説明

カード用アダプタ

【課題】長期間にわたって、装着されたカードの側部の部分に隙間が生じることを防止できるカード用アダプタの提供。
【解決手段】コネクタ装置のカード挿入部に適合する幅寸法を有し、装着されるカード1の接触部3が形成される面側が開放されたハウジング10を備えるとともに、ハウジング10に埋設され、カード1の幅寸法とほぼ同等の幅寸法を形成させる両側部11b,11cを有し、カード1の挿入を許容させる金属枠体11を備え、ハウジング10が、金属枠体11の両側部11b,11cの外側に配置され、両側部11b,11cのそれぞれに連設される側壁10e,10fを有する構成にしてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号の送受信に活用される接触部を有するカードが装着された状態で、コネクタ装置に挿入されるカード用アダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来技術として、特許文献1に示されるものがある。この従来技術は、コネクタ装置に直接に装着されるカードと同等の幅寸法、つまりコネクタ装置のカード挿入部に適合する幅寸法を有するアダプタ本体、すなわちハウジングを備えている。このハウジングに装着されるカードは、コネクタ装置に直接に装着されるカードよりも小さく、例えば1/2以下の大きさに設定されている。また、このカードは信号の送受信に活用される接続端子、すなわち接触部と、この接触部を保持し、外殻を形成する樹脂フレームとを備えている。
【0003】
ハウジングは、カードが装着された際に、カードの接触部が形成された面側が開放されるように形成されている。このハウジングのスロット部、すなわちカード挿入部は凹状に形成されており、下面は強度を確保するために非磁性金属薄板で形成されている。
【特許文献1】特開2000−276573公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術は、ハウジングのカード挿入部の下面を非磁性金属薄板で形成することによって剛性を確保しているが、このハウジングに繰り返しカードが装着されると、カードの側部が樹脂製のハウジングの側縁に装着のたびに接触し、このハウジングの側縁にへたりを生じる懸念がある。このようなへたりが生じると、ハウジングの側縁と、このハウジングに装着されるカードの側部との間に隙間ができ、この隙間のために装着したカードがハウジングから脱落する虞がある。すなわち、従来技術は耐久性の点で十分なものとは言い難い。
【0005】
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、長期間にわたって、装着されたカードの側部の部分に隙間が生じることを防止できるカード用アダプタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明は、コネクタ装置のカード挿入部に適合する幅寸法を有し、装着されるカードの接触部が形成される面側が開放されたハウジングを備えるとともに、上記ハウジングに埋設され、上記カードの幅寸法とほぼ同等の幅寸法を形成させる両側部を有し、上記カードの挿入を許容させる金属枠体を備え、上記ハウジングが、上記金属枠体の両側部の外側に配置され、両側部のそれぞれに連設される側壁を有することを特徴としている。
【0007】
このように構成した本発明は、ハウジングにカードを装着させるに際し、カードの側部をハウジングに埋設した金属枠体の両側部に接触させるようにしてカードを装着させることができる。すなわち、カードと樹脂製のハウジングとの間に金属枠体の側部を介在させることができるので、カードの側部とハウジングの側部とが接触せず、繰り返し行なわれるハウジングへのカードの装着に際して、カードの接触によりハウジングのへたりを生じる虞がない。したがって長期間にわたって、カードの側部の部分、すなわちカードの側部と金属枠体の側部との間に隙間を生じることがなく、これによって長期間にわたってハウジングからのカードの脱落を防ぐことができ、ハウジングにカードを安定して保持させることができる。また、ハウジングが金属枠体の両側部の外側のそれぞれに側壁を有することから、これらの側壁の形状を適宜に設定することにより、ハウジングの幅寸法をコネクタ装置のカード挿入部に適合する幅寸法に容易に設定することができる。
【0008】
また本発明は、上記発明において、上記側壁のそれぞれを接続する接続部を備えたことを特徴としている。このように構成した本発明は、両側壁を接続する接続部によって金属枠体の曲げ変形を抑えることができ、金属枠体の本来の形状を長期間にわたって維持することができる。
【0009】
また本発明は、上記発明において、上記接続部が上記ハウジングの一部であることを特徴としている。このように構成した本発明は、特別な部材を設けることなく接続部を形成でき、簡単な構成とすることができる。
【0010】
