説明

カーペット留め具

【課題】この発明は、例えば裂け目、破れ等の損傷がカーペットの縁部に発生することや、カーペットが外れるのを防止することができるカーペット留め具の提供を目的とする。
【解決手段】ワイヤハーネスBにハーネス保持部3を固定した後、ワイヤハーネスBが取り付けられたカーペット留め具1をロッカパネルAに固定する。ケーブル保持部5にケーブルDを固定した後、カーペット留め具1の係止突起4をカーペットCの係止孔Caに下方から挿入して、該係止突起4の係止鍔4bを、カーペットCの係止孔Caの周縁部に係止する。これにより、ワイヤハーネスBと、ケーブルDと、カーペットC1とが取り付けられたカーペット留め具1をロッカパネルAに固定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両の室内側に配置されたロッカパネルにカーペットを固定する際に用いられるカーペット留め具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両の室内側に配置されたロッカパネル上面に配索されるワイヤハーネスを考慮しつつ、そのロッカパネルにカーペットを取り付けるためのハーネスクランプが既に提案されている(特許文献1参照)。
前記特許文献のハーネスクランプは、カーペットの係止孔にクランプ基部のスカッフプレート差込み部を下方から挿通して、該スカッフプレート差込み部にカーペットを係止する。この後、カーペットの係止孔より上方に突出されたクランプ基部のスカッフプレート差込み部にスカッフプレートの係合爪部を上方から係止して、クランプ基部の上面にスカッフプレートを取り付ける。これにより、クランプ差込み部とスカッフプレートにてカーペットを押さえ込むようにして固定する。
【0003】
しかし、カーペットの係止孔が角張った形状に形成されている場合、カーペットに足を載せた際の応力が、スカッフプレート差込み部が係止された係止孔の角張った部分に集中するため、例えば裂け目、破れ等がカーペットの縁部に発生しやすい。
また、クランプ基部のスカッフプレート差込み部にスカッフプレートの係合爪部を係止するまでは、カーペットの係止孔が固定されていないため、クランプ基部のスカッフプレート差込み部から外れやすく、スカッフプレートの取り付けが完了するまでカーペットを押さえ込んでいなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−315102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、例えば裂け目、破れ等の損傷がカーペットの縁部に発生することや、カーペットが外れるのを防止することができるカーペット留め具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、車両の室内側に配置されたロッカパネルに固定される留め具本体に、該室内側に敷設されるカーペットの縁部を固定するためのカーペット固定部を備えたカーペット留め具であって、前記カーペット固定部を、前記カーペットの縁部に形成された平面から見て丸形状の係止孔に係止される係止突起で構成し、前記係止突起を、前記係止孔と対応して平面から見て丸形状に形成したカーペット留め具であることを特徴とする。
【0007】
これにより、カーペット留め具の係止突起をカーペットの係止孔に係止した際、係止突起と係止孔との滑らかな曲線部分が互いに接触され、係止孔全体に応力が分散して付与されるので、例えば裂け目、破れ等の損傷がカーペットの縁部に発生するのを防止することができる。
【0008】
この発明の態様として、前記係止突起を、前記係止孔より小径に形成された軸部と、該軸部の周面に形成された可撓性を有する係止鍔とで構成し、前記係止鍔を、係止鍔自体の復元力に抗して前記係止孔に対し挿入が許容される挿入形態に変形可能で、該係止鍔自体の復元力により前記係止孔に対し係止される係止形態に復帰可能に設けることができる。
これにより、係止孔に対する係止突起の挿入が容易に行えるとともに、係止孔に対し係止突起が確実に係止されるので、係止突起から係止孔が外れにくくなる。
【0009】
また、この発明の態様として、前記係止鍔を、前記軸部の周面に沿って長手方向に対し複数配列することができる。
これにより、カーペットの肉厚に応じて、該カーペットの係止孔が係止される係止鍔の位置を段階的に変更することができる。
【0010】
