説明

カード処理装置

【課題】挿入口に異物が設置されるのを抑制しながら、挿入口に異物が設置された場合にも異物を検出することが可能なカード処理装置を提供する。
【解決手段】カードが挿入される挿入口1aと、挿入口1aを開閉するために、移動可能に設けられたシャッタ部材5と、シャッタ部材5の位置を検出するためのシャッタ位置検出センサと、シャッタ部材5が閉状態の場合に、シャッタ部材5の上端部5aと当接する当接部1bと、を備えている。そして、シャッタ部材5の上端部5aには、幅方向に所定の間隔を隔てて複数の凸部5bが形成され、当接部1bには、シャッタ部材5が閉状態の場合に、シャッタ部材5の凸部5bが配置される凹部1cが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、挿入口を開閉するためのシャッタ部材を備えたカード処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カードが挿入される挿入口と、挿入口を開閉するためのシャッタ部材とを備えたカード処理装置において、不正行為を防ぐための対策を施したカード処理装置が知られている(たとえば、特許文献1および2参照)。
【0003】
上記特許文献1には、シャッタ部材の端部に複数のV溝が形成されたカード処理装置が開示されている。このカード処理装置は、紐が取り付けられたカードが挿入された後シャッタ部材が閉じた場合に、紐がV溝に落ち込むように構成されている。これにより、カードに取り付けられた紐を用いて、シャッタ部材が強制的に開かれるのを防止することが可能である。したがって、挿入されたカードが記録情報の更新前に強制的に引き抜かれるのを防止することが可能である。
【0004】
一方、挿入口の内部に異物を設置して意図的にカード詰りを発生させ、カードの利用者が係員を呼びに行っている間に、詰ったカードを抜き取って持ち去るという不正行為が行われる場合もある。この対策として、上記特許文献2には、棒状の異物検出部材と、異物検出部材が嵌合する嵌合部材と、異物検出部材が嵌合部材に嵌合したか否かを検出する検出部材とが挿入口に設けられたカード処理装置が開示されている。異物検出部材は、カードの挿入方向と直交する方向に延びるように形成されている。嵌合部材は、カードの挿入方向と直交する方向に延びるように溝状に形成されている。このカード処理装置は、シャッタ部材が開いた場合に異物検出部材が上昇するとともに、シャッタ部材が閉じた場合に、異物検出部材が下降して嵌合部材の溝に嵌合するように構成されている。
【0005】
そして、上記特許文献2のカード処理装置では、挿入口に糸状の異物が設置されている場合において、シャッタ部材を閉じた場合には、下降する異物検出部材が異物により遮られ嵌合部材に嵌合しない。このとき、検出部材により、異物検出部材が嵌合部材に嵌合していないことが検出される。これにより、挿入口に糸状の異物が設置されたことを検出する。
【0006】
【特許文献1】特許第2915789号公報
【特許文献2】特許第3876053号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献2に開示された従来のカード処理装置では、糸状の異物を検出することが可能である一方、たとえば、嵌合部材の延びる方向に沿ってフィルム状の異物が挿入口を塞ぐように設置された場合には、異物を検出することが困難であるという問題点がある。
【0008】
なお、上記特許文献1のカード処理装置では、挿入口に設置された異物を検出する機能は備わっていない。
【0009】
本発明は、上述した課題を解決するものであって、その目的とするところは、挿入口に異物が設置されるのを抑制しながら、挿入口に異物が設置された場合にも異物を検出することが可能なカード処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のカード処理装置は、カードが挿入される挿入口と、挿入口を開閉するために、移動可能に設けられたシャッタ部材と、を備えたカード処理装置において、シャッタ部材の位置を検出するためのシャッタ位置検出部と、シャッタ部材が閉状態の場合に、シャッタ部材の端部と当接する当接部と、をさらに備え、シャッタ部材の端部には、幅方向に所定の間隔を隔てて複数の凸部が形成され、当接部には、シャッタ部材が閉状態の場合に、シャッタ部材の凸部を受け入れる受入部が形成されている。
【0011】
