A〜Fは、各プリント配線板12A〜Fのガイド16に対向する端部に設けられており、各プリント配線板12A〜Fを厚み方向に貫通している。第1から第6の溝部31A〜Fは、各プリント配線板12A〜Fの端面から第1から第6のコネクタ33A〜Fに向かう方向、すなわちカード32の差し込み方向Sに沿ってそれぞれ延びている。
【0016】
第1から第6の溝部31A〜Fは、ガイド16に対向する端部の位置に端近部39をそれぞれ有している。端近部39は、ガイド16の本体37に近づくにつれて拡開したテーパ面を形成している。端近部39によって、後述する第1から第6の突出片42A〜Fの第1から第6の溝部31A〜Fに対する差し込みを円滑に案内することができる。
【0017】
図2に示すように、第1から第6のプリント配線板12A〜Fの第1の面27には、カード32が差し込まれる第1から第6のコネクタ33A〜Fと、複数の回路部品34とがそれぞれ実装されている。第1から第6のコネクタ33A〜Fは、扁平な薄型の箱形状をなしており、ガイド16に対向している前部を開放している。この第1から第6のコネクタ33A〜Fに対して、図1に示すように、カード32が差し込まれる。
【0018】
第1のプリント配線板12Aと第2のプリント配線板12Bとの間には、第1のスタッキングコネクタ13Aが配置されており、これらを電気的に接続するとともに物理的に固定している。また、第2のプリント配線板12Bと第3のプリント配線板12Cとの間には、第2のスタッキングコネクタ13Bが配置されており、これらを電気的に接続するとともに物理的に固定している。第3のプリント配線板12Cと第4のプリント配線板12Dとの間には、第3のスタッキングコネクタ13Cが配置されており、これらを電気的に接続するとともに物理的に固定している。第4のプリント配線板12Dと第5のプリント配線板12Eとの間には、第4のスタッキングコネクタ13Dが配置されており、これらを電気的に接続するとともに物理的に固定している。第5のプリント配線板12Eと第6のプリント配線板12Fとの間には、第5のスタッキングコネクタ13Eが配置されており、これらを電気的に接続するとともに物理的に固定している。
【0019】
第1から第5のスタッキングコネクタ13A〜Eは、それぞれ若干大きさが異なっており、第1のスタッキングコネクタ13Aから第5のスタッキングコネクタ13Eにいくにつれて、少しずつ大きさ(直径)が小さくなるようになっている。これによって、第1から第6のプリント配線板12A〜Fの同士の間で位置が入れ替わらないようになっている。
【0020】
第2から第5のプリント配線板12B〜Eの第2から第6のコネクタ33B〜Fの上側には、図5に示すような小片35がそれぞれ接着されている。各コネクタ33B〜Fの高さと小片35との高さとを足し合わせた寸法は、スタッキングコネクタ13A〜Eの高さ寸法と略同等になっている。このため、第1から第6のプリント配線板12A〜Fを互いに対向する方向にスタックする際に、スタッキングコネクタ13A〜Eが設けられた位置が高くなるように第1から第5のプリント配線板12A〜Eが傾いてしまうことが防止されている。
【0021】
図2、図3、図7に示すように、ガイド16は、第1から第6のプリント配線板12A〜Fとは分離した位置に設けられており、カード32を第1から第6のコネクタ33A〜Fの方向に向けて案内することができる。ガイド16は、合成樹脂を一体に成形したもので構成される。ガイド16は、第1から第6のコネクタ33A〜Fに対応して、計6個の方形の開放部36を有している。すなわち、ガイド16は、各開放部36の周囲を枠状に規定した本体37と、本体37に隣接して設けられる取付部38と、本体37の下側の端部に設けられるフック部と、第1から第6のコネクタ33A〜Fに向けて本体37から突出する第1から第6の突出片42A〜Fと、第1から第5のプリント配線板12A〜Eに当接するように本体37から突出した第1から第5の当接片43A〜Eと、を有している。フック部は、ベース15の底壁15Aに設けられた孔部44に引っ掛かるようになっている。図1に示すように、取付部38は、ねじを通すための通孔45を有しており、通孔45にねじを通すことによって、ガイド16をベース15に対して固定することができる。