また、この発明の態様として、前記係止鍔を、側面から見て傘形状に形成することができる。
これにより、傘形状の係止鍔が、係止孔の周縁部に対し確実に係止される。
【0011】
また、この発明の態様として、前記留め具本体に、前記室内側に配索されるワイヤハーネスを固定するためのハーネス保持部及び/又はケーブルを固定するためのケーブル保持部を備えることができる。
これにより、ロッカパネルに、カーペットと、ワイヤハーネス及び/又はケーブルとを固定することができる。
【0012】
また、この発明は、前記カーペット留め具において、前記ワイヤハーネスに、前記ハーネス保持部を用いて前記留め具本体を固定し、前記留め具本体を前記ロッカパネルに固定した後、前記カーペット固定部に前記カーペットを挟持固定するカーペットの固定方法であることを特徴とする。
これにより、ワイヤハーネスをロッカパネルに固定する際、カーペットの重さ、硬さ、撓み等の影響を受けることなく、予め定められた配索位置に固定することができ、作業性が向上する。
【0013】
前記係止突起は、例えば傘形状、錨形状、楔形状等で構成することができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、例えば裂け目、破れ等の損傷がカーペットの縁部に発生することや、カーペットが外れるのを防止することができる。かつ、本発明のカーペット留め具を用いれば、カーペットをロッカパネルに固定する作業が簡単且つ容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態のカーペット留め具の構造を示す斜視図。
【図2】カーペット留め具の構造を示す側面図。
【図3】ワイヤハーネス及びケーブルの固定状態を示す斜視図。
【図4】カーペット留め具に対するカーペットの係止状態を示す縦断側面図。
【図5】係止突起を係止孔に係止する方法を示す説明図。
【図6】係止突起が係止されたカーペットの係止側縁部を示す斜視図。
【図7】丸形状の係止孔が形成されたカーペットを示す縁部拡大平面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明の一実施形態を、以下図面を用いて説明する。
図1はカーペット留め具1の構造を示す斜視図、図2はカーペット留め具1の構造を示す側面図、図3はワイヤハーネスB及びケーブルDの固定状態を示す斜視図、図4はカーペット留め具1に対するカーペットC1の係止状態を示す縦断側面図、図5は係止突起4をカーペットC1の係止孔Caに係止する方法を示す説明図、図6は係止突起4が係止されたカーペットC1の縁部Cbを示す斜視図、図7は丸形状の係止孔Caが形成されたカーペットC1を示す縁部拡大平面図である。
【0017】
本実施形態のカーペット留め具1は、自動車などの車両の室内側に配置されたロッカパネルAに、ワイヤハーネスBと、フロア用のカーペットC1と、ケーブルDとを固定する構造を有している(図4参照)。
【0018】
カーペット留め具1は、図1、図2に示すように、前記ロッカパネルAに対し車幅方向Eと平行して固定される平面から見てL字状に形成された留め具本体2を備えている。該留め具本体2の車幅方向Eの外側下面には、ロッカパネルAに形成された取付け孔Aaに対し差込み固定される錨型又は楔型の差込み部2aが下方に向けて形成されている。
【0019】
留め具本体2の差込み部2aは、ロッカパネルAの取付け孔Aaに対し上方から差込まれた際、該取付け孔Aaの裏面側周縁部に対し係止される。これにより、カーペット留め具1がロッカパネルAに固定される。
【0020】
留め具本体2の車幅方向Eの外側端部には、ワイヤハーネスBを保持するためのハーネス保持部3が形成されている。また、留め具本体2の車幅方向Eの内側端部に形成された受け部2cには、カーペットC1の係止孔Caに係止するための係止突起4と、ケーブルDを保持するためのケーブル保持部5とが形成されている(図3、図4参照)。
受け部2cは、留め具本体2の内側端部の一側縁部を車幅方向Eと直交する方向に延出して形成されている。
【0021】
また、留め具本体2の外側端部には、ハーネス保持帯3aの差込みが許容されるバンド差込み孔2bが、該留め具本体2の車幅方向Eの外側端部から内側端部に向けて貫通して形成されている。
さらに、留め具本体2の内側端部の下面には、後述するハーネス保持帯3aの係止溝3bに対して係止される係止爪2cが形成されている(図5参照)。