このように構成することによって、挿入口に異物が設置されている場合において、挿入口を閉じるようにシャッタ部材を移動させた場合には、異物により、凸部が受入部に受け入れられるのが妨げられる。すなわち、異物により、シャッタ部材が閉状態の位置まで移動することが妨げられる。このとき、シャッタ位置検出部では、シャッタ部材が閉状態の位置まで移動していないことが検出されるので、挿入口に異物が設置されたことを検出することができる。また、シャッタ部材に複数の凸部が形成され、当接部に凸部を受け入れる受入部が形成されていることにより、上記特許文献2のように、カードの挿入方向と直交する方向に延びる溝状の嵌合部材が設けられる場合に比べて、挿入口内に異物を設置しにくくすることができる。
【0012】
上記カード処理装置において、シャッタ部材を移動させるための駆動部と、駆動部を制御する制御部と、をさらに備え、制御部は、挿入口を閉じるように、駆動部によりシャッタ部材を移動させたときに、シャッタ位置検出部の検出結果に基づいて、シャッタ部材が閉状態の位置まで移動したか否かを判断することにより、挿入口に異物が設置されたか否かを判断するように構成してもよい。
【0013】
上記カード処理装置において、シャッタ部材を移動させるための駆動部と、駆動部を制御する制御部と、挿入口にカードが挿入されたことを検出するためのカード挿入検出部と、挿入口を介して挿入されたカードの位置を検出するためのカード位置検出部と、をさらに備え、制御部は、挿入口を閉じるように、駆動部によりシャッタ部材を移動させたときに、シャッタ位置検出部の検出結果に基づいて、シャッタ部材が閉状態の位置まで移動していないと判断した場合に、カード挿入検出部およびカード位置検出部の検出結果に基づいて、挿入口に異物が設置されたか否かを判断するように構成してもよい。
【0014】
このように構成すれば、カード挿入検出部およびカード位置検出部の両方がカードを検出していない場合に、挿入口に異物が設置されたと判断し、カード挿入検出部およびカード位置検出部の少なくとも一方がカードを検出している場合に、機械的故障の発生と判断することにより、異物の設置と機械的故障とを区別して検出できるので、それぞれの状況に応じた的確な対応をとることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、挿入口に異物が設置されるのを抑制しながら、挿入口に異物が設置された場合にも異物を検出することが可能なカード処理装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態では、ATM(Automated Teller Machine:現金自動預け払い機)に設けられたカード処理装置に本発明を適用した場合について説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態によるカード処理装置が設けられたATMの構成を示したブロック図である。図2は、図1のカード処理装置の概略を示した側面図である。図3は、図2のシャッタ部材が開いた状態を示した正面図であり、図4は、図2のシャッタ部材が閉じた状態を示した正面図である。図5は、図2のカード処理装置の構成を示したブロック図である。まず、図1〜図5を参照して、本実施形態によるカード処理装置100およびATM150の構成について説明する。
【0018】
ATM150は、図1に示すように、ATM本体151と、電源152と、カード処理装置100とを備えている。ATM150は、利用者が現金の引き出しなどの取引を行うために、金融機関などに設置されている。
【0019】
本発明の一実施形態によるカード処理装置100は、ATM150に設けられており、電源152から電力が供給されている。このカード処理装置100は、利用者により挿入されたカード200に対して、所定の処理を施すように構成されている。具体的には、カード処理装置100は、カード200に記憶されたデータを読み取り、その読み取ったデータをATM本体151に送信する。また、カード処理装置100は、ATM本体151から送信されたデータを受信し、その受信したデータをカード200に書き込む。
【0020】
また、カード処理装置100は、図2に示すように、筐体1と、搬送ローラ2a〜2dと、カード位置検出センサ3a〜3cと、読取/書込ヘッド4と、シャッタ部材5と、シャッタ位置検出センサ6と、カード挿入検出センサ7とを含んでいる。なお、カード位置検出センサ3aは、本発明の「カード位置検出部」の一例である。また、シャッタ位置検出センサ6は、本発明の「シャッタ位置検出部」の一例であり、カード挿入検出センサ7は、本発明の「カード挿入検出部」の一例である。