【0022】
第1から第6の突出片42A〜Fは、第1から第6のプリント配線板12A〜Fに向けてそれぞれ一対に突出している。第1から第6の突出片42A〜Fは、第1から第6のプリント配線板12A〜Fの第1から第6の溝部31A〜Fの内側にそれぞれ差し込まれており、第1から第6のプリント配線板12A〜Fの第1の面27から上方に微小量突出している。この第1の面27から突出した第1から第6の突出片42A〜Fの突出量は、隣接したプリント配線板12同士の間隔よりも小さく、且つ、ガイド16の成形時のばらつきを考慮して、第1から第6のプリント配線板12A〜Fの第1の面27からこれらが確実に突出する長さに調整されている。第1から第6の突出片42A〜Fが第1の面27から突出する突出量は、例えば、0.1mm〜0.4mm程度である。
【0023】
第1から第6の突出片42A〜Fは、カード32の差し込み方向Sにおいて、第1から第6の溝部31A〜Fに対して抜き差し可能になっている。第1から第6の突出片42A〜Fは、カード32の下面に当接して、カード32を第1から第6のコネクタ33A〜Fに向けて下側から案内することができる。
【0024】
また、第1から第6の突出片42A〜Fは、第1から第6のプリント配線板12A〜Fをそれらが延びている方向、すなわち水平方向において位置決めすることができる。第1から第6の突出片42A〜Fは、第1から第6のプリント配線板12A〜Fとそれぞれ平行な方向に延びている。第1から第6の突出片42A〜Fは、第1から第5の当接片43A〜Eよりも内側の位置に配置されている。
【0025】
図2に示すように、第1の当接片43Aは、第1のプリント配線板12Aの第1の面27に突き当たっている。第2の当接片43Bは、第2のプリント配線板12Bの第1の面27に突き当たっている。第3の当接片43Cは、第3のプリント配線板12Cの第1の面27に突き当たっている。第4の当接片43Dは、第4のプリント配線板12Dの第1の面27に突き当たっている。第5の当接片43Eは、第5のプリント配線板12Eの第1の面27に突き当たっている。
【0026】
なお、本発明にいう第1および第2のプリント配線板、第1および第2の溝部、第1および第2の突出片は、第1から第6のプリント配線板12A〜F、第1から第6の溝部31A〜F、および第1から第6の突出片42A〜Fに含まれるもののうち、隣接する2つに相当する相対的な概念である。
【0027】
続いて、図1、図2、図4から図7を参照して、本実施形態のカードホルダー11の組立工程について説明する。図5に示すように、まず初めにベース15の底壁15Aに対して第6のプリント配線板12Fをねじ48等で固定する。次に、第5のスタッキングコネクタ13Eを利用して、第6のプリント配線板12Fに第5のプリント配線板12Eを固定する。次に、図2に示すように、第4のスタッキングコネクタ13Dを利用して、第5のプリント配線板12Eに第4のプリント配線板12Dを固定する。さらに、第3のスタッキングコネクタ13Cを利用して、第4のプリント配線板12Dに第3のプリント配線板12Cを固定する。さらに、第2のスタッキングコネクタ13Bを利用して、第3のプリント配線板12Cに第2のプリント配線板12Bを固定する。そして、第1のスタッキングコネクタ13Aを利用して、第2のプリント配線板12Bに第1のプリント配線板12Aを固定する。この状態では、各スタッキングコネクタ13A〜Eによって、第1から第6のプリント配線板12A〜Fが仮固定された状態となる。
【0028】
そして、図4に示すように、ベース15の一方の側壁15Bおよび第1から第6のプリント配線板12A〜Fに対して、1つ目の支持部材17を装着する。続いて、図6に示すように、ベース15の他方の側壁15Bおよび第1から第6のプリント配線板12A〜Fに対して、2つ目の支持部材17を装着する。これら支持部材17の装着は、図6に示すように、まず、ベース15の側壁15Bに近づける方向D1に支持部材17を接近させ、各保持爪23を貫通孔21に通し、爪部24、位置決めピン25、フック26をそれぞれ各開口部22に通すようにする。続いて、支持部材17を前方に向かう方向D2に沿って移動させ、各爪部24を貫通孔21の周囲の縁部に引っ掛ける。これによって、フック26が貫通孔21の内側に落ち込んで、ロック状態となる。また、第1から第6のプリント配線板12A〜Fは、支持部材17の各保持爪23によってそれぞれ両側から保持される。