【0022】
ハーネス保持部3は、ワイヤハーネスBに巻き付けられる可撓性を有するハーネス保持帯3aの基端側が、留め具本体2の車幅方向Eの外側上面に対し一体的に連設されている。
【0023】
ハーネス保持帯3aは、ハーネス保持部3に載置されたワイヤハーネスBの周面に対し巻き付けが許容される長さに形成されている。
また、ハーネス保持帯3aの遊端側は、留め具本体2のバンド差込み孔2bに対し差し込みが許容される幅及び厚みに形成されている。
さらに、ハーネス保持帯3aの外面には、該ハーネス保持帯3aの長手方向に対し前記係止爪2cが係止される係止溝3bが多数形成されている。
【0024】
つまり、ワイヤハーネスBに巻き付けられたハーネス保持帯3aの遊端側を留め具本体2のバンド差込み孔2bに差込み、ハーネス保持帯3aの係止溝3bに対しバンド差込み孔2bの係止爪2cを係止する。
これにより、ワイヤハーネスBに巻き付けられたハーネス保持帯3aが抜止め固定されるので、ワイヤハーネスBをハーネス保持部3に固定することができる(図5参照)。
また、係止爪2cを、その復元力に抗して下方へ可撓変形させ、係止溝3bに対する係止を解除すれば、ハーネス保持帯3aによるワイヤハーネスBの固定を解除することができる。
【0025】
なお、ワイヤハーネスBは、留め具本体2の長手方向(或いは車幅方向E)と直交してハーネス保持部3に載置される。また、ハーネス保持帯3aに形成された爪部をバンド差込み孔2bに係止するなどして抜止め固定してもよい。
【0026】
係止突起4は、受け部2cの角隅部上面に立設された軸部4aと、該軸部4aの周面に形成された可撓性を有する係止鍔4bとで構成されている。また、係止鍔4bは、側面から見て傘形状に形成されるとともに、軸部4aの軸方向(或いは平面)から見て丸形状に形成されている。
【0027】
係止鍔4bは、軸部4aの上端部から中間部(或いは下端部)に至る領域内の軸周面に形成されるとともに、該軸部4aの周面に沿って長手方向に対し複数配列されている。
【0028】
また、係止鍔4bは、カーペットC1の係止孔Caより小径に形成された上端側小径部から、該係止孔Caより大径に形成された下端側大径部に向けて徐々に大径となるテーパ形状に形成されている。
【0029】
係止鍔4bの上端側小径部から下端側大径部に至る外面は、該上端側から下端側に向けて末広がりとなるように、外側斜め下方に向けて傾斜する斜面に形成されている。
【0030】
つまり、係止鍔4bは、カーペットC1の係止孔Caに挿入される際(図5のa参照)、係止鍔4bの斜面が係止孔Caの下面側内周縁部に当接される。その当接部分に生じる反力により、係止鍔4b自体の復元力に抗して挿入方向とは逆の方向である下方に向けて変形される。すなわち、係止孔Caに対し挿入が許容される挿入形態に可撓変形される(図5のb参照)。
【0031】
また、係止鍔4bは、係止孔Caに挿入されることによって軸部4a周面に沿って可撓変形された状態に拘束される(図5のc参照)。
【0032】
さらにまた、係止鍔4bは、係止孔Caの下方又は上方に突出された際、該係止鍔4b自体に蓄積された復元力によって可撓変形する前の傘状態、すなわち、係止孔Caに対し係止される係止形態に復帰される。
【0033】
傘形状の係止鍔4bは、下端側大径部から上端側小径部に向けて徐々に肉厚が厚くなるように形成されているので、上下逆向き傘形状に可撓変形することがない。このため、傘状態に復帰した係止鍔4bは、係止孔Caの上面側周縁部に対し係止されることになる(図5のd参照)。
【0034】
さらにまた、カーペットC1の肉厚に応じて、該カーペットC1の係止孔Caが係止される係止鍔4bの位置を軸方向に対し段階的に変更することができる。
【0035】
つまり、カーペットC1の肉厚が薄い場合、軸部4aの下側周面に配列された係止鍔4bにカーペットC1の係止孔Caを係止することができる。また、カーペットC1の肉厚が厚い場合、軸部4aの上側周面に配列された係止鍔4bにカーペットC1の係止孔Caを係止することができる。
【0036】
ケーブル保持部5は、ケーブルDを挟持するための第1挟持片5aと第2挟持片5bとで構成されている(図3、図4参照)。
第1挟持片5a及び第2挟持片5bは、車両の車幅方向Eと直交する方向に向けて、第2係止突起4bの背面に対しケーブルDの挟持が許容される間隔を隔てて平行に立設されている。
【0037】