【0021】
筐体1には、矢印X2方向側の端部にカード200が挿入される挿入口1aが設けられている。搬送ローラ2a〜2dは、それぞれ、搬送路Pを挟んで上下一対に設けられている。搬送ローラ2a〜2dは、カード200を挿入方向(矢印X1方向)および排出方向(矢印X2方向)に搬送する。
【0022】
カード位置検出センサ3a〜3cは、たとえば、透過型の光センサであり、搬送路P上のカード200の位置を検出する。読取/書込ヘッド4は、挿入されたカード200に対してデータの読み取りや書き込みを行う。
【0023】
シャッタ部材5は、挿入口1aを開閉するために、開方向(矢印Z1方向)および閉方向(矢印Z2方向)に移動可能に設けられている。このシャッタ部材5の上端部5aには、図3に示すように、幅方向(Y方向)に所定の間隔L1を隔てて複数の凸部5bが形成されている。すなわち、シャッタ部材5の上端部5aは、正面視において櫛状に形成されている。凸部5bは、幅W1を有するとともに、高さHを有する。
【0024】
挿入口1aの上側(矢印Z2方向側)の内側面には、シャッタ部材5と対応する領域に当接部1bが形成されている。当接部1bには、幅方向(Y方向)に間隔L1よりも少しだけ小さい間隔L2を隔てて複数の凹部1cが形成されている。なお、凹部1cは、本発明の「受入部」の一例である。凹部1cは、幅W1よりも少しだけ大きい幅W2を有するとともに、高さHよりも大きい深さDを有する。また、凹部1cは、平面的に見て矩形状に形成されるとともに、凸部5bと対応する領域の上方に位置している。
【0025】
これにより、シャッタ部材5は、図4に示すように、閉状態の場合に、シャッタ部材5の上端部5aが当接部1bに当接するとともに、凸部5bが凹部1cに受け入れられる。すなわち、凹部1cは、凸部5bの受入部として機能する。
【0026】
シャッタ位置検出センサ6は、たとえば、マイクロスイッチであり、シャッタ部材5が閉状態の位置まで移動したことを検出する。カード挿入検出センサ7は、たとえば、マイクロスイッチであり、カード200が挿入口1aに挿入されたことを検出する。また、カード挿入検出センサ7は、カード位置検出センサ3aまでの距離がカード200の矢印X1方向における長さよりも小さくなるように配置されている。
【0027】
また、カード処理装置100は、図5に示すように、搬送ローラ2a〜2dを駆動するモータ8と、シャッタ部材5を移動させるためのソレノイドなどからなるアクチュエータ9と、ATM本体151とデータのやり取りを行うための入出力部10と、カード処理装置100の動作を制御する制御部11とを含んでいる。なお、アクチュエータ9は、本発明の「駆動部」の一例である。
【0028】
図6は、本発明の一実施形態によるカード処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。図7〜図9は、本発明の一実施形態によるカード処理装置の動作を説明するための側面図である。次に、図2および図5〜図9を参照して、本実施形態によるカード処理装置100の動作について説明する。なお、このフローチャートの各ステップは、制御部11(図5参照)により実行される。
【0029】
まず、カード処理装置100では、図6のステップS1において、カード挿入検出センサ7(図2参照)の検出結果に基づいて、カード200(図2参照)が筐体1の挿入口1a(図2参照)に挿入されたか否かが判断される。カード200が挿入口1aに挿入されていないと判断された場合には、ステップS1が繰り返し行われる。すなわち、カード処理装置100は、カード200が挿入されるまで待機する。そして、カード200が挿入口1aに挿入されたと判断されると、ステップS2に移る。
【0030】
次に、ステップS2において、アクチュエータ9(図5参照)により、シャッタ部材5(図2参照)を開方向(矢印Z1方向)に移動させる。これにより、図7に示すように、シャッタ部材5が搬送路Pから退避するので、挿入口1aが開かれる。次に、ステップS3において、モータ8(図5参照)を駆動することにより、搬送ローラ2a〜2d(図7参照)を正転させる。これにより、カード200が矢印X1方向に搬送されるので、図8に示すように、カード200が筐体1の内部に取り込まれる。なお、挿入口1aは、開かれてから所定の時間経過後にシャッタ部材5により閉じられる。この挿入口1aを閉じる動作の詳細については後述する。