また本発明は、上記発明において、上記金属枠体の上記カードの挿入口側に切り欠き部を備えたことを特徴としている。このように構成した本発明は、ハウジングに装着されたカードを引き抜く際に、切り欠き部に指を挿入させることにより容易にカードを引き抜くことができる。
【0011】
また本発明は、上記発明において、挿入される上記カードと対向する面を形成する上記金属枠体の表面に、この表面を被覆する樹脂部を形成したことを特徴としている。このように構成した本発明は、カードをハウジングに挿入するに際し、カードが樹脂部に接触することにより、カードの円滑な挿入を実現できるとともに、繰り返し行なわれるハウジングへのカードの装着に伴うカードの損耗を抑えることができる。また、樹脂部により、カードと金属枠体との短絡を防止できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、長期間にわたって、装着されたカードの側部の部分に隙間が生じることを防止でき、これによってハウジングからのカードの脱落を防止できる。すなわち、長期間にわたってハウジングにカードを安定して保持させることができ、従来に比べて優れた耐久性を確保できる。また、金属枠体の外側に両側壁を設けたことにより、ハウジングの幅寸法をコネクタ装置のカード挿入部に適合する幅寸法に容易に設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下,本発明に係るカード用アダプタを実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。
【0014】
[本実施形態に使用されるカード]
図1は本発明に係るカード用アダプタの一実施形態に使用されるカードを示す図で、(a)図は平面図、(b)図は側面図である。
【0015】
この図1に示す本実施形態で使用されるメモリカード、すなわちカード1は、例えば図示しないコネクタ装置に直接に装着される図示しないカードと同等の奥行き寸法を有し、上述の図示しないカードに比べて幅寸法が小さく設定されている。
【0016】
このカード1は、図1に示すように、奥側に位置する奥側部分2に、図示しないコネクタ装置の接続端子と接触して信号の送受信に活用される複数の接触部3を備えている。また、奥側端部4には幅方向に沿ってテーパ部4aが形成され、このテーパ部4aの両端には曲面部4bが形成されている。奥側端部4の端面4cは、同図1の(b)図に示すように平坦面となっている。さらにカード1の側部には、凹部5と切り欠き部6とが形成されている。
【0017】
[本実施形態の構成]
図2は本実施形態の構成を示す図で、(a)図は平面図、(b)図は側面図、(c)図は正面図、(d)図は背面図である。図3は本実施形態の裏面図である。図4は本実施形態にカードが装着された際における金属枠体の底部を除いた状態を示す裏面図、図5は図2の(a)図のB矢視拡大図である。本実施形態のカード用アダプタは、ハウジング10と、このハウジング10に埋設される金属枠体11とによって構成されている。
【0018】
[ハウジングの構成]
図2に示すように、本実施形態に備えられるハウジング10は、樹脂から成り、図示しないコネクタ装置のカード挿入部に適合する幅寸法を有し、装着されるカードである図1に示すカード1の接触部3が形成される面側が開放された形状になっている。すなわち、同図2の(c)図に示す正面図の上側が開放された形状になっている。
【0019】
ハウジング10の手前側には、カード1の挿入口10aが形成され、奥側端部10bには、同図2の(d)図に示すように、上述したカード1の奥側端部4が挿入される逃げ部10cが形成されている。このハウジング10の奥側端部10bの外端面10dは平坦面に形成されている。
【0020】
ハウジング10は、同図2の(a)図に示すように、後述する金属枠体11の両側部11b,11cの外側に配置され、両側部11b,11cのそれぞれに連設される側壁10e,10fを備えている。上述したハウジング10の奥側端部10bは、側壁10eと側壁10fとを接続する接続部を構成している。
【0021】
また、上述したカード1の切り欠き部6を案内するガイド部10gを備えている。挿入されるカード1と対向する後述の金属枠体11の表面には、この表面を被覆する樹脂部10hが形成されている。この樹脂部10hは、例えばハウジング10を製作する際の樹脂の一部によって形成されている。
【0022】
また、ハウジング10には、同図2の(c)図に示すように、奥側端部10bの逃げ部10cにカード1の奥側端部4を挿入した際に、カード1の奥側端部4の端面4cと、ハウジング10の奥側端部10bの外端面10dとが同一平面を形成するようにカード1の移動を規制するストッパ部10i,10jを形成してある。このうちのストッパ部10iは、図4にも示すように、カード1の奥側端部4の曲面部4bに適合する曲面形状に形成され、ストッパ部10jはカード1の奥側端部4のテーパ部4aに適合するテーパ形状に形成してある。