【0029】
図7に示すように、ガイド16をカード32の差し込み方向Sに沿って移動させ、ベース15および第1から第6のプリント配線板12A〜Fに対してガイド16を固定する。このとき、ガイド16の第1から第6の突出片42A〜Fは、それぞれ第1から第6のプリント配線板12A〜Fの第1から第6の溝部31A〜Fの内側に入り込む。また、ガイド16の第1から第5の当接片43A〜Eは、それぞれ第1から第5のプリント配線板12A〜Eの第1の面27に当接する。また、ガイド16の取付部38に設けられた固定孔46に対して、ベース15の側壁15Bから突出した位置決めリブ47が差し込まれて、図1に示す状態になる。図1に示す状態では、フック部は、孔部44の内側に嵌り込んでロック状態となる。この状態で取付部38の通孔45、および受け片18のねじ穴18Aに対してねじを固定して、カードホルダー11の組立工程が完了する。
【0030】
第1の実施形態によれば、カードホルダー11は、第1の面27を有する第1のプリント配線板と、第1のプリント配線板の第1の面27に固定されるとともに、カード32が差し込まれる薄型のコネクタと、第1のプリント配線板とは分離して設けられるとともに、カード32を第1のコネクタの方向に向けて案内する本体37を有するガイド16と、第1のプリント配線板を厚み方向に貫通して設けられた第1の溝部と、本体37からコネクタの方向に向けて突出するとともに、第1の溝部の内側に嵌め入れられて第1のプリント配線板の第1の面27から微小量突出した第1の突出片と、を具備する。
【0031】
この構成によれば、薄型コネクタの採用に起因して、第1の突出片を配置するスペースを第1のプリント配線板上に確保できない場合であっても、第1の溝部の内側に第1の突出片を配置することで、第1の突出片を第1の面から微小量だけ突出させることができる。これによって、第1の面27から微小量だけ突出した第1の突出片によって、コネクタに向けてカード32を円滑に案内することができる。また上記構成によれば、第1の突出片を樹脂によってガイド16と一体に成形できるため、コネクタを薄型のものに変更したとしても、従来通り例えば射出成形等の手法によってガイド16および第1の突出片を製造することができる。
【0032】
また、カードホルダー11は、第1のプリント配線板の第1の面とは反対側の第2の面に対向した第2のプリント配線板と、第1のプリント配線板と第2のプリント配線板との間の位置で、第1のプリント配線板と第2のプリント配線板とを接続したスタッキングコネクタと、本体37から突出して第1のプリント配線板の第1の面に突き当たった当接片と、を具備する。この構成によれば、当接片によって、第1のプリント配線板の浮き上がりを防止できるため、第1の突出片を第1の面から確実に微小量突出させることができる。また、当接片がスタッキングコネクタの反対側に設けられるため、スタッキングコネクタによって仮固定された状態の第1のプリント配線板が第2のプリント配線板から脱落してしまうことを防止できる。さらに、上記構成によれば、ねじ等を利用することなく第1のプリント配線板と第2のプリント配線板とを固定することができ、カードホルダーの組立を簡単に行うことができる。
【0033】
この場合、カードホルダー11は、第2のプリント配線板を厚み方向に貫通して設けられた第2の溝部と、本体37から突出するとともに第2の溝部の内側に嵌め入れられた第2の突出片と、を具備する。これらの構成によれば、本体37から突出した第1の突出片および第2の突出片によって、第1のプリント配線板および第2のプリント配線板を簡単に位置決めすることができる。
【0034】