【0031】
次に、ステップS4において、読取/書込ヘッド4により、筐体1の内部に取り込まれたカード200に対してデータの読み取りや書き込みが行われる。このとき、入出力部10(図5参照)を介してATM本体151(図5参照)との通信も行われる。
【0032】
その後、ATM本体151からカード200の排出指令が入力されると、ステップS5において、アクチュエータ9により、シャッタ部材5を矢印Z1方向に移動させる。これにより、図9に示すように、シャッタ部材5が搬送路Pから退避するので、挿入口1aが開かれる。次に、ステップS6において、モータ8を駆動することにより、搬送ローラ2a〜2dを逆転させる。これにより、カード200が矢印X2方向に搬送される。
【0033】
次に、ステップS7において、カード挿入検出センサ7の検出結果に基づいて、カード200が挿入口1aから抜き取られたか否かが判断される。カード200が抜き取られていないと判断された場合には、ステップS7が繰り返し行われる。すなわち、カード処理装置100は、カード200が抜き取られるまで待機する。そして、カード200が抜き取られたと判断されると、挿入口1aがシャッタ部材5により閉じられ、一連の動作が終了する。
【0034】
図10は、本発明の一実施形態によるカード処理装置の挿入口を閉じる動作を説明するためのフローチャートである。図11〜図14は、本発明の一実施形態によるカード処理装置の挿入口を閉じる動作を説明するための図である。次に、図3〜図5および図10〜図14を参照して、本実施形態によるカード処理装置100の挿入口1aを閉じる動作について説明する。なお、このフローチャートの各ステップは、制御部11(図5参照)により実行される。
【0035】
まず、カード処理装置100では、図10のステップS11において、アクチュエータ9(図5参照)により、シャッタ部材5(図3参照)を閉方向(矢印Z2方向)に移動させる。
【0036】
次に、ステップS12において、シャッタ位置検出センサ6(図5参照)の検出結果に基づいて、シャッタ部材5が閉状態の位置まで移動したか否かが判断される。そして、図4に示すように、シャッタ部材5の上端部5aが当接部1bに当接していて、シャッタ部材5が閉状態の位置まで移動したと判断された場合には、ステップS13において、正常に挿入口1aが閉じたことをATM本体151(図5参照)に送信し、挿入口1aを閉じる動作が終了する。その一方、シャッタ部材5の上端部5aが当接部1bに当接しておらず、シャッタ部材5が閉状態の位置まで移動していないと判断された場合、すなわち、正常に挿入口1aが閉じていないと判断された場合には、ステップS14に移る。
【0037】
次に、ステップS14において、カード挿入検出センサ7(図5参照)およびカード位置検出センサ3a(図5参照)の少なくともいずれか一方がカード200を検出しているか否かが判断される。そして、図11に示すように、シャッタ部材5と当接部1bとの間にカード200が存在するために、ステップS12においてシャッタ部材5が閉状態の位置まで移動していないと判断され、かつ、図12に示すように、カード挿入検出センサ7およびカード位置検出センサ3aの少なくともいずれか一方がカード200を検出している場合には、機械的な故障によりカード200を挟み込んだと判断する。この場合には、ステップS15において、その旨をATM本体151に送信し、挿入口1aを閉じる動作が終了する。そして、ATM本体151から係員室へ機械的故障の発生が通報されるとともに、ATM150は取扱中止の状態となり、係員による復旧作業が行われる。なお、機械的故障とは、たとえば、モータ8や搬送ローラ2a〜2dの故障をいう。
【0038】
その一方、図13に示すように、シャッタ部材5と当接部1bとの間に異物Fが存在するために、ステップS12においてシャッタ部材5が閉状態の位置まで移動していないと判断され、かつ、図14に示すように、カード挿入検出センサ7およびカード位置検出センサ3aの両方がカード200を検出していない場合には、異物Fを挟み込んだと判断する。この場合には、ステップS16において、その旨をATM本体151に送信し、挿入口1aを閉じる動作が終了する。そして、ATM本体151から係員室へ異物検出が通報されるとともに、ATM150は取扱中止の状態となり、係員による異物除去作業が行われる。
【0039】