【0023】
[金属枠体の構成]
上述したハウジング10に埋設される金属枠体11は、図2の(c)図に示すように、底部11aが外部に露出している。また、底部11aから立設された両側部11b,11cと、これらの側部11b,11cのそれぞれから横方向の内側に向かって張り出し形成された張り出し部11d,11eとを有している。これらの底部11a、両側部11b,11c、及び張り出し部11d,11eによって、金属枠体11は、断面がほぼコ字形状に形成されている。上述した金属枠体11の両側部11b,11cは、カード1の幅寸法とほぼ同等の幅寸法を形成するように設定され、これらの両側部11b,11c間の上述した樹脂部10h上に、カード1が挿入されるようになっている。
【0024】
また、金属枠体11の両側部11b,11cによって、カード1の両側部を案内するガイド部が構成されている。なお、金属枠体11の両側部11b,11cによって、カードの幅方向、すなわち図2の(a)図の左右方向の移動が規制されるとともに、金属枠体11の底部11aと張り出し部11d,11eとにより、カード1の厚さ方向、すなわち同図2の(a)図の紙面と直交する方向の移動が規制される。このように金属枠体11の両側部11b,11cと、底部11aと、張り出し部11d,11eは、カード1の移動を規制する規制手段を構成している。
【0025】
図2の(a)図に示すように、この金属枠体11は、ハウジング10に装着されたカード1の移動を規制する別の規制手段を構成する係合部11fを備えている。この係合部11fは、例えば金属枠体11の一部を折り曲げて形成したものであり、カード1の側部に形成された凹部5に係合し、カード挿抜方向、すなわち図2の(a)図の前後方向の移動を規制する第1係合片11f1と、カード1の厚さ方向、すなわち同図2の(a)図の紙面と直交する方向の移動を規制する第2係合片11f2とから成っている。
【0026】
図5に示すように、第1係合片11f1と第2係合片11f2は、金属枠体11の側部11bの所定の部位において、装着されたカード1の厚さ方向に沿うように、金属枠体11の一部を複数のスリット11hを設けることにより上下に分割して形成されている。
【0027】
また、金属枠体11は、図2の(a)図に示すように、図示しないコネクタ装置に装着させたものが、図1に示すカード1が装着されるハウジング10であることを、コネクタ装置に識別させる識別部11gを備えている。すなわち、金属枠体11は、コネクタ装置に装着されたカード種別をコネクタ装置によって識別可能とする識別部11gを備えている。
【0028】
この識別部11gは、図2に示すように、金属枠体11の一部によって形成されている。すなわち、金属枠体11の張り出し部11eからさらに横方向へ延設させて形成してあり、図示しないコネクタ装置の所定の接続端子に接触可能になっている。図示しないコネクタ装置の所定の接続端子と識別部11gとが接触することにより、コネクタ装置は、カード1が装着されるアダプタであることを識別することができる。
【0029】
なお、図9は本実施形態に備えられる識別部11gの別の例を示す裏面図である。この図9に示すように、金属枠体11の底部11aの大部分をその表面と同様に樹脂で覆うようにするとともに、その一部の樹脂だけを除いて金属枠体11部分を露出させて識別部11gを形成させてもよい。また、金属枠体11の底部11aに形成される識別部11gを、金属枠体11とは別体の金属板で形成してもよい。
【0030】
さらに、上記では識別部11gを張り出し部11eから延設させて形成してあるが、張り出し部11dから延設させるようにしてもよく、また、第2係合片11f2を平板状に形成して識別部11gを兼ねさせるようにしてもよい。
【0031】
また、本実施形態は、図2,3等に示すように、金属枠体11のカード1の挿入口側に切り欠き部11iを備えている。これは、ハウジング10に装着されたカード1を、ハウジング1から引き抜く際にカード1に指を掛けることができるようにしたものである。
【0032】
[本実施形態へのカードの装着]
図6は本実施形態へのカード挿入時を示す平面図、図7は本実施形態にカードが装着された状態を示す図で、(a)図は平面図、(b)図は側面図、(c)図は正面図、(d)図は背面図、図8は本実施形態にカードが装着された状態を示す裏面図である。
【0033】
本実施形態にカード1を装着させるには、図6に示すようにカード1の奥側端部4をハウジング10の挿入口10aから挿入し、そのカード1を奥方向に向かって押し込めばよい。このカード1の押し込みによって、カード1の奥側端部4がハウジング10の奥側端部10bの逃げ部10cに挿入され、カード1の奥側端部4のテーパ部4aが図2の(c)図に示すハウジング10のテーパ形状のストッパ部10jに係止され、カード1の奥側端部4の曲面部4bがハウジング10の曲面形状のストッパ部10iに係止される。
【0034】