また、第1挟持片5a及び第2挟持片5bは、ケーブルDが径方向に挟持される挟持間隔と、ケーブルDの挟み込みが許容される拡張間隔とに可撓変形可能に設けられている。
【0038】
第1挟持片5a及び第2挟持片5bの挟持側上端部には、該挟持片5a,5bの間に挟み込まれたケーブルDの上部周面に対し係止される爪部5cが内側に向けてそれぞれ形成されている。
第1挟持片5aと第2挟持片5bとの間は、ケーブルDを挟み込む際、ケーブルDの挟み込みが許容される間隔に外側に向けて押し広げられる。
ケーブルDは、留め具本体2の長手方向(或いは車幅方向E)と直交して第1挟持片5a及び第2挟持片5bの間に挟み込まれる。該ケーブルDを、留め具本体2の中央上面に対し押し付けられる位置まで押し込むと、挟持片5a,5b自体の復元力により、挟持片5a,5bの間が押し広げられる前の間隔に復帰する。
【0039】
挟持片5a,5bの復帰によりケーブルDが径方向に挟持されるとともに、ケーブルDの上部周面に対し第2挟持片5bの爪部5cが係止されるので、ケーブルDが挟持片5a,5bの間から引き抜かれるのを防止することができる。これにより、ケーブルDがケーブル保持部5に固定される。
【0040】
なお、第1挟持片5a及び第2挟持片5bを、複数本のケーブルDの挟持される長さに形成するか、該複数本のケーブルDの挟持が許容される間隔に隔てて立設してもよい。また、爪部5cを、第1挟持片5a及び第2挟持片5bの挟持側上端部に形成してもよい。
【0041】
前記カーペットC1の一側縁部Cbには、図7にも示すように、前記係止突起4aを挿入するための平面から見て丸形状の係止孔Caが厚み方向に貫通して形成されている。また、係止孔Caは、カーペットC1の一側縁部Cbに沿って等間隔を隔てて複数配列され、該一側縁部Cbの中央部及び左右角隅部に形成されている。
実施形態では、カーペットC1の一側縁部Cbに係止孔Caが形成された例を説明したが、係止孔Caは、図示しないカーペットC1の他側縁部Cbにも複数配列されている。
【0042】
前記カーペット留め具1を用いて、ロッカパネルAに対しカーペットC1を固定する方法を説明する。
先ず、図3に示すように、カーペット留め具1のハーネス保持部3にワイヤハーネスBを固定する。つまり、ワイヤハーネスBにハーネス保持部3を固定して、ワイヤハーネスBとカーペット留め具1とを一体的に固定した後、留め具本体2の差込み部2aをロッカパネルAの取付け孔Aaに差し込んで、ワイヤハーネスBが取り付けられたカーペット留め具1をロッカパネルAに固定する(図4参照)。
【0043】
次に、ケーブル保持部5にケーブルDを固定した後、カーペットC1の縁部Cbを、カーペット留め具1及びワイヤハーネスB、ケーブルDが覆われるように上方から被せる際(図6参照)、カーペット留め具1の係止突起4を、カーペットC1の係止孔Caに下方から挿入する(図5のa参照)。
【0044】
係止突起4を係止孔Caに挿入する際、係止鍔4bの斜面が係止孔Caの下面側内周縁部に当接し、その当接部分に生じる反力により、係止鍔4bが、該係止鍔4b自体の復元力に抗して挿入方向とは逆の方向である下方に向けて押し下げられる(図5のb参照)。
【0045】
係止孔Caに挿入された係止突起4の係止鍔4bは、軸部4a周面に沿う状態の挿入形態に可撓変形される(図5のc参照の実線)。これにより、係止孔Caに対する係止突起4の挿入が許容される。
【0046】
係止孔Caが、軸部4a周面に沿う状態に可撓変形された係止鍔4bより下方に押し下げられ、係止孔Caより上方に係止鍔4bが突出された際、係止鍔4bが、係止鍔4b自体に蓄積された復元力によって可撓変形する前の傘状態、すなわち、係止形態に復帰する(図5のc参照の仮想線)。
【0047】
傘状態に復帰した係止鍔4bは、上下逆向き傘形状に可撓変形することがなく、係止孔Caの上面側周縁部に係止されることになる(図5のd参照)。これにより、カーペットC1の縁部Cbが、カーペット留め具1の係止突起4に固定される。
【0048】
上述の順序で固定すれば、車両の室内側に配置されたロッカパネルAに対し、ワイヤハーネスBと、ケーブルDと、カーペットC1とを固定することができる(図4参照)。
【0049】
以上のように、カーペット留め具1の軸方向から見て丸形状の係止突起4を、カーペットCの平面から見て丸形状の係止孔Caに挿入し、該係止突起4の係止鍔4bを係止孔Caの上面側周縁部に係止するので、係止突起4と係止孔Caとの滑らかな曲線部分が互いに接触され、係止孔Ca全体に応力が分散して付与されることになる。