本実施形態では、上記のように、幅方向に所定の間隔L1を隔てて複数の凸部5bが形成されたシャッタ部材5と、幅方向に所定の間隔L2を隔てて複数の凹部1cが形成された当接部1bとを設けることによって、挿入口1a内へ異物が設置されるのを抑制することができる。すなわち、上記特許文献2のカード処理装置では、嵌合部材の溝がカードの挿入方向と直交する方向に連続的に延びているため、この方向に沿ってフィルム状の異物を挿入口を塞ぐように溝に設置することが容易に行えるが、本実施形態では、複数の凹部1cが間隔を隔てて設けられているため、凹部1cに挿入口1aを塞ぐように異物Fを設置するのが困難となる。そして、図14に示すようにフィルム状の異物Fが設置された場合、挿入口1aに異物Fが設置されたことを検出することができる。その結果、カード処理装置100に対して、異物Fによるカード詰りをひき起こして他人のカードを持ち去るという不正な行為が行われるのを効果的に抑制することができる。また、図15に示すように、矢印X1方向における長さがシャッタ部材5の厚みよりも小さい異物Fが設置された場合でも、異物を検出することができる。
【0040】
また、本実施形態では、正常に挿入口1aが閉じていないと判断された場合に(ステップS12:No)、異物の検出か機械的な故障の検出かを判断する(ステップS14)ことによって、挿入口1aに設置された異物Fの検出精度を向上させることができる。また、正常に挿入口1aが閉じていない場合には、係員による作業が行われる必要があるが、異物の設置と機械的故障とを区別して検出することで、係員はそれぞれの状況に応じた的確な対応をとることができる。
【0041】
本発明は、上述した以外にも種々の実施形態を採用することができる。たとえば、上記実施形態では、ATM150に設けられたカード処理装置100に本発明を適用する例を示したが、これに限らず、入退室管理装置などのその他の上位装置に設けられたカード処理装置に本発明を適用してもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、ステップS14において、異物の検出か機械的故障の検出かを判断する例を示したが、これに限らず、ステップS12において、シャッタ部材5が閉状態の位置まで移動していないと判断された場合に、異物を検出したと判断するようにしてもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、シャッタ部材5の凸部5bを受け入れる受入部として、当接部1bに有底の凹部1cを形成する例を示したが、凹部1cに代えて貫通孔からなる開口部を形成し、これを受入部としてもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、シャッタ部材5が挿入口1aの下側に設けられており、シャッタ部材5の上端部5aに凸部5bが形成されるとともに、挿入口1aの上側の内側面に当接部1bが形成される例を示したが、これに限らず、シャッタ部材5が挿入口1aの上側に設けられ、シャッタ部材5の下端部に凸部が形成されるとともに、挿入口1aの下側の内側面に当接部が形成されるようにしてもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、凹部1cの深さDを凸部5bの高さHよりも大きくする例を示したが、これに限らず、凹部1cの深さDと凸部5bの高さHとを同じ大きさにしてもよいし、凸部5bの高さHを凹部1cの深さDよりも大きくしてもよい。すなわち、シャッタ部材5が閉状態の場合に、凸部5bが凹部1cに当接するようにしてもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、シャッタ位置検出センサ6の一例として、マイクロスイッチを示したが、これに限らず、シャッタ位置検出センサ6としてホール素子を用いてもよい。
【0047】
また、上記実施形態において、凸部5bの高さHは、シャッタ位置検出センサ6の検出精度に基づいて設定することができる。具体的には、凸部5bの高さHを大きくすれば、シャッタ部材5が閉状態のときの位置と、シャッタ部材5が異物Fまたはカード200を挟み込んだときの位置との距離を大きくすることができるので、検出精度の低いシャッタ位置検出センサ6を用いても、異物などを確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態によるカード処理装置が設けられたATMの構成を示したブロック図である。