上述のようにカード1がハウジング10に挿入されるに際して、カード1の両側部のそれぞれが、金属枠体11の両側部11b,11cに案内されるとともに、カード1の切り欠き部6がハウジング10のガイド部10gに案内される。
【0035】
図7,8に示すように、カード1がハウジング10に装着された状態では、カード1の奥側端部4の端面4cとハウジング10の奥側端部10bの外端面10dとが同一平面を形成する。また、カード1の移動が金属枠体11の両側部11b,11cと、底部11aと、張り出し部11d,11eとによって規制されるとともに、カード1の側部に形成された凹部5に第1係合片11f1が係合し、第2係合片11f2がカード1の表面上に位置し、これらの第1係合片11f1と第2係合片11f2とによってもカード1の移動が規制される。
【0036】
なお、図示しないコネクタ装置のカード挿入口に、カード1が装着されたハウジング10を挿入する際には、例えば図8の矢印12で示すように、ハウジング10に対するカード1の挿入方向とは逆方向に挿入されることになっている。
【0037】
[本実施形態の作用効果]
このように構成した本実施形態のカード用アダプタによれば、ハウジング10に装着されるカード1の奥行き寸法が、図示しないコネクタ装置に直接に装着される図示しないカードの奥行き寸法と等しい場合にも、ハウジング10にカード1を装着させた際に、カード1の奥側端部4がハウジング10の奥側端部10bの逃げ部10c内に挿入されるので、この逃げ部10cによってカード1の動きを規制できる。これにより、ハウジング10にカード1を安定して保持させることが可能になり、優れたカード保持機能を確保できる。
【0038】
また、ハウジング10にカード1を装着させる際に、カード1のテーパ部4a及び曲面部4bのそれぞれがハウジング10の奥側端部10bに形成したストッパ部10j及びストッパ部10iのそれぞれに係止されるまで挿入することにより、ハウジング10に対してカード1を容易に精度良く位置決めさせることができ、カード1の装着が簡単である。
【0039】
また、識別部11gを介して図示しないコネクタ装置に装着されたカード種別の識別がコネクタ装置によって可能となる。すなわち、カード1を装着したハウジング10を図示しないコネクタ装置に挿入した際に、金属枠体11に形成した識別部11gによって、挿入されたものが、カード1が挿入されるハウジング10であることが図示しないコネクタ装置に識別される。つまり、識別部11gの有無に応じて、コネクタ装置に装着されたカードが、ハウジング10に装着されたカード1であるのか、それともコネクタ装置に直接に装着された別のカードであるのかを、コネクタ装置に識別させることができる。これにより、コネクタ装置に装着される異なるカードそれぞれ毎に特有の信号処理の実現が可能になり、優れた情報処理機能を確保できる。
【0040】
また、金属枠体11の一部である両側11b,11c、あるいは底部11aなどによって識別部11gを形成するので、この識別部11gを形成させるための特別な部材を要することがなく、簡単な構成とすることができ、製作費の低減に貢献する。
【0041】
また、カード1と樹脂製のハウジング10との間に金属枠体11の側部11b,11cを介在させることができるので、カード1の側部とハウジング10の側部とが接触せず、繰り返し行なわれるハウジング10へのカード1の装着に際して、カード1の接触によるハウジング10のへたりを生じる虞がない。したがって、長期間にわたって、カード1の側部の部分に隙間を生じることが無い。また、ハウジング10に装着されたカード1は、金属枠体11の両側部11b,11cと、底部11aと、張り出し部11d,11eとによって移動が規制されるとともに、係合部11fによっても移動が規制される。これらにより、長期間にわたってハウジング10からのカード1の脱落を防ぐことができ、ハウジング10にカード1を安定して保持させることができ、優れた耐久性を確保できる。
【0042】
また、第1係合片11f1と第2係合片11f2を含む係合部11fも、金属枠体11の両側部11b,11c、あるいは張り出し部11d,11eなどと同様に特別な部材を設けることなく、金属枠体11の一部によって簡単に設けることができ、製作費の低減に貢献する。
【0043】
また、ハウジング10に装着されたカード1は、金属枠体11の両側部11b,11cによってカード1の幅方向の移動が規制され、第1係合片11f1によってカード挿抜方向の移動が規制され、金属部材11の底部11aと張り出し部11d,11e、及び第2係合片11f2によってカード1の厚さ方向の移動が規制されるので、より確実にカード1をハウジング10に安定して保持させることができる。
【0044】
また、金属枠体11の所定の部位におけるこの金属枠体11の一部を、上下に分割形成して第1係合片11f1と第2係合片11f2とを簡単に設けることができるとともに、これらの第1係合片11f1と第2係合片11f2の設置スペースを小さくすることができる。