このとき、第1の溝部および第2の溝部は、カード32の差し込み方向に沿って延びており、第1の突出片は、第1の溝部に対して差し込み方向に抜き差し可能であるとともに、第2の突出片は、第2の溝部に対して差し込み方向に抜き差し可能である。この構成によれば、差し込み方向Sに沿ってガイド16を第1のプリント配線板および第2のプリント配線板に近づく方向に移動させることで、第1の突出片および第2の突出片を第1の溝部および第2の溝部に一括して簡単に差し込むことができる。一方、第1のプリント配線板および第2のプリント配線板のいずれかを修理等する際には、差し込み方向Sに沿ってガイド16を第1のプリント配線板および第2のプリント配線板から離れる方向に移動させ、第1の溝部および第2の溝部から第1の突出片および第2の突出片を取り外して簡単に分解できる。
【0035】
また、第1の溝部および第2の溝部は、本体37に近づくにつれて拡開した端近部39をそれぞれ含んでいる。この構成によれば、第1の溝部および第2の溝部に対する第1の突出片および第2の突出片の差し込みをより一層円滑に行うことができる。また、第1の溝部および第2の溝部は、差し込み方向Sに沿って延びている部分と、端近部39のように本体37に近づくにつれて拡開している部分との両方を含んでいるため、第1のプリント配線板および第2のプリント配線板の位置決めの確実性と、第1の突出片および第2の突出片の差し込み容易性の両方を簡単な構造で実現できる。
【0036】
本発明のカードホルダー11は、その他、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0037】
11…カードホルダー、12A〜F…第1から第6のプリント配線板、13A〜E…第1から第5のスタッキングコネクタ、16…ガイド、27…第1の面、28…第2の面、31A〜F…第1から第6の溝部、32…カード、33A〜F…第1から第6のコネクタ、42A〜F…第1から第6の突出片、43A〜E…第1から第5の当接片、S…差し込み方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面を有する第1のプリント配線板と、
前記第1のプリント配線板の前記第1の面に固定されるとともに、カードが差し込まれる薄型のコネクタと、
前記第1のプリント配線板とは分離して設けられるとともに、前記カードを前記第1のコネクタの方向に向けて案内する本体を有するガイドと、
前記第1のプリント配線板を厚み方向に貫通して設けられた第1の溝部と、
前記本体から前記コネクタの方向に向けて突出するとともに、前記第1の溝部の内側に嵌め入れられて前記第1のプリント配線板の前記第1の面から突出した第1の突出片と、
を具備することを特徴とするカードホルダー。
【請求項2】
前記第1のプリント配線板の前記第1の面とは反対側の第2の面に対向した第2のプリント配線板と、
前記第1のプリント配線板と前記第2のプリント配線板との間の位置で、前記第1のプリント配線板と前記第2のプリント配線板とを接続したスタッキングコネクタと、
前記本体から前記第1のプリント配線板の前記第1の面に突き当たるように突出した当接片と、
を具備することを特徴とする請求項1に記載のカードホルダー。
【請求項3】
前記第2のプリント配線板を厚み方向に貫通して設けられた第2の溝部と、
前記本体から突出して前記第2の溝部の内側に嵌め入れられる第2の突出片と、
を具備することを特徴とする請求項2に記載のカードホルダー。
【請求項4】
前記第1の溝部および前記第2の溝部は、前記カードの差し込み方向に沿って延びており、
前記第1の突出片は、前記第1の溝部に対して前記差し込み方向に抜き差し可能であるとともに、前記第2の突出片は、前記第2の溝部に対して前記差し込み方向に抜き差し可能であることを特徴とする請求項3に記載のカードホルダー。
【請求項5】
前記第1の溝部および前記第2の溝部は、前記本体に近づくにつれて拡開した端近部をそれぞれ含むことを特徴とする請求項4に記載のカードホルダー。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−39598(P2011−39598A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−183706(P2009−183706)
【出願日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】