【図2】図1のカード処理装置の概略を示した側面図である。
【図3】図2のシャッタ部材が開いた状態を示した正面図である。
【図4】図2のシャッタ部材が閉じた状態を示した正面図である。
【図5】図2のカード処理装置の構成を示したブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態によるカード処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態によるカード処理装置の動作を説明するための側面図である。
【図8】本発明の一実施形態によるカード処理装置の動作を説明するための側面図である。
【図9】本発明の一実施形態によるカード処理装置の動作を説明するための側面図である。
【図10】本発明の一実施形態によるカード処理装置の挿入口を閉じる動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】シャッタ部材がカードを挟み込んだ状態を示した正面図である。
【図12】シャッタ部材がカードを挟み込んだ状態を示した側面図である。
【図13】シャッタ部材が異物を挟み込んだ状態を示した正面図である。
【図14】シャッタ部材が異物を挟み込んだ状態を示した側面図である。
【図15】シャッタ部材が異物を挟み込んだ状態を示した側面図である。
【符号の説明】
【0049】
1a 挿入口
1b 当接部
1c 凹部(受入部)
3a カード位置検出センサ(カード位置検出部)
5 シャッタ部材
5a 上端部(端部)
5b 凸部
6 シャッタ位置検出センサ(シャッタ位置検出部)
7 カード挿入検出センサ(カード挿入検出部)
9 アクチュエータ(駆動部)
11 制御部
100 カード処理装置
200 カード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードが挿入される挿入口と、
前記挿入口を開閉するために、移動可能に設けられたシャッタ部材と、を備えたカード処理装置において、
前記シャッタ部材の位置を検出するためのシャッタ位置検出部と、
前記シャッタ部材が閉状態の場合に、前記シャッタ部材の端部と当接する当接部と、をさらに備え、
前記シャッタ部材の端部には、幅方向に所定の間隔を隔てて複数の凸部が形成され、
前記当接部には、前記シャッタ部材が閉状態の場合に、前記シャッタ部材の凸部を受け入れる受入部が形成されていることを特徴とするカード処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のカード処理装置において、
前記シャッタ部材を移動させるための駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、をさらに備え、
前記制御部は、前記挿入口を閉じるように、前記駆動部により前記シャッタ部材を移動させたときに、前記シャッタ位置検出部の検出結果に基づいて、前記シャッタ部材が閉状態の位置まで移動したか否かを判断することにより、前記挿入口に異物が設置されたか否かを判断することを特徴とするカード処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載のカード処理装置において、
前記シャッタ部材を移動させるための駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
前記挿入口にカードが挿入されたことを検出するためのカード挿入検出部と、
前記挿入口を介して挿入されたカードの位置を検出するためのカード位置検出部と、をさらに備え、
前記制御部は、前記挿入口を閉じるように、前記駆動部により前記シャッタ部材を移動させたときに、前記シャッタ位置検出部の検出結果に基づいて、前記シャッタ部材が閉状態の位置まで移動していないと判断した場合に、前記カード挿入検出部および前記カード位置検出部の検出結果に基づいて、前記挿入口に異物が設置されたか否かを判断することを特徴とするカード処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−140117(P2010−140117A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−313787(P2008−313787)
【出願日】平成20年12月9日(2008.12.9)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】