【0045】
また、ハウジング10が金属枠体11の両側部11b,11cの外側のそれぞれに側壁10e,10fを有することから、これらの側壁10e,10fの形状を適宜に設定することにより、ハウジング10の幅寸法を図示しないコネクタ装置のカード挿入部に適合する幅寸法に容易に設定することができる。
【0046】
また、ハウジング10の両側壁10e,10fを接続する奥側端部10bから成る接続部を備えていることから、この奥側端部10bによって金属枠体11の曲げ変形を抑えることができ、金属枠体11の本来の形状を長期間にわたって維持することができる。
【0047】
また、ハウジング10の両側壁10e,10fを接続する接続部がハウジング10の一部である奥側端部10bによって構成されているので、特別な部材を設けることなく接続部を形成でき、簡単な構成とすることができ、これによっても製作費の低減に貢献する。
【0048】
また、ハウジング10に装着されたカード1を引き抜く際に、金属枠体11の切り欠き部11iに指を挿入させることにより、容易にカード1を引き抜くことができ、使い勝手がよい。
【0049】
また、カード1をハウジング10に挿入するに際して、カード1が樹脂部10hに接触することにより、カード1の円滑な挿入を実現できるとともに、繰り返し行なわれるハウジング10へのカード1の装着に伴うカード1の損耗を抑えることができる。また、樹脂部10hにより、カード1と金属枠体11との短絡を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係るカード用アダプタの一実施形態に使用されるカードを示す図で、(a)図は平面図、(b)図は側面図である。
【図2】本実施形態の構成を示す図で、(a)図は平面図、(b)図は側面図、(c)図は正面図、(d)図は背面図である。
【図3】本実施形態の裏面図である。
【図4】本実施形態にカードが装着された際における金属枠体の底部を除いた状態を示す裏面図である。
【図5】図2の(a)図のB矢視拡大図である。
【図6】本実施形態へのカード挿入時を示す平面図である。
【図7】本実施形態にカードが装着された状態を示す図で、(a)図は平面図、(b)図は側面図、(c)図は正面図、(d)図は背面図である。
【図8】本実施形態にカードが装着された状態を示す裏面図である。
【図9】本実施形態に備えられる識別部の別の例を示す裏面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 カード
2 奥側部分
3 接触部
4 奥側端部
4a テーパ部
4b 曲面部
4c 端面
5 凹部
6 切り欠き部
10 ハウジング
10a 挿入口
10b 奥側端部
10c 逃げ部
10d 外端面
10e 側壁
10f 側壁
10g ガイド部
10h 樹脂部
10i ストッパ部
10j ストッパ部
11 金属枠体
11a 底部(規制手段)
11b 側部(規制手段)
11c 側部(規制手段)
11d 張り出し部(規制手段)
11e 張り出し部(規制手段)
11f 係合部(規制手段)
11f1 第1係合片
11f2 第2係合片
11g 識別部
11h スリット
11i 切り欠き部
12 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ装置のカード挿入部に適合する幅寸法を有し、装着されるカードの接触部が形成される面側が開放されたハウジングを備えるとともに、
上記ハウジングに埋設され、上記カードの幅寸法とほぼ同等の幅寸法を形成させる両側部を有し、上記カードの挿入を許容させる金属枠体を備え、
上記ハウジングが、上記金属枠体の両側部の外側に配置され、両側部のそれぞれに連設される側壁を有することを特徴とするカード用アダプタ。
【請求項2】
上記請求項1記載の発明において、
上記側壁のそれぞれを接続する接続部を備えたことを特徴とするカード用アダプタ。
【請求項3】
上記請求項2記載の発明において、
上記接続部が上記ハウジングの一部であることを特徴とするカード用アダプタ。
【請求項4】
上記請求項1記載の発明において、
上記金属枠体の上記カードの挿入口側に切り欠き部を備えたことを特徴とするカード用アダプタ。
【請求項5】
上記請求項1〜4のいずれか1項記載の発明において、
挿入される上記カードと対向する面を形成する上記金属枠体の表面に、この表面を被覆する樹脂部を形成したことを特徴とするカード用アダプタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−34563(P2007−34563A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−215372(P2005−215372)
【出願日】平成17年7月26日(2005.7.26)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】