これにより、係止孔Caの一部に応力が集中して付与されることがなく、例えば裂け目、破れ等の損傷がカーペットC1の縁部Cbに発生するのを防止することができる。
【0050】
また、係止突起4を係止孔Caに挿入する際、係止鍔4bが軸部4a周面に沿う状態に可撓変形するので、係止孔Caに対する係止突起4の挿入が容易に行える。さらに、傘状態に復帰した係止鍔4bが係止孔Caの上面側周縁部に係止されるので、係止突起4から係止孔Caが外れにくくなる。
つまり、本実施形態のカーペット留め具1を用いれば、カーペットC1をロッカパネルAに固定する作業が簡単且つ容易に行える。また、カーペット留め具1として高い信頼性が得られ、品質の向上及び作業性の向上が期待できる。
【0051】
この発明の構成と、前記実施形態との対応において、
この発明のカーペット固定部は、実施形態の係止突起4に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【0052】
例えば、ワイヤハーネスB或いはカーペットC1に長さ的な余裕がある場合、カーペット留め具1のハーネス保持部3にワイヤハーネスBを固定し、ケーブル保持部5にケーブルDを固定し、係止突起4にカーペットC1を固定した後、ワイヤハーネスBと、カーペットC1と、ケーブルDとが取り付けられたカーペット留め具1をロッカパネルAに固定してもよい。
また、前記係止鍔4aを、例えば錨形状、楔形状等の形状に変更してもよい。さらにまた、係止突起4に形成された一つの係止鍔4aを、カーペットC1の係止孔Caに係止する構成に変更してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明のカーペット留め具は、カーペットの他の例として、例えばマット、シート、絨毯等の敷物を固定する際にも利用することができる。
【符号の説明】
【0054】
A…ロッカパネル
B…ワイヤハーネス
C1…カーペット
Ca…係止孔
Cb…縁部
D…ケーブル
1…カーペット留め具
2…留め具本体
3…ハーネス保持部
4…係止突起
4b…係止鍔
5…ケーブル保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の室内側に配置されたロッカパネルに固定される留め具本体に、該室内側に敷設されるカーペットを固定するためのカーペット固定部を備えたカーペット留め具であって、
前記カーペット固定部を、前記カーペットの縁部に形成された平面から見て丸形状の係止孔に係止される係止突起で構成し、
前記係止突起を、前記係止孔と対応して平面から見て丸形状に形成した
カーペット留め具。
【請求項2】
前記係止突起を、前記係止孔より小径に形成された軸部と、該軸部の周面に形成された可撓性を有する係止鍔とで構成し、
前記係止鍔を、該係止鍔自体の復元力に抗して前記係止孔に対し挿入が許容される挿入形態に変形可能で、該係止鍔自体の復元力により前記係止孔に対し係止される係止形態に復帰可能に設けた
請求項1に記載のカーペット留め具。
【請求項3】
前記係止鍔を、前記軸部の周面に沿って長手方向に対し複数配列した
請求項2に記載のカーペット留め具。
【請求項4】
前記係止鍔を、側面から見て傘形状に形成した
請求項2又は3に記載のカーペット留め具。
【請求項5】
前記留め具本体に、前記室内側に配索されるワイヤハーネスを固定するためのハーネス保持部及び/又はケーブルを固定するためのケーブル保持部を備えた
請求項1〜4のいずれか一つに記載のカーペット留め具。
【請求項6】
前記請求項1〜5に記載のカーペット留め具において、
前記ワイヤハーネスに、前記ハーネス保持部を用いて前記留め具本体を固定し、
前記留め具本体を前記ロッカパネルに固定した後、
前記カーペット固定部に前記カーペットを挟持固定する
カーペットの固定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−213172(P2011−213172A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−81040(P2010−81040)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(391045897)古河AS株式会社 (571)
【Fターム(参